JP5018571B2 - 減速指示装置及び減速指示方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、自車両の前方の注意対象(特許文献1では、歩行者)の存在を検知し、検知した注意対象にスポット光を照射する技術が開示されている。注意対象にスポット光を照射することで、運転者に注意対象を認識させることができる。したがって、運転者は、注意対象を見落とすことなく安全に自車両を走行させることができる。
例えば、各注意対象に順にスポット光を照射すれば、自車両の前方に複雑にスポット光が照射されることとなる。したがって、運転者の意識が散漫になる。また、運転者が全ての注意対象を認識することが困難となる。また、仮に運転者が全ての注意対象を認識できたとしても、このように複数の情報が運転者に与えられると、運転者がそれらの情報を適切に判断して運転を行うことが困難となる。
また、自車両の前方に複数の注意対象が存在している場合に、自車両に近い側の注意対象にスポット光を照射し、その注意対象を通過したときに次の注意対象にスポット光を照射することも考えられる。この方法によれば、運転者が注意対象を認識することは容易となる。しかしながら、このようにスポット光を照射すると、2つの注意対象が接近して存在しているときに問題が生じる。すなわち、第1の注意対象を通過した時点で第2の注意対象にスポット光を照射すると、スポット光が照射されたときには第2の注意対象が既に接近しており、運転者が適切に対処できない可能性がある。
このように、従来の技術では、自車両の前方に複数の注意対象が存在している場合に、運転者が安全に自車両を運転することが困難であった。
したがって、本発明は、走行中の自車両の前方の状況に応じて運転者に減速を指示する減速指示装置を提供する。この減速指示装置は、判断時間決定手段と、投影手段と、注意対象情報出力手段と、到達時間算出手段と、時間間隔予測手段と、投影制御手段を備えている。判断時間決定手段は、判断時間を決定する。投影手段は、自車両の前方の路面に画像を投影する。注意対象情報出力手段は、自車両の前方の注意対象の位置と相対移動速度を特定して出力する。到達時間算出手段は、注意対象情報出力手段によって複数の注意対象の位置と相対移動速度が出力されたときに、出力された各注意対象の位置と相対移動速度に基づいて、自車両が各注意対象に到達するのに要する到達時間を算出する。時間間隔予測手段は、到達時間算出手段によって算出された各到達時間から、自車両が各注意対象を通過する時間間隔を予測する。投影制御手段は、時間間隔予測手段によって予測された時間間隔のうちの少なくとも1つが判断時間決定手段によって決定された判断時間より短いときに、投影手段によって自車両の前方の路面に減速を指示する画像を投影する。
なお、上記相対移動速度とは、注意対象の自車両に対する相対移動速度をいう。注意対象が静止物(絶対移動速度がゼロの物体)である場合には、自車両の走行速度をその注意対象の相対移動速度として採用することができる。
この減速指示装置では、自車両の前方に複数の注意対象が存在しているときに、注意対象情報出力手段によって複数の注意対象の位置と相対移動速度が出力される。すると、到達時間算出手段と時間間隔予測手段が動作して、自車両が各注意対象を通過する時間間隔が予測される。注意対象が3つ以上存在しているときには、「第1の注意対象を通過してから第2の注意対象を通過するまでの時間間隔と、第2の注意対象を通過してから第3の注意対象を通過するまでの時間間隔・・・」といった具合に、複数の時間間隔が予測される。そして、予測された時間間隔のうちの少なくとも1つが判断時間よりも短いときに、投影手段によって自車両の前方に減速を指示する画像が投影される。したがって、予測された時間間隔が判断時間よりも短いときには、運転者は、投影された画像を見て自車両の走行速度を減速させることができる。自車両の走行速度が減速されることにより、各注意対象を通過する実際の時間間隔が、予測された時間間隔より長くなり、運転者は各注意対象に適切に注意を払って運転することが可能となる。
このように、本発明の減速指示装置では、自車両の前方に複数の注意対象が存在している場合に、それらの注意対象の存在を個々に運転者に知らせるのではなく、それらの注意対象を通過する時間間隔が短いときに運転者に減速を指示する。すなわち、運転者に対して、減速指示という1つの情報を知らせる。したがって、運転者は、判断に迷うことなく適切に自車両を減速させることができる。減速した後は、各注意対象に十分に注意を払うことができるので、安全に運転することができる。また、減速の指示は、自車両の前方の路面に画像を投影することによって行われる。したがって、運転者は、視点や焦点をほとんど動かすことなく減速の指示を確認することができる。
なお、上述した「判断時間」は、自車両が複数の注意対象を通過するときに、運転者が各注意対象を確実に認識できる時間間隔よりも長い時間に設定する必要がある。判断時間は、一定値に設定してもよい(すなわち、判断時間決定手段が、予め決められた一定の判断時間を常に出力するようにしてもよい)。なお、判断時間は、運転者の年齢や性別によって異なる。判断時間の設定は、運転者自身で行ってもよいし、メーカ側で予め設定しておいてもよい。また、判断時間は、走行時の状況(自車両の周囲の状況やドライバーの状況)によっても変化する。したがって、判断時間決定手段が、走行時の状況に応じて判断時間を変更するようにしてもよい。
なお、本明細書においては、「歩行者」は走行中の自転車も含む概念である。すなわち、「歩行者」には、「歩いている人」と「自転車に乗っている人」の双方が含まれる。
このような構成によれば、自車両の走行予定範囲に進入する可能性がある歩行者を注意対象として特定することができる。
なお、交差点は静止物であるので、走行速度検出手段によって検出された自車両の走行速度は、交差点の自車両に対する相対移動速度である。
このような構成によれば、交差点を注意対象として特定することができる。
なお、駐車車両は静止物であるので、走行速度検出手段によって検出された自車両の走行速度は、駐車車両の自車両に対する相対移動速度である。
このような構成によれば、駐車車両を注意対象として特定することができる。
したがって、上述した減速指示装置は、時間間隔最大数を記憶しておく時間間隔最大数記憶手段をさらに有していることが好ましい。そして、投影制御手段が、判断時間より短い時間間隔で通過する注意対象間の区間の連続数が時間間隔最大数より多いときに、投影手段によって前記画像を投影することが好ましい。
このような構成によれば、判断時間より短い時間間隔で通過する注意対象間の区間の連続数が時間間隔最大数以下である場合には、画像が投影されない。注意対象を正確に認識できる場合にまで減速を指示する画像が路面に投影されることがなくなる。
なお、上述した「時間間隔最大数」は、運転者が各注意対象を正確に認識することが可能な数である必要がある。時間間隔最大数は、運転者の年齢や性別によって異なる。時間間隔最大数の設定は、運転者自身で行ってもよいし、メーカ側で予め設定しておいてもよい。
この減速指示方法によれば、自車両の前方に複数の注意対象が存在している場合に、運転者に安全な対処を促すことができる。
(特徴1) 注意対象情報出力手段が、歩行者位置特定手段によって特定された各歩行者の位置と、歩行者相対移動速度特定手段によって特定された各歩行者の相対移動速度から、同行体である歩行者を特定する。そして、進入歩行者特定手段が、同行体特定手段によって特定された同行体である複数の歩行者を、1の歩行者として処理を実行する。
(特徴2)投影開始時間を記憶している投影開始時間記憶手段をさらに有している。投影制御手段が、判断時間より短い時間間隔で通過する注意対象間の区間の連続数が時間間隔最大数より多い場合において、その連続する区間に含まれる注意対象群のうちで自車両が最初に到達する注意対象(すなわち、最も早く到達する注意対象)に到達するまでの到達時間が投影開始時間より短いときに、投影手段によって自車両の前方の路面に減速を指示する画像を投影する。
なお、投影型表示装置20には、プロジェクタのように結像方式で画像を投影する装置を採用することができる。また、レーザビームをラスタスキャンするものであってもよいし、レーザビームをベクトルスキャンするものであってもよい。光源も限定されず、レーザでもよいし、超高圧水銀ランプやハロゲンランプ等であってもよい。また、本実施例では、2台の投影型表示装置20a、20bで1つの画像を投影した例を示しているが、左右がそれぞれに画像を投影してもよい。また、投影型表示装置は1台であってもよい。また、本実施例では、ヘッドランプとは別に投影型表示装置を設けたが、投影型表示装置がヘッドランプとしても機能するように構成してもよい。
注意対象最大数データ22bは、自車両100が複数の注意対象を通過するときに、運転者が各注意対象を正確に認識できる注意対象の最大数を示すデータである。本実施例では、注意対象最大数データ22bが示す値は2個である。
時間間隔最大数データ22cは、自車両100が判断時間(後に詳述)より短い時間間隔で通過する区間(すなわち、注意対象間の区間)が連続するときに、運転者が各注意対象を正確に認識できる連続数の最大数を示すデータである。本実施例では、時間間隔最大数データ22cは、最大数データから1を減算した値(すなわち、1個)に設定されている。
投影開始時間データ22dは、自車両100の前方に減速を指示する画像を投影する必要があるときに、その画像を投影するタイミングを示すデータである。後に詳述するが、減速指示装置10は、判断時間より短い時間間隔で通過する注意対象間の区間の連続数が時間間隔最大数より多いときに減速を指示する画像を投影する必要があると判定する。画像を投影する必要がある場合には、減速指示装置10は、その連続する区間(短い時間間隔で通過する区間)に含まれる注意対象群のうちで自車両が最初に到達する注意対象(すなわち、最も早く到達する注意対象)に到達するまでの到達時間が投影開始時間より短くなったときに、自車両の前方の路面に減速を指示する画像を投影する。本実施例では、投影開始時間データ22dが示す投影開始時間は、2.9秒である。
投影パターンデータ22eは、自車両100の前方に投影する画像を記述している画像データを複数個備えたデータである。投影パターンデータ22eが備えている各画像データは、「20km/h」、「30km/h」、「40km/h」等の速度を示すメッセージを表示する画像を記述したデータである。自車両100の前方には、投影パターンデータ22eが備えている画像データのうち、演算装置24によって選択された画像データが記述する画像が投影される。
演算装置24は、カーナビ14から入力されるマップデータ、カメラ12a及び12bから入力される画像データ等に基づいて、自車両100の前方の状況を特定する。そして、特定した自車両100の前方の状況に応じて、投影型表示装置20に画像を投影させる。
自車両100の走行中においては、カーナビ14は、一定周期でGPS信号を受信し、GPS信号を受信する毎に自車両100の位置と走行方向を算出する。カーナビ14は、一定周期で、自車両100の位置データ及び走行方向データと、自車両100の周辺のマップデータを演算装置24に出力する。
また、カメラ12aは、自車両100の走行中に、一定周期で自車両100の前方の画像を撮影し、撮影した画像データを演算装置24に出力する。同様に、カメラ12bも、自車両100の走行中に、一定周期で自車両100の前方の画像を撮影し、撮影した画像データを演算装置24に出力する。
また、速度センサ16は、一定周期で自車両100の走行速度を検出し、検出した走行速度データを演算装置24に出力する。
また、操舵角センサ18は、一定周期で自車両100の操舵角を検出し、検出した操舵角データを演算装置24に出力する。
また、ドライバ撮影カメラ21aは、自車両100の走行中に、一定周期でドライバの顔の画像を撮影し、撮影した画像データを演算装置24に出力する。
また、降雨センサ21bは、自車両100の走行中に、一定周期で降雨量を検出し、検出値を演算装置24に出力する。
また、受光センサ21cは、自車両100の走行中に、一定周期で自車両100の周囲の明るさを検出し、検出値を演算装置24に出力する。
したがって、自車両100の走行中においては、自車両100の位置データと、自車両100の走行方向データと、自車両100の周辺のマップデータと、カメラ12aで撮影された画像データと、カメラ12bで撮影された画像データと、走行速度データと、操舵角データと、ドライバの顔の画像データと、降雨センサ21bの判定値と、受光センサ21cの検出値が、演算装置24に対して随時入力される。
また、演算装置24の運転時間カウント部41は、自車両100の運転が開始されてからの時間をカウントする。
交差点を特定して位置を算出する処理では、交差点特定部25が、ステップS4で取得した自車両100の位置データと、自車両100の走行方向データと、自車両100の周辺のマップデータから、自車両100の前方(走行方向)に存在する交差点を特定する。そして、自車両100の位置データと自車両100の周辺のマップデータから、特定した交差点の自車両100に対する相対位置(自車両100を原点とした交差点の位置座標)を算出する。交差点特定部25は、算出した交差点の位置を到達時間算出部38に出力する。
図4は、自車両100の走行予定範囲に進入する可能性のある進入歩行者を特定して位置を算出する処理を示すフローチャートである。
例えば、図5に示すように、カメラ12a及び12bの前方(すなわち、自車両100の前方)に歩行者102が存在している場合を考える。この場合、カメラ12aでは、図6に示すように画像が撮影される。また、カメラ12bでは、図7に示すように画像が撮影される。なお、図6、図7においては、参照番号104が自車両100が走行している車道を示しており、参照番号106は車道104の脇の歩道を示している。ステップS52では、歩行者位置算出部27は、図6に示すカメラ12aの画像データの水平方向の中心位置108aと歩行者102(より詳細には、歩行者102を示す画素の中心位置)との間の画素数A1(すなわち、中心位置108aと歩行者102の画像上における水平方向の距離)を算出する。そして、算出した画素数A1から、図5の角度B1(カメラ12aと歩行者102を結ぶ直線C1と、カメラ12aの正面方向を示す直線C2との角度)を算出する。同様に、歩行者位置算出部27は、図7に示すカメラ12bの画像データの水平方向の中心位置108bと歩行者102との間の画素数A2を算出する。そして、算出した画素数A2から、図5の角度B2(カメラ12bと歩行者102を結ぶ直線C3と、カメラ12bの正面方向を示す直線C4との角度)を算出する。歩行者位置算出部27は、算出した角度B1及び角度B2と、カメラ12aとカメラ12bの間の距離H1(図5参照)から、歩行者102の自車両100に対する相対位置(図5のX1とY1)を算出する(なお、図5の点P1は、カメラ12aとカメラ12bの間の中点を示している)。ステップS50で複数の歩行者が特定されている場合には、歩行者位置算出部27は、特定された各歩行者の相対位置を算出する。
例えば、第1の歩行者と第2の歩行者が特定されている場合、同行体特定部30は、最初に第1の歩行者の相対位置と第2の歩行者の相対位置から、第1の歩行者と第2の歩行者の間の距離間隔が一定間隔以下であるか否かを判定する。距離間隔が一定距離間隔以下であった場合には、同行体特定部30は、第1の歩行者の相対移動速度ベクトルと第2の歩行者の相対移動速度ベクトルの差で算出される歩行者間の相対移動速度ベクトルの絶対値を算出する。算出した絶対値が一定値以下である場合には、第1の歩行者と第2の歩行者が一緒に移動していると考えられるので、同行体特定部30は、第1の歩行者と第2の歩行者が同行体であると特定する。同行体特定部30は、以上の処理を、ステップS50で特定された各歩行者に対して実行する。同行体特定部30で同行体であると特定された複数の歩行者は、以下の処理では1の歩行者であるとして計算される。
例えば、図8に示すように歩行者110〜114が存在する場合を考える。なお、図8の矢印110a〜114aは、歩行者110〜114の相対移動速度ベクトルを示している。図8に示すように、歩行者112は、相対移動速度ベクトル112aを延長した直線が自車両100と交差する。したがって、歩行者112はが相対移動速度ベクトル112aに示す通りに移動したと仮定すると、歩行者112と自車両100とが非常に接近すると考えられる。この場合、進入歩行者特定部31は、歩行者112が自車両100の走行予定範囲に進入する可能性があると判定する。また、歩行者110は、相対移動速度ベクトル110aを延長した直線が自車両100と交差しない。しかしながら、相対移動速度ベクトル110a方向の角度範囲D1内に自車両100が存在する。したがって、歩行者110の相対移動速度ベクトル110aが矢印110bに示すように変化した場合等には、歩行者110と自車両100が非常に接近すると考えられる。したがって、進入歩行者特定部31は、歩行者110が自車両100の走行予定範囲に進入する可能性があると判定する。一方、歩行者114は、相対移動速度ベクトル114a方向の角度範囲D1内に自車両100が存在しない。したがって、進入歩行者特定部31は、歩行者114が自車両100の走行予定範囲に進入する可能性がないと判定する。
進入歩行者特定部31は、自車両100の走行予定範囲に進入する可能性がある進入歩行者を特定すると、特定した進入歩行者の位置と相対移動ベクトルを到達時間算出部38に出力する。
図9は、駐車車両を特定して位置を算出する処理を示すフローチャートである。
障害物を特定して位置を算出する処理は、図4のステップS50及びS52と同様にして行われる。
すなわち、最初に、障害物特定部37が、ステップS2で取得した画像データ(カメラ12aが出力した画像データと、カメラ12bが出力した画像データ)から自車両100の前方の路面上の障害物の存在を特定する。障害物の特定は、図5のステップS50と同様に、各画像データ上で路面上の障害物の形状を認識することにより行う。
次に、障害物特定部37が、ステップS2で取得した画像データに基づいて、特定した障害物の自車両100に対する相対位置を算出する。障害物の相対位置の算出は、図5のステップS52で説明した歩行者の相対位置の算出と同様にして行われる。
すなわち、判断時間決定部42は、運転時間カウント部41がカウントしている運転時間を読み出す。
また、判断時間決定部42は、ドライバ撮影カメラ21aが撮影した所定時間内の画像データから、ドライバがまばたきした回数を算出する。ドライバのまばたきは、ドライバの顔の画像を認識することにより検知する。判断時間決定部42は、ドライバのまばたきの回数から、ドライバの眠気を数値化した眠気指数(高いほど、ドライバが眠たいと感じていることを示す値)を算出する。
また、判断時間決定部42は、ドライバ撮影カメラ21aが撮影した所定時間内の画像データから、ドライバがわき見をした時間比率(以下、わき見指数という)を算出する。ドライバのわき見は、ドライバの視点を画像から認識することにより検知する。
また、判断時間決定部42は、降雨センサ21bが検出する降雨量を読み出す。
また、判断時間決定部42は、受光センサ21cが検出する明るさから、暗さを示す値(暗いほど高い値として算出される)を算出する。
そして、運転時間、眠気指数、わき見指数、降雨量、暗さ、及び、ステップS6で特定された注意対象の数に基づいて、判断時間を決定する。ヒトが注意対象を認識する能力は、これらの値(すなわち、運転時間、眠気指数、わき見指数、降雨量、暗さ、及び、注意対象の数)が大きいほど低下する。したがって、判断時間決定部は、これらの値が大きい値であるほど、判断時間を長く決定する。
注意対象が進入歩行者である場合には、到達時間算出部38は、進入歩行者の相対位置に基づいて、自車両100から進入歩行者までの距離を算出する。そして、算出した距離を進入歩行者の相対移動速度で除算することで、進入歩行者までの到達時間を算出する。例えば、図10に示すように進入歩行者120が存在する場合には、自車両100と進入歩行者120の間の距離L1を進入歩行者120の相対移動速度(相対移動ベクトルの絶対値)で除算して、進入歩行者120までの到達時間を算出する。歩行者122についても、距離L2を歩行者122の相対移動速度で除算して、進入歩行者122までの到達時間を算出する。
注意対象が静止物(すなわち、交差点と駐車車両と障害物)である場合には、到達時間算出部38は、操舵角センサ18から入力される操舵角データに基づいて、自車両100の予測進路を算出する。次に、到達時間算出部38は、算出した予測進路と注意対象の相対位置に基づいて、予測進路に沿った方向における自車両100から注意対象までの距離を算出する。すなわち、注意対象の位置から予測進路に対して垂線を描いて垂線と予測進路との交点を算出する。そして、自車両100から算出した交点までの距離(予測進路に沿った距離)を算出する。例えば、図10に示すように自車両100の予測進路130が直線である場合には、交差点124までの距離として距離L3が算出される。また、図11に示すように自車両100の予測進路130がカーブしている場合には、交差点124までの距離として距離L4が算出される。次に、到達時間算出部38は、自車両100から注意対象までの距離を、速度センサ16で検出した自車両100の走行速度で除算する。これによって、自車両100が注意対象に到達するまでの到達時間を算出する(注意対象が静止物である場合には、自車両100の走行速度が注意対象の相対移動速度に該当し、速度センサ16が注意対象の相対速度を特定する手段となる)。
到達時間算出部38は、以上の処理を各注意対象に対して実行し、自車両100が各注意対象に到達するまでの到達時間を算出する。
例えば、図13に示すように歩行者161〜167が存在し、歩行者162〜164が短い時間間隔で通過する第1の注意対象群171であり、歩行者165〜167が短い時間間隔で通過する第2の注意対象群172である場合(すなわち、歩行者161−162間の区間を通過する時間間隔と歩行者164−165間の区間を通過する時間間隔が判断時間以上であり、他の区間は何れも時間間隔が判断時間未満である場合)を考える。この場合、注意対象群171に含まれる注意対象のうちで最も自車両に早く到達する注意対象(すなわち、歩行者162)に到達するまでの到達時間が投影開始時間より短いときに、ステップS18でYESと判定する。
(1)注意対象の数が注意対象最大数(すなわち、2個)より多い(すなわち、3個以上である)。
(2)判断時間より短い時間間隔で通過する区間の連続数が時間間隔最大数(すなわち、1個)より多い(すなわち、2個以上である)。
(3)短い時間間隔で通過する注意対象群に含まれる注意対象のうち、自車両が最も早く到達する注意対象に到達するまでの到達時間が、投影開始時間(すなわち、2.9秒)より短い。
また、上述した実施例では、注意対象最大数が2個であったが、注意対象最大数は、運転者の能力や走行時の状況等に応じて変更してもよい。注意対象最大数の設定は、運転者自身で行ってもよいし、メーカ側で予め設定しておいてもよい。
また、上述した実施例では、時間間隔最大数が1個であったが、時間間隔最大数は、運転者の能力や走行時の状況等に応じて変更してもよい。時間間隔最大数の設定は、運転者自身で行ってもよいし、メーカ側で予め設定しておいてもよい。
また、上述した実施例では、投影開始時間が2.9秒であったが、投影開始時間は、運転者の能力や走行時の状況等に応じて変更してもよい。投影開始距離の設定は、運転者自身で行ってもよいし、メーカ側で予め設定しておいてもよい。また、投影を開始するタイミングを投影開始時間で判断するのではなく、最初に到達する注意対象までの距離が一定値以下となったら投影を開始するようにしてもよい。
例えば、「徐行」、「速度を落とせ」等のメッセージを表示するようにしても良い。
また、図14に示す例のように、自車両100の前方の路面に、自車両100の進行方向を横切る縞模様を映し出してもよい。このとき、自車両100の走行速度と略同じ速度で縞模様が手前側に移動するように(すなわち、図14の矢印150に示す向きに移動するように)画像を変化させる。このように投影された縞模様は、運転者から見ると路面の凹凸のように見える。したがって、運転者に自車両100の減速を促すことができる。
また、図14に示す例においては、自車両100の走行速度より速い速度で縞模様が手前側に移動するように画像を変化させてもよい。このような構成によれば、運転者は、実際の自車両100の走行速度よりも速い速度で走行している感覚になる。したがって、運転者に自車両100の減速を促すことができる。
また、例えば図15に示す例のように、自車両100の前方の中央部(車幅に対する中央部)だけを照射し、自車両100の前方の脇部(車幅に対する脇部)を照射しない画像を映し出してもよい。このような構成によれば、運転者は、自車両100が走行する道路の幅を狭く感じる。したがって、運転者に自車両100の減速を促すことができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12a:カメラ
12b:カメラ
14:カーナビゲーションシステム
14a:マップデータ記憶部
14b:自車両位置算出部
14c:GPSアンテナ
16:速度センサ
18:操舵角センサ
20a:投影型表示装置
20b:投影型表示装置
22:記憶装置
22b:注意対象最大数データ
22c:時間間隔最大数データ
22d:投影開始時間データ
22e:投影パターンデータ
24:演算装置
25:交差点特定部
26:歩行者特定部
27:歩行者位置算出部
28:歩行者位置記憶部
29:歩行者移動速度算出部
30:同行体特定部
31:進入歩行者特定部
32:他車両特定部
33:他車両位置算出部
34:他車両位置記憶部
35:他車両移動速度算出部
36:駐車車両特定部
37:障害物特定部
38:到達時間算出部
39:時間間隔予測部
40:投影制御部
100:自車両
Claims (6)
- 走行中の自車両の前方の状況に応じて運転者に減速を指示する装置であって、
判断時間を決定する判断時間決定手段と、
自車両の前方の路面に画像を投影する投影手段と、
自車両の前方の注意対象の位置と相対移動速度を特定して出力する注意対象情報出力手段と、
注意対象情報出力手段によって複数の注意対象の位置と相対移動速度が出力されたときに、出力された各注意対象の位置と相対移動速度に基づいて、自車両が各注意対象に到達するのに要する到達時間を算出する到達時間算出手段と、
到達時間算出手段によって算出された各到達時間から、自車両が各注意対象を通過する時間間隔を予測する時間間隔予測手段と、
時間間隔予測手段によって予測された時間間隔のうちの少なくとも1つが判断時間決定手段によって決定された判断時間より短いときに、投影手段によって自車両の前方の路面に減速を指示する画像を投影する投影制御手段、
を備えていることを特徴とする減速指示装置。 - 注意対象情報出力手段が、
自車両の前方の画像を取得する画像取得手段と、
画像取得手段によって取得された画像から歩行者の位置を特定する歩行者位置特定手段と、
歩行者位置特定手段によって特定された歩行者の位置を記憶する歩行者位置記憶手段と、
歩行者位置記憶手段によって記憶されている歩行者の過去の位置と、歩行者位置特定手段によって特定された歩行者の現在の位置から、歩行者の相対移動速度を特定する歩行者相対移動速度特定手段と、
歩行者位置特定手段によって特定された歩行者の現在の位置と、歩行者相対移動速度特定手段によって特定された歩行者の相対移動速度から、自車両の走行予定範囲に進入する可能性がある歩行者の位置と相対移動速度を特定して出力する進入歩行者情報出力手段、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の減速指示装置。 - 注意対象情報出力手段が、
自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、
マップデータを記憶しておくマップデータ記憶手段と、
GPS信号を受信するGPS信号受信手段と、
GPS信号受信手段によって受信されたGPS信号から自車両の位置を算出する自車両位置算出手段と、
マップデータ記憶手段によって記憶されているマップデータと自車両位置算出手段によって算出された自車両の位置から、自車両の前方に存在する交差点の位置を特定する交差点位置特定手段と、
交差点位置特定手段によって特定された交差点の位置と、走行速度検出手段によって検出された走行速度を出力する交差点情報出力手段、
を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の減速指示装置。 - 注意対象情報出力手段が、
自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、
自車両の前方の画像を取得する画像取得手段と、
画像取得手段によって取得された画像から自車両の前方の他車両の位置を特定する他車両位置特定手段と、
他車両位置特定手段によって特定された他車両の位置を記憶する他車両位置記憶手段と、
他車両位置記憶手段によって記憶されている他車両の過去の位置と、他車両位置特定手段によって特定された他車両の現在の位置と、走行速度検出手段によって検出された走行速度から、他車両の絶対移動速度を特定する他車両絶対移動速度特定手段と、
他車両位置特定手段によって特定された他車両の位置と、他車両絶対移動速度特定手段によって特定された他車両の絶対移動速度に基づいて、駐車車両の位置を特定する駐車車両位置特定手段と、
駐車車両位置特定手段によって特定された駐車車両の位置と、走行速度検出手段によって検出された走行速度を出力する駐車車両情報出力手段、
を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の減速指示装置。 - 時間間隔最大数を記憶しておく時間間隔最大数記憶手段をさらに有しており、
投影制御手段が、判断時間より短い時間間隔で通過する注意対象間の区間の連続数が時間間隔最大数より多いときに、投影手段によって前記画像を投影することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の減速指示装置。 - 自車両の前方の注意対象の位置と相対移動速度を特定して出力する注意対象情報出力手段と、
自車両の前方の路面に画像を投影する投影手段と、
を備えた装置を用いて、走行中の自車両の前方の状況に応じて運転者に減速を指示する方法であって、
判断時間を決定するステップと、
注意対象情報出力手段によって複数の注意対象の位置と相対移動速度が出力されたときに、出力された各注意対象の位置と相対移動速度に基づいて、自車両が各注意対象に到達するのに要する到達時間を算出するステップと、
算出した各到達時間から、自車両が各注意対象を通過する時間間隔を予測するステップと、
予測した時間間隔のうちの少なくとも1つが決定した判断時間より短いときに、投影手段によって自車両の前方の路面に減速を指示する画像を投影するステップ、
を備えていることを特徴とする減速指示方法。
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