JP5017788B2 - ガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法および再生エアコンファン部品 - Google Patents

ガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法および再生エアコンファン部品 Download PDF

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Description

本発明は、廃プラスチックの再生利用に関するものであり、さらに詳しくは、市場にて使用後に回収されたガラス繊維を含有するスチレン系樹脂からなる成形品の機械特性の低下が極めて小さいガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法、および得られたガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物、並びにそれを用いて成形したことを特徴とする再生エアコンファン部品に関するものである。
ガラス繊維等で強化された強化スチレン系樹脂は、耐衝撃性や剛性などの機械的強度バランス、得られた成形品の優れた寸法安定性および成形加工性、ならびに電気絶縁性を有し、かつ安価なことから、家庭電気機器、OA機器および自動車などの構造部品や、装置部品として広範な分野で使用されている。
近年、環境問題により熱可塑性樹脂のリサイクルが要望されているが、ガラス繊維で強化されたスチレン系樹脂は、成形および再生の工程でガラス繊維の破損が起こるため、再生利用しない成形材料に比べ、再生材料とした場合機械的強度が低下する。従って、再生利用しない成形材料を使用した製品と同様の条件にて使用することができないという問題があった。
また、実際に市場にて使用された後に回収された成形品を用いた再生樹脂は、埃や油状の汚れ成分が付着しているため、特に機械的物性の低下が大きく、更には成形時および成形品使用時に、汚れ成分に由来する臭気が発生するため、再生使用が制限される問題があった。
これらの問題に対し、強化スチレン系樹脂の強度向上手法として、原料樹脂と樹脂用添加剤と回収成形の粉砕品を含む混合物をコンパウンディングしたものが記載されており、諸物性の低下が少なく、また成形機へのフィード特性ならびに成形性に優れたリサイクル樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。また、ガラス繊維を含有する市場経年した自動車の廃天井材または製造工程で発生する端材等の廃天井材を、強度を損なうこと無くシンプルな製造工程にて、有効にリサイクルできる方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−026719号公報 特開2003−183413号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の組成物は、市場での使用時後に回収された成形品に付着している汚れ成分に由来した機械的物性の低下や、成形時および成形品使用時に発生する臭気の課題を解決することができていない。また、特許文献2の方法で用いられる組成物は、強度を損なわない手法として成形方法をプレス成形に特定しており、射出成形できないものであった。
本発明の目的は、上記した従来技術における課題を検討した結果、達成されたものであり、すなわち、使用後に回収されたガラス繊維強化スチレン系樹脂を、射出成形用途においてバージン材に比べ機械的強度の低下が小さく、且つ使用時における臭気問題が無い、ガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物、特にガラス繊維強化再生スチレン系樹脂組成物の製造方法、およびそれによって得られたガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物、および再生エアコンファン部品を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、市場から回収された成形品を水洗浄した後、特定比率でスチレン系樹脂およびガラス繊維と混練またはブレンドすることにより、上記目的が効率的に達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、使用後に回収された、ガラス繊維を含有するスチレン系樹脂からなる(A)成形品を、水洗浄した後、破砕して得られた成形品破砕物を予め押出機にてペレタイズした樹脂ペレットと、(B)原料スチレン系樹脂と(C)原料ガラス繊維を押出機にてペレタイズした樹脂ペレットとを、ペレットブレンドすることを特徴とする、ガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂の製造方法、さらには、かかる方法により製造されたガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物、およびそれを用いて成形したことを特徴とする再生エアコンファン部品である。
本発明で得られるガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物においては、前記(A)成形品を、水洗浄した後、破砕して得られた成形品破砕物が、アクリロニトリル/スチレン共重合体を主体とするスチレン系樹脂からなる成型品の破砕物であり、および(B)原料スチレン系樹脂がアクリロニトリル/スチレン共重合体を主体とするスチレン系樹脂であることが好ましい条件として挙げられる。また、本発明では、(A)成形品を破砕して得られた破砕物が1重量%以上の水分を含有した状態で、減圧脱気装置(ベント)を備えた押出機でペレタイズすることが、好ましい条件として挙げられる。
さらに、本発明では、水洗浄には40℃以上の温水を用いること、金属部品を0.01%含有した(A)成形品から金属除去装置で金属部品を除去することが、好ましい条件として挙げられる。
本発明方法により得られるガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物は、リサイクル後であっても、本来の機械的強度、成形品寸法安定性および成形加工性を保持しつつ、かつ成形加工時の臭気問題を解決し、射出成形用途などの広範な分野での利用が可能となる。さらには、環境問題に対するガラス繊維強化再生スチレン系樹脂のリサイクル要望を満足した材料を提供することができる。
以下、本発明のガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明におけるガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物は、使用後に回収された、成形品中にガラス繊維を15〜35重量%含有するスチレン系樹脂からなる(A)成形品を、水洗浄した後、破砕して得られた成形品破砕物、(B)原料スチレン系樹脂、および(C)原料ガラス繊維から基本的に構成される。水洗浄により、成形品(A)に付着した付着物を、簡便にかつ有効に除去することができる。
本発明における(A)成形品を構成するスチレン系樹脂とは、ガラス繊維を15〜35重量%含有し、その樹脂成分は、スチレンまたはα−メチルスチレン単量体と、その他共重合可能なビニル系単量体等で構成される。その他の共重合可能な単量体としては特に制限はないが、好ましい例としては、シアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体および置換マレイミド単量体が挙げられ、中でもアクリロニトリルが好ましい。また、主に衝撃強度を改善する目的で添加されるゴム状重合体を含んでいてもよい。
(A)成形品とは、上記スチレン系樹脂を射出成形等で成形し、製品として市場で一定期間使用された後、廃棄回収された成形品であり、二種類以上のスチレン系樹脂の混合物であっても良く、更に、全成形品の10重量%以下であれば、上記スチレン系樹脂以外の樹脂成形品が混入していても差し支えない。
(A)成形品の種類としては特に制限はないが、使用されている樹脂材料が、ほぼ統一されている点で、エアコンのファン部品が特に好ましい具体例として挙げられる。
(A)成形品は、水による洗浄を行い、付着物を除去することを必要とする。洗浄の方法としては、水により付着物を除去することができる方法であれば特に制限はないが、水槽に成形品を浸漬し、攪拌後に成形品を取り出すバッチ式洗浄方法や、ベルトコンベアーやロータリースクリーンで成形品を搬送中に水を掛ける連続式洗浄方法が挙げられる。また、洗浄効率の向上を目的に、洗浄前に予め粗く破砕することも可能である。
上記のようにして洗浄された(A)成形品を、押出機に供給し得る大きさに破砕することにより、(A)成形品を、水洗浄した後、破砕して得られた成形品破砕物が得られる。この場合、成形品破砕物の大きさは、破片の長軸寸法が20mm以下であることが好ましい。破片が大きすぎると、他成分と均一に混合することが困難であり、かつ溶融混合機に供給することが困難となり、操業性ならびに得られる再生材の品質のバラツキに影響を及ぼす場合がある。
ガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物における成形品破砕物の含有量は、5〜65重量%であり、好ましくは5〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜30重量%である。成形品破砕物の含有量が、65重量%を超えると、再生熱可塑性樹脂の機械的強度の低下が著しくまた、5重量%未満では再生利用のメリットが低下するため共に好ましくない。
本発明における(B)原料スチレン系樹脂とは、上記(A)成形品を構成するスチレン系樹脂と同様に、スチレンまたはα−メチルスチレン単量体と、その他共重合可能なビニル系単量体等で構成され、共重合可能な単量体としても、上記と同様の単量体が挙げられるが、中でもアクリロニトリル/スチレン共重合体が好ましい。
(B)原料スチレン系樹脂成分の還元粘度(ηsp/c)には特に制限はないが、0.2〜0.8dl/g、特に03〜0.7dl/gの範囲にあることが好ましい。還元粘度が上記の範囲を外れる場合には、耐衝撃性が低下するか、或いは溶融粘度が上昇して成形性が悪くなりやすい傾向を生じる。
(B)原料スチレン系樹脂の製造方法には特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合および乳化重合などのいずれであってもよい。製造時における単量体の仕込方法にも特に制限はなく、初期一括仕込み、単量体の一部または全てを連続仕込み、あるいは単量体の一部または全てを分割仕込みのいずれの方法を用いてもよい。
本発明で得られるガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物における(B)原料スチレン系樹脂の含有量は30〜90重量%であり、好ましくは30〜85重量%であり、さらに好ましくは40〜70重量%である。
本発明における(C)原料ガラス繊維には、公知の樹脂補強のガラス繊維を用いることができる。(C)原料ガラス繊維の形状には特に制限はないが、平均繊維径が6〜18μmの範囲にあることが好ましい。また、シラン系あるいはチタネート系などのカップリング剤および、アクリル系、ウレタン系あるいはエポキシ系などの収束剤で、予備処理して使用することは、機械的強度および、生産性などの面からより好ましい態様である。
本発明で得られるガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物における、(C)原料ガラス繊維成分の含有量は、5〜65重量%であり、好ましくは5〜40重量%であり、さらに好ましくは10〜30重量%である。
本発明で得られるガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂、変性PPE樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、あるいはそれらの変性物やエラストマー類を配合することにより、成形用樹脂組成物として性能をさらに改良することができる。
また、必要に応じて、本発明のガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物には、ヒンダードフェノール系、含硫黄化合物系および含リン有機化合物系などの酸化防止剤、フェノール系やアクリレート系などの熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系およびサクシレート系などの紫外線吸収剤、有機ニッケル系やヒンダードアミン系などの光安定剤、高級脂肪酸の金属塩類や高級脂肪酸アミド類などの滑剤、フタル酸エステル類やリン酸エステル類などの可塑剤、臭素化化合物、リン酸エステルおよび赤燐等の各種難燃剤、三酸化アンチモンや五酸化アンチモンなどの難燃助剤、アルキルカルボン酸やアルキルスルホン酸の金属塩、カーボンブラック、顔料および染料などを添加することもでき、また、各種充填材を配合することもできる。
本発明のガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、使用後に回収された、ガラス繊維を含有するスチレン系樹脂からなる(A)成形品を、水洗浄した後、破砕して得られた成形品破砕物を、予め押出機にてペレタイズした樹脂ペレットと、(B)原料スチレン系樹脂と(C)原料ガラス繊維を押出機にてペレタイズした樹脂ペレットとを、ペレットブレンドすることによる方法も含まれる。各成分の混合方法は特に制限はなく、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなどの通常の溶融混合機に供給して、好ましくは200〜300℃の温度で溶融混練りする方法などを代表例として挙げることができるが、中でも単軸あるいは2軸の押出機で溶融混練しペレタイズすることが好ましく、その際の溶融混練の温度条件としては、ガラス繊維の破損を抑制する目的で、240〜290℃の温度とすることが好ましい。
また、生産性の点からは、成形品破砕物のみを単独または少量の添加剤を加えた状態でペレタイズして得られたペレットと、(B)原料スチレン系樹脂と(C)原料ガラス繊維からなるペレットを、所定の比率でペレットブレンドすることが好ましい。さらに、臭気の低減を目的に、成形品破砕物が1重量%以上の水分を含有した状態で、減圧脱気装置(ベント)を備えた押出機でペレタイズすることが好ましい。ここで、1%以上の水分を含んだ状態で押出機に供給され、かつ溶融混練中に減圧脱気装置(ベント)にて、揮発成分を除去することが可能となる。
さらに、成形品破砕物には少量の金属部品を含んだ成形品も使用することができ、その場合、金属部品を回収時に除去することは生産性の低下を伴うため、再生樹脂の製造工程内に金属除去装置を用いることが好ましい。金属除去装置の具体例としては、マグネットに金属を付着除去させる方法や、磁力式、渦電流式の選別装置が挙げられる。
上記のようにして得られたガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形およびガスアシスト成形などの、現在熱可塑性樹脂の成形に用いられる公知の方法によって、任意の形状に成形し成形品とすることができる。
このようにして得られた本発明の成形品は、耐衝撃性や剛性などの機械的強度バランス、得られた成形品の優れた寸法安定性および成形加工性、ならびに電気絶縁性を有しかつ安価なことを活かして、家庭電気機器、OA機器および自動車などの構造部品や、装置部品として広範な分野で使用される。
具体的に本発明の成形品は、家庭用ならびに業務用等のエアコン部品における室内機の送風用エアコンファン、ならびに室外機のプロペラファン、液晶ディスプレー部品、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品およびオーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭・事務電気製品部品、パチンコ、スロットマシン、ゲーム機などに代表される遊技・娯楽製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、トイレタリー用品、玩具用品、化学プラント、および航空部品などの各種用途に有用であるが、上記の中でも特にエアコンファン部品に対して機械的強度ならびに臭気が少ないことを活かして、好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、これをもって本発明を制限するものではない。なお、実施例および比較例中、特にことわりのない限り「部」または「%」で表示したものは、すべて重量部または重量%を表わしたものである。
まず、熱可塑性樹脂の特性等の評価について、分析方法を下記する。
(1)引張強度
80℃熱風乾燥機中で3時間乾燥した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250℃に設定した東芝機械(株)製IS50A成形機内に充填し、射出成形により試験片を得た。ASTM D638に準拠し、測定した。
(2)曲げ弾性率
80℃熱風乾燥機中で3時間乾燥した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250℃に設定した東芝機械(株)製IS50A成形機内に充填し、射出成形により試験片を得た。ASTM D790に準拠し(12.7mm(W)×127mm(L)×6.4mm(t)、23℃)、測定した。
(3)臭気レベル
80℃熱風乾燥機中で3時間乾燥した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250℃に設定した東芝機械(株)製IS50A成形機内に充填し、スクリュー後退位置が80mmになるまで計量後にパージする操作を3回繰り返し、塊状の溶融樹脂を得た。得られた溶融樹脂を即刻、50cm、1mおよび2mの位置から被験者5人に、成形品破砕物を含まない樹脂ペレット(下記参考例3記載の樹脂ペレットBC−1)を用いた場合との臭気の違いを、以下の5段階で採点して貰い、5人の採点の平均値を臭気レベルとした。
1:50cmの位置でもバージン材との臭気差を感じない。
2:50cmの位置では臭気差を僅かに感じるが、1mの位置では臭気差を感じない。
3:50cmの位置では臭気差を感じるが、1mの位置では臭気差を感じない。
4:1mの位置では臭気差を感じるが、2mの位置では臭気差を感じない。
5:2mの位置でもバージン材との臭気差を感じる。
[参考例1]ガラス繊維強化スチレン系樹脂の成形品破砕物および樹脂ペレットの製造
下記のA−1〜A−5の成形品破砕物および樹脂ペレットを製造した。
A−1:市場での使用後に回収されたエアコンファン部品から金属製のバランスウェートを取り外した後、長軸寸法が100mm以下になるよう破砕機で粗く破砕し、その破砕品を22℃の温度の水槽内で攪拌して水洗浄した。水洗浄した破砕物を金属籠にて12時間水切り後、長軸寸法が10mm以下になるように破砕機で破砕して破砕物A−1を得た。破砕物A−1の水分率は、2.7wt%であった。
A−2:上記破砕物A−1をシリンダー設定温度が250℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた40mmφ単軸押出機にてペレタイズし、アクリロニトリル/スチレン共重合体を主体とする灰分24.2%の再生樹脂ペレットA−2を得た。
A−3:上記破砕物A−1を更に1週間風乾し、水分率を1.1wt%まで乾燥した後、シリンダー設定温度が250℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた40mmφ単軸押出機にてペレタイズし、アクリロニトリル/スチレン共重合体を主体とする灰分24.2%の再生樹脂ペレットA−3を得た。
A−4:市場での使用後に回収されたエアコンファン部品から金属製のバランスウェートを取り外した後、水洗浄せずに長軸寸法が10mm以下になるよう破砕機で破砕した。得られた破砕物A−4の水分率は、0.3wt%であった。
A−5:上記破砕物A−4を、シリンダー設定温度が250℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた40mmφ単軸押出機にてペレタイズし、アクリロニトリル/スチレン共重合体を主体とする灰分24.6%の再生樹脂ペレットA−5を得た。
A−6:市場での使用後に回収されたエアコンファン部品から金属製のバランスウェートを取り外した後、長軸寸法が100mm以下になるように破砕機で粗く破砕した。その破砕品をメッシュドラム式洗浄装置内にて、50℃の温水を用いシャワーリング洗浄し、続けてエアーブローにより水切りを行った後、長軸寸法が10mm以下になるように破砕機で破砕した。得られた破砕物A−4の水分率は、2.1wt%であった。
A−7:上記破砕品A−6をシリンダー設定温度が260℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた50mmφ二軸押出機にてペレタイズし、アクリロニトリル/スチレン共重合体を主体とする灰分24.1%の再生樹脂ペレットA−7を得た。
A−8:市場での使用後に回収されたエアコンファン部品から金属製のバランスウェートを取り外さずに、長軸寸法が100mm以下になるように破砕機で粗く破砕した。その破砕品をメッシュドラム式洗浄装置内にて、50℃の温水を用いシャワーリング洗浄し、続けてエアーブローにより水切りを行った。水切り後の破砕品を8000ガウスの格子状マグネットに通過させて金属部品を補修後、長軸寸法が10mm以下になるように破砕機で破砕し、再度8000ガウスの格子状マグネットを通過させ金属片を捕集した。捕集された金属の重量は、エアコンファン部品に対し0.04wt%であり、得られた破砕物A−8の水分率は1.9wt%であった。
A−9:上記破砕品A−8をシリンダー設定温度が260℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた50mmφ二軸押出機にてペレタイズし、アクリロニトリル/スチレン共重合体を主体とする灰分24.8%の再生樹脂ペレットA−7を得た。
A−10:格子状マグネットを使用せずに、上記粉砕品A−8と同様に水分2.0wt%の破砕品を得た。その破砕品をシリンダー設定温度が260℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた50mmφ二軸押出機にてペレタイズしたが、口金が詰まり、再生樹脂ペレットが得られなかった。
[参考例2](B)原料スチレン系樹脂の製造
下記のB−1の(B)原料スチレン系樹脂を製造した。
B−1:スチレン70重量%およびアクリロニトリル30重量%からなる単量体混合物を塊状重合して、ペレット状の共重合体原料スチレン系樹脂B−1を得た。この原料スチレン系樹脂B−1の極限粘度[η]は、0.53dl/gであった。
[参考例3](B)原料スチレン系樹脂と(C)原料ガラス繊維からなる樹脂ペレットの製造
下記のBC−1の樹脂ペレットを製造した。
BC−1:参考例2で製造した原料スチレン系樹脂B−1(80重量%)と下記の原料ガラス繊維C−1(20重量%)とを、シリンダー設定温度が250℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた40mmφ単軸押出機で溶融混練し、ペレタイズして樹脂ペレットBC−1を得た。
原料ガラス繊維C−1:日本電気硝子社製 チョップドストランド ECS03T−351(平均繊維径13μm)を使用した。
[参考例4]成形品破砕物を含まないガラス繊維強化スチレン系樹脂の諸特性標準値
上記参考例3の樹脂ペレットを用いて成形した試験片の引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定したものであり、この測定値が理想的な標準値に相当する。
[実施例1]
参考例1で製造した成形品破砕物A−1と参考例2で製造した原料スチレン系樹脂B−1および参考例3で使用したのと同じ原料ガラス繊維C−1を、表1に記載の割合で配合後、シリンダー設定温度が250℃の減圧脱気装置(ベント)を備えた40mmφ単軸押出機で溶融混練し、ガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットについて、引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
成形品破砕物A−1、原料スチレン系樹脂B−1および原料ガラス繊維C−1の配合量を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にしてガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットについて、引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
参考例1で製造した再生樹脂ペレットA−2と、参考例3で製造した樹脂ペレットBC−1を用いて、表1に記載の割合でペレットブレンドしたものを直接成形により試験片を成形し、引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定した。結果を表1に示す。
[実施例4、5]
再生樹脂ペレットA−2と樹脂ペレットBC−1の配合量を、表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例3と同様にして引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定した。結果を表1に示す。
[実施例6]
再生樹脂ペレットA−3を用いて、表1に記載の割合で配合するように変更したこと以外は、実施例3と同様にして引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定した。結果を表1に示す。
[実施例7]
再生樹脂ペレットA−7を用いて、表1に記載の割合で配合するように変更したこと以外は、実施例3と同様にして引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定した。結果を表1に示す。
[実施例8]
再生樹脂ペレットA−9を用いて、表1に記載の割合で配合するように変更したこと以外は、実施例3と同様にして引張強度、曲げ弾性率および臭気レベルを測定した。結果を表1に示す。
比較のため、比較例1〜5を表1に記載し、実施例1と同様に測定した結果を表1に示す。
表1から明らかなように実施例1〜8の組成物は、いずれも引張強度と曲げ弾性率の機械特性および臭気レベルが共に優れている。
一方、比較例1と2は、水洗浄を行わない成形品破砕物A−4と、原料スチレン系樹脂B−1および原料ガラス繊維C−1とを使用したガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物のペレットを実施例と同様に諸特性を評価したものであるが、機械的強度が低下しており、加えて臭気レベルの顕著な悪化が認められる。比較例3は、水洗浄を行わない再生樹脂ペレットA−5を用いるように変更したこと以外は実施例4と同様であるが、機械的強度が低下しており、加えて臭気レベルの顕著な悪化が認められる。また、比較例4は成形品破砕物の配合量が本発明の範囲外であるためより顕著な臭気レベルの悪化、ならびに機械的強度の低下が認められる。比較例5は、再生樹脂ペレットA−3を用いて表1に記載の割合で配合するように変更したこと以外は実施例6と同様であるが、成形品破砕物の配合量が本発明の範囲外であるため機械的強度の著しい低下が認められる。
[実施例9]
実施例8で製造したガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、エアコンファンを射出成形により成形した。製造の際に臭気を発生することなく、機械的特性も十分なエアコンファンが得られた。

Claims (3)

  1. 使用後に回収された、ガラス繊維を含有するスチレン系樹脂からなる(A)成形品を、水洗浄した後、破砕して得られた成形品破砕物を、予め押出機にてペレタイズした樹脂ペレットと、(B)原料スチレン系樹脂と(C)原料ガラス繊維を押出機にてペレタイズした樹脂ペレットとを、ペレットブレンドすることを特徴とするガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. (A)成形品破砕物が1重量%以上の水分を含有した状態で、減圧脱気装置(ベント)を備えた押出機でペレタイズすることを特徴とする請求項記載のガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. (A)成形品が0.01重量%以上の金属部品を含有し、金属除去装置により金属部品を除去した後で、ペレタイズすることを特徴とする請求項または記載のガラス繊維強化再生熱可塑性樹脂の製造方法。
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