以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態の説明における前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技盤を正面から見た状態における方向を指す。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機)1の正面図である。
遊技機1の前面枠2は、遊技機1を設置するための島設備に固定される機枠(図示省略)にヒンジ4を軸として取り付けられ、該ヒンジ4を軸として回動することによって、その一側部が開閉可能となっている。前面枠2は、略正方形状の開口部を有し、その開口部には遊技盤5が取り付けられる。また、前面枠2には、ガラス枠6がヒンジ(図示省略)を軸として取り付けられ、ガラス枠6は該ヒンジを軸として回動することによって、その一側部が開閉可能となっている。ガラス枠6の開口部には透明なカバーガラスが取り付けられる。
遊技盤5には、遊技盤5表面に設けられたガイドレール10によって略円形状の遊技領域11が区画形成される。遊技者は、カバーガラスを通じて遊技領域11を視認することができる。
前面枠2における遊技盤5の下方には、遊技領域11内に遊技球(パチンコ球)を1つずつ順次発射する発射装置(図示省略)の発射操作部15、球貯留部16aを有し遊技球を発射装置に案内する上皿16、上皿16の球貯留部16aから溢れた遊技球を貯留可能な下皿17、効果音等を出力するスピーカ18、及び灰皿19等が設けられる。なお、スピーカ18は、ガラス枠6の上部左右両端部にも設けられる。
上皿16の右上部には、球貸しを指令する球貸ボタン63、及び、プリペイドカードのカード球貸ユニットからの排出を指令する排出ボタン64が設けられている。これらのボタン63、64の近傍には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部65が設けられる。
遊技機1は、遊技者の発射操作部15の操作に基づいて発射装置から発射された遊技球が遊技領域11内を流下することにより遊技を行う。
遊技領域11のほぼ中央には、略長方形状の開口窓部21aを有するセンターケース21が設けられる。センターケース21の後方には、複数の識別情報を変動表示する表示装置22が、その表示部22aがセンターケース21の開口窓部21aに臨む状態で、設けられる。
表示装置22は、表示部22aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立して画像表示がなされる表示装置である。本実施の形態では、例えば、任意の画像を表示可能なLCD(液晶表示器)等で表示画面部分が構成され、この表示画面上の各変動表示領域には複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。
遊技領域11におけるセンターケース21の下方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)23を有する始動入賞口24(入賞領域)が設けられ、この始動入賞口24の下方には、表示装置22の作動結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)25が設けられる。また、遊技領域11におけるセンターケース21の左側には、普図変動表示ゲームに用いられる普通図柄始動ゲート26が配設される。
さらに、遊技領域11には、遊技球が入賞した場合に所定数の賞球を払い出す条件を成立させる一般入賞口28、遊技球の落下方向を変える風車29や釘(図示省略)等の方向変換部材、及び入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口30が設けられる。
なお、センターケース21の頂部には、特図変動表示ゲームの特別図柄の変動表示、特別図柄入賞記憶数(保留記憶数)、普図変動表示ゲームの普通図柄の変動表示、及び普通図柄入賞記憶数を表示する表示器32が設けられる。
発射装置によって打ち出された遊技球は、ガイドレール10によって遊技領域11の左側に区画され遊技球を案内する発射球案内通路31から遊技領域11に発射され、遊技領域11内の各所に配置された風車29等の方向変換部材によって落下方向を変えながら遊技領域11を流下し、始動入賞口24、一般入賞口28、大入賞口25に入賞するか、遊技領域11の最下部に設けられたアウト口30から排出される。
始動入賞口24、一般入賞口28、大入賞口25に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置(図示省略)から上皿16に排出される。
また、始動入賞口24へ遊技球の入賞があると、表示器32では、前述した数字等で構成される図柄が順に変動表示する特図変動表示ゲームが開始され、表示装置22には、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。
始動入賞口24への入賞が所定のタイミングでなされたときには、特図変動表示ゲームの結果が大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、大入賞口25は、図2に示す大入賞口ソレノイド123への通電によって、大入賞口25が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口が所定の時間だけ大きく開くので、この間に遊技者には多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
また、普通図柄始動ゲート26を遊技球が通過すると、表示器32で普図変動表示ゲームが開始される。普通図柄始動ゲート26への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたときには普通図柄に関する当たり状態となり、表示器32に表示される普通図柄が当たり状態で停止する。このとき、始動入賞口24に設けられた普通変動入賞装置23は、図2に示す普通電動役物ソレノイド122の通電によって、始動入賞口24への入口が所定の時間だけ拡開するように変換され、遊技球の始動入賞口24への入賞可能性が高められる。
センターケース21の枠上には、表示装置22の左側にワープ入口55が設けられる。ワープ入口55へ流入した遊技球は、ワープ通路54を経て、ワープ出口57から排出され、表示装置22の下辺に設けられた転動面(ステージ)を転動して、表示装置22の中央直下に設けられた孔、又は転動面から下方向に流下する。そして、中央直下に設けられた孔に流下した場合は始動入賞口24の直上に設けられた連通口62から排出されることによって、始動入賞口24への入賞可能性が高められる。
球抜きボタン66は、上皿16に貯留されている遊技球を下皿17に排出するためのボタンである。
図2は、本発明の第1の実施形態の遊技機1の遊技制御装置100を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、マイクロプロセッサ101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、入力I/F(Interface)104、出力I/F105及び外部通信端子106から構成される。
マイクロプロセッサ101は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM102は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM103は、遊技制御時にマイクロプロセッサ101によってワークエリアとして利用される。
遊技制御装置100には外部通信端子106が設けられており、外部通信端子106からは、マイクロプロセッサ101に一意に設定された識別番号を出力することができる。この外部通信端子106に検査装置や管理用コンピュータ(いわゆる、ホールコンピュータ)を接続することによって、管理用コンピュータが遊技機1を識別することができる。
マイクロプロセッサ101は、入力I/F104を介して各種検出装置(始動口センサ110、入賞口センサa111a〜入賞口センサn111n、ゲートセンサ112、カウントセンサ113、ガラス枠開放センサ114、内枠開放センサ115、球切れセンサ116、クリアスイッチ117、振動センサ130及び磁気センサ131からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
なお、振動センサ130は、遊技機1に加えられた振動を検出し、磁気センサ131は、遊技機1に加えられた磁気(すなわち、磁石の接近)を検出する。遊技制御装置100は、予め定めた基準値以上の振動が振動センサ130によって検出されると、遊技機1に異常が発生したと判定して、振動エラー状態とする。また、遊技制御装置100は、予め定めた基準値以上の磁気が磁気センサ131によって検出されると、遊技機1に異常が発生したと判定して、磁気エラー状態とする。
また、マイクロプロセッサ101は、出力I/F105を介して遊技領域11に設けられた特図表示器120及び普図表示器121に各情報を出力する。なお、特図表示器120及び普図表示器121は、表示器32に設けられる。
特図表示器120には、特図変動表示ゲームの変動表示態様が出力される。普図表示器121には、普図変動表示ゲームの変動表示態様が出力される。
また、マイクロプロセッサ101は、出力I/F105を介して、普通電動役物ソレノイド(SOL)122、大入賞口ソレノイド(SOL)123及び排出制御装置124に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普通電動役物ソレノイド122は、始動入賞口24への入口の普通変動入賞装置23を開閉させるような動作をする。
大入賞口ソレノイド123は、大入賞口25を開閉させる動作をする。
排出制御装置124は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットを動作させ、賞球を排出させるための装置である。また、排出制御装置124は、遊技機1に併設されるカード球貸ユニットからの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し、貸球を排出させるための装置でもある。
また、マイクロプロセッサ101は、出力I/F105に接続された外部端子板125を介して、管理用コンピュータに遊技機1に関する情報を出力する。
遊技制御装置100は、変動開始コマンド(機種・図柄指定コマンド及び変動パターン指定コマンドを含む)、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として、演出制御装置150へ送信する。演出制御装置150は、これらのコマンドを受信することによって、遊技制御装置100が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
また、遊技制御装置100は、停電時に遊技制御装置100に電源を供給するバックアップ電源(図示省略)に接続されている。これによって、停電時においても、遊技制御装置100は、RAM103の記憶内容を保持することができる。
演出制御装置150は、表示制御用のCPU151、プログラム及びデータを記憶するROM152、CPU151の動作時のワークエリアや、表示装置22に表示される画像データを一時的に記憶するフレームバッファが設けられたRAM153、通信I/F154、出力I/F155、入力I/F156及びから構成される。
なお、ROM152に記憶されるデータは、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)及び再生される楽曲データを含む。
CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムを実行し、遊技制御装置100からの信号に基づいて、特図変動表示ゲーム中の遊技状態に応じた画像制御情報(スプライトデータやポリゴンデータ等で構成される図柄表示情報、背景画面情報、動画オブジェクト画面情報等)を演算して、表示装置22に表示する画像信号を生成する。
CPU151は、画像制御情報を演算した内容及びROM152に記憶された画像データに基づいて、表示される画像データをRAM153のフレームバッファに記憶する。
例えば、CPU151は、画像のポリゴン描画(または、通常のビットマップ描画)を行うとともに、各ポリゴンに所定のテクスチャを貼り付けてRAM153のフレームバッファに記憶する。また、CPU151は、点描画、線描画、トライアングル描画、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディングなど)、陰面消去(Zバッファ処理など)等の描画処理も行う。これらの描画処理がされた画像信号は、RAM153のフレームバッファに記憶される。
そして、CPU151は、RAM153のフレームバッファに記憶された画像を所定のタイミング(垂直同期信号V_SYNC、水平同期信号H_SYNCのタイミング)で表示装置22へ送信する。
ここで、フレームバッファは、複数のフレームバッファをそれぞれRAM153の所定の記憶領域に設定しておき、CPU151は複数のフレームバッファの記憶された任意の画像を重ね合わせて(オーバーレイ)出力することも可能である。
CPU151には、クロック信号を供給する発振器(図示省略)が接続されている。発振器が生成するクロック信号はCPU151の動作周期を規定し、また、発振器から出力されるクロック信号に基づいて、垂直同期信号(V_SYNC)及び水平同期信号(H_SYNC)が生成され、表示装置22へタイミング信号として出力される。
演出制御装置150と遊技制御装置100とを接続する通信I/F154には、信号伝達方向規制手段であるバッファが設けられる。よって、遊技制御装置100と演出制御装置150との間の通信は、遊技制御装置100から演出制御装置150への信号入力のみが許容され、演出制御装置150から遊技制御装置100への信号出力は禁止されている。これにより、演出制御装置150から遊技制御装置100に不正な信号が入力されることを防止することができる。なお、遊技制御装置100と演出制御装置150との間で双方向通信を行う場合には、バッファに双方向バッファを用いることもできる。
演出制御装置150を構成する出力I/F155には、表示装置22、各種LED基板160及びスピーカ18が接続される。
スピーカ18は、演出制御装置150からの音制御指令信号に基づいて、遊技中に再生される楽曲、及び遊技の効果音等を出力する。
表示装置22は、演出制御装置150からの画像表示信号に基づいて、画像表示信号に対応する画像(例えば、特図変動表示ゲーム)を表示領域に表示する。
各種LED基板160は、演出制御装置150からの装飾制御指令信号に基づいて、前面枠2に設けられた装飾発光装置3及び遊技領域11内の装飾装置67の各種LEDを制御する。
なお、スピーカ18及び各種LED基板160を、演出制御装置150に接続せずに、遊技制御装置100に直接接続するように構成してもよく、演出制御装置150と別の制御装置を介して接続するように構成してもよい。
演出制御装置150を構成する入力I/F156には、演出ボタン119が接続される。演出ボタン119は、特図変動表示ゲーム中に遊技者によって操作されるボタンである。演出ボタン119は、図1に示す上皿16の上部に設けられる。
図3〜図9を用いて、第1の実施の形態の遊技制御装置100によって実行される処理を説明する。
図3A及び図3Bは、本発明の第1の実施形態の遊技制御のメイン処理のフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入された場合又は停電が復旧した場合に遊技制御装置100のマイクロプロセッサ101によって実行される。
まず、遊技制御装置100は、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)で行われる割り込みを禁止する(301)。
遊技制御装置100は、割り込みがあった場合に実行される割込処理を実行するためにアクセスするRAM103上のアドレスを示す割り込みベクタを設定し(302)、スタックポインタを設定する(303)。そして、遊技制御装置100は、割り込みモードを設定し(304)、RAM103へのアクセスを許可する(305)。次に、遊技制御装置100は、すべての出力ポートをOFFに設定する(306)。
次に、遊技制御装置100は、クリアスイッチ117がONであるか否かを判定する(307)。クリアスイッチ117は、遊技機1を初期化するためのスイッチである。電源投入時にクリアスイッチ117がONに操作されると、RAM103に記憶されたデータがクリアされ、遊技機が初期化される。
ステップ307の処理で、クリアスイッチ117がONであると判定された場合、遊技制御装置100は、RAM103の遊技制御に使用される領域に記憶されたデータをクリアする(308)。このRAMクリアによって、RAM103に記憶された遊技制御データ(遊技の実行状態、保留記憶数等)が消去される。
そして、遊技制御装置100は、RAM103に電源投入時の値として予め定められた初期値を設定する(309)。
次に、遊技制御装置100は、電源投入時に表示器32に表示される図柄を演出制御装置150に設定させる電源投入コマンド編集処理を実行する。
一方、ステップ307の処理で、クリアスイッチ117がONでないと判定された場合、遊技制御装置100は、停電検査領域を参照する(311)。
具体的には、停電検査領域は、RAM103の特定の領域であって、停電があったことを示す停電フラグが格納される領域である。
そして、遊技制御装置100は、ステップ311の処理で参照した停電検査領域に停電フラグが格納されているか否かを判定することによって、停電復旧時の電源投入であるか、正常終了後の電源投入であるかを判定する(312)。
ステップ312の処理で、停電復旧時の電源投入でない(正常終了後の電源投入である)と判定された場合、遊技機1を初期化するためにステップ308の処理に進む。
一方、ステップ312の処理で、停電復旧であると判定された場合、つまり、停電検査領域に停電フラグが格納されている場合、遊技制御装置100は、RAM103に記憶されているデータが壊れている否かを判定するために、チェックサムが正常であるか否かを判定する(313)。具体的には、遊技制御装置100は、停電があった場合にRAM103に記憶されているデータのチェックサムと現在RAM103に記憶されているデータのチェックサムとが一致するか否かを判定する。
ステップ313の処理で、チェックサムが異常であると判定された場合、RAM103に記憶されているデータが壊れていて、停電が発生した際のRAM103に記憶されたデータを引き継ぐことができないので、遊技機1を初期化するためにステップ308の処理に進み、電源投入処理(308〜310)を実行する。
ステップ313の処理で、チェックサムが正常であると判定された場合、RAM103
に記憶されているデータは正常であり、停電復旧処理を実行できるので、RAM103に停電復旧時の初期値を設定する(314)。
次に、遊技制御装置100は、各遊技状態を表示する表示器32を表示する領域に格納されたデータを消去し、表示器32の表示内容を消去する(315)。
そして、遊技制御装置100は、停電復旧時に表示器32に表示される図柄を演出制御装置150に設定させる停電復旧コマンド編集処理を実行する(316)。
次に、遊技制御状態は、停電が発生したときの確率状態が低確率状態であったか否かを判定する(317)。
ステップ317の処理で、低確率状態であったと判定された場合、図3Bに示すステップ319の処理に進む。
一方、ステップ317の処理で、低確率状態でなかった、つまり確率変動状態であったと判定された場合に、遊技制御装置100は、確率変動状態であることを遊技者に報知するために、高確率表示データをRAM103に設定し、図3Bに示すステップ319の処理に進む。
次に、遊技制御装置100は、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)でタイマ割り込みを行う割り込みタイマを起動する(319)。そして、割り込み禁止を設定する(320)。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(321)。具体的には、初期値乱数更新処理は、特図変動表示ゲームが当たりか否かを判定するための大当たり乱数の初期値、及び普図変動表示ゲームが当たりか否かを判定するための当たり乱数の初期値を更新する処理である。すなわち、遊技制御装置100で実行される処理の中には、普通図柄始動ゲート26や始動入賞口24へ遊技球が入賞したときに、対応する遊技の結果態様を導き出すための抽選を行ったり、この抽選結果に基づいて、変動表示ゲームを進行させる際の演出又は装飾にランダム性を付与したりするために行われる、いくつかの乱数処理が含まれる。これらの乱数処理の一例としては、0から316の間でカウンタの値を所定の時間周期(例えば、1ミリ秒周期)で1ずつ増加させ、値が316を越したときに再び0に戻す処理がある。この乱数値の更新処理は、図4に示すステップ604の処理の乱数更新処理1に相当する。
このカウンタ値は、前述した遊技球の入賞等を遊技制御装置100が検出した時点で、そのときの乱数値が抽出される。しかし、乱数とはいえ、317ミリ秒周期で抽出されるカウンタであって、乱数値として抽出されるタイミングの無作為性を利用した乱数に過ぎない。よって、初期値乱数更新処理でカウンタ値の初期値を更新することによってカウンタとしての規則性を排除している。
前述した例において、カウンタ値を毎回所定値(例えば、1)を加算して更新するのではなく、初期値乱数更新処理で求められた値が一周期の更新をするごとに、カウンタ値の初期値として初期値乱数更新処理により得られた新たな値を次のカウンタの初期値として設定する。初期値乱数更新処理における乱数更新の周期は、ステップ604の処理の乱数更新処理1における乱数更新の周期と比較して短いため、前述したカウンタ値の外部からの推定を困難にすることができる。
次に、遊技制御装置100は、予め定めた基準値以上の振動が検出されたことに起因する振動エラー中であるか、及び、予め定めた基準値以上の磁気が検出されたことに起因する磁気エラー中であるか否かを判定する(331)。その結果、振動エラー中又は磁気エラー中であると判定された場合に、クリアスイッチ117がONであるか否かを判定する(332)。
ステップ332の処理で、クリアスイッチ117がONであると判定された場合、遊技制御装置100は、振動エラー状態及び磁気エラー状態をクリアして(333)、ステップ322へ進む。
一方、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合に、又は、クリアスイッチ117がONでなかった場合、ステップ322へ進む。
次に、遊技制御装置100は、禁止設定されていた割り込みの許可を設定する処理を行う(322)。
そして、遊技制御装置100は、停電検査領域を参照し(323)、停電が発生しているか否かを判定する(324)。具体的には、遊技機1に供給される電圧が所定値以下か否かを判定し、所定値以下である場合に停電検査領域に停電フラグが格納されているので、停電が発生していると判定することができる。
ステップ324の処理で、停電が発生していると判定された場合、停電時処理(325〜330)を実行する。
まず、停電時処理では、遊技制御装置100は、割り込み禁止を設定し(325)、すべての出力ポートをOFFに設定する(326)。
遊技制御装置100は、停電検査領域に記憶されているデータを消去し(327)、停電が発生したことを示す停電フラグを停電検査領域に格納する(328)。
遊技制御装置100は。RAM103への電源の供給が途切れる前に、RAM103に記憶されているデータのチェックサムを算出し、算出したチェックサムの値をRAM103のバックアップ領域に記憶する(329)。
そして、遊技制御装置100は、RAM103へのアクセスを禁止し(330)、遊技機1の電源が切れるまで、何の処理も行わずに待機する。
一方、ステップ324の処理で停電が発生していないと判定された場合、停電時処理を実行しないので、ステップ320の処理に戻る。
図4は、本発明の第1の実施形態のタイマ割り込み処理のフローチャートである。
タイマ割り込み処理は、所定時間周期で発行される割り込みによって、遊技制御装置100のマイクロプロセッサ101によって実行される。
遊技機1の電源が投入されると、遊技制御メイン処理が実行される。そして、ステップ319の処理で起動させた割り込みタイマによって、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)でタイマ割り込みが発生すると、タイマ割り込み処理が繰り返し実行される。ただし、これらの処理(ステップ401〜415の処理)は、割り込み発生毎に必ずしもすべて行なわれない。例えば、入出力処理(402)においては、毎回入力信号を監視するが、出力処理は割り込みの発生の1回おきに実行されてもよい。つまり、1回の割り込み処理で一通りの処理をすべて完了するのではなく、この割り込み処理が複数回繰り返し実行されて一連の遊技制御処理が完了してもよい。
まず、遊技制御装置100は、レジスタ退避の処理を実行する(401)。
その後、入出力処理を実行する(402)。入出力処理は、入力処理と出力処理とを含む。入力処理は、入力I/F104を介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理をし、入力情報を確定する処理である。なお、振動エラー及び磁気エラーのいずれかのエラーが発生している場合には、全ての出力ポートをOFFに設定する。
出力処理は、出力I/F105を介して、遊技制御に関するデータを外部端子板125に出力し、そのデータを、演出制御装置150に表示装置22、各種LED基板160及びスピーカ18に出力させる。また、この出力処理では、特図ゲーム処理(409)及び普図ゲーム処理(410)にて設定されたパラメータに基づいて、特図表示器120及び普図表示器121を含む表示器32に対してパラメータが出力される。
なお、前述したように、入力処理と出力処理とは1回のタイマ割り込みで同時に実行されなくともよい。
次に、コマンドを演出制御装置150に出力したり、各種制御装置に信号を出力するコマンド送信処理を行う(403)。具体的には、演出制御装置150にエラーコマンドを出力したり、演出表示装置150に変動コマンドを出力したり、排出制御装置124に払出コマンドを出力したり、演出表示装置150に停電コマンドを出力したりする。
その後、大当たり乱数及び当たり乱数にランダム性を付与するために大当たり乱数のカウンタ及び当たり乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理1を行う(404)。
なお、この乱数更新処理1では、停止図柄を決定する大当たり図柄乱数カウンタの値にも1ずつ加算する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(405)。ステップS25の初期値乱数更新処理は、図3Bに示すステップ321の処理の初期値乱数更新処理と同じなので、説明を省略する。
そして、特図変動表示ゲームを進行させる際の演出又は装飾(変動パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための変動パターン乱数カウンタの値を一ずつ増す乱数更新処理2を行う(406)。
次に、振動エラーフラグ及び磁気エラーフラグを確認して、予め定めた基準値以上の振動が検出されたことに起因する振動エラー中であるか、及び、予め定めた基準値以上の磁気が検出されたことに起因する磁気エラー中であるか否かを判定する(416)。振動エラーフラグ及び磁気エラーフラグは、ステップ417で、振動センサ130及び磁気センサ131の出力を監視した結果に基づいて設定されるフラグである。
その結果、振動エラー中である又は磁気エラー中であると判定された場合に、ステップ412へ進む。すなわち、振動エラー中又は磁気エラー中であると判定された場合には、ゲームの進行に関する処理(スイッチ監視処理(407〜408)、ゲーム処理(409〜410)、LED編集処理411)を実行しないが、外部情報編集処理412は実行される。このため、遊技機1に異常が発生した状態では遊技(特図変動表示ゲーム及び普通図柄変動表示ゲーム)は進行しない状態で(RAM103の記憶内容はそのままで)中断されるが、遊技機1に異常が発生したことを外部(例えば、呼び出しランプ、ホールコンピュータ)に出力することができる。
一方、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合に、ステップ417へ進む。
ステップ417では、振動センサ130からの出力、磁気センサ131からの出力、ガラス枠開放センサ114からの出力、内枠開放センサ115からの出力、及び球切れセンサ116からの出力を検出して、磁気エラー、振動エラー、その他のエラーが発生しているか否かを判定する。具体的には、遊技制御装置100が、予め定めた基準値以上の振動を振動センサ130が検出したと判定すると、振動エラーフラグを設定して、振動エラー状態とする。また、遊技制御装置100が、予め定めた基準値以上の磁気を磁気センサ131が検出したと判定すると、磁気エラーフラグを設定して、磁気エラー状態とする。
次に、各入賞口に遊技球が入賞していないかを監視するために、入賞口スイッチ監視処理を行う(407)。
具体的には、入賞口センサ111、カウントセンサ113の入力の有無を検出し、その結果に応じて一般入賞口28や大入賞口25への入賞カウント数等を更新するスイッチの監視処理を行う。このとき、入賞口センサ111、カウントセンサ113による遊技球の検出があれば、入賞数カウンタ値が更新される。
その後、始動入賞口24、普通図柄始動ゲート26に遊技球が入賞していないかを監視するために、始動口スイッチ監視処理を行う(408)。
具体的には、始動口センサ110、ゲートセンサ112の入力の有無を検出し、その結果に応じて特別図柄入賞記憶、普通図柄入賞記憶等を更新するスイッチの監視処理を行う。このとき、始動口センサ110による遊技球の検出があれば、特図乱数カウンタ値(特図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)大当り図柄乱数カウンタ値(特図変動表示ゲームの結果図柄に関する乱数)が特図記憶領域に記憶され、ゲートセンサ112による遊技球の検出があれば、普図乱数カウンタ値(普図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が普図記憶領域に記憶される。
その後、変動表示ゲームの進行を制御する特図ゲーム処理(409)、普図ゲーム処理(410)を行う。
特図ゲーム処理(409)は、始動口センサ110で検出された始動入賞口24への遊技球の入賞に基づいて抽出され、特別図柄始動記憶に記憶された特別図柄乱数カウンタ値(スステップ407の処理で抽出・記憶した特図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が当たりか否か判定し、特図表示器120で特図変動表示ゲームを実行する。なお、特図始動記憶には、直ちに前記変動表示ゲームを実行することができない状態で始動入賞口24へ遊技球が入賞した場合に、始動記憶が記憶される。
また、特図表示器120の表示に対応する識別情報(装飾図柄)の変動表示のための処理を、表示装置22に対して行う。特図乱数カウンタ値が所定の値であれば、特別図柄に関する当たり状態となり、識別情報の変動表示が当たり図柄で停止する。また、当たり状態になると、大入賞口25に遊技球を受け入れやすい開状態になる。
普図ゲーム処理(410)は、ゲートセンサ112で検出された普通図柄始動ゲート26への遊技球の通過に基づいて抽出され、普通図柄始動記憶に記憶された普通図柄乱数カウンタ値(ステップ407の処理で抽出・記憶された普図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が当たりか否かを判定し、普図表示器121で普通図柄の変動表示ゲームを実行する。普図乱数カウンタ値が所定の値であれば、普図に関する当たり状態となり、普通図柄の変動表示が当たり状態で停止するためのパラメータを設定する。
その後、特図表示器120及び普図表示器121のLEDに出力するためのパラメータを編集する処理を行う(411)。
具体的には、特図ゲーム処理では、特図変動表示ゲームが実行されると、今回実行した特図変動表示ゲームの実行回数を減じた特別図柄入賞記憶数を、遊技制御装置100から特図表示器120のLEDに出力するためのパラメータを編集する。
同様に、普図ゲーム処理では、普図表示器121で普通図柄の変動表示ゲームが実行されると、今回実行した普図変動表示ゲームの実行回数を減じた普通図柄入賞記憶数を、遊技制御装置100から普図表示器121のLEDに出力するためのパラメータを編集する。
なお、振動エラー中又は磁気エラー中のため遊技が中断した後に、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合には、遊技は中断した状態(中断時のRAM103に記憶された遊技制御データに示される状態)から再開する。
その後、外部端子板125を介して接続される管理用コンピュータに遊技機1の状態を出力するための外部情報を編集する外部情報編集処理を行う(412)。外部情報には、図柄が確定したか、大当たりであるか、確率変動中であるか、変動時間短縮中であるか、変動表示ゲームのスタート等、変動表示ゲームの進行状態に関連する情報が含まれる。また、エラー(磁気エラー、振動エラー)が発生したことを示すエラー信号も含まれる。
次に、タイマ割り込み処理の終了を宣言する(413)。
その後、一時退避していたレジスタの復帰処理(414)及び禁止設定されていた割り込みの許可設定をする処理を行う(415)。そして、タイマ割り込み処理を終了し、メイン処理(図3A、図3B)に戻る。そして、次のタイマ割り込みが発生するまで初期値乱数更新処理等(図3Bのステップ320〜323の処理)を繰り返す。
図5は、本発明の第1の実施形態のコマンド送信処理(図4の403)のフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、払い出しコマンドを送信可能なタイミングであるか否かを判定する(501)。具体的には、払出球検出センサに異常があるか、払い出した遊技球が過剰又は不足しているか等の払出条件を満足していることを判定する。また、球切れセンサ116が上タンク(島設備から供給された遊技球を貯留するタンク)に貯留される遊技球が所定数以下になり、球切れ状態になっている場合、オーバーフローセンサからの出力が下皿17に遊技球が貯留できない場合には、払い出しコマンドの送信可能タイミングではないと判定される。
そして、払い出しコマンドの送信タイミングであれば、払い出しコマンドを送信する(502)。一方、払い出しコマンドの送信タイミングでなければ、遊技球を払い出すことができない旨のエラー表示をするための演出制御コマンドを送信する(503)。
なお、コマンド送信処理では、前述したように、変動コマンド、停電コマンド等も送信されるが、払い出しコマンド以外の送信処理は省略する。
図6は、本発明の第1の実施形態の払出コマンド送信処理(図5の502)のフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、予め定めた基準値以上の振動が検出されたことに起因する振動エラー中であるか、及び、予め定めた基準値以上の磁気が検出されたことに起因する磁気エラー中であるか否かを判定する(601)。その結果、振動エラー中又は磁気エラー中であると判定された場合に、払出コマンドを出力することなく、払出コマンド送信処理を終了する。
一方、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合には、払出コマンドを出力するために、ステップ602に進む。
ステップ602では、入賞口センサ111によって検出された入賞球数が記録されている入賞球数をカウンタの値を取得して(602)、取得した入賞数カウンタ値がゼロであるか否かを判定する(603)。
この結果、入賞数カウンタ値がゼロであれば、払い出すべき遊技球がないので、払出コマンドを出力することなく、払出コマンド送信処理を終了する。一方、入賞数カウンタ値がゼロでなければ、ステップ604に進む。
ステップ604では、取得した入賞数カウンタから1を減算した値を入賞数カウンタに書き込む。その後、入賞した遊技球に対応する数の賞球数を払い出すコマンドをセットして(605)、払い出しコマンドデータを出力する(605)。
なお、賞球の払出数が異なる入賞口については、さらにステップ602〜605の処理が実行され、それらを合計した払出数のコマンドがセットされ(605)、合計数の払出コマンドデータが出力するとよい(606)。
本実施形態の払出コマンド送信処理では、エラー(磁気エラー、振動エラー)の発生中は、払出数コマンドをセットしないので、新たに賞球が払い出されることはない。なお、貸球についても同様にして、エラーの発生中は、新たな貸球の払い出しを停止することができる。
図7は、本発明の第1の実施形態の演出制御コマンド送信処理(図5の503)のフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、予め定めた基準値以上の振動が検出されたことに起因する振動エラー中であるか、及び、予め定めた基準値以上の磁気が検出されたことに起因する磁気エラー中であるか否かを判定する(701)。その結果、振動エラー中又は磁気エラー中であると判定された場合に、エラーコマンドをセットして(703)、ステップ704に進む。
一方、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合には、演出コマンドの設定があるか否かを判定する(702)。
その結果、演出コマンドの設定があれば、設定されている演出をするための演出制御コマンドを出力する(704)。一方、演出コマンドの設定がなければ、演出制御コマンドを設定することなく、演出制御コマンド送信処理を終了する。
図8は、本発明の第1の実施形態の入賞口スイッチ監視処理(図4の407)のフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、RAM103のスイッチ制御領域に記憶された入賞口センサ111の監視結果から、入賞口センサ111の立ち上がりのエッジを検出する(801)。その結果、入賞口センサ111の立ち上がりのエッジが検出された場合には(802でYES)、検出された立ち上がりエッジの数だけ入賞数カウンタを加算する(803)。
一方、入賞口センサ111の立ち上がりのエッジが検出されない場合には(802でNO)、入賞数カウンタを加算することなく、入賞口スイッチ監視処理を終了する。
図9は、本発明の第1の実施形態の始動口スイッチ監視処理(図4の408)のフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、始動口センサ110が始動入賞口24への遊技球の入賞を検出したか否かを判定する(901)。その結果、始動入賞口24への入賞球が検出できない場合には、保留記憶数を更新することなく、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、始動入賞口24への入賞球が検出できた場合には、RAM103の保留記憶領域に記憶されている保留記憶数を取得する(902)。そして、取得した保留記憶数が所定の上限数(本実施の形態では4)以上であるか否かを判定する。そして、保留記憶数が所定の上限数以上であれば、始動入賞口24への入賞を、これ以上記憶することができないので、保留記憶数を更新することなく、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、取得した保留記憶数が所定の上限数未満である場合には、取得した保留記憶数に1を加算した値を、RAM103の保留記憶領域に書き込む(904)。
そして、始動入賞口24への遊技球の入賞を検出したタイミングで取得した大当り乱数(特図変動表示ゲームの結果が大当りかハズレかを決める乱数)を、新たに記憶される保留記憶数に対応した大当り乱数セーブ記憶領域に記憶する(905)。また、始動入賞口24への遊技球の入賞を検出したタイミングで取得した図柄乱数(特図変動表示ゲームの結果として導出される停止図柄を決める乱数、すなわち、特図変動表示ゲームの結果が、特別な大当り(確変、時短等)なのか、通常の大当り(最も価値が低い大当り)なのかを決める乱数)を、新たに記憶される保留記憶数に対応した図柄乱数セーブ記憶領域に記憶する(906)。
その後、更新された保留記憶数を表示するための保留記憶数コマンドをコマンド送信バッファにセットする(907)。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、エラー(磁気エラー、振動エラー)の発生中は、ゲームの進行に関する処理を実行せず、ゲームの進行に関するデータは更新されることなくRAM103にそのまま保持される。一方、エラー発生中であっても、外部情報編集処理は実行される。このため、遊技機1に異常が発生した状態では遊技は進行しないが、遊技機1に異常が発生したことを外部に出力することができる。また、エラーの発生中は、払出数コマンドをセットしないので、新たに賞球が払い出されることはない。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態とタイマ割込処理が異なるのみで、遊技機1の構成及び他の処理は同一である。よって、第1の実施の形態と同じ構成及び処理は説明を省略する。
図10は、本発明の第1の実施形態のタイマ割り込み処理のフローチャートである。
まず、ステップ401〜406の処理を実行する。ステップ401〜406の処理は、前述した第1の実施の形態と同じである。
第2の実施の形態のタイマ割込処理では、ステップ406に続いて、エラー監視処理417を実行する。
ステップ417では、振動センサ130からの出力及び磁気センサ131からの出力を検出して、磁気エラー及び振動エラーが発生しているか否かを判定する。具体的には、遊技制御装置100が、予め定めた基準値以上の振動を振動センサ130が検出したと判定すると、振動エラーフラグを設定して、振動エラー状態とする。また、遊技制御装置100が、予め定めた基準値以上の磁気を磁気センサ131が検出したと判定すると、磁気エラーフラグを設定して、磁気エラー状態とする。
その後、入賞口スイッチ監視処理(407)及び始動口スイッチ監視処理(408)を実行する。この入賞口スイッチ監視処理(407)及び始動口スイッチ監視処理(408)は、前述した第1の実施の形態と同じである。
その後、振動エラーフラグ及び磁気エラーフラグを確認して、予め定めた基準値以上の振動が検出されたことに起因する振動エラー中であるか、及び、予め定めた基準値以上の磁気が検出されたことに起因する磁気エラー中であるか否かを判定する(416)。その結果、振動エラー中である又は磁気エラー中であると判定された場合に、ステップ412へ進む。すなわち、振動エラー中である又は磁気エラー中であると判定された場合には、ゲームの進行に関する処理(ゲーム処理(409〜410)、LED編集処理411)を実行しないが、外部情報編集処理412は実行される。このため、遊技機1に異常が発生した状態では遊技(特図変動表示ゲーム及び普通図柄変動表示ゲーム)は進行しない状態で(RAM103の記憶内容はそのままで)中断される。
一方、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合に、ステップ409へ進み、特図ゲーム処理(409)、普図ゲーム処理(410)及び特図普図LED編集処理(411)を実行する。このステップ409〜411の処理は、前述した第1の実施の形態と同じである。
その後、ステップ412〜415の処理を実行する。ステップ412〜415の処理は、前述した第1の実施の形態と同じである。
なお、第2の実施の形態でも、振動エラー中又は磁気エラー中のため遊技が中断した後に、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合には、遊技は中断した状態(中断時のRAM103に記憶された遊技制御データに示される状態)から再開する。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態では、エラー(磁気エラー、振動エラー)の発生中は、ゲームの進行に関する処理を実行せず、ゲームの進行に関するデータは更新されることなくRAM103にそのまま保持される。一方、エラー発生中であっても、外部情報編集処理は実行される。このため、遊技機1に異常が発生した状態では遊技は進行しないが、遊技機1に異常が発生したことを外部に出力することができる。
また、エラーの発生中でも、スイッチ監視処理(407〜408)が実行されるので、エラー発生中に入賞口及び始動口に入賞した遊技球を取りこぼすことがない。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、前述した第1の実施の形態とタイマ割込処理が異なるのみで、遊技機1の構成及び他の処理は同一である。よって、第1の実施の形態と同じ構成及び処理は説明を省略する。
図11は、本発明の第3の実施形態のタイマ割り込み処理のフローチャートである。
まず、ステップ401〜406の処理を実行する。ステップ401〜406の処理は、前述した第1の実施の形態と同じである。
第3の実施の形態のタイマ割込処理では、ステップ406に続いて、振動エラーフラグ及び磁気エラーフラグを確認して、予め定めた基準値以上の振動が検出されたことに起因する振動エラー中であるか、及び、予め定めた基準値以上の磁気が検出されたことに起因する磁気エラー中であるか否かを判定する(416)。その結果、振動エラー中である又は磁気エラー中であると判定された場合に、エラー中断フラグが設定されているか(エラー中断フラグがONであるか)を判定する(423)。エラー中断フラグは、後述するステップ425でONに設定されるフラグで、エラー発生に起因して中断コマンドがセットされることによって、遊技が中断していることを示すフラグである。
そして、エラー中断フラグがONに設定されていない場合は、振動エラー又は磁気エラーが発生しているが、遊技や変動表示ゲームが続行されているので、遊技や変動表示ゲームの表示の進行を中断するための中断コマンドを演出制御装置150に送信するためにセットし(424)、エラー中断フラグをONに設定する(425)。その後、ステップ412へ進む。
このため、遊技機1に異常が発生した状態では遊技(特図変動表示ゲーム及び普通図柄変動表示ゲーム)は進行しない状態で(RAM103、RAM153の変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに係る記憶内容はそのままで)中断される。
すなわち、振動エラー中である又は磁気エラー中であると判定された場合には、ゲームの進行に関する処理(エラー監視処理(417)、スイッチ監視処理(407〜408)、ゲーム処理(409〜410)、LED編集処理411)を実行しないが、入出力処理402、コマンド送信処理403、乱数更新処理404〜406、外部情報編集処理412は実行される。このため、遊技機1に異常が発生した状態では遊技(特図変動表示ゲーム及び普通図柄変動表示ゲーム)は進行しないが、コマンド送信処理403で中断コマンドが送信されることで演出制御装置150は変動表示ゲームの表示の進行を中断することができるし、外部情報編集処理412で遊技機1に異常が発生したことを外部(例えば、呼び出しランプ、ホールコンピュータ)に出力することができる。
一方、振動エラー中でもなく、磁気エラー中でもないと判定された場合に、ステップ420へ進み、エラー中断フラグが設定されているか(エラー中断フラグがONであるか)を判定する。その結果、エラー中断フラグが設定されている場合は、エラー発生に起因して遊技が中断している状態であるが、発生した振動エラーも、磁気エラーも解消したので、遊技を再開させるための再開コマンドをセットし(421)、エラー中断フラグをOFFにリセットする(422)。その後、ステップ417へ進む。
一方、ステップ420でエラー中断フラグが設定されていない場合には、ステップ421及びステップ422を経ずに、ステップ417へ進む。
なお、再開コマンドがセットされることによって、コマンド送信処理403で再開コマンドが演出制御装置に送信されるので、演出制御装置150はエラーの検出によって中断した表示の状態(中断時のRAM153に記憶された遊技制御データに示される状態)から変動表示ゲームの表示を再開することができる。
その後、エラー監視処理(417)、入賞口スイッチ監視処理(407)、始動口スイッチ監視処理(408)、特図ゲーム処理(409)、普図ゲーム処理(410)及び特図普図LED編集処理(411)を実行する。このステップ417、407〜411の処理は、前述した第1の実施の形態と同じである。
その後、ステップ412〜415の処理を実行する。ステップ412〜415の処理は、前述した第1の実施の形態と同じである。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、エラー(磁気エラー、振動エラー)の発生中は、ゲームの進行に関する処理を実行せず、ゲームの進行に関するデータは更新されることなくRAM103にそのまま保持される。一方、エラー発生中であっても、外部情報編集処理は実行される。このため、遊技機1に異常が発生した状態では遊技は進行しないが、遊技機1に異常が発生したことを外部に出力することができる。
以上本発明の実施の形態を、いわゆる第1種特別電動遊技機において説明してきたが、本発明はいわゆる第2種特別電動遊技機にも適用することができる。この場合、エラー検出時に、補助遊技として実行される役物の動作(ハネの開放動作)が中断し、エラー解除後に中断された状態からハネの開放動作を実行することとなる。すなわち、エラー解除後に、残りの回数だけハネの開放が実行される。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。