JP5016972B2 - 重質油改質方法、及び重質油改質複合プラント - Google Patents

重質油改質方法、及び重質油改質複合プラント Download PDF

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Description

本発明は、重質油を改質して軽質油化する重質油改質方法、及び重質油改質複合プラントに関する。
近年、資源的な制約により、エネルギー需要の増加に対応して原油生産量を増加させることが難しくなり、原油価格が大幅に上昇してきた。このため、従来は廉価な原油に経済性で対抗できず大規模な採掘が行われなかったカナダのオイル・サンドやベネズエラのオリノコタール、オイルシェル等の重質油を改質することが始められている。重質油を改質する技術としては、水素を利用する方法が知られている(特許文献1等参照)。
特開平6−248278号公報
上記のように重質油改質に利用される水素は、天然ガスから製造されることが多い。しかし、この天然ガスは、将来的に重質油発掘地域での確保が困難になることが予測されている。また、天然ガスから水素を製造する方法として広く実用化されている水蒸気改質法を利用すると、副産物として地球温暖化ガスである二酸化炭素が発生してしまう。
天然ガスのような化石資源を使うことなく、二酸化炭素も発生させることなく水素を得ることができる技術としては、風力発電装置で得られた電力で水を電気分解して水素を製造するものがある。しかしながら、風力発電は、風速が一定でなく発電電力が大きく時間変動するため、電力の需要と供給のバランス(需給バランス)をとることが難しい。
本発明の目的は、風力発電で得られる電力を有効に活用できる重質油改質方法、及び重質油改質複合プラントを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、重質油改質に要する総需要電力を予測して風力発電設備とガスタービン設備によって発電すべき目標総発電量を設定する手順と、前記目標総発電量と前記風力発電設備の予測発電量に基づいて得た発電量に近づくように前記ガスタービン設備を運転する手順と、水素を発生させる水電解装置に設定量の電力を供給する手順と、前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生したときには、あらかじめ定めた優先順位に基づいて前記余剰電力を電力利用設備に分配する手順と、前記水電解装置で発生させた水素を重質油改質設備に供給する手順とによって重質油を改質するものとする。
本発明によれば、風力発電で得られる電力が時間変動しても電力の需給バランスをとることができるので、重質油の改質に使用する天然ガスの消費量を削減できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントの全体構成図である。
この図に示す重質油改質複合プラントは、風力発電設備(ウインドファーム)20と、重質油処理サイト40を主に備えている。風力発電設備20と重質油処理サイト40は送電線22(例えば、全長100km)で接続され、風力発電設備20で発電された電力が重質油処理サイト40に供給されている。
風力発電設備20には複数の風力発電機(風車)25が設けられている。この風力発電機25は、回転軸が水平に設けられた水平軸プロペラ型で3枚の羽根(例えば、直径80m)を有し、コンクリート製塔の最上部(例えば、地上80m)に設置されている。また、風力発電機25にはプロペラを常に風上に向ける電動式のユー駆動制御装置が設けられている。地表に存在する構造物や木で地表近くの風は減速されるので、地上から高い位置に風車を設けるほど風の平均流速が大きく発電量が多くなる。誘導電動機は軸上に存在し、例えば、風速4m/sから発電を開始し、風速が25m/sを越えると安全上の制約から発電を停止させると良い。本実施の形態においては、例えば、1台あたり2MWの出力を有する風力発電機25を100台設置するものとする。なお、カナダ等の主要先進国では、国内の地点毎に風車を設ける高さに応じた年間の風速分布が国により調査されているので、風速等の調査をすることなく風車の建設が可能である。
ところで、風車の設置間隔が狭いと、近接した風車の影響で風の流れが乱れて効率が低下するため、一般に、風車相互の影響を無くすために、羽根直径の10倍の設置間隔を確保する必要がある。したがって、上記のように風車直径が80mの場合は、少なくとも800m以上離せば良いことになる。そこで、本実施の形態では若干の余裕を考慮して、南北方向20km・東西方向5kmの範囲で設置間隔が1kmの格子配列を行い、20X5の配列で100台の風車を設置するものとする。
また、風力発電設備20の中心部分には、変圧設備21Aと予備品の貯蔵庫(図示せず)が設けられている。風車25で発電された電力(例えば、480V)は所定電圧(例えば、4160V)に昇圧されて、風力発電設備20内で電力を送電する系統24を介して変圧設備21Aに集められる。このように集められた電力は、変圧設備21Aで更に所定電圧(例えば、11万5千V)に昇圧され、送電線22を介して重質油処理サイト40に送電される。重質油処理サイト40に送られた電力は、サイト40内に設けられた変圧設備21Bで所定電圧(例えば、4160V)まで降圧され、サイト40内の各設備に配電される。
風力発電設備20内には、ファーム監視装置51が設けられている。ファーム監視装置51は、風力発電設備20の風力発電機25の出力(実発電量)や電圧等の電力品質に関する情報(データ)を収集し、送電線22と並設された通信線52を介して重質油処理サイト40内の監視制御装置50(後述)に収集したデータを送信する。
ところで、オイル・サンドを生産するカナダのアルバータ州は北緯52度の高緯度地帯で北極圏に近く、風力発電に適した風が吹く地点が多い。風力エネルギーが一番多いのは、地上との相互作用が少ない標高が高いロッキー山脈の北部に位置する地点である。ロッキー山脈に近い地点では年間稼働率が70%近い地点も存在する。北米の山脈は形成された年代が古く侵食が進んでいる点と広大な北米大陸の中に存在するため、大規模な道路工事を新たに実施しないで、車で資材を輸送して大規模な風力発電施設を建設することは容易である。
なお、上記では風力発電設備20で高電圧に昇圧した電力を重質油処理サイト40に送電する例を記載したが、風力発電設備20内に設けた水電解装置に電力を供給して水素を製造し、パイプラインで重質油処理サイト40に水素を供給するように構成しても良い。
重質油処理サイト(処理サイト)40は、サイト40内の設備に電力供給するガスタービン設備38と、水を電気分解して水素と酸素を発生させる水電解装置30と、水電解装置30からの水素を貯蔵する水素タンク35と、水素タンク35からの水素を利用して重質油を改質する重質油改質設備23と、風力発電設備20からの電力を変圧する変圧設備21Bと、サイト40内の設備を制御する監視制御装置50を主に備えている。
ガスタービン設備38は、燃料(天然ガス)42と圧縮空気を燃焼して得る燃焼ガスによってタービンを駆動し、電力を発生するものである。ガスタービン設備38と監視制御装置50は通信線(図示せず)で接続されており、監視制御装置50によってガスタービン設備38の稼働状況(例えば、実発電量)の監視と出力制御が行われている。
水電解装置30は、ガスタービン設備38及び風力発電設備20からの電力を利用して水を電気分解し、酸素と水素を発生させるものである。水電解装置30が電気分解に用いる水は、サイト40内に設けられた水タンク33(後述)から得られる。また、水電解装置30は、圧縮機34を介して水素タンク35と接続され、かつ酸素タンク37と接続されている。水電解装置30と監視制御装置50は通信線(図示せず)で接続されており、監視制御装置50によって水電解装置30の稼働状況(例えば、水素と酸素の生産量)の監視、及び水電解装置30への供給電力制御が行われている。
水電解装置30は基本要素である電極セル(図示せず)によって構成されている。電極セルは、高分子電解質膜を挟んで金属繊維を圧縮して成型した陰極と陽極を有している。この陽極と陰極で発生した水素と酸素は、高分子電解質膜によって合流することなく繊維状の電極を通って水素と酸素のヘッダーに集められ、水素タンク35及び酸素タンク37に貯蔵される。例えば、上記の電極セルを、面積1m2当たりの電流密度を25kA/m2、セル電圧を1.7V、1セル当たりの厚さを3cmとする。そして、この電極セルを200セル積層すると、スタックは厚さ6m、縦・横1.5mの大きさとなり、電圧が340Vで最大8.5MWの電力を使用することになる。このスタックを15台並行に並べ、120MWの電力を用いて定格稼働させると、水素と酸素を毎時30kNm3ずつ生産することができる。
また、水素を製造する時の水電解装置30の運転圧力を高くすると、反応温度が高くなってエネルギー変換効率が高くなる(例えば、運転圧力を4ataとすると反応温度が120℃となり、エネルギー変換効率は90%となる)とともに、重質油改質設備23に水素を供給する時の加圧動力を低減することができる。
ところで、水電解装置30は、水を電気分解する時に電極の腐食が生じやすく、電極の金属表面にできる酸化膜により効率が低下するので、電極の金属表面を金メッキ又は白金メッキすると良い。また、端版等にも腐食性に優れたチタンを用いると良い。このように、水電解装置は比較的高価格となる傾向があるため、稼働率が高い条件で用いる方が経済的である。このような事情も含め、本実施の形態のように出力が変動する風力発電で水電解装置30を稼働させる場合には、水電解装置30で使用できる最大電力(水電解装置30の設備容量)の設定次第では採算が採れない場合もあり、水電解装置30の容量の設定が問題となる。
そこで、本実施の形態では、風力発電設備の年間稼働率に基づいて水電解装置30の容量を定めることで経済性の確保を図っている。この風力発電設備の年間稼働率は風力発電設備20を設置する地域によって異なる。例えば、一年を通して風が吹き続ける北極圏に近い高緯度地域では、風力発電設備の年間稼働率が60%前後になるため、水電解装置の容量を風力発電設備の最大出力の60%に相当するよう設定できる。なお、上記のような経済的理由から、水電解装置30には可能な限り設備容量に等しい電力を供給することが好ましい。
このように水電解装置30の容量を設定すると、風力発電設備20が100%の出力で稼働した場合に余剰な電力が発生する。したがって、この余剰電力を他の設備で有効に使用することができる。この余剰電力を供給する設備としては、後述の重質油改質設備23内に設けられた水処理装置4や電気ボイラ17等がある。一方、風力発電設備20の発電出力が水電解装置30の最大消費電力を下回った場合には、並列に設けている複数のスタックの中から運転するスタックを減らすことで対応できる。
水素タンク35には、水電解装置30で製造され圧縮機34で所定圧力(例えば、20ata)まで加圧された水素が貯蔵される。水素タンク35は重質油改質設備23内のPSA装置13(後述)の出口と接続されており、水素タンク35内の水素は重質油改質プロセスに利用されるために改質設備23に供給されている。水素タンク35と監視制御装置50は通信線(図示せず)で接続されており、監視制御装置50によって水素タンク35内の水素の貯蔵量と増加量の監視が行われている。
ところで、水素は分子量が小さいため加圧すると温度が上昇しやすい。そのため、圧縮機34と水素タンク35の間に熱交換器(図示せず)を設け、これで水素を冷却しながら密度を高めて水素タンク35に供給すると、必要な水素タンク35容量を小型化することが可能になる。また、水素タンク35を複数のタンクで構成することにより、重質油改質設備23へ水素を払い出しているタンクと、水電解装置30からの水素を受け入れるタンクを別にして、制御性を上げることも可能である。さらに、大型の水素タンク35を設けることで、風が弱く風力発電の出力が低下した場合でも、一定の時間は水素を供給することが可能である。
酸素タンク37には、水電解装置30で製造された酸素が貯蔵されている。酸素タンク37はオイル・サンドをガス化するガス化設備53(後述)と接続されており、酸素タンク37内の酸素はオイル・サンドのガス化の酸化剤としてガス化設備53に供給されている。酸素タンク37と監視制御装置50は通信線(図示せず)で接続されており、監視制御装置50によって酸素タンク37内の酸素の貯蔵量と増加量の監視が行われている。
重質油改質設備23は水素を利用して重質油(オイル・サンド)42を改質するものである。重質油改質設備23と監視制御装置50は通信線(図示せず)で接続されており、監視制御装置50によって重質油改質設備23内の各設備の稼働状況の監視、及び各設備への供給電力制御が行われている。
ところで、オイル・サンドは、原油になる前段階の有機化合物で、砂の間隙にアスファルトの状態で存在する。地層に占めるオイル・サンドの割合は最大で15%ほどで有るが、経済性の観点からアスファルトの重量比が6%以上のオイル・サンドを採掘し、アスファルト重量が平均で10%ほどのオイル・サンドが、砂とアスファルトを分離して利用されている。カナダのオイル・サンドはエネルギー量としては、原油で世界最大の資源保有国で有るサウジアラビアの原油と同程度の資源量が存在する。埋蔵している場所はアルバータ州のフォートマクマレー周辺である。オイル・サンド層は約40mの砂層で、その上に表土が25m存在する。露天掘りで採掘する場合には表土を除去した後、パワーシャベルでオイル・サンド層全体を採掘してダンプトラックで処理施設に輸送する。採掘が終了した地点はアスファルトを分離した後の砂で先ず埋め戻し、その上に表土を被せて植栽をほどこして元の状態に戻す。
また、アスファルトは炭素の重量割合が83%、水素が10%ほどで残りは窒素や硫黄成分で、水素/炭素の重量比が原油と比較して小さい。このために粘性が大きく、常温ではパイプラインで輸送することが困難である。そこで、オイル・サンドの発掘施設では、天然ガスを原材料として水素を製造し、これをアスファルトに添加することで水素の重量割合を増加させて、粘性を下げてからパイプラインで輸送している。
図2は、本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントにおける重質油改質設備23のシステム構成図である。なお、この図において、実線は相対的に高粘性の流体の流れ、一点鎖線は相対的に低粘性の流体の流れ、点線はガス体の流れを示している。
この図に示す重質油改質設備23は、回転ドラム装置1と、希釈剤回収装置2と、真空蒸留装置5と、フルードコーカー6と、LCファイナー7と、ナフサ水素化処理装置8と、軽質軽油水素化処理装置9と、重質軽油水素化書類装置10と、水蒸気改質装置11と、シフトコンバータ12と、PSA装置13と、オフガス処理装置14と、環境装置15を備えている。また、この重質油改質設備23に付随する設備として、静置池3と、水処理装置4と、水タンク33と、ガス化設備53と、水素タンク35が設けられている。
回転ドラム装置1は、オイル・サンド41から粘土と砂を分離して、アスファルト(フロス)を抽出するアスファルト抽出工程に利用されるものである。回転ドラム装置1において、オイル・サンドは、温水と苛性ソーダを加えられてスラリー状に変わり、ドラムの回転によって密度が重い粘土と砂がスラリーから分離される。このとき、スラリー成分の中のアスファルトが泡状のフロスとしてスラリー表面に浮かぶ。このスラリー表面のフロスは回収された後にナフサで希釈され、希釈剤回収装置2に送られる。他方、上記の粘土や砂を含む排水は静置池3に送られる。
静置池3には上記の粘土と砂を含む排水の他にも重油改質設備23で発生した廃液(廃液量は、生産する合成原油の約8倍に及ぶ。)が導かれており、ここに導かれた廃液中の固形物(例えば、粘土や砂など)は自重で沈降分離される。静置池3で固形物がほぼなくなった上澄み液は水処理装置4に送られる。水処理装置4は、ポンプで加圧した水を逆浸透膜に通過させて純水化処理するもので、このポンプの駆動力に風力発電設備20及びガスタービン設備38から供給される電力を用いている。水処理装置4で濾過された水は水タンク33に送られて貯蔵される。
水タンク33は水電解装置30や重質油改質設備23と接続されている。ここに貯蔵された水は、水電解装置30で製造する水素と酸素の原料として利用されたり、上記の回転ドラム装置1での利用をはじめとして重質油改質設備23内で利用される。この水タンク33の容量は、水処理装置4を連続運転する必要が生じないように設定されており、例えば、1週間ほどの使用量を貯蔵できる容量とすると良い。このように水タンク33の容量を設定すれば、風力発電設備20の発電量に余剰がある場合に水処理装置4に電力を供給し、必要な量の純水を得ることができる。このように、本実施形態における水処理装置4及び水タンク33は、風力発電設備20による発電量の変動を吸収する機能を備えている。
希釈剤回収装置2は、上記のようにナフサで希釈されたフロスを遠心分離装置(図示せず)で比重が相対的に軽いナフサと重いアスファルトに分離するものである。希釈剤回収装置2で分離されたナフサは、回転ドラム装置1に戻して再利用される。一方、アスファルト成分は、希釈剤回収装置2で更に高粘性と低粘性の流体に分離され、低粘性成分は軽質軽油水素化処理装置9に送られ、高粘性流体は真空蒸留装置5に送られる。
真空蒸留装置5は、圧力を低下させることで、希釈剤回収装置2からの流体を更に高粘性流体と低粘性流体とに分離するものである。ここで分離された低粘性流体成分は希釈剤回収装置2で分離された低粘性成分とともに改質軽油水素化処理装置9に送られ、高粘性流体は重質軽油水素化処理装置10に送られる。また、真空蒸留装置5の下部から排出される特に流動性が低い残渣は、フルードコーカー6に供給される。
ところで、アスファルトの粘性を下げるためには水素/炭素の重量比を高くする必要があるが、その方法としては(a)水素を添加する方法と、(b)炭素を除く方法の2種類がある。図2に示したプロセスでは、LCファイナー7、ナフサ水素化処理装置8、改質軽油水素化処理装置9、及び重質軽油水素化処理装置10がアスファルトに水素を添加する装置であり、フルードコーカー6がアスファルトから炭素を除去する装置である。
フルードコーカー6で炭素を除去されて粘性が低下した流体は、粘性に応じて分離され、その低粘性成分はナフサ水素化処理装置8へ送られ、低粘性成分は重質軽油水素化処理装置10に送られる。また、高粘性物から主として炭素だけを分離して得られた残渣は、流動床(図示せず)で燃焼されて熱エネルギーとして回収される。
上記の水素を添加する装置7,8,9,10でアスファルトの粘性を低下させるために添加する水素は、改質設備23内では水蒸気改質装置11、シフトコンバータ12、及びPSA装置13で製造される。
水蒸気改質装置11は、メタンが主成分の天然ガス42と水蒸気を還元雰囲気で部分燃焼させ、水素と一酸化炭素に変換するものである。水蒸気改質装置11で得られた高温ガスは冷却されてシフトコンバータ12に導かれる。
シフトコンバータ12は水蒸気改質装置11で得られたガスに水蒸気を加え、下記の(1)式の触媒反応により、一酸化炭素の大部分を水素に変換するものである。ここで発生したガスは、PSA装置13に導かれる。
CO+H2O → CO2+H2 ・・・(1)
PSA装置13は、圧力を周期的に変化させて水素と一酸化炭素のシリカゲルへの吸脱速度差を利用して、一酸化炭素と水素を分離するものである。シフトコンバータ12で行われる上記(1)式の反応は可逆反応なので、水素に若干の一酸化炭素が残るが、この一酸化炭素は、LCファイナー7とナフサ水素化処理装置8におけるプロセスで用いる触媒の性能を低下させてしまう。そこで、このPSA装置13で、シフトコンバータ12のガスから一酸化炭素を分離して、純粋な水素を製造している。
PSA装置13の水素の出口には水素タンク35からの管路が接続されている。水素タンク35内の水素は、このPSA装置13からの水素と合流して、LCファイナー7、ナフサ水素化処理装置8、軽質軽油水素化処理装置9、及び重質軽油水素化処理装置10に供給される。
LCファイナー7は、希釈剤回収装置2からの高粘性成分にPSA装置13及び水素タンク35から供給される水素を添加して低粘性化するもので、ここで得られた低粘性成分は軽質軽油水素化処理装置9に送られる。
ナフサ水素化処理装置8、改質軽油水素化処理装置9、及び重質軽油水素化処理装置10は、PSA装置13及び水素タンク35から供給される水素をアスファルトに添加して低粘性の液体成分を発生するものである。なお、上記の装置7,8,9,10で行われる水素添加プロセスでは、対象の液体性状に応じて、反応を進める運転条件の温度、圧力、反応時間、および使用する触媒の種類を選定する。
ナフサ水素化処理装置8、改質軽油水素化処理装置9、及び重質軽油水素化処理装置10から得られる低粘性の液体成分は混合して合成原油となり、ポンプ(図示せず)で加圧してからパイプライン16により消費地に送られる。上記のプロセスにおいて、はじめにオイル・サンドから分離したアスファルトの水素/炭素の重量比を0.125とすると、最終的にパイプライン16で送られる合成原油は0.144まで増加する。これは重量比としての増加は少ないが、水素は分子量が小さいので化学式が大きく変わるので、常温における合成原油の粘性は原材料のアスファルトの粘性と比較して1/80程度に低下する。
フルードコーカー6、ナフサ水素化処理装置8、改質軽油水素化処理装置9、及び重質軽油水素化処理装置10の反応過程ではオフガス(可燃性ガス)が発生する。このオフガスは、オフガス処理装置14に導かれて燃焼され、環境装置15に導かれる。環境装置15は気体中の硫黄成分等の不純物を除去するもので、オフガス処理装置14から環境装置15に導かれた燃焼ガスは不純物を除去された後に大気に放出される。
オフガス処理装置14では上記のオフガスによる燃焼熱を用いて水蒸気が生成される。この水蒸気は、主にアスファルト抽出工程で利用される温水を得るための熱エネルギーとして利用されるが、水蒸気改質装置11やシフトコンバータ12等に送っても良い。なお、オフガス処理装置14で発生させる水蒸気の圧力を高めて、その圧力で蒸気タービンを駆動してエネルギーを回収し、蒸気タービンから排出される低圧の蒸気を熱源に利用するように構成しても良い。
ガス化設備53は、オイル・サンドと酸素を高温(例えば、1700℃程度)で混合してガス化し一酸化炭素や水素を発生させるもので、重質油改質設備23及び酸素タンク37と接続されている。重質油改質設備23からは内部を流通するアスファルトの一部(例えば、希釈剤回収装置2から真空蒸留装置5に送られるアスファルト)が供給されており、酸素タンク37からの酸素を酸化剤として用いてガス化を行っている。オイル・サンドのガス化の酸化剤としてこのように酸素を利用すると、空気を用いる場合よりエネルギー効率が向上する。ガス化設備53で得た一酸化炭素及び水素は、ガスタービン設備38において天然ガス42に代替する燃料として利用しても良いし、水素だけを分離して重質油の改質に利用しても良い。いずれの場合にも、重質油改質サイト40で重質油改質に利用する天然ガスの消費量を削減することができる。
なお、上記のオフガス処理装置14と同様に重質油改質設備23内で利用される水蒸気を発生させる設備として、電気ボイラ17を設けても良い。この電気ボイラ17に風力発電設備20による発電量に余剰がでる場合に電力が供給されるように構成すれば、風力発電による電力を効率良く利用することができる。
ところで、図1における変圧設備21Bは、風力発電設備20からの電力を変圧するもので、水電解装置30、水処理装置4をはじめとして重質油処理サイト40内の各設備に変圧した電力を供給している。
監視制御装置50は、重質油改質複合プラントにおける電力の需要と供給が一致するように、ガスタービン設備38の出力制御と、サイト40内の設備への電力供給量の制御を行うものである。監視制御装置50は、重質油改質処理サイト40の各設備と通信線(図示せず)を介して接続されており、また、ファーム監視装置51と通信線52を介して接続されている。監視制御装置50は、通信線を介してプラント内の設備の稼働情報を受信しながら、プラント内の設備に制御指令を送信している。
図3は監視制御装置50のハードウェア構成図である。
この図において、監視制御装置50は、監視制御画面(後述の図5参照)が表示される表示装置200と、通信線を介してサイト40内の各設備と接続され、各設備にデータの送受信を行う通信装置211と、監視制御装置50で行われる各種演算処理を実行する演算処理装置212と、監視制御装置50に対する命令がオペレータによって入力される入力装置213と、演算処理装置212が演算処理する際に利用するデータが一時的に記憶される一時保存用記憶装置220と、サイト40内の設備から送信されるデータや、演算処理装置212によって算出されるデータが保存される記憶装置230を備えている。
記憶装置230は、需要データベース(需要DB)231と、発電データベース(発電DB)232と、生成量データベース(生成量DB)233と、貯蔵量データベース(貯蔵量DB)234と、メンテナンス情報データベース(メンテナンス情報DB)235を備えている。
需要DB231は、改質油の需要量と、この需要を満たすために必要なものの需要量に関するデータ(例えば、電力・水蒸気・水素・酸素・水に関する需要の予測値と実績値等)が記憶されているものである。ここには、例えば、プラント内の各設備の需要電力量(例えば、水電解装置30の需要電力量、水処理装置4の需要電力量、電気ボイラ17の需要電力量)、重質油改質設備23の水蒸気需要量、重質油改質設備23の水素需要量、ガス化設備53の酸素需要量、水電解装置30の水需要量等の予測値と実績値が記録されている。
発電DB232は、風力発電設備20とガスタービン設備38の発電に関するデータ(例えば、風力発電設備20の発電量の予測値と実績値と、ガスタービン設備38の発電量の実績値等)が記録されるものである。風力発電設備20の発電量予測は、ファーム監視装置51から送信される気象情報や風力発電量の実績値等によって求められる。
生成量DB233は、処理サイト40内で生成されるものに関するデータ(例えば、改質油・水蒸気・水素・酸素・水についての生成量の予測値と実績値等)が記録されるもので、例えば、重質油改質設備23の改質油生成量、オフガス処理装置14及び電気ボイラ17の水蒸気生成量、水電解装置30の水素生成量、水電解装置30の酸素生成量、水処理装置4の純水生成量等の予測値と実績値が記録されている。
貯蔵量DB234は、処理サイト40内に貯蔵されるものに関するデータ(例えば、水素タンク35、酸素タンク37、及び水タンク33における貯蔵量の実績値と貯蔵可能量の予測値等)が記録されるものである。
メンテナンス情報DB235は、重質油改質処理サイト40内の各設備の故障情報、定期保守の計画および定期保守実績等が記録されるものである。
図4は監視制御装置50の機能ブロック図である。
この図において、監視制御装置50は、目標総発電量設定部250と、ガスタービン制御部(GT制御部)260と、電力供給制御部270を備えている。
目標総発電量設定部250は、重質油改質に要する総需要電力を予測して風力発電設備20とガスタービン設備38によって発電すべき目標総発電量(Wo)を所定のタイミングで設定するものである。
目標総発電量Woを設定する際には、目標総発電量設定部250は、まず、風力発電設備20の発電量予測を行う。風力発電設備20の発電量は気象状況に左右されるので、予測風力発電量(Wwo)を算出する際には、例えば、ファーム監視装置51から取得される風力の現在値や、気象予報から得られる風力予測に基づいて行えば良い。また、ここでは風力発電の所定時間内における時間変動が予測される。この時間変動を予測する際も、発電量を予測する場合と同様に、風力の現在値や予測値等に基づいて算出すれば良い。このように予測された予測風力発電量Wwo及び時間変動予測は発電DB232に送られ記憶される。
次に、目標総発電量設定部250は、処理サイト40で重質油改質に要する需要電力(予測総需要電力(Wdo))を予測する。予測総需要電力Wdoは、基本的に、需要を満たす改質油の生成のために必要最小限の電力はいくらであるかという観点から算出されるが、必要に応じて、常時フル稼働する必要がない電力利用設備(水電解装置30や水処理装置4等)に供給する電力が加えられて最終的に決定される。このように設定された予測総需要電力Wdoは需要DB231に送られ記憶される。この予測総需要電力Wdoに基づいて、目標総発電量設定部250は目標総発電量Woを設定する。目標総発電量Woは発電DB232に記憶される。
なお、予測総需要電力Wdoを設定する場面で、水電解装置30を最大限に稼働させて重質油改質の経済性を向上させる場合には、水素タンク35に空きが無い場合を除いて、水電解装置30に設備容量に相当する電力を供給することを前提として予測総需要電力Wdoを設定すると良い(電気分解優先モード)。さらに、必要に応じて、水処理装置4や電気ボイラ17にも設備容量相当の電力を供給するように設定すると効率が良い。また、予測総需要電力Wdoを算出する際には、風力発電設備20による発電量を考慮するために、先の段階で算出しておいた予測風力発電量Wwoや時間変動予測を利用しても良い。このように予測総需要電力Wdoを算出すれば、風力発電量の予測に適した需要を設定することができる。なお、ここでは、予測風力発電量Wwo等を算出して目標総発電量Woを設定する方法について説明したが、風力発電量の予測を行うことなく、予測総需要電力Wdoを算出しても良い。
GT制御部260は、所定のタイミングで目標総発電量Woと予測風力発電量Wwoに基づいて算出した目標発電量(GT目標発電量(Wgo))に近づくようにガスタービン設備38を運転するものである。
GT目標発電量Wgoは、目標総発電量Wo、予測風力発電量Wwo、及び風力発電の時間変動予測に基づいて決定される。GT目標発電量Wgoは、原則、目標総発電量Woから予測風力発電量Wwoを減じたものと同定できるが、風力発電の時間変動予測に応じて適宜補正される。すなわち、ここで決定されるGT目標発電量Wgoは、風力発電の時間変動が大きいと予測される場合には、その風力発電の変動分をガスタービン設備38で補填する必要があるため、目標総発電量Woから予測風力発電量Wwoを減じたものと比較して風力発電の時間変動分程度大きくなる傾向がある。また反対に、風力発電の時間変動が小さいと予測される場合は、GT目標発電量Wgoは、目標総発電量Woから予測風力発電量Wwoを減じたものに近づくことになる。
このようにGT目標発電量Wgoが設定されると、GT制御部260は、ガスタービン設備38によって目標発電量Wgoに近い発電量が得られるように、ガスタービン設備38の出力を制御する。なお、上記のようにGT目標発電量Wgoを設定してガスタービン設備38の出力を調節するタイミングとしては、予め定めた所定の間隔ごとに実施する方法や、風力発電量の予測値と実測値の偏差がしきい値以上になった場合に実施する方法、または、所定時間における風力発電設備20とガスタービン設備38の実発電量の和(総実発電量W)から平均発電量Wmを算出し、この平均発電量Wmと目標総発電量Woの偏差がしきい値以上になった場合に実施する方法等がある。
電力供給制御部270は、風力発電設備20とガスタービン設備38の実発電量の和(総実発電量W)と目標総発電量Woに基づいて、実発電量(供給量)と需要量が一致するように電力供給を制御するものである。
電力供給制御部270は、まず、風力発電設備20とガスタービン設備38の実発電量の和(総実発電量W)と目標総発電量Woの比較を行う。その結果、総実発電量Wと目標総発電量Woが一致するとき(すなわち、風力発電設備20の実発電量が予測風力発電量Wwoと一致したとき)、又は総実発電量Wが予測総需要電力Wdoより小さくても、後の制御において無視できる程度に差が小さいとき(総実発電量Wと目標総発電量Woが実質的に一致するとき)には、予測総需要電力Wdoを算出した際に利用した需要量と同じ電力が処理サイト40内の各設備に供給される。また反対に、総実発電量Wが目標総発電量Woを超えるとき(すなわち、風力発電設備20の実発電量が予測風力発電量Wwoを上回ったとき)には、余剰電力が発生するので、あらかじめ定めた優先順位に基づいて処理サイト40内の電力利用設備(例えば、水電解装置30、水処理装置4、電気ボイラ17等)に余剰電力が分配される。この際、電力供給制御部270は、各電力利用設備の設備容量と、各電力利用設備の生成物が貯蔵される貯蔵タンク(例えば、水素タンク35、酸素タンク37、水タンク33等)の貯蔵可能量(空き容量)を考慮しながら、余剰電力を供給する設備と量を決定する。本実施の形態では、水電解装置30における水の電気分解を優先させて、(1)水電解装置30、(2)水処理装置4、(3)電気ボイラ17の順に電力が供給されており(電気分解優先モード)、水タンク33の貯蔵可能量に基づいて余剰電力が発生した際の各設備への電力供給量が設定されている。
なお、各貯蔵タンクの貯蔵可能量を予測する際には、例えば、生成DB233内のデータに基づいて各物質の予測生成量(水電解装置30の水素生成量及び酸素生成量の予測値、水処理装置4の純水生成量の予測値)を算出し、これに貯蔵量DB234内に記憶された各タンク33,35,37の貯蔵量の現在値を組み合わせて求めれば良い。なお、このような制御方法に限らず、各貯蔵タンクの貯蔵量の上限値を予め設定しておき、貯蔵量がその上限値に達したら当該タンクに生成物が追加されないように構成しても良い。
また、上記では、電力供給の制御方法を変更する判断基準として、総実発電量Wと目標総発電量Woを比較する方法を利用したが、この他に、総実発電量Wと目標総発電量Woの偏差や、予測風力発電量Wwoと実際の風力発電量の偏差がしきい値内に収まるか否かで判断する方法を用いても良い。
図5は、監視制御装置50の表示装置200に表示される監視制御画面の一例を示す図である。
この図が示す監視制御画面は、運転モード選択部340と、メッセージ表示部343と、需要表示部351と、風力発電電力表示部354と、ガスタービン発電電力表示部357と、貯蔵量表示部361と、電力品質表示部364を備えている。
運転モード選択部340には、水電解装置30による水素生成を優先させる電気分解優先モードが選択できる選択部341と、重質油改質に要するコストを最小にする最適化モード(後の図7を用いて説明する)が選択できる選択部342が設けられている。運転モードの選択は、入力装置213を介してオペレータによって選択される。これにより、オペレータはプラントの稼働状況に応じて、上記の各モードを適宜選択することができる。
メッセージ表示部343には、通常運転の運転経過が表示される他、機器あるいは系統に故障や障害を生じた時、その故障・障害箇所をオペレータに知らせる表示や、故障・障害が発生したことを警告する表示がされる。このような故障・障害を知らせるメッセージは、監視制御装置50内のメンテナンス情報DB235に記録されたデータに基づいて表示される。
需要表示部351には、水電解装置30、重質油改質設備23、水処理装置4等の現在の消費電力(需要)が表示される現在値表示部352と、各設備における処理量を指定できる場合は、制御を行う所定時間におけるその処理量の指令値が表示される指令値表示部353が設けられている。
風力発電電力表示部354には、風力発電設備20の集電単位ごとに、現在の発電電力が表示される現在値表示部355と、所定時刻における発電電力の予測値が表示される予測値表示部354が設けられている。
ガスタービン発電電力表示部357には、ガスタービン設備38の現在の発電量が表示される現在値表示部358と、所定の時刻における指令値が表示される指令値表示部359が設けられている。
貯蔵量表示部361には、各タンクについて、現在の貯蔵量が表示される現在値表示部362と、タンクに貯蔵可能な量が表示される貯蔵可能量表示部363が設けられている。
電力品質表示部364には、処理サイト40における電力の周波数のトレンドが表示される周波数表示部364と、電圧のトレンドが表示される電圧表示部365が設けられている。なお、図示は省略するが、周波数と電圧の許容範囲を各表示部364,365に表示するように構成しても良い。
上記のように構成される監視制御画面によれば、オペレータはプラントの稼働状況を容易に認識することができる。
上記のように構成される重質油改質複合プラントの制御処理をフローチャートを用いて説明する。
図6は監視制御装置50による制御処理のフローチャートである。
監視制御装置50は、処理が開始されると、所定時刻(制御タイミング)であるかどうかを判断し(S500)、所定の時刻でなければ処理を待機する。所定の時刻であれば、監視制御装置50内の目標総発電量設定部250は、目標総発電量設定タイミングであるかどうかを判断する(S501)。当該タイミングであれば、目標総発電量設定部250は、記憶装置230内のデータ(例えば、発電DB232内のデータ)に基づいて予測風力発電量Wwoを算出する(S502)。続いて、目標総発電量設定部250は、記憶装置230内のデータ(例えば、需要DB231、生成量DB233内のデータ)を利用して予測総需要電力Wdoを算出し(S503)、この予測総需要電力Wdoに基づいて目標総発電量Woを設定する(S504)。なお、ここでは、水電解装置30の需要電力を設備容量相当としつつ、水処理装置4の需要電力を設備容量以下に設定した量とし、予測総需要電力Wdoを算出するものとする。このように水電解装置30の需要電力を設定しておけば、風力発電が変動した場合にも設備容量相当の電力が水電解装置30に供給されるので、重質油改質に際して経済性を確保することができる。
目標総発電量設定タイミングでない場合、及び上記のように目標総発電量Woが設定された場合には、GT制御部260は、ガスタービン設備38を制御するタイミングであるかどうかを判断する(S505)。当該タイミングであれば、GT制御部260は、目標総発電量Wo、予測風力発電量Wwo、及び風力発電の時間変動予測に基づいてGT目標発電量Wgoを設定し(S506)、ガスタービン設備38によって目標発電量Wgoに近い発電量が得られるように、ガスタービン設備38の出力を制御する(S507)。
ガスタービン設備38の制御タイミングでない場合、及び上記のようにガスタービン設備38が制御された場合には、電力供給制御部270は、風力発電設備20とガスタービン設備38の実発電量の和である総実発電量Wと目標総発電量Woの比較を行う(S508)。ここで、総実発電量Wと目標総発電量Woが一致する場合(又は、一致するとみなせる場合)には、予測総需要電力Wdoを算出する際に定めていた量と同量の電力を水電解装置30及び水処理装置4に供給する。すなわち、本実施の形態では、水電解装置30に設備容量相当の電力が供給され、水処理装置4に設定量の電力(設備容量以下の量)が供給される(S509,S510)。
一方、S508において総実発電量Wが目標総発電量Woを上回ると判断されて余剰電力が発生する場合には、まず、水電解装置30に設備容量相当の電力を供給し(511)、余剰電力を水処理装置4に供給しても水タンク33に空き容量があるか(すなわち、設定値以上の電力を水処理装置4に供給できるか否か)を判断する(S512)。水タンク33に空き容量があると判断されたときには、余剰電力の全量を供給しても水処理装置4の設備容量を超えないかどうかを判断する(S513)。余剰電力の全量を供給しても水処理装置4の設備容量を超えないと判断されたときは、余剰電力の全量を水処理装置4に供給する(S514)。一方、水タンク33に空き容量があるが、余剰電力の全量を供給すると水処理装置4の設備容量を超えると判断されたときには、設備容量相当の電力が水処理装置4に供給されるように供給電力を調節し(S515)、残りの電力を電気ボイラ17に供給する(S517)。また、水タンク33に空き容量があるか否かを判断する上記S512において、空き容量が無いと判断された場合には、重質油改質設備23での消費量相当の水を生成するための電力だけを水処理装置4に供給して(S516)、残りの電力を電気ボイラ17に供給する(S517)。このように、S510,S514,又はS517を経て、各設備に電力が供給された後は、必要であればS501に戻って処理を繰り返し、そうでない場合は終了する(S518)。上記のように、本実施の形態によれば、風力発電量が変動して予測を超える発電量があった場合にも、その変動を吸収して電力の需要と供給を一致させることができる。
なお、ここでは、水処理装置4に余剰電力を供給しても余りが出るときには、電気ボイラ17に電力を供給するように構成したが、この他の処理サイト40内の設備に電力を供給するように構成しても良い。また、上記では、水の電気分解に要するコストの回収を優先させて、水電解装置30、水処理装置4、電気ボイラ17の順番に電力を供給するように構成したが、この他の順番にしたがって電力を供給しても勿論良い。
また、上記では、説明を簡単にするため、水電解装置30には設備容量相当の電力を供給するものとして説明したが、水素タンク35に空きが無い場合には、重質油改質設備23での消費量相当の水素を製造するための電力だけを水電解装置30に供給して、残りの電力を水処理装置4等の電力利用設備に供給するように制御しても良い。この場合には、水電解装置30に供給できなかった電力を上記の余剰電力に加えて、S512からS517の処理を行えば良い。このように構成すれば、稼働状況に適したプラント運用を更に効率良く行うことができる。
次に本実施の形態の効果を説明する。
重質油を改質する技術には天然ガスから製造した水素を利用する方法があるが、この水素の原料となる天然ガスは将来的に重質油発掘地域での確保が困難になることが予測されている。また、天然ガスから水素を製造する方法として広く実用化されている水蒸気改質法を利用すると、副産物として地球温暖化ガスである二酸化炭素が発生してしまう。
天然ガスのような化石資源を使うことなく、二酸化炭素も発生させることなく水素を得ることができる技術としては、風力発電装置で得られた電力で水を電気分解して水素を製造するものがある。しかしながら、風力発電は、風速が一定でなく発電電力が大きく時間変動するため、電力の需給バランスをとることが難しい。
これに対して、本実施の形態は、重質油改質に要する電力量(予測総需要電力(Wdo))を予測して風力発電設備20とガスタービン設備38によって発電すべき目標総発電量(Wo)を設定する手順と、目標総発電量(Wo)と風力発電設備20の予測発電量(Wwo)に基づいて得た発電量(GT目標発電量(Wgo))に近づくようにガスタービン設備38を運転する手順と、水電解装置30に設定量の電力を供給する手順と、風力発電設備20とガスタービン設備38の実発電量の和(総実発電量(W))が目標総発電量(Wo)を上回って余剰電力が発生したときには、あらかじめ定めた優先順位に基づいて余剰電力を電力利用設備(水処理装置4、電気ボイラ17)に分配する手順と、水電解装置30で発生させた水素を重質油改質設備23に供給する手順を行うことによって重質油改質を行っている。このような方法によれば、実際の風力発電が予測以上に発生した場合にも、発生した余剰電力を処理サイト40内の電力利用設備に供給して吸収することができるので、電力の需給バランスをとりながら、重質油改質に用いる水素を水の電気分解により得ることができる。したがって、本実施の形態によれば、重質油改質に使用する天然ガスの消費量を削減することができる。また、本実施の形態によれば、風力発電で得られた電力を有効に活用できるので、ガスタービン設備38の出力を低減でき、ガスタービン設備38の燃料である天然ガスの消費量を低減することができる。さらに、本実施の形態によれば、水素を製造する際に水蒸気改質法のように二酸化炭素を発生させることもないので、環境にかける負荷を低減することができる。
また、本実施の形態の重質油改質複合プラントは、風力発電によって得た電力を、重質油改質のプロセスで利用される水処理装置4や電気ボイラ17にも供給しているため、プラントのエネルギー効率を向上させることができる。特に、本実施の形態では重質油改質設備23からの排水を水処理装置4で純水化して、重質油改質に利用する水素の原料として再利用しているため、環境にかける負荷を更に低減することができる。
次に監視制御装置50による他の制御処理について説明する。
以下に説明する制御処理は、水の電気分解を優先させて水電解装置30に優先的に電力供給する図6に示したもの(電気分解優先モード)と異なり、重質油改質に要するコストが最小になるように各電力利用設備(水電解装置30、水処理装置4、電気ボイラ17等)に電力を供給するもの(最適化モード)である。これらの制御処理の変更は、上記において図5を用いて説明したように、表示装置200に表示される監視制御画面上でオペレータによって行われる。
この処理を行う場合には、監視制御装置50の目標総発電量設定部250は、予測総需要電力Wdoを設定するに先だって、水電解装置30、水処理装置4、電気ボイラ17等の電力利用設備に供給する電力を重質油改質に要するコストが最小になるように決定する。すなわち、目標総発電量設定部250は、予測総需要電力Wdoを設定するに先だって、コストを目的関数とする最適化計算を行う。この最適化計算における未知数は、各電力利用設備30,4,17における物質の生成量である。目標総発電量設定部250は、最適化計算の結果に基づき、各設備30,4,17に供給する電力を決定し、予測総需要電力Wdoを算出する。なお、最適化計算には、線形計画法を用いると良い。このとき、各電力利用設備30,4,17の設備容量や物質生成量などの運転制約は、線形計画法の制約条件として扱うことができる。
また、電力供給制御部270は、総実発電量Wと目標総発電量Woが一致するとき、或いは総実発電量Wと予測総発電量Wdoが実質的に一致するときには、予測総需要電力Wdoを算出した際に決定した電力を各電力利用設備30,4,17に供給する。これとは逆に、総実発電量Wが目標総発電量Woを超えることによって余剰電力が発生するときには、各電力利用設備30,4,17の生成量と、各タンク35,37,33の貯蔵量を未知数として、余剰電力を考慮に入れてコストを目的関数とする最適化計算を行う。この結果、各設備30,4,17に供給される電力が決定され、その決定量に応じた電力が電力供給制御部270によって各設備30,4,17に供給される。なお、最適化計算には先の場合と同様に線形計画法を用いれば良い。
図7は監視制御装置50による他の制御処理のフローチャートである。
監視制御装置50は、S700からS702に至るまで、図6に示したケースのS500からS502までと同様の処理を行って、予測風力発電量Wwoを算出する(S700〜S702)。続いて、目標総発電量設定部250は、コストを目的関数とする最適化計算を行って電力利用設備に供給する電力を決定した後に、予測総需要電力Wdoを算出し(S703)、この予測総需要電力Wdoに基づいて目標総発電量Woを設定する(S704)。このように目標総発電量Woが設定されると、再び図6のケースと同様の処理が行われ、ガスタービン設備38の出力が制御される(S705〜S707)。
ガスタービン設備38の制御タイミングでない場合、及び上記のようにガスタービン設備38が制御された場合には、電力供給制御部270は、総実発電量Wと目標総発電量Woの比較を行う(S708)。ここで、総実発電量Wと目標総発電量Woが一致する場合(又は、一致するとみなせる場合)には、予測総需要電力Wdoを算出した際に決定した電力が各電力利用設備30,4,17に供給される(S709)。
一方、S708において総実発電量Wが目標総発電量Woを上回ると判断されて余剰電力が発生する場合には、各電力利用設備30,4,17の生成量と、各タンク35,37,33の貯蔵量を未知数とする最適化計算によって各設備30,4,17に供給される電力が決定され(S710)、その決定量に応じた電力が各設備30,4,17に供給される(S711)。このようにS709又はS711を経て、各設備に電力が供給された後は、必要であればS701に戻って処理を繰り返し、そうでない場合は終了する(S712)。
このように、上記のような制御処理を行っても、風力発電の変動を吸収して電力の需要と供給を一致させることができるので、重質油改質に使用する天然ガスの消費量を削減することができる。特に、この方法によれば、常に重質油改質に要するコストを最小にすることができるので、電気分解を優先する場合と比較して、安定して安価な改質油を得ることができる。
また、以上の説明では、風力発電設備20とガスタービン設備38を連携させて重質油改質複合プラントを構成したが、ガスタービン設備以外の出力制御可能な自家発電設備と連携させて構成しても良い。さらに、以上では、水の電気分解により生成した水素を、オイル・サンド等の重質油の改質に用いた例を説明したが、生成した水素を液体燃料の合成等に用いる、化学合成プロセスにも適用しても良い。
本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントの全体構成図。 本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントにおける重質油改質設備のシステム構成図。 本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントにおける監視制御装置のハードウェア構成図。 本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントにおける監視制御装置の機能ブロック図。 本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントにおける表示装置に表示される監視制御画面の図。 本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントにおける監視制御装置による制御処理のフローチャート。 本発明の実施の形態である重質油改質複合プラントにおける監視制御装置による他の制御処理のフローチャート。
符号の説明
4 水処理装置
17 電気ボイラ
20 風力発電設備
23 重質油改質設備
30 水電解装置
33 水タンク
35 水素タンク
37 酸素タンク
38 ガスタービン設備
50 監視制御装置
53 ガス化装置
250 目標総発電量設定部
260 ガスタービン制御部
270 電力供給制御部
Wo 目標総発電量
Wwo 予測風力発電量
Wdo 予測総需要電力
Wgo GT目標発電量
W 総実発電量

Claims (10)

  1. 重質油改質に要する総需要電力を予測して風力発電設備とガスタービン設備によって発電すべき目標総発電量を設定する手順と、
    前記目標総発電量と前記風力発電設備の予測発電量に基づいて得た発電量に近づくように前記ガスタービン設備を運転する手順と、
    水を電気分解して水素を発生させる水電解装置に設定量の電力を供給する手順と、
    前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生したときには、あらかじめ定めた優先順位に基づいて前記余剰電力を電力利用設備に分配する手順と、
    前記水電解装置で発生させた水素を重質油改質設備に供給する手順とを有することを特徴とする重質油改質方法。
  2. 請求項1記載の重質油改質方法において、
    前記電力利用設備には、前記重質油改質設備からの排水を処理する水処理装置が含まれており、
    前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生したときには、前記電力利用設備の中から前記水処理装置に優先的に前記余剰電力を分配する手順と、
    前記水処理装置で処理した水を前記水電解装置に供給する手順とを有することを有することを特徴とする重質油改質方法。
  3. 請求項2記載の重質油改質方法において、
    前記電力利用設備には、前記重質油改質設備からの排水を処理する水処理装置が含まれており、
    前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生し、かつ、前記余剰電力の全量を前記水処理装置に供給すると前記水処理装置の設備容量を上回ると予測されるときには、前記水処理装置の設備容量相当の電力を前記水処理装置に供給し、残りの電力を前記電力利用設備に供給する手順を有することを特徴とする重質油改質方法。
  4. 請求項3記載の重質油改質方法において、
    前記電力利用設備には、さらに、前記重質油改質設備で利用する蒸気を発生する電気ボイラが含まれており、
    前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生し、かつ、前記余剰電力の全量を前記水処理装置に供給すると前記水処理装置の設備容量を上回ると予測されるときには、前記水処理装置の設備容量相当の電力を前記水処理装置に供給し、残りの電力を前記電気ボイラに供給する手順と、
    前記電気ボイラで発生した水蒸気を前記重質油改質設備に供給する手順とを有することを特徴とする重質油改質方法。
  5. 請求項2記載の重質油改質方法において、
    前記電力利用設備には、前記重質油改質設備からの排水を処理する水処理装置が含まれており、
    前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生し、かつ、前記余剰電力を前記水処理装置に供給すると前記水処理装置が生成する水の貯蔵量が設定値を上回ると予測されるときには、前記重質油改質設備での消費量相当の水を生成するための電力を前記水処理装置に供給し、残りの電力を前記電力利用設備に供給する手順を有することを特徴とする重質油改質方法。
  6. 請求項1記載の重質油改質方法において、
    前記水電解装置に供給する電力の設定量は、前記水電解装置の設備容量に相当する量であることを特徴とする重質油改質方法。
  7. 水を電気分解して水素を発生させる水電解装置を含む複数の電力利用設備に供給する電力を重質油改質に要するコストが最小になるように決定し、重質油改質に要する総需要電力を予測して風力発電設備とガスタービン設備によって発電すべき目標総発電量を設定する手順と、
    前記目標総発電量と前記風力発電設備の予測発電量に基づいて得た発電量に近づくように前記ガスタービン設備を運転する手順と、
    前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量と実質的に一致するときには、前記目標総発電量を設定する手順で決定した電力を前記複数の電力利用設備に供給する手順と、
    前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生したときには、前記余剰電力を考慮に入れて重質油改質に要するコストが最小になるように前記複数の電力利用設備に電力を供給する手順と、
    前記水電解装置で発生させた水素を重質油改質設備に供給する手順とを有することを特徴とする重質油改質方法。
  8. 風力で発電する風力発電設備と、
    燃焼ガスで発電するガスタービン設備と、
    水を電気分解して水素と酸素を発生させる水電解装置と、
    この水電解装置からの水素を貯蔵する水素タンクと、
    この水素タンクからの水素を利用して重質油を改質する重質油改質設備と、
    この重質油改質設備に供給する物質を電力を利用して生成する電力利用設備と、
    重質油改質に要する総需要電力を予測して前記風力発電設備と前記ガスタービン設備によって発電すべき目標総発電量を設定する目標総発電量設定部と、前記目標総発電量と前記風力発電設備の予測発電量に基づいて得た発電量に近づくように前記ガスタービン設備を運転するガスタービン制御部と、前記水電解装置に設定量の電力を供給するとともに、前記風力発電設備と前記ガスタービン設備の実発電量の和が前記目標総発電量を上回って余剰電力が発生したときには、あらかじめ定めた優先順位に基づいて前記余剰電力を電力利用設備に分配する電力供給制御部とを有する制御装置とを備えることを特徴とする重質油改質複合プラント。
  9. 請求項8記載の重質油改質複合プラントにおいて、
    前記水電解装置は、前記風力発電設備の年間稼働率に基づいて定められる設備容量を有することを特徴とする重質油改質複合プラント。
  10. 請求項8記載の重質油改質複合プラントにおいて、
    前記水電解装置からの酸素を貯蔵する酸素タンクと、
    この酸素タンクからの酸素と重質油を混合して重質油をガス化するガス化装置を備えることを特徴とする重質油改質複合プラント。
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