JP5015699B2 - 穿刺装置 - Google Patents

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Description

本発明は、針体を備え、該針体を瞬間的に突出させて皮膚に対して穿刺を行う穿刺装置に関する。
糖尿病患者には、血糖値の変動を自分自身で測定することによる日常的な自己管理が推奨されている。血糖値の測定は、血液中のブドウ糖量に応じて呈色する試薬が含浸された試験紙を装着し、該試験紙に血液を供給して呈色させ、その呈色の度合いを光学的に測定することにより血糖値を求めて表示をする血液成分測定装置が実用化されている。また、電気化学センサーを用いた血液成分測定装置も実用化されている。
患者が自分の血液を採取する際には、軸方向に進退可能な針を備える穿刺針チップが装着された穿刺装置を用いる。穿刺針チップは穿刺装置に対して着脱自在であって、内部の針に対して弾性体による反発力を与えて瞬間的に突出させて該針が皮膚(例えば、指、てのひら、腕、耳朶等)を穿刺することにより血液を微量出血させる。穿刺後には、所定の戻り機構によって針は後退する。
穿刺装置は一般的に穿刺針チップを装着して用い、該穿刺針チップは使用後には廃棄される。したがって、病院内では、穿刺針チップは患者数や計測頻度に応じて相当に多く準備されているが、穿刺装置は比較的数が少ない。ところが、例えば多数の患者に対して同時に血糖値の計測を行う場合には、穿刺装置の数が足りなく、計測に時間がかかる場合がある。また、計測の都度、穿刺装置に対して穿刺針チップの着脱作業をする必要があり、一層簡便な穿刺装置が望まれている。さらに病院内では、穿刺装置に感染性病原体を含む血液が付着した場合に、他の患者及びスタッフへの感染に特に注意する必要がある。
このような背景から、特許文献1記載では、穿刺針チップと一体となった簡易なディスポーザブルランセットが提案されている。このようなディスポーザブルランセットでは、穿刺針チップの着脱は不要である。
米国特許第5746761号明細書
特許文献1記載のディスポーザブルランセットでは、円錐穴を有するアームが軸と直交方向に押し込まれ、該円錐穴によって針体が軸方向に押し出されて穿刺が行われる。アームはさらに移動をして円錐穴が軸位置を通過し、針体はばねによって引き戻されてアームの円筒穴に収納される。
このようなディスポーザブルランセットでは、アームの動きに連動して針体を押し出した後に引き込む動作は可能ではあるが、針体の動作はアームの動きの方向が直角に変換されるだけで、基本的には人がばねの弾性に抗してアームを押し込む力がそのまま針体に伝達されて穿刺がなされる。したがって、針体の動作が人の指操作に対して直接的であって、針体の穿刺速度が遅くなることによって皮膚が弾性変形し、十分な穿刺がなされない場合があり得る。また、穿刺の速度が遅いことから痛みを感じやすく、針先が皮膚に当接した後にさらにアームを押し込むことに抵抗があり、患者に受け入れにくい。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、確実な穿刺が可能であり、しかも動作が速くて痛みの少ない穿刺装置を提供することを目的とする。
本発明に係る穿刺装置は、針と該針を保持するハブとからなる針体と、前記針体をその軸方向に案内して前記針の先端が瞬間的に突出する先端開口を備えるケースと、初期状態で一部が前記ケースから突出し、前記針体の軸方向に対して非平行に移動可能に設けられたプッシュロッドと、前記ケースに設けられた第1カム面とを有し、前記プッシュロッドは、押し下げられることにより前記針体の端部に摺接して、前記針体を軸方向に押し出す第2カム面と、前記ケースの一部に摺接して弾性変形され、前記ケースの一部を通過した後に前記第1カム面に摺接しながら該第1カム面を押圧し、前記プッシュロッドがさらに移動するように弾性付勢する弾性アームとを有することを特徴とする。
このような穿刺装置によれば、プッシュロッドの押し下げにより弾性アームが一旦圧縮され、その後第1カム面に沿って伸びることから、該弾性アームの弾性力によって針体を自動的に勢いよく押し出すことができる。これにより、確実な穿刺が可能であり、しかも動作が速くて痛みが少なくなる。穿刺装置は簡便構成でありディスポーザブルに適する。
前記プッシュロッドは、前記第2カム面が前記針体の中心軸を通過した後、前記針体の端部が係合する凹部を有し、前記針体と前記ケースとの間には弾性体が設けられ、前記第2カム面が前記中心軸を通過した後、前記弾性体が前記針体を前記凹部の方向に押圧してもよい。このような構成によれば、穿刺をした後の針体は自動的に引き抜かれて痛みが一層少なくなるとともに、針体とプッシュロッドは互いに係合して固定され、再使用されることがない。
前記プッシュロッドは前記ケースの側面に開口する孔に設けられ、前記弾性アームは少なくとも一部が前記孔から突出して、初期状態で、前記ケースの前記孔に当接し、前記プッシュロッドを前記針体の突出方向に弾性付勢してもよい。このような構成によれば、初期状態でプッシュロッドがケース内に落下することを防止できる。
前記第2カム面の一方の端部の段差は、初期状態で前記ケースの内腔面に当接してもよい。このような構成によれば、初期状態でプッシュロッドがケースから抜け出ることを防止できる。
前記弾性アームは、自由端部に、前記プッシュロッドに接近する向きの円弧形状部を有してもよい。このような構成によれば、プッシュロッドを適度に押し込んだ位置から自動動作に移行することができる。略直線の部分だけでなく円弧形状部を有することで弾性アームは適度に長くなり、プッシュロッドを十分に移動させることができる。
本発明に係る穿刺装置によれば、プッシュロッドの押し下げにより弾性アームが一旦圧縮され、その後第1カム面に沿って伸びることから、該弾性アームの弾性力によって針体を自動的に勢いよく押し出すことができる。これにより、確実な穿刺が可能であり、しかも動作が速くて痛みが少なくなる。本発明に係る穿刺装置は簡便構成でありディスポーザブルに適する。
以下、本発明に係る穿刺装置について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図12を参照しながら説明する。以下、図1以降の矢印X1方向を前方(先端方向)とし、X2方向を後方(基端方向)とする。
図1、図2、図3及び図4に示すように、本実施形態に係る穿刺装置10は、ケース12と、該ケース12に設けられた針体14と、保護キャップ15と、プッシュロッド17とを有する。穿刺装置10は、後述する針40及びコイルスプリング(弾性体)46を除き、樹脂(例えばポリプロピレンやポリエチレン等)又は金属で構成可能である。ケース12の先端には、皮膚に当接させるのに適度な面積の先端面12aが形成されている。ケース12の下面には、滑り止め用の複数の突起12bが設けられている。
ケース12は、後方部16及び前方部18の2つの部材が組み合わされて構成されている。前方部18は、前方が先細りの略紡錘状であり、後方は略円柱状であり、内腔22を有する。内腔22には先端部から後方に向かって延在する筒体24が設けられている。後方部16は、前方部18の後方に取り付けられて内腔22を覆う蓋体である。ケース12の上面において、後方部16と前方部18との間には隙間によって形成される四角孔26が設けられている。四角孔26の左右にはガイド溝26aが設けられている。
筒体24には、軸方向に連通するハブ通路28及び針通路30が設けられている。針通路30は先端開口30aを有し、後方がハブ通路28に連通している。針通路30はハブ通路28より狭い。内腔22はハブ通路28に連通する。
図5に示すように、ケース12は、左右2つの対称な部材32、32を短い屈曲部材34で接続した形態に成型し、該屈曲部材34を曲げて部材32、32を当接させて製作してもよい。
図2に示すように、針体14は、針40と該針40を保持するハブ42とからなる。ハブ42は、一部がハブ通路28及び針通路30に挿入される前方の柱体42aと、後端に設けられたタグ42bとを有する。タグ42bは、後端が滑らかな半球形状であって、柱体42aよりやや大径である。タグ42bの一部はハブ通路28に挿入されている。
針40は中空針又は中実針であり、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンのような金属又はポリフェニレンサルファイドのような硬質樹脂で構成されている。
針40は皮膚を穿刺するためのものであり、針体14の前方に設けられている。針40は、外径が0.4mm程度であり、穿刺の衝撃に耐え得る強度と人体組織への侵襲が小さくなるように設計されている。初期状態(図4に示す状態)では、針40の先端は針通路30に挿入されている。
保護キャップ15は、針通路30に挿入されて針40を覆う細い筒である。保護キャップ15は、ケース12から適度に突出している。保護キャップ15の後端はテーパ形状であって、ハブ42の前面に対して、融着又は接着等の手段で固定されており、針40はインサート成形によりその針先部分が保護キャップ15内に密封されている。ハブ42と保護キャップ15は、一体成型であってもよい。保護キャップ15にはγ線、電子線等が照射され、保護キャップ15内の針40が滅菌されている。
針体14におけるタグ42bと筒体24との間にはコイルスプリング46が設けられている。コイルスプリング46の前端は筒体24に固定され、後端はタグ42bに固定されている。固定の手段は、例えば、係合又は接着等である。なお、初期状態でタグ42bがハブ通路28から脱落しないように係止等の脱落防止機構を設ければ、コイルスプリング46の前端及び後端を必ずしも筒体24及びタグ42bに固定する必要はない。
図4から明らかなように、初期状態では針体14の針40は針通路30内に配置されており、タグ42bの後端部は四角孔26の略下方に配置されている。
後方部16における四角孔26の後方の辺を構成する箇所の下方で、内腔22側の面は傾斜する第1カム面50が設けられている。第1カム面50は、四角孔26から後方に向かって次第に針体14の軸Cに近づくように傾斜している。軸Cに対する第1カム面50の傾斜角度θ1は、例えば30°〜45°が好適であり、穿刺装置10ではθ1=40°に設定している。第1カム面50は、ケース12の上面から軸Cまでの略半分程度の位置まで設けられており、下面には軸Cに平行な段差50aが形成されている。
プッシュロッド17は、第2カム面52と、弾性アーム54と、凹部56と、左右一対のガイド突起58とを有する。プッシュロッド17は、四角柱をベースにした形状であり、後方の面に窪み60が設けられ、該窪み60の下端に弾性アーム54が接続されている。プッシュロッド17は、初期状態で第2カム面52以外のほぼ全てがケース12から突出し、ガイド突起58がガイド溝26aに案内されることにより、軸C方向に対して直角に移動可能に設けられている。プッシュロッド17の移動方向をV方向とする。プッシュロッド17の移動方向は、軸C方向に対して直角でなくとも、該軸C方向に非平行で、交差する向きであればよい。
第2カム面52は、プッシュロッド17の下端に設けられた傾斜面であり、該プッシュロッド17が下方に押し下げられることによりタグ42bの後端部に摺接して、針体14を軸方向に押し出す。第2カム面52は、タグ42bの後端部の上方に配置されており、前方に向かって次第に針体14の軸Cから離間するように傾斜している。軸Cに対する第2カム面52の傾斜角度θ2は、例えば40°〜50°が好適であり、穿刺装置10ではθ2=45°に設定している。第2カム面52は、プッシュロッド17の他の部分よりも前方まで突出しており、上面には軸Cに平行な段差52aが形成されている。
弾性アーム54は、プッシュロッド17が押し下げられることにより、第1カム面50の上端部(ケースの一部)50bに摺接して弾性付勢力が蓄積され、アーム端部54aが上端部50bを通過し後に第1カム面50に摺接しながら第1カム面50を押圧し、プッシュロッド17がさらに下方に移動するように弾性付勢する。
弾性アーム54は、プッシュロッド17の窪み60の下端に接続され、略直線状に斜め上方を指向する基端部54bと、該基端部54bに連続して側面視で緩やかな円弧を形成する自由端部54cとからなる。弾性アーム54は薄板状で、適度な弾性を有し、板ばねとしての機能を有する。
自由端部54cは、V方向を基準として基端部54bよりも緩やかな傾斜を有しており、初期状態で略上方を指向している。つまり、自由端部54cの円弧形状の向きは、プッシュロッド17の窪み60に接近する向きである。初期状態で、V方向を基準とする弾性アーム54の後方面における上端部50bに当接する箇所の傾斜角度θ3は、例えば25°〜45°が好適であり、穿刺装置10ではθ3=30°に設定している。
凹部56は、第2カム面52よりもやや上方で、プッシュロッド17の前面に設けられている。凹部56は、タグ42bが係合可能な側面視で円弧断面形状である。凹部56は、プッシュロッド17が押し下げられて第2カム面52が軸Cを通過した後、タグ42bがコイルスプリング46によって後方に向かって弾性的に付勢されることにより係合をする。凹部56は、例えばタグ42bに合わせた半球形状であってもよい。
図4に示すように、初期状態において、弾性アーム54は少なくとも自由端部54cが四角孔26から突出して、基端部54bが四角孔26の後端辺(つまり、上端部50b)に当接し、プッシュロッド17を針先の突出方向に弾性付勢している。これにより、初期状態でプッシュロッド17がケース12内に落下することを防止できる。初期状態(つまり、使用前の保管状態)における弾性アーム54の弾性変形量は微量であり、弾性ひずみは非常に小さく、ある程度長期間保管していても弾性力が劣化することはない。
なお、弾性アーム54がプッシュロッド17を針先の突出方向に押し上げる力は、該弾性アーム54の弾性力とともに、傾斜角度θ3が大きく影響している。
つまり、図6に示すように、弾性アーム54が発生する弾性力Fは、該弾性アーム54の面に垂直に発生することから、プッシュロッド17を上方へ押し上げる力Fvは、弾性力Fの垂直成分のF・sin(θ3)であり、傾斜角度θ3が大きいほど力Fvも大きくなる。弾性力Fの水平成分Fc(=F・cos(θ3)は、プッシュロッド17を前方へ押し出す力であるが、該プッシュロッド17は四角孔26に挿入されていることから、前方に移動することはない。なお、θ3=0であるときには、Fv=0となる。
弾性アーム54の弾性力により、プッシュロッド17は突出方向に付勢されていることから、第2カム面52の上端部の段差52aは、ケース12の内腔22の上面に当接する。これにより、プッシュロッド17がケース12から外に抜け出ることを防止できる。
プッシュロッド17は、初期位置にあるときに四角孔26から適量突出しており、穿刺装置10が使用前であることを容易に認識可能であるとともに、操作性がよい。初期状態におけるプッシュロッド17のケース12からの突出量は、人手により押しやすいように5mm以上30mm以下とするとよい。
次に、このように構成される穿刺装置10の作用について説明する。
先ず、保護キャップ15をねじることにより、ハブ42との接続部をねじ切り、保護キャップ15を取り外す。
次いで、図7に示すように、ケース12を保持して先端面12aを皮膚70に当接させ、プッシュロッド17を内腔22内に向かって押し込む。このとき、例えば、親指と中指でケース12の下面を保持しながら人差し指でプッシュロッド17の端部を押すとよい。ケース12には、親指等を当接させる突起12bが設けられていて滑りにくい。
図7から明らかなように、プッシュロッド17を押し込む方向(図7の右方向)とケース12を押し付ける方向(図7の下方向)は直交しており、プッシュロッド17の操作がケース12の皮膚70への押し付けに影響することがほとんどなく、安定した押し付けが可能である。
当初、プッシュロッド17は指の押し込み量に応じて押し下げられる。弾性アーム54は、四角孔26に引き込まれるに従って基端部54bが上端部50bに摺接しながら弾性的に屈曲し、窪み60の面に接近する。
図8に示すように、プッシュロッド17をさらに押し込むと、弾性アーム54はさらに弾性的に屈曲し、最大変位状態に至る。弾性アーム54は、基端部54bと緩やかな円弧状の自由端部54cとからなることから、この最大変位状態では、全体が四角孔26の後端辺(つまり、上端部50b)よりも前方に位置している。この最大変位状態で、アーム端部54aは窪み60に接することなく、多少の隙間が確保されている。プッシュロッド17の下端の第2カム面52は、最大変位状態となるとき、又はその前後の微小時間においてタグ42bに当接する。つまり、この時点から針体14はタグ42bが第2カム面52に摺接することにより、コイルスプリング46を圧縮しながら前方に向かって押し出されることになる。
プッシュロッド17を押し込むことにより、弾性アーム54の弾性変形量は増大するが傾斜角度θ3は減少するため、プッシュロッド17を上方へ押し上げる力Fv(図6参照)は次第に減少し、最大変位状態ではθ3=0であることから、Fv=0(=F・sin(0))となる。つまり、最大変位状態ではプッシュロッド17を上方へ押し上げる力はなくなり軽い力で押し下げが可能である。
図9に示すように、プッシュロッド17をさらに押し下げると、傾斜角度θ3は、θ3<0となる。これにより、プッシュロッド17を上方へ押し上げる力FvもFv=F・sin(θ3)<0となり、極性が反転してプッシュロッド17を押し下げる力に切り換わる。したがって、これ以後は、人手により押さなくともプッシュロッド17は、自動的に内腔22内に挿入される。しかも、傾斜角度θ3の絶対値は次第に大きくなることから力Fvは加速度的に大きくなり(マイナス値でその絶対値が大きくなり)、プッシュロッド17は勢いよく下方に移動することになる。
つまり、弾性アーム54は、円弧形状の自由端部54cを有することからプッシュロッド17を適度に押し込んだ位置から自動的に押し込み動作に移行することができる。仮に自由端部54cが円弧形状でなく直線形状であってもアーム端部54aが上端部50bを通過すれば自動動作に移行するのであるが、自由端部54cが円弧形状であることから、アーム端部54aが上端部50bを通過する以前に自動動作に移行することができる。
また、仮に弾性アーム54が、基端部54bだけの短い構成(円弧形状の自由端部54cがない状態)であると、長さが短い分だけ早期に自動動作に移行することができるが、弾性圧縮が不十分で強い弾性力が得られず、しかも弾性アーム54が短いと第1カム面50に摺接する際に十分な移動距離が得られない。
これに対して、穿刺装置10では、略直線の基端部54bだけでなく円弧形状の先端部54cを有することから、弾性アーム54が適度に長くなり、プッシュロッド17を十分に移動させることができる。
図10に示すように、弾性アーム54はプッシュロッド17とともに下方に移動し、アーム端部54aが第1カム面50の上端部50bを通過すると、第1カム面50に摺接しながら第1カム面50を押し、弾性変形を戻しつつ弾性反発力により、針体14をさらに勢い付けて、速い速度で前方に押し出すことができる。アーム端部54aが上端部50bを通過する時点では弾性アーム54は十分に弾性変形されており、針体14を相当に強く且つ速く前方に押し出すことができる。
針体14が前進することにより、針40の先端は先端面12aから突出して皮膚に穿刺される。このとき、針体14の速度は、指でプッシュロッド17を押す力及び速度にほとんど関係なく、弾性アーム54の弾性力に基づいて相当に加速されており、針40は皮膚に素早く刺さる。針体14は、第2カム面52の上端にタグ42bが達するまで前進して最大穿刺深さにいたる。
図11に示すように、第2カム面52は軸Cを超えて、タグ42bは該第2カム面52から外れることになり、針体14を前方に押し出す力はなくなる。この後、圧縮されていたコイルスプリング46が伸びて針体14を後方に押し戻し、針40は皮膚から素早く抜け、針40は針通路30内に収納される。このように、穿刺をした後の針体14は自動的且つ迅速に引き抜かれて痛みが一層少なくなる。
プッシュロッド17は下方に移動して、やがて移動終了位置に達し、タグ42bは第2カム面52を抜けて後方に移動して凹部56に係合し、弾性アーム54のアーム端部54aは第1カム面50を抜けて段差50aの下側に入り係合することによって停止する。タグ42bと凹部56との係合、及び、弾性アーム54と段差50aとの係合により、針体14とプッシュロッド17は互いに係合して穿刺装置10内に固定され、穿刺装置10が再使用されることがない。移動終了位置では、弾性アーム54は伸びて、傾斜角度θ3は、初期状態における角度の30°(図4参照)と同様かそれ以上になっている。
プッシュロッド17は内腔22内にほとんど(又は完全に)挿入され、この後プッシュロッド17が不用意に操作されることがない。穿刺操作の終了後のプッシュロッド17の突出量は5mm未満となるようにする。これにより、穿刺装置10が使用前であるか使用済みであるか容易に認識することができる。
なお、図4、図8、図10及び図11で示す一連の穿刺動作は、極めて短時間で行われ、針40の先端が先端開口30aから突出するのは一瞬である。
このようにして穿刺が簡便に行われ、皮膚からは適量の血が出るので、所定の血糖計等により血液成分の計測を行う。使用後の穿刺装置10は廃棄する。廃棄する際には、針40が針通路30内に完全に挿入されているので不用意に触れることがない。
上述したように、本実施形態に係る穿刺装置10においては、プッシュロッド17の押し下げにより弾性アーム54が一旦弾性変形され、その後第1カム面50に沿って変形状態から元に戻ることから、該弾性アーム54の弾性力によって針体14を自動的に勢いよく押し出すことができる。これにより、確実な穿刺が可能であり、しかも動作が速くて痛みが少なくなる。
穿刺装置10は簡便構造であり、低コストで大量生産できることから、単回使用のいわゆるディスポーザブル製品として好適である。穿刺装置10は、基本的には、針体14と保護キャップ15からなる複合体と、プッシュロッド17と、コイルスプリング46と、ケース12の4つの構成部材からなり、部品点数が少なく、簡便であるとともに組立が容易である。
穿刺装置10では、針体14の動作は、人の指操作にほとんど影響されずに弾性アーム54の弾性力に基づいて自動的且つ高速で行われる。したがって、穿刺の速度が速く、痛みを感じにくい。針先が皮膚に当接した後、患者自身が積極的にプッシュロッド17を押し込まなくても針体14は自動的に皮膚を穿刺をすることから患者の精神的抵抗感が少なく、患者に受け入れやすい。
図12に示すように、前方部18における先端面12aをナット体100で構成し、前方部18に対して螺設してもよい。ナット体100によれば、螺入する程度により針40の突出量を調整できる。ナット体100には、螺入の程度を数段階に設定できるインデックス機構が設けられていてもよい。もちろん、針40の突出量を調整する手段はこれ以外の機構でもよい。
本発明に係る穿刺装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施形態に係る穿刺装置の斜視図である。 本実施形態に係る穿刺装置の分解斜視図である。 本実施形態に係る穿刺装置の一部断面斜視図である。 初期状態における穿刺装置の断面側面図である。 展開した状態の変形例に係るケースの斜視図である。 プッシュロッドを押し下げた当初の状態における弾性アームと第1カム面の上端部とを示す力学的な模式図である。 穿刺装置を皮膚に当接した状態の模式図である。 弾性アームの最大変位状態における穿刺装置の断面側面図である。 弾性アームが最大変位を超えた状態における該弾性アームと第1カム面の上端部とを示す力学的な模式図である。 針体の最大変位状態における穿刺装置の断面側面図である。 プッシュロッドが移動終了状態となったときの穿刺装置の断面側面図である。 針の突出量を調整するナット体が設けられた先端部の拡大断面平面図である。
符号の説明
10…穿刺装置 12…ケース
14…針体 15…保護キャップ
17…プッシュロッド 24…筒体
26…四角孔 40…針
42…ハブ 42a…柱体
42b…タグ 46…コイルスプリング
50…第1カム面 50a、52a…段差
50b…上端部 52…第2カム面
54…弾性アーム 54a…アーム端部
54b…基端部 54c…自由端部(先端部)
56…凹部 C…軸

Claims (5)

  1. 針と該針を保持するハブとからなる針体と、
    前記針体をその軸方向に案内して前記針の先端が瞬間的に突出する先端開口を備えるケースと、
    初期状態で一部が前記ケースから突出し、前記針体の軸方向に対して非平行に移動可能に設けられたプッシュロッドと、
    前記ケースに設けられた第1カム面と、
    を有し、
    前記プッシュロッドは、押し下げられることにより前記針体の端部に摺接して、前記針体を軸方向に押し出す第2カム面と、
    前記ケースの一部に摺接して弾性変形され、前記ケースの一部を通過した後に前記第1カム面に摺接しながら該第1カム面を押圧し、前記プッシュロッドがさらに移動するように弾性付勢する弾性アームと、
    を有することを特徴とする穿刺装置。
  2. 請求項1記載の穿刺装置において、
    前記プッシュロッドは、前記第2カム面が前記針体の中心軸を通過した後、前記針体の端部が係合する凹部を有し、
    前記針体と前記ケースとの間には弾性体が設けられ、前記第2カム面が前記中心軸を通過した後、前記弾性体が前記針体を前記凹部の方向に押圧することを特徴とする穿刺装置。
  3. 請求項1又は2記載の穿刺装置において、
    前記プッシュロッドは前記ケースの側面に開口する孔に設けられ、
    初期状態で、前記弾性アームは少なくとも一部が前記孔から突出して、前記ケースの前記孔に当接し、前記プッシュロッドを前記針体の突出方向に弾性付勢することを特徴とする穿刺装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の穿刺装置において、
    前記第2カム面の一方の端部の段差は、初期状態で前記ケースの内腔面に当接することを特徴とする穿刺装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の穿刺装置において、
    前記弾性アームは、自由端部に、前記プッシュロッドに接近する向きの円弧形状部を有することを特徴とする穿刺装置。
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