JP5014906B2 - 高炉用鉄源原料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐還元粉化と高温での被還元性に優れた鉄鉱石及び焼結鉱などの高炉用鉄源原料およびその製造方法に関する。
高炉では焼結鉱や塊状の鉄鉱石(以下、塊鉱石)などが鉄源としての高炉用原料として使用されている(以下、本明細書では高炉用鉄源原料と称する)。これらの高炉用鉄源原料の重要な品質指標として還元粉化性と被還元性がある。還元粉化性は、高炉用鉄源原料が高炉内の塊状帯の550℃付近でヘマタイトがマグネタイトに還元される際に粉化する特性を表すもので、RDIとして指数化されている。還元粉化性の改善は、高炉塊状帯の通気性を改善し、高炉操業の安定化と生産性の増大に寄与する。また、被還元性は、塊鉱石や焼結鉱が高炉内において還元ガスにより還元される特性を示すもので、RI指数としてJISによりその測定方法が規定されている。被還元性の改善は、高炉内における還元ガスの利用効率の改善と炭材原単位及び二酸化炭素排出量の削減に寄与する。
従来から、高炉用鉄源原料の耐還元粉化性や被還元性を改善するための技術が検討されてきたが、これらは、高炉用鉄源原料の粒度や配合などを調整する方法や、焼結装置での焼成方法に関するものが主体であった。
これに対して、高炉用鉄源原料に後処理を施して上記の品質を改善する方法も試みられている。例えば、特許文献1や特許文献2には、塩化物を含む水溶液を焼結鉱に撒布するか或いはこれに浸漬することにより、その周りに塩化物の皮膜を形成し、耐還元粉化特性を改善する方法が提案されている。また、特許文献3には、炭素を含有する流体として、加熱したタール、粉コークススラリー或いは微粉炭スラリーを焼結鉱に撒布するか或いはこれに浸漬することにより、その開気孔に炭素含有物質を充填し、耐還元粉化性と被還元性を同時に改善する方法が提案されている。
特開昭59−104437号公報 特開昭63−145724号公報 特開2000−73127号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2にあるような塩化物を用いる方法では、高炉内に塩素が増え、高炉のレンガの損傷を早めたり、高炉ガス中に混入した塩素が高炉ガス処理装置のガス通路に付着して閉塞を生じさせたり、或いは腐食を加速させるなど、高炉操業、設備にとって好ましくない。
また、特許文献3のように、炭素を含有する流体としてタールを用いる場合は高温のタールで処理するという過酷な作業が必要であり、また、微粉炭や粉コークススラリーを用いる方法では、微粉炭や粉コークスが疎水性であるため分散性のよいスラリーを調整し、かつ、このスラリーを高炉鉄源用原料の表面に十分な量を付着させることが困難であることなどから、耐還元粉化性の向上に十分な効果が得られないなどの欠点があり、さらに有効な方法が望まれている。
本発明は、上記の問題点に鑑み、耐還元粉化性や被還元性に優れた高炉用鉄源原料およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、鉄鉱石および/または焼結鉱などの高炉用鉄源原料の表面を有機高分子化合物の皮膜で被覆を形成し、或いは更に、高炉鉄源原料に存在する開気孔を有機高分子化合物により充填閉塞することにより、還元粉化が起こる低温域での高炉用鉄源原料の表面ならびに開気孔内部での還元ガスとの反応を抑制して還元粉化を防止すると共に、高温域では有機高分子化合物の炭素分により還元反応を促進するものである。その要旨とするところは以下のとおりである。
)鉄鉱石および/または焼結鉱の表面が有機高分子化合物により被覆されていると共に、その少なくとも一部の開気孔の開口部が有機高分子化合物の皮膜により閉塞されあるいは有機高分子化合物により充填閉塞されていることを特徴とする高炉用鉄源原料。
)前記有機高分子化合物に、さらに炭素含有物質粉体が添加されていることを特徴とする(1)に記載の高炉用鉄源原料。
)前記有機高分子化合物が、親水基を持つ有機高分子化合物であることを特徴とする(1)または)のいずれか1項に記載の高炉用鉄源原料。
)鉄鉱石および/または焼結鉱を、有機高分子化合物を含有する液体中に浸漬し、鉄鉱石および/または焼結鉱の表面に有機高分子化合物の皮膜を形成すると共に、その少なくとも一部の開気孔の開口部を有機高分子化合物の皮膜により閉塞し、あるいは、有機高分子化合物により充填閉塞することを特徴とする高炉用鉄源原料の製造方法。
)鉄鉱石および/または焼結鉱に、有機高分子化合物を含有する液体を散布し、鉄鉱石および/または焼結鉱の表面に有機高分子化合物の皮膜を形成すると共に、その少なくとも一部の開気孔の開口部を有機高分子化合物の皮膜で閉塞し、あるいは有機高分子化合物により充填閉塞することを特徴とする高炉用鉄源原料の製造方法。
)前記有機高分子化合物に、さらに炭素含有物質粉体が添加されていることを特徴とする(または)のいずれか1項に記載の高炉用鉄源原料の製造方法。
)前記有機高分子化合物が、親水基を有する有機高分子化合物であることを特徴とする()〜()のいずれか1項に記載の高炉用鉄源原料の製造方法。
本発明の高炉用鉄源原料によれば、付着性、浸透性及び分散性に優れている有機高分子化合物を用いることによって、鉄鉱石および/または焼結鉱などの高炉用鉄源原料の表面が、均一、かつ広い範囲にわたって被覆され、有機高分子化合物の皮膜が形成されているため、また、少なくとも一部の開気孔の開口部が上記皮膜により閉塞され、また、有機高分子化合物が開気孔の深い位置まで浸透して少なくとも一部の開気孔が充填閉塞されているため、還元粉化が起こる低温域での高炉用鉄源原料の表面ならびに開気孔内部での還元ガスとの反応を抑制して還元粉化を防止することが出来る。さらに、高温域では有機高分子化合物の炭素分、或いは更に添加された炭素含有物質粉体の炭素分により、還元反応を促進することができ、高炉用鉄源原料の耐還元粉化性と被還元性を同時に改善することができる。
また、高炉用鉄源原料の表面に皮膜を形成、或いは開気孔を充填閉塞する場合、有機高分子化合物を使用することにより、液体状態が容易に得られ、濃度や粘度の調整範囲が広くなり、皮膜の厚さや、開気孔の充填度合いも容易に調整できる。
また、有機分子有機高分子化合物の液体に、炭素含有物質粉体を添加すれば、耐還元粉化性を更に向上させると共に、被還元性を向上させることが出来る。また、有機高分子化合物に親水基を持ったものを選択れば、濃度や粘度の調整がより容易となり、或いは、分散性の良いコロイド溶液を使用することができ、作業の効率化、製造コストの低減を図ることができる。
以下、本発明を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1(a)、(b)、(c)は、本発明の高炉用鉄源原料(鉄鉱石または焼結鉱)1、すなわち、処理を施した後の高炉用鉄源原料の例を示す断面模式図である。(a)は高炉用鉄源原料(鉄鉱石または焼結鉱)2の表面を被覆する有機高分子化合物の皮膜3が形成され、或いはこの皮膜3により一部の開気孔4の開口部が閉塞されて気孔4’となっている例、(b)は、高炉用鉄源原料2の表面に、有機高分子化合物の皮膜3が形成され、かつ一部の開気孔4内には、有機高分子化合物2が充填5されている例を、また、(c)は、処理前の高炉用鉄原料の例を示したものである。
有機高分子化合物は、高炉内の低温度域間の還元雰囲気において、焼結鉱(高炉用鉄源原料)の表面の皮膜3、(なお、この被膜は、開気孔4の開口部を閉塞する皮膜を含むものとする)、或いは、開気孔内に充填され、充填物5として残留し、かつその後の昇温によって脱水ないし熱分解して炭素として残留するものである。この有機高分子化合物としては、例えば、アクリル酸重合物、ポリビニルアルコール、アミロースなどがある。
後述するように、有機高分子化合物は、液体状態として高炉用鉄源原料の表面に浸漬または撒布などにより供給し、皮膜を形成、或いは開気孔の内部に充填するので、水或いは有機溶媒などの溶媒に可溶であるものが好ましく、特に水溶性、すなわち、親水基を有する有機高分子化合物であることが好ましい。
親水基を有する有機高分子化合物としては、例えば、水酸基を有するビニルアルコールやアミロース、カルボキシル基を持つアクリル酸重合物などが用いられる。
溶媒に可溶な有機高分子化合物とすることによって、高炉用鉄源原料に有機高分子化合物を供給して表面を被覆、或いは更に開気孔内部に充填する場合に、付着性、浸透性を確保する際の濃度や粘度の調整が容易であり、表面の皮膜厚さや、充填閉塞度合(開気孔の深さ方向への充填深さ)を広範囲に調整することができる。
高炉用鉄源原料に浸漬、撒布などの方法により供給する有機高分子化合物は、一種類に限らず、複数の有機高分子化合物を複合しても良く、分散性に表面への付着、開気孔への浸透、充填を調整するための表面活性剤やバインダーなどを混合されたものでも良い。また、耐還元粉化性や被還元性を向上させるために、更に、微粉炭やコークス粉など、炭素含有物質の粉体を混合しても良い。
なお、高炉用鉄源原料の表面に形成する有機高分子化合物の皮膜の厚さや、開気孔内への充填閉塞度合は、この原料を使用する高炉の操業条件、例えば、還元剤比や炉項ガスの水素利用率などを勘案して設定すればよいが、通常、皮膜の厚さは、還元粉化抑制を指向する条件では、0.1〜10μm、被還元性を指向する条件では10〜100μmとし、充填度は、開気孔の深さの50%以上とすることが好ましい。
また、本発明の高炉用鉄源原料においては、原料の全表面が有機高分子化合物により被覆され、開気孔の開口部が閉塞され、或いは更に全開気孔において有機高分子化合物が気孔内が充填されていることが好ましいが、少なくと50%以上の表面、開気孔の開口部が被覆ないし閉塞され、或いは更に開気孔の内部が充填閉塞されていれば、優れた耐還元粉化性と被還元性を得ることができる。
なお、開気孔の閉塞は、気孔率(開気孔率)によって評価することができ、例えばアルキメデス法により測定することができる。この気孔率は、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である。
本発明の高炉用鉄源原料において耐還元粉化性が改善されるのは、以下の理由によると考えられる。
高炉内の550℃前後の低温度域の還元雰囲気では、高炉用鉄源原料中のヘマタイトがクラックの発生を伴ってマグネタイトに還元され、このときクラックが発生することによって還元粉化が進行する。しかしながら、有機高分子化合物により高炉用鉄源原料の表面に皮膜が形成され、開気孔の開口部が閉塞され、或いは更に、開気孔の内部に充填されていた場合、昇温に伴って皮膜や充填物中の水分やその他の溶媒成分が蒸発し、さらに有機高分子化合物が熱分解し、揮発した後に炭素を主体とした残留物が存在する。
この残留物により、高炉用鉄源原料の表面が被覆され、開気孔の開口部が閉塞され、或いは開気孔の内部が閉塞された状態であり続けることができ、還元ガスとの接触が制限され、マグネタイトへの還元、従って、還元粉化を抑制することができる。
また、還元粉化の生じない高温度域の還元雰囲気では、高炉用鉄源原料の表面、開気孔の開口部、あるいは開気孔の内部に残留していた有機高分子化合物の分解後の炭素分のガス化が進行し、表面および開気孔内と還元ガスとの接触が改善され、さらに、この炭素分のガス化に伴い、還元ガスの還元能力も向上することによって被還元性も向上する。
次に、本発明の高炉用鉄源原料の製造方法について説明する。
図2は、本発明の高炉用鉄源原料の製造方法の一実施形態を示す図であり、高炉用鉄源原料を有機高分子化合物の溶液槽に浸漬することにより製造する方法を示している。
図2において、処理前の高炉用鉄源原料2としての焼結鉱は、ショベル、バケットクレーン、或いはコンベアなどの搬送手段(図示せず)により、有機高分子化合物の水溶液6を満たした浸漬槽7の中に投入される。次いで、この焼結鉱2は、バケットコンベアのような原料排出装置8により槽外取り出され、その後、ブロアーなどの乾燥装置9により乾燥され、高炉10に装入される。
図3(a)(b)は、本発明の高炉用鉄源原料の製造方法の他の実施形態を示す図であり、高炉用鉄源原料に有機高分子化合物の溶液を散布することにより製造する方法を示している。
図3の(a)は、高炉用鉄源原料の堆積ヤードにおいて散布する方法、図3の(b)は、高炉用鉄源原料の搬送装置において散布する方法をそれぞれ示す図である。
図3の(a)において、堆積ヤードに堆積された高炉用鉄源原料としての鉄鉱石或いは焼結鉱2の山に、有機高分子化合物の水溶液タンク11から有機高分子化合物の水溶液6を、スプレーなど散水設備12や散水タンク車(図示せず)などの散水手段により散布することによって、高炉用鉄源原料の表面および開気孔の開口部に有機高分子化合物の皮膜を形成し、或いは、更に開気孔の内部に有機高分子化合物を充填するものである。この方法では、堆積ヤードの発塵防止のための散水作業を利用して行うことができ、また、自然乾燥を利用することもできる。
図3の(b)において、高炉用鉄源原料としての鉄鉱石或いは焼結鉱2を、コンベアなどの搬送手段13により、搬送移動する際に、高炉用鉄源原料の上方からスプレーなどの散布手段14により、有機高分子化合物の水溶液タンク11から有機高分子化合物の水溶液6を、散布することによって高炉用鉄源原料の表面および開気孔の開口部に有機高分子化合物の皮膜を形成し、或いは、更に開気孔の内部に有機高分子化合物を充填するものである。この方法では、必要に応じて、ブロアーなどの乾燥装置8により乾燥することが好ましい。
これらの方法により、高炉用鉄源原料の表面および開気孔の開口部に有機高分子化合物の皮膜を形成し、或いは、更に開気孔の内部に有機高分子化合物を充填して、本発明の高炉用鉄源原料を製造することができる。
本発明の高炉原料による効果は、気孔率(開気孔率)の低下により評価できるものである。一方、浸漬の場合も散布の場合も外見上一様にぬれた状態であるが、散布・浸漬処理において、被覆によりどの程度まで気孔が閉塞あるいは充填されたか、つまり、被覆による効果(還元の促進、還元粉化の抑制)をどの程度まで確保したかを評価する際には、下記のような有効被覆率を用いて評価することもできる。
有効被覆率=(1−(散布・浸漬処理後の気孔率−浸漬処理で平衡に達した状態での気孔率)/(散布・浸漬処理前の気孔率−浸漬処理で平衡に達した状態での気孔率)×100(%))
ここで、浸漬処理で平衡に達した状態での気孔率は、真空下での浸漬処理あるいは加圧下での浸漬処理によって気孔率を求めるのが理想的であるものの効率的ではない。一方、通常、1晩(24hr)浸漬処理する場合は、ほぼ平衡に達する(100%)と見なせるので、これを平衡状態での気孔率として、上記有効被覆率を評価することができる。
例えば、後述する実施例1、2から判るように、実施例1は1晩浸漬した後の気孔率であるから、平衡状態の気孔率は13%と見なすことができ、実施例2は、散布処理後の気孔率が18%であり、処理前の気孔率が41%であるから、実施例2の散布による有効被覆率は、(1−(41−18)/(41−13)×100=17.9%となる。
高炉用鉄源原料に要求される特性、使用する有機高分子化合物の特性、及びその供給方法などを勘案して、有機高分子化合物の液体の性状を調整することが好ましい。
例えば、有機高分子化合物の溶液の粘度が高いと、高炉用鉄源原料の開気孔への浸透性は、粘度が低い場合に比べて小さいので、開気孔の内部まで充填する必要がある場合は、粘度を低くするように濃度や溶媒の種類を調整し、逆に、表面の皮膜を厚くする場合は、粘度を高くするように有機高分子化合物の溶液の粘度が高くなるように、濃度や溶媒の種類を調整することが好ましい。また、必要に応じて界面活性剤などを使用することが出来る。
また、溶媒に水を使用すれば、有機溶媒を使用する場合のように、有機溶媒蒸気による作業環境への影響、溶媒コストなどに対する負荷を軽減ないし省略できるので極めて有利である。この場合、有機高分子化合物として、親水基を有する有機高分子化合物を使用することが好ましい。
また、有機高分子化合物に、更に炭素含有物質の粉体を添加混合することも好ましい。炭素含有物質は、有機高分子化合物と共に高炉用鉄源原料の表面に被膜を形成し、或いは開気孔の内部に充填され、次いで高炉に装入され、低温域において有機高分子化合物が脱水、熱分解して炭素分として残留するときに、同様に炭素分として残留し、耐還元粉化性、および被還元性を改善する。
炭素含有物質粉体としては、特に限定するものではないが、コークス粉、石炭粉などが好ましい。またその平均粒度は10〜100μm程度が好ましい。また、その混合比率は、液体の粘度などを考慮して選定すればよいが1%程度が好ましい。
有機高分子化合物に炭素含有物質粉体を添加する場合は、液体の濃度を調整すると共に炭素含有物質粉体の液体中への分散性を良くするために、有機高分子化合物は親水基をもつ有機高分子化合物とし、コロイド溶液として供給することが効率的である。界面活性機能を有する有機高分子化合物としたり、或いは必要によって、界面活性剤を添加することも可能である。
また、有機高分子化合物を高炉用鉄源原料に供給する場合、浸漬による場合と散布による場合とで形成される皮膜の厚さや、開気孔内部への充填の程度が変化する場合がある。すなわち、浸漬による場合は、散布する場合に比べて、開気孔内へ浸透性が容易である。従って、採用する製造方法によっても、有機高分子化合物の種類やその溶液の濃度を調整することが好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
有機高分子化合物としてアクリル酸重合物(PAA)1重量%の含む水溶液を満たした浸漬槽内に、焼結鉱を30分浸漬したのち、引き上げて100℃で一晩乾燥させ、本発明の高炉用鉄源原料を製造した。本発明の高炉用鉄源原料および比較のために処理前の焼結鉱について、その気孔率を調査し、還元粉化指数(RDI)を調査すると共に、900,1000,1100℃における還元率を調査した。その結果を表1に示す。
なお、気孔率は、アルキメデス法により、還元粉化指数(RDI)はJISM8710により、また還元率はJISM8713に準じてそれぞれ測定した。
Figure 0005014906
表1から判るように、本発明の高炉用鉄源原料は、処理を施さない通常の焼結鉱に対して、気孔率が41%から13%に減少している。その結果、還元粉化指数(RDI)は35から15改善された。また、900℃以上での還元率も向上している。
(実施例2)
有機高分子化合物としてアクリル酸重合物(PAA)を1重量%含む水溶液を焼結鉱1kgに対して0.1kgを散水機により散布し、100℃で一晩乾燥させ、本発明の高炉用鉄源原料を製造した。この高炉用鉄源原料について、実施例1と同様に特性を調査した。その結果を表2に示す。
Figure 0005014906
表2から判るように、本発明の高炉用鉄源原料は、処理を施さない通常の焼結鉱に対して、気孔率が41%から18%に減少している。その結果、還元粉化指数(RDI)は35から18改善された。また、900℃以上での還元率も向上している。
(実施例3)
有機高分子化合物としてアクリル酸重合物(PAA)を1重量%含有する水溶液に、平均粒径が50μmの粉炭を水溶液に対して1重量%混合した分散コロイドを満たした浸漬槽内に、焼結鉱を30分浸漬したのち、引き上げて100℃で一晩乾燥させ、本発明の高炉用鉄源原料を製造した。本発明の高炉用鉄源原料および比較のために処理前の焼結鉱について、その気孔率および、還元粉化指数(RDI)を調査すると共に、900,1000,1100℃における還元率を実施例1と同様に調査した。その結果を表3に示す。
Figure 0005014906
表3から判るように、本発明の高炉用鉄源原料は、処理を施さない通常の焼結鉱に対して、気孔率が41%から19%に減少している。その結果、還元粉化指数(RDI)は35から15改善された。また、900℃以上における還元率も向上した。
(実施例4)
有機高分子化合物としてアクリル酸重合物(PAA)を1重量%含有する水溶液に、平均粒径が50μmの粉炭を水溶液に対して1重量%混合した分散コロイド溶液を焼結鉱1kgに対して0.1kgを散水機により散布し、100℃で一晩乾燥させ、本発明の高炉用鉄源原料を製造した。実施例1と同様に特性を調査した。その結果を表4に示す。
Figure 0005014906
表4から判るように、本発明の高炉用鉄源原料は、処理を施さない通常の焼結鉱に対して、気孔率が41%から20%に減少している。その結果、還元粉化指数(RDI)は35から17改善された。また、900℃以上での還元率も向上している。
このように、本発明の高炉用鉄源原料は、通常の高炉用鉄源原料に比べて耐還元粉化性が向上すると共に、被還元率も向上している。
本発明の高炉用鉄源原料(焼結鉱)の構造を示す断面模式図であり、(a)は表面に有機高分子化合物の皮膜が形成され、少なくとも一部の開気孔の開口部が閉塞されている例、(b)は、表面には有機高分子化合物の皮膜が形成され、かつ開気孔内に、有機高分子化合物が充填されている例、(c)は、皮膜形成前の原料の例をそれぞれ示す。 本発明の高炉用鉄源原料の製造方法の一実施形態を示す図である。 本発明の高炉用鉄源原料の製造方法の他の実施形態を示す図であり、(a)は、ヤードで高炉用鉄源原料に有機高分子化合物を散布する例、(b)は、搬送装置上で高炉用鉄源原料に有機高分子化合物を散布する例をそれぞれ示す。
符号の説明
1 高炉用鉄源原料(焼結鉱または鉄鉱石)(処理後)
2 高炉用鉄源原料(焼結鉱または鉄鉱石)(処理前)
3 有機高分子化合物の皮膜
4 開気孔
4′ 閉気孔
5 有機高分子化合物の充填
6 有機高分子化合物溶液
7 浸漬槽
8 排出装置
9 乾燥装置
10 高炉
11 有機高分子化合物溶液のタンク
12 散布装置
13 搬送装置
14 散布装置

Claims (7)

  1. 鉄鉱石および/または焼結鉱の表面が有機高分子化合物により被覆されていると共に、その少なくとも一部の開気孔の開口部が有機高分子化合物の皮膜により閉塞されあるいは、有機高分子化合物により充填閉塞されていることを特徴とする高炉用鉄源原料。
  2. 前記有機高分子化合物に、さらに炭素含有物質粉体が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の高炉用鉄源原料。
  3. 前記有機高分子化合物が、親水基を持つ有機高分子化合物であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の高炉用鉄源原料。
  4. 鉄鉱石および/または焼結鉱を、有機高分子化合物を含有する液体中に浸漬し、鉄鉱石および/または焼結鉱の表面に有機高分子化合物の皮膜を形成すると共に、その少なくとも一部の開気孔の開口部を有機高分子化合物の皮膜により閉塞し、あるいは、有機高分子化合物により充填閉塞することを特徴とする高炉用鉄源原料の製造方法。
  5. 鉄鉱石および/または焼結鉱に、有機高分子化合物を含有する液体を散布し、鉄鉱石および/または焼結鉱の表面に有機高分子化合物の皮膜を形成すると共に、その少なくとも一部の開気孔の開口部を有機高分子化合物の皮膜で閉塞し、あるいは有機高分子化合物により充填閉塞することを特徴とする高炉用鉄源原料の製造方法。
  6. 前記有機高分子化合物に、さらに炭素含有物質粉体が添加されていることを特徴とする請求項4または5のいずれか1項に記載の高炉用鉄源原料の製造方法。
  7. 前記有機高分子化合物が、親水基を有する有機高分子化合物であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の高炉用鉄源原料の製造方法。
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