JP5013727B2 - 複層強化シート - Google Patents

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本発明は、充填材によって強化されたスチレン系樹脂層を有する複層強化シートに関する。
ガラス繊維強化されたシートとしてFRPシートが広く知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、熱硬化タイプのシートは、未反応のスチレンモノマー等が多く残留する為、密閉された室内等で使用すると空気中の揮発性有機化合物(VOC)特にスチレンモノマー濃度が高くなるという問題点があった。
そのFRPに代替可能であるガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、多くの種類が知られているが、ナイロン、PET、PP等の結晶性樹脂を用いたものはシート成形性が低いこと、および2次加工の際の接着性が難しい等の問題点があった。また、非晶性樹脂の中でよく知られているガラス繊維強化ASは、シートにした際に表面が荒れたり、擦るとガラス繊維が欠落したり、シート物性に縦横で大きな差が発生したりするという問題点があった。すなわち、平滑な表面、低VOCでかつ2次加工が容易でかつ、縦横の物性差が少ない強化シートは従来なかった。
特許第3098308号公報
従来のガラス繊維強化スチレン系樹脂は、例え金型の温度を高くしても、ガラス繊維が表面を荒らすことや、その方向性が確認できること等が原因の為、外観部品には用いられていなかった。本発明は、メイン層に特定の形状の充填剤を含む強化スチレン系樹脂、スキン層にスチレン系樹脂またはアクリル系樹脂からなる複層シートにすることで、平滑な表面、低VOCでかつ2次加工が容易な強化シートを提供することに関する。
本発明者らは上記課題を解決するため検討を重ね本発明に到った。
即ち、本発明は下記[1]〜[]の複層強化シートである。
[1]少なくとも表層とメイン層とを含む2層以上の複層強化シートであって、該表層がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂からなり、該メイン層が充填剤としてガラス繊維及びフレーク状粉体を25重量%以上含み、かつ全充填剤の合計含有量が40〜70重量%であるスチレン系樹脂からなり、線膨張係数が5以下で、かつ線膨張係数比が2以下であることを特徴とする複層強化シート。
]表層及びメイン層を構成する樹脂中に白色顔料が0.5部以上添加されていることを特徴とする上記[1]に記載の複層強化シート。
]メイン層を構成するスチレン系樹脂が不飽和ニトリル単量体とスチレン単量体の共重合体であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の複層強化シート。
]表層が厚さ0.05mm〜0.5mmのABS樹脂からなることを特徴とする上記[1]〜[]のいずれかに記載の複層強化シート。
本発明の複層強化シート平滑な表面を有し、低VOCでかつ2次加工が容易であり、縦横の物性差が少ないという優れた特性を有する。
本発明のメイン層、表層に用いるスチレン系樹脂(A)としては、(a1)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、(a2)芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られる重合体、(a3)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、(a4)芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られるグラフト重合体等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ここで、ゴム質重合体としては、具体的にはポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム(AR)、ポリイソプレン(IR)、ポリクロロプレン(CR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム、等のブロック共重合体およびそれらの水素添加物等を使用することができる。
これらの重合体の中で、好ましくは、BR、SBR、NBR、AR等が挙げられる。
不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルである。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等が挙げられる。
スチレン系樹脂(A)としては、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリル酸メチル−アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(MABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA)、アクリロニトリル−スチレン−EPDM共重合体(AES)等が好ましい。
スチレン系樹脂(A)に含まれる不飽和ニトリル単量体単位は2〜40重量%であることが好ましい。
これらの樹脂のうち、アクリロニトリルを10〜40重量%含有しかつブタジエンゴムを10〜50重量%含有するABS、アクリロニトリルを20〜40重量%含有するAS、アクリロニトリルを2〜10重量%含有しかつブタジエンゴムを10〜50重量%含有するMABSがより好ましい。
スチレン系樹脂(A)の製造方法としては、特に限定はされず、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれら重合法の組み合わせた方法等を用いることができる。
スチレン系熱可塑性樹脂の分子量はどんなものでも構わないが、MFR(ISO1133:220℃98N)で、1〜30g/10分のものが好ましく、2〜20g/10分のものがより好ましい。MFRが1g/10分未満であると、スチレン系樹脂組成物の押出加工性が低下し、30g/10分を超えるとスチレン系樹脂組成物の押出時に表層の厚みを均一にしにくい。
本発明におけるアクリル系樹脂(B)としては、メタクリル酸メチル重合体(PMMA)、ゴム強化PMMA、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)、強化MSを挙げることができる。
メタクリル酸メチル単独重合体、15重量%以下のアクリル酸メチル単位またはアクリル酸エチル単位を含有するメタクリル酸メチル共重合体、アクリルゴム強化PMMA、MS、ブタジエンゴム強化MS(MBS)が好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N−フェニルマレイミド等の共重合可能なビニル系単量体を併用することも可能である。
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの具体的な例としては、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル等がある。アクリル系樹脂(B)の製造方法としては、特に限定はされず、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれらの重合法の組み合わせた方法等を用いることができる。
本願明細書においていう「メイン層」とは、複層強化シートを構成する複数の層のうち、表層を除いて最も厚い層を意味する。本発明においてはこのメイン層の厚みが全厚みの50%以上であることが好ましく、70〜90%であることが特に好ましい。
主にメイン層に用いられる充填剤とは、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属珪酸塩、炭素、ケッチェンブラック、カーボン繊維、セルロースを主体とする有機物、金属繊維から選ばれる。
金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、珪藻土等が挙げられる。水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
金属硫酸塩としては、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
金属珪酸塩としては、珪酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト)、タルク、マイカ、雲母、クレー、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサリト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、シリカ系バルン、ガラスフレーク等が挙げられる。
炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末等が挙げられる。
セルロースを主体とした有機物としては、木粉、パルプ、もみがら粉、クルミ粉、ペーパースラッジ等が挙げられる。
本発明に用いられるガラス繊維としては、形状は、ロービング、サーフエーシング・マット、チヨツプドストランドマット、朱子織、格子織、平織、目抜平織、綾織、ネットなど、いずれの形状でも使用可能であり、種類もC−GF(含アルカリガラス繊維)、アルミナ硼珪酸ガラス(Eガラス)などいずれの種類でも使用可能である。また、5〜50μmの直径のガラス繊維が使用でき、特に5〜20μmのガラス繊維が好ましい。また、スチレン系熱可塑性樹脂との接着性を向上するため、ガラス繊維表面を、ビニルシラン、アミノシラン、クロム化合物等の一般に使用される表面処理剤で処理することが好ましい。
本発明におけるメイン層は、フレーク状粉体の充填剤を25%以上含みかつ全充填剤の合計含有量が40〜70重量%であるスチレン系樹脂(A)からなる。フレーク状とは、うろこ(鱗片)の様な薄片のことである。
フレーク状粉体の充填剤は、平均粒子径 0.5μm〜1mmが好ましく、さらに好ましくは1μm〜500μmである。また、カサ比重(JIS−K5101)0.1g/ml〜1g/mlが好ましく、さらに好ましくは0.2g/ml〜0.6g/mlである。
このような、小さくカサ比重の低いフレーク状の充填剤を用いた方が、シートの縦横物性の差が低くなるし、シート表面性も良くなり、曲げ弾性率も高くなる。
この様な、フレーク状粉体としては、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク等が挙げられる。より好ましくはタルクである。
また、メイン層中の全充填剤の含有量は40〜70重量%であり、40〜60重量%が好ましい。40重量%未満では、曲げ弾性率が低下し、70重量%を超えるとシートの衝撃性が低下する。
本発明の複層強化シートは、シート成形性、シート外観、シート強度等の物性バランスが取れるようにスチレン系樹脂(A)とフレーク状粉体である充填剤を所定の範囲で配合して製造される。
また、成形性を付与する為、表層及びメイン層に可塑剤および軟化剤を添加しても良い。種類については硬度を低下させるものであれば特に制限はないが、脂肪酸や脂肪酸金属塩、テルペン系樹脂、石油系樹脂、PEやPPワックス類、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルおよびエステル系オイルが推奨される。
本発明のメイン層を構成するスチレン系樹脂の好ましい組み合わせの例としては、ABS樹脂に、ガラス繊維とタルクを添加したスチレン系樹脂、ABS樹脂にガラス繊維、ガラスフレークを添加したスチレン系樹脂があげられる。
また表層に用いる好ましいスチレン系樹脂としては、ABS樹脂、無機フィラーを添加したABS樹脂があげられる。
本発明のスチレン系樹脂(A)と充填剤等の各成分を溶融混合する方法については特に制限はなく、単軸押出機、ニ軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロール等通常公知の方法を用いることができる。
本発明の表層、メイン層に用いられるスチレン系樹脂、アクリル系樹脂は、共に必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブリード・ブルーム剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、防菌、防カビ剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、粘土調整剤、着色防止剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、フェライトなどの金属粉末、あるいは他のゴム質重合体、例えばSBR、NBR、BR、NR、IR、AR,CR、IIR、また、その他必要に応じて上記成分以外の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール樹脂など、適宜、配合することができる。
本発明の複層強化シートは、必要であればシート押出時にシボロールを用いてシボ加工することができる。両面をシボ加工してもかまわない。特に望ましくは、3本ロールの1本をシボロール用いて片面をシボ加工したシートである。
シボ加工のシボパターンはサンドブラスト、梨地、皮シボ等いずれのパターンでもかまわないが、シボ深さ平均値(Rz:10点平均荒さ)が5〜60μm、好ましくは20〜50μmの梨地か、サンドブラストである。
本発明の複層強化シートには表面に印刷や塗装を施すこと、接着剤を用いて他の素材と接着することが可能である。シートに対して、表面を塗装したり、グラビア印刷等で表面に種々の意匠、図柄を印刷して外観を見栄えの良いものにすることができる。また、他の素材と接着剤を用いて接着することにより製品の一部に本発明の複層強化シートを組み合わせて用いることができる。
本発明の複層強化シートは、溶剤に対して適度の膨潤性を示すため、塗料、印刷用インク、接着剤に含まれる溶剤により膨潤することで塗料、インク、樹脂素材と密着することが可能となる。
ここで、本発明の複層強化シートが膨潤性を示す溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、塩化メチレンあるいはこれらの混合物が挙げられる。
このような溶剤を含む塗料や印刷用インク、接着剤を用いることにより本発明の複層シートは塗料、インク、樹脂素材に対して密着することが可能となる。例えば、グラビア印刷インキは、樹脂成分が、EVA、変性塩ビ等であり、溶剤がMEK、トルエン、シクロヘキサン、酢酸ブチル等の混合物であり、本発明のシートの印刷用に好適に使用することができる。
また、例えば、接着剤としては、アセトン、ノルマルヘキサン、酢酸ブチル等の混合溶剤を用いたウレタン系接着剤、合成ゴム系接着剤により他の素材と良好に接着することができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。下記の実施例において、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
(1)実施例および比較例で用いた原材料
<スチレン系樹脂>
・AS30:旭化成ケミカルズ(株)製 スチレン70%、アクリロニトリル30%
・ABS :旭化成ケミカルズ(株)製 スタイラック A4521
(押出用ABSグレード MFR 3.0g/10分:ISO1133)
<アクリル系樹脂>
・PMMA:旭化成ケミカルズ(株)デルペット 80N
<充填剤>
・GF1(形状:繊維):旭ファイバーグラス(株) グラスロンCSA−17F05
直径13μm、長さ 3mm±1.5
・GF2(形状:フレーク状粉体):日本板硝子株式会社 マイクロガラスフレーク
REF−140(粒径分布:70μm〜300μmが80wt%以上)
・タルク(形状:フレーク状粉体):松村産業株式会社 クラウンタルクPP
(平均粒子径 6.0〜10.0μm、カサ比重0.28〜0.36g/ml)
(2)スチレン系樹脂組成物の製造
原材料を溶融混練機(東芝機械TEM35B)に供給(ガラス繊維はサイドフィード)して溶融混練してスチレン系樹脂組成物を得てこれをペレット化した。
(3)シート作製
上記で得たメイン層用の充填剤を含むスチレン系樹脂を190℃で押出機X(東芝機械 単軸押出機65mm)より0.1mm厚みのシート状に押出し、一方、押出機Y(東芝機械 単軸押出機40mm)より、スチレン系樹脂またはアクリル系樹脂を190℃で約0.1mm厚みのシート状に表層および下層にラミネートするように押出し、複層強化シートZ(図1に模式図で示した。)を得た(総厚み0.9〜1mm)。
表1に、複層強化シートの構成およびその評価結果を示す。
(4)評価方法
(4−1)シート表面状態
目視、手触りを用いて確認した。
○ :平滑で手触りもざらざらしないシート
Z :表面がざらざらする。
L :ライン状の縞模様が見える。
(4−2)残留スチレンモノマー濃度
空気中のスチレンモノマー濃度は、シート中のスチレンモノマー濃度と比例するので、シート中の残留スチレンモノマー量を用いて判断した。
残留スチレンモノマーの測定は、サンプル2gをDMF(ジメチルホルムアミド)20mlに溶解し、島津製作所 GC−14Aガスクロマトグラフィー(INJ温度250℃/キャピラリーカラム)を用いて測定した。定量は、事前に作製した検量線を用いて行った。
残留スチレンモノマー濃度が、0.5%以上存在すると空気中のスチレンモノマー濃度が高くなる。
(4−3)曲げ弾性率
上記の様に作製されたシートから80mm×10mmの短冊状に切り出したシート(シート押出と平行方向)を用いて、ISO178の試験法を用いて曲げ弾性率を測定した。
曲げ弾性率が5000MPa以上であれば合格とする。
(4−4)線膨張係数
上記の様に作製されたシートから、シート押出と平行方向と、垂直方向の2種類のサンプルを用いて線膨張係数を測定した(ASTM D696)。
線膨張係数が5以下ものを合格とする。
線膨張係数が5を超えると熱時の膨張によりそり等が発生する為FRP等を代替することができない。(FRPと同等の線膨張係数が必要)
(4−5)線膨張係数比
上記、シート押出と平行方向と、垂直方向の2種類のサンプルの線膨張係数の比を線膨張係数比とした。
線膨張係数比 = 垂直方向の線膨張係数/平行方向の線膨張係数
この比が大きいという事は、シートの縦横の熱膨張に差が発生する事を示しており、2を越えると、熱時の膨張によりそり等が発生する為FRP等を代替することができない。
(4−6)2次加工性(打ち抜き性)
10cm角の四角が打ち抜けるような打ち抜き刃を作製し、上記シートをうち抜いた時の打ち抜き性を確認した。○以上が合格。
◎ : 10枚中一枚もヒビが入らず打ち抜けた。
○ : 10枚中1〜2枚割れた。
×: 10枚中3枚以上割れた。
[実施例1〜3、参考例1、および比較例1〜4]
表1に記載の配合比で原材料を用い東芝機械TEM35Bを用いて溶融混練(ガラス繊維はサイドフィード)、スチレン系樹脂組成物のペレットを製造した。該ペレットを用い、上記評価方法で評価し、その評価結果を表1に示した。
Figure 0005013727
本発明は、平滑な表面、低VOCでかつ2次加工が容易なガラス繊維強化シートで、現行FRPのシートが用いられている用途を代替することができる。たとえば、お風呂の蓋や、バスエプロン、バスカウンター、壁、間仕切り等が挙げられる。
本発明の複層強化シートの層構成の一例を示す図である。

Claims (4)

  1. 少なくとも表層とメイン層とを含む2層以上の複層強化シートであって、該表層がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂からなり、該メイン層が充填剤としてガラス繊維及びフレーク状粉体を25重量%以上含み、かつ全充填剤の合計含有量が40〜70重量%であるスチレン系樹脂からなり、
    線膨張係数が5以下で、かつ線膨張係数比が2以下であることを特徴とする複層強化シート。
  2. 表層及びメイン層を構成する樹脂中に白色顔料が0.5部以上添加されていることを特徴とする請求項に記載の複層強化シート。
  3. メイン層を構成するスチレン系樹脂が不飽和ニトリル単量体とスチレン単量体の共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の複層強化シート。
  4. 表層が厚さ0.05mm〜0.5mmのABS樹脂からなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の複層強化シート。
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