JP5013357B2 - 磁気共鳴映像法における画像処理プログラム及び画像処理装置 - Google Patents

磁気共鳴映像法における画像処理プログラム及び画像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5013357B2
JP5013357B2 JP2006009611A JP2006009611A JP5013357B2 JP 5013357 B2 JP5013357 B2 JP 5013357B2 JP 2006009611 A JP2006009611 A JP 2006009611A JP 2006009611 A JP2006009611 A JP 2006009611A JP 5013357 B2 JP5013357 B2 JP 5013357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
readout
magnetic field
phase error
gradient magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006009611A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007190120A (ja
Inventor
国相 劉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Information and Communications Technology
Original Assignee
National Institute of Information and Communications Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Information and Communications Technology filed Critical National Institute of Information and Communications Technology
Priority to JP2006009611A priority Critical patent/JP5013357B2/ja
Publication of JP2007190120A publication Critical patent/JP2007190120A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5013357B2 publication Critical patent/JP5013357B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

本発明は、EPI(エコープラナーイメージング)により得た情報から対象物の磁気共鳴画像を得る磁気共鳴映像法及びその方法を用いる画像処理装置に関するものである。
磁気共鳴映像法(Magnetic Resonance Imaging;MRI)は、人体等の精密診察手段として医療分野で広く利用されており、近年では、非侵襲的な脳機能計測法としても利用されるようになってきている。特に、脳機能研究分野では、脳の活動を画像化するために、脳機能映像法(functional MRI;fMRI)が利用されているが、fMRIにおいては高速撮影法の一つであるエコープラナーイメージング(Echo Planar Imaging;EPI)法がほぼ必須のアイテムとなっている。なかでも、1回の励起パルスで画像構成に必要な全てのデータを収集する超高速スキャン法であるシングルショットEPI法では、複数回の励起パルスで画像データ収集を行うマルチショットEPIよりもS/N比(Signal to Noise ratio;信号交雑比)で劣るが、数10ミリ秒単位での撮影が可能であることが利点とされている。
しかしながら、シングルショットEPI法では読み出し傾斜磁場を高速で反転させるために渦電流磁場が発生し、この磁場の影響により取得したデータから画像を再構成した際にその画像に歪みが生じるという問題がある。ところが、渦電流の発生をハードウェア面で抑制するには限界があって現実的ではない。しかも、渦電流による影響は、より精密な画像を得るために傾斜磁場と解像度を上昇させることによって大きくなる。高磁場で高解像度での脳機能研究が行われつつある昨今では、以上のような問題を解決することが求められている。
EPI法のリードアウト傾斜磁場の高速反転によって生じる渦電流磁場による画像の歪みを補正する技術としては、これまで、例えば特許文献1に示されるように、渦電流磁場分布を時間の関数として予備計測し、その予備計測した分布データを用いて本計測信号を補正し、さらにその後、画像の再構成を行う、という方法などが考えられている。
特開2002−224083
ところが、上記特許文献1に開示された方法では、ソフト的なエラーに対応できない、予備計測後の渦電流磁場分布の変化に対応できない、再構成計算が複雑となってリアルタイムで画像を得ることができない、などといった問題があり、そもそも予備計測と本計測という複数回に亘る計測が必要であるために、超高速でのスキャンが可能であるというシングルショットEPIの利点を活かし難い。
そこで本発明は、このような問題を解消し、磁気共鳴映像法、特にシングルショットEPI法に適し、1回のスキャンのみで歪みが補正された画像を得ることができるようにする画像処理プログラム並びに画像処理装置を提供することを課題とする。
すなわち本発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータを作動させて、磁気共鳴画像装置を用いたエコープラナーイメージング法による撮影から得られたK空間データに基づき磁気共鳴画像を構成する画像処理プログラムであって、前記コンピュータに、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換された前記K空間データに基づいて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化のキャンセルと、読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差の算出により、読み出し方向に発生した位相エラーを求める位相エラー算出工程と、前記位相エラー算出工程で得られた位相エラーに基づいて、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間に読み出し傾斜磁場をかけた場合に読み出し方向に発生する位相エラーを修正してその修正結果を位相エンコード方向に1次元逆フーリエ変換することによって歪みが修整された画像を構成する画像修整工程と、を実行させることを特徴とするものである。
このように、EPI撮影から得た計測データであるK空間データを統計的処理することで、読み出し傾斜磁場のリニアエラー、すなわちシングルショットEPI法に特有の渦電流によるエラー及びソフト的エラーを含む画像に歪みを生じさせる全ての読み出し方向の傾斜磁場エラーである位相エラーを求め、この位相エラーを利用して1次元逆フーリエ変換されたK空間データを補正し画像を再構成することによって、1回のEPI撮影によるスキャンのみで、歪みのない画像を高速に得ることが可能となる。
上述の位相エラー算出工程には、次の2通りの具体的な処理工程を含ませることで、より詳細に位相エラーを得ることができる。
まず1通り目は、位相エラー算出工程に、前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各列の複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル工程と、前記位相変化キャンセル工程における演算結果を利用して、読み出し方向に隣接するピクセル同士の位相の差を算出する位相差算出工程と、前記位相差算出工程の演算結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算工程と、を含ませるプログラムである。
次に2通り目は、位相エラー算出工程に、前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差を算出する位相差算出工程と、前記位相差算出工程の演算結果に基づいて、各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差に関する情報を持つ複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル工程と、前記位相変化キャンセル工程における算出結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算工程と、を含ませるプログラムである。
ここで、これら2通りの何れであっても、前記位相エラー演算工程においては、前記位相の変化のキャンセルと共に、読み出し方向にかけられた傾斜磁場のリニアエラーによる位相の変化を中央の読み出しラインの読み出し傾斜磁場をかけた状態に集中させる処理も実行させることができる。
また、上述した本発明のプログラムに従って作動する本発明に係る画像処理装置は、磁気共鳴画像装置を用いたエコープラナーイメージング法による撮影から得られたK空間データに基づき磁気共鳴画像を構成する画像処理装置であって、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換された前記K空間データに基づいて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化のキャンセルと、読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差の算出により、読み出し方向に発生した位相エラーを求める位相エラー算出部と、前記位相エラー算出部で得た位相エラーに基づいて、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間に読み出し傾斜磁場をかけた場合に読み出し方向に発生する位相エラーを修正してその修正結果を位相エンコード方向に1次元逆フーリエ変換することによって歪みが修整された画像を構成する画像修整部と、を備えてなることを特徴とするものである。
この画像処理装置では、上述したプログラムと同様に、位相エラー算出部には、次の2通りの具体的な処理機能を含ませることで、より詳細に位相エラーを得ることができる。
すなわち、1通り目は、位相エラー算出部に、前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各列の複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル部と、前記位相変化キャンセル部による演算結果を利用して、読み出し方向に隣接するピクセル同士の位相の差を算出する位相差算出部と、前記位相差算出部による演算結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算部とを含ませた態様であり、2通り目は、位相エラー算出部に、前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差を算出する位相差算出部と、前記位相差算出部による演算結果に基づいて、各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差に関する情報を持つ複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル部と、前記位相変化キャンセル部による算出結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算部とを含ませた態様である。
そして、これら2通りの態様の何れであっても、前記位相エラー演算部においては、前記位相の変化のキャンセルと共に、読み出し方向にかけられた傾斜磁場のリニアエラーによる位相の変化を中央の読み出しラインの読み出し傾斜磁場をかけた状態に集中させる処理も実行することが可能である。
本発明は、MRI装置を用いたEPI撮影から得たK空間データに基づいて、渦電流によるエラーとソフト的エラーを含む画像に歪みを生じさせる全ての読み出し方向の傾斜磁場エラーである位相エラーを求め、この位相エラーを用いて1次元逆フーリエ変換されたK空間データを補正し画像を再構成するという手法を採用している。その結果、1回のEPI撮影のみで、ハードウェアでは抑制しきれない歪みのない画像を高速に得ることが可能である。さらに従来の手法と比較して、撮影から正確な画像取得までの時間短縮を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すブロック図は、本実施形態で用いられる磁気共鳴画像装置(MRI装置)の一例を示すものである。同図に示すように、MRI装置1は、静磁場発生磁石2、高周波送信用コイル3、高周波受信用コイル4、勾配磁場コイル5,5を基本的構成要素として備えている。一方、コンピュータ6に接続された制御装置7は、高周波発生装置8からの高周波信号を変調器9にて適切な信号に変調するように制御するものである。ここで変調信号は、増幅器10を介して高周波送信用コイル3に付与される。また制御装置7は、勾配磁場発生装置11をも制御し、勾配磁場コイル5,5に適切な傾斜磁場を発生させる。MRI測定時において、測定対象である生体(例えば人体であれば被験者)Xには、各磁気共鳴を生じせしめるために、高周波送信用コイル3から高周波パルスが照射される。その結果、各磁気共鳴によって被験者Xから誘導されるエコー信号は、高周波受信用コイル4、増幅器12を介して位相検波器13にてアナログ信号として検波され、AD変換器14によって、このアナログ検波信号がデジタル信号に変換される。コンピュータ7は、本実施形態に係る画像処理装置としての機能を有するものであり、記憶装置15に格納された本実施形態の画像処理プログラムによる処理手順に従ってAD変換器14で出力されたデジタル信号を処理し、その処理結果を表示装置16に各磁気共鳴画像(MRI画像)として表示する。
本実施形態に係る画像処理装置及び画像処理プログラムは、このようなMRI装置でエコープラナーイメージング(EPI)スキャンを行って得られた周波数情報であるK空間データを用いて渦電流によるエラーに起因する歪みを補正して、歪みのない(若しくは歪みが極めて小さい)MRI画像を生成するものである。
図2は、画像処理装置としてのコンピュータ6における機能ブロック図である。すなわちこのコンピュータ6は、AD変換器14からデジタル信号(周波数情報)の入力を受ける入力部61、この周波数情報であるK空間データに基づき読み出し(リードアウト)方向に発生した位相エラーを求める位相エラー算出部62
、この求められた位相エラーに基づき歪みが修整された画像を生成する画像修整部63、生成された画像データを表示装置16に表示させるよう出力する出力部64を備えている。
より詳細に、位相エラー算出部62は、次の2態様を取ることができる。まず第1の態様として、図3に示すように、位相エラー算出部62が、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各列の複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル部621a、この位相変化キャンセル部621aによる演算結果を利用して、読み出し方向に隣接するピクセル同士の位相の差を算出する位相差算出部622a、位相差算出部622aによる演算結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算部623aを備える態様が挙げられる。次に第2の態様として、図4に示すように、位相エラー算出部62が、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差を算出する位相差算出部621bと、この位相差算出部621bによる演算結果に基づいて、各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差に関する情報を持つ複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル部622bと、この位相変化キャンセル部622bによる算出結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算部623cを備える態様が挙げられる。これら2態様は、位相変化キャンセル部621a,622bと位相差算出部622a,621bの処理順序が異なるものであり、最終的に位相エラー演算部623a,623bにおいて位相エラーを算出する点では共通である。また、画像修整部63は詳細には、図3及び図4に示すように、位相エラー算出部62で得た位相エラーに基づいて、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間に読み出し傾斜磁場をかけた場合に読み出し方向に発生する位相エラーを修正する位相エラー修正部631と、この修正結果を位相エンコード方向に1次元逆フーリエ変換することによって歪みが修整された画像データを生成する画像生成部632を備える。
図5は、EPI法によるMRI画像作成の処理手順を簡単に示す図であり、(a)は従来の手順、(b)は本実施形態における手順である。従来の手順では、まず入力されたK空間データSk,lを読み出し(リードアウト;RO)方向に1次元逆フーリエ変換(IFFT(RO))した値S’x,lを求め、これを位相エンコード(PE)方向に1次元逆フーリエ変換(IFFT(PE))することで、画像データIx,yを得る。この得られた画像は通常、渦電流によるエラーやソフトウェア的なエラーに起因する位相エラーの存在により歪んでいる。したがって、この画像の歪みを修整するためには、例えば先行技術の項で挙げたように、予備計測と本計測の少なくとも2回のスキャンを行って画像の補整を行う必要がある。一方、本実施形態における手順では、入力されたK空間データSk,lを読み出し(リードアウト;RO)方向に1次元逆フーリエ変換(IFFT(RO))した値S’x,lを求める段階までは従来の手順と同じであるが、この値S’x,lに基づいて位相エラーを修正(Correction)する段階を踏み、この修整した値C’x,lを位相エンコード(PE)方向に1次元逆フーリエ変換(IFFT(PE))することで、画像データIx,yを得る。
以下、本実施形態における具体的な画像処理方法について、部分的に上述の位相エラー算出部62の2態様に分けて説明する。なお、前提としてK空間のマトリックスサイズはMxNとする。K空間の中央点は(M/2+1,N/2+1)である。また、以下の具体的処理の前に、入力部61で受けたK空間データSk,lは、1次元逆フーリエ変換されており(S’x,l)、以下この値を用いて処理するものとする。
まず、上記第1の態様では、位相エラー算出部62の位相変化キャンセル部621aにおいて次式の演算を行う。
Figure 0005013357
すなわち上式では、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各列の複合データ(complexデータ)を合計(SUM)する。この処理により、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化がキャンセルされる。さらにこの位相の変化のキャンセルと同時に、読み出し方向にかけられた傾斜磁場のリニアエラーによる位相の変化を集中させる。
このように得られた値ρxを用いて、位相差算出部622aにおいて、次式の演算を行う。なお、式中「conj()」は、()内の共役複素数(complex conjugation)を返す関数である。
Figure 0005013357
すなわち上式では、読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差を算出する。このようにして得られた値ρは、K空間中、中央の読み出し線を得る際に、初めの読み出し線からの読み出し傾斜磁場エラーによる位相エラーの累積である。この処理により、信号の弱い部分(通常は空気の部分)の影響が抑制されて、信号の強い部分(通常は測定対象の部分)の影響が強調される。
ここまでの処理は、上記第2の態様では、位相エラー算出部62の位相差算出部621bにおいて次式の演算を行う。
Figure 0005013357
すなわち上式では、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間の各読み出し線の読み出し方向に隣接する位相の差を算出する。この処理により、信号の弱い部分(通常は空気の部分)の影響が抑制されて、信号の強い部分(通常は測定対象の部分)の影響が強調される。
このように得られた読み出し線の隣接するピクセルの位相の差ρlを用いて、位相変化キャンセル部622bにおいて、次式の演算を行う。
Figure 0005013357
すなわち上式では、読み出し線の隣接するピクセルの位相の差を有する複合データ(complexデータ)を合計(SUM)する。この処理により、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の差がキャンセルされる。さらにこの位相の変化のキャンセルと同時に、読み出し方向にかけられた傾斜磁場のリニアエラーによる位相の変化を集中させる。なお、この処理は、上式に代えて次式による演算によっても実現することができる。
Figure 0005013357
上式中、「abs()」は、()内の実数の絶対値を返す関数である。この場合、数4の式を適用する場合に、磁気横緩和によるMR信号の減少に基づく位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化が完全にキャンセルされないという状態を回避することができる。
以上のように、第1、第2の何れの態様であっても、位相エラーの累積ρが得られる。そこで、位相エラー演算部623a,623bでは、次式の演算処理を行い、位相エラーGを求める。
Figure 0005013357
すなわち上式で得られた位相エラーGは、読み出し傾斜磁場を1回かけた場合に、その読み出し方向に発生した位相エラーである。
このようにして得られた位相エラーGに基づいて、画像修整部63において歪みが修整された画像を生成する。具体的には、まず位相エラー修正部631において、次式による演算処理を行う。
Figure 0005013357
上式中、「exp()」は、自然対数の底eの()乗の値を返す関数である。また、式中「i」は、虚数単位(imaginary unit)と呼ばれ、ここでは複素ベクトルのことを表す(以下、同じ)。この処理により、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間に読み出し傾斜磁場をかけた場合における、その読み出し方向に発生した位相エラーが修整される。
続いて画像生成部632において、次式による演算処理を行う。
Figure 0005013357
すなわち、数7の式の演算結果である修正後の位相エラーC’x,lを位相エンコード方向に1次元逆フーリエ変換することによって、表示装置16に表示させるために出力部64に出力させるべき画像データIx,yを生成する。
上述した本発明の実施形態を利用して、グラジエントエコー(GRE)EPI試験を行った。同試験には、MRI装置として3T(テスラ)全身スキャナー(Simens社製,製品名「Trio」)を利用した。MRI画像に生じる歪みを明確に把握するため、128x128のK空間マトリックスサイズを適用している。スキャン条件は、スライスの厚さ;5mm,視野(FOV);230x230mm,エコータイム(TE);50ms,繰り返し時間(TR);100ms,バンド幅;1862KHzである。
図6は、標準ファントムを測定対象とした場合の試験結果であるMRI画像、図7は被験者の頭部を測定対象とした場合の試験結果であるMRI画像をそれぞれ示している。標準ファントム、被験者の頭部を測定対象とした両試験とも、aは、歪みのない画像を比較対象とするためのグラジエントエコー画像、bは、本試験に用いたMRI装置に標準装備されている位相修正のみを適用したMRI画像(EPI画像)、cは、MRI装置に標準装備されている位相修正に加えて、上述した本発明の実施形態に係る画像修整法を適用したMRI画像(EPI画像)を、それぞれ示している。なお、EPI画像における位相エンコード方向は、b,c共に上下方向である。
各図に示されるように、歪みのない正確な画像が得られるaと比較して、bでは読み出し傾斜磁場エラーが生じているため画像の大きな歪みが認められるが、cではエラー修正が有効に機能した結果、bのような歪みがなく、ほぼ正確な形状の画像が得られることが分かる。
以上のように、本発明の画像処理プログラム、画像処理装置をシングルショットEPI法に適用することで、1回のスキャンのみで歪みのないMRI画像(EPI画像)を得ることが可能である。このことは、短時間で正確なMRI画像を得ることに本発明が極めて有用であることを示すものである。
なお、本発明は上述した実施の形態及び実施例に限定されるものではない。その他、各部、各工程の具体的構成要素についても上記実施の形態及び実施例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に用いられるMRI装置の一例を示すブロック図である。 同実施形態における画像処理装置(コンピュータ)の基本的な機能ブロック図である。 同画像処理装置のより詳細な機能ブロック図の一例を示す図である。 同画像処理装置のより詳細な機能ブロック図の一例を示す図である。 同実施形態における画像処理手順を、従来の画像処理手順と比較する図である。 同実施形態を適用し、対象を標準ファントムとした試験結果の一例を示す図である。 同実施形態を適用し、対象を被験者の頭部とした試験結果の一例を示す図である。
符号の説明
1…MRI装置
6…コンピュータ(画像処理装置)
62…位相エラー算出部
63…画像修整部
621a,622b…位相変化キャンセル部
622a,621b…位相差算出部
623a,623b…位相エラー演算部
631…位相エラー修正部
632…画像生成部

Claims (8)

  1. コンピュータを作動させて、磁気共鳴画像装置を用いたエコープラナーイメージング法による撮影から得られたK空間データに基づき磁気共鳴画像を構成する画像処理プログラムであって、前記コンピュータに、
    読み出し方向に1次元逆フーリエ変換された前記K空間データに基づいて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化のキャンセルと、読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差の算出により、読み出し方向に発生した位相エラーを求める位相エラー算出工程と、
    前記位相エラー算出工程で得られた位相エラーに基づいて、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間に読み出し傾斜磁場をかけた場合に読み出し方向に発生する位相エラーを修正してその修正結果を位相エンコード方向に1次元逆フーリエ変換することによって歪みが修整された画像を構成する画像修整工程と
    を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  2. 前記位相エラー算出工程は更に、
    前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各列の複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル工程と、
    前記位相変化キャンセル工程における演算結果を利用して、読み出し方向に隣接するピクセル同士の位相の差を算出する位相差算出工程と、
    前記位相差算出工程の演算結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算工程と
    を含む請求項1に記載の画像処理プログラム。
  3. 前記位相エラー算出工程は更に、
    前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差を算出する位相差算出工程と、
    前記位相差算出工程の演算結果に基づいて、各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差に関する情報を持つ複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル工程と、
    前記位相変化キャンセル工程における算出結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算工程と
    を含む請求項1に記載の画像処理プログラム。
  4. 前記位相エラー演算工程においては、前記位相の変化のキャンセルと共に、読み出し方向にかけられた傾斜磁場のリニアエラーによる位相の変化を中央の読み出しラインの読み出し傾斜磁場をかけた状態に集中させる処理も実行させる請求項2又は3に記載の画像処理プログラム。
  5. 磁気共鳴画像装置を用いたエコープラナーイメージング法による撮影から得られたK空間データに基づき磁気共鳴画像を構成する画像処理装置であって、
    読み出し方向に1次元逆フーリエ変換された前記K空間データに基づいて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化のキャンセルと、読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差の算出により、読み出し方向に発生した位相エラーを求める位相エラー算出部と、
    前記位相エラー算出部で得た位相エラーに基づいて、読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間に読み出し傾斜磁場をかけた場合に読み出し方向に発生する位相エラーを修正してその修正結果を位相エンコード方向に1次元逆フーリエ変換することによって歪みが修整された画像を構成する画像修整部と
    を備えてなることを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記位相エラー算出部は更に、
    前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各列の複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル部と、
    前記位相変化キャンセル部による演算結果を利用して、読み出し方向に隣接するピクセル同士の位相の差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部による演算結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算部と
    を含む請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記位相エラー算出部は更に、
    前記読み出し方向に1次元逆フーリエ変換されたK空間データの各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部による演算結果に基づいて、各読み出しラインの当該読み出し方向に隣接するピクセルの位相の差に関する情報を持つ複合データを足し合わせて、位相エンコード方向にかけられた傾斜磁場による位相の変化をキャンセルする位相変化キャンセル部と、
    前記位相変化キャンセル部による算出結果に基づいて、読み出し傾斜磁場が1回かけられた場合における当該読み出し方向に発生した位相エラーを演算する位相エラー演算部と
    を含む請求項5に記載の画像処理装置。
  8. 前記位相エラー演算部は、前記位相の変化のキャンセルと共に、読み出し方向にかけられた傾斜磁場のリニアエラーによる位相の変化を中央の読み出しラインの読み出し傾斜磁場をかけた状態に集中させる処理も実行する請求項6又は7に記載の画像処理装置。
JP2006009611A 2006-01-18 2006-01-18 磁気共鳴映像法における画像処理プログラム及び画像処理装置 Expired - Fee Related JP5013357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006009611A JP5013357B2 (ja) 2006-01-18 2006-01-18 磁気共鳴映像法における画像処理プログラム及び画像処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006009611A JP5013357B2 (ja) 2006-01-18 2006-01-18 磁気共鳴映像法における画像処理プログラム及び画像処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007190120A JP2007190120A (ja) 2007-08-02
JP5013357B2 true JP5013357B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=38446269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006009611A Expired - Fee Related JP5013357B2 (ja) 2006-01-18 2006-01-18 磁気共鳴映像法における画像処理プログラム及び画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5013357B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101232368B1 (ko) 2011-05-27 2013-02-13 황어진 필드 비균일성 맵을 사용하는 기하학적 왜곡된 epi의 보정 장치 및 보정 방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10051594A1 (de) * 2000-10-18 2002-05-02 Philips Corp Intellectual Pty Phasenkorrekturverfahren für die MR-Echtzeitbildgebung
JP3977067B2 (ja) * 2001-12-06 2007-09-19 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置
JP2004089275A (ja) * 2002-08-29 2004-03-25 Hitachi Medical Corp 磁気共鳴イメージング装置における位相補正方法
JP4619674B2 (ja) * 2004-03-24 2011-01-26 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007190120A (ja) 2007-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5789196B2 (ja) 高解像度mriを提供する手段および方法
US6707300B2 (en) Gradient non-linearity compensation in moving table MRI
JP5138043B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US7015696B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
JP6018401B2 (ja) 拡散強調エコープラナー撮像法において高次渦電流に誘発された歪みを予測補正するためのシステムおよび方法
JP6333293B2 (ja) 金属耐性mr画像化
JP4619674B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP5599893B2 (ja) ナビゲータを使用するmrイメージング
JP5366484B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置およびこの磁気共鳴イメージング装置における脂肪抑制効果の分析方法
US10495717B2 (en) System and method for dual-kernel image reconstruction
US8094907B1 (en) System, method and computer program product for fast conjugate phase reconstruction based on polynomial approximation
JP2012040362A (ja) 磁気共鳴イメージング方法、磁気共鳴イメージング装置およびその制御装置
JP4122452B2 (ja) 磁気共鳴撮像装置
JP6552804B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2006255046A (ja) 磁気共鳴映像法および画像処理装置
JP2000157507A (ja) 核磁気共鳴撮影装置
US9470772B2 (en) Magnetic resonance image distortion correction with a reference volume
JP4336243B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4330247B2 (ja) 核磁気共鳴イメージング装置
JP5013357B2 (ja) 磁気共鳴映像法における画像処理プログラム及び画像処理装置
JP5675044B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4912802B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置,送信感度分布計測装置および送信感度分布計測方法
JP5378149B2 (ja) Mri装置及び撮影領域設定用制御プログラム
JP7128972B2 (ja) 歪み補正を伴うepi mr画像
JP6718764B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及びその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120523

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120529

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees