JP5012734B2 - 自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 - Google Patents

自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法に関する。
一般に、車両には、原動機としてのエンジンの回転が伝達される自動変速機が搭載されている。このような自動変速機には、回転伝達機構としてのトルクコンバータと変速機構とが設けられており、該変速機構には、エンジンからトルクコンバータを介して伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチが設けられている。この入力クラッチは、自動変速機のレンジが前進走行レンジ(以下、「Dレンジ」という。)である場合には係合状態とされる一方、ニュートラルレンジ(以下、「Nレンジ」という。)である場合には解放状態とされるようになっている。
そのため、車両の停止時に自動変速機のレンジがDレンジである場合には、自動変速機のレンジがNレンジである場合に比して入力クラッチが係合状態であるためにトルクコンバータで生じる負荷が大きくなり、結果として、車両の燃費の悪化を招いていた。そこで、近時では、車両の燃費の向上を図ることができる装置として、例えば特許文献1に記載されるような自動変速機の制御装置が提案されている。
こうした制御装置は、車両が停止状態であると判断した場合に、入力クラッチを介したトルクコンバータ側から変速機構側への回転伝達効率を低減させるニュートラル制御を実行するようになっている。このニュートラル制御は、入力クラッチに対する油圧を減圧させて入力クラッチの入力側部材に対する出力側部材の係合力を極力小さくする制御である。なお、入力クラッチの入力側部材に対する出力側部材の係合力がほぼ「0(零)」となる状態のことを、「入力クラッチがストロークエンド状態」であるという。
すなわち、上記制御装置は、入力クラッチに対する油圧を、該入力クラッチを介した上記回転伝達効率が所定効率まで低減するように減圧させるリリース制御を実行した後、インニュートラル制御を実行する。このインニュートラル制御中において、上記制御装置は、入力クラッチに対する油圧を微少変動させる回転伝達効率確認制御を実行すると共に、この際の変速機構の入力軸の回転数(即ち、入力クラッチの入力側部材の回転数)の変動量を検出する。そして、入力軸の回転数の変動量が予め設定された回転数閾値以下である場合に、上記制御装置は、入力クラッチがストロークエンド状態に近い状態であると判定し、入力クラッチに対する油圧を一定圧に保持するようになっている。そのため、車両停止時では、ニュートラル制御の実行により入力クラッチを介した回転伝達効率が低効率で維持されるため、トルクコンバータで生じる負荷が低減される結果、車両の燃費が向上していた。
特開2001−165289号公報
ところで、インニュートラル制御の開始時において実行される上記回転伝達効率確認制御は、入力クラッチの入力側部材に対する出力側部材の係合力が小さいほど該入力クラッチを介した回転伝達効率が低減し、上記油圧の微少変動に基づく入力軸の回転数の変動量が少なくなるという作用を利用している。そのため、もし仮に入力クラッチがストロークエンド状態である場合に上記回転伝達効率確認制御が実行されたとしても、入力クラッチに対する油圧レベルが低いことから、該回転伝達効率確認制御に基づく入力軸の回転数の変動量が検出できない可能性がある。すなわち、回転伝達効率確認制御は、該回転伝達効率確認制御の実行によって上記入力軸の回転数の変動量を検出可能な油圧レベルでしか実行できない。したがって、従来のニュートラル制御では、入力クラッチをストロークエンド状態に極限まで近づけることができず、車両の燃費向上の点で改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両停止時のニュートラル制御中において、車両の燃費向上に貢献できる自動変速装置の制御装置及び自動変速機の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、自動変速機の制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、車両に搭載される原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機を制御する自動変速機の制御装置であって、車両が停止状態である場合に、前記入力クラッチを介した前記回転伝達機構側から前記変速機構側への回転伝達効率が低減するように前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリース制御と、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低効率で維持されるように前記入力クラッチに対する流体圧を調整させるインニュートラル制御とを含むニュートラル制御を実行する制御手段を備える自動変速機の制御装置において、前記制御手段は、前記インニュートラル制御時において、前記入力クラッチに対する流体圧を変動させる回転伝達効率確認制御を実行し、該回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低効率として予め設定された所定状態であると判定した場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から設定圧減圧させ、その後、一定圧に保持させることを要旨とする。
上記構成によれば、入力クラッチを介した回転伝達効率が回転伝達効率確認制御によって低効率として予め設定された所定状態であると判定された場合、入力クラッチに対する流体圧は、回転伝達効率確認制御の終了時における入力クラッチに対する流体圧から設定圧減圧され、その後、一定圧に保持される。そのため、ニュートラル制御時における回転伝達機構の負荷は、入力クラッチに対する流体圧が回転伝達効率確認制御の終了時における入力クラッチに対する流体圧に保持される従来の場合に比して少なくなる。その結果、原動機は、車両停止時において、該原動機に加わる負荷が少ない状態で回転駆動することになる。したがって、車両停止時のニュートラル制御中において、車両の燃費向上に貢献できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記入力クラッチの入力側回転数を検出する回転数検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記回転伝達効率確認制御時において、前記入力クラッチに対する流体圧を予め設定された所定圧力範囲内で変動させ、該回転伝達効率確認制御の実行時において前記回転数検出手段によって検出された前記入力クラッチの入力側回転数の変動量が予め設定された回転数閾値以下である場合に、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が前記所定状態であると判定することを要旨とする。
上記構成によれば、回転伝達効率確認制御では、入力クラッチに対する流体圧を所定圧力範囲内で変動させ、該流体圧の変動に基づく入力クラッチの入力側回転数の変動量が検出される。そして、この検出結果が回転数閾値以下である場合に、入力クラッチを介した回転伝達効率が所定状態であると判定される。すなわち、本発明の回転伝達効率確認制御は、入力クラッチの入力側部材に対する出力側部材の係合力が小さいほど該入力クラッチを介した回転伝達効率が低減し、上記流体圧の変動に応じた入力クラッチの入力側回転数の変動量が少なくなるという作用を利用している。そのため、インニュートラル制御中における入力クラッチの入力側部材と出力側部材との位置関係が、好適に調整される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、前記入力クラッチに対して流体圧を発生させるための流体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段によって検出された前記流体の温度が低いほど前記設定圧を小さな値に設定する温度設定圧設定手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記インニュートラル制御時において、前記回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が前記所定状態であると判定した場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から前記温度設定圧設定手段によって設定された設定圧減圧させた後、一定圧に保持させることを要旨とする。
一般に、流体の粘性は、該流体の温度が低いほど高くなる。すなわち、流体の温度が低いほど、制御手段などからの制御指令に応じた入力クラッチに対する流体圧の変動速度が遅くなる。そこで、本発明では、設定圧は、流体の温度が低いほど小さな値に設定される。そのため、回転伝達効率確認制御終了後には、流体の温度に関係なく、入力クラッチに対する実際の流体圧(以下、「実流体圧」という。)を速やかに一定圧で保持させることができる。また、ニュートラル制御を終了させる際には、流体の温度に関係なく、入力クラッチに対する実流体圧を該入力クラッチが係合状態になるような圧力まで速やかに増圧させることができる。そのため、車両の速やかな発進に貢献できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の自動変速機の制御装置において、前記入力クラッチに対する流体圧を検出する流体圧検出手段と、前記リリース制御の実行前に前記流体圧検出手段によって検出された流体圧が低圧であるほど前記設定圧を小さい値に設定する流体圧設定圧設定手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記インニュートラル制御時において、前記回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が前記所定状態であると判定した場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から前記流体圧設定圧設定手段によって設定された設定圧減圧させた後、一定圧に保持させることを要旨とする。
一般に、ニュートラル制御が実行される前の入力クラッチに対する流体圧が低圧であるほど、入力クラッチに対する実流体圧と、制御手段などによって設定された制御指令値との差分が大きくなる傾向が見られる。具体的には、実流体圧は、制御指令値に基づく流体圧よりも低圧になる傾向が見られる。そこで、本発明では、設定圧は、ニュートラル制御が実行される前の入力クラッチに対する流体圧が低圧であるほど小さな値に設定される。そのため、ニュートラル制御が実行される前の入力クラッチに対する実流体圧の大きさによって、入力クラッチに対する流体圧が一定圧に保持される際における該入力クラッチに対する実流体圧の大きさが変わってしまうことが抑制される。したがって、本発明のニュートラル制御の実行に基づく燃費改善効果が、ニュートラル制御が実行される前の入力クラッチに対する流体圧の大きさによって変わってしまうことが抑制される。また、ニュートラル制御を終了させる際には、ニュートラル制御が実行される前の入力クラッチに対する流体圧の大きさに関係なく、入力クラッチに対する実流体圧を、該入力クラッチが係合状態になるような圧力まで速やかに増圧させることができる。すなわち、車両の速やかな発進に貢献できる。
一方、自動変速機の制御方法にかかる請求項5に記載の発明は、車両に搭載される原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御方法であって、車両の停止時において、前記入力クラッチを介した前記回転伝達機構側から前記変速機構側への回転伝達効率を車両走行時に比して低減させるニュートラル制御の開始条件が成立した場合に、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低減されるように前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリースステップと、該リリースステップの実行後、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率を低効率で維持させるインニュートラルステップと、を有する自動変速機の制御方法において、前記インニュートラルステップでは、前記入力クラッチに対する流体圧を変動させる回転伝達効率確認制御を実行し、該回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低効率として予め設定された所定状態であると判定された場合、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から設定圧減圧させ、その後、一定圧に保持するようにしたことを要旨とする。
上記構成によれば、請求項1に記載の発明と同等の作用効果を得ることができる。
本発明を車両に搭載される自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法に具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の自動変速機11は、前進5段後進1段の自動変速機である。この自動変速機11は、動力伝達方向における上流側となる原動機としてのエンジン10側から下流側となる駆動輪側に向けて順に配置された、回転伝達機構としてのトルクコンバータ12、3速主変速機構13、3速副変速機構14及びディファレンシャル機構15を備えている。そして、これら各機構12〜15は、トランスミッションケース16内にそれぞれ収納されている。このトランスミッションケース16内には、エンジン10側から延設されたクランクシャフト10aと整列して配置された、第1軸(以下、「入力軸」と示す。)17、該入力軸17と平行な第2軸(以下、「カウンタ軸」と示す。)18及び第3軸19(左右の前輪の車軸であって、「左右前車軸19l、19r」と示す。)が回転自在に支持されている。
トルクコンバータ12内には、クランクシャフト10aに連結されたポンプインペラ21、ステータ22及びタービン23が設けられている。そして、エンジン10(クランクシャフト10a)の回転に基づきポンプインペラ21が回転した場合に、該回転がトルクコンバータ12内の流体としての作動油を介してタービン23に伝達されることにより、エンジン10の回転が3速主変速機構13に伝達される。また、トルクコンバータ12内には、ロックアップクラッチ24が設けられている。このロックアップクラッチ24が係合した場合には、該ロックアップクラッチ24を介してポンプインペラ21とタービン23とが機械的に接続される。そのため、エンジン10の回転は、作動油を介することなく3速主変速機構13に直接伝達される。
3速主変速機構13は、シンプルプラネタリギヤ30及びダブルピニオンプラネタリギヤ31を有するプラネタリギヤユニット32を備えている。シンプルプラネタリギヤ30は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びこれら各ギヤS1,R1に噛合するピニオンP1を支持する共通キャリヤCRを備えた構成とされている。一方、ダブルピニオンプラネタリギヤ31は、サンギヤS2、リングギヤR2、及びシンプルプラネタリギヤ30の構成要素でもある共通キャリヤCRを備えた構成とされている。この共通キャリヤCRは、サンギヤS2に噛合するピニオンP1aとリングギヤR2に噛合するピニオンP2とを、該各ピニオンP1a,P2が相互に噛合した状態で支持している。
そして、エンジン10の回転がトルクコンバータ12を介して伝達される入力軸17は、プラネタリギヤユニット32に対し、入力クラッチとしての第1クラッチC1を介してシンプルプラネタリギヤ30のリングギヤR1に連結し得ると共に、第2クラッチC2を介してサンギヤS1に連結し得る。また、ダブルピニオンプラネタリギヤ31のサンギヤS2は、第1ブレーキB1にて直接係止し得ると共に、第1ワンウェイクラッチF1を介して第2ブレーキB2にて係止し得る。また、ダブルピニオンプラネタリギヤ31のリングギヤR2は、第3ブレーキB3及び第2ワンウェイクラッチF2にて係止し得る。そして、共通キャリヤCRは、3速主変速機構13の出力部材であるカウンタドライブギヤ33に連結されている。
3速副変速機構14は、第1シンプルプラネタリギヤ36、第2シンプルプラネタリギヤ37及び出力ギヤ35を備え、これら各ギヤ35,36,37は、カウンタ軸18の軸線方向における一方側(図1では右側)から他方側(図1では左側)に向けて順に配置されている。第1シンプルプラネタリギヤ36は、リングギヤR3、サンギヤS3及びピニオンP3を備えた構成とされ、リングギヤR3には、3速主変速機構13のカウンタドライブギヤ33に噛合するカウンタドリブンギヤ38が連結されている。また、サンギヤS3は、カウンタ軸18に回転自在に支持されると共に、ピニオンP3は、カウンタ軸18に一体に連結されたフランジからなるキャリヤCR3に支持されている。このキャリヤCR3は、UDダイレクトクラッチC3のインナハブに連結されている。
第2シンプルプラネタリギヤ37は、サンギヤS4、リングギヤR4及びピニオンP4を備えた構成とされている。サンギヤS4は、第1シンプルプラネタリギヤ36のサンギヤS4に連結されると共に、リングギヤR4は、カウンタ軸18に連結されている。そして、第1シンプルプラネタリギヤ36のキャリヤCR3と各サンギヤS3,S4との間には、UDダイレクトクラッチC3が配置され、各サンギヤS3,S4は、バンドブレーキからなる第4ブレーキB4にてそれぞれ係止し得る。さらに、ピニオンP4は、キャリヤCR4に支持され、該キャリヤCR4は、第5ブレーキB5にて係止し得る。
なお、上述した各ブレーキB1〜B5及び第2ワンウェイクラッチF2は、トランスミッションケース16の内側面にそれぞれ取着されている。
ディファレンシャル機構15は、3速副変速機構14の出力ギヤ35に噛合するリングギヤ39を備えている。そして、出力ギヤ35側からリングギヤ39を介して伝達された回転は、左右に分岐されて左右前車軸19l,19rにそれぞれ伝達される。
以上のように構成された自動変速機11では、図2に示すように、後述する油圧制御回路40(図3参照)による油圧の制御により、各クラッチC1〜C3,F1,F2及び各ブレーキB1〜B5が選択的に係脱及び作動する。すなわち、各レンジでは、図2に示す作動表において「○」が付されたクラッチ及びブレーキが係合状態になり、エンジンブレーキ時には、図2の作動表において「△」が付されたブレーキが係合状態になる。例えば、前進走行レンジ(以下、「Dレンジ」という。)において変速段が第1速(1ST)である場合、第1クラッチC1、第5ブレーキB5及び第2ワンウェイクラッチF2がそれぞれ係合状態になる。また、第1速でのエンジンブレーキ時には、第3ブレーキB3が係合状態になる。なお、他の変速段や後進走行レンジ(以下、「REVレンジ」という。)の場合については、その記載を省略するものとする。
次に、自動変速機11の油圧制御回路40について図1及び図3に基づき説明する。なお、図3では、第1クラッチC1の係脱に関係する部分のみ図示している。
図3に示すように、調圧機構としての油圧制御回路40は、自動変速機11の下方に配置される図示しないバルブボディ内に形成されている。そして、油圧制御回路40は、ポンプインペラ21の回転によって駆動するオイルポンプ41の駆動に基づき、図示しないオイルタンクから作動油が供給されるように構成されている。また、油圧制御回路40には、オイルポンプ41に接続された、マニュアルバルブ42、プライマリレギュレータバルブ43及びモジュレータバルブ44が設けられている。このモジュレータバルブ44には、リニアソレノイド弁45,46が接続されており、リニアソレノイド弁45にはコントロールバルブ47が接続されている。このコントロールバルブ47には、第1クラッチC1の係脱を制御するための油圧サーボC−1が接続されている。
そして、オイルポンプ41の駆動に基づき発生した作動油圧は、プライマリレギュレータバルブ43によってライン圧に調圧された後に、マニュアルバルブ42及びモジュレータバルブ44にそれぞれ供給される。すると、モジュレータバルブ44ではライン圧が減圧され、該減圧されたライン圧が、各リニアソレノイド弁45,46の入力ポート45a,46aに供給される。このようにライン圧が供給された各リニアソレノイド弁45,46では、それぞれの通電態様に対応した制御油圧が生成される。そして、リニアソレノイド弁45で生成された制御油圧は、出力ポート45bを介してコントロールバルブ47に出力されると共に、リニアソレノイド弁46で生成された制御油圧は、出力ポート46bを介してプライマリレギュレータバルブ43に出力される。
また、コントロールバルブ47には、その入力ポート47aを介してマニュアルバルブ42からライン圧が供給され、該ライン圧は、ポート47bに入力されるリニアソレノイド弁45からの制御油圧に基づき往復動するスプール47cにより調圧され、ポート47dから油圧サーボC−1に供給される。すなわち、リニアソレノイド弁45の通電に対応して油圧サーボC−1に供給される作動油圧が調圧されることにより、第1クラッチC1の係脱に関する制御が行われる。
本実施形態の油圧制御回路40は、上記オイルタンク側からの作動油の流入部の大きさが油圧サーボC−1への流出部の大きさよりも小さくなるように構成されている。そのため、油圧制御回路40内に十分な作動油が貯留される場合、油圧サーボC−1内の実際の作動油圧(以下、「実作動油圧」という。)は、油圧制御回路40の駆動に基づく制御指令値(「第1作動油圧」ともいう。)に追随して速やかに調圧される。一方、油圧制御回路40内に十分な作動油が貯留されていない場合、油圧制御回路40が油圧サーボC−1内に適量以下の作動油しか供給できない可能性があり、油圧サーボC−1内の実際の作動油圧(以下、「実作動油圧」という。)は、油圧制御回路40の駆動に基づく制御指令値よりも低圧になる可能性がある。すなわち、油圧制御回路40内に貯留される作動油が少ないほど、制御指令値と実作動油圧との油圧差が大きくなる傾向が見られる。
次に、自動変速機11の駆動を制御する制御装置としての電子制御装置(以下、「ECU」という。)について図4に基づき以下説明する。
図4に示すように、ECU50は、入力側インターフェース(図示略)と、出力側インターフェース(図示略)と、CPU51、ROM52、RAM53及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory )54などを備えたデジタルコンピュータと、各機構を駆動させるための駆動回路とを主体として構成されている。ECU50の入力側インターフェースには、エンジン10(クランクシャフト10a)の回転数(以下、「エンジン回転数」という。)を検出するためのエンジン回転数センサSE1、入力軸17の回転数(以下、「入力軸回転数」という。)を検出するための入力軸回転数センサSE2、及び油圧サーボC−1に供給される作動油の油温(温度)を検出するための油温センサSE3が電気的に接続されている。また、入力側インターフェースには、図示しないブレーキペダルが踏込み操作された場合に「オン」信号を出力するブレーキスイッチSW1、車両の車体速度(以下、「車速」と略記する。)を検出するための車速センサSE4、自動変速機11のシフトレンジを検出するためのシフトポジションセンサSE5、及び図示しないアクセルペダルのスロットル開度を検出するためのスロットル開度センサSE6が電気的に接続されている。
一方、ECU50の出力側インターフェースには、各リニアソレノイド弁45,46(即ち、油圧制御回路40)が電気的に接続されている。そして、ECU50は、各種センサSE1〜SE6及びブレーキスイッチSW1からの各種検出信号に基づき、油圧制御回路40の駆動を制御する。
デジタルコンピュータにおいて、ROM52には、油圧制御回路40を介して自動変速機11を制御するための各種の制御プログラム(後述するニュートラル制御処理等)、各種マップ(図5に示すマップ等)及び各種閾値(後述する変動量閾値等)などが記憶されている。また、RAM53には、車両の図示しないイグニッションスイッチの「オン」中に適宜書き換えられる各種の情報(後述する第1作動油圧、油温、設定圧、変動量、減圧量等)などがそれぞれ記憶される。また、EEPROM54には、上記イグニッションスイッチが「オフ」になっても消去されるべきではない各種の情報などが記憶される。
次に、ROM52に記憶されるマップについて図5に基づき説明する。
図5に示すマップは、後述する設定圧Poff(図6参照)を設定するためのマップである。図5に示すように、設定圧Poffは、後述するリリース制御が開始される直前で油圧サーボC−1に供給される第1作動油圧(第1クラッチC1に対する流体圧)Pc1が高圧であるほど大きな値に設定されると共に、油圧サーボC−1に供給される作動油の油温Tfが高温であるほど大きな値に設定される。すなわち、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1未満であると共に、第1作動油圧Pc1が第1油圧閾値KPc11である場合、第1設定圧Poff11に設定される。また、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1以上であって且つ該第1油温閾値KT1よりも高温の第2油温閾値KT2以下であると共に、第1作動油圧Pc1が第1油圧閾値KPc11である場合、第1設定圧Poff11よりも高圧の第2設定圧Poff12に設定される。さらに、設定圧Poffは、油温Tfが第2油温閾値KT2よりも高温であると共に、第1作動油圧Pc1が第1油圧閾値KPc11である場合、第2設定圧Poff12よりも高圧の第3設定圧Poff13に設定される。
また、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1未満であると共に、第1作動油圧Pc1が第1油圧閾値KPc11よりも高圧の第2油圧閾値KPc12である場合、第1設定圧Poff11と同等の第4設定圧Poff21に設定される。また、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1以上であって且つ第2油温閾値KT2以下であると共に、第1作動油圧Pc1が第2油圧閾値KPc12である場合、第2設定圧Poff12と同等の第5設定圧Poff22に設定される。さらに、設定圧Poffは、油温Tfが第2油温閾値KT2よりも高温であると共に、第1作動油圧Pc1が第2油圧閾値KPc12である場合、第3設定圧Poff13と同等の第6設定圧Poff23に設定される。
また、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1未満であると共に、第1作動油圧Pc1が第2油圧閾値KPc12よりも高圧の第3油圧閾値KPc13である場合、第4設定圧Poff21よりも高圧の第7設定圧Poff31に設定される。また、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1以上であって且つ第2油温閾値KT2以下であると共に、第1作動油圧Pc1が第3油圧閾値KPc13である場合、第5設定圧Poff22よりも高圧の第8設定圧Poff32に設定される。さらに、設定圧Poffは、油温Tfが第2油温閾値KT2よりも高温であると共に、第1作動油圧Pc1が第3油圧閾値KPc13である場合、第6設定圧Poff23よりも高温の第9設定圧Poff33に設定される。
また、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1未満であると共に、第1作動油圧Pc1が第3油圧閾値KPc13よりも高圧の第4油圧閾値KPc14である場合、第7設定圧Poff31よりも高圧の第10設定圧Poff41に設定される。また、設定圧Poffは、油温Tfが第1油温閾値KT1以上であって且つ第2油温閾値KT2以下であると共に、第1作動油圧Pc1が第4油圧閾値KPc14である場合、第8設定圧Poff32よりも高圧の第11設定圧Poff42に設定される。さらに、設定圧Poffは、油温Tfが第2油温閾値KT2よりも高温であると共に、第1作動油圧Pc1が第4油圧閾値KPc14である場合、第9設定圧Poff33よりも高温の第12設定圧Poff43に設定される。
次に、本実施形態のECU50が実行する各種制御処理のうちニュートラル制御処理ルーチンについて、図6に示すフローチャートと図8及び図9に示すタイミングチャートとに基づき説明する。なお、ニュートラル制御とは、第1クラッチC1を介したトルクコンバータ12側から3速主変速機構13側への回転伝達効率を車両走行時に比して低減させ、車両の燃費向上を図る制御である。また、図8に示すタイミングチャートは、自動変速機11のレンジをDレンジにして走行する際において信号待ちなどで車両が停止した場合にニュートラル制御(以下、「走行中N制御」という。)が実行されたときのタイミングチャートである。一方、図9に示すタイミングチャートは、車両の図示しないイグニッションスイッチが「オン」になってから一度も走行することなくニュートラル制御(以下、「ダイレクトN制御」という。)が実行されたときのタイミングチャートである。
さて、ECU50は、車両の図示しないイグニッションスイッチが「オン」である間、予め設定された所定周期毎にニュートラル制御処理ルーチンを実行する。このニュートラル制御処理ルーチンにおいて、ECU50は、ニュートラル制御の開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS10)。具体的には、ECU50は、車速センサSE4からの検出信号に基づき車速を検出すると共に、スロットル開度センサSE6からの検出信号に基づき上記アクセルペダルのスロットル開度を検出する。そして、ECU50は、シフトポジションセンサSE5からの検出信号に基づき自動変速機11のレンジがDレンジであること、ブレーキスイッチSW1が「オン」であること、車両の車速がほぼ「0(零)km/h」であること、及び上記アクセルペダルのスロットル開度が「0(零)」であることが全て成立するか否かを判定する。そして、ステップS10の判定結果が否定判定である場合、ECU50は、上述した4つの条件のうち少なくとも1つの条件が非成立であるため、ニュートラル制御処理ルーチンを一旦終了する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定判定である場合、ECU50は、ニュートラル制御の開始条件が成立したと判断し、油圧制御回路40の駆動に基づき油圧サーボC−1に供給される作動油圧を第1作動油圧(入力クラッチに対する流体圧)Pc1として検出する(ステップS11)。この第1作動油圧Pc1は、油圧制御回路40によって調圧される制御指令値である。こうした制御指令値は、油圧サーボC−1内の実作動油圧を検出するためのセンサを設けなくても、油圧制御回路40の駆動に応じたパターメータなどを演算式に代入することにより算出可能である。したがって、本実施形態では、ECU50が、流体圧検出手段としても機能する。
続いて、ECU50は、油温センサSE3からの検出信号に基づき油圧サーボC−1に供給される作動油の油温Tfを検出する(ステップS12)。したがって、本実施形態では、ECU50が、温度検出手段としても機能する。そして、ECU50は、図5に示すマップにステップS12,S13で検出した第1作動油圧Pc1と油温Tfとを代入して設定圧Poffを設定する(ステップS13)。例えば、油温Tfが第1油温閾値KT1よりも高温であって且つ第2油温閾値KT2よりも低温の所定温度であって、且つ第1作動油圧Pc1が第3油圧閾値KPc13である場合、設定圧Poffは、図5に示すマップを参照して第8設定圧Poff32に設定される。また、油温Tfが上記所定温度であって、且つ第1作動油圧Pc1が第2油圧閾値KPc12よりも高圧であって且つ第3油圧閾値KPc13よりも低圧の所定油圧である場合、設定圧Poffは、第5設定圧Poff22よりも大きく且つ第8設定圧Poff32未満の油圧に設定される。すなわち、本実施形態では、設定圧Poffは、油圧閾値KPc11〜KPc14の間で線形補完される。したがって、本実施形態では、ECU50が、温度設定圧設定手段及び流体圧設定圧設定手段としても機能する。
ここで、図8及び図9の各タイミングチャートに示すように、後述するリリース制御が実行される直前の第1タイミングt11,t21では、第1作動油圧Pc1が検出されると共に、油圧サーボC−1に供給される作動油の油温Tfが検出される。さらに、本実施形態では、第1タイミングt11,t21で設定圧Poffが設定される。なお、ダイレクトN制御の開始直前の第1作動油圧Pc1は、エンジン10のエンジン回転数Neが高くなる前であるため、走行中N制御の開始直前の第1作動油圧Pc1に比して低圧となる。
図6のフローチャートに戻り、ECU50は、リリース制御を実行する(ステップS14)。具体的には、ECU50は、油圧制御回路40(各リニアソレノイド弁45,46)の駆動を制御することにより、油圧サーボC−1に供給される第1作動油圧Pc1を減圧させる。したがって、本実施形態では、ECU50が、制御手段として機能する。また、ステップS14が、リリースステップに相当する。なお、図6に示すフローチャートには記載がないが、リリース制御の実行中であっても、後述するニュートラル制御の終了条件が成立した場合、ECU50は、リリース制御を強制的に中断し、その処理を後述するステップS17に移行する。
ここで、走行中N制御では、図8のタイミングチャートに示すように、リリース制御が第1タイミングt11の直後から実行されると、第1作動油圧Pc1の減圧に追随して油圧サーボC−1内の実作動油圧RPc1が減圧される。そして、実作動油圧RPc1の減圧によって第1クラッチC1の係合力が徐々に弱くなる(即ち、回転伝達効率が低下する)ことにより、入力軸17に加わる負荷が徐々に低減される。そして、リリース制御の開始後の第2タイミングt12が経過した時点からは、入力軸回転数センサSE2からの検出信号に基づきECU50が検出する入力軸17の入力軸回転数Nc1が徐々に上昇する。なお、ニュートラル制御中は、図示しないアクセルペダルが踏込み操作されないため、エンジン回転数センサSE1からの検出信号に基づきECU50によって検出されるエンジン10の回転数(以下、「エンジン回転数」という。)Neは、一定回転数になる。
また、走行中N制御の開始時において油圧サーボC−1に供給される第1作動油圧Pc1が低圧であるほど、第1タイミングt11での実作動油圧RPc1は低い。この場合、油圧サーボC−1内に供給する作動油の単位時間あたりの供給量が少なくてよいため、油圧制御回路40内に貯留される作動油量が少ない可能性がある。こうした状態でリリース制御が実行されて第1作動油圧Pc1が減圧される場合、実作動油圧RPc1の単位時間あたりの減圧量は、第1タイミングt11で検出した第1作動油圧Pc1が高圧である場合に比して多い。したがって、リリース制御の終了直後では、第1タイミングt11で検出した第1作動油圧Pc1が低圧であるほど、実作動油圧RPc1が低圧になる可能性がある。
一方、ダイレクトN制御では、図9のタイミングチャートに示すように、ニュートラル制御開始前の第1作動油圧Pc1は、自動変速機11のレンジがパーキングレンジ又はニュートラルレンジからDレンジに切り替えられた直後であるため、走行中N制御の場合に比して低圧になる(第1タイミングt21)。また、第1タイミングt21では、第1作動油圧Pc1と実作動油圧RPc1との油圧差が非常に大きい。この状態でリリース制御が開始されて第1作動油圧Pc1が減圧されると、実作動油圧RPc1は、第1作動油圧Pc1に少しずつ接近する。しかし、ダイレクトN制御では、実作動油圧RPc1が第1作動油圧Pc1まで調圧される前にリリース制御が終了される。すなわち、リリース制御が終了した時点では、実作動油圧RPc1が第1作動油圧Pc1よりも低圧である。なお、この際の実作動油圧RPc1は第1クラッチC1が解放状態とするような圧力であるため、リリース制御中では、入力軸17の入力軸回転数Nc1がほとんど変化しない。
図6のフローチャートに戻り、ECU50は、リリース制御が終了すると、第1クラッチC1を介した回転伝達効率を低効率で維持させるためのインニュートラル制御(図7で詳述する。)を実行する(ステップS15)。したがって、本実施形態では、ステップS15が、インニュートラルステップに相当する。続いて、ECU50は、ニュートラル制御の終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS16)。すなわち、ステップS16では、シフトポジションセンサSE5からの検出信号に基づき自動変速機11のレンジがDレンジであること、ブレーキスイッチSW1が「オン」であること、車速がほぼ「0(零)km/h」であること、及び上記アクセルペダルのスロットル開度が「0(零)」であることのうち少なくとも1つが非成立になったか否かが判定される。
ステップS16の判定結果が否定判定である場合、ECU50は、ステップS16の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS16の判定処理を繰り返し実行する(即ち、インニュートラル制御に基づき第1作動油圧Pc1が一定圧に保持される)。一方、ステップS16の判定結果が肯定判定である場合、ECU50は、車両の運転手が該車両を発進させる可能性があると判断し、第1クラッチC1を介した回転伝達効率を高くするためのアプライ制御が実行される(ステップS17)。その後、アプライ制御が終了すると、ECU50は、ニュートラル制御処理ルーチンを一旦終了する。
すなわち、図8及び図9のタイミングチャートに示すように、第7タイミングt17,t27では、第1作動油圧Pc1が一気に増圧され、その後、徐々に増圧される。その結果、実作動油圧RPc1が増圧され、第1クラッチC1の係合力が大きくなる。そして、第1クラッチC1が係合状態になった時点(第8タイミングt18,t28)で第1作動油圧Pc1が保持される。
次に、上述したインニュートラル制御(ステップS15)を実行するためのインニュートラル制御処理ルーチンについて図7に示すフローチャート、及び図8及び図9に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、インニュートラル制御処理ルーチンが実行されると、ECU50は、第1クラッチC1を介した回転伝達効率が低効率として予め設定された所定状態であるか否かを確認するための回転伝達効率確認制御処理を、所定時間の間、実行する(ステップS20)。この回転伝達効率確認制御処理は、第1クラッチC1の入力側部材に対する出力側部材の係合力が小さいほど第1クラッチC1を介した回転伝達効率が低減し、第1作動油圧Pc1の微少変動に応じた入力軸回転数Nc1の変動量Nchが少なくなるという作用を利用している。そのため、変動量Nchが小さいほど、第1クラッチC1を介した回転伝達効率が低いといえる。
すなわち、図8のタイミングチャートに示すように、走行中N制御では、第1作動油圧Pc1が変動油圧D1だけ増圧され、その後、第1作動油圧Pc1が変動油圧D1だけ減圧される(第3タイミングt13)。すると、このような第1作動油圧Pc1の微少変動に少し遅れて実作動油圧RPc1が微少変動し、入力軸回転数センサSE2からの検出信号に基づきECU50によって検出される入力軸回転数Nc1は、少しだけ低下した後に、元通りの回転数まで上昇するように変動する(第4タイミングt14)。そして、上記のような第1作動油圧Pc1を予め設定された所定圧力範囲(変動油圧D1の範囲)内で微少変動させることが間欠的に複数回(本実施形態では3回)実行されると、回転伝達効率確認制御処理が終了する(第5タイミングt15)。
一方、ダイレクトN制御では、図9のタイミングチャートに示すように、第1作動油圧Pc1を所定圧力範囲内で微少変動(第3タイミングt23)させても、実作動油圧RPc1がほとんど変動しない。そのため、回転伝達効率確認制御処理が実行されても、入力軸回転数Nc1はほとんど変動しない。すなわち、ダイレクトN制御の場合、入力軸回転数Nc1の変動量Nchは「0(零)」に近い値になる。そして、第1作動油圧Pc1を予め設定された所定圧力範囲内で微少変動させることが間欠的に複数回実行されると、回転伝達効率確認制御処理が終了する(第5タイミングt25)。
なお、入力軸17には、第1クラッチC1を構成する入力側部材と出力側部材のうち入力側部材が連結されている。そのため、入力軸17の入力軸回転数Nc1は、第1クラッチC1の入力側回転数と等しくなる。すなわち、本実施形態では、入力軸回転数Nc1が第1クラッチC1の入力側回転数として検出される。したがって、本実施形態では、入力軸回転数センサSE2からの検出信号に基づき入力軸回転数Nc1を検出するECU50が、回転数検出手段としても機能する。
図7のフローチャートに戻り、ECU50は、上記回転伝達効率確認制御処理時に検出された所定回数分の変動量Nch(即ち、所定回数の第1作動油圧Pc1の微少変動に基づき検出した全ての変動量Nch)が全て変動量閾値(回転数閾値)KNch以下であるか否かを判定する(ステップS21)。この変動量閾値KNchは、第1クラッチC1の入力側部材に対する出力側部材の係合力がほぼ「0(零)」となる、いわゆるストロークエンド状態に近い状態であるストロークニアエンド状態を検出するための値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、第1クラッチC1がストロークニアエンド状態であることを、「第1クラッチC1を介した回転伝達効率が所定状態である」ともいう。
ステップS21の判定結果が否定判定(所定回数分のNchのうち少なくとも1つ>KNch)である場合、ECU50は、第1クラッチC1が未だストロークニアエンド状態ではない可能性があると判断し、変動油圧D1と同程度の値に設定された所定減圧量D2だけ第1作動油圧Pc1を減圧させるべく油圧制御回路40を駆動させる(ステップS22)。その後、ECU50は、その処理を前述したステップS20に移行する。
一方、ステップS21の判定結果が肯定判定(所定回数分のNch>KNch)である場合、ECU50は、第1クラッチC1がストロークニアエンド状態であると判断し、上記ステップS13にて設定した設定圧Poffと変動油圧D1とを加算して該加算結果を減圧量Pdecに設定する(ステップS23)。すなわち、回転伝達効率確認制御処理の終了直後は、第1作動油圧Pc1が変動油圧D1だけ増圧された状態である。そのため、ステップS23では、減圧量Pdecが変動油圧D1を加味した値に設定される。そして、ECU50は、第1作動油圧Pc1を減圧量Pdec減圧させる(ステップS24)。その後、ECU50は、第1作動油圧Pc1を保持させた状態でインニュートラル制御処理ルーチンを終了する。なお、図7に示すフローチャートには記載がないが、回転伝達効率確認制御処理中であってもニュートラル制御の終了条件が成立した場合、ECU50は、回転伝達効率確認制御処理を終了し、その処理を上述したステップS17に移行する。
すなわち、図8及び図9のタイミングチャートに示すように、第5タイミングt15,t25では、第1作動油圧Pc1が回転伝達効率確認制御処理の終了直後から減圧量Pdecだけ減圧される。その結果、第1クラッチC1は、回転伝達効率確認制御処理の終了直後のストロークニアエンド状態から、よりストロークエンド状態に近づく。すると、走行中N制御では、図8のタイミングチャートに示すように、エンジン回転数センサSE1からの検出信号に基づきECU50によって検出されるエンジン回転数Neと入力軸回転数Nc1との差回転Nがより小さくなる(第6タイミングt16)。すなわち、第1クラッチC1を介した入力軸17の回転負荷は、より少なくなる。
また、第1タイミングt11での第1作動油圧Pc1が低圧であることに起因して第5タイミングt15での実作動油圧RPc1が低圧である場合であっても、設定圧Poffが低圧で設定されるため、第5タイミングt15以降で実作動油圧RPc1が低くなり過ぎることが回避される。すなわち、回転伝達効率確認制御処理により入力軸回転数Nc1が変化するような場合(即ち、第1クラッチC1がいわゆる半係合状態である場合)、第1クラッチC1は、第1タイミングt11での第1作動油圧Pc1の大きさに関係なく、よりストロークエンドに近い状態に設定される。
一方、ダイレクトN制御では、図9のタイミングチャートに示すように、リリース制御開始直前(第1タイミングt21)の第1作動油圧Pc1及び実作動油圧RPc1が低圧過ぎるため、第1作動油圧Pc1が回転伝達効率確認制御処理の終了直後から減圧量Pdecだけ減圧されても差回転Nがほとんど変動しない(第6タイミングt26)。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)回転伝達効率確認制御(ステップS20)によって第1クラッチC1がストロークニアエンド状態であると判定された場合、油圧サーボC−1に供給される第1作動油圧Pc1は、回転伝達効率確認制御終了直後の第1作動油圧Pc1から減圧量Pdecだけ減圧され、その後、一定圧に保持される。そのため、走行中N制御が実行されると、ニュートラル制御時における入力軸17の負荷は、第1作動油圧Pc1が回転伝達効率確認制御終了時の第1作動油圧Pc1で保持される従来の場合に比して少なくなる。したがって、走行中N制御の実行によって、クランクシャフト10aがより負荷の少ない状態で回転することから、車両の燃費を向上させることができる。
(2)回転伝達効率確認制御では、第1作動油圧Pc1を所定圧力範囲(変動油圧D1)内で微少変動させた際における入力軸17の入力軸回転数Nc1の変動量Nch(=第1クラッチC1の入力側部材の入力側回転数の変動量)が検出される。そして、検出した変動量Nchが変動量閾値KNch以下である場合には、第1クラッチC1がストロークニアエンド状態であると判定される。すなわち、本実施形態の回転伝達効率確認制御は、第1クラッチC1の入力側部材に対する出力側部材の係合力が小さいほど該第1クラッチC1を介した回転伝達効率が低減し、第1作動油圧Pc1の微少変動に応じた入力軸回転数Nc1の変動量Nchが少なくなるという作用を利用している。そのため、インニュートラル制御中における第1クラッチC1の入力側部材と出力側部材との位置関係を好適に調整できる。
(3)一般に、作動油の粘性は、該作動油の油温Tfが低いほど高くなる。すなわち、油温Tfが低いほど油圧サーボC−1内の実作動油圧RPc1の第1作動油圧Pc1に対する追随性が悪くなることから、ECU50などからの制御指令に応じた実作動油圧RPc1の変動速度が遅くなる。そこで、本実施形態では、設定圧Poffは、油温Tfが低いほど小さな値に設定される。そのため、回転伝達効率確認制御終了直後では、油温Tfに関係なく、実作動油圧RPc1が一定圧に保持させる状態を速やかに作り出すことができる。また、ニュートラル制御を終了させる際には、油温Tfに関係なく、実作動油圧RPc1を、第1クラッチC1が係合状態になるような油圧まで速やかに増圧させることができる。そのため、車両の速やかな発進に貢献できる。
(4)一般に、走行中N制御が実行される直前の第1作動油圧Pc1が低圧であるほど、実作動油圧RPc1と第1作動油圧Pc1との油圧差が大きくなる。そのため、リリース制御後では、ニュートラル制御が実行される直前の第1作動油圧Pc1が低圧であるほど、実作動油圧RPc1と第1作動油圧Pc1との差分が大きくなる傾向が見られる。そこで、本実施形態では、設定圧Poffは、走行中N制御が実行される直前の第1作動油圧Pc1が低圧であるほど小さな値に設定される。そのため、走行中N制御が実行される直前の実作動油圧RPc1の大きさによって、インニュートラル制御にて第1作動油圧Pc1が一定圧に保持される際の実作動油圧RPc1の大きさが変化することが抑制される。したがって、走行中N制御が実行される直前の第1作動油圧Pc1の大きさによって、該走行中N制御による燃費改善効率が変わってしまうことを抑制できる。また、走行中N制御を終了させる際には、走行中N制御が実行される直前の第1作動油圧Pc1の大きさに関係なく、実作動油圧RPc1を第1クラッチC1が係合状態になるような油圧まで速やかに増圧させることができる。すなわち、車両の速やかな発進に貢献できる。
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、ニュートラル制御の開始条件が成立した際の第1作動油圧Pc1の大きさなどからダイレクトN制御を実行する場合には、設定圧Poffを設定しなくてもよい。
・実施形態において、設定圧Poffを、ニュートラル制御開始直前の第1作動油圧Pc1が第1油圧閾値KPc11未満である場合には第1の油圧に設定し、第1作動油圧Pc1が第1油圧閾値KPc11以上且つ第3油圧閾値KPc13未満である場合には第1の油圧よりも高圧の第2の油圧に設定し、第1作動油圧Pc1が第3油圧閾値KPc13以上である場合には第2の油圧よりも高圧の第3の油圧に設定するようにしてもよい。
・実施形態において、設定圧Poffを、作動油の油温Tfに関係なく設定してもよい。このように構成しても、設定圧Poffは、ニュートラル制御開始直前の第1作動油圧Pc1が低圧であるほど小さな油圧に設定される。そのため、アプライ制御時には、実作動油圧RPc1を、ニュートラル制御開始直前の第1作動油圧Pc1の大きさに関係なく、第1クラッチC1が係合状態となるような圧力まで速やかに増圧させることができる。
・実施形態において、設定圧Poffを、ニュートラル制御開始直前の第1作動油圧Pc1に関係なく設定してもよい。このように構成しても、設定圧Poffは、作動油の油温Tfに応じた油圧に設定されるため、回転伝達効率確認制御の終了後に第1作動油圧Pc1を設定圧Poffだけ減圧させた際に実作動油圧RPc1が一定圧に保持される状態を速やかに作り出すことができる。
・実施形態において、設定圧Poffは、予め設定された所定圧であってもよい。このように構成しても、上記(1)(2)と同等の作用効果を得ることができる。
・実施形態において、回転伝達効率確認制御では、第1作動油圧Pc1を、任意の回数だけ微少変動させるようにしてもよい。ただし、第1作動油圧Pc1の微少変動が1回だけの場合には誤判定される可能性があるため、第1作動油圧Pc1を複数回微少変動させることが望ましい。
・実施形態において、回転伝達効率確認制御の終了後に第1作動油圧Pc1を設定圧Poff(より詳しくは、減圧量Pdec)だけ減圧させることにより、第1クラッチC1を完全に解放状態にさせるようにしてもよい。この場合、設定圧Poffは、上記実施形態の場合に比して高圧に設定されることになる。このような制御構成にすることにより、ニュートラル制御の実行に基づく車両の燃費改善効果をより向上させることができる。しかも、回転伝達効率確認制御の実行によって第1クラッチC1の入力側部材に対する出力側部材の位置関係が明確になっているため、適当に第1作動油圧Pc1を減圧させる場合に比して、アプライ制御の実行による第1クラッチC1が係合状態になるまでの時間に誤差が生じることを抑制できる。
・実施形態において、第1クラッチC1の係脱を、作動油以外の他の流体(例えば、気体)の圧力を調圧制御することにより実行してもよい。
・実施形態では、自動変速機11を、他の自動変速機(例えば、前進4段後進1段の自動変速機)に具体化してもよい。また、自動変速機11を、変速機構にベルトが設けられてなる無段式変速機に具体化してもよい。
・実施形態において、自動変速機11は、電気自動車やハイブリッド車両に搭載してもよい。この場合、電気自動車やハイブリッド車両の駆動源となるモータが、原動機として機能することになる。
本実施形態の自動変速機を示すスケルトン図。 各変速段における各クラッチ及び各ブレーキの作動表。 第1クラッチの係脱制御に関係する部分の油圧制御回路を示す模式図。 電気的構成を示すブロック図。 設定圧を設定するためのマップ。 ニュートラル制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 インニュートラル制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 走行中N制御において第1作動油圧、実作動油圧及び入力軸回転数が変動するタイミングを示すタイミングチャート。 ダイレクトN制御において第1作動油圧、実作動油圧及び入力軸回転数が変動するタイミングを示すタイミングチャート。
符号の説明
10…原動機としてのエンジン、11…自動変速機、12…回転伝達機構としてのトルクコンバータ、13,14…変速機構、50…制御装置、制御手段、回転数検出手段、温度検出手段、温度設定圧設定手段、流体圧検出手段、流体圧設定圧設定手段としてのECU、C1…入力クラッチとしての第1クラッチ、KNch…回転数閾値としての変動量閾値、Nc1…入力側回転数としての入力軸回転数、Nch…変動量、Pc1…流体圧としての第1作動油圧、Poff…設定圧、Tf…流体の温度としての油温。

Claims (5)

  1. 車両に搭載される原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機を制御する自動変速機の制御装置であって、
    車両が停止状態である場合に、前記入力クラッチを介した前記回転伝達機構側から前記変速機構側への回転伝達効率が低減するように前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリース制御と、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低効率で維持されるように前記入力クラッチに対する流体圧を調整させるインニュートラル制御とを含むニュートラル制御を実行する制御手段を備える自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、前記インニュートラル制御時において、前記入力クラッチに対する流体圧を変動させる回転伝達効率確認制御を実行し、該回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低効率として予め設定された所定状態であると判定した場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から設定圧減圧させ、その後、一定圧に保持させる自動変速機の制御装置。
  2. 前記入力クラッチの入力側回転数を検出する回転数検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記回転伝達効率確認制御時において、前記入力クラッチに対する流体圧を予め設定された所定圧力範囲内で変動させ、該回転伝達効率確認制御の実行時において前記回転数検出手段によって検出された前記入力クラッチの入力側回転数の変動量が予め設定された回転数閾値以下である場合に、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が前記所定状態であると判定する請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記入力クラッチに対して流体圧を発生させるための流体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段によって検出された前記流体の温度が低いほど前記設定圧を小さな値に設定する温度設定圧設定手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記インニュートラル制御時において、前記回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が前記所定状態であると判定した場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から前記温度設定圧設定手段によって設定された設定圧減圧させた後、一定圧に保持させる請求項1又は請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記入力クラッチに対する流体圧を検出する流体圧検出手段と、
    前記リリース制御の実行前に前記流体圧検出手段によって検出された流体圧が低圧であるほど前記設定圧を小さい値に設定する流体圧設定圧設定手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記インニュートラル制御時において、前記回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が前記所定状態であると判定した場合に、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から前記流体圧設定圧設定手段によって設定された設定圧減圧させた後、一定圧に保持させる請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 車両に搭載される原動機の回転を変速機構に伝達するための回転伝達機構と、該回転伝達機構から伝達された回転を断・接制御するための入力クラッチとを備える自動変速機の制御方法であって、
    車両の停止時において、前記入力クラッチを介した前記回転伝達機構側から前記変速機構側への回転伝達効率を車両走行時に比して低減させるニュートラル制御の開始条件が成立した場合に、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低減されるように前記入力クラッチに対する流体圧を減圧させるリリースステップと、該リリースステップの実行後、前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率を低効率で維持させるインニュートラルステップと、を有する自動変速機の制御方法において、
    前記インニュートラルステップでは、前記入力クラッチに対する流体圧を変動させる回転伝達効率確認制御を実行し、該回転伝達効率確認制御により前記入力クラッチを介した前記回転伝達効率が低効率として予め設定された所定状態であると判定された場合、前記入力クラッチに対する流体圧を、前記回転伝達効率確認制御の終了時における前記入力クラッチに対する流体圧から設定圧減圧させ、その後、一定圧に保持するようにした自動変速機の制御方法。
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