JP5012507B2 - 分析装置、及び分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体試料中の被検査物質を測定する分析装置に関し、特に、液体試料中の被検査物質の検出において、該液体試料および分析素子の性状による測定誤差への影響度合に応じて、該被検査物質の測定誤差を確実に補正する分析装置、及びその方法に関するものである。
近年では、在宅医療、および医院や診療所などの地域医療の充実、さらには早期診断、および緊急性の高い臨床検査の増加などに伴い、臨床検査の専門家でなくとも、それを用いて、簡易かつ迅速に、高精度の測定を実施可能である分析装置が要望されるようになってきており、このため、煩雑な操作を伴わず、短時間で信頼性の高い測定を行うことのできる、POCT(Point of Care Testing)向けの小型分析装置が、脚光をあびている。
POCTとは、一般的に、開業医、専門医の診察室、病棟および外来患者向け診療所などの「患者の近いところ」で行われる検査の総称であり、検査結果を即座に医師が判断し、迅速な処置を施し、治療の過程や、予後のモニタリングまでを行うという診療の質の向上に大きく役立つものとして注目されている方法である。このような小型分析装置による検査は、中央検査室での検査に比べて、検体の運搬や、設備にかかるコストや、不要な検査にかかる費用を抑えることができ、トータルの検査費用の削減が可能になるといわれており、POCT市場は、病院経営合理化の進む米国では、急速に拡大してきており、日本をはじめ世界的にみても成長市場となっていくことが予想されている。
免疫クロマトセンサに代表されるような乾式分析素子は、試薬の調整を必要とせず、測定対象となる血液や尿などの液体試料を、分析素子上に滴下するなどの簡単な操作のみにより、該液体試料中の被検査物質を分析することが可能なものであり、液体試料中の被検査物質を、簡便かつ迅速に分析するのに非常に有用なため、POCTの代表として今日多数実用化されている。また、市場からは、いつでもどこでも誰でも測定できることに加え、より高精度な分析精度が要求されている。
しかし、前述した乾式分析素子は、液体試料によって、粘度、各成分量、夾雑物などの性状に個体差があり、かかる乾式分析素子による分析方法では、それらの影響を受けやすく、これらの要因を排除可能な大型の分析装置に比べ、高精度な測定結果を得ることが困難であった。そこで、従来より、前記のような測定の信頼性を低下させる要因を排除する分析装置が、多くのメーカーによって開発されている。
例えば、液体試料が血液の場合には、代表的な個体差としてヘマトクリットがあり、前記乾式分析素子により血液中の被検査物質を分析する場合、その血液のヘマトクリット値による影響を支配的に受ける。そこで、種々の方法により、該ヘマトクリット値を求め、その値に応じて被検査物質濃度を補正する分析装置が、多数報告されている(特許文献1 から特許文献3参照)。
前記の方法は、何れも全血中のヘマトクリット値が正常域を逸脱した試料を測定する場合に生じる測定誤差を確実に補正できる方法であり、全血中の被検査物質の定量を行うのに適応可能である。しかしながら、前記のいずれの方法も、ヘマトクリット値による影響に限定して補正するものであり、液体試料の粘度や、夾雑物など、ヘマトクリット値以外の性状による影響を補正することはできないという問題点がある。
一方、測定の信頼性を低下させる要因は、前述したヘマトクリット値に限らず、例えば液体試料の粘度などの性状、分析環境、反応試薬の失活なども、その要因となりえる。このような、ヘマトクリット値に限らず、該液体試料の性状、分析環境、反応試薬の失活などの測定の信頼性を低下させる要因による分析結果への影響を考慮した分析方法も報告されている。例えば、特異結合反応後に、特異結合に関与し、かつ信号物質を発する信号物質発生体を、流路内を拡散して検知部まで到達して発する信号を、流動方向に複数配置される検知部において計測し、それぞれの検知部で信号変調の差、もしくは比を求めることによって、液体試料中の被検査物質以外の非特異的要因による分析結果への影響が極小化するように、演算処理を行う方法である(特許文献4参照)。
特許第3586743号公報 特開2000−262298号公報 特開2001−91512号公報 特開平8−75748号公報
前述したように、前記特許文献1〜3に示す方法は、全血中のヘマトクリット値が正常域を逸脱した試料を測定する場合に生じる測定誤差を確実に補正でき、全血中の被検査物質の定量に適応可能であるが、前記特許文献1〜3の方法は、液体試料が血液の場合に、ヘマトクリット値による影響に限定して補正するものであり、液体試料の粘度や、試料中の夾雑物など、ヘマトクリット値以外の液体試料由来の性状による影響をも除いた結果に補正することはできないものであるため、非常に測定精度が悪いという課題を有していた。
またもう一方の、特許文献4に示す、液体試料の性状などの測定の信頼性を低下させる要因による影響を考慮した分析方法においては、複数の検知部に対して等しく影響を与えていることを前提としているが、分析結果への影響を極小化するための指標となる信号発生に到るまでに多段階の反応を経ており、反応状態の差が生じやすいため、前記影響を確実に極小化することは困難であった。また、上記特許文献4の方法では複数の検知部が必要となり、分析装置の構成を複雑化しなくてはならないため、その複雑さが測定精度を悪化させる要因となる恐れがあると共に、コスト的にも高価であるという課題を有していた。
さらにこれらの方法は、操作性や構成上の面において、いつでもどこでも誰でも測定可能であることが必要とされるクロマトセンサには導入することが不可能であり、汎用性に欠くという課題もあった。
また、全血・血漿・尿などの種類の異なる液体試料がいずれであるかを自動で識別することは、従来の方法では到底不可能であった。そのため、クロマトセンサにおいて使用する液体試料は何であるかを予め指定し明示する必要があり、使用する現場では誤って異なる液体試料を用いてしまい、正確な結果が得られないというようなミスもあり、POCT向けの診断薬でありながら、現場における取り扱い者への徹底した教育が必要不可欠であるという課題も、近年では多く発生していた。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、液体試料が何であるかを識別し、該液体試料の種類に応じた該液体試料および分析素子の性状による測定誤差への影響度合に応じて、容易に該液体試料中の被検査物質の測定値誤差を補正した分析値を求めることが可能であり、いつでもどこでも誰でも、簡易かつ迅速に、より高精度な測定を行うことのできる分析装置、及び分析方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明にかかる分析装置は、液体試料を分析素子上の流路に展開させて該液体試料中の被検査物質を測定する分析装置において、前記流路上での前記液体試料中の被検査物質の反応に基づくシグナルを測定するシグナル測定部と、前記流路に展開された前記液体試料から、前記被検査物質の測定誤差に及ぼす影響度合を示すパラメータを収集するパラメータ収集部と、前記パラメータと前記シグナルと前記被検査物質の真値との関係からなるアルゴリズムを、あらかじめ保持するアルゴリズム保持部と、前記パラメータに基づいて、前記シグナルより前記被検査物質の分析値を演算処理する演算処理部とを備え、前記演算処理部は、前記アルゴリズム保持部より前記アルゴリズムを読み出し、該読み出したアルゴリズムを用いて、前記パラメータ収集部にて得たパラメータに基づき前記被検査物質の測定誤差を補正した該被検査物質の分析値を求める分析装置において、前記パラメータは、前記液体試料が前記流路を展開するときの展開速度、または展開時間、または展開距離のいずれかである、ものである。
これにより、前記液体試料および分析素子の性状による前記被検査物質の測定誤差を補正することが可能となり、簡易で迅速な、より正確性の高い分析装置を提供することができる。
なお、ここで示す測定誤差とは、前記液体試料および分析素子の性状の影響による、前記被検査物質の測定値の、該被検査物質の真値からの乖離度である。また、アルゴリズムとは、前記パラメータと前記シグナルと前記被検査物質の真値との関係からなるものである。すなわち、前記パラメータと被検査物質の測定誤差との関係、あるいは、前記パラメータに基づいて補正した被検査物質の分析値を算出可能にする、前記シグナルと被検査物質の真値との関係からなるものである。例えば、該パラメータに基づいて演算処理を行う数式や、該パラメータに基づいた補正度合を選択するために複数用意した数式があるが、その他任意の方法が挙げられる。
さらに、液体試料及び分析素子の性状の影響とは、例えば液体試料が全血・血漿・尿・細菌細胞懸濁液のいずれかである場合など異なる種類の液体試料であったり、液体試料の添加量の多少であったり、全血や細菌細胞懸濁液が液体試料の場合には液体試料中の細胞含有度合が異なっていたり、分析素子の保存期間の長短や分析素子の保存環境の相違による性状の変化など、測定誤差が発生する任意の影響を示す。
本発明によれば、液体試料中の被検査物質の測定において、前記分析素子上の流路に展開された前記液体試料から、該液体試料および分析素子の性状が前記被検査物質の測定誤差に及ぼす影響度合を示すパラメータを収集し、該液体試料中の被検査物質の測定誤差を、前記パラメータに基づいて補正するようにしたので、より高精度な該被検査物質の分析値を簡易、且つ迅速に得ることができる。
以下、本発明の分析装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1の分析装置の構成を示す概念図であり、本実施の形態1の分析装置60は、液体試料を分析素子100上の流路に展開させ、該液体試料中の被検査物質の、分析素子100上での反応に基づくシグナルを測定するシグナル測定部20と、前記分析素子100上に展開された前記液体試料から、該液体試料および分析装置60の性状が該被検査物質の測定誤差に及ぼす影響度合を示すパラメータを収集するパラメータ収集部30と、前記パラメータと前記シグナルと前記被検査物質の真値との関係からなるアルゴリズムを、あらかじめ保持するアルゴリズム保持部40と、前記パラメータ収集部30により得た前記パラメータに基づいて前記アルゴリズム保持部40からアルゴリズムを読み出し、該読み出したアルゴリズムを用いて、前記シグナル測定部20にて測定したシグナルより、被検査物質の測定誤差を補正した被検査物質の分析値を演算処理する演算処理部90とを備える。そして、前記演算処理部90は、前記シグナル測定部20にて得たシグナルより、前記液体試料中の被検査物質の測定値を算出する測定値算出部70と、前記被検査物質の測定誤差が極小になるように、該被検査物質の測定値を補正して、被検査物質の分析値を求める測定値補正部50とを、必要に応じて備える。
ここで、前記被検査物質の測定誤差とは、前記シグナル測定部20にて測定したシグナルから算出される前記被検査物質の測定値の、前記液体試料および分析素子100の性状の影響による、該被検査物質の真値からの乖離度を示すものである。また、前記アルゴリズムとは、前記パラメータと前記被検査物質の測定誤差との関係、あるいは、前記シグナルと前記被検査物質の真値との関係からなり、前記パラメータに基づいて補正した被検査物質の分析値を算出可能にするものである。例えば、前記パラメータに基づいて演算処理を行う数式や、前記パラメータに基づいた補正度合を選択するために複数用意した数式が例に挙げられるが、その他の任意の方法が挙げられる。また、前記パラメータとは、液体試料の展開に関与する情報を数値化したものであり、例えば、液体試料の展開速度や展開距離、展開時間があげられるが、反応に関与しないバックグランドにおける吸光度変化など、これ以外の情報であっても何ら問題はない。
さらに、図1では前記シグナル測定部20と、前記パラメータ収集部30とを、別々に表示しているが、同一のものが、前記シグナル測定部20と、パラメータ収集部30として用いられても何ら問題はない。また、図1では、前記アルゴリズム保持部40と、前記演算処理部90とを、別々に表示しているが、該演算処理部90中に該アルゴリズム保持部40が存在していても何ら問題はない。
まず、本実施の形態1における、分析素子100について説明する。
図2及び図3は、本実施の形態1によるクロマトグラフィを利用した分析素子を示す図である。即ち、図2は、本実施の形態1の分析素子100の分解図であり、図3は、本実施の形態1の分析素子100の斜視図である。
図2において、1は流路となる展開層を示し、ニトロセルロースで構成される。これら、展開層1に使用する材料は、ニトロセルロースに限らず、液体試料により湿潤かつ該液体試料を展開可能な流路を形成できる材料であれば、濾紙、不織布、メンブレン、布、ガラス繊維等多孔質な任意の材料でよい。あるいは、前記展開層1を中空の毛細管で形成してもよく、このような場合、材料は樹脂材料で構成できる。また、前記展開層1は、単層あるいは複数層の多孔質材料で構成されていればよく、本実施の形態1では単層の場合を例に挙げて説明する。なお、単層とは一つの層で構成されていることを意味し、複数層とは、複数層が平行あるいは垂直に配置され、該複数層の第1の層に添加された液体試料が各々の層に順次移動可能なように構成されていることを意味する。
2は標識試薬部を示し、液体試料の展開により溶出可能な乾燥状態で、液体試料中の被検査物質に対する金コロイド標識抗体が保持してある。標識試薬は、抗体に金コロイドなどの標識物を標識したもので、後述する試薬固定化部3,4における結合を検出する手段として用いられるものであり、前述した金コロイドはほんの一例に過ぎず、金属あるいは非金属コロイド粒子、酵素、タンパク質、色素、蛍光色素、ラテックスなどの着色粒子など、必要に応じて任意に選択可能である。
そして、3は試薬固定化部I、4は試薬固定化部IIを示し、液体試料中の被検査物質に対して特異的反応の可能な抗体であり、なおかつ、どちらの抗体も前記標識試薬とは異なるエピトープで結合するもので、乾燥状態で固定化されている。さらに、試薬固定化部I3に用いる抗体と、試薬固定化部II4で用いる抗体とは、液体試料中の被検査物質に対する親和性が異なる抗体により構成されている。
前記試薬固定化部I3、及び試薬固定化部II4に使用する抗体は、標識試薬、及び被検査物質との複合体を形成できれば良く、従って、被検査物質に対するエピトープもしくは親和性は、同じであっても異なっていてもいずれでも良い。さらに、2つの抗体の親和性は異なるが、エピトープが同じでも何ら問題はない。
また、図2では、試薬固定化部が2カ所設けられている例を示すが、これは必ずしも2カ所である必要はなく、1カ所以上であれば、その目的に応じて自在に選択できる。また、展開層1上の形状についても、ライン状である必要はなく、スポット形状、もしくは、文字形状、鍵型形状など、自由に選択できる。図2における試薬固定化部I3と試薬固定化部II4とは空間的に離れているが、これらも必ずしも離れている必要はなく、見かけ上一本のライン状に見える様に接触させることも可能である。
5は液体不透過性シート材を示し、ここでは、透明テープで構成される。該液体不透過性シート材5は、試料添加部となる微細空間6に接続する部分、及び前記液体試料の到達する終端を除き、展開層1を密着被覆する構造を持つものである。
このように液体不透過性シート材5により展開層1を被覆させることで、試料添加部以外への点着を遮断保護すると共に、外部からの汚染を防止する作用を持たせることができるばかりでなく、液体試料の展開時に液体試料が展開しながら蒸発してしまうのを防ぎ、展開層上の反応部分である試薬固定化部3、4、および標識試薬部2を必ず液体試料が通過し、前記反応部分において液体試料中の被検査物質との反応を効率よく行うようにすることができる。ここでの外部からの汚染とは、該展開層上の反応部分に対して不用意に液体試料が接触することや、被験者が手などで直接展開層に接触することなどを指す。前記展開層1を被覆する液体不透過性シート5には、透明な材料を用いることが好ましく、前記試薬固定化部3,4を覆う部分は、シグナルを測定する部分であるから、少なくとも透過可能な状態を持たせることが好ましい。
また、より高精度な測定を必要とする場合には、展開層1の上部を、特に前記標識試薬部2、及び前記試薬固定化部3,4の部分を含んで密着密閉し、かつ、液体試料の展開方向に対して平行な側面を、同様に密着密閉させる構造をとることもできる。
7は展開層1における開放部であり、8は展開層1を保持する基板である。この基板8 は、PETフィルムなどの液体不透過性シート材で構成され、透明、半透明、不透明のいずれをとってもよいが、透過光を測定する場合は透明、反射光を測定する場合は不透明の材料を用いるのが好ましい。また、その材質は、ABS、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料の他、金属、ガラス等、液体不透過性の材料を用いることが可能である。
前記基板8は展開層1を補強する役割を持つとともに、血液、唾液、尿など感染の危険性のある試料を用いる場合には、それを遮断する作用をも有する。さらには、展開層1が湿潤した場合に光透過性を帯びる場合などにおいては、前記基板8に、光を遮断する効果を持たせることも可能である。
9は微細空間形成材であり、液体試料が毛細管現象により流入する空間を形成する働きを持ち、透明PETフィルムを積層させたもので構成される。また、微細空間形成材9は、液体試料添加後の分析素子を取り扱う際に、液体試料の外部への汚染を保護する役割をも有する。この微細空間形成材9には、ABS、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料の他、金属、ガラス等、液体不透過性の材料を用いることが可能であり、また、透明もしくは半透明であることが好ましいが、透明でなくて有色であってもよく、あるいはこの不透明の材料の場合には任意の材料で構成できる。
6は微細空間を示し、前記微細空間6は、前記微細空間形成材9により形成され、毛細管現象により液体試料を流入することのできる試料添加部となる。また、該微細空間6は前記展開層1と接続しており、液体試料を該微細空間6へ流入させることにより、該液体試料の展開層1への展開を開始することができる。
次に、本実施の形態1の分析装置60による、液体試料中の被検査物質の測定方法について、図2、図3を用いて説明する。
液体試料を、試料添加部6に接触させると、毛細管現象により機械的操作を必要とせず、自然に液体試料が前記微細空間6中に流入され、展開層(流路)1上を展開する。液体試料の流入量が十分であるかどうかは、微細空間形成材9を透して確認できる。また、液体試料の添加量を、一定量確保する必要がある場合は、前記微細空間6の体積を一定体積とすることで、精度良く添加量を制限することができ、さらに、前記液体試料を一定量以上必要とする場合には、必要量以上の体積を保持させる構造をとることで、これを実現することができる。
前記微細空間6内には、細胞成分収縮試薬10を保持してある。細胞成分収縮試薬10 は、前記液体試料中に細胞成分を含む場合に設置すべき試薬であり、細胞成分を含まない液体試料を用いる場合には、特に必要ではない。また、細胞成分収縮試薬10は、細胞を収縮する効果のある塩化カリウムや塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム塩等を含む無機化合物や、グリシン、グルタミン酸、等のアミノ酸、プロリン等のイミノ酸、グルコース、スクロース、トレハロースなどの糖類、グルシトール等の糖アルコール等を用いても、同様に実施可能である。この様な細胞成分収縮試薬10を含む系は、特に液体試料として全血を用いる場合に有効である。
前記微細空間6に流入された液体試料は、前記微細空間6と展開層1との接触部分から、展開層1へと展開する。標識試薬部2に液体試料が到達したとき、標識試薬の溶出が開始される。液体試料中に被検査物質が存在する場合、標識試薬と被検査物質とが反応しながら展開が進み、液体試料は試薬固定化部I3に到達する。被検査物質が液体試料中に存在する場合には、その量に応じて、試薬固定化部I3に固定化された抗体と、被検査物質と、標識試薬との複合体が形成される。
次に、試薬固定化部II4に液体試料が到達し、該液体試料中に前記被検査物質が存在する場合には、前記被検査物質の量に応じて、試薬固定化部II4に固定化された抗体と、被検査物質と、標識試薬との複合体を形成する。
前記液体試料は、さらに、展開層1における開放部7に到達する。開放部7は、前記液体不透過性シート5がなく開放されているため、前記液体試料が到達した後、あるいは到達しながら揮発もしくは蒸発される。さらには、開放部7に前記液体試料が滲み出て、開放部7における展開層1の上部にのみ、前記液体試料が、前記微細空間6内の展開層1上部にある液体試料と同じ高さ、もしくは準じた高さまで至る。一般的には、開放部7の代わりに吸水部を設けることが多いが、それは、展開層1に使用する材料に対して、より保水効果、吸水効果の高い多孔質材料を用いることで、液体試料を吸水あるいは吸引し、展開層1上を通過させる働きや、測定時間を短縮できる働きを有するものとすることができる。前記開放部7はそれらと同様の効果を持たせたものであり、特に前記微細空間6もしくは前記開放部7を用いる手法は、例えば、液体試料が指先からの穿刺による血液などであるように、液体試料が微量である場合に適している。
前記液体試料中の被検査物質の測定値は、前記試薬固定化部I3、及び試薬固定化部II 4における標識試薬由来のシグナルを測定することで得られる。
図4に、分析素子上の試薬固定化部3,4における標識試薬由来のシグナルを測定するシグナル測定部を示した。21は前記展開層1に光を照射するための照射部、22は前記照射部21から前記展開層1に照射された光の反射または透過光などの光学的変化を検出する受光部を示し、前記シグナル測定部20は、これらの照射部21および受光部22を利用することによって、試薬固定化部3,4における標識試薬由来のシグナルを測定する。図5は、図4のように試薬固定化部I3、および試薬固定化部II4における呈色反応を読み取った結果を、模式的に示したものである。試薬固定化部では、その他の部分に比べてシグナルが上昇し、その強度は、試薬固定化部の呈色度合に応じて変化する
なお、前記照射部21としては可視領域、もしくは近可視領域であることが好ましく、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)、もしくはLD (Laser Diode;レーザーダイオード)など必要に応じて選択可能である。
そして、前記シグナル測定部20によって測定された試薬固定化部3,4における標識試薬由来のシグナルを、測定値算出部70にて演算処理することで、被検査物質の測定値を求めることができる。このとき得られる被検査物質の測定値は、前記測定値算出部70 において、前記シグナル測定部20にて得た標識試薬由来のシグナルより検量線を用いて得られた該被検査物質の値である。ここで述べる検量線とは、シグナル測定部20にて得たシグナルと、液体試料中の被検査物質の値との関係を示した回帰式である。未知の量の被検査物質を含む液体試料を測定する場合に、シグナル測定部20にて得られたシグナルを代入することで、その未知液体試料中の被検査物質の測定値を算出することができる。また、前記シグナル測定部20は、シグナルを測定する手段としては、光学的変化、電気的変化や電磁的変化を読み取るものであったり、画像としてとらえるものであったり、任意の手段を用いてよい。
また、前記の反応例は、抗原抗体反応を利用したサンドイッチ反応について述べたが、試薬の選択により、競合反応を利用した反応系でも何ら問題はない。
また、特異的な反応を利用したい場合、前記分析素子100上の任意の反応を形成する系の試薬成分で構成することにより、抗原抗体反応以外の反応による測定を行うことも可能である。特異的反応をする、ある特定の物質と、それに対する特異結合物質との組合せとしては、抗原とそれに対する抗体、相補的核酸配列、エフェクター分子とレセプター分子、酵素とインヒビター、酵素と補因子、酵素と基質、糖鎖を有する化合物とレクチン、ある抗体とその抗体に対する抗体、レセプター分子とそれに対する抗体、特異結合活性が消失しない程度に化学修飾されたもの、あるいは、他の成分と結合してなる複合性物質を利用した反応系などが例示される。しかし、前述のようにして、前記測定値算出部70により得た前記被検査物質の測定値は、前記液体試料、および分析素子60の性状による影響を受けており、高精度とは言い難い。よって、より高精度な被検査物質の分析値を得るためには、以下に示す測定値の補正が必要となる。
以下、前記被検査物質の測定値から、その被検査物質の測定誤差を補正した該被検査物質の分析値を求める方法について説明する。なお、後述する補正方法は、いずれもほんの一例であり、これ以外の方法を用いても何ら問題はない。前記被検査物質の測定誤差への影響度合を示すパラメータとしては、液体試料の展開速度を用いる。なお、展開速度を算出しなくても、任意の一定距離を展開するのに要した展開時間、もしくは任意の一定時間における展開距離、もしくは、流路上の試薬固定化部を除いた任意の位置におけるバックグランドの吸光度変化など、液体試料の展開状況に関するその他の情報を、パラメータとして利用することも可能である。
本実施の形態1では、前記パラメータを収集するパラメータ収集部30は、図6に示されるように照射部31、および受光部32を用いて光学的変化により、液体試料の展開状況を検知する。この他にも、電気的変化や、電磁的変化を読み取るものであったり、画像としてとらえるものであったり、任意の手段を用いてよい。なお、前記液体試料の到達時間の検出は、複数の照射部、および受光部を用いて同時に行っても良いし、同一の照射部および受光部を用いて、前記始点への液体試料の到達を検知した後に、該液体試料が前記終点へ順に移動するのを検出することによって計測しても良い。さらに、これらのパラメータ収集部30の照射部31および受光部32は、標識試薬由来のシグナルを測定するためのシグナル測定部20の照射部21および受光部22を用いることも可能である。
図6において、31は前記展開層に光を照射するための照射部、32は前記照射部から前記展開層に照射された光の反射または透過光などの光学的変化を検知する受光部を示す。図7、及び図8は、液体試料の展開速度を測定する任意の検知区間の始点、あるいは終点において液体試料の到達を検知する検知部における液体試料到達前後の図である。なお、この検知区間において液体試料が展開する上流側を始点、下流側を終点と呼ぶ。図7は、時間の経過による液体試料の展開状況を示す図であり、図8は、前記検知部における液体試料到達前後の光学的変化を示したものである。
図7において、13は検知部、14は分析素子100の流路上に展開している液体試料を示す。図8に示すように、検知部13に液体試料14が到達すると吸光度が上昇する。受光部は所定の吸光度を越えるときに液体試料が検知部に到達したことを検知し、液体試料の到達時間を計測する。
図6(a)に示すように、まず、流路1上の任意の検知区間の始点において、照射部31および受光部32を用いて、光学的変化から液体試料が到達したことを検知する。前記流路1上の任意の区間は、液体試料の展開速度と測定誤差である被検査物質の真値からの乖離度との相関関係が強い検知区間、ここでは液体不透過性シート材5に保護された部分から選択する。次に、図6(b)に示すように、照射部31および受光部32を、分析素子100上の流路である展開層1の任意の区間の終点へ走査し、液体試料の到達時間を検知する。これらの結果から、液体試料が展開層1の任意の検知区間を展開する時にかかる展開時間を算出することによって、液体試料の展開速度を求める。また、ここでは任意の検知区間における展開時間から算出した展開速度をパラメータとして利用したが、前記展開速度は任意の時間に前記液体試料が展開する展開距離から算出してもよい。
次に、前記演算処理部90が、前記アルゴリズム保持部40より、アルゴリズムを読み出し、前記パラメータ収集部30にて得たパラメータに基づき、前記被検査物質の測定誤差を補正した被検査物質の分析値を求める。前記被検査物質の分析値とは、演算処理部9 0において、パラメータ収集部30にて得たパラメータに基づき、被検査物質の真値との差が極小化するように、該被検査物質の測定誤差を補正した被検査物質の値である。そして前記アルゴリズムとしては、パラメータ収集部30にて得たパラメータと該被検査物質の測定誤差との関係から導出した、被検査物質の測定値を補正して該被検査物質の分析値を求める式、もしくは、パラメータに基づきシグナル測定部20にて得たシグナルと被検査物質の真値との関係から導出した補正式が例示される。このアルゴリズムの導出方法には、種々の方法が可能であり、以下の補正方法が簡便で精度の高い方法として好ましいものの、他の方法をとっても何ら問題はない。図9(a)、(b)、(c)それぞれは、以下の各方法1)、2)、3)を示す概念図である。
方法1) 図9(a)に示すように、測定値補正部50は、アルゴリズム保持部40に保持してある、パラメータと測定誤差との相関関係から導出した補正式を読み出し、該読み出した補正式に、前記パラメータ収集部30によって収集されたパラメータと、前記シグナル測定部20にて測定されたシグナルより測定値算出部70にて算出した測定値とを代入することで、該被検査物質の測定値を補正して、該被検査物質の分析値を求める。例えば、前記被検査物質の測定値をZとし、前記パラメータをXとすると、補正された該被検査物質の分析値Yは、
Y=Z÷{1+(aX+b)};(a,bは定数)
なる式によって求められる。
前記補正式は、あらかじめ、該液体試料の粘性など測定誤差への影響度合が異なり、既知の量の被検査物質を含む液体試料を用いて、パラメータと測定誤差との関係より導出した数式である。その後、未知の量の被検査物質を含む液体試料を測定する場合、得られたパラメータから、該被検査物質の測定値を補正して、該被検査物質の分析値を求めることが可能である。
方法2) 図9(b)に示すように、前記シグナル測定部20にて測定されたシグナルより測定値算出部70にて求めた被検査物質の測定値に応じて、複数の補正式をアルゴリズム保持部40に用意しておき、アルゴリズム選択部80が前記測定値に基づいて前記補正式のいずれかを選択し、該選択された補正式に、前記パラメータ収集部30によって収集されたパラメータと、前記測定値とを代入することで、該被検査物質の測定値を補正して、該被検査物質の分析値を求める。前記分析素子100上に前記シグナル測定部20 にて反応に基づくシグナルを測定する部分(試薬固定化部)が複数ある場合、各試薬固定化部に応じて、すなわち、各試薬固定化部で得たシグナルより算出した測定値に応じて、前記測定値を補正することで、より正確な分析値を算出することが可能である。
方法3) 図9(c)に示すように、前記パラメータ収集部30にて得たパラメータに応じた複数の検量線をアルゴリズム保持部40に用意しておき、アルゴリズム選択部80 がパラメータに基づいて該検量線のいずれかを選択し、前記演算処理部90において、前記シグナル測定部20にて測定されたシグナルを、該選択された検量線に代入することで、被検査物質の測定誤差を補正した該被検査物質の分析値を得る。パラメータに基づいて選択される前記検量線は、あらかじめ、既知の量の被検査物質を含み、ヘマトクリット値や総タンパク質濃度などの測定精度および液体試料の展開状況に影響を与える成分を、臨床上想定される広範囲において調整した液体試料を用いることにより導出する。つまりこの方法では、シグナル測定部20にて得たシグナルを測定値算出部70に代入して被検査物質の測定値を検出することなく、該シグナルを直接、パラメータに基づいて選択された前記検量線に代入して、前記被検査物質の測定誤差を補正した該被検査物質の分析値を求める。
また、前記演算処理部90が補正を行う際に読み出すアルゴリズムを保持するアルゴリズム保持部40としては、当該分析装置60内に回路として組み込む方法、または、記憶媒体を用いるなどして変換可能なように記憶させる方法、または、測定時に分析装置60 に入力し、測定後に演算させ該被検査物質の分析値を表示させる方法が例示されるが、その他の方法を用いても何ら問題はない。また、あらかじめ分析装置60内に回路として組み込んである相関式に対して、分析装置60もしくは分析素子100に固有の定数を入力する方法も可能で、この方法は、分析装置60あるいは分析素子100のロット差を考慮する上で好ましい。関数の定数部分の一部、あるいはすべてが、分析装置60もしくは分析素子100のロットに依存する場合、分析を開始する前にこれらの定数部分を装置にセットすることにより、分析装置60、あるいは分析素子100のロット差による影響を排除することができる。さらに、図9(b),(c)では、前記アルゴリズム選択部80を前記演算処理部90の外部に表示したが、該演算処理部90中に該アルゴリズム選択部80が存在しても何ら問題はない。
本発明の分析装置60で補正できる主要な測定誤差要因として下記を例示する。Iの測定誤差要因を考慮した補正を行うことで、IIとIIIの測定誤差要因による精度悪化を軽減することが可能である。
I.液体試料の性状
液体試料の種類
例えば、全血、血漿、血清、尿、細菌細胞懸濁液など
液体試料特性
例えば、液体試料の粘性、有形成分の量、液体試料が全血の場合にはヘマトクリット値、総タンパク質濃度など
液体試料添加量
例えば、添加量の多少、添加量不足など
II.分析素子の性状
例えば、特異結合に関与する試薬の活性の変化、流路を形成する展開層などの材料の性状の変化、流路上のゴミもしくは汚れなどによる液体試料の展開不良
III.分析環境
例えば、測定時の温度および湿度など
これらの測定誤差要因により液体試料の流動に変化が生じ、反応時間に差が出ることによって、被検査物質の測定値の正確さに影響を与える。例えば、液体試料の性状による液体試料の測定誤差への影響としては、例えば図17に示すように、液体試料が全血の場合、ヘマトクリット値が高値になるほど展開速度は遅くなる傾向が見られる。また、図18に示すように、液体試料が血漿の場合、総タンパク質濃度が濃くなるほど展開速度は遅くなる傾向がある。さらに、図19に示すように、液体試料の添加量が減少するほど展開速度は遅くなる傾向がある。ただし、前記例はほんの一部であり、これに明示していない測定誤差要因であっても補正することが可能である。
以上のように、本発明の実施の形態1による分析装置によれば、液体試料中の被検査物質の測定において、該液体試料あるいは分析装置の性状による測定誤差への影響度合に応じて、該被検査物質の測定誤差を容易に補正して、該被検査物質の分析値を求めるようにしたので、簡易、迅速、かつ高精度な分析装置を提供することが可能となる。
以下の実施例により、本発明を実施する方法を、さらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例になんら制約されるものではない。
(ヘマトクリットによる影響を補正した全血CRPの定量)
ニトロセルロース膜上に抗CRP抗体Aを固定化した試薬固定化部I及び抗CRP抗体Bを固定化した試薬固定化部II、さらに抗CRP抗体Cと金コロイドとの複合体(標識試薬)を保持した標識試薬部を含む分析素子である免疫クロマトセンサを製造した。この免疫クロマトセンサを図2,3に示す。図中、免疫クロマトセンサは、抗体が固定化された試薬固定化部I3、試薬固定化部II4と、それよりも液体試料を添加する添加部分に近い部分にある、抗CRP抗体Cと金コロイドとの複合体が含有された領域である標識試薬部2と、試料添加部6とを含む。この免疫クロマトセンサは、次のようにして製造した。
a)免疫クロマトセンサの調製
リン酸緩衝溶液にて希釈して濃度調整をした抗CRP抗体A溶液を準備した。この抗体溶液は溶液吐出装置を用いて、ニトロセルロース膜上に塗布した。これにより、ニトロセルロース膜上に試薬固定化部である固定化抗体ラインI3が得られた。次に同様にして、試料添加部より下流側に2mm離れた部分に、抗CRP抗体B溶液を塗布した。このニトロセルロース膜を乾燥後、1%スキムミルクを含有するTris−HCl緩衝溶液中に浸漬して30分間緩やかに振った。30分後、Tris−HCl緩衝溶液槽に膜を移動し、10分間緩やかに振った後に、別のTris−HCl緩衝溶液槽にて更に10分間緩やかに振り、膜の洗浄を行なった。次に、0.05%シュクロースモノラウレートを含有するTris−HCl緩衝溶液中に浸漬して10分間緩やかに振った後に、膜を液槽から取り出して、室温で乾燥させた。これにより、ニトロセルロース膜上に試薬固定化部である固定化抗体ラインI3、および固定化抗体ラインII4が得られた。
金コロイドは、還流中の0.01%塩化金酸100℃溶液に1%クエン酸3ナトリウム溶液を加えることによって調製した。還流を15分間続けた後に、室温放置にて冷却した。0.2Mの炭酸カリウム溶液によって、pH8.9に調製した前記金コロイド溶液に、抗CRP抗体Cを加えて数分間攪拌した後に、pH8.9の10%BSA(牛血清アルブミン)溶液を最終1%になる量だけ加えて攪拌することで、抗体−金コロイド複合体(標識抗体)を調製した。前記標識抗体溶液を4℃、20000Gで50分間遠心分離することによって、標識抗体を単離して、それを洗浄緩衝液(1%BSA5%スクロース・リン酸緩衝液)中に懸濁した後に、前記遠心分離を行って、標識抗体を洗浄単離した。この標識抗体を洗浄緩衝液で懸濁して、0.8μmのフィルタにて濾過した後に、520nmの吸光度が150となるように調製して、4℃で貯蔵した。前記標識抗体溶液を溶液吐出装置にセットして、固定化抗CRP抗体A及び固定化抗CRP抗体Bが塗布された乾燥膜上の固定化ラインI及び固定化ラインIIから離れた位置に、液体試料添加開始方向から順番に、標識抗体、固定化ラインI、固定化ラインIIの位置関係になるように塗布した後に、膜を真空凍結乾燥させた。これによって、試薬固定化部および標識試薬部を備えた反応層担体が得られた。
次に、調製された標識試薬を含む反応層担体を、厚さ0.5mmの白色PETからなる基板8上に貼り付け、標識試薬部2から終端部分にかけて、透明テープを貼り付けた。その後、レーザーを用いて、2.0mmの幅に切断した。切断後、透明テープを貼り付けない始端部分上に、厚さ100μmの透明PETを積層させて作製した微細空間形成材9を貼り付け、微細空間(幅2.0mm×長さ7.0mm×高さ0.3mm)6を形成した。前記空間形成材9は、あらかじめ10%塩化カリウム水溶液を添加した後に、液体窒素にて直ちに凍結し、凍結乾燥を行い、これによって、塩化カリウムが乾燥状態で保持された細胞収縮剤を保持する空間形成材を作製したものである。こうして免疫クロマトセンサを製造した。
b)液体試料の調製
抗凝固剤としてヘパリンを加えた人の血液に、既知濃度のCRP溶液を加えることにより、CRP濃度0.6mg/dL、5mg/dLの血液を調整した。また、総タンパク質濃度を7.5g/dLとし、ヘマトクリット値を20%、30%、40%、50%に調製した。
c)免疫クロマトセンサ上の呈色度合の測定
前記免疫クロマトセンサの試料添加部に、b)にて調整したCRPを含む全血を5μL 程度添加して、開放部方向へと展開処理して、抗原抗体反応をさせた。該免疫クロマトセンサへの試料添加から5分後の抗体固定化部における呈色状況を計測した。図4は本実施例1における測定図を示し、図4において照射部21は、635nmの半導体レーザーからなる光源を示し、また、受光部22は受光素子(フォトダイオード)で構成される。さらに、該免疫クロマトセンサ側を走査し、試薬固定化部I3及び試薬固定化部II4における前記標識抗体結合量を、前記展開層からの反射散乱光を演算処理して、吸光度として結果を得る。図5は本発明の一実施例における測定波形図を示す。ここでは試薬固定化部が2カ所であり、前記試料添加部に対して上流側に親和力の高い抗体を使用した。光源及び受光素子を固定し、免疫クロマトセンサ側を走査して、得られた波形から、ピーク値(反射吸光度)を読み取る。この様な波形を得るためには、光源側を走査することも可能である。
次に、試薬固定化部I3と試薬固定化部II4の反射吸光度を、あらかじめ用意しておいた各々の検量線に代入することで、CRP濃度がわかる。
d)パラメータを収集する検知区間の選出
ここで、パラメータである展開速度の検知区間の選出について説明する。図6に示すパラメータ収集部30の照射部31および受光部32を用いて、流路上の任意の検知区間における液体試料の展開速度と、試薬固定化部IおよびIIにおける反射吸光度を測定し、展開速度と測定誤差であるCRP濃度の真値からの乖離度の関係をみた。乖離度を算出する際のCRP濃度の真値は、b)にて調整した全血をあらかじめ分注しておき、市販の自動分析装置(日立7020:日立製作所製)を用いて測定した。ここでは、パラメータとして液体試料の展開速度を用いた。
まず、パラメータである展開速度の検知区間を0.5、4.0、7.5、20.0mm に変更し、それぞれの距離における液体試料の展開速度を算出した。次に、試薬固定化部Iおよび試薬固定化部IIにおける反射吸光度を予め用意しておいた検量線に代入して予測されるCRP濃度の測定値を算出し、この測定に用いた血液試料のCRP濃度の真値からの乖離度を求めた。この展開速度と乖離度との関係を図10に示す。この結果から、検知区間が4.0と7.5と20.0mmの場合に非常に良好な相関性が見られた。展開速度の速い場合は、反応部分において試料中の被検査物質であるCRPの通過量が多くなるため、測定値はCRP濃度の真値に比べて高値となり、一方、展開速度が遅い場合は、反応部分において試料中の被検査物質であるCRPの通過量が少なくなるため、測定値はCR P濃度の真値に比べて低値となる傾向がある。測定値とは、あらかじめ用意した検量線に吸光度を代入することにより得られたCRP濃度を示す。
例えば、パラメータの検知区間が4.0mmの場合、展開速度xと乖離度yとの相関式は下記の式1で表される。
y=26.258x−2.7281 式1
この相関式を基にして、展開速度からCRP濃度を補正する数式を導くことが可能である。CRP濃度の測定値をZとすると、CRP濃度の分析値Yを求める補正式は、下記の式2で表される。
Y=Z÷{1+(26.258x−2.7281)} 式2
e)ヘマトクリット値による影響を補正する数式の導出
ここでは、d)の検知区間の検討において、展開速度と乖離度との相関が最も大きかった流路の始端から半ばまでの20.0mmを検知区間として、この検知区間の液体試料の展開速度とCRP濃度の真値からの乖離度の相関関係から導出した補正式を用いた。前記補正式は、測定値が1.0mg/dL未満の場合と、1.0mg/dL以上の場合とに分けて用いた。CRP濃度の測定値をZ、展開速度をxとすると、CRP濃度の分析値Yを求める補正式は、下記の式3および4で表される。
1.0mg/dL未満の場合;
Y=Z÷{1+(6.3589x−1.3949)} 式3
1.0mg/dL以上の場合;
Y=Z÷{1+(3.8233x−0.61879)} 式4
f)ヘマトクリット値による影響の補正
アルゴリズム選択部80が、CRP濃度の測定値に基づいて前記アルゴリズム保持部4 0に保持してある補正式のいずれかを選択し、該測定値補正部50にて、該選択された補正式にパラメータと測定値を代入することで、CRP濃度の測定値を補正し、CRP濃度の分析値を求めた。このフロー図は、図20に示した。補正前と補正後のCV(%)を示したのが、図11である。補正前のCV(%)値は、ヘマトクリット値の影響を反映しており、より信頼性の高いCRP濃度の分析値を得るにはCV(%)値を良化させる必要があった。それに対して、液体試料の展開速度由来のパラメータに基づいて測定値の補正を行った場合、著しく測定精度が向上したことは図11からも明らかである。また、図12には、補正前と補正後の乖離度の分布を示した。横軸はCRP濃度の真値、縦軸は乖離度を示す。補正前は、ヘマトクリットが低値の場合にかなり大きく乖離していた。それに対して、補正を行った場合には、乖離度が顕著に減少し、充分な補正効果が示された。この補正方法を用いることで、より正確な測定が可能になることが伺える。
(総タンパクによる影響を補正した全血CRPの定量)
ニトロセルロース膜上に抗CRP抗体Aを固定化した試薬固定化部I及び抗CRP抗体Bを固定化した試薬固定化部II、さらに抗CRP抗体Cと金コロイドとの複合体(標識試薬)を保持した標識試薬部を含む分析素子である免疫クロマトセンサを製造した。この免疫クロマトセンサを図2,3に示す。この免疫クロマトセンサは、次のようにして製造した。
a)免疫クロマトセンサの調製
前記実施例1において用いた免疫クロマトセンサと同一ロットのセンサを用いて、以下の測定を行った。
b)液体試料の調製
抗凝固剤としてヘパリンを加えた人の血液に、既知濃度のCRP溶液を加えることにより、CRP濃度0.6、5mg/dLの血液を調整した。また、ヘマトクリット値を40 %とし、総タンパク質濃度を2.5g/dL、5g/dL、7.5g/dL、10g/dL、12.5g/dLに調製した。
c)免疫クロマトセンサ上の呈色度合の測定
免疫クロマトセンサの試料添加部に、b)にて調整したCRPを含む全血を5μL程度添加して、前記実施例1と同様の方法によりCRP濃度の測定値を算出した。
d)ヘマトクリット値による影響を補正する式を利用した総タンパク質濃度による影響の補正
前記実施例1において導出した補正式に基づいて、CRP濃度の測定値の補正を行い、CRP濃度の分析値を求めた。図13に補正前と補正後の測定結果図を示した。図13の横軸はCRP濃度の真値、縦軸は乖離度を示す。補正前は、総タンパク質濃度の影響を受けて、大きく乖離していた。それに対して、前記補正式を用いて補正を行った場合には、液体試料間の総タンパク質濃度差要因に対する補正効果が明瞭に認められた。このように、液体試料が全血の場合は、へマトクリット値による影響を補正する場合と同一の補正式を用いて、総タンパク質濃度による影響も補正することが可能である。
この補正式を用いることで、ヘマトクリット値が14.9〜51%、総タンパク質濃度が4.2〜10g/dL、アルブミン濃度が1.4〜4.9%の血液試料において、著しく測定精度が向上し、血液試料の性状による影響に対する補正効果が明瞭に認められた。
(液体試料の添加量不足による影響を補正した全血CRPの定量)
ニトロセルロース膜上に抗CRP抗体Aを固定化した試薬固定化部I及び抗CRP抗体Bを固定化した試薬固定化部II、さらに抗CRP抗体Cと金コロイドとの複合体(標識試薬)を保持した標識試薬部を含む分析素子である免疫クロマトセンサを製造した。この免疫クロマトセンサを図2,3に示す。この免疫クロマトセンサは、次のようにして製造した。
a)免疫クロマトセンサの調製
前記実施例1において用いた免疫クロマトセンサと同一ロットのセンサを用いて、以下の測定を行った。
b)液体試料の調製
抗凝固剤としてヘパリンを加えた人の血液に、既知濃度のCRP溶液を加えることにより、CRP濃度5mg/dLの血液を調整した。また、総タンパク質濃度を7.5g/dLとし、ヘマトクリット値を30%、40%、50%に調製した。
c)免疫クロマトセンサ上の呈色度合の測定
免疫クロマトセンサの試料添加部分に、b)にて調整したCRPを含む全血を液体試料の添加量不足である4μL、4.25μL、4.5μL、4.75μLと規格の液体試料の添加量である5μL程度添加して、前記実施例1と同様の方法によりCRP濃度の測定値を算出した。
d)ヘマトクリット値による影響を補正する式を利用した液体試料の添加量不足による影響の補正
前記実施例1において導出した補正式に基づいて、CRP濃度の測定値の補正を行い、CRP濃度の分析値を求めた。図14に補正前と補正後の測定結果の乖離度分布図を示した。図14の横軸は乖離度、縦軸は検体数を示す。補正前は、液体試料の添加量不足の影響を受けて、低値に乖離していた。それに対して、前記補正式を用いて補正を行った場合には、液体試料の添加量不足要因に対する補正効果が明瞭に認められた。
この補正式を用いることで、液体試料の添加量不足で低値に乖離していた測定において、著しく精度が向上し、液体試料の添加量不足の影響に対する補正効果が明瞭に認められた。この補正方法を用いることにより、添加量不足による感度低下を回避することが可能となった。
(ヘマトクリットおよび総タンパク質濃度による影響を補正した全血CRPの定量)
ニトロセルロース膜上に抗CRP抗体Aを固定化した試薬固定化部I及び抗CRP抗体Bを固定化した試薬固定化部II、さらに抗CRP抗体Cと金コロイドとの複合体(標識試薬)を保持した標識試薬部を含む分析素子である免疫クロマトセンサを製造した。この免疫クロマトセンサを図2,3に示す。この免疫クロマトセンサは、次のようにして製造した。
a)免疫クロマトセンサの調製
前記実施例1において用いた免疫クロマトセンサと同一ロットのセンサを用いて、以下の測定を行った。
b)試料の調製
抗凝固剤としてヘパリンを加えた人の血液に、既知濃度のCRP溶液を加えることにより、CRP濃度0.6mg/dL、5mg/dLの血液を調整した。また、ヘマトクリット値および総タンパク質濃度を、20%・4g/dL、30%・5.5g/dL、40%・7g/dL、50%・8.5g/dL、60%・10g/dL、30%・8.5g/dL、50%・5.5g/dLに調整した。
c)免疫クロマトセンサ上の呈色度合の測定
免疫クロマトセンサの試料添加部分に、b)にて調整したCRPを含む全血を5μL程度添加して、前記実施例1と同様の方法によりCRP濃度の測定値を算出した。
d)ヘマトクリット値および総タンパク質濃度による影響を補正する数式の導出
図6に示す、パラメータ収集部30の照射部31および受光部32を用いて、展開層上の任意の区間における液体試料の展開時間と、試薬固定化部I3およびII4における吸光度を測定し、展開時間とCRP濃度の真値からの乖離度の関係をみた。乖離度を算出する際のCRP濃度の真値は、b)にて調整した液体試料をあらかじめ分注しておき、市販測定装置(日立7020:日立製作所製)を用いて測定した。まず、液体試料の展開速度を算出した。次に、試薬固定化部I3およびII4における吸光度を予め作成しておいた検量線に代入して、予測されるCRP濃度を算出し、この測定に用いた血液試料のCRP濃度の真値からの乖離度を求めた。この展開速度と乖離度との関係を図10に示す。展開速度の速い場合は、反応部において試料中の被検査物質であるCRPの通過量が多くなるため、測定値はCRP濃度の真値に比べて高値となり、一方、展開速度が遅い場合は、反応部において試料中の被検査物質であるCRPの通過量が少なくなるため、測定値はCRP濃度の真値に比べて低値となる傾向がある。
展開速度と乖離度との相関式を基にして、展開速度からCRP濃度の測定値を補正する数式を導いた。CRP濃度の測定値をZ、展開速度をxとすると、CRP濃度の分析値Yを求める補正式は、下記の式5で表される。
Y=Z÷{1+(1.2825Ln(x)−2.57000)} 式5
e)ヘマトクリット値および総タンパク質濃度による影響の補正
測定値補正部50にて、CRP濃度の測定値を補正して、CRP濃度の分析値を求めた結果を図15に示した。図15は、補正前と補正後の測定結果の乖離度分布図であり、横軸は乖離度、縦軸は検体数を示す。補正前は、液体試料の性状の個体差による影響を受けて、大きく乖離していた。それに対して、ヘマトクリット値および総タンパク質濃度の影響による補正を行った場合には、補正効果が明瞭に認められた。この補正方法を用いることで、より正確な測定が可能になることが伺える。
(パラメータに基づいた複数の検量線にて補正した全血CRPの定量)
ニトロセルロース膜上に抗CRP抗体Aを固定化した試薬固定化部I、及び抗CRP抗体Bを固定化した試薬固定化部II、さらに抗CRP抗体Cと金コロイドとの複合体(標識試薬)を保持した標識試薬部、を含む分析素子である免疫クロマトセンサを製造した。この免疫クロマトセンサを図2,3に示す。この免疫クロマトセンサは、次のようにして製造した。
a)免疫クロマトセンサの調製
前記実施例1において用いた免疫クロマトセンサと同一ロットのセンサを用いて、以下の測定を行った。
b)試料の調製
抗凝固剤としてヘパリンを加えた人の血液に、既知濃度のCRP溶液を加えることにより、CRP濃度0.6mg/dL、5mg/dLの血液を調整した。また、ヘマトクリットおよび総タンパク質濃度を、20%・4g/dL、30%・5.5g/dL、40%・7g/dL、50%・8.5g/dL、60%・10g/dL、30%・8.5g/dL、50%・5.5g/dLに調整した。
c)免疫クロマトセンサ上の呈色度合の測定
免疫クロマトセンサの試料添加部分に、b)にて調整したCRPを含む全血を5μL程度添加して、前記実施例1と同様の方法により、前記シグナル測定部20にて試薬固定化部3,4における反射吸光度を測定した。
d)ヘマトクリット値および総タンパク質濃度による影響を補正する数式の導出
図6に示すパラメータ収集部30の照射部31および受光部32を用いて、展開層上の任意の区間における液体試料の展開時間と、試薬固定化部I3およびII4における反射吸光度を測定し、一定の展開速度毎に、反射吸光度とCRP濃度の真値との関係をみた。CRP濃度の真値は、b)にて調整した液体試料をあらかじめ分注しておき、市販測定装置(日立7020:日立製作所製)を用いて測定した。反射吸光度とCRP濃度の真値との関係から、一定の展開速度毎に複数の検量線を用意した。反射吸光度をzとすると、CRP濃度の分析値Yを求める試薬固定化部Iの検量線は、一定の展開速度毎に、下記の式6〜10で表される。
展開速度0.100mm/s未満の場合;
Y=10{(Log(z)-0.1363)/-0.5663} 式6
展開速度0.100mm/s以上0.110mm/s未満の場合;
Y=10{(Log(z)-0.2642)/-0.4162} 式7
展開速度0.110mm/s以上0.120mm/s未満の場合;
Y=10{(Log(z)-0.3185)/-0.4628} 式8
展開速度0.120mm/s以上0.130mm/s未満の場合;
Y=10{(Log(z)-0.3661)/-0.3937} 式9
展開速度0.130mm/s以上の場合;
Y=10{(Log(z)-0.4168)/-0.3233} 式10
e)ヘマトクリット値および総タンパク質濃度による影響の補正
アルゴリズム選択部80により、展開速度に基づいて、アルゴリズム保持部40に保持してある複数の検量線のいずれかを選択し、該演算処理部90にて該選択された検量線に、シグナル測定部20にて得られたシグナル(反射吸光度)を代入することで、CRP濃度の分析値を求めた結果を図16に示した。図16は、補正なしと補正ありの測定結果の乖離度の分布を示す。横軸はCRP濃度の真値、縦軸はCRP濃度の真値からの乖離度を示す。補正なしの場合は、液体試料の性状の個体差による影響を受けて、大きく乖離していた。それに対して、パラメータに基づいた複数の検量線を用いた補正ありの場合には、補正効果が明瞭に認められた。この補正方法を用いることで、より正確な測定が可能になることが伺える。
(液体試料の種類による影響を補正したhCGの定量)
ニトロセルロース膜上に抗hCG抗体Aを固定化した試薬固定化部I及び抗hCG抗体Bを固定化した試薬固定化部II、さらに抗hCG抗体Cと金コロイドとの複合体(標識試薬)を保持した標識試薬部を含む分析素子である免疫クロマトセンサを製造した。この免疫クロマトセンサを図2,3に示す。図中、免疫クロマトセンサは、抗体が固定化された試薬固定化部I3、試薬固定化部II4と、それよりも液体試料を添加する添加部分に近い部分にある、抗hCG抗体Cと金コロイドとの複合体が含有された領域である標識試薬部2と、試料添加部6とを含む。この免疫クロマトセンサは、次のようにして製造した。
a)免疫クロマトセンサの調製
リン酸緩衝溶液にて希釈して濃度調整をした抗hCG抗体A溶液を準備した。この抗体溶液は溶液吐出装置を用いて、ニトロセルロース膜上に塗布した。これにより、ニトロセルロース膜上に試薬固定化部である固定化抗体ラインI3が得られた。次に同様にして、試料添加部より下流側に2mm離れた部分に、抗hCG抗体B溶液を塗布した。このニトロセルロース膜を乾燥後、1%スキムミルクを含有するTris−HCl緩衝溶液中に浸漬して30分間緩やかに振った。30分後、Tris−HCl緩衝溶液槽に膜を移動し、10分間緩やかに振った後に、別のTris−HCl緩衝溶液槽にて更に10分間緩やかに振り、膜の洗浄を行なった。次に、0.05%シュクロースモノラウレートを含有するTris−HCl緩衝溶液中に浸漬して10分間緩やかに振った後に、膜を液槽から取り出して、室温で乾燥させた。これにより、ニトロセルロース膜上に試薬固定化部である固定化抗体ラインI3、および固定化抗体ラインII4が得られた。
金コロイドは、還流中の0.01%塩化金酸100℃溶液に1%クエン酸3ナトリウム溶液を加えることによって調製した。還流を15分間続けた後に、室温放置にて冷却した。0.2Mの炭酸カリウム溶液によって、pH8.9に調製した前記金コロイド溶液に、抗hCG抗体Cを加えて数分間攪拌した後に、pH8.9の10%BSA(牛血清アルブミン)溶液を最終1%になる量だけ加えて攪拌することで、抗体−金コロイド複合体(標識抗体)を調製した。前記標識抗体溶液を4℃、20000Gで50分間遠心分離することによって、標識抗体を単離して、それを洗浄緩衝液(1%BSA5%スクロース・リン酸緩衝液)中に懸濁した後に、前記遠心分離を行って、標識抗体を洗浄単離した。この標識抗体を洗浄緩衝液で懸濁して、0.8μmのフィルタにて濾過した後に、520nmの吸光度が150となるように調製して、4℃で貯蔵した。前記標識抗体溶液を溶液吐出装置にセットして、固定化抗hCG抗体A及び固定化抗hCG抗体Bが塗布された乾燥膜上の固定化ラインI及び固定化ラインIIから離れた、液体試料添加開始方向から順番に、標識抗体、固定化ラインI、固定化ラインIIの位置関係になるように塗布した後に、膜を真空凍結乾燥させた。これによって、試薬固定化部および標識試薬部を備えた反応層担体が得られた。
次に、調製された標識試薬を含む反応層担体を、厚さ0.5mmの白色PETからなる基板8上に貼り付け、標識試薬部2から終端部分にかけて、透明テープを貼り付けた。その後、レーザーを用いて、2.0mmの幅に切断した。切断後、透明テープを貼り付けない始端部分上に、厚さ100μmの透明PETを積層させて作製した微細空間形成材9を貼り付け、微細空間(幅2.0mm×長さ7.0mm×高さ0.3mm)6を形成した。前記空間形成材9はあらかじめ10%塩化カリウム水溶液を添加した後に、液体窒素にて直ちに凍結し、凍結乾燥を行い、これによって、塩化カリウムが乾燥状態で保持された細胞収縮剤を保持する空間形成材を作製したものである。こうして免疫クロマトセンサを製造した。
b)試料の調製
抗凝固剤としてヘパリンを加えた人の血液に、既知濃度のhCG溶液を加えることにより、hCG濃度100U/L、1000U/L、10000U/Lの血液を調整した。この血液中の総タンパク質濃度は7.5g/dLとし、ヘマトクリット値を20%、30%、40%、50%に調製した。
また、人の血漿に、既知濃度のhCG溶液を加えることにより、hCG濃度100U/L、1000U/L、10000U/Lの血漿を調整した。この総タンパク質濃度は2.5g/dL、5g/dL、7.5g/dL、10g/d L、12.5g/dLに調製した。
更に、ヒト尿に、既知濃度のhCG溶液を加えることにより、hCG濃度100U/L、1000U/L、10000U/Lの尿を調整した。
以上により、各液体試料溶液を調整した。
c)免疫クロマトセンサ上の呈色度合の測定
免疫クロマトセンサの試料添加部分に、b)にて調整したhCGを含む各液体試料溶液を5μL程度添加して、前記実施例1と同様の方法により、前記シグナル測定部20にて試薬固定化部3,4における反射吸光度を測定した。
d)液体試料の種類を識別するアルゴリズムの導出
(実施例1)d)の検知区間の検討において、展開速度と乖離度との相関が最も大きかった流路の始端から半ばまでの20.0mmを検知区間として、この検知区間の各液体試料により異なる展開速度の関係から液体試料識別アルゴリズムを導出した。
各液体試料毎の展開速度は図21に示す。この図からわかるように、尿・血漿・全血によって展開速度は全く異なる。この図より、検知区間の展開速度が0.45mm/s以上であれば尿、0.29〜0.45mm/sまでの間であれば血漿、0.29mm/s未満であれば全血と液体試料を識別する液体試料識別アルゴリズムを導出した。
e)液体試料が尿と識別した場合の尿中hCG濃度の測定
尿中hCG濃度の測定について、図22(a)を用いて説明する。
まず始めに、アルゴリズム選択部80にて、アルゴリズム保持部40にある液体試料識別アルゴリズム110を選択、液体試料識別アルゴリズムによって液体試料を尿と識別した。次に、アルゴリズム選択部80にて、アルゴリズム保持部40にある尿用検量線を選択し、演算処理部90にて、尿中hCG濃度を算出した。
次にアルゴリズム選択部80は、hCG濃度の測定値に基づいて前記アルゴリズム保持部40に保持してある補正式のいずれかを選択し、該測定値補正部50にて、該選択された補正式にパラメータと測定値を代入することで、hCG濃度の測定値を補正し、hCG濃度の分析値を求めた。このフロー図は、図22(c)に示した。図23に、補正前と補正後の乖離度の分布を示した。横軸はhCG濃度の真値、縦軸は乖離度を示す。補正前は、尿の展開速度の相違の場合に大きく乖離していた。それに対して、補正を行った場合には、乖離度が顕著に減少し、充分な補正効果が示された。この補正方法を用いることで、より正確な測定が可能になることが伺える。
f)液体試料が血漿と識別した場合の総タンパク質濃度による影響の補正
血漿hCG濃度の測定について、図22(a)を用いて説明する。
まず始めに、アルゴリズム選択部80にて、アルゴリズム保持部40にある液体試料識別アルゴリズム110を選択、液体試料識別アルゴリズムによって液体試料を血漿と識別した。次に、アルゴリズム選択部80にて、アルゴリズム保持部40にある血漿用検量線を選択し、演算処理部90にて、血漿中のhCG濃度を算出した。
次にアルゴリズム選択部80は、hCG濃度の測定値に基づいて前記アルゴリズム保持部40に保持してある補正式のいずれかを選択し、該測定値補正部50にて、該選択された補正式にパラメータと測定値を代入することで、hCG濃度の測定値を補正し、hCG濃度の分析値を求めた。このフロー図は、図22(c)に示した。図24に、補正前と補正後の乖離度の分布を示した。横軸はhCG濃度の真値、縦軸は乖離度を示す。補正前は、総タンパク質濃度が低値や高値の場合にかなり大きく乖離していた。それに対して、補正を行った場合には、乖離度が顕著に減少し、充分な補正効果が示された。この補正方法を用いることで、より正確な測定が可能になることが伺える。
g)液体試料が血液と識別した場合のヘマトクリット値による影響の補正
血液hCG濃度の測定について、図22(a)を用いて説明する。
まず始めに、アルゴリズム選択部80にて、アルゴリズム保持部40にある液体試料識別アルゴリズム110を選択、液体試料識別アルゴリズムによって液体試料を全血と識別した。次に、アルゴリズム選択部80にて、アルゴリズム保持部40にある全血用検量線を選択し、演算処理部90にて、血液中のhCG濃度を算出した。
次にアルゴリズム選択部80は、hCG濃度の測定値に基づいて前記アルゴリズム保持部40に保持してある補正式のいずれかを選択し、該測定値補正部50にて、該選択された補正式にパラメータと測定値を代入することで、hCG濃度の測定値を補正し、hCG濃度の分析値を求めた。このフロー図は、図22(c)に示した。図25には、補正前と補正後の乖離度の分布を示した。横軸はhCG濃度の真値、縦軸は乖離度を示す。補正前は、ヘマトクリットが低値の場合にかなり大きく乖離していた。それに対して、補正を行った場合には、乖離度が顕著に減少し、充分な補正効果が示された。この補正方法を用いることで、より正確な測定が可能になることが伺える。
尚、図22(a)(b)の概念図や図22(c)のフロー図はあくまで一例であり、他の概念やフロー図でも何ら問題はない。
以上のように、本実施例6を用いれば、液体試料の種類を問わずクロマト試験片を用いた定量測定が可能であり、各液体試料の特性に応じた検量線や補正式が備えられており、いずれの液体試料を用いても自動的に液体試料を識別し、高精度な定量測定を実現することができる。
なお、前記実施例1〜5においては、同一ニトロセルロース膜上に標識試薬部と試薬固定化部を設けたセンサを用いたが、ニトロセルロースとは異なる材質の、例えば不織布のような多孔質担体に標識試薬を担持したものを支持体上に配しても何ら問題はない。標識試薬を構成する標識物としては、金コロイドを用いて例を示したが、着色物質、蛍光物質、燐光物質、発光物質、酸化還元物質、酵素、核酸、小胞体でもよく、反応の前後において何らかの変化が生じるものであれば何を用いてもよい。
さらに、前記実施例1〜5においては、標識試薬が1カ所であり、試薬固定化部が複数の例で示したが、標識試薬も必ずしも1カ所である必要性はなく、複数の試薬固定化部と複数の試薬の組合せにより構成することもできる。例えば、複数の試薬固定化部を設ける場合は、各試薬固定化部の上流側に各々標識試薬部を備える構成を取ることも可能であり、製造上の工法は複雑になるが、任意の位置に任意の数で設置できることはいうまでもない。
また、測定される液体試料としては、例えば、水や水溶液、尿、血漿、血清、唾液などの体液、固体および粉末や気体を溶かした溶液などがあり、その用途としては、例えば、血液検査や尿検査、水質検査、便検査、土壌分析、食品分析などがある。また、被検査物質としてc反応性タンパク質(CRP)を例として実施例を述べたが、抗体、免疫グロブリン、ホルモン、酵素及びペプチドなどのタンパク質及びタンパク質誘導体や、細菌、ウイルス、真菌類、マイコプラズマ、寄生虫ならびにそれらの産物及び成分などの感染性物質、治療薬及び乱用薬物などの薬物及び腫瘍マーカーが挙げられる。具体的には、例えば、絨毛性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体ホルモン(LH)、甲状腺刺激ホルモン、濾胞形成ホルモン、副甲状腺刺激ホルモン、副腎脂質刺激ホルモン、エストラジオール、前立腺特異抗原、B型肝炎表面抗体、ミオグロビン、CRP、心筋トロポニン、HbA1c、アルブミン等でも何ら問題はない。また、水質検査や土壌分析などの環境分析、食品分析などにも実施可能である。簡便かつ迅速で、高感度・高性能な測定が実現でき、また、いつでもどこでも誰でも測定が可能であるため、POCT向けの分析装置としても利用できる。
本発明の分析装置は、例えば、抗原抗体反応のような任意の反応に基づいて、液体試料中の被検査物質を分析検出し、定量または半定量する際に、簡便かつ迅速で、高感度・高性能な測定が実現でき、また、いつでもどこでも誰でも測定が可能であるため、POCT向けの分析装置として有用である。
図1は、本実施の形態1にかかる分析装置の概念図である。 図2は、本実施の形態1によるクロマトグラフィを利用した分析素子を示す分解図である。 図3は、本実施の形態1によるクロマトグラフィを利用した分析素子を示す斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる分析素子上の試薬固定化部における、標識試薬由来のシグナルを測定するためのシグナル測定部を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態1にかかるシグナル測定部により得られる、分析素子上の試薬固定化部IおよびIIにおける呈色反応を読み取った結果を模式的に示した図である。 図6は、本発明の実施の形態1にかかる分析素子上に展開された液体試料からパラメータを収集するパラメータ収集部を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1にかかる分析素子上の、時間の経過による液体試料の展開状況を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1にかかる分析素子上の検知部における液体試料到達前後の光学的変化を示す図である。 図9は、本実施の形態1にかかる補正方法の概念図である。 図10は、本発明の実施例1における液体試料の展開速度と真値からの乖離度との関係を示す図である。 図11は、本発明の実施例1におけるヘマトクリット値差要因に対する、補正前後のCV(%)値を示す図である。 図12は、本発明の実施例1におけるヘマトクリット値差要因に対する、補正前後の、真値からの乖離度を示す分布図である。 図13は、本発明の実施例2における総タンパク質濃度差要因に対する、補正前後の、真値からの乖離度を示す分布図である。 図14は、本発明の実施例3における液体試料の添加量不足要因に対する、補正前後の、真値からの乖離度を示す分布図である。 図15は、本発明の実施例4におけるヘマトクリット値及び総タンパク質濃度差要因に対する、補正前後の、真値からの乖離度を示す分布図である。 図16は、本発明の実施例5における複数の検量線を用いた補正ありと、補正なしの、真値からの乖離度を示す分布図である。 図17は、本発明の実施の形態1にかかる液体試料が全血の場合のヘマトクリット値と液体試料の展開速度との関係を示す図である。 図18は、本発明の実施の形態1にかかる液体試料が血漿の場合の総タンパク質濃度と液体試料の展開速度との関係を示す図である。 図19は、本発明の実施の形態1にかかる液体試料の添加量と液体試料の展開速度との関係を示す図である。 図20は、本発明の実施例1におけるCRP定量のフロー図である。 図21は、本発明の実施例6における液体試料毎の展開速度を示す図である。 図22(a)は、本発明の実施例6におけるhCG定量の概念図である。 図22(b)は、本発明の実施例6におけるhCG定量の概念図である。 図22(c)は、本発明の実施例6におけるhCG定量のフロー図である。 図23は、本発明の実施例6における液体試料が尿の場合の、補正前後の、真値からの乖離度を示す分布図である。 図24は、本発明の実施例6における液体試料が血漿の場合の、補正前後の、真値からの乖離度を示す分布図である。 図25は、本発明の実施例6における液体試料が全血の場合の、補正前後の、真値からの乖離度を示す分布図である。
符号の説明
1 展開層(流路)
2 標識試薬部
3 試薬固定化部I
4 試薬固定化部II
5 液体不透過性シート材
6 微細空間(試料添加部)
7 開放部
8 基板
9 微細空間形成材
10 細胞成分収縮試薬
13 検知部
14 液体試料
20 シグナル測定部
21,31 照射部
22,32 受光部
30 パラメータ収集部
40 アルゴリズム保持部
50 測定値補正部
60 分析装置
70 測定値算出部
80 アルゴリズム選択部
90 演算処理部
100 分析素子
110 液体試料識別アルゴリズム
120 測定値補正アルゴリズム
130 液体試料識別アルゴリズム選択
140 測定値補正アルゴリズム選択
150 検量線
160 検量線選択

Claims (1)

  1. 液体試料を分析素子上の流路に展開させて該液体試料中の被検査物質を測定する分析装置において、
    前記流路上での前記液体試料中の被検査物質の反応に基づくシグナルを測定するシグナル測定部と、前記流路に展開された前記液体試料から前記被検査物質の測定誤差に及ぼす影響度合を示すパラメータを収集するパラメータ収集部と、前記パラメータと前記シグナルと前記被検査物質の真値との関係からなるアルゴリズムをあらかじめ保持するアルゴリズム保持部と、前記パラメータに基づいて、前記シグナルより前記被検査物質の分析値を演算処理する演算処理部とを備え、
    前記演算処理部は、前記アルゴリズム保持部より前記アルゴリズムを読み出し、該読み出したアルゴリズムを用いて、前記パラメータ収集部にて得たパラメータに基づき前記被検査物質の測定誤差を補正した該被検査物質の分析値を求める分析装置において、
    前記パラメータは、前記液体試料が前記流路を展開するときの展開速度、または展開時間、または展開距離のいずれかであることを特徴とする分析装置。
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