JP5012109B2 - 中空糸膜モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、中空糸膜モジュールに関するものである。
中空糸膜モジュールは、膜分離作用が利用される各種分野(浄水器など)に用いられている。特に、近年においては、燃料電池におけるイオン交換膜を保湿するための加湿装置としての利用が注目されている。
ここで、中空糸膜モジュールにおいては、ケース内に収納される中空糸膜全体の膜面積に対して、活用される膜面積の割合を如何に大きくすることができるかが重要な課題の一つである。これは、加湿用の中空糸膜モジュールの場合には、加湿効率に大きく影響する。加湿用の中空糸膜モジュールなどに採用されるクロスフロー分離の場合には、中空糸膜の外壁面側を流れる流体の流れ方が上記課題に大きな影響を与え、流体の流れをケース内で如何に均一にさせることができるかが特に重要な課題である。
かかる流体の流れをケース内でより均一にさせるためには、ケースの形状が円筒のものよりも直方体のものを用いる方が良い。この点について、図11及び図12を参照して説明する。図11は従来例に係る中空糸膜モジュールを正面側から見た場合における流体の流れを説明する図である。なお、図11は正面側から見た場合の半断面図(上半分が正面図で下半分が断面図)によって流体の流れを示している。図12は従来例に係る中空糸膜モジュールを側面側から見た場合における流体の流れを説明する図である。
中空糸膜モジュール300は、複数の中空糸膜が束ねられた中空糸膜束320と、中空糸膜束320を収納するケース310とを備えている。ケース310は断面が略四角形の筒状部を有する略直方体形状の部材により構成されている。そして、ケース310の胴体部のうち、互いに対向する一対の面のうちの一方の面に流体の入口となる開口部311が形成され、他方の面に流体の出口となる開口部312が形成されている。また、入口となる開口部311はケース310の一端側に形成され、出口となる開口部312はケース310の他端側に形成されている。
このように構成される中空糸膜モジュール300の場合、開口部311から入った流体は、中空糸膜束320を横切るようにして流れ、開口部312から出て行く(図中矢印Z参照)。ケースが円筒状の中空糸膜モジュールの場合には、中空糸膜束の中心付近の流量と束の外側付近の流量とにばらつきが生じ易いのに対して、ケース310が略直方体形状の中空糸膜モジュール300の場合には、中空糸膜束の中心付近の流量と束の外側付近の流量とのばらつきを抑制することができる。従って、ケースの形状が直方体のものの方が円筒のものよりも、ケース内に収納される中空糸膜全体の膜面積に対して、活用される膜面積の割合を大きくすることができる。
しかしながら、上記のように構成される中空糸膜モジュール300においても、入口となる開口部311の付近や、出口となる開口部312の付近で流体の流れが集中し易い。そのため、これらの開口部311,312から離れた位置では、流量が不十分になる領域がある。中空糸膜の伸びる方向に対して垂直方向に流れる流体の流量の割合を大きくことによって、活用される膜面積の割合を大きくすることができる。しかし、上記の中空糸膜モジュール300の場合には、未だ、中空糸膜の伸びる方向に平行に流れる流体の流量の割合を十分に小さくすることはできていない。
また、上記の中空糸膜モジュール300の場合には、中空糸膜束320をケース310内に単に充填させているだけなので、ケース310の内壁面と中空糸膜束320との間の隙間を流れてしまう流体の流れ(図12中矢印Z1参照)を十分に抑制できていない。
さらに、入口となる開口部付近では、流体の流れが集中し易いが故に、中空糸膜が受ける衝撃も大きく、中空糸膜が破損してしまい易いという問題もある。
例えば、燃料電池用の加湿装置として用いられる場合、車載用では4000NL/分程度、定置用では10〜1000NL/分程度の流体が中空糸膜モジュール内を流れる。そこで、中空糸膜モジュールに流体を流し込むために中空糸膜モジュールに接続される配管は、圧力損失を低くするために、その内径が12〜60mmと、太いものが用いられる。
そのため、多量の流体が中空糸膜モジュールのケース内に流れ込むことになり、中空糸膜のうち流体の供給部付近に、局所的に大きな流体圧力が作用してしまう。その結果、ケース内における流体の流れが不均一になってしまったり、中空糸膜が損傷してしまったりする原因となる場合がある。
なお、関連する技術としては、特許文献1〜3に開示されたものがある。
特開2005−224719号公報 特開2004−6100号公報 特開2005−34715号公報
本発明の目的は、活用される膜面積の割合の増加を図った中空糸膜モジュールを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の中空糸膜モジュールは、
複数の中空糸膜が束ねられた中空糸膜束と、
該中空糸膜束を収納する筒状のケースと、
各中空糸膜の中空内部が開放するように、前記ケースの一端側と他端側で前記中空糸膜束の端部をそれぞれ封止固定する封止固定部と、
を備え、
前記ケースの胴体部には、ケース内の中空糸膜の外壁面側を通る流路の入口となる開口部がケースの一端側に形成され、かつ、出口となる開口部がケースの他端側に形成される中空糸膜モジュールにおいて、
前記ケースは、互いに対向する一対の面、及びこれらの面同士を連結する一対の側面を備え、
前記入口となる開口部は前記対向する一対の面のうちの一方の面に形成され、前記出口となる開口部は他方の面に形成されると共に、
前記対向する一対の面のうちの一方の面と中空糸膜束との間、及び他方の面と中空糸膜束との間には、ケースの一端側から他端側に至る方向の領域において前記封止固定部が設けられた部分を除く領域に隙間が設けられ、かつ、前記一対の側面と中空糸膜束との間は隙間なく構成され
前記対向する一対の面のうちの一方の面と中空糸膜束との間の隙間、及び他方の面と中空糸膜束との間の隙間には、これらの隙間の間隔を一定以上維持させると共に、流体の流れをケースの一端側から他端側に向かって整わせる整流板がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、対向する一対の面のうちの一方の面側から入った流体が、他方の面側に流れていくので、中空糸膜束の中心付近の流量と束の外側付近の流量とのばらつきを抑制することができる。そして、対向する一対の面のうちの一方の面と中空糸膜束との間に設けられた隙間によって、入口となる開口部から入った流体は、ケースの一端側から他端
側に至る略全域を、あまり抵抗を受けることなく流れることができる。また、対向する一対の面のうちの他方の面と中空糸膜束との間に設けられた隙間によって、出口となる開口部に向かう流体も、ケースの一端側から他端側に至る略全域を、あまり抵抗を受けることなく流れることができる。これにより、入口となる開口部付近や出口となる開口部付近に流体の流れが集中することを緩和することができる。そのため、ケースの一端側から他端側に至る全領域において、中空糸膜の伸びる方向に対して垂直方向に流れる流体の割合を大きくすることができる。以上のことから、ケース内に収納される中空糸膜全体の膜面積に対して、活用される膜面積の割合を大きくすることができる。また、一対の側面と中空糸膜束との間は隙間なく構成されるので、流体が中空糸膜束の側面側から中空糸膜束内を通らずに出口となる開口部から出てしまうことを抑制できる。更に、整流板により、入口となる開口部から入った流体及び出口となる開口部に向かう流体が、ケースの一端側から他端側に至る略全域に対して、より抵抗を受けることなく流れるようにすることができる。
前記対向する一対の面のうちの一方の面と中空糸膜束との間、及び他方の面と中空糸膜束との間のうち、中空糸膜束の幅方向の両端部は隙間なく構成されるとよい。
これにより、流体が中空糸膜束の側面側から中空糸膜束内を通らずに出口となる開口部から出てしまうことを効果的に抑制できる。
前記入口となる開口部及び出口となる開口部は、その幅方向の領域が、隙間が設けられている部分の幅領域の略全域となるように形成されているとよい。
これにより、中空糸膜束の幅方向中央付近の流量と両側付近の流量とのばらつきを抑制することができる。
前記入口となる開口部を流れる流体の流路上であってケース外部と中空糸膜束との間の位置に、ケース内外に通じる複数の孔を有し、かつ流体の衝撃を緩衝する緩衝部材を備えると好適である。
これにより、入口となる開口部からケース内に入っていく流体の衝撃は、緩衝部材により緩衝される。また、緩衝部材に設けられている複数の孔によって、流体は分散しながら中空糸膜束内へと導かれる。従って、衝撃を緩衝しつつ、中空糸膜束における入口付近の部分も有効に活用される。
前記緩衝部材はメッシュ状の部材であり、該メッシュ状の部材の孔の直径は0.2mm以上6.0mm以下であるとよい。
また、前記緩衝部材はメッシュ状の部材であり、該メッシュ状の部材の空隙率は、40%以上98%以下であると好適である。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、活用される膜面積の割合の増加を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図7を参照して、本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールについて説明する。
<中空糸膜モジュールの構成>
図1〜図4を参照して、本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの構成について説明する。図1は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す断面図である。図2は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの正面側から見た半断面図(上半分が正面図で下半分が断面図)である。図3は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールを中空糸膜に平行に切断した断面図である。なお、図3は図2中のAA断面図である。図4は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールを中空糸膜に垂直に切断した断面図である。なお、図4は図2においてBBで切断した断面に相当する断面図である。
本実施例に係る中空糸膜モジュール100は、複数の中空糸膜が束ねられた中空糸膜束20と、中空糸膜束20を収納するケース10とを備えている。そして、中空糸膜束20の両端部は、各中空糸膜の中空内部が開放するように、ケース10の両端側でそれぞれ封止固定されている。図中、31,32は封止固定部(ポッティング部)である。
ケース10は、断面が略四角形の筒状部を有する略直方体形状の部材により構成されている。このケース10は、互いに対向する一対の面(一方の面10aと他方の面10b)と、これらの面同士を連結する一対の側面10c,10dとを備えている。そして、ケース10の一方の面10aに流体の入口となる開口部11が形成され、他方の面10bに流体の出口となる開口部12が形成されている。また、入口となる開口部11はケース10の一端側に形成され、出口となる開口部12はケース10の他端側に形成されている。
そして、一方の面10aと中空糸膜束20との間には、隙間S1が設けられている。また、他方の面10bと中空糸膜束20との間にも、隙間S2が設けられている。これらの隙間S1,S2は、ケース10の一端側から他端側に至る方向の領域において、封止固定部31,32が設けられた部分を除く領域に設けられている(図1及び図3参照)。
これに対して、一対の側面10c,10dと中空糸膜束20との間は隙間なく構成されている。また、一方の面10aと中空糸膜束20との間、及び他方の面10bと中空糸膜束20との間においても、中空糸膜束20の幅方向の両端部は隙間なく構成されている(図4参照)。
また、一方の面10aと中空糸膜束20との間、及び他方の面10bと中空糸膜束20との間の隙間S1,S2には、これらの隙間S1,S2の間隔を一定以上維持させると共に、流体の流れをケース10の一端側から他端側に向かって整わせる整流板40がそれぞれ設けられている。本実施例では、各隙間S1,S2に3枚ずつ整流板40が設けられて
いる。
また、本実施例においては、開口部11,12は、その幅方向の領域Wが、隙間S1,S2が設けられている部分の幅領域の略全域となるように形成されている(図4参照)。
以上のように構成される中空糸膜モジュール100は、その両端側にそれぞれヘッド201,202が装着された状態で用いられる。ヘッド201,202には、それぞれ2つの開口部201a,201b,202a,202bが設けられている。
そして、ヘッド201の開口部201aからケース10の開口部11を通ってケース10内に入った流体は、中空糸膜の外壁面側を流れて、ケース10の開口部12を通り、ヘッド202の開口部202aから出て行く(図1中、矢印X参照)。また、ヘッド202の開口部202bから入った流体は、ケース10の他端側から中空糸膜束20の各中空糸膜の中空内部を通り、ケース10の一端側から出て、ヘッド201の開口部201bから出て行く(図1中、矢印Y参照)。
このように、中空糸膜の中空内部を通る流路と、中空糸膜の外壁面側を通る流路が形成され、中空糸膜の膜によって、クロスフローによる膜分離がなされる。中空糸膜モジュール100が加湿用に用いられる場合には、中空糸膜の素材として親水性のものが用いられる。これにより、一方の流路に加湿対象の気体を流し、他方の流路に水蒸気などを流すことによって、膜分離作用により水分が一方の流路側に移動し、加湿対象気体を加湿させることができる。
なお、図1に示すように、開口部11の両側、及び開口部12の両側には、それぞれシールリングO1,O3,O2,O4が装着されている。これにより、各流路間あるいは外部に流体が漏れてしまうことを防止できる。
<本実施例に係る中空糸膜モジュールの優れた点>
特に、図5〜図7を参照して、本実施例に係る中空糸膜モジュール100の優れた点について説明する。図5〜図7はいずれも中空糸膜の外壁面側を流れる流体の流れ方を説明する図である。なお、図5は図2に、図6は図3に、図7は図4に、それぞれ対応している。これらの図中矢印Xは、中空糸膜の外壁面側を流れる流体の流れ方を示している。
本実施例に係る中空糸膜モジュール100によれば、対向する一対の面のうちの一方の面10a側から入った流体が、他方の面10b側に流れていくので、中空糸膜束20の中心付近の流量と束の外側付近の流量とのばらつきを抑制することができる。
そして、一方の面10aと中空糸膜束20との間に設けられた隙間S1によって、入口となる開口部11から入った流体は、ケース10の一端側から他端側に至る略全域を、あまり抵抗を受けることなく流れることができる。また、他方の面10bと中空糸膜束20との間に設けられた隙間S2によって、出口となる開口部12に向かう流体も、ケース10の一端側から他端側に至る略全域を、あまり抵抗を受けることなく流れることができる(図5、図6参照)。なお、隙間S1,S2の間隔は、それぞれ中空糸膜束20の厚み(入口側表面から出口側表面までの距離)の10〜20%に設定すると好適である。
これにより、入口となる開口部11付近や出口となる開口部12付近に流体の流れが集中することを緩和することができる。そのため、ケース10の一端側から他端側に至る全領域において、中空糸膜の伸びる方向に対して垂直方向に流れる流体の割合を大きくすることができる。
以上のことから、ケース10内に収納される中空糸膜全体の膜面積に対して、活用される膜面積の割合を大きくすることができる。これにより、本実施例に係る中空糸膜モジュール100を加湿用に用いれば、加湿効率を高めることができる。また、これに伴い、中空糸膜モジュール100の小型化を図ることができる。特に、燃料電池における各燃料ガス(水素、酸素、空気など)を加湿するための装置には、小型化が要求されることが多く、本実施例に係る中空糸膜モジュール100を好適に利用することができる。
また、一対の側面10c,10dと中空糸膜束20との間は隙間なく構成されるので、流体が中空糸膜束20の側面側から中空糸膜束内を通らずに出口となる開口部12から出てしまうことを抑制できる(図7参照)。
特に、本実施例では、一方の面10aと中空糸膜束20との間、及び他方の面10bと中空糸膜束20との間のうち、中空糸膜束20の幅方向の両端部も隙間なく構成される。従って、流体が中空糸膜束20の側面側から中空糸膜束20内を通らずに出口となる開口部12から出てしまうことを効果的に抑制できる(図7参照)。
また、本実施例では、整流板40を設けたことによって、入口となる開口部11から入った流体及び出口となる開口部12に向かう流体が、ケース10の一端側から他端側に至る略全域に対して、より抵抗なく流れるようにすることができる。なお、整流板40の長手方向(中空糸膜の伸びる方向)の長さは、開口部11,12間の長手方向の長さの40〜95%に設定すると良い。
更に、入口となる開口部11及び出口となる開口部12は、その幅方向の領域Wが、隙間S1,S2が設けられている部分の幅領域の略全域となるように形成されている。従って、中空糸膜束20の幅方向中央付近の流量と両側付近の流量とのばらつきを抑制することができる。
なお、上述した中空糸膜モジュール100においては、中空糸膜束20における中空糸膜の有効長さ(封止固定部31,32の内壁面間距離に相当)を1とした場合、中空糸膜束20の横幅(図4における中空糸膜束20の横方向の幅)を0.40〜0.85,中空糸膜束20の厚みを0.10〜0.35とすると好適である。こうすることで、中空糸膜束20の内部を流体が流れる際の流体の圧力損失を抑制することができる。また、これに伴い、中空糸膜束20の内部における流体の流れを均一に保つことができる。
特に、中空糸膜束20の厚み(流体が中空糸膜束20を横切る際の距離にほぼ等しい)が厚すぎると、圧力損失が大きくなってしまう。これは、中空糸膜束20を流れる流体の流れの均一性を妨げる要因にもなる。そこで、上記のように寸法を設定することで、圧力損失を効果的に抑制することができる。
(実施例2)
図8〜図10には、本発明の実施例2が示されている。本実施例では、上記実施例1の構成に加え、ケースに形成された開口部付近に、流体の衝撃を緩衝する緩衝部材を設ける場合の構成について説明する。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
図8〜図10を参照して、本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールについて説明する。図8は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す断面図である。図9は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールの正面側から見た半断面図(上半分が正面図で下半分が断面図)である。図10は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールを中空糸膜に平行に切断した断面図である。なお、図10は図9中のCC断面図である。
本実施例に係る中空糸膜モジュール100aは、上記実施例1に係る中空糸膜モジュール100の構成に対して、更に、緩衝部材51が設けられている。この緩衝部材51は、入口となる開口部11を流れる流体の流路上であってケース10外部と中空糸膜束20との間の位置に設けられるべく、ケース10における一方の面10aの内壁面側に、開口部11を覆うように設けられている。
この緩衝部材51は、開口部11を通じてケース内外に通じる複数の孔を有することで、流体の流れを分散させつつ、流体の衝撃を緩衝するためのものである。この緩衝部材51の具体例としては、金属,樹脂,エラストマーなどにより構成されるメッシュ状の部材、あるいは、樹脂,エラストマー,セラミックスなどにより構成される多孔質体などを好適に適用できる。なお、材料は、開口部11を通る流体(気体や液体)に応じて、劣化しないものを適宜選択すればよい。
ここで、緩衝部材51としてメッシュ状の部材を用いる場合には、緩衝機能(流体の流れを分散させて、中空糸膜束20に対して直接的に流体が衝突するのを抑制する機能)と圧力損失(圧力損失は少ないほど良い)との兼ね合いから、メッシュの孔の直径は、0.2mm以上6.0mm以下とするのが望ましい。また、上記の兼ね合いから、メッシュの空隙率は、40%以上98%以下であることが望ましい。なお、メッシュの孔の直径が大きくなればなるほど緩衝機能は低くなり、メッシュの孔の直径が小さくなればなるほど圧力損失が大きくなる。また、メッシュの空隙率が高くなればなるほど緩衝機能は低くなり、メッシュの空隙率が低くなればなるほど圧力損失が大きくなる。
また、緩衝部材51の厚みが厚すぎると圧力損失が大きくなり、薄すぎると機械的な強度が低下してしまうため、適当な厚みに設定する必要がある。例えば、SUS製のメッシュの場合には0.3mm以上2mm以下、樹脂やエラストマー製のメッシュの場合には0.1mm以上1mm以下、樹脂やセラミックス製の多孔質体の場合には1mm以上3mm以下に設定すると好適である。
なお、本実施例においては、出口となる開口部12側にも、同様に、緩衝部材52が設けられている。これは、どちらが入口として利用されても良いようにするためである。
以上のように、本実施例に係る中空糸膜モジュール100aによれば、入口となる開口部11からケース10内に入っていく流体の衝撃は、緩衝部材51により緩衝される。また、緩衝部材51に設けられている複数の孔によって、流体は分散しながら中空糸膜束20の内部へと導かれる。従って、流れ込んでくる流体の衝撃を緩衝しつつ、中空糸膜束20における入口付近の部分も有効に活用される。
図1は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールの正面側から見た半断面図である。 図3は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールを中空糸膜に平行に切断した断面図である。 図4は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールを中空糸膜に垂直に切断した断面図である。 図5は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールにおける中空糸膜の外壁面側を流れる流体の流れ方を説明する図である。 図6は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールにおける中空糸膜の外壁面側を流れる流体の流れ方を説明する図である。 図7は本発明の実施例1に係る中空糸膜モジュールにおける中空糸膜の外壁面側を流れる流体の流れ方を説明する図である。 図8は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールの使用状態を示す断面図である。 図9は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールの正面側から見た半断面図である。 図10は本発明の実施例2に係る中空糸膜モジュールを中空糸膜に平行に切断した断面図である。 図11は従来例に係る中空糸膜モジュールを正面側から見た場合における流体の流れを説明する図である。 図12は従来例に係る中空糸膜モジュールを側面側から見た場合における流体の流れを説明する図である。
符号の説明
10 ケース
10a 一方の面
10b 他方の面
10c,10d 側面
11,12 開口部
20 中空糸膜束
31,32 封止固定部
40 整流板
51,52 緩衝部材
100,100a 中空糸膜モジュール
201,202 ヘッド
201a,201b,202a,202b 開口部
O1,O3,O2,O4 シールリング
S1,S2 隙間

Claims (7)

  1. 複数の中空糸膜が束ねられた中空糸膜束と、
    該中空糸膜束を収納する筒状のケースと、
    各中空糸膜の中空内部が開放するように、前記ケースの一端側と他端側で前記中空糸膜束の端部をそれぞれ封止固定する封止固定部と、
    を備え、
    前記ケースの胴体部には、ケース内の中空糸膜の外壁面側を通る流路の入口となる開口部がケースの一端側に形成され、かつ、出口となる開口部がケースの他端側に形成される中空糸膜モジュールにおいて、
    前記ケースは、互いに対向する一対の面、及びこれらの面同士を連結する一対の側面を備え、
    前記入口となる開口部は前記対向する一対の面のうちの一方の面に形成され、前記出口となる開口部は他方の面に形成されると共に、
    前記対向する一対の面のうちの一方の面と中空糸膜束との間、及び他方の面と中空糸膜束との間には、ケースの一端側から他端側に至る方向の領域において前記封止固定部が設けられた部分を除く領域に隙間が設けられ、かつ、前記一対の側面と中空糸膜束との間は隙間なく構成され
    前記対向する一対の面のうちの一方の面と中空糸膜束との間の隙間、及び他方の面と中空糸膜束との間の隙間には、これらの隙間の間隔を一定以上維持させると共に、流体の流れをケースの一端側から他端側に向かって整わせる整流板がそれぞれ設けられていることを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 前記対向する一対の面のうちの一方の面と中空糸膜束との間、及び他方の面と中空糸膜束との間のうち、中空糸膜束の幅方向の両端部は隙間なく構成されることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記入口となる開口部及び出口となる開口部は、その幅方向の領域が、隙間が設けられている部分の幅領域の略全域となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記入口となる開口部を流れる流体の流路上であってケース外部と中空糸膜束との間の
    位置に、ケース内外に通じる複数の孔を有し、かつ流体の衝撃を緩衝する緩衝部材を備えることを特徴とする請求項1,2または3に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 前記緩衝部材はメッシュ状の部材であり、
    該メッシュ状の部材の孔の直径は0.2mm以上6.0mm以下であることを特徴とする請求項に記載の中空糸膜モジュール。
  6. 前記緩衝部材はメッシュ状の部材であり、
    該メッシュ状の部材の空隙率は、40%以上98%以下であることを特徴とする請求項に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 前記緩衝部材は、樹脂またはエラストマー製かつその厚みが0.1mm以上1mm以下のメッシュ状の部材であることを特徴とする請求項4に記載の中空糸膜モジュール。
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