JP5011946B2 - シームレス管状物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置の転写ベルト、転写ローラ、定着ベルトに好ましく使用されるシームレス管状物(シームレスベルト、シームレスチューブ)製造方法に関する。更に詳しくは、蛇行防止用のガイドを有し、長期間安定走行可能な画像形成装置に用いられる蛇行防止リブ付シームレス管状物(シームレスベルト、シームレスチューブ)製造方法に関する。
電子写真装置では、感光体、転写ベルト或いは定着ベルト等に、金属、各種プラスチック又はゴム製の回転体が使用されている。機器の小型化や高性能化のために、これらの回転体はある程度変形可能なものが好ましい場合があるが、その場合には肉厚が薄いプラスチック製のフィルムからなる管状物が用いられる。その際、管状物に継ぎ目(シーム)があると、画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない管状物を用いる必要がある。
このシームレス管状物の使用において、ベルト回転によって引き起こされるベルトの蛇行を防止するために、ベルトの内周面の両端又は片端に帯状の弾性リブ(蛇行防止リブ)を粘着剤により接着固定する方法がある(例えば、特開2000−310291公報参照)。
一方、リブを設ける方法はリブガイド通過毎にベルトの屈曲変形が起こり、ベルトの折れ、クラック、破断を発生させる。ベルトの折れ、クラック、破断の防止のため、ベルト表面端部に補強テープを貼り付ける方法や、ベルト表面端部を厚膜にしてベルト端部を強化する方法がある(例えば、特開2002−18873公報参照)。
特開2000−310291公報 特開2002−18873公報
しかしながら、従来のベルト端部を補強テープで補強する方法では補強テープが剥がれたり、ベルト端部を厚膜化する方法では製法が煩雑となり十分な強度が得られなかったりと、昨今の技術要求レベルからすれば、未だ十分ではないのが現状である。
従って、本発明は、上記問題点に鑑み、ベルトの蛇行防止が可能でかつベルトの破断、折れ、クラックの発生がなく長期間の走行安定に優れたシームレス管状物製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
即ち、本発明のシームレス管状物は、
ベルトと、
前記ベルトの少なくとも片端部に、前記ベルトの内周面側に突出するように形成された蛇行防止リブと、
前記ベルトの少なくとも片端部に、前記ベルトと一体成形された管状補強部材と、
を有することを特徴としている。
また、第1の本発明のシームレス管状物の製造方法は、
管状補強部材を円筒金型外周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
前記管状補強部材を配置した円筒金型外周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材と前記ベルトとを一体成形する工程と、
前記ベルトと一体成形された前記管状補強部材の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
を有し、
前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の内周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす、
ことを特徴としている。
一方、第2の本発明のシームレス管状物の製造方法は、
管状補強部材を円筒金型内周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
前記管状補強部材を配置した円筒金型内周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材とベルトとを一体成形する工程と、
前記管状補強部材が一体成形された前記ベルトの片端部の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
を有し、
前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の外周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす
ことを特徴としている。
本発明によれば、ベルトの蛇行防止が可能でかつベルトの破断、折れ、クラックの発生がなく長期間の走行安定に優れたシームレス管状物製造方法を提供することができる。
<シームレス管状物>
本発明のシームレス管状物は、ベルトと、ベルトの内周面の少なくとも片端部に形成された蛇行防止リブと、ベルトの内周面又は外周面の少なくとも片端部にベルトと一体成形された管状補強部材と、で構成されている。管状補強部材は、ベルトの内周面又は外周面のいずれに設けられていてもよく、内周面に設けられる場合、管状補強部材を介して蛇行防止リブがベルト内周面に設けられ(即ち、管状補強部材の内周面上に蛇行防止リブが設けれ)、外周面に設けられる場合、蛇行防止リブはベルト内周面に直接設けられる。
ここで、ベルトと管状補強部材とは一体成形されているが、この「一体成形」とは、接着剤、粘着剤を介さずに接合されていることを意味する。
そして、ベルトと管状補強部材との接着強度は、下記T型剥離強度の測定方法に従い試験をしようとした場合、ベルトと管状補強部材との界面を剥離することができない強度となっている。
このT型剥離強度の測定方法は、次のように行う。図1は、T型剥離試験の説明図である。図1(a)はT型剥離試験の試験片30を作成する部分を示す。図1(b−1)及び(b−2)は試験片30の側面図を示す。図1(c)はT型剥離試験の試験方法の説明図である。
図1(a)に示すように、幅W1の管状補強部材3と同じ幅にベルト2を切断し、幅W1、長さ50mmの試験片30を得た。図1(b−1)は、試験片30を矢印Aの方向から見た図であり、図1(b−2)は、試験片30を矢印Bの方向から見た図である。
22±2℃、55±5%RHの環境下で、得られた試験片30の一端を、図1(c)に示すようにベルト2と管状補強部材3の接着界面で剥離させ、ベルト2を固定し、管状補強部材3を矢印Cの方向に50mm/minの速度で引っ張りT字型に引き裂いたときの引張力P1(N)を測定する。測定されたP1及びW1を用いてT型剥離強度(P1/W1)(N/mm)を算出する。
以下、図面を参照して本発明のシームレス管状物の実施形態を説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係るシームレス管状物を示す斜視図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、第1実施形態に係るシームレス管状物を製造する工程と示す工程図である。
第1実施形態に係るシームレス管状物10は、図2及び図3に示すように、シームレスベルト12と、シームレスベルト12の側縁に沿ってシームレスベルト12内周面両端部に配設された管状補強部材14と、シームレスベルト12の側縁に沿ってシームレスベルト12内周面両端部に管状補強部材14を介して配設された蛇行防止リブ16と、で構成している。
シームレスベルト12の両端部にはその外径が広がるように段差部12Aを有しており、当該段差部12Aに嵌め込まれて管状補強部材14が一体成形されている。このため、管状補強部材14は、その外周面と一端面(シームレスベルト内部側の一端面)とがシームレスベルト12内周面と当接するようにシームレスベルト12周方向に沿って配設されており、管状補強部材14内周面はシームレスベルト12内周面中央部と同一平面上に位置している。
また、蛇行防止リブ16は、シームレスベルト12周方向に沿って、シームレスベルト12内周面側に突出するように管状補強部材14の内周面に直接配設されている。そして、シームレスベルト12、管状補強部材14、蛇行防止リブ16のそれぞれの一端面(シームレスベルト12軸方向外側の一端面)は、面一になっている。なお、本実施形態では、蛇行防止リブ16は、その端面がシームレスベルト12や管状補強部材14の端面と面一で設けているが、配設位置(接着位置即ち、シームレスベルト側縁からの距離)は、シームレス管状物10の用途、機能、シームレス管状物10を用いる装置等に応じて適宜設定される。
なお、シームレス管状物10は、電子写真式複写機、レーザープリンター等における感光装置、中間転写装置、転写分離装置、搬送装置、帯電装置、現像装置等に好適に使用され、その用途に応じて、シームレスベルト12外周面が表面にトナー像が転写される用紙を担持する用紙担持面又はトナー像が形成されるトナー像担持面として機能する。また、シームレス管状(シームレスベルト12)は、その用途、機能等に応じて、材質、形状、大きさ等が適宜設定される。
以下、各構成部材についてより詳細に説明する。
−シームレスベルト−
シームレスベルト12の材質としては、ヤング率2000MPa以上の樹脂材料が好ましく用いられる。ヤング率2000MPa以上の樹脂材料を用いることで、ベルト走行時に、蛇行防止リブに加わる応力によるベルト変形を抑制することができる。シームレスベルト12の材質としては、熱硬化性樹脂が好ましく、具体的にはポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
特に、シームレスベルト12の材質としては、周長変動の少ない、すなわちヤング率が3000N/mm2以上の樹脂材料が好ましい。ヤング率が3000N/mm2以上の樹脂材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられるが、特に高ヤング率の樹脂材料であるポリイミド樹脂が特に好ましい。例えば、例えば、例えば、宇部興産(株)のユーピレックスSなどのポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料にカーボンブラックを分散した場合のヤング率は、6200N/mm2であり、シームレスベルト12として機械特性を満足することができる。
シームレスベルト12は環状であれば、つなぎ目があってもなくてもよい。シームレスベルト12の厚さは、通常、0.02〜0.2mm程度が好ましく、より好ましくは0.07mm〜0.1mm程度である。また、シームレスベルト12の厚みは、管状補強部材14の厚みの80〜130%の範囲であることが好ましく、より好ましくは90〜110%の範囲である。この範囲とすることで、シームレスベルト12、管状補強部材14それぞれの強度を損なうことなく、シームレス管状物としての強度を得ることができる。
シームレスベルト12の一例を挙げると、電子写真方式を用いた画像形成装置等における中間転写ベルト及び転写搬送ベルトの場合、導電性フィラー(導電剤)を含有するポリイミド系樹脂からなる半導電性ベルト等が好適に使用される。
シームレスベルト12の材料として特に好適には、例えばポリイミド系樹脂を用いることができる。また、シームレス管状物10を画像形成装置の中間転写ベルトとして用いる場合、1×109Ω/□〜1×1014Ω/□の範囲に表面抵抗率を、1×108〜1×1013Ωcmの範囲に体積抵抗率を制御するために、シームレスベルト12には必要に応じて導電性フィラーを配合することがよい。この導電性フィラーとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金などの金属又は合金、酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化スズ−酸化インジウム又は酸化スズ−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物、又はポリアニリン、ポリピローラ、ポリサルフォン、ポリアセチレンなどの導電性ポリマーなどが好適に使用できる。これら導電性フィラーは単独又は2種以上を併用して使用される。安価及び抵抗調整が容易であるという観点からはカーボンブラックを使用することが好適である。さらに、必要に応じて分散剤、滑剤などの加工助剤をエンドレスベルト中に添加することができる。
−蛇行防止リブ−
シームレスベルト12がベルト支持ローラの軸方向へ移動しようとする寄り力が発生すると、その寄り力に抗して発生する同じ強度の反力(応力)が蛇行防止リブ16に直接かかることとなる。この応力を蛇行防止リブ16自身である程度分散吸収することができるという観点から、蛇行防止リブ16は、JIS A硬度60°〜90°の弾性部材であることが好ましく、特に好ましくは、JIS A硬度が60°〜80°の範囲である。JIS A硬度が60°よりも小さい場合は、蛇行防止リブ16の変形が大きいので、エンドレスベルトが乗り上げてしまう場合があり、JIS A硬度が90°よりも大きい場合は、シームレス管状物10がベルト支持ローラに追従しなくなってしまう場合がある。ここで、JIS A硬度とは、JIS K6253(1997年)に規定されるゴム硬度である。
弾性部材の材質としては、ポリウレタン樹脂、ネオプレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエステルエラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の適度な硬度を有する弾性体等が使用できる。これらの中でも、電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン及び耐熱性、耐磨耗性を考慮すると、特にポリウレタンゴムやシリコーンゴムが好適に用いられる。
蛇行防止リブ16の形状は、エンドレスベルトの使用条件等により適宜定めることができるが、蛇行防止効果を十分に得る為にはその断面を略矩形とすることが好ましい。前記蛇行防止リブ16の幅は蛇行防止効果、耐久性等の点から、通常1〜10mm程度が好ましく、特に4〜7mmが好ましい。厚みは、特に制限されないが、蛇行防止効果や耐久性等の観点から、通常1〜5mm程度が好ましく、特に3〜5mmが好ましい。
−管状補強部材−
管状補強部材14は、シームレスベルト12の破断、折れ、クラック防止するためにシームレスベルト12の両端部に設けられるものである。管状補強部材14の材質は、シームレスベルト12形成温度以上の耐熱性が有ればよく、耐熱樹脂であれば特に制限はない。管状補強部材14の材質として具体的には、シームレスベルト12と同様なポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その他、繊維状の金属も挙げられる。
管状補強部材14の材質は、シームレスベルト12(シームレス管状物)の平面性を維持する観点で、シームレスベルト12と同等の線膨張率、吸湿膨張率、ヤング率を有することがよいことから、シームレスベルト12の材質と同一なものを管状補強部材の材質として用いるのがより好ましい。
管状補強部材14の弾性率は、ベルトの弾性率以上であることが好ましい。管状補強部材14の弾性率がベルトの弾性率未満の場合、管状補強部材が変形してしまい、ベルトの平面度が保てなくなることがある。
ここで、弾性率は次のように求めたものである。JISK7113に準拠し、四号型試験片を用いて、引張速度は10mm/minとして、引張弾性率を求めた。
管状補強部材14の内周面(蛇行防止リブ16との接着面)は、蛇行防止リブ16との接着強度を強化する観点から、例えば、紫外線照射による表面張力の低下、粗面化などの処理を実施することが好ましい。
具体的には、管状補強部材14の内周面が、下記算術平均粗さRa、下記水の接触角を有することが好ましい。
管状補強部材14の内周面の算術平均粗さRaは0.6〜3.0μmの範囲であることが好ましく、1.5〜2.5μmの範囲であることが好ましい。この範囲とすることで、接着剤の接着表面積を有効に利用できるために蛇行防止リブ16(その接着剤)と管状補強部材14との接着強度を確保することができる。
ここで、算術平均粗さRaは次に示すように求められる。算術平均粗さRaは、表面粗さ形状測定器(東京精密社製サーフコム1400Aシリーズ)を用い、JIS B0601(2001)に準じて測定した。詳しくは、測定長さ2.5mm、カットオフ波長0.8mm、測定速度0.60mm/sの条件で、サンプル(シームレスベルト及び管状補強部材など)1つにつき24箇所(幅方向3箇所×周方向8箇所)を測定し、その平均値を算術平均粗さRaとした。
管状補強部材14の水の接触角は、10〜60°の範囲であることが好ましく、10〜40°の範囲であることがより好ましい。この範囲とすることで、管状補強部材14に対する接着剤の濡れ性を生かして、接着強度を確保することができる。なお、水の接触角の下限は、技術的に困難であるという理由から10°とした。
ここで、水の接触角は、次のように求められる。水の接触角は、接触角計(協和界面科学(株)製:CA−X)を用い、25℃50%RHの環境下で、純水をサンプル表面に約3.1μl滴下し、15秒後の水滴の左端、右端、頂角の座標を画像処理によって求め、計算された水滴の直径(2r)、高さ(h)から以下の式により水の接触角ωを求める。
式:ω=2tan-1(h/r)
このように、管状補強部材14の内周面(蛇行防止リブ16との接着面)の表面粗さや表面張力を制御することで、シームレスベルト12に特別な処理を施すことなく、蛇行防止リブ16との接着力を簡易に強化することができる。
−エンドレスベルトの作製−
本実施形態に係るシームレス管状物10の作製は、例えば、図4に示すようにして作製することができる。まず、円筒金型18を準備し、その外周面全面に渡って均一に、離型剤18Aを塗布して離型処理を施す(図4(A)参照)。離型剤18Aとしては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤も用いることができる。離型処理は、離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させてそのまま、或いは焼き付けて行われる。
予め作製した所定幅の管状補強部材14を円筒金型18の外周面両端部(円筒金型18軸方向両端部)に圧入(配置)する(図4(B)参照)。管状補強部材14の外径を円筒金型18の外径よりも若干小さくすることで(或いは円筒金型18の外径を管状補強部材14の外径よりも若干大きくすることで)、管状補強部材14は、円筒金型18に密着して挿入されることとなる。
ここで、円筒金型18の表面粗さRa2が0.1μm以上であることが好ましい。Ra2が0.1μm未満の場合、円筒金型18表面の塗液固着を防止できなくなることがある。
加えて、管状補強部材14が金型に接触する面の算術平均表面粗さRa1と円筒金型18表面の算術平均表面粗さRa2が、Ra1≧Ra2の関係を満たすことが好ましい。Ra1をRa2以上にすることで、ベルト乾燥・焼成時に発生するガスの抜け道となる凹凸の間隙が形成でき、かつ、管状補強部材14の表面粗さが大きくなることで塗液が凹凸の大きい管状補強部材14の側に選択的に追従し、円筒金型18表面は塗液の固着汚染による脱型性能の低下を防ぐことができる。また、得られるシームレス管状物はベルトの膨れ等の欠陥も無く、平面度に優れるものとなる。
次に、管状補強部材14を配置したまま、その上から円筒金型外周面(管状補強部材14の外周面含む)に熱硬化性樹脂溶液を塗布する。この塗布は一般的な塗布方法(例えば浸漬塗布、金型を回転させながら、高粘度の樹脂溶液をディスペンサーにより供給し、かつディスペンサーを金型の軸方向に移動し、デイスペンサ−と一緒にスライドするへらにて平滑にかつらせん状に巻回して塗布する方法等)により行うことができる。これにより、円筒金型18外周面と共に管状補強部材14も覆って熱硬化性樹脂溶液が塗布される。
そして、塗膜の液タレを防止する目的で、円筒金型18をその軸方向が水平になるようにして回転させながら、熱硬化性樹脂の塗膜を加熱乾燥し、液タレが発生しない状態まで溶剤を蒸発させる。その後、所定の焼成温度で加熱硬化させることで、熱硬化性樹脂からなるシームレスベルト12が形成されると共に、管状補強部材14とシームレスベルトとが一体成形される(図4(C)参照)。
ここで、浸漬塗布により熱硬化性樹脂溶液を塗布する場合、例えば、図10に示す塗布装置を用いて行うことができる。ここで、図10は、浸漬塗布法に用いる塗布装置の一例を示す概略断面図である。
図10に示す塗布装置は、熱硬化性樹脂溶液20が貯留された塗布槽22の液面開口部に、環状体24(フロート)を浮遊状態で備えたものである。環状体24には、溶液20を塗布する円筒金型18の外径よりも大きな内径の円孔24Aが設けられている。
上記塗布装置を用いた場合の塗布は、円筒金型18を図面における上側から前記円孔24Aを通して溶液20に浸漬し、次いで、円筒金型18を引き上げることによって行なう。この塗布時、環状体24が浮遊状態で設置されているため、円筒金型18の外径と環状体24の円孔24Aの内径との間隙により、塗膜の膜厚が決まるので、円孔24Aの内径は、所望の膜厚により調整する。この浸漬塗布により、円筒金型18外周面及び管状補強部材14の外周面の全面に渡って塗布が行われる。
このように、シームレスベルト12を形成することで、管状補強部材14の内周面とシームレスベルト12の内周面中央部とが同一面上に位置するようになる。
その後、管状補強部材14が一体成形されたシームレスベルト12を円筒金型18から外す。この際、シームレスベルト12は長さ方向の収縮がなく、円筒金型18に強く接着しているが、例えば、円筒金型18とシームレスベルト12との間にエアーを注入することで、容易にシームレスベルト12を円筒金型18から取り外すことができる。そして、適宜、両端を切断して、管状補強部材14の内周面に蛇行防止リブ16を接着する。
ここで、蛇行防止リブ16の接着は、感圧型接着剤を用いてもよいし、感熱型接着剤を用いてもよい。例えば、感熱型接着剤は、シート状であり、常温では接着力及び粘着力の無い固体であるが、加熱することで溶融し、冷却固化する時に接着力を発現する接着剤からなる。感熱型接着シートは、シート内(層内)に接着成分が均一存在するため、ガイドのずれ発生を効果的に防止できる。また、常温で単に圧力を加えて接着する感圧型接着剤と異なり、感熱型接着シートは、加熱により溶融することで、接着する互いの部材表面(接着面)に濡れ馴染み、細かな凹凸にも入り込み固化させることができるので、感圧型接着剤よりも接着強度が高まる。
なお、貼り合わせは、気泡を入れずに貼り合わせることが重要であり、通常ハンドローラ、ゴムローラ、プレス等での貼り合わせ、減圧下での貼り合わせ、加圧下での貼り合わせ等の方法を用いることが好ましい。また、蛇行防止リブ16表面に、コロナ処理、ブラスト処理、プライマー処理又はエージング等を行って接着力を向上させていてもよい。
このようにして、シームレス管状物を作製することができる。
以上説明した本実施形態に係るシームレス管状物10では、シームレスベルト12の内周面両端部に管状補強部材を一体成形しているので、十分なベルト補強を行うことができると共に、その補強も簡易に行うこともできる。このため、ベルトの蛇行防止が可能でかつベルトの破断、折れ、クラックの発生がなく長期間の走行安定を実現することができる。
また、本実施形態に係るシームレス管状物10では、管状補強部材14内周面とシームレスベルト12内周面中央部とが同一平面上に位置しているため、ベルト機能面をその両端部まで有効に利用することができる。従来、ベルト両端部に補強テープ等を貼り付けた場合には、ベルト両端部の外周面は、例えば定着面や転写面に利用することができなかったが、本実施形態では、管状補強部材14内周面とシームレスベルト12内周面中央部と同一平面上に位置しているので、例えばシームレス管状物内周面に当接させる機能ローラ(転写ローラや、加熱ローラ)をその両端部にまで当接させることができるので、ベルト機能面をその両端部まで有効に利用することができるようになる。
なお、本実施形態では、管状補強部材14及び蛇行防止リブ16をシームレスベルト12両端部に設けた形態を説明したが、シームレスベルト12の片端部のみに設ける形態でもよい。但し、蛇行防止効果、耐久性及び補強効果等の点からは、シームレスベルト12の両端部に設けることがよい。
また、本実施形態では、シームレスベルト12の内周面に管状補強部材14を介して蛇行防止リブ16を接着した形態を説明したが、これに限定されず、蛇行防止リブ16の接着位置は、シームレス管状物10の適用される用途に応じて、シームレスベルト12の端面に接着されていてもよい。また、本実施形態では、シームレス管状物10の補強強化の観点から、シームレスベルト12全周に設けた形態を説明したが、蛇行防止リブをシームレスベルト12周方向に、断続的に1〜10mm程度の隙間を持って配設してもよい。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るシームレス管状物を示す斜視図である。図6は、図5のB−B断面図である。図7は、第2実施形態に係るシームレス管状物を製造する工程と示す工程図である。
第2実施形態に係るシームレス管状物10は、図5及び図6に示すように、シームレスベルト12(エンドレスベルト)と、シームレスベルト12の側縁に沿ってシームレスベルト12外周面両端部に配設された管状補強部材14と、シームレスベルト12の側縁に沿ってシームレスベルト12内周面両端部に配設された蛇行防止リブ16(蛇行防止リブ)と、で構成されている。
シームレスベルト12の両端部にその外径が小さくなるように段差部12Aを有しており、当該段差部12Aに嵌め込まれて管状補強部材14が一体成形されている。このため、管状補強部材14は、その内周面と一端面(シームレスベルト内部側の一端面)とがシームレスベルト12外周面と当接するようにシームレスベルト12周方向に沿って配設されており、管状補強部材14外周面はシームレスベルト12外周面中央部と同一平面上に位置している。
また、蛇行防止リブ16は、シームレスベルト12周方向に沿って、シームレスベルト12内周面側に突出するようにシームレスベルト12の内周面に直接配設されている。そして、シームレスベルト12、管状補強部材14、蛇行防止リブ16のそれぞれの一端面(シームレスベルト12軸方向外側の一端面)は、面一になっている。
−シームレス管状物の作製−
本実施形態に係るシームレス管状物10の作製は、例えば、図7に示すようにして作製することができる。まず、円筒金型18を準備し、その内周面全面に渡って均一に、離型剤18Aを塗布して離型処理を施す(図7(A)参照)。離型剤18Aとしては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤も用いることができる。離型処理は、離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させてそのまま、或いは焼き付けて行われる。
予め作製した所定幅の管状補強部材14を円筒金型18の内周面両端部(円筒金型18軸方向両端部)に配置する(図7(B)参照)。管状補強部材14の外径を円筒金型18の内径よりも若干大きくすることで(或いは円筒金型18の内径を管状補強部材14の外径よりも若干小さくすることで)、管状補強部材14は、円筒金型18に密着して配設されることとなる。
ここで、円筒金型18の内周面粗さRa2が0.1μm以上であることが好ましい。Ra2が0.1μm未満の場合、円筒金型18表面の塗液固着を防止できなくなることがある。
加えて、管状補強部材14が金型に接触する面の算術平均表面粗さRa1と円筒金型18内周面の算術平均表面粗さRa2が、Ra1≧Ra2の関係を満たすことが好ましい。Ra1をRa2以上にすることで、ベルト乾燥・焼成時に発生するガスの抜け道となる凹凸の間隙が形成でき、かつ、管状補強部材14の表面粗さが大きくなることで塗液が凹凸の大きい管状補強部材14の側に選択的に追従し、円筒金型18表面は塗液の固着汚染による脱型性能の低下を防ぐことができる。また、得られるシームレス管状物はベルトの膨れ等の欠陥も無く、平面度に優れるものとなる。
次に、管状補強部材14を配置したまま、その上から円筒金型内周面に熱硬化性樹脂溶液を塗布する。この塗布は例えば円筒金型18を回転させつつ行う遠心塗布により行うことができる。これにより、円筒金型18内周面と共に管状補強部材14も覆って熱硬化性樹脂溶液が塗布される。
そして、塗膜の液タレを防止する目的で、円筒金型18をその軸方向が水平になるようにして回転させながら、熱硬化性樹脂の塗膜を加熱乾燥し、液タレが発生しない状態まで溶剤を蒸発させる。その後、所定の焼成温度で加熱硬化させることで、熱硬化性樹脂からなるシームレスベルトが形成されると共に、管状補強部材14とシームレスベルトとが一体成形される(図7(B)参照)。このように、シームレスベルト12を形成することで、管状補強部材14の外周面とシームレスベルト12の外周面中央部とが同一面上に位置するようになる。
この際、シームレスベルト12は長さ方向の収縮がなく、円筒金型18に強く接着しているが、例えば、円筒金型18とシームレスベルト12との間にエアーを注入することで、容易にシームレスベルト12を円筒金型18から取り外すことができる。そして、適宜、両端を切断して、シームレスベルト12の内周面に蛇行防止リブ16を接着する。
このようにして、シームレス管状物を作製することができる。なお、これら以外は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上説明した本実施形態に係るシームレス管状物10でも、シームレスベルト12の外周面両端部に管状補強部材を一体成形しているので、十分なベルト補強を行うことができると共に、その補強も簡易に行うこともできる。このため、ベルトの蛇行防止が可能でかつベルトの破断、折れ、クラックの発生がなく長期間の走行安定を実現することができる。
また、本実施形態に係るシームレス管状物10でも、管状補強部材14外周面とシームレスベルト12外周面中央部と同一平面上に位置しているため、ベルト機能面をその両端部まで有効に利用することができる。従来、ベルト両端部に補強テープ等を貼り付けた場合には、ベルト両端部の外周面は、例えば定着面や転写面に利用することができなかったが、ベルト外周面の中央部から両端部にかけて平面性を有しているので、ベルト機能面をその両端部まで有効に利用することができるようになる。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、本発明のシームレス管状物10を用いた中間転写体方式の画像形成装置及び本発明のシームレス管状物10を用いた用紙搬送ベルト方式の画像形成装置であれば特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像装置を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置があげられる。
以下に、本発明の画像形成装置の1例として、一次転写を繰り返すカラー画像形成装置を示す。図8は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図8に示す画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム101、中間転写体としての中間転写ベルト102、転写電極であるバイアスローラ103、被転写体である用紙を供給するトレー104、BK(ブラック)トナーによる現像装置105、Y(イエロー)トナーによる現像装置106、M(マゼンタ)トナーによる現像装置107、C(シアン)トナーによる現像装置108、ベルトクリーナー109、剥離爪113、ベルト支持ローラ121、123及び124、バックアップローラ122、導電性ローラ125、電極ローラ126、クリーニングブレード131、用紙141、ピックアップローラ142、並びにフィードローラ143を備えてなり、中間転写ベルト102として本発明のエンドレスベルトが用いられる。
中間転写ベルト102の内側に備えられた蛇行防止リブは、ベルト支持ローラ121、123及び124の側縁部に当接するように位置するため、ベルト走行時、中間転写ベルト102は、例えばベルト支持ローラ121、123及び124に案内される。そのため、中間転写ベルト102は、ベルト走行時、蛇行する問題を起こさない。
図8に示す画像形成装置において、感光体ドラム101は矢印F方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム101にレーザー書込み装置などの画像書き込み手段により第一色(例えば、BK)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置105によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラム101の回転で導電性ローラ125が配置された一次転写部に到り、導電性ローラ125からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより上記トナー像Tを静電的に中間転写ベルト102に吸着されつつ中間転写ベルト102の矢印G方向の回転で一次転写される。導電性ローラ125は、図8に示したように感光体ドラム101の直下に配置していても、図示してはいないが、感光体ドラム101の直下からずれた位置に配置させていてもよい。
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され中間転写ベルト102において重ね合わせられて、多重トナー像が形成される。なお、このときのトナーは一成分系のものでもよいし二成分系のものでもよい。
中間転写ベルト102に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト102の回転でバイアスローラ103が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベルト102のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラ103と該中間転写ベルト102の裏側からバイアスローラに対向するごとく配置されたバックアップローラ122及びこのバックアップローラ122に圧接して回転する電極ローラ126から構成される。
用紙141は、用紙トレー104に収容された用紙からピックアップローラ142で一枚ずつ取り出され、フィードローラ143で二次転写部の中間転写ベルト102とバイアスローラ103との間に所定のタイミングで給送される。給送された用紙141には、バイアスローラ103及びバックアップローラ122による圧接搬送と中間転写ベルト102の回転により、該中間転写ベルト102に担持されたトナー像が転写される。
トナー像が転写された用紙141は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪113を作動せることにより中間転写ベルト102から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。なお、多重トナー像の用紙141への転写の終了した中間転写ベルト102は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナー109で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスローラ103は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード131が常時当接するごとくとりつけられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト102と感光体ドラム101との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。上記二次転写部では、バイアスローラ103と中間転写ベルト102を介して対向配置したバックアップローラ122に圧接した電極ローラ126にトナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで該トナー像を用紙141に静電反発で転写する。
以上のようにして、画像を形成することができる。
次に、本発明の画像形成装置における他の一例を示す。図9は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図9に示す画像形成装置は、中間転写ベルト86を用いたタンデム式の画像形成装置である。具体的には、図9において感光体79表面を均一に帯電する帯電ローラ83(帯電装置)、感光体79表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置78(露光装置)、感光体79表面に形成された潜像を、現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器85(現像装置)、現像したトナー像を中間転写ベルト86に転写する転写ローラ80、感光体に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体クリーナー84 (クリーニング装置)、被転写材上のトナー像を定着する定着する定着ローラ72等必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。感光体79と転写ローラ80は、図9のように感光体直下からずれた位置に配置していても、感光体直下に配置(図示せず)していてもよい。そして、この中間転写ベルト86として本発明のエンドレスベルトを備えることで、上述の構成のようなタンデム式の画像形成装置においても、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
さらに、図9に示す画像形成装置の構成について詳細に説明する。図9に示す画像形成装置は、4つのトナーカートリッジ71、1対の定着ローラ72、バックアップローラ73、テンションローラ74、2次転写ローラ75、用紙経路76、用紙トレイ77、レーザー発生装置78、4つの感光体79、4つの1次転写ローラ80、駆動ローラ81、転写クリーナー82、4つの帯電ローラ83、感光体クリーナー84、現像器85、中間転写ベルト86等を主用な構成部材として含んでなる。
まず、感光体79の周囲には、反時計回りに帯電ローラ83、現像器85、中間転写ベルト86を介して配置された1次転写ローラ80、感光体クリーナー84が配置され、これら1組の部材が、1つの色に対応した現像ユニットを形成している。また、この現像ユニット毎に、現像器85に現像剤を補充するトナーカートリッジ71がそれぞれ設けられており、各現像ユニットの感光体79に対して、帯電ローラ83と現像器85との間の感光体79表面に画像情報に応じたレーザー光を照射することができるレーザー発生装置78が設けられている。
4つの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した4つの現像ユニットは、画像形成装置内においてほぼ水平方向に直列に配置されており、4つの現像ユニットの感光体79と1次転写ローラ80とのニップ部を挿通するように中間転写ベルト86が設けられている。中間転写ベルト86は、その内周側に以下の順序で反時計回りに設けられた、バックアップローラ73、テンションローラ74、及び駆動ローラ81により張架されている。なお、4つの1次転写ローラはバックアップローラ73とテンションローラ74との間に位置する。また、中間転写ベルト86を介して駆動ローラ81の反対側には中間転写ベルト86の外周面をクリーニングする転写クリーナー82が駆動ローラ81に対して圧接するように設けられている。
また、中間転写ベルト86を介してバックアップローラ73の反対側には用紙トレイ77から用紙経路76を経由して搬送される記録用紙の表面に、中間転写ベルト86の外周面に形成されたトナー像を転写するための2次転写ローラ75が、バックアップローラ73に対して圧接するように設けられている。
また、画像形成装置の底部には記録用紙をストックする用紙トレイ77が設けられ、用紙トレイ77から用紙経路76を経由して2次転写部を構成するバックアップローラ73と2次転写ローラ75との圧接部を通過するように供給することができる。この圧接部を通過した記録用紙は更に1対の定着ローラ72の圧接部を挿通するように不図示の搬送手段により搬送可能であり、最終的に画像形成装置外へと排出することができる。
次に、図9の画像形成装置を用いた画像形成方法について説明する。トナー像の形成は各現像ユニット毎に行なわれ、帯電ローラ83により反時計方向に回転する感光体79表面を一様に帯電した後に、レーザー発生装置78(露光装置)により帯電された感光体79表面に潜像を形成し、次に、この潜像を現像器85から供給される現像剤により現像してトナー像を形成し、1次転写ローラ80と感光体79との圧接部に運ばれたトナー像を矢印A方向に回転する中間転写ベルト86の外周面に転写する。なお、トナー像を転写した後の感光体79は、その表面に付着したトナーやゴミ等が感光体クリーナー84によりクリーニングされ、次のトナー像の形成に備える。
各色の現像ユニット毎に現像されたトナー像は、画像情報に対応するように中間転写体86の外周面上に順次重ね合わされた状態で、2次転写部に運ばれ2次転写ローラ75により、用紙トレイ77から用紙経路76を経由して搬送されてきた記録用紙表面に転写される。トナー像が転写された記録用紙は、更に定着部を構成する1対の定着ローラ72の圧接部を通過する際に加圧加熱されることにより定着され、記録媒体表面に画像が形成された後、画像形成装置外へと排出される。
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
[実施例A0]
以下のようにして第1実施形態と同様なシームレス管状物を作製し、評価した。
(シームレス管状物の作製)
−管状補強部材作製−
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS)を塗布液とした。直径168mm、厚さ3mm、長さ450mmのアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を100rpmで回転させながら、この円筒形金型の外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、シームレス管状物を金型から分離し、50mm幅の短冊状に裁断することで内周長528mm、厚さ80μmの管状補強部材を得た。管状補強部材の内周面の表面粗さRaは2.2μmであった。なお、管状補強部材内周面の水接触角は80°であった。さらに、この管状補強部材内周面に紫外線を20分照射させて、水接触角を80°から30°に低下させた。
−ポリイミド前駆体溶液の調整−
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスSに乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPEDIAL BLACK4)Degussa社製)をポリイミド系樹脂固形分100重量部に対して、23重量部になるように添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで最小面積が1.4mmで2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して粘度150ポイズのカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。
−シームレスベルトの作製−
直径168mm、厚さ3mm、長さ450mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.8μmとしたアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)外側の両端部に管状補強部材を配置し、金型を100rpmで回転させながら、管状補強部材の端面から25mmを含む金型外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで熱硬化樹脂原液塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、金型から管状補強部材と一体成形となったポリイミドシームレスベルトを分離した。
−シームレスベルトと蛇行防止リブの接着−
蛇行防止リブとして幅5mm、厚さ1mm、硬度70°のウレタン(タイガースポリマー社製)に両面粘着テープ(日東電工5000NS)を圧着させた。そして、蛇行防止リブの両面粘着テープ貼り付け面を、シームレスベルト内周面両端部に配設された管状補強部材内周面に接触させ、蛇行防止リブと管状補強部材(シームレスベルト)と接着させ、リブ付シームレスベルト(シームレス管状物)を得た。
(評価)
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、650kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
−ベルト走行耐久試験−
得られたリブ付シームレスベルトを富士ゼロックス社製DC1250にてベルトを走行させ、ベルト1周を1cycleとして算出し、500kcycle走行後、ベルトに折れ、クラック、破断なく、かつリブの剥がれ、ずれなく、画質検査にて色ずれのない良好な画質を得られたものを○、ベルトに折れ、クラック、破断発生、リブの剥がれ、ずれ、画質検査にて色ずれ発生の内、少なくとも一つ以上発生したものは×とした。
[実施例A1]
外周面の表面粗さRa3.5μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さRa2.8μm、厚さ80μm、内周長528mmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、580kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
参考例A2]
外周面の表面粗さRa0.8μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さRa0.6μm、厚さ80μm、内周長528mmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、570kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
[実施例A3]
管状補強部材への紫外線照射時間を1分間に変更し、水接触角を80°から60°に低下させて管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、500kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
参考例A4]
外周面の表面粗さRa0.5μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さをRa0.3μmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、430kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
[実施例A5]
外周面の表面粗さRaを5.2μmとした円筒形金型を用いて成形することで、内周面粗さをRa4.0μmの管状補強部材を得た以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、380kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
[実施例A6]
管状補強部材への紫外線照射をしない以外は実施例A0と同様にしてリブ付シームレスベルトを得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、300kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
[比較例A1]
管状補強部材を配置せずにシームレスベルトを成形した以外は実施例A0と同様にして、得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、40kcycle走行でベルトの破断が発生し、ベルトが走行不能となった。
[比較例A2]
管状補強部材を配置せずにシームレスベルトを成形し、得られたシームレスベルトの内周面両縁に補強材として粘着テープ(日東電工製、ポリエステル粘着テープ、No.31B 総厚80μm、幅20mm)を貼り付けた。この粘着テープ表面に実施例A0同様に蛇行防止リブを接着し、リブ付シームレスベルトを得た。得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、粘着テープ該当部分の画像において、濃度むらが発生した。さらに走行耐久試験では85cycle走行時点で、粘着テープ継ぎ目の段差部分において、リブずれが発生した。
[実施例B1]
以下のようにして第2実施形態と同様なシームレス管状物を作製し、評価した。
−シームレスベルトの作製−
直径168mm、厚さ3mm、長さ450mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.8μmとしたアルミ円筒形金型(内周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)内側の両端部に管状補強部材(実施例A0と同様な管状補強部材)を配置し、金型を100rpmで回転させながら、管状補強部材を含む金型内周面に厚み0.5mmで熱硬化樹脂原液塗布(実施例A0と同様なポリイミド前駆体溶液)した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、金型から管状補強部材と一体成形となったポリイミドシームレスベルトを分離した。さらに、得られたシームレスベルト内周面は、蛇行防止リブを接着するために、その両端部に紫外線を20分間照射させて、水接触角を80°から30°に低下させた。
−シームレスベルトと蛇行防止リブの接着−
蛇行防止リブとして幅5mm、厚さ1mm、硬度70°のウレタン(タイガースポリマー社製)に両面粘着テープ(日東電工5000NS)を圧着させた。そして、蛇行防止リブの両面粘着テープ貼り付け面を、シームレスベルト内周面両端部に接触させ、蛇行防止リブと管状補強部材(シームレスベルト)と接着させ、リブ付シームレスベルト(シームレス管状物)を得た。
得られたリブ付シームレスベルトでベルト走行耐久試験を実施したところ、600kcycle走行までベルトに折れ、クラック、破断なくかつリブに変化なく、色ずれのない良好な画質が得られた。
これら実施例A1、参考例A2、実施例A3、参考例A4、実施例A5〜A6、B1及び比較例A1〜A2から、本発明のシームレス管状物(リブ付きシームレスベルト)は、ベルトの蛇行制御が可能で、かつベルトの破断、折れ、クラックの発生がなく長期間の走行安定に優れることもわかり、また作製が容易であることもわかる。
また、管状補強部材の内周面(蛇行防止リブとの接着面)の表面粗さや表面張力(水の接触角)を制御することで、シームレスベルトに特別な処理を施すことなく、蛇行防止リブとの接着力を簡易に強化できることもわかる。
[実施例C1]
−管状補強部材作製−
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS)を塗布液とした。直径168mm、厚さ3mm、長さ450mmのアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を100rpmで回転させながら、この円筒形金型の外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、シームレス管状物を金型から分離し、50mm幅の短冊状に裁断することで内周長528mm、厚さ80μmの管状補強部材を得た。その後、内周面にブラスト処理を施し、管状補強部材の内周面を表面粗さRaを0.4μmとした。なお、管状補強部材内周面の水接触角は80°であった。さらに、この管状補強部材内周面に紫外線を20分照射させて、水接触角を80°から30°に低下させた。また、管状補強部材の弾性率は3100Mpaであった。
−ポリイミド前駆体溶液の調整−
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスSに乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPEDIAL BLACK4)Degussa社製)をポリイミド系樹脂固形分100重量部に対して、23重量部になるように添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで最小面積が1.4mmで2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して粘度150ポイズのカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。
−シームレスベルトの作製−
直径168mm、厚さ3mm、長さ450mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.3μmとしたアルミ円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、380℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)外側の両端部に管状補強部材を配置し、金型を100rpmで回転させながら、管状補強部材の端面から25mmを含む金型外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度150min/minで移動させながら、厚み0.5mmで熱硬化樹脂原液塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温に冷却後、300℃まで2時間加熱することにより、溶媒除去とともにイミド転化を行い、最後に常温まで冷却してから、金型から管状補強部材と一体成形となったポリイミドシームレスベルトを分離した。また、管状補強部材を除くベルト自体の弾性率は3000MPaであった。
−シームレスベルトと蛇行防止リブの接着−
蛇行防止リブとして幅5mm、厚さ1mm、硬度70°のウレタン(タイガースポリマー社製)に両面粘着テープ(日東電工5000NS)を圧着させた。そして、蛇行防止リブの両面粘着テープ貼り付け面を、シームレスベルト内周面両端部に配設された管状補強部材内周面に接触させ、蛇行防止リブと管状補強部材(シームレスベルト)と接着させ、リブ付シームレスベルト(シームレス管状物)を得た。
−評価−
得られたシームレスベルトと共に、製造過程のシームレスベルトを外観観察して、ベルト膨れ、管状補強部材及びベルト一体成形時の金型貼りつき、管状補強部材及びベルト一体成形時の金型汚れ、管状補強部材の変形について評価を行った。加えて、得られたシームレスベルト表面の平面度についても評価した。
・ベルト膨れについては次のようにして評価した。目視にてベルト表面上を観察し、膨れの有無を評価した。
・金型貼りつきについては次のようにして評価した。金型からベルトを脱型するときには金型とベルトの間隙にエアーを吹き付けることによりベルトと金型を分離できるかどうかを評価した。
・金型汚れについては次のようにして評価した。ベルトが脱型された後、金型表面の付着物の状態を観察し、汚れの程度を目視にて評価した。
・管状補強部材の変形については次のようにして評価した。目視にて、ねじれや折れが発生しているかどうかを評価した。
平面度については次にようにして評価した。シームレスベルトを2本のロール(Φ28mm)で4kgの荷重をかけることにより張架した状態で、レーザー変位計(キーエンス社製LK−030)をベルト表面におけるロール対間の中心部をロール軸と平行に且つ幅方向の一端部から他端部までの全幅に亘って走査する。そして、変位量の最大値と最小値の差分を平面度として求めた。
[実施例C2]
ブラスト処理により内周面の表面粗さを1.2μmとした以外は実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。続いて、この管状補強部材と、ブラスト処理により表面粗さRaを1μmとしたアルミ円筒形金型と、を用いた以外は、実施例C1と同様にしてシームレスベルトを作製し、その後リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
[実施例C3]
ブラスト処理により内周面の表面粗さを1.8μmとした以外は実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。続いて、この管状補強部材と、ブラスト処理により表面粗さRaを1.5μmとしたアルミ円筒形金型と、を用いた以外は、実施例C1と同様にしてシームレスベルトを作製し、その後リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
参考例C4]
ブラスト処理により内周面の表面粗さを0.1μmとした以外は実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。続いて、この管状補強部材と、ブラスト処理により表面粗さRaを0.3μmとしたアルミ円筒形金型と、を用いた以外は、実施例C1と同様にしてシームレスベルトを作製し、その後リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
[実施例C5]
次のようにして、弾性率が1800MPaの管状補強部材を得た以外は、実施例C1と同様にして、リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
−管状補強部材の作製−
BPDAとODA(オキシジアミン)からなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製UワニスRN)を塗布液とし、最後の加熱温度を280℃とした以外は、実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。
[実施例C6]
次のようにして、弾性率が3500MPaの管状補強部材を得た以外は、実施例C1と同様にして、リブ付きシームレスベルトを作製して評価を行った。
−管状補強部材の作製−
最後の加熱温度を400℃とした以外は、実施例C1と同様にして管状補強部材を得た。
上記実施例C1〜C3、参考例C4、実施例C5〜C6の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005011946
これら実施例C1〜C3、参考例C4、実施例C5から、本発明のシームレス管状物(リブ付きシームレスベルト)において、管状補強部材の内周面(金型と接する面)の表面粗さの方が、金型の表面粗さよりも大きいと、ベルト膨れ、ベルトの金型貼りつき、金型汚れを防止できると共に、平面度も良好となることがわかる。加えて、管状補強部材の弾性率がベルト自体の弾性率よりも大きいと、ベルト変形が防止できることもわかる。
T型剥離試験の説明図である。 第1実施形態に係るシームレス管状物を示す斜視図である。 図2のA−A断面図である。 第1実施形態に係るシームレス管状物を製造する工程と示す工程図である。 第2実施形態に係るシームレス管状物を示す斜視図である。 図5のB−B断面図である。 第2実施形態に係るシームレス管状物を製造する工程と示す工程図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 浸漬塗布法に用いる塗布装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
2 ベルト
3 管状補強部材
10 シームレス管状物
12 シームレスベルト
12A 段差部
14 管状補強部材
16 蛇行防止リブ
18 円筒金型
18A 離型剤
20 熱硬化性樹脂溶液
22 塗布槽
24 環状体(フロート)
24A 円孔
30 試験片
71 トナーカートリッジ
72 定着ローラ
73 バックアップローラ
74 テンションローラ
75 2次転写ローラ
76 用紙経路
77 用紙トレイ
78 レーザー発生装置 (露光装置)
79 感光体
80 転写ローラ
81 駆動ローラ
82 転写クリーナー
83 帯電ローラ(帯電装置)
84 感光体クリーナー(クリーニング装置)
85 現像器 (現像装置)
86 中間転写ベルト
101 感光体ドラム
102 中間転写ベルト
103 バイアスローラ
104 トレー
105 BK(ブラック)トナーによる現像装置
106 Y(イエロー)トナーによる現像装置
107 M(マゼンタ)トナーによる現像装置
108 C(シアン)トナーによる現像装置
109 ベルトクリーナー
113 剥離爪
121、123及び124 ベルト支持ローラ
122 バックアップローラ
125 導電性ローラ
126 電極ローラ
131 クリーニングブレード
141 用紙
142 ピックアップローラ
143 フィードローラ

Claims (2)

  1. 管状補強部材を円筒金型外周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
    前記管状補強部材を配置した円筒金型外周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
    前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材と前記ベルトとを一体成形する工程と、
    前記ベルトと一体成形された前記管状補強部材の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
    を有し、
    前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の内周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の外周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす、
    ことを特徴とするシームレス管状物の製造方法。
  2. 管状補強部材を円筒金型内周面の少なくとも片端部に配置する工程と、
    前記管状補強部材を配置した円筒金型内周面に熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布する工程と、
    前記熱硬化性樹脂を含有する溶液を乾燥・焼成処理してベルトを形成し、前記管状補強部材とベルトとを一体成形する工程と、
    前記管状補強部材が一体成形された前記ベルトの片端部の内周面に蛇行防止リブを設ける工程と、
    を有し、
    前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2が0.1μm以上であり、前記管状補強部材の外周面の算術平均表面粗さRa1と前記円筒金型の内周面の算術平均表面粗さRa2とが、Ra1≧Ra2の関係を満たす
    ことを特徴とするシームレス管状物の製造方法。
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