JP5010518B2 - 軸受箱シール構造 - Google Patents

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本発明は、軸受箱シール構造に関し、さらに詳しくは、蒸気タービンなどの回転機械に用いる軸受箱シール構造に関するものである。
軸受を内部に収容する軸受箱のシール構造として、例えば、特許文献1には、主軸受と内筒とによって画成されるシールガス室を電動機側へ向かって延長することによりその容積を拡大すると共に、シールガス室と大気側とを仕切る電動機側シール部を主軸受の油切り部から離して設け、かつ主軸受の油切り部の形状を左右両側で対称に形成している技術が開示されている。
特開平11−62888号公報(段落番号0008)
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、特許文献1の図1が示すように、油切り部がカップリングのフランジの近傍に配置されている。このような場合、前記フランジが回転することによって、前記フランジが遠心ポンプのように働き、前記油切り部と前記フランジとの間の圧力が低下する。これにより、特許文献1に開示されている技術は、前記油切り部のシール性能が低下するおそれがある。
また、油切り部からカップリングのフランジを遠ざければ、前述の遠心ポンプ作用の影響を低減できると考えられる。しかしながら、カップリング位置の変更は軸系全体の設計に影響するため、容易に変更することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、油切り部のシール性能の低下を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る軸受箱シール構造は、回転体を支持する軸受と、前記軸受を収容する軸受箱と、前記軸受箱に形成されて前記回転体が貫通する開口部と、前記開口部と前記回転体との間に形成される油切部と、前記軸受箱と隣接して設けられ、前記軸受箱の外部であって前記油切部と隣接する空間の圧力を低下させる減圧手段と、前記軸受箱の外部であると共に前記油切部に隣接して形成され、前記軸受箱の内部の圧力よりも圧力が高い高圧空間と、を備え、前記油切部と前記減圧手段との間に設けられて前記油切部と前記減圧手段との間の空間を2分する仕切板を備え、前記高圧空間は、前記仕切板と前記油切部との間の空間であり、前記軸受箱に形成されて、前記回転体が貫通する開口と、前記軸受箱に取り付けられて前記開口と前記回転体の側周部との間を塞ぐ油切板と、を備え、前記高圧空間は、前記油切板と前記回転体の側周部との間の隙間に形成され、前記高圧空間に前記軸受箱の内部の圧力よりも高圧な空気を供給する通路が前記油切板に形成され、前記軸受箱と前記仕切板とを連結して前記軸受箱と前記仕切板との間の空間を覆うカバー支持部材を備え、且つ、前記通路が、前記油切部の径方向外側の外周部と径方向内側の内周部とを連通すると共に前記油切部の内周部に形成されて前記油切部の周方向に沿う前記高圧空間としての溝を有することを特徴とする。
上記構成により、本発明に係る軸受箱シール構造は、前記軸受箱の内部の空間よりも高圧な前記高圧空間が、前記油切部に隣接して形成される。これにより、前記高圧空間の空気は前記油切部と前記回転体との隙間を介して前記軸受箱の内部の空間に向かって流れる。これにより、前記軸受箱シール構造は、前記隙間を介して前記軸受箱の内部の空間の潤滑油が前記軸受箱の外部に漏れるおそれを抑制できる。つまり、前記軸受箱シール構造は、前記油切部のシール性能の低下を抑制できる。
また、本発明に係る軸受箱シール構造は、前記仕切板が隔壁としての機能を実現して、前記減圧手段と、前記油切部との間を隔離する。よって、前記高圧空間の圧力が前記減圧手段によって低減されない。これにより、前記高圧空間との前記軸受箱の内部の空間との差圧が低減されない。結果として、前記軸受箱シール構造は、前記隙間を介して前記軸受箱の内部の空間の潤滑油が前記軸受箱の外部に漏れるおそれをより抑制できる。つまり、前記軸受箱シール構造は、前記油切部のシール性能の低下をより抑制できる。
また、本発明に係る軸受箱シール構造は、潤滑油が前記軸受箱の内部の空間から外部へ漏れやすい前記隙間に前記高圧空間が形成される。よって、前記高圧空間と前記軸受箱の内部の空間との差圧によって、前記高圧空間内の空気が前記軸受箱の内部の空間に向かって前記隙間を流れる。これにより、前記軸受箱シール構造は、前記隙間を介して前記軸受箱の内部の空間の潤滑油が前記軸受箱の外部に漏れるおそれを抑制できる。つまり、前記軸受箱シール構造は、前記油切部のシール性能の低下を抑制できる。
また、本発明に係る軸受箱シール構造は、既存の軸受箱に対して複雑な加工をすることなく、容易に前記高圧空間に前記軸受箱の内部よりも高圧な空気を供給できる。
本発明の好ましい態様としては、前記高圧空間は、大気と連通することが望ましい。
上記構成により、本発明に係る軸受箱シール構造は、既存の軸受箱に対して複雑な加工や大規模な部品や装置を追加することなく、前記軸受箱の内部の空間の潤滑油が前記軸受箱の外部に漏れるおそれを抑制できる。つまり、前記軸受箱シール構造は、容易に前記油切部のシール性能の低下を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記高圧空間には、加圧されて大気圧よりも高い圧力の空気が供給されることが望ましい。
上記構成により、本発明に係る軸受箱シール構造は、前記高圧空間と前記軸受箱の内部の空間との差圧がより大きくなる。よって、前記高圧空間内の空気が前記軸受箱の内部の空間に向かってより強く流れる。これにより、前記軸受箱シール構造は、前記軸受箱の内部の空間の潤滑油が前記軸受箱の外部に漏れるおそれをより抑制できる。つまり、前記軸受箱シール構造は、前記油切部のシール性能の低下をより抑制できる。
本発明は、油切り部のシール性能の低下を抑制できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る発電プラントの概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る軸受箱シール構造10は、例えば蒸気タービン100を含んで構成される発電プラント1が有する軸受装置20に設けられる。
発電プラント1は、蒸気タービン100と、発電機160とを含んで構成される。蒸気タービン100は、ロータ150と、タービン全体を覆う外車室102と、静止側の静翼とロータに固定の動翼を多段に配置した高圧タービン部103と、同じく動翼と静翼とを多段に配置した中圧タービン部104と、低圧タービン部105とを含んで構成される。これら高圧タービン部103、中圧タービン部104、低圧タービン部105がロータ150の周囲軸方向で単一の外車室102の内部に配置されている。
高圧蒸気入口ポート106は高圧タービン部103へ高圧蒸気を供給する。高圧タービン部103で仕事をした蒸気は、高圧蒸気出口ポート107から流出する。中圧蒸気入口ポート108は中圧タービン部104へ中圧蒸気を供給する。低圧蒸気入口ポート109は低圧タービン部105へ低圧蒸気を供給する。
上記構成の蒸気タービン100では、高圧蒸気130は、高圧蒸気入口ポート106より高圧タービン部103に流入する。高圧タービン部103で仕事をした高圧蒸気130は、高圧蒸気出口ポート107から流出する。また、中圧蒸気132は、中圧蒸気入口ポート108より中圧タービン部104に流入する。中圧タービン部104で仕事をした中圧蒸気132は、低圧タービン部105へ流れる。
また、低圧蒸気133は、低圧蒸気入口ポート109より低圧タービン部105へ流入する。低圧タービン部105では、中圧タービン部104からの蒸気と低圧蒸気入口ポート109から流入した蒸気とが共に仕事をして、排気室111へ排出される。
上記構成の蒸気タービン100は前述のように高圧タービン部103と、中圧タービン部104と、低圧タービン部105とでロータ150を回転させる。ロータ150は、前記回転エネルギーによって回転軸RLを軸に回転する。
ロータ150の回転エネルギーは、発電機160へ入力される。ロータ150と発電機160との間には、クラッチ装置170と、回転体としてのジャックシャフト180と、軸受装置20とが配置される。クラッチ装置170は、ロータ150から伝えられる回転を断続してジャックシャフト180に伝える。これにより、ジャックシャフト180は、回転軸RLを軸に回転する。
軸受装置20は、ジャックシャフト180を回転軸RLを軸に回転できるように支持する。ジャックシャフト180は、発電機160の発電機シャフト161に連結される。これにより、ジャックシャフト180の回転は、発電機シャフト161に伝わる。よって、発電機シャフト161は、回転軸RLを軸に回転する。上記構成により、発電機160は発電する。
図7は、従来の軸受装置近傍を拡大して模式的に示す断面図である。ここで、一般的に、回転の際の振動を抑制するために、ジャックシャフトは回転軸RL方向の長さを低減される。また、ジャックシャフトと発電機シャフトとの連結部は、軸受装置の近傍に配置される。
図7に示すように、従来の発電プラント2も、ジャックシャフト180と発電機シャフト161との連結部である減圧手段としてのフランジ190が軸受装置220の近傍に配置される。具体的には、軸受装置20は、軸受221と、軸受221を内部に収容する軸受箱222と、軸受箱222とジャックシャフト180との隙間を封じる油切板223とを備える。フランジ190は、油切板223近傍に配置される。
ここで、ジャックシャフト180と発電機シャフト161とが回転軸RLを軸に回転すると、フランジ190も回転軸RLを軸に回転する。すると、フランジ190が遠心ポンプのように働いて、油切板223とフランジ190との間の空気が矢印AR01が示すように、回転軸RLを中心とする径方向外側に向かって流れる。これにより、油切板223とフランジ190との間の空間の圧力P01が低下する。
よって、軸受箱222内の圧力P02と圧力P01との圧力差が低下する。これにより、軸受装置220は、矢印AR02が示すように、軸受箱222内の潤滑油が油切板223とジャックシャフト180の側周部との間の隙間を介して軸受箱222外に漏れるおそれがある。
図2は、本実施形態に係る軸受箱シール構造を拡大して模式的に示す断面図である。図2に示す軸受箱シール構造10は、軸受箱22内の潤滑油が油切板23とジャックシャフト180の側周部との間の隙間を介して軸受箱22外に漏れるおそれを抑制する。つまり、軸受箱シール構造10は、油切部のシール性能の低下を抑制する。
軸受装置20は、軸受21と、軸受箱22と、油切板23とを含んで構成される。軸受21は、ジャックシャフト180の側周部に設けられる。軸受21は、ジャックシャフト180を回転軸RLを軸に回転できるように支持する。軸受箱22は、軸受21を囲うように設けられる。これにより、軸受21は、軸受箱22の内部に収容される。軸受箱22は、開口部22aを有する。開口部22aは、ジャックシャフト180の径方向の大きさよりも大きく形成される。開口部22aには、ジャックシャフト180が貫通する。
図3は、本実施形態に係る軸受箱シール構造の油切板と仕切板とをジャックシャフトの回転軸に沿う方向から模式的に示す断面図である。油切板23は、図2に示すように、開口部22aとジャックシャフト180の側周部との間を塞ぐように設けられる。油切板23は、板状の部材であり、ジャックシャフト180が貫通する開口部23bを有する。
油切板23は、例えば開口部22a近傍の軸受箱22に取り付けられる。また、油切板23は、図3に示すように、円盤状に形成される。油切板23は、例えば、2つの半円部材に分割されて構成される。このように、2分割された油切板23は、軸受箱22に取り付けられる際に一体化される。
ここで、図2に示すジャックシャフト180は回転軸RLを軸に回転するが、軸受箱22及び油切板23は回転軸RLを軸に回転しない。よって、油切板23の開口部23bとジャックシャフト180との間には、微小な隙間24が形成される。隙間24には、油切部としてのフィン23aが設けられる。フィン23aは、油切板23側に設けられる。
フィン23aは、隙間24を介して軸受箱22内から軸受箱22外へ漏れようとする潤滑油の量を低減する。なお、軸受箱22内とは、軸受箱22によって区分けされる空間のうち、軸受21が配置される側の空間をいう。また、軸受箱22外とは、軸受箱22によって区分けされる空間のうち、軸受箱22内とは別の空間、つまり軸受21が配置されない側の空間をいう。
軸受箱シール構造10は、カバー11と、仕切板12と、カバー支持部材13とを含んで構成される。ここで、フランジ190は、回転体である。よって、カバー11は、フランジ190を覆うように設けられる。これにより、軸受箱シール構造10は、発電プラント1の安全性を確保する。カバー11は、回転する部材、例えばジャックシャフト180や、発電機シャフト161には固定されず、図示しない静止部材に固定される。
カバー11には、カバー11を構成する部材の肉厚方向に貫通する貫通孔11aが例えば複数形成される。これにより、カバー11によって区分けされる空間のうち、フランジ190が配置される側の空間とフランジ190が配置されない空間とは貫通孔11aを介して連通する。なお、カバー11は、貫通孔11aが複数ではなく単数形成されてもよい。但し、カバー11は、貫通孔11aが複数形成される方が、フランジ190が配置される側の空間からフランジ190が配置されない空間へ流れる空気の量が増加する。
仕切板12は、図3に示すように、円盤状に形成される。仕切板12は、例えば、2つの半円部材に分割されて構成される。このように、2分割された仕切板12は、図2に示すカバー11に取り付けられる際に一体化される。
仕切板12は、軸受箱22外であって油切板23に隣接して設けられる。仕切板12は、油切板23に対して略平行に設けられる。円盤状に形成される仕切板12は、径方向内側の内周部12aが、ジャックシャフト180近傍に配置される。仕切板12は、例えば、径方向外側の外周部12bが、カバー11とカバー支持部材13との間に固定される。また、仕切板12は、径方向内側の部分が例えば、油切板23に固定される。
これにより、油切板23と仕切板12との間に、通路14が形成される。なお、仕切板12は、油切板23と略平行に設けられると説明したが、仕切板12は、油切板23とフランジ190との間に通路14が形成されるように設けられればよい。これにより、油切板23とフランジ190との間の空間は、仕切板12によって2分される。通路14において、ジャックシャフト180近傍を高圧空間としてのシールポケット14aとする。
ジャックシャフト180は回転体であり、仕切板12は回転しないため、仕切板12の径方向内側の内周部12aはジャックシャフト180と接触しない。よって、仕切板12の径方向内側の内周部12aとジャックシャフト180との間には隙間15が形成される。但し、隙間15は、小さければ小さいほど好ましい。これにより、より確実に、油切板23とフランジ190との間の空間が仕切板12によって2分される。
カバー支持部材13は、例えば、一方の端部13aが軸受箱22に連結され、他方の端部13bが仕切板12に連結される。これにより、カバー支持部材13は、仕切板12と軸受箱22との間の空間を覆う。カバー支持部材13には、カバー支持部材13を構成する部材の肉厚方向に貫通する貫通孔13cが例えば複数形成される。これにより、カバー支持部材13と、軸受箱22と、油切板23と、仕切板12と、ジャックシャフト180とで囲まれる空間の内部と、カバー支持部材13と、軸受箱22と、油切板23と、仕切板12と、ジャックシャフト180とで囲まれる空間の外部とは、貫通孔13cを介して連通する。
なお、カバー支持部材13は、貫通孔13cが複数ではなく単数形成されてもよい。但し、カバー支持部材13は、貫通孔13cが複数形成される方が、カバー支持部材13と、軸受箱22と、油切板23と、仕切板12と、ジャックシャフト180とで囲まれる空間の外部から貫通孔13cを介してカバー支持部材13と、軸受箱22と、油切板23と、仕切板12と、ジャックシャフト180とで囲まれる空間の内部へ流れる空気の量が増加する。
なお、カバー支持部材13は、複数のボスを有する形状に形成されてもよい。軸受箱22の側面には、回転軸RLに対して同心状に適宜間隔を空けて前記複数のボスが取付けられる。仕切板12やカバー11は、このボスによって固定される。上記構成により、前記ボスとボスの間を空気が流れるので、外部と前記空間との通気性が確保される。あるいは、仕切板12の強度が十分確保できる場合は、カバー支持部材13を省略して、仕切板12に直接カバー11が固定されてもよい。
ここで、仕切板12とフランジ190との間の空間において、ジャックシャフト180の側周部側の圧力を圧力P01とする。油切板23より軸受21側の空間、つまり軸受箱22内の空間において、ジャックシャフト180側の圧力を圧力P02とする。仕切板12と油切板23との間の空間、つまり通路14のシールポケット14aの圧力を圧力P03とする。
仕切板12とフランジ190との間の空間では、ジャックシャフト180側ほど圧力は小さくなる。これは、フランジ190が遠心ポンプのように働いて、仕切板12とフランジ190との間の空気が、回転軸RLを中心とする径方向外側に向かって流れるためである。油切板23より軸受21側の空間、つまり軸受箱22内の空間では、圧力はほぼ一様に圧力P02となる。また、仕切板12と油切板23との間の空間も、圧力はシールポケット14aと同様に圧力P03となる。
仕切板12とフランジ190との間の空間は、貫通孔11aを介して大気と連通するが、ジャックシャフト180近傍では、上述のように、フランジ190が遠心ポンプの働きをする。よって、圧力P01は、大気圧以下になる。軸受箱22内の空間は、通常、隙間24のシール性能の向上のため大気圧以下に減圧されている。よって、圧力P02は、大気圧以下である。シールポケット14aは、貫通孔13cを介して大気と連通する。よって、圧力P03は、略大気圧となる。
圧力P02は、場合によっては圧力P01よりも大きくなる場合がある。しかしながら、このような場合であっても、圧力P02は、略大気圧である圧力P03よりも小さい。つまり、軸受箱22内とシールポケット14a内との間に差圧が生じる。
この差圧により、矢印AR03が示すように、シールポケット14aの空気は、隙間24を介して軸受箱22内に流れる。これにより、軸受箱シール構造10は、隙間24を介して軸受箱22内の潤滑油が軸受箱22外に漏れるおそれを抑制できる。つまり、軸受箱シール構造10は、油切部のシール性能の低下を抑制できる。
ここで、圧力P03は、圧力P01よりも大きいため、シールポケット14aの空気は、隙間15を介してフランジ190側の空間にも流れる。よって、軸受箱シール構造10は、隙間15がより小さい方が、隙間24に流れる空気の量を多くできる。これにより、軸受箱シール構造10は、油切部のシール性能の低下をより抑制できる。隙間15を介してフランジ190側の空間に流れ出た空気は、貫通孔11aを介して大気に排出される。
このように、発電プラント1は、従来の構成に大きな変更を加えることなく、軸受箱シール構造10を追加することで、容易に軸受装置20の油切部のシール性能の低下を抑制できる。
図4は、本実施形態に係る他の軸受箱シール構造を拡大して模式的に示す断面図である。略大気圧である圧力P03と圧力P02との差圧が不足し、油切部のシール性能の低下が抑制できない場合、軸受箱シール構造10Aは、図4に示すように、例えば、空気加圧装置17を備える。
軸受箱シール構造10Aは、カバー支持部材13Aと、配管16と、空気加圧装置17と、を含んで構成される。カバー支持部材13Aは、配管取付用貫通孔13Aaが形成される。配管取付用貫通孔13Aaは、カバー支持部材13Aを構成する部材の肉厚方向に貫通してカバー支持部材13Aに形成される。なお、カバー支持部材13Aは、ボス形状ではなく、仕切板12と軸受箱22との間の空間を覆う形状に形成される。
配管16は、一方の端部16aが配管取付用貫通孔13Aaと連結され、他方の端部16bが空気加圧装置17と連結される。これにより、空気加圧装置17によって加圧された空気は、配管16を介して通路14に供給される。これにより、シールポケット14aの圧力P03が大気圧よりも大きくなる。
よって、圧力P03は、圧力P02よりもさらに大きくなる。つまり、軸受箱22内とシールポケット14a内との間の差圧がさらに大きくなる。これにより、矢印AR03が示すように、シールポケット14aの空気は、隙間24を介して軸受箱22内にさらに流れやすくなる。よって、軸受箱シール構造10Aは、隙間24を介して軸受箱22内の潤滑油が軸受箱22外に漏れるおそれをさらに抑制できる。つまり、軸受箱シール構造10Aは、油切部のシール性能の低下をさらに抑制できる。
図5は、本実施形態に係る他の軸受箱シール構造を拡大して模式的に示す断面図である。図6は、本実施形態に係る他の軸受箱シール構造の油切板と仕切板とをジャックシャフトの回転軸に沿う方向から模式的に示す断面図である。
略大気圧である圧力P03と圧力P02との差圧が不足し、油切部のシール性能の低下が抑制できない場合、軸受箱シール構造10Bは、例えば、図5に示すように、油切板23に加圧された空気が流れる通路が設けられる。軸受箱シール構造10Bは、図5に示すように、カバー支持部材13Bと、配管16Bと、通路18とを含んで構成される。
カバー支持部材13Bは、配管用貫通孔13Baが形成される。配管用貫通孔13Baは、カバー支持部材13Bを構成する部材の肉厚方向に貫通してカバー支持部材13Bに形成される。
配管16Bは、一方の端部16Baが配管用貫通孔13Baを介して油切板23Bに形成される通路18に連結され、他方の端部16Bbが空気加圧装置17と連結される。これにより、空気加圧装置17によって加圧された空気は、配管16Bを介して通路18に供給される。
なお、カバー支持部材13Bは、上述の図2に示すカバー支持部材13と同様に、複数のボスを有する形状に形成されてもよい。この場合、配管16Bは、前記ボスと前記ボスとは別のボスとの間を通されて配置される。
通路18は、油切板23Bに複数形成される。通路18は、図6に示すように、油切板23Bの径方向外側の外周部と径方向内側の内周部とを連通する。油切板23Bの内周部には、周方向に沿って高圧空間としての溝18aが形成される。全ての通路18は、溝18aに開口する。
これにより、空気加圧装置17によって加圧された空気は、配管16B及び通路18を介して溝18aに供給される。ここで、図6に示す溝18aの圧力を圧力P04とする。圧力P04は、圧力P02よりも大きい。よって、軸受箱22内と溝18a内との間の差圧により、矢印AR04が示すように、溝18a内の空気は、隙間24を介して軸受箱22内に流れる。
よって、軸受箱シール構造10Bは、圧力P03と圧力P02との差圧による隙間24のシール性能の低下の抑制に加えて、隙間24を介して軸受箱22内の潤滑油が軸受箱22外に漏れるおそれをさらに抑制できる。このように、軸受箱シール構造10Bは、既存の軸受箱に対して複雑な加工をすることなく、油切板23Bに通路18を形成することで容易に軸受箱22の内部よりも高圧な空気を溝18aに供給できる。結果として、軸受箱シール構造10Bは、油切部のシール性能の低下をさらに抑制できる。
なお、通路18のみならず通路14にも、空気加圧装置17から加圧された空気を供給してもよい。これにより、圧力P03と圧力P02との差圧が大きくなり、隙間24を介して軸受箱22内の潤滑油が軸受箱22外に漏れるおそれをさらに抑制できる。つまり、軸受箱シール構造10Bは、油切部のシール性能の低下をさらに抑制できる。
軸受箱シール構造10Bは、仕切板12を備えず、つまり通路14が形成されず、シールポケット14aの圧力P03が存在しない場合であっても、通路18が形成されれば、隙間24を介して軸受箱22内の潤滑油が軸受箱22外に漏れるおそれを抑制できる。つまり、軸受箱シール構造10Bは、油切部のシール性能の低下を抑制できる。
但し、仕切板12は、遠心ポンプの働きをするフランジ190と、油切部との間を隔離する隔壁としての機能も実現する。これにより、溝18a内の圧力がフランジ190によって低減されない。よって、仕切板12が設けられる方が、比較的低圧である圧力P01となる部分が油切部から離れるため、軸受箱シール構造10Bは、油切部のシール性能の低下をより抑制できる。なお、発電プラント1に含まれる軸受装置20に軸受箱シール構造10が設けられるとしたが、本実施形態はこれに限定されない。軸受箱22を備えるものであればあらゆる軸受装置20に軸受箱シール構造10を設けることができる。
以上のように、本実施形態に係る軸受箱シール構造は、軸受箱に有用であり、特に、油切部のシール性能の低下を抑制する軸受箱に適している。
本実施形態に係る発電プラントの概略構成図である。 本実施形態に係る軸受箱シール構造を拡大して模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る軸受箱シール構造の油切板と仕切板とをジャックシャフトの回転軸に沿う方向から模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る他の軸受箱シール構造を拡大して模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る他の軸受箱シール構造を拡大して模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る他の軸受箱シール構造の油切板と仕切板とをジャックシャフトの回転軸に沿う方向から模式的に示す断面図である。 従来の軸受装置近傍を拡大して模式的に示す断面図である。
符号の説明
1、2 発電プラント
10、10A、10B 軸受箱シール構造
11 カバー
11a 貫通孔
12 仕切板
12a 内周部
12b 外周部
13、13A、13B カバー支持部材
13a 一方の端部
13b 他方の端部
13c 貫通孔
13Aa 配管取付用貫通孔
13Ba 配管用貫通孔
14 通路
14a シールポケット
15 隙間
16、16B 配管
16a、16Ba 一方の端部
16b、16Bb 他方の端部
17 空気加圧装置
18 通路
18a 溝
20、220 軸受装置
21、221 軸受
22、222 軸受箱
22a 開口部
23、23B、223 油切板
23a フィン
23b 開口部
24 隙間
100 蒸気タービン
102 外車室
103 高圧タービン部
104 中圧タービン部
105 低圧タービン部
106 高圧蒸気入口ポート
107 高圧蒸気出口ポート
108 中圧蒸気入口ポート
109 低圧蒸気入口ポート
130 高圧蒸気
132 中圧蒸気
133 低圧蒸気
150 ロータ
160 発電機
161 発電機シャフト
170 クラッチ装置
180 ジャックシャフト
190 フランジ
AR01、AR02、AR03、AR04 矢印
P01、P02、P03、P04 圧力
RL 回転軸

Claims (3)

  1. 回転体を支持する軸受と、前記軸受を収容する軸受箱と、前記軸受箱に形成されて前記回転体が貫通する開口部と、前記開口部と前記回転体との間に形成される油切部と、前記軸受箱と隣接して設けられ、前記軸受箱の外部であって前記油切部と隣接する空間の圧力を低下させる減圧手段と、前記軸受箱の外部であると共に前記油切部に隣接して形成され、前記軸受箱の内部の圧力よりも圧力が高い高圧空間と、を備え
    前記油切部と前記減圧手段との間に設けられて前記油切部と前記減圧手段との間の空間を2分する仕切板を備え、前記高圧空間は、前記仕切板と前記油切部との間の空間であり、
    前記軸受箱に形成されて、前記回転体が貫通する開口と、前記軸受箱に取り付けられて前記開口と前記回転体の側周部との間を塞ぐ油切板と、を備え、前記高圧空間は、前記油切板と前記回転体の側周部との間の隙間に形成され、
    前記高圧空間に前記軸受箱の内部の圧力よりも高圧な空気を供給する通路が前記油切板に形成され、
    前記軸受箱と前記仕切板とを連結して前記軸受箱と前記仕切板との間の空間を覆うカバー支持部材を備え、且つ、
    前記通路が、前記油切部の径方向外側の外周部と径方向内側の内周部とを連通すると共に前記油切部の内周部に形成されて前記油切部の周方向に沿う前記高圧空間としての溝を有することを特徴とする軸受箱シール構造。
  2. 前記高圧空間は、大気と連通することを特徴とする請求項1に記載の軸受箱シール構造。
  3. 前記高圧空間には、加圧されて大気圧よりも高い圧力の空気が供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受箱シール構造。
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