JP5009591B2 - 手術用縫合糸 - Google Patents

手術用縫合糸 Download PDF

Info

Publication number
JP5009591B2
JP5009591B2 JP2006298671A JP2006298671A JP5009591B2 JP 5009591 B2 JP5009591 B2 JP 5009591B2 JP 2006298671 A JP2006298671 A JP 2006298671A JP 2006298671 A JP2006298671 A JP 2006298671A JP 5009591 B2 JP5009591 B2 JP 5009591B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surgical suture
dtex
cross
yarn
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006298671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008113790A (ja
Inventor
兼司 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Fibers Ltd
Original Assignee
Teijin Fibers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Fibers Ltd filed Critical Teijin Fibers Ltd
Priority to JP2006298671A priority Critical patent/JP5009591B2/ja
Publication of JP2008113790A publication Critical patent/JP2008113790A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5009591B2 publication Critical patent/JP5009591B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

本発明は、生体適合性の熱可塑性樹脂からなる異形断面繊維で構成される、引張り強度、柔軟性が改善された取扱い性が良好な手術用縫合糸に関するものである。
手術用縫合糸としては、外科手術時の操作性がよく、縫合や結紮がしやすい、また、結び目がほどけにくいものが求められており、例えば、絹からなる縫合糸や乳酸/ε−カプロラクトン共重合体等の生体吸収性ポリマーからなる糸(下記特許文献1参照)等が知られている。
絹糸は、柔軟で結節保持力が優れているため、しばりやすく、取扱い性が良好であるという長所がある。しかしながら、絹糸はコストが高く引張り強度が低い等の問題点がある。特に、手術での使用状態である湿潤時において、外科結びされたときの強度が低いのが絹糸からなる縫合糸の本質的な問題点となっている。
合成繊維からなる縫合糸として、靱性が約7ないし約8.5グラム/デニールであり、破断に至る伸長率が30%以下であり、沸騰水収縮率が約0.5ないし約3.0%である糸フィラメントから形成した「組みポリエステル縫合糸」と称する糸(下記特許文献2参照)や、脂肪族オキシカルボン酸単位0.02〜30モル%、脂肪族または脂環式ジオール単位35〜49.99モル%、脂肪族ジカルボン酸単位35〜49.99モル%からなる数平均分子量が1万〜20万の脂肪族ポリエステル共重合体からなる縫合糸(下記特許文献3参照)等が提案されているが、さらに柔軟性に優れ、適度な引張り強度、結節強度を併せ持った縫合糸が求められている。
特開2000−135282号公報 特開平9−164190号公報 特開平10−99424号公報
本発明の目的は、従来の縫合糸に比べ、引張り強度、柔軟性が改善され、取扱い性の良好な、新規な手術用縫合糸法を提供することにある。
すなわち、本発明は、生体適合性の熱可塑性樹脂からなり、単糸の横断面形状が2個所以上のくびれ部を有する扁平度が2〜5の扁平断面形状を有する異型断面の手術用縫合糸である。
かかる手術用縫合糸において、上記生体適合性の熱可塑性樹脂がポリエステル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類から選ばれる少なくとも1種の繊維形成性ポリマーであることが適当であり、特に、生体適合性の熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステルであるのが好ましい。
また、上記手術用縫合糸を構成する糸がモノフィラメントであるか、または、縫合糸を構成する糸のフィラメントカウントが15以下であるマルチフィラメントが好ましい。
また、本発明に係る手術用縫合糸を構成する糸にあっては、引張り強度が1.5cN/dtex以上であり、結節強度が1.5〜6.0cN/dtexであることが好ましい。
本発明により、柔軟性に優れ、適度な引張り強度、結節強度を併せ持ち、生体への適用性を損なうことなく、取扱い性の良好な手術用縫合糸を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の手術用縫合糸を構成する生体適合性の熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエステル等のポリエステル類、ナイロン等のポリアミド類、ポリスチレンやポリビニルアルコール、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)等のポリオレフィン類やこれらのコポリマー類、ポリ(カーボネート)、ポリ(ウレタン)等の縮合系高分子類やこれらのコポリマー類、ポリ乳酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等の生分解性脂肪族ポリエステル、ポリブチレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。
なかでも、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類が好ましく、とりわけ芳香族ポリエステルが好ましい。芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびこれらを主たる繰返し単位し、これにイソフタル酸や5−スルホイソフタル酸金属塩等の芳香族ジカルボン酸やアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸やε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸縮合物、ジエチレングリコールやトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等のグリコール成分等を共重合した共重合ポリエステルが挙げられる。本発明では、特にポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートならびにイソフタル酸共重合率が20モル%以下のポリエチレンテレフタレートイソフタレート、ポリ(テトラメチレンテレフタレート・オキシテトラメチレンテレフタレート)共重合体等の芳香族ポリエステル類が好ましい。
本発明の手術用縫合糸を構成するポリマーにおいて、生体適合性ポリマー以外の成分の含有は抑えることが好ましい。
本発明における手術用縫合糸は、繊維(単糸)の横断面形状が2個所以上のくびれ部を有する扁平度が2〜5の扁平断面形状を有する異形断面の縫合糸である。
従来の合成繊維からなる手術用縫合糸は、断面が円形の丸断面糸からなるが、このような丸断面糸あるいは横断面形状におけるくびれ部が2個所未満の糸は、柔軟性がなく結びにくいという問題があったり、引っ張り強度、結節強度も低いという問題がある。また、繊維の扁平度が2未満では丸断面糸と同様の問題があり、一方、扁平度が5を超えると扁平すぎて結び難く手術時の取り扱い性が劣るという問題があるので、いずれも本発明の目的を達成できない。
なお、ここで言う扁平度とは、下記の式で求められる値である。
Figure 0005009591
本発明の縫合糸では、その太さ等が特に制限されるものではないが、使用時の雑菌病巣になるか否かや、消毒を含めた衛生性の観点から、フィラメントカウントが少なく15フィラメント以下のマルチフィラメントもしくはモノフィラメントであることが好ましい。
本発明による好適な手術用縫合糸は、引張り強度が1.5cN/dtex以上である。引張り強度が1.5cN/dtex未満の場合には、手術用縫合糸としての強さが不十分であるため、好ましくない。本発明において、引張り強度は2.0〜7.0cN/dtexが好ましく、より好ましくは2.0〜6.0cN/dtexである。
また、本発明による好適な縫合糸は、結節強度が1.5〜6.0cN/dtexである。結節強度が1.5〜6.0cN/dtexの範囲外であると、本発明が目指すような柔軟性のある、取扱い性が特に優れた縫合糸は得られない。結節強度の好ましい範囲は2.0〜5.0cN/dtexである。
本発明の手術用縫合糸は、モノフィラメントであってもよいが、複数のマルチフィラメントを合わせて、求められる引張り強度や結節強度を満たすような糸束として使用することもできる。また、糸の束を組みひも状に編込んだ糸とすることもできる。
本発明の手術用縫合糸の製造方法としては、特に限定されるものではなく熱可塑性樹脂における通常の製糸方法でよい。ただし、上記の異形断面繊維を溶融紡糸する際には、例えば、図1および図2に例示する形状の紡糸孔を有する紡糸口金を使用し、繊維が所定の断面形状を保ったまま冷却固化するように紡糸する必要がある。
以下、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、例中の各評価項目は下記の方法で測定した。
(1)引張り強度、伸度
室温(25℃)で、初期試料長を200mm、引っ張り速度を200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。そして、破断時の荷重値を初期の繊度で割った値を引張り強度とし、破断時の伸長値を伸度とした。
(2)結節強度
該縫合糸のつかみ間隔の中央に本結びを1個作った状態で、上述の引張り強度試験法に準拠して結節強度を測定した。
[実施例1]
285℃での溶融粘度が1200poiseのポリエチレンテレフタレートを、図1に示す異形断面紡糸孔を有し、孔数が2の紡糸口金を用いて285℃で溶融紡糸し、1000m/minで巻き取った。得られた未延伸糸を延伸温度60〜90℃でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。この際、延伸糸が95dtex/4fになるように紡糸吐出量を調整したところ、得られた糸条の繊維(単糸)の横断面形状は図1のように計2個所のくびれを有し、その扁平度は2であった。この糸の引張り強度は5.2cN/dtex、伸度は20%、結節強度は3.4cN/dtexであって、柔軟性があり、取扱い性の良好な手術用縫合糸が得られた。
[実施例2]
図2に示す異形断面紡糸孔を有する紡糸口金を使用し、繊維の横断面形状が図2に示す形状の繊維とした以外は、実施例1と同様にして繊維(単糸)の横断面形状に計4個所のくびれを有し扁平度3の糸を作製した。この糸の引張り強度は5.0cN/dtex、伸度は21%、結節強度は3.1cN/dtexであり、柔軟性があり、取扱い性の良好な手術用縫合糸が得られた。
[比較例1]
繊維の横断面形状が丸断面の95dtexのモノフィラメントである以外は、実施例1と同様にして糸を作製した。糸の引張り強度は6.2cN/dtex、伸度は22%であったが、結節強度は2.8cN/dtexであり、柔軟性がなく、結びにくい糸となった。
[比較例2]
繊維の横断面形状が丸断面の95dtexでフィラメントカウントが20のマルチフィラメントである以外は、実施例1と同様にして糸を作製した。糸の引張り強度は3.9cN/dtex、伸度は18%、結節強度は2.3cN/dtexであり、柔軟性があり取扱い性は良いが、強度が不十分な糸となった。
本発明による手術用縫合糸は、優れた引張り強度、柔軟性、取扱い性を有するため各種の手術において有効に使用される。
2つの山を有する本発明の扁平断繊維製造用の紡糸口金孔の例。 3つの山を有する本発明の扁平断繊維製造用の紡糸口金孔の例。

Claims (6)

  1. 生体適合性の熱可塑性樹脂からなり、繊維の横断面形状が2個所以上のくびれ部を有する扁平度2〜5の扁平断面形状を有する異形断面のフィラメントであることを特徴とする手術用縫合糸。
  2. 生体適合性の熱可塑性樹脂が、ポリエステル類、ポリアミド類およびポリオレフィン類から選ばれる少なくとも1種の繊維形成性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の手術用縫合糸。
  3. 生体適合性の熱可塑性樹脂が、芳香族ポリエステルであることを特徴とする請求項2記載の手術用縫合糸。
  4. 手術用縫合糸を構成する糸が、フィラメントカウントが15以下のマルチフィラメントあることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の手術用縫合糸。
  5. 手術用縫合糸を構成する糸が、モノフィラメントであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の手術用縫合糸。
  6. 手術用縫合糸を構成する糸の引張り強度が1.5cN/dtex以上であり、結節強度が1.5〜6.0cN/dtexであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の手術用縫合糸。
JP2006298671A 2006-11-02 2006-11-02 手術用縫合糸 Expired - Fee Related JP5009591B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006298671A JP5009591B2 (ja) 2006-11-02 2006-11-02 手術用縫合糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006298671A JP5009591B2 (ja) 2006-11-02 2006-11-02 手術用縫合糸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008113790A JP2008113790A (ja) 2008-05-22
JP5009591B2 true JP5009591B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=39500265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006298671A Expired - Fee Related JP5009591B2 (ja) 2006-11-02 2006-11-02 手術用縫合糸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5009591B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090264925A1 (en) * 2008-04-17 2009-10-22 Joseph Hotter Poly(Trimethylene)Terephthalate Filaments And Articles Made Therefrom
CN103429279B (zh) 2011-03-15 2016-02-24 郡是株式会社 生物吸收性缝合线和生物吸收性缝合线的制造方法
JP6261909B2 (ja) * 2013-08-26 2018-01-17 松田医科工業株式会社 縫合糸、およびその製造方法
JP2019111298A (ja) * 2017-12-26 2019-07-11 旭化成株式会社 手術用縫合糸

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3366946B2 (ja) * 1990-07-31 2003-01-14 グンゼ株式会社 手術用縫合糸
ES2343892T3 (es) * 2004-07-27 2010-08-12 Dsm Ip Assets B.V. Producto de reparacion quirurgica alargado basado en filamentos de uhmwpe.

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008113790A (ja) 2008-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5005126B2 (ja) 改良されたマルチフィラメント手術糸
EP0113739B1 (en) Polyester containing filament material
JP4581725B2 (ja) 皮革様シート状物およびその製造方法
JP2003339849A (ja) モノフィラメント縫合糸及びその製造方法
JPH04300557A (ja) 共重合体コーテイング組成物でコーテイングされた縫合糸
JP2004353161A (ja) ポリエステル複合繊維
JP5009591B2 (ja) 手術用縫合糸
JPH05184660A (ja) 滅菌した2成分系繊維組ひも
JP2003342836A (ja) 熱接着性繊維およびそれからなる繊維製品
JP3925176B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP6484948B2 (ja) 海島複合繊維
JP2010063480A (ja) 縫合糸
JP4418869B2 (ja) 生分解性複合短繊維とその製造方法、及びこれを用いた熱接着不織布
JP5038610B2 (ja) 縫合糸およびその製造方法
JP2006283033A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP5662007B2 (ja) 立毛布帛および立毛布帛製品
JP2008240183A (ja) 弾性経編地
JP2008150759A (ja) ポリエステル複合繊維
JP2008297680A (ja) 捲縮糸及びインテリア製品
JP5220393B2 (ja) ポリエステル複合長繊維
KR100946757B1 (ko) 강력 및 생체내 강력유지율이 우수한 흡수성 멀티 필라멘트봉합사 및 이의 제조방법
JP6406806B2 (ja) 人工繊維布
JP2008196069A (ja) ポリエステル複合繊維
KR0174131B1 (ko) 유연성이 우수한 수술용 봉합사의 제조방법
JPH09209216A (ja) 自発巻縮性複合繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090825

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150608

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150608

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150608

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees