JP5008266B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁表面上に形成された半導体素子を剥離する、半導体装置の作製方法に関する。
プラスチック基板などの可撓性を有する基板は、ガラス基板と比較して振動、衝撃に対する機械的強度に優れており、厚さを抑えやすい。また上記可撓性を有する基板は、ガラス基板に比べて形状の自由度が高い。そのため、該可撓性を有する基板を用いた半導体装置には、様々なアプリケーションが期待されている。しかしプラスチック基板などの可撓性を有する基板は、半導体素子の作製工程における熱処理に耐え得るほど、耐熱性に優れていない場合が多い。そこで、耐熱性を有する基板上に半導体素子を形成した後、剥離して、別途用意した可撓性を有する基板に貼り合わせるという作製方法が、従来用いられてきた。
特開平8−262475号公報
特許文献1には、基板上にシリコンを用いた剥離層を形成し、該剥離層上に薄膜トランジスタを用いた集積回路を形成し、エッチングにより該剥離層を除去することで基板と集積回路とを剥離した後、該集積回路を他の基板に貼り合わせる技術について開示されている。
ところが、上述した半導体素子の作製工程では、半導体素子を作製する過程において剥離層に熱処理が加えられると、剥離層が基板から剥離しやすいという問題があった。半導体素子が完成した後、最終的には、剥離層は基板から剥離されるが、半導体素子が完成する前に剥離層が基板から剥離してしまうと、半導体素子の作製を継続することが困難になる。従って、少なくとも半導体素子が完成する前の段階において、剥離層が基板から剥離するのを抑える必要がある。
また上述したような、半導体素子の剥離を行なうことで形成される半導体装置の生産では、剥離工程に費やされる時間が、剥離層をエッチングする速度(エッチングレート)に依存する。よって、エッチングレートが高いほど半導体素子の剥離をより迅速に行なうことができるので、TAT(Turn Around Time)を短縮化することができ、好ましい。
そこで本発明は、半導体素子が完成する前の段階において、剥離層が基板から剥離するのを抑え、なおかつ半導体素子の剥離をより迅速に行なうことができる、半導体装置の作製方法の提供を課題とする。
本発明者らは、熱処理により剥離層が基板から剥離されやすくなるのは、基板と剥離層との間の熱膨張係数の違いにより剥離層に応力が加わるため、若しくは剥離層が熱処理により結晶化されることで体積が縮小化し、剥離層に応力が加わるためではないかと考えた。そこで本発明では、基板上に剥離層を形成する前に、基板と剥離層との間に、剥離層の応力を緩和するための絶縁膜(バッファ膜)を形成し、基板と剥離層の密着性を高めることを特徴とする。
また剥離層上には、半導体素子を剥離する工程(剥離工程)の際に、半導体素子を保護するための絶縁膜(下地膜)を形成し、該下地膜上に半導体素子に用いる半導体膜を形成する。そして本発明では、該半導体膜の結晶化に、連続発振のレーザを用いることを特徴とする。
連続発振のレーザの場合、パルス発振のレーザとは異なり、一方向に走査させながら半導体膜にレーザ光を照射して、結晶を走査方向に向かって連続的に成長させ、該走査方向に沿って長く延びた結晶粒の集まりを形成することができる。走査方向に沿って長く延びた結晶粒の集まりを、薄膜トランジスタ(TFT)の活性層に用いることで、キャリアの移動する方向と交差する方向に結晶粒界がほとんど存在しない、高い特性を有するTFTを形成できる。
また連続発振のレーザの代わりに、パルス発振のレーザ光の発振周波数を10MHz以上とし、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行なっても良い。パルス発振でレーザ光を半導体膜に照射してから半導体膜が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われている。よって上記周波数帯を用いることで、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜が形成される。該走査方向に沿って長く延びた単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向に結晶粒界がほとんど存在しない半導体膜の形成が可能となる。
さらに本発明では、半導体膜のレーザ結晶化の際に、剥離層をも結晶化しても良い。剥離層を結晶化することで、剥離層のエッチングレートを向上させ、半導体素子の剥離をより迅速に行なうことができる。なお、レーザ結晶化により剥離層に熱が加えられたり、剥離層が結晶化されたりすると、剥離層に応力が加わってしまう。しかし本発明では基板と剥離層との間にバッファ膜を形成しているので、半導体素子が完成する前の段階において、剥離層が基板から剥離するのを抑えることができる。
なお本発明の作製方法を用いる半導体装置は、マイクロプロセッサ、画像処理回路などの集積回路や、半導体表示装置等、ありとあらゆる半導体装置がその範疇に含まれる。半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、半導体膜を用いた回路素子を駆動回路に有しているその他の表示装置がその範疇に含まれる。
特に本発明の作製方法を用いて形成することができる半導体装置の1つに、IDチップがある。IDチップは、無線で識別情報などのデータの送受信が可能な半導体装置であり、様々な分野において実用化が進められている。IDチップは、無線タグ、RFID(Radio frequency identification)タグ、ICタグとも呼ばれている。
本発明の作製方法を用いたIDチップは、薄膜の半導体膜を用いた集積回路を有している。また本発明の作製方法を用いたIDチップは、該集積回路に加えてアンテナを有した形態も取りうる。集積回路は、アンテナで発生した交流の電圧を用いて動作を行ない、またアンテナに印加する交流の電圧を変調することで、リーダ/ライタへの信号の送信を行なうことができる。なおアンテナは、集積回路と共に形成しても良いし、集積回路とは別個に形成し、後に電気的に接続するようにしても良い。
本発明は上記構成により、半導体素子が完成する前の段階において、剥離層が基板から剥離するのを抑え、なおかつ半導体素子の剥離をより迅速に行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図1、図2を用いて、本発明の半導体装置の作製方法について説明する。まず図1(A)に示すように、耐熱性を有する基板(第1の基板)100上に接するように、後に形成される剥離層102の応力を緩和するためのバッファ膜101を形成する。バッファ膜101は、剥離層102の応力を緩和し、第1の基板100と剥離層102との密着性を向上させることができる絶縁膜であれば良く、例えば酸化珪素、酸化窒化珪素で形成することが可能である。
なお本明細書において酸化窒化珪素は、SiOxNy(x>y)で表される絶縁膜の材料であり、SiNxOy(x>y)で表される窒化酸化珪素とは区別する。
次に、バッファ膜101上に接するように、剥離層102を形成する。剥離層102は、後に半導体膜104をレーザ結晶化する際に共に結晶化でき、なおかつエッチングにより除去できる材料を用いることが望ましい。具体的には、例えば珪素、酸化珪素、シリコンゲルマニウム等を用いることができる。
次に剥離層102上に、下地膜103を形成する。下地膜103は、Naなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、後に形成される半導体膜104中に拡散し、TFTなどの半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。また下地膜103は、後に行なわれる半導体素子の剥離工程において、半導体素子を保護する役目も有している。
次に下地膜103上に、半導体膜104を形成する。半導体膜104は、非晶質半導体であっても良いし、セミアモルファス半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体膜104は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。
次に図1(B)に示すように、半導体膜104をレーザ結晶化する。レーザ結晶化には、連続発振のレーザの他、発振周波数が10MHz以上の、パルス発振のレーザを用いることもできる。そして半導体膜104をレーザ結晶化する際、共に剥離層102も結晶化する。
次に図1(C)に示すように、結晶化された半導体膜104を用いて、半導体素子を形成する。図1(C)では、半導体素子としてTFT105〜107を形成する例を示すが、本発明はこれに限定されない。TFT以外の半導体素子、例えば、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、抵抗素子、コイル、容量素子、インダクタなども形成することができる。
TFT105〜107は層間絶縁膜108に覆われており、層間絶縁膜108上には、配線109〜113が形成されている。配線109〜113は、層間絶縁膜108に形成されたコンタクトホールを介してTFT105〜107に接続されている。
次に図1(D)に示すように、TFT105〜107及び配線109〜113を覆うように、保護層114を形成する。保護層114は、後に行なわれる半導体素子の剥離工程において、半導体素子及びそれに接続される配線(ここではTFT105〜107及び配線109〜113)を保護することができ、なおかつ剥離工程の後に除去できる材料で形成することが望ましい。保護層114は、例えば水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコン系の樹脂を用いることができる。
次に図2(A)に示すように、剥離層102をエッチングにより除去し、第1の基板100及びバッファ膜101を、TFT105〜107から剥離する剥離工程を行なう。例えば剥離層102に珪素を用いている場合、エッチング剤としては、代表的にはハロゲン化物を含む気体又は液体用いることができる。具体的には、例えばClF3(三フッ化塩素)、NF3(三フッ化窒素)、BrF3(三フッ化臭素)、HF(フッ化水素)、またはClF3、NF3、BrF3、HFに窒素を混ぜたガスを用いることができる。なお、HFを用いる場合、剥離層には酸化珪素膜を用いる。
そして図2(B)に示すように、接着剤116を用いて、TFT105〜107を第2の基板115に貼り合わせ、保護層114を除去する。
上記一連の作製方法を用いることで、第2の基板115が耐熱性に劣っていても、第2の基板115上にTFT105〜107などの半導体素子を形成することができる。
なお、上記剥離工程において、剥離層102の除去に費やされる時間を短縮化するために、層間絶縁膜108、保護層114、下地膜103に溝を形成し、剥離層102を部分的に露出させるようにしても良い。溝の形成には、ダイシング、スクライビング、フォトリソグラフィ法などを用いることができる。
また上述した作製方法では、半導体膜104をレーザ結晶化する際に、剥離層102を共に結晶化しており、工程数の削減、工程の簡素化という点において優れている。しかし本発明は、剥離層102を半導体膜104と共にレーザ結晶化する構成に限定されない。予め結晶性を有する剥離層102を形成しておいても良いし、半導体膜104を形成する前に、剥離層102を結晶化しておいても良い。例えば、スループットに優れている発振周波数が10MHz未満のパルス発振のレーザで、剥離層102をレーザ結晶化し、結晶性を著しく向上することができる発振周波数が10MHz以上のパルス発振のレーザ、或いは連続発振のレーザで、半導体膜104をレーザ結晶化するようにしても良い。ただし剥離層102をレーザ結晶化する際、結晶粒の粒界において凸部(リッジ)が生じるのを防ぐために、下地膜103を形成してからレーザ光の照射を行なうのが望ましい。
また、予め結晶性を有する剥離層102を形成する、或いは半導体膜104を形成する前に剥離層102を結晶化する場合、半導体膜104の結晶化は、発振周波数が10MHz以上のパルス発振のレーザ、或いは連続発振のレーザを用いたレーザ結晶化に限定されない。例えば、発振周波数が10MHz未満のパルス発振のレーザを用いたレーザ結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法とレーザ結晶化法とを組み合わせた結晶化法を用いることができる。また第1の基板100として石英のような耐熱性に優れている基板を用いる場合、電熱炉を使用した熱結晶化方法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法と950℃程度の高温アニールを組み合わせた結晶法を用いても良い。
また剥離層102に珪素を用いる場合、剥離層102にp型の不純物(例えばB)またはn型の不純物(例えばP)をドーピング等で添加し、活性化しておくことで、より剥離層102のエッチングレートを高めることができる。
また下地膜103は、単数の絶縁膜を用いて形成しても良いし、複数の絶縁膜を用いていても良い。Naなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜104中に拡散するのを防ぐには、バリア性の高い窒化珪素または窒化酸化珪素を用いるのが効果的である。しかし窒化珪素または窒化酸化珪素は、珪素との密着性という点では、酸化珪素または酸化窒化珪素よりも劣っている。そこで剥離層102に珪素を用いる場合、下地膜103が有する複数の絶縁膜のうち、剥離層102に接する絶縁膜に酸化珪素または酸化窒化珪素を用い、下地膜103のうち残りの絶縁膜のいずれかに窒化珪素または窒化酸化珪素を用いるのが望ましい。上記構成により、剥離層102と下地膜103の密着性を向上させ、なおかつアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜104中に拡散するのを防ぐことができる。
また半導体膜104に珪素を用いる場合、下地膜103が有する複数の絶縁膜のうち、半導体膜104に接する絶縁膜に酸化珪素または酸化窒化珪素を用い、下地膜103のうち残りの絶縁膜のいずれかに窒化珪素または窒化酸化珪素を用いるのが望ましい。上記構成により、半導体膜104と下地膜103の密着性を向上させ、なおかつアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜104中に拡散するのを防ぐことができる。
或いは、剥離層102に珪素を用い、なおかつ半導体膜104に珪素を用いる場合、下地膜103が有する複数の絶縁膜のうち、剥離層102に接する絶縁膜及び半導体膜104に接する絶縁膜に酸化珪素または酸化窒化珪素を用い、下地膜103のうち残りの絶縁膜のいずれかに窒化珪素または窒化酸化珪素を用いるのが望ましい。上記構成により、剥離層102と下地膜103の密着性を向上させ、半導体膜104と下地膜103の密着性を向上させ、なおかつアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜104中に拡散するのを防ぐことができる。
次に、本実施例では、本発明の作製方法を用いた半導体装置の1つである、IDチップの詳しい作製方法について説明する。なお本実施例では、絶縁分離されたTFTを半導体素子の一例として示すが、集積回路に用いられる半導体素子はこれに限定されず、あらゆる回路素子を用いることができる。
まず図3(A)に示すように、耐熱性を有する第1の基板500上に接するように、バッファ膜501を形成する。第1の基板500として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステンレス基板を含む金属基板または半導体基板を用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
バッファ膜501は、後に形成される剥離層502の応力を緩和し、第1の基板500と剥離層502との密着性を向上させることができる絶縁膜であれば良く、例えば酸化珪素、酸化窒化珪素で形成することが可能である。本実施例では、4/800sccmの流量比のSiH4/N2Oの混合ガスを用い、プラズマCVD法で、酸化窒化珪素からなるバッファ膜501が形成される。
なお本実施例では、バッファ膜501が単数の絶縁膜で形成されている例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。バッファ膜501が複数の絶縁膜で形成されていても良い。
次にバッファ膜501に接するように、剥離層502を形成する。剥離層502は、非晶質珪素、多結晶珪素、単結晶珪素、微結晶珪素(セミアモルファスシリコンを含む)等、珪素を主成分とする層を用いることができる。剥離層502は、スパッタ法、減圧CVD法、プラズマCVD法等を用いて形成することができる。本実施例では、膜厚50nm程度の非晶質珪素をプラズマCVD法で形成し、剥離層502として用いる。剥離層502は、スパッタ法で形成するよりもプラズマCVD法を用いて形成する方が、剥離層502に塵埃が含まれてしまうのを防ぐことができ、また剥離層502に含まれるArの量を抑えることができる。従って、後の作製工程においてレーザ結晶化などを含む熱処理が剥離層502に加えられても、塵埃やAr起因により、剥離層502がバッファ膜501または下地膜503から剥離するのを抑えることができる。また剥離層502に塵埃が含まれていると、該塵埃によって後に形成される半導体膜504の表面に微小な凹凸が生じる場合がある。塵埃に起因する凹凸が半導体膜504の表面に存在していると、半導体膜504をレーザ結晶化する際に、半導体膜504が剥離する場合がある。また、剥離層502にArが含まれていると、レーザエネルギーによって半導体膜504が剥離する場合がある。よって、プラズマCVD法を用いて剥離層502を形成することで、レーザ結晶化の際に半導体膜504が下地膜503から剥離するのも防ぐことができるといえる。なお剥離層502の材料は珪素に限定されず、エッチングにより選択的に除去できる材料で形成すれば良い。剥離層502の膜厚は、10〜100nmとするのが望ましい。
次に、剥離層502上に、下地膜503を形成する。下地膜503は第1の基板500中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、後に形成される半導体膜504中に拡散し、TFTなどの半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。また下地膜503は、後の半導体素子を剥離する工程において、半導体素子を保護する役目も有している。下地膜503には、例えば酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いることができる。
下地膜503は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜、膜厚50nmの窒化酸化珪素膜、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を順に積層して下地膜503を形成するが、各膜の材質、膜厚、積層数は、これに限定されるものではない。例えば、下層の酸化窒化珪素膜に代えて、膜厚0.5〜3μmのシロキサン系樹脂をスピンコート法、スリットコーター法、液滴吐出法、印刷法などによって形成しても良い。また、中層の窒化酸化珪素膜に代えて、窒化珪素膜(SiNx、Si34等)を用いてもよい。また、上層の酸化窒化珪素膜に代えて、酸化珪素膜を用いていても良い。また、それぞれの膜厚は、0.05〜3μmとするのが望ましく、その範囲から自由に選択することができる。
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出して所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。また印刷法にはスクリーン印刷法、オフセット印刷法などが含まれる。
或いは、剥離層502に最も近い、下地膜503の下層を酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜で形成し、中層をシロキサン系樹脂で形成し、上層を酸化珪素膜で形成しても良い。
なおシロキサン系樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当し、置換基に少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)を有している。または、置換基としてフルオロ基を有していても良い。または、置換基として少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを有していても良い。
酸化珪素膜は、SiH4/O2、TEOS(テトラエトキシシラン)/O2等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の方法によって形成することができる。また、窒化珪素膜は、代表的には、SiH4/NH3の混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。また、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜は、代表的には、SiH4/N2Oの混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。
次に、下地膜503上に半導体膜504を形成する。半導体膜504は、下地膜503を形成した後、大気に曝さずに形成することが望ましい。半導体膜504の膜厚は20〜200nm(望ましくは40〜170nm、好ましくは50〜150nm)とする。なお半導体膜504は、非晶質半導体であっても良いし、セミアモルファス半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体膜504は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
次に半導体膜504をレーザ結晶化する。レーザ結晶化を行なう場合、レーザ結晶化の前に、レーザに対する半導体膜504の耐性を高めるために、550℃、4時間の加熱処理を該半導体膜504に加えるのが望ましい。レーザ結晶化は、連続発振のレーザまたは発振周波数が10MHz以上のパルス発振のレーザを用いることができる。
具体的には、公知の連続発振の気体レーザもしくは固体レーザを用いることができる。気体レーザとして、Arレーザ、Krレーザなどがあり、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザなどが挙げられる。
また周波数10MHz以上でパルス発振させることができるのであれば、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y23レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いることができる。
例えば連続発振が可能な固体レーザを用いる場合、第2高調波〜第4高調波のレーザ光を半導体膜504に照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。代表的には、YAGレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYAGレーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換し、例えば出力4〜8W程度のレーザ光を得る。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、半導体膜504に照射する。エネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。本実施例では、エネルギー5W、ビームスポットのサイズを長軸400μm、短軸10〜20μm、走査速度を35cm/secとして結晶化を行なう。
上記レーザ結晶化により、走査方向に対して垂直な方向における幅が数百μm程度で、走査方向に延びるように成長した結晶粒を得ることができる。
なおレーザ光のビームスポットは、走査方向における幅が短いほど、レーザ結晶化による半導体膜504の剥離が生じるレーザ光のエネルギー密度の最低値と、設計どおりの結晶を得るためのエネルギー密度の値との差(マージン)を大きくすることができる。よって、塵埃などによって半導体膜504の表面に凹凸が生じていても、半導体膜504を剥離させることなく結晶化することが可能になる。従って、ビームスポットの走査方向における幅は、光学系の調整が可能な限り狭くするのが望ましい。
また下地膜503は、その膜厚を厚くするほど、後に形成される半導体膜504の応力を緩和することができるので、レーザ光のエネルギー密度のマージンを大きくすることができる。下記表1及び図8に、ガラス基板上にバッファ膜、剥離層、下地膜、半導体膜を順に積層するように形成した試料において、半導体膜を連続発振のレーザで結晶化した際の、エネルギーのマージンを示す。本明細書では、便宜上マージンをW(ワット)で比較した。ただし全ての試料において、レーザ光のビームスポットは同じサイズにしてあるので、各試料間のエネルギーのマージンの大小関係は、即ちエネルギー密度のマージンの相対的な大小関係を意味する。
具体的に各試料は、ガラス基板上に、プラズマCVD法を用いて100nmの酸化窒化珪素からなるバッファ膜を形成し、バッファ膜上に、プラズマCVD法を用いて50nmの非晶質珪素からなる剥離層を形成し、剥離層上に、プラズマCVD法を用いて酸化珪素からなる絶縁膜を形成している。また酸化珪素からなる絶縁膜上には、プラズマCVD法を用いて50nmの窒化酸化珪素からなる絶縁膜を形成しており、窒化酸化珪素からなる絶縁膜上には、プラズマCVD法を用いて100nmの酸化窒化珪素からなる絶縁膜が形成されている。酸化珪素からなる絶縁膜、窒化酸化珪素からなる絶縁膜及び酸化窒化珪素からなる絶縁膜は、下地膜に相当する。また酸化窒化珪素からなる絶縁膜上には、プラズマCVD法を用いて66nmの非晶質珪素からなる半導体膜が形成されている。
図8では、酸化珪素からなる絶縁膜の膜厚を横軸に、半導体膜をレーザ結晶化する際のマージンを縦軸に示す。なお試料Aはレーザ結晶化のみ用いており、試料Bは触媒元素を用いた結晶化の後にレーザ結晶化を用いている。表1および図8から、酸化珪素からなる絶縁膜の膜厚が600nm以下の場合には膜厚が厚いほど、マージンが大きくなっていることがわかる。酸化珪素からなる絶縁膜の膜厚が600nm以上では、マージンが十分にあることがわかる。従って、酸化珪素からなる絶縁膜の膜厚が厚いほど、基板の表面に凹凸が生じていても、半導体膜をより均一に結晶化できることがわかる。
またレーザ光のエネルギー密度のマージンは、半導体膜の膜厚が厚いほど大きくなるため、半導体膜の膜厚が厚いほど、基板の表面にうねりが生じていても、半導体膜をより均一に結晶化できる。
また、連続発振のレーザを用いた場合、走査方向に対して垂直方向におけるビームスポットの両端に、ビームスポットの中心と比較して結晶粒が著しく小さく、結晶性の劣っている領域(微結晶領域)が形成される。この微結晶領域の面積は、半導体膜の膜厚が厚いほど、小さく抑えることができた。また、剥離層の膜厚が薄いほど、微結晶領域の面積を小さく抑えることができた。よって、微結晶領域の面積を抑えるためには、半導体膜の膜厚、剥離層の膜厚を調整することが望ましい。或いは半導体膜の膜厚、剥離層の膜厚を調整せずとも、ビームスポットのエネルギー密度の低い領域をスリット等で遮蔽し、微結晶領域の面積を抑えるようにすることも可能である。
また、バッファ膜501、剥離層502、下地膜503、半導体膜504は、第1の基板500上に大気開放せずに連続的に形成することが可能である。大気開放せずに連続的に形成することで、各層または膜の間に大気中の塵埃または不純物が入り込むのを防ぐことができる。ただし、剥離層502に含まれる水素の量が多いと、後にレーザ結晶化などの熱処理が加えられた時に、剥離層502が剥離しやすくなる。よって、剥離層502の剥離防止を重要視するならば、剥離層502を形成した後は加熱処理を行ない、剥離層502中に含まれる水素の量を抑えることが望ましい。
なおレーザ結晶化は、連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを並行して半導体膜に照射するようにしても良いし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波のレーザ光とを並行して半導体膜に照射するようにしても良い。
また、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を半導体膜に照射するようにしても良い。これにより、レーザ光照射による半導体膜表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じるTFTの閾値電圧のばらつきを抑えることができる。
上述したレーザ光の照射により、半導体膜504の結晶性が高められる。なお、予め多結晶半導体を、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法などで形成するようにしても良い。
なお非晶質半導体は、珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4、Si26が挙げられる。この珪化物気体を、水素、水素とヘリウムで希釈して用いても良い。
なおセミアモルファス半導体とは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体を含む膜である。このセミアモルファス半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体中に分散させて存在せしめることが可能である。セミアモルファス半導体は、そのラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、またX線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)の終端化として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。ここでは便宜上、このような半導体をセミアモルファス半導体(SAS)と呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なセミアモルファス半導体が得られる。
またSASは珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4であり、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素を加えたガスで、この珪化物気体を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪化物気体を希釈することが好ましい。またさらに、珪化物気体中に、CH4、C26などの炭化物気体、GeH4、GeF4などのゲルマニウム化気体、F2などを混入させて、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。
例えば、SiH4にH2を添加したガスを用いる場合、或いはSiH4にF2を添加したガスを用いる場合、形成したセミアモルファス半導体を用いてTFTを作製すると、該TFTのサブスレッショルド係数(S値)を0.35V/sec以下、代表的には0.25〜0.09V/secとし、移動度を10cm2/Vsecとすることができる。そして上記セミアモルファス半導体を用いたTFTで、例えば19段リングオシレータを形成した場合、電源電圧3〜5Vにおいて、その発振周波数は1MHz以上、好ましくは100MHz以上の特性を得ることができる。また電源電圧3〜5Vにおいて、インバータ1段あたりの遅延時間は26ns、好ましくは0.26ns以下とすることができる。
次に、図3(B)に示すように、結晶化された半導体膜504をパターニングし、島状の半導体膜505〜507を形成する。そして、島状の半導体膜505〜507を覆うように、ゲート絶縁膜508を形成する。ゲート絶縁膜508は、プラズマCVD法又はスパッタリング法などを用い、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化窒化珪素を含む膜を、単層で、又は積層させて形成することができる。積層する場合には、例えば、基板側から酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の3層構造とするのが好ましい。
次に図3(C)に示すように、ゲート電極510〜512を形成する。本実施例では、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素、WN、Wをスパッタ法で順に積層するように形成した後、レジスト513をマスクとしてエッチングを行なうことにより、ゲート電極510〜512を形成する。勿論、ゲート電極510〜512の材料、構造、作製方法は、これに限定されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とNiSi(ニッケルシリサイド)との積層構造、n型を付与する不純物がドーピングされたSiとWSixとの積層構造、TaN(窒化タンタル)とW(タングステン)の積層構造としてもよい。また、ゲート電極510〜512は種々の導電材料を用いて単層で形成しても良い。
また、レジストマスクの代わりに、酸化珪素等のマスクを用いてもよい。この場合、パターニングして酸化珪素、酸化窒化珪素等のマスク(ハードマスクと呼ばれる。)を形成する工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストマスクよりも少ないため、所望の幅のゲート電極510〜512を形成することができる。また、レジスト513を用いずに、液滴吐出法を用いて選択的にゲート電極510〜512を形成しても良い。
導電材料としては、導電膜の機能に応じて種々の材料を選択することができる。また、ゲート電極とアンテナとを同時に形成する場合には、それらの機能を考慮して材料を選択すればよい。
なお、ゲート電極510〜512をエッチング形成する際のエッチングガスとしては、CF4、Cl2、O2の混合ガスやCl2ガスを用いたが、エッチングガスはこれに限定されるものではない。
次に図3(D)に示すように、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜506をレジスト514で覆い、ゲート電極510、512をマスクとして、島状の半導体膜505、507に、n型を付与する不純物元素(代表的にはP(リン)又はAs(砒素))を低濃度にドープする(第1のドーピング工程)。第1のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1013〜6×1013/cm2、加速電圧:50〜70keVとしたが、ドーピング工程の条件はこれに限定されるものではない。この第1のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜508を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜505、507に、一対の低濃度不純物領域516、517が形成される。なお、第1のドーピング工程は、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜506をレジストで覆わずに行っても良い。
次に図3(E)に示すように、レジスト514をアッシング等により除去した後、nチャネル型TFTとなる島状の半導体膜505、507を覆うように、レジスト518を新たに形成し、ゲート電極511をマスクとして、島状の半導体膜506に、p型を付与する不純物元素(代表的にはB(ホウ素))を高濃度にドープする(第2のドーピング工程)。第2のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1016〜3×1016/cm2、加速電圧:20〜40keVとして行なう。この第2のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜508を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜506に、一対のp型の高濃度不純物領域519が形成される。
次に図4(A)に示すように、レジスト518をアッシング等により除去した後、ゲート絶縁膜508及びゲート電極510〜512を覆うように、絶縁膜520を形成する。本実施例では、膜厚100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法によって形成する。その後、エッチバック法により、絶縁膜520、ゲート絶縁膜508を部分的にエッチングし、図4(B)に示すように、ゲート電極510〜512の側壁に接するように、サイドウォール522〜524を自己整合的(セルフアライン)に形成する。エッチングガスとしては、CHF3とHeの混合ガスを用いる。なお、サイドウォール522〜524は、これらに限定されるものではない。
なお、絶縁膜520を形成した時に、第1の基板500の裏面にも絶縁膜が形成された場合には、レジストを用い、裏面に形成された絶縁膜を選択的にエッチングし、除去するようにしても良い。この場合、用いられるレジストは、サイドウォール522〜524をエッチバック法で形成する際に、絶縁膜520、ゲート絶縁膜508と共にエッチングして、除去するようにしても良い。
次に図4(C)に示すように、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜506を覆うように、レジスト525を新たに形成し、ゲート電極510、512及びサイドウォール522、524をマスクとして、n型を付与する不純物元素(代表的にはP又はAs)を高濃度にドープする(第3のドーピング工程)。第3のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1013〜5×1015/cm2、加速電圧:60〜100keVとして行なう。この第3のドーピング工程によって、島状の半導体膜505、507に、一対のn型の高濃度不純物領域527、528が形成される。
なおサイドウォール522、524は、後に高濃度のn型を付与する不純物をドーピングし、サイドウォール522、524の下部に低濃度不純物領域又はノンドープのオフセット領域を形成する際のマスクとして機能するものである。よって、低濃度不純物領域又はオフセット領域の幅を制御するには、サイドウォール522、524を形成する際のエッチバック法の条件または絶縁膜520の膜厚を適宜変更し、サイドウォール522、524のサイズを調整すればよい。
次に、レジスト525をアッシング等により除去した後、不純物領域の加熱処理による活性化を行っても良い。例えば、50nmの酸化窒化珪素膜を成膜した後、550℃、4時間、窒素雰囲気下において、加熱処理を行なえばよい。
また、水素を含む窒化珪素膜を、100nmの膜厚に形成した後、410℃、1時間、窒素雰囲気下において、加熱処理を行ない、島状の半導体膜505〜507を水素化する工程を行なっても良い。或いは、水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行ない、島状の半導体膜505〜507を水素化する工程を行なっても良い。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。この水素化の工程により、熱的に励起された水素によりダングリングボンドを終端することができる。また、後の工程において可撓性を有する第2の基板548上に半導体素子を貼り合わせた後、可撓性を有する第2の基板548を曲げることにより島状の半導体膜505〜507中に欠陥が形成されたとしても、水素化により島状の半導体膜505〜507中の水素の濃度を、1×1019〜1×1022atoms/cm3好ましくは1×1019〜5×1020atoms/cm3とすることで、島状の半導体膜505〜507に含まれている水素によって該欠陥を終端させることができる。また該欠陥を終端させるために、島状の半導体膜505〜507中にハロゲンを含ませておいても良い。
上述した一連の工程により、nチャネル型TFT529、pチャネル型TFT530、nチャネル型TFT531が形成される。上記作製工程において、エッチバック法の条件または絶縁膜520の膜厚を適宜変更し、サイドウォール522〜524のサイズを調整することで、チャネル長0.2μm〜2μmのTFTを形成することができる。なお、本実施例では、nチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530をトップゲート構造としたが、ボトムゲート構造(逆スタガ構造)としてもよい。
さらに、この後、nチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530を保護するためのパッシベーション膜を形成しても良い。パッシベーション膜は、アルカリ金属やアルカリ土類金属のnチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530への侵入を防ぐことができる、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などを用いるのが望ましい。具体的には、例えば膜厚600nm程度の酸化窒化珪素膜を、パッシベーション膜として用いることができる。この場合、水素化処理工程は、該酸化窒化珪素膜形成後に行っても良い。このように、nチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530上には、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素の順に積層された3層の絶縁膜が形成されることになるが、その構造や材料はこれらに限定されるものではない。上記構成を用いることで、nチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530が下地膜503とパッシベーション膜とで覆われるため、Naなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体素子に用いられている島状の半導体膜505〜507中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのをより防ぐことができる。
次に図4(D)に示すように、nチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530を覆うように、第1の層間絶縁膜533を形成する。第1の層間絶縁膜533は、ポリイミド、アクリル、ポリアミド等の、耐熱性を有する有機樹脂を用いることができる。また上記有機樹脂の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系材料等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)を有している。または、置換基としてフルオロ基を有していても良い。または、置換基として少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを有していても良い。第1の層間絶縁膜533の形成には、その材料に応じて、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を採用することができる。また、無機材料を用いてもよく、その際には、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ膜等を用いることができる。なお、これらの絶縁膜を積層させて、第1の層間絶縁膜533を形成しても良い。
さらに本実施例では、第1の層間絶縁膜533上に、第2の層間絶縁膜534を形成する。第2の層間絶縁膜534としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)或いは窒化炭素(CN)等の炭素を有する膜、又は、酸化珪素膜、窒化珪素膜或いは窒化酸化珪素膜等を用いることができる。作製方法としては、プラズマCVD法や、大気圧プラズマ法等を用いることができる。あるいは、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の感光性又は非感光性の有機材料や、シロキサン系樹脂等を用いてもよい。
なお、第1の層間絶縁膜533又は第2の層間絶縁膜534と、後に形成される配線535〜539を構成する導電材料等との熱膨張率の差から生じる応力によって、第1の層間絶縁膜533又は第2の層間絶縁膜534の膜剥がれや割れが生じるのを防ぐために、第1の層間絶縁膜533又は第2の層間絶縁膜534中にフィラーを混入させておいても良い。
次に図4(D)に示すように、第1の層間絶縁膜533及び第2の層間絶縁膜534にコンタクトホールを形成し、nチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530に接続する配線535〜539を形成する。コンタクトホール開孔時のエッチングガスとしては、CHF3とHeの混合ガスを用いたが、エッチングガスはこれに限定されるものではない。本実施例では、配線535〜539を、Alで形成する。なお配線535〜539をTi、TiN、Al−Si、Ti、TiNの順に積層された5層構造とし、スパッタ法を用いて形成しても良い。
なお、Alにおいて、Siを混入させることにより、配線パターニング時のレジストベークにおけるヒロックの発生を防止することができる。また、Siの代わりに、0.5%程度のCuを混入させても良い。また、TiやTiNでAl−Si層をサンドイッチすることにより、耐ヒロック性がさらに向上する。なお、パターニング時には、酸化窒化珪素等からなる上記ハードマスクを用いるのが望ましい。なお、配線の材料や、作製方法はこれらに限定されるものではなく、前述したゲート電極510〜512に用いられる材料を採用しても良い。
なお、配線535、536はnチャネル型TFT529の高濃度不純物領域527に、配線536、537はpチャネル型TFT530の高濃度不純物領域519に、配線538、539はnチャネル型TFT531の高濃度不純物領域528に、それぞれ接続されている。
次に図4(E)に示すように、配線535〜539を覆うように、第2の層間絶縁膜534上に第3の層間絶縁膜540を形成する。第3の層間絶縁膜540は、配線535の一部が露出するような開口部を有する。また第3の層間絶縁膜540は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、ポリイミド、ポリアミドなど、無機絶縁膜ならば酸化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができる。なお開口部を形成するのに用いるマスクを、液滴吐出法または印刷法で形成することができる。また第3の層間絶縁膜540自体を、液滴吐出法または印刷法で形成することもできる。
次に、アンテナ541を第3の層間絶縁膜540上に形成する。アンテナ541は、Ag、Au、Cu、Pd、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Al、Fe、Co、Zn、Sn、Niなどの金属、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることができる。そしてアンテナ541は、配線535と接続されている。なお図4(E)では、アンテナ541が配線535と直接接続されているが、本発明の作製方法を用いたIDチップはこの構成に限定されない。例えば別途形成した配線を用いて、アンテナ541と配線535とを電気的に接続するようにしても良い。
アンテナ541は印刷法、フォトリソグラフィ法、めっき法、蒸着法または液滴吐出法などを用いて形成することができる。本実施例では、アンテナ541が単層の導電膜で形成されているが、複数の導電膜が積層されたアンテナ541を形成することも可能である。
印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずとも、アンテナ541を形成することが可能になる。また、液滴吐出法、印刷法だと、フォトリソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、IDチップの作製に費やされるコストを抑えることができる。
液滴吐出法または各種印刷法を用いる場合、例えば、CuをAgでコートした導電粒子なども用いることが可能である。なお液滴吐出法を用いてアンテナ541を形成する場合、該アンテナ541の密着性が高まるような処理を、第3の層間絶縁膜540の表面に施すことが望ましい。
密着性を高めるための処理として、具体的には、例えば触媒作用により導電膜または絶縁膜の密着性を高めることができる金属または金属化合物を第3の層間絶縁膜540の表面に付着させる方法、形成される導電膜または絶縁膜との密着性が高い有機系の絶縁膜、金属、金属化合物を第3の層間絶縁膜540の表面に付着させる方法、第3の層間絶縁膜540の表面に大気圧下または減圧下においてプラズマ処理を施し、表面改質を行なう方法などが挙げられる。また、上記導電膜または絶縁膜との密着性が高い金属として、チタン、チタン酸化物の他、3d遷移元素であるSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znなどが挙げられる。また金属化合物として、上述した金属の酸化物、窒化物、酸窒化物などが挙げられる。上記有機系の絶縁膜として、例えばポリイミド、シロキサン系樹脂等が挙げられる。
第3の層間絶縁膜540に付着させる金属または金属化合物が導電性を有する場合、アンテナ541の正常な動作が妨げられないように、そのシート抵抗を制御する。具体的には、導電性を有する金属または金属化合物の平均の厚さを、例えば1〜10nmとなるように制御したり、該金属または金属化合物を酸化により部分的に、または全体的に絶縁化したりすれば良い。或いは、密着性を高めたい領域以外は、付着した金属または金属化合物をエッチングにより選択的に除去しても良い。また金属または金属化合物を、予め基板の全面に付着させるのではなく、液滴吐出法、印刷法、ゾル−ゲル法などを用いて特定の領域にのみ選択的に付着させても良い。なお金属または金属化合物は、第3の層間絶縁膜540の表面において完全に連続した膜状である必要はなく、ある程度分散した状態であっても良い。
次に図5(A)に示すように、アンテナ541を覆うように、第3の層間絶縁膜540上に保護層543を形成する。保護層543は、後に剥離層502をエッチングにより除去する際に、nチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530及び配線535〜539を保護することができる材料を用いる。例えば、水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコン系の樹脂を全面に塗布することで保護層543を形成することができる。
本実施例では、スピンコート法で水溶性樹脂(東亜合成製:VL−WSHL10)を膜厚30μmとなるように塗布し、仮硬化させるために2分間の露光を行ったあと、紫外線を裏面から2.5分、表面から10分、合計12.5分の露光を行って本硬化させて、保護層543を形成する。なお、複数の有機樹脂を積層する場合、有機樹脂同士では使用している溶媒によって塗布または焼成時に一部溶解したり、密着性が高くなりすぎたりする恐れがある。従って、第3の層間絶縁膜540と保護層543を共に同じ溶媒に可溶な有機樹脂を用いる場合、後の工程において保護層543の除去がスムーズに行なわれるように、第3の層間絶縁膜540を覆うように、無機絶縁膜(窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、AlNX膜、またはAlNXY膜)を形成しておくことが好ましい。
次に図5(B)に示すように、IDチップどうしを分離するために溝546を形成する。溝546は、剥離層502が露出する程度の深さを有していれば良い。溝546の形成は、ダイシング、スクライビング、フォトリソグラフィ法などを用いることができる。なお、第1の基板500上に形成されているIDチップを分離する必要がない場合、必ずしも溝546を形成する必要はない。
次に図5(C)に示すように、剥離層502をエッチングにより除去する。本実施例では、エッチングガスとしてフッ化ハロゲンを用い、該ガスを溝546から導入する。本実施例では、例えばClF3(三フッ化塩素)を用い、温度:350℃、流量:300sccm、圧力:799.8Pa、時間:3hの条件で行なう。また、ClF3ガスに窒素を混ぜたガスを用いても良い。ClF3等のフッ化ハロゲンを用いることで、剥離層502が選択的にエッチングされ、第1の基板500をnチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530から剥離することができる。なおフッ化ハロゲンは、気体であっても液体であってもどちらでも良い。
次に図6(A)に示すように、剥離されたnチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530を、接着剤547を用いて第2の基板548に貼り合わせ、保護層543を除去する。接着剤547は、第2の基板548と下地膜503とを貼り合わせることができる材料を用いる。接着剤547は、例えば反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。
第2の基板548として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、可撓性を有する紙またはプラスチックなどの有機材料を用いることができる。または第2の基板548として、フレキシブルな無機材料を用いていても良い。プラスチック基板は、極性基のついたポリノルボルネンからなるARTON(JSR製)を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などからなるプラスチック基板が挙げられる。第2の基板548は集積回路において発生した熱を拡散させるために、2〜30W/mK程度の高い熱伝導率を有する方が望ましい。
次に図6(B)に示すように、接着剤552をアンテナ541及び第3の層間絶縁膜540上に塗布し、カバー材553を貼り合わせる。カバー材553は第2の基板548と同様の材料を用いることができる。接着剤552の厚さは、例えば10〜200μmとすれば良い。
また接着剤552は、カバー材553とアンテナ541及び第3の層間絶縁膜540とを貼り合わせることができる材料を用いる。接着剤552は、例えば反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。
なお本実施例では、接着剤552を用いて、カバー材553をアンテナ541及び第3の層間絶縁膜540に貼り合わせているが、本発明はこの構成に限定されず、IDチップは必ずしもカバー材553を用いる必要はない。例えば、アンテナ541及び第3の層間絶縁膜540を樹脂等で覆うことで、IDチップの機械的強度を高めるようにしても良い。或いはカバー材553を用いずに、図6(A)に示した工程までで終了としても良い。
上述した各工程を経て、IDチップが完成する。上記作製方法によって、トータルの膜厚0.3μm以上3μm以下、代表的には2μm程度の飛躍的に薄い集積回路を第2の基板548とカバー材553との間に形成することができる。なお集積回路の厚さは、半導体素子自体の厚さのみならず、接着剤547と接着剤552間に形成された各種絶縁膜及び層間絶縁膜の厚さを含め、アンテナの厚さは含まないものとする。またIDチップが有する集積回路の占める面積を、5mm平方(25mm2)以下、より望ましくは0.3mm平方(0.09mm2)〜4mm平方(16mm2)程度とすることができる。
なお集積回路を、第2の基板548とカバー材553の間のより中央に位置させることで、IDチップの機械的強度を高めることができる。具体的には、第2の基板548とカバー材553の間の距離をdとすると、集積回路の厚さ方向における中心と第2の基板548との間の距離xが、以下の数1に示す式を満たすように、接着剤547、接着剤552の厚さを制御することが望ましい。
また好ましくは、距離xが以下の数2に示す式を満たすように、接着剤547、接着剤552の厚さを制御する。
また、図7に示すように、集積回路におけるTFTの島状の半導体膜505〜507から下部の下地膜503までの距離(tunder)と、島状の半導体膜505〜507から上部の第3の層間絶縁膜540までの距離(tover)が、等しく又は概略等しくなるように、下地膜503、第1の層間絶縁膜533、第2の層間絶縁膜534または第3の層間絶縁膜540の厚さを調整しても良い。このようにして、島状の半導体膜505〜507を集積回路の中央に配置せしめることで、半導体膜への応力を緩和することができ、クラックの発生を防止することができる。
またIDチップの可撓性を確保するために、下地膜503に接する接着剤547に有機樹脂を用いる場合、下地膜503として窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を用いることで、有機樹脂からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が島状の半導体膜505〜507中に拡散するのを防ぐことができる。
また対象物の表面が曲面を有しており、それにより該曲面貼り合わされたIDチップの第2の基板548が、錐面、柱面など母線の移動によって描かれる曲面を有するように曲がってしまう場合、該母線の方向とnチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530のキャリアが移動する方向とを揃えておくことが望ましい。上記構成により、第2の基板548が曲がっても、それによってnチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530の特性に影響が出るのを抑えることができる。また、島状の半導体膜505〜507が集積回路内において占める面積の割合を、1〜30%とすることで、第2の基板548が曲がっても、それによってnチャネル型TFT529、531、pチャネル型TFT530の特性に影響が出るのをより抑えることができる。
なお一般的にIDチップで用いられている電波の周波数は、13.56MHz、2.45GHzが多く、該周波数の電波を検波できるようにIDチップを形成することが、汎用性を高める上で非常に重要である。
また本実施例のIDチップでは、半導体基板を用いて形成されたIDチップよりも電波が遮蔽されにくく、電波の遮蔽により信号が減衰するのを防ぐことができるというメリットを有している。よって、半導体基板を用いずに済むので、IDチップのコストを大幅に低くすることができる。例えば、直径12インチの半導体基板を用いた場合と、730×920mm2のガラス基板を用いた場合とを比較する。前者の半導体基板の面積は約73000mm2であるが、後者のガラス基板の面積は約672000mm2であり、ガラス基板は半導体基板の約9.2倍に相当する。後者のガラス基板の面積は約672000mm2では、基板の分断により消費される面積を無視すると、1mm平方のIDチップが約672000個形成できる計算になり、該個数は半導体基板の約9.2倍の数に相当する。そしてIDチップの量産化を行なうための設備投資は、730×920mm2のガラス基板を用いた場合の方が直径12インチの半導体基板を用いた場合よりも工程数が少なくて済むため、額を3分の1で済ませることができる。さらに本発明では、集積回路を剥離した後、ガラス基板を再び利用できる。よって、破損したガラス基板を補填したり、ガラス基板の表面を清浄化したりする費用を踏まえても、半導体基板を用いる場合より大幅にコストを抑えることができる。またガラス基板を再利用せずに廃棄していったとしても、730×920mm2のガラス基板の値段は、直径12インチの半導体基板の半分程度で済むので、IDチップのコストを大幅に低くすることができることがわかる。
従って、730×920mm2のガラス基板を用いた場合、直径12インチの半導体基板を用いた場合よりも、IDチップの値段を約30分の1程度に抑えることができることがわかる。IDチップは、使い捨てを前提とした用途も期待されているので、コストを大幅に低くすることができる本発明の作製方法を用いたIDチップは上記用途に非常に有用である。
本実施例では、半導体膜を連続発振のレーザで結晶化することで剥離層を結晶化した後、該剥離層をエッチングした試料の光学顕微鏡の写真について説明する。
本実施例で用いた試料は、ガラス基板上にバッファ膜、剥離層、下地膜、半導体膜を順に積層した後、触媒元素を用いて半導体膜を結晶化し、さらに連続発振のレーザで半導体膜を部分的に結晶化し、次にエッチングにより結晶化された半導体膜を除去してある。そしてスクライブにより溝を形成することで剥離層を露出し、剥離層を部分的にエッチングしてある。
具体的に各試料は、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて100nmの酸化窒化珪素からなるバッファ膜を形成し、バッファ膜上に、プラズマCVD法を用いて50nmの非晶質珪素からなる剥離層を形成している。また剥離層上には、酸化窒化珪素からなる絶縁膜、窒化酸化珪素からなる絶縁膜、酸化窒化珪素からなる絶縁膜を順に積層した下地膜が形成されている。下地膜として用いる上記各絶縁膜は、全てプラズマCVD法を用いて形成されており、その膜厚は順に100nm、50nm、100nmである。また下地膜上には、プラズマCVD法を用いて非晶質珪素からなる半導体膜が形成されている。
エッチングガスはN2で希釈したClF3を用い、該エッチングガスを溝から導入して行なった。ClF3の流量100sccm、分圧799.8Paとし、N2の流量250sccm、分圧226.6Paとした、またエッチング時の温度は100℃、時間0.5hとした。
図9〜図11に、剥離層を部分的にエッチングした後の、各試料の光学顕微鏡写真を示す。写真の倍率は200倍であり、図9は半導体膜の膜厚が66nmの試料、図10は半導体膜の膜厚が100nmの試料、図11は半導体膜の膜厚が150nmの試料に相当する。半導体膜のレーザ結晶化は、連続発振のNd:YVO4レーザを用い、レーザ光は第2高調波(532nm)、走査速度は35cm/sec、ビームスポットのサイズは長軸400μm、短軸10〜20μmとした。またレーザ光のエネルギーは、図9の試料が5.0W、図10の試料が6.1W、図11の試料が6.1Wとした。
図9〜図11では、領域Aは連続発振のレーザ光が照射された領域、領域Bはレーザ光が照射されていない領域に相当する。写真の水平方向に一筋の溝が形成されており、該溝から広がって見える黒い部分が、エッチングにより剥離層が剥離されている領域801に相当し、それ以外の領域が、剥離層が剥離されていない領域802に相当する。
図9〜図11の写真において、領域A内で剥離層が剥離されている領域801の、溝に対して垂直方向の幅をWa、領域B内で剥離層が剥離されている領域801の、溝に対して垂直方向の幅をWbとする。図9の場合Wa/Wb≒2.29、図10の場合Wa/Wb≒3.36、図11の場合Wa/Wb≒3.36となった。よって図9〜図11から、全ての試料において、領域Bよりも領域Aの方が、剥離層の剥離されている領域801が広くなっているのがわかった。従って、半導体膜の結晶化により下層の剥離層が結晶化され、それによってエッチングレートが向上していることがわかった。
図12(A)を用いて、導電膜のパターニングにより、TFTに接続されている配線とアンテナとを共に形成する場合の、IDチップの構成について説明する。図12(A)に、本実施例のIDチップの断面図を示す。
図12(A)において、TFT1401は、島状の半導体膜1402と、島状の半導体膜1402に接しているゲート絶縁膜1403と、ゲート絶縁膜1403を間に挟んで島状の半導体膜1402と重なっているゲート電極1404とを有している。またTFT1401は、第1の層間絶縁膜1405及び第2の層間絶縁膜1406に覆われている。なお、本実施例では、TFT1401が、第1の層間絶縁膜1405、第2の層間絶縁膜1406の、2つの層間絶縁膜に覆われているが、本実施例はこの構成に限定されない。TFT1401は、単層の層間絶縁膜で覆われていても良いし、3層以上の層間絶縁膜で覆われていても良い。
そして第2の層間絶縁膜1406に上に形成された配線1407は、第1の層間絶縁膜1405及び第2の層間絶縁膜1406に形成されたコンタクトホールを介して、島状の半導体膜1402に接続されている。
また第2の層間絶縁膜1406上には、アンテナ1408が形成されている。配線1407とアンテナ1408は、第2の層間絶縁膜1406上に導電膜を形成し、該導電膜をパターニングすることで、共に形成することができる。アンテナ1408を配線1407と共に形成することで、IDチップの作製工程数を抑えることができる。
次に図12(B)を用いて、導電膜のパターニングにより、TFTのゲート電極とアンテナとを共に形成する場合の、IDチップの構成について説明する。図12(B)に、本実施例のIDチップの断面図を示す。
図12(B)において、TFT1411は、島状の半導体膜1412と、島状の半導体膜1412と重なっているゲート絶縁膜1413と、ゲート絶縁膜1413を間に挟んで島状の半導体膜1412と重なっているゲート電極1414とを有している。またゲート絶縁膜1413上には、アンテナ1418が形成されている。ゲート電極1414とアンテナ1418は、ゲート絶縁膜1413上に導電膜を形成し、該導電膜をパターニングすることで共に形成することができる。アンテナ1418をゲート電極1414と共に形成することで、IDチップの作製工程数を抑えることができる。
本実施例では、別の基板上に形成したアンテナと集積回路とを電気的に接続する、IDチップの構成について説明する。
図13に、本実施例のIDチップの断面図を示す。図13では、TFT1201に電気的に接続された配線1202を覆うように、接着剤1203が第3の層間絶縁膜1204上に塗布されている。そして、接着剤1203により、カバー材1205が第3の層間絶縁膜1204に貼り合わされている。
カバー材1205には、アンテナ1206が予め形成されている。そして本実施例では、接着剤1203に異方導電性樹脂を用いることで、アンテナ1206と配線1202とが電気的に接続されている。
異方導電性樹脂は、樹脂中に導電材料を分散させた材料である。樹脂として、例えばエポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの熱硬化性を有するもの、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などの熱可塑性を有するもの、シロキサン系樹脂などを用いることができる。また導電材料として、例えばポリスチレン、エポキシなどのプラスチック製の粒子にNi、Auなどをめっきしたもの、Ni、Au、Ag、はんだなどの金属粒子、粒子状または繊維状のカーボン、繊維状のNiにAuをめっきしたものなどを用いることができる。導電材料のサイズは、アンテナ1206と配線1202のピッチに合わせて決めることが望ましい。
またアンテナ1206と配線1202の間において、異方導電性樹脂に超音波を加えながら圧着させても良いし、紫外線の照射で硬化させながら圧着させても良い。
なお本実施例では、異方導電性樹脂を用いた接着剤1203でアンテナ1206と配線1202とを電気的に接続する例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。接着剤1203の代わりに、異方導電性フィルムを用い、該異方導電性フィルムを圧着することで、アンテナ1206と配線1202とを電気的に接続しても良い。
本実施例では、本発明の作製方法を用いて作製される、IDチップの構成について説明する。
図14(A)に、IDチップの一形態を斜視図で示す。920は集積回路、921はアンテナに相当し、アンテナ921は集積回路920に電気的に接続されている。922は基板、923はカバー材に相当し、集積回路920及びアンテナ921は、基板922とカバー材923の間に挟まれている。
次に図14(B)に、図14(A)に示したIDチップの、機能的な構成の一形態をブロック図で示す。
図14(B)において、900はアンテナ、901は集積回路に相当する。また903は、アンテナ900の両端子間に形成される容量に相当する。集積回路901は、復調回路909、変調回路904、整流回路905、マイクロプロセッサ906、メモリ907、負荷変調をアンテナ900に与えるためのスイッチ908を有している。なおメモリ907は1つに限定されず、複数であっても良く、SRAM、フラッシュメモリ、ROMまたはFRAM(登録商標)などを用いることができる。
リーダ/ライタから電波として送られてきた信号は、アンテナ900において電磁誘導により交流の電気信号に変換される。復調回路909では該交流の電気信号を復調し、後段のマイクロプロセッサ906に送信する。また整流回路905では、交流の電気信号を用いて電源電圧を生成し、後段のマイクロプロセッサ906に供給する。マイクロプロセッサ906では、入力された信号に従って各種演算処理を行なう。メモリ907にはマイクロプロセッサ906において用いられるプログラム、データなどが記憶されている他、演算処理時の作業エリアとしても用いることができる。
そしてマイクロプロセッサ906から変調回路904にデータが送られると、変調回路904はスイッチ908を制御し、該データに従ってアンテナ900に負荷変調を加えることができる。リーダ/ライタは、アンテナ900に加えられた負荷変調を電波で受け取ることで、結果的にマイクロプロセッサ906からのデータを読み取ることができる。
なおIDチップは、必ずしもマイクロプロセッサ906を有している必要はない。また信号の伝送方式は、図14(B)に示したような電磁結合方式に限定されず、電磁誘導方式、マイクロ波方式やその他の伝送方式を用いていても良い。
本実施例では、本発明の作製方法を用いて作製される半導体装置の、TFTの構成について説明する。
図15(A)に、本実施例のTFTの断面図を示す。701はnチャネル型TFT、702はpチャネル型TFTに相当する。nチャネル型TFT701を例に挙げて、より詳しい構成について説明する。
nチャネル型TFT701は活性層として用いる島状の半導体膜705を有しており、該島状の半導体膜705は、ソース領域またはドレイン領域として用いる不純物領域703a、703bと、該不純物領域703a、703bの間に挟まれているチャネル形成領域704と、不純物領域703a、703bとチャネル形成領域704の間に挟まれているLDD(Light Doped Drain)領域710a、710bとを有している。またnチャネル型TFT701は、島状の半導体膜705を覆っているゲート絶縁膜706と、ゲート電極707と、絶縁膜で形成された2つのサイドウォール708、709とを有している。
なお本実施例ではゲート電極707が、2層の導電膜707a、707bを有しているが、本発明はこの構成に限定されない。ゲート電極707は1層の導電膜で形成されていても良いし、2層以上の導電膜で形成されていても良い。ゲート電極707は、ゲート絶縁膜706を間に挟んで、島状の半導体膜705が有するチャネル形成領域704と重なっている。またサイドウォール708、709は、ゲート絶縁膜706を間に挟んで、島状の半導体膜705が有するLDD領域710a、710bと重なっている。
サイドウォール708は、例えば膜厚100nmの酸化珪素膜をエッチングすることで、サイドウォール709は、例えば膜厚200nmのLTO膜(Low Temperature Oxide、低温酸化膜)をエッチングすることで形成することができる。本実施例では、サイドウォール708に用いられる酸化珪素膜をプラズマCVD法で形成し、サイドウォール709に用いられるLTO膜を減圧CVD法で形成する。なお酸化珪素膜には、窒素が混じっていても良いが、該窒素原子数は酸素原子数よりも少ないものとする。
不純物領域703a、703b及びLDD領域710a、710bは、ゲート電極707をマスクにして島状の半導体膜705にn型の不純物をドーピングした後、サイドウォール708、709を形成し、該サイドウォール708、709マスクとして島状の半導体膜705にn型の不純物をドーピングすることで、作り分けることができる。
なおpチャネル型TFT702は、nチャネル型TFT701と構成はほとんど同じであるが、pチャネル型TFT702が有する島状の半導体膜711の構成のみ異なっている。島状の半導体膜711はLDD領域を有しておらず、不純物領域712a、712bと、該不純物領域712a、712bに挟まれているチャネル形成領域713とを有している。そして、不純物領域712a、712bには、p型の不純物がドーピングされている。なお図15(A)では、pチャネル型TFT702がLDD領域を有していない例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。pチャネル型TFT702がLDD領域を有していても良い。
図15(B)に、図15(A)に示したTFTにおいて、サイドウォールが1つである場合を示す。図15(B)に示すnチャネル型TFT721と、pチャネル型TFT722は、それぞれ1つのサイドウォール728、729を有している。サイドウォール728、729は、例えば膜厚100nmの酸化珪素膜をエッチングすることで形成することができる。本実施例では、サイドウォール728に用いられる酸化珪素膜をプラズマCVD法で形成する。なお酸化珪素膜には、窒素が混じっていても良いが、該窒素原子数は酸素原子数よりも少ないものとする。
次に図15(C)に、ボトムゲート型のTFTの構成を示す。741はnチャネル型TFT、742はpチャネル型TFTに相当する。nチャネル型TFT741を例に挙げて、より詳しい構成について説明する。
図15(C)において、nチャネル型TFT741は島状の半導体膜745を有しており、該島状の半導体膜745は、ソース領域またはドレイン領域として用いる不純物領域743a、743bと、該不純物領域743a、743bの間に挟まれているチャネル形成領域744と、不純物領域743a、743bとチャネル形成領域744の間に挟まれているLDD(Light Doped Drain)領域750a、750bとを有している。またnチャネル型TFT741は、ゲート絶縁膜746と、ゲート電極747と、絶縁膜で形成されたチャネル保護膜748を有している。
ゲート電極747は、ゲート絶縁膜746を間に挟んで、島状の半導体膜745が有するチャネル形成領域744と重なっている。ゲート絶縁膜746は、ゲート電極747が形成された後に形成されており、島状の半導体膜745はゲート絶縁膜746が形成された後に形成されている。またチャネル保護膜748は、チャネル形成領域744を間に挟んでゲート絶縁膜746と重なっている。
チャネル保護膜748は、例えば膜厚100nmの酸化珪素膜をエッチングすることで形成することができる。本実施例では、チャネル保護膜748に用いられる酸化珪素膜をプラズマCVD法で形成する。なお酸化珪素膜には、窒素が混じっていても良いが、該窒素原子数は酸素原子数よりも少ないものとする。
不純物領域743及びLDD領域750は、レジストで形成したマスクを用いて島状の半導体膜745にn型の不純物をドーピングした後、チャネル保護膜748を形成し、該チャネル保護膜748マスクとして島状の半導体膜745にn型の不純物をドーピングすることで、作り分けることができる。
なおpチャネル型TFT742は、nチャネル型TFT741と構成はほとんど同じであるが、pチャネル型TFT742が有する島状の半導体膜751の構成のみ異なっている。島状の半導体膜751はLDD領域を有しておらず、不純物領域752a、752bと、該不純物領域752a、752bに挟まれているチャネル形成領域753とを有している。そして、不純物領域752a、752bには、p型の不純物がドーピングされている。なお図15(C)では、pチャネル型TFT742がLDD領域を有していない例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。pチャネル型TFT742がLDD領域を有していても良い。またnチャネル型TFT741がLDD領域を有していなくとも良い。
本実施例では、大型の基板を用いて、複数の半導体装置を作製する方法について説明する。なお本実施例では、半導体装置の1つであるIDチップを例に挙げて説明する。
まず、耐熱性を有する基板上に集積回路401及びアンテナ402を形成した後、剥離し、図16(A)に示すように、別途用意した基板403上に、接着剤404を用いて貼り合わせる。なお図16(A)では、集積回路401及びアンテナ402を一組づつ基板403上に貼り合わせている様子を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。集積回路401及びアンテナ402の組を、互いに繋がった状態で剥離し、一度に基板403上に貼り合わせるようにしても良い。
次に図16(B)に示すように、間に集積回路401及びアンテナ402を挟むように、基板403にカバー材405を貼り合わせる。このとき、集積回路401及びアンテナ402を覆うように、基板403上に接着剤406を塗布しておく。カバー材405を基板403に貼り合わせることで、図16(C)に示す状態が得られる。なお、図16(C)では、集積回路401及びアンテナ402の位置を明確にするために、カバー材405を通して透けて見えるように、集積回路401及びアンテナ402を図示している。
次に図16(D)に示すように、ダイシングまたはスクライブにより、集積回路401及びアンテナ402を互いに分離することで、IDチップ407を完成させる。
なお本実施例では、アンテナ402を集積回路401と共に剥離する例を示しているが、本実施例はこの構成に限定されない。予め基板403上にアンテナ402を形成しておき、集積回路401を基板403に貼り合わせる際に、集積回路401とアンテナ402を電気的に接続しても良い。或いは、集積回路401を基板403に貼り合わせた後、集積回路401に電気的に接続するようにアンテナ402を貼り合わせても良い。或いは、予めカバー材405上にアンテナ402を形成しておき、カバー材405を基板403に貼り合わせる際に、集積回路401とアンテナ402を電気的に接続しても良い。
なお、ガラス基板を用いたIDチップをIDGチップ(Identification Glass Chip)、可撓性を有する基板を用いたIDチップをIDFチップ(Identification Flexible Chip)と呼ぶことができる。
本実施例は、実施例1〜実施例6と組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、1つの基板上に形成された複数の半導体装置を剥離する際、形成される溝の形状について説明する。図17(A)に、溝601が形成された基板603の上面図を示す。また図17(B)に、図17(A)のA−A’における断面図を示す。
半導体装置602は、剥離層604上に形成されており、剥離層604はバッファ膜606上に、またバッファ膜606は基板603上に形成されている。溝601は各半導体装置602の間に形成されており、なおかつ剥離層604が露出する程度の深さを有している。また本実施例では、複数の半導体装置602は溝601によって完全にではなく部分的に分離されている。
次に図17(A)、図17(B)に示した溝601からエッチングガスを流し込み、剥離層604をエッチングにより除去した後の様子を、図17(C)、図17(D)に示す。図17(C)は、溝601が形成された基板603の上面図に相当し、図17(D)は、図17(C)のA−A’における断面図に相当する。エッチングにより溝601から破線605に示す領域まで、剥離層604のエッチングが進んだものとする。図17(C)、図17(D)に示すように、複数の半導体装置602が、完全にではなく互いに一部繋がった状態で溝601により分離されていることで、剥離層604をエッチングした後に各半導体装置602が支えをなくして移動してしまうのを防ぐことができる。
図17(C)、図17(D)に示した状態まで形成したら、接着剤が付着したテープや、基板等を別途用意し、半導体装置602を基板603から剥離する。そして剥離された複数の半導体装置602は、互いに分断される前またはされた後に、別途用意された基板に貼り合わせられる。
なお本実施例では、IDチップの作製方法の一例を示しており、本発明の作製方法を用いたIDチップの作製方法は本実施例で示した構成に限定されない。
本実施例は、実施例1〜実施例7と組み合わせて実施することが可能である。
本発明の作製方法を用いて作製される半導体装置は、例えばビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD:Digital Versatile Disc)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などの電子機器に用いることができる。特に、可撓性を有している基板は、ガラス基板などに比べて基板の軽量化、薄型化が容易であり、該可撓性を有する基板に剥離した半導体素子を貼り合わせる場合、半導体装置の軽量、小型化、薄型化を実現しやすい。よって、本発明の作製方法を用いて形成される半導体装置は、携帯用の電子機器または比較的大型の画面を有する表示装置に特に適している。それら電子機器の具体例を図18に示す。
図18(A)は携帯情報端末であり、本体2001、表示部2002、操作キー2003、モデム2004等を含む。図18(A)ではモデム2004が取り外し可能な形態の携帯情報端末を示しているが、モデムが本体2001に内蔵されていても良い。本発明により、表示部2002またはその他信号処理用の回路を作製して、携帯情報端末を完成させることができる。本発明により、携帯情報端末の歩留まりを高めることができ、結果的に良品である携帯情報端末1つあたりの値段を抑えることができる。
図18(B)はICカードであり、本体2201、表示部2202、接続端子2203等を含む。本発明により、表示部2202またはその他信号処理用の回路を作製して、ICカードを完成させることができる。本発明により、ICカードの歩留まりを高めることができ、結果的に良品であるICカード1つあたりの値段を抑えることができる。なお図18(B)では接触型の電子カードを示しているが、非接触型のICカードや、接触型と非接触型の機能を持ち合わせたICカードにも、本発明の半導体装置を用いることができる。
図18(C)は表示装置であり、筐体2101、表示部2102、スピーカー部2103等を含む。本発明により、表示部2102またはその他信号処理用の回路を作製して、表示装置を完成させることができる。本発明により、表示装置の歩留まりを高めることができ、結果的に良品である表示装置1つあたりの値段を抑えることができる。なお、表示装置には、コンピュータ用、テレビジョン放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図18(D)はコンピュータであり、本体2301、筐体2302、表示部2303、キーボード2304、マウス2305等を含む。なおコンピュータは、モニターと、CPUを有する本体とが一体化されたコンピュータ(例えばノート型コンピュータ)であっても良いし、モニターと、CPUを有する本体とが分離したコンピュータ(例えばデスクトップ型コンピュータ)であっても良い。本発明により、表示部2303またはその他信号処理用の回路を作製して、コンピュータを完成させることができる。本発明により、コンピュータの歩留まりを高めることができ、結果的に良品であるコンピュータ1つあたりの値段を抑えることができる。
図18(E)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部2403、記録媒体(DVD等)読み込み部2404、操作キー2405、スピーカー部2406等を含む。記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明により、表示部2403またはその他信号処理用の回路を作製して、画像再生装置を完成させることができる。本発明により、画像再生装置の歩留まりを高めることができ、結果的に良品である画像再生装置1つあたりの値段を抑えることができる。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜8に示したいずれの構成を用いても良い。
本発明の半導体装置の作製方法を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図。 本発明の半導体装置の断面図。 半導体膜を連続発振のレーザで結晶化した際の、エネルギーのマージンを示すグラフ。 エッチング後の光学顕微鏡写真。 エッチング後の光学顕微鏡写真。 エッチング後の光学顕微鏡写真。 本発明の作製方法を用いた半導体装置の断面図。 本発明の作製方法を用いた半導体装置の断面図。 本発明の作製方法を用いたIDチップの構成を示す図。 本発明の作製方法を用いた、半導体装置が有するTFTの実施例。 大型の基板を用いて、本発明の半導体装置を複数作製する方法を示す図。 1つの基板上に形成された複数の半導体装置を剥離する際、形成される溝の形状を示す図。 半導体装置を用いた電子機器の図。
符号の説明
100 第1の基板
101 バッファ膜
102 剥離層
103 下地膜
104 半導体膜
105 TFT
106 TFT
107 TFT
108 層間絶縁膜
109 配線
110 配線
111 配線
112 配線
113 配線
114 保護層
115 第2の基板
116 接着剤
500 第1の基板
501 バッファ膜
502 剥離層
503 下地膜
504 半導体膜
505 半導体膜
506 半導体膜
507 半導体膜
508 ゲート絶縁膜
510 ゲート電極
511 ゲート電極
512 ゲート電極
513 レジスト
514 レジスト
516 低濃度不純物領域
517 低濃度不純物領域
518 レジスト
519 高濃度不純物領域
520 絶縁膜
522 サイドウォール
523 サイドウォール
524 サイドウォール
525 レジスト
527 高濃度不純物領域
528 高濃度不純物領域
529 nチャネル型TFT
530 pチャネル型TFT
531 nチャネル型TFT
533 第1の層間絶縁膜
534 第2の層間絶縁膜
535 配線
536 配線
537 配線
538 配線
539 配線
540 第3の層間絶縁膜
541 アンテナ
543 保護層
546 溝
547 接着剤
548 第2の基板
552 接着剤
553 カバー材
801 剥離されている領域
802 剥離されていない領域
1401 TFT
1402 半導体膜
1403 ゲート絶縁膜
1404 ゲート電極
1405 第1の層間絶縁膜
1406 第2の層間絶縁膜
1407 配線
1408 アンテナ
1411 TFT
1412 半導体膜
1413 ゲート絶縁膜
1414 ゲート電極
1418 アンテナ
1201 TFT
1202 配線
1203 接着剤
1204 第3の層間絶縁膜
1205 カバー材
1206 アンテナ
920 集積回路
921 アンテナ
922 基板
923 カバー材
900 アンテナ
901 集積回路
903 容量
904 変調回路
905 整流回路
906 マイクロプロセッサ
907 メモリ
908 スイッチ
909 復調回路
701 nチャネル型TFT
702 pチャネル型TFT
703 不純物領域
704 チャネル形成領域
705 半導体膜
706 ゲート絶縁膜
707 ゲート電極
707a 導電膜
707b 導電膜
708 サイドウォール
709 サイドウォール
710 LDD(Light Doped Drain)領域
711 半導体膜
712 不純物領域
713 チャネル形成領域
721 nチャネル型TFT
722 pチャネル型TFT
728 サイドウォール
729 サイドウォール
741 nチャネル型TFT
742 pチャネル型TFT
743 不純物領域
744 チャネル形成領域
745 半導体膜
746 ゲート絶縁膜
747 ゲート電極
748 チャネル保護膜
750 LDD(Light Doped Drain)領域
751 半導体膜
752 不純物領域
753 チャネル形成領域
401 集積回路
402 アンテナ
403 基板
404 接着剤
405 カバー材
406 接着剤
407 IDチップ
601 溝
602 半導体装置
603 基板
604 剥離層
605 破線
606 バッファ膜
2001 本体
2002 表示部
2003 操作キー
2004 モデム
2201 本体
2202 表示部
2203 接続端子
2101 筐体
2102 表示部
2103 スピーカー部
2301 本体
2302 筐体
2303 表示部
2304 キーボード
2305 マウス
2401 本体
2402 筐体
2403 表示部
2404 読み込み部
2405 操作キー
2406 スピーカー部

Claims (7)

  1. 第1の基板上に、前記第1の基板に接するように、熱処理の際に剥離層に加わる応力を緩和する機能を有するバッファ膜を形成し、
    前記バッファ膜上に、前記バッファ膜に接するように剥離層を形成し、
    前記剥離層上に、前記剥離層に接するように下地膜を形成し、
    前記下地膜上に半導体膜を形成し、
    前記半導体膜を、連続発振のレーザまたは発振周波数が10MHz以上のパルス発振のレーザを用いて結晶化し、
    前記結晶化した半導体膜を用いて半導体素子を形成し、
    前記剥離層をエッチングにより除去することで、前記下地膜及び前記半導体素子を、前記第1の基板及び前記バッファ膜から剥離し、
    前記剥離された前記下地膜及び前記半導体素子を第2の基板に貼り合わせ、
    前記半導体膜を結晶化するときに、前記剥離層も共に結晶化することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 第1の基板上に、前記第1の基板に接するように、熱処理の際に剥離層に加わる応力を緩和する機能を有するバッファ膜を形成し、
    前記バッファ膜上に、前記バッファ膜に接するように剥離層を形成し、
    前記剥離層上に、前記剥離層に接するように下地膜を形成し、
    前記下地膜上に半導体膜を形成し、
    前記半導体膜を、連続発振のレーザまたは発振周波数が10MHz以上のパルス発振のレーザを用いて結晶化し、
    前記結晶化した半導体膜を用いて複数の半導体素子を形成し、
    前記複数の半導体素子の間に、前記剥離層が露出するような溝を形成し、
    前記溝からエッチング剤を導入して前記剥離層をエッチングにより除去することで、前記下地膜及び前記複数の半導体素子を、前記第1の基板及び前記バッファ膜から剥離し、
    前記剥離された前記下地膜及び前記複数の半導体素子を第2の基板に貼り合わせ、
    前記半導体膜を結晶化するときに、前記剥離層も共に結晶化することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記第2の基板は可撓性を有していることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記剥離層は、珪素を用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記エッチング剤は、ハロゲン化物を含む気体又は液体を用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、前記バッファ膜は、酸化珪素または酸化窒化珪素を用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記下地膜は、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素を用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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