JP5007785B2 - 清浄環境維持機能付きキャビネット - Google Patents

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Description

本発明は、安全キャビネットやクリーンベンチ等の清浄環境維持機能付きのキャビネットに関するものである。
注射液その他の調剤作業や、遺伝子組み換え実験に使用される装置として清浄環境維持機能付きのキャビネットが知られている(特許文献1,2)。
清浄環境維持機能付きのキャビネット(以下、単に「キャビネット」と称することもある。)は、一般に、安全キャビネットやクリーンベンチと称されるものであり、筐体の内部に作業台と、作業空間が設けられている。またキャビネットには、作業空間の空気を循環するための送風機と、空気を浄化するためのフィルターが装備されている。作業空間内の空気は、前記した送風機によって常時、換気又は循環され、作業空間は、常に無菌状態に維持される。
なお、安全キャビネットと称される装置は、毒性やアレルギー性の強い薬剤の調剤、例えば細胞毒性の強い抗ガン剤等の注射薬の混合調製や、病原菌を扱う実験に使用されるものであり、毒物や毒性のガス等が外部に洩れないように作業空間内が負圧に維持される。
これに対してクリーンベンチと称される装置は、毒性が比較的低い薬剤の調剤、例えばIVH(中心静脈栄養)等の点滴注射薬の混合調製を行う場合に使用され、薬剤自体が細菌等に汚染されることを防ぐために作業空間内が正圧に維持される。
両者の基本構成は、同一であり、いずれも前面がガラスやアクリル等で作られており、作業空間を外から目視することができる。またキャビネットの前面には開閉扉が設けられている。
特開2005−235882号公報 特開2005−48971号公報
安全キャビネットやクリーンベンチでは、フィルターを通過した清浄空気は作業空間内へ澱みなく供給されることが望ましい。
そのため作業空間の各部における風速は、そのばらつきが小さいことが望ましい。即ち作業空間内に清浄空気が供給される際に、その風速にばらつきが生じると、作業空間内を所定の圧力状態に維持できなくなるおそれがある。具体的には、風速にばらつきが生じると、安全キャビネットの場合は負圧に、クリーンベンチの場合には正圧に正常に維持できなくなり、作業者や作業中の薬剤を汚染するような危険を与える空気の流れが発生する懸念がある。さらに、作業空間内の清浄度を所定値に維持できなくなる懸念もある。
一方、安全キャビネットやクリーンベンチにおいては、使用時間の経過とともにフィルターの目詰まりが徐々に進行する。フィルターの目詰まりは、フィルターを通過する際の風速の分布にばらつきが生じる原因となり、その結果、作業空間の各部における風速のばらつきが増大することとなる。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点を解決することを課題とするものであり、作業空間内の風速のばらつきが小さい清浄環境維持機能付きキャビネットを提供するものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、手を差し入れることができる開口を備えた作業空間と、送風機と、フィルターとを備え、フィルターを通過した空気を作業空間に供給する清浄環境維持機能付きキャビネットにおいて、フィルターから作業空間に至る空気流路に少なくとも2つの整流部材を有し、2つの整流部材はいずれも開口を備えた面状部を有し、当該面状部同士が略平行に重ねられて両者の間に間隙があり、前記間隙は、前記開口以外の部位を経由して作業空間と連通していることを特徴とする清浄環境維持機能付きキャビネットである。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、フィルターから作業空間に至る空気流路に少なくとも2つの整流部材が設けられている。そのため、整流部材を通過する空気の風速が均一化され、作業空間内の風速が平滑化される。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、空気がフィルターを通過した後に2以上の整流部材を通過し、作業空間に供給されるので、フィルターの目詰まり等によってフィルターを通過する空気の風速がばらついても、続く2以上の整流部材によって空気の風速を均一化することができる。その結果、作業空間内の各部における風速のばらつきが高度に抑えられる。
また本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、2つの整流部材の間に間隔が設けられている。フィルターを通過した空気は、まず上流側の整流部材である程度整流化され、下流側の整流部材との隙間で一旦滞留する。その後、下流側の整流部材を通過する際に再び整流化され、より均一化された風速の空気が作業空間に供給される。その結果、作業空間内の各部における風速のばらつきがより高度に抑えられる。
また本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、2つの整流部材はいずれも開口を備えた面状部を有しており、当該面部同士が略平行に重ねられて両者の間に前記間隙がある。さらに、当該間隙が、前記開口以外の部位を経由して作業空間と連通している。かかる構成により、上流側の整流部材を通過した空気が下流側の整流部材との間隙で適度な圧力をもって滞留し、間隙での気流の乱れが抑えられ、より確実に下流側の整流部材へ流れる。
請求項2に記載の発明は、少なくとも2つの整流部材は、多数の開口を有する板体であることを特徴とする請求項1に記載の清浄環境維持機能付きキャビネットである。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、整流部材として多数の開口を有する板体を使用する。具体的な整流部材としては、パンチングメタル等が使用可能である。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットにおいては、整流部材が簡単な構造のものであるにもかかわらず、優れた整流効果を発揮することができる。
請求項3に記載の発明は、少なくとも2つの整流部材は、開口の位置をずらした状態で設置されていることを特徴とする請求項2に記載の清浄環境維持機能付きキャビネットである。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、整流部材は、開口の位置をずらした状態で設置されている。即ち本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、上流側の整流部材の開口と下流側の整流部材の開口とが直線的に連通するようには配置されておらず、上流側の整流部材を通過した空気は、下流側の整流部材の開口以外の部位に一旦当たることで、2つの整流部材の間に設けられた間隙部分に好適に空気が滞留される。続いて、下流側の整流部材を通過する空気は、通過する際にその方向が変わり、通過後の空気の風速がより均一化される。その結果、作業空間内の各部における風速のばらつきがより高度に抑えられる。
請求項に記載の発明は、少なくとも2つの整流部材は、開口の形状又は大きさの少なくともいずれかが相違するものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の清浄環境維持機能付きキャビネットである。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットにおいては、上流側の整流部材と下流側の整流部材とで開口の大きさ等が異なり、これにより整流部材の間隙部分に滞留する空気量を制御することができる。その結果、本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、送風機から送り込まれた空気量に大きく左右されることなく、作業空間に均一化された風速で空気を送り込むことができ、作業空間内の各部における風速のばらつきがより高度に抑えられる。
請求項に記載の発明は、整流部材の面状部は、フィルターから作業空間に至る空気流路の上流側と下流側に配置され、上流側の面状部は1枚の板体の一部であり、下流側の面状部は、同一の板体を折り曲げて板体の一部を上流側の面状部に折り重ねたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の清浄環境維持機能付きキャビネットである。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットでは、整流部材が1枚の板体を折り曲げて形成されている。すなわち、下流側の面状部は、同一の板体を折り曲げて板体の一部を上流側の面状部に折り重ねたものである。かかる構成により、整流部材の形成が容易である。
板体の折り曲げ部は、清浄環境維持機能付きキャビネットの手を差し入れることができる開口側にあり、折り曲げ部にも開口があり、折り曲げ部の開口を介して面状部同士の間隙が作業空間と連通している構成も推奨される(請求項)。
本発明の清浄環境維持機能付きキャビネットによれば、作業空間内の各部における風速のばらつきが高度に抑えられ、フィルターの目詰まり等が進行しても作業空間内を所望の圧力に維持することができ、清浄度も保たれる。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の安全キャビネットの斜視図である。図2は、図1の安全キャビネットの内部構造を示す斜視図である。図3は、図1の安全キャビネットの正面図である。図4は、図1の安全キャビネットの内部筐体及びその周辺部材の一部断面斜視図である。図5は、図1の安全キャビネットの作業空間を示す斜視図である。図6は、整流部材と折り曲げ部を示す斜視図である。図7は、整流部材を示す斜視図である。図8は、2つの整流部材を通過する際の空気の挙動を示す説明図である。図9は、他の実施形態における整流部材を示す斜視図である。図10は、さらに他の実施形態における整流部材を示す斜視図である。
本実施形態の安全キャビネット(清浄環境維持機能付きキャビネット)1は、図1の様な机状である。安全キャビネット1は、大きく脚部2と本体部3によって構成されている。図2に示す様に、本体部3には内部筐体6が設けられており、内部筐体6の中が作業空間7として機能する。また内部筐体6の底面壁20は作業台8として機能する。
安全キャビネット1の本体部3は図2に示すように二重構造となっており、外郭部分と内部筐体6との間は空気循環路10となっている。また本体部3内には送風機11,12が設けられている。作業空間7の前面には開閉扉15が設けられている。
以下、これらの各部材について順次説明する。
脚部2は、机の脚の様な機能を果たすものであり、本実施形態では、二枚の板状である。本実施形態の安全キャビネット1は、全体形状が机の様な形であり、作業者は図示しない椅子に座って作業を行い、脚部2に作業者の足が入る。
本体部3は、脚部2の上にあり、脚部2によって中空に支持されている。本体部3は外形形状が図1〜3の様に台形であり、正面側は約10°傾斜している。10°の傾斜を設けた理由は、作業空間7内を見やすくするためである。
本体部3は前記した様に二重構造であり、内部筐体6が内蔵されている。
内部筐体6は、図2に示すように正面壁18と、底面壁20と、左右側面壁21,22と、背面壁23及び天面壁25を有する。内部筐体6の正面壁18は下半分が大きく開口する。
また内部筐体6内は二段に区切られている。即ち内部筐体6の中には、図2、図4の様に中間壁24があり、この中間壁24にフィルター26及び2枚の整流部材51,52が装着されている。整流部材51,52は、1枚のパンチングメタルを折り曲げることにより形成されている。整流部材51と整流部材52とは略平行に重ねられている。また、整流部材51と整流部材52のサイズは略同じであり、かつフィルター26のサイズより一回り大きい。
また内部筐体6の天面壁25にもフィルター27が設けられている。
フィルター26,27はいずれもHEPAフィルターであり、定格風量で粒径0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕捉率を有する。
なお図4では、フィルター26及び2枚の整流部材51,52の位置関係をわかりやすく示すために、送風機11,12とフィルター27を省略している。
中間壁24に設けられたフィルター26及び2枚の整流部材51,52の構造及び作用については後記する。
本実施形態では、中間壁24以下の部位が作業空間7として機能する。即ち内部筐体6の底面壁20、左右側面壁21,22、背面壁23及び中間壁24で囲まれる空間が作業空間7として機能する。
また底面壁20は、前記した様に作業台8として機能し、物品を載置することができる。底面壁20と左右側面壁21,22との間には図4に示すように吸気口42,43がある。同様に底面壁20と背面壁23との間にも吸気口45がある。また正面壁18側についても吸気口46が設けられている。
内部筐体6の前面の開口31には、開閉扉15が設けられている。
開閉扉15は、枠体40にガラスやアクリル等の透明な板材41が取り付けられたものである。
開閉扉15の、枠体40はスライド溝(図示せず)と係合し、上下方向にスライド可能である。
本実施形態では、開閉扉15は、動力によって開閉される。開閉扉15の駆動機構は、前記した様に内部筐体6の正面壁18に取り付けられている。
内部筐体6の上段側(中間壁24よりも上の空間)には図2、図3に示すように送風機11,12が設置されている。
内部筐体6の両側面の外側及び背面の外側には流路形成壁33が設けられている。即ち前記した様に本体部3は二重構造であり、内部筐体6の両側面の外側及び背面の外側には空間があり、空間が空気循環路10として機能する。前記した空気流路は図示しない開口を通じて内部筐体6の上段側(中間壁24よりも上の空間)と連通する。
また内部筐体6の天面壁25に設けられたフィルター27は、外部と連通する。
内部筐体6の正面壁18には開閉扉15の駆動機構が設けられており、さらにその表面を化粧板35で覆っている。
本実施形態の安全キャビネット1は、中間壁24に2枚の整流部材51,52有する点に特徴がある。以下、整流部材51,52について説明する。
整流部材51,52は、具体的には厚さが0.3〜2.0mm程度のパンチングメタルからなる。
即ち整流部材51,52は、図6、図7に示すように面状部57,58と、円形からなる多数の開口55,56からなる。
さらに、図6に示すように、整流部材51,52は、1枚のパンチングメタルを折り曲げることにより形成されており、折り曲げ部60が形成されている。折り曲げ部60にも開口61が設けられている。
整流部材51、52を構成するパンチングメタルは、その開口径は1mm〜10mm程度、開口は千鳥抜きとなっておりそのピッチは3mm〜40mm程度である。またパンチングメタル全体に対する開口率は20%〜50%である。
開口55,56の形状は、円形であることが望ましいが、楕円形や四角形等の多角形等の他の形状であってもかまわない。
また開口55,56の配列は、いわゆる直列抜きと称される様な開口の縦列と横列が直線状のものであってもよく、千鳥抜きと称される様な開口の縦列と横列がジグザグ状に並んだものであってもよい。
本実施形態では、厚さが1mm、開口径が2mm、千鳥抜きのピッチが3mm、開口率が50%であって、千鳥抜きのパンチングメタルにより、整流部材51,52が構成されている。
整流部材51,52は、図4の様に、内部筐体6の中間壁24に設けられた開口48に図示しないネジ等で重ねて取り付けられている。
ただし整流部材51,52の間であってその辺部には図示しないスペーサが介在されており、整流部材51,52同士の間には、隙間53が設けられている。
隙間53の距離は、2mm〜20mm程度である。
図7に示す様に、整流部材51,52は、開口55,56の位置がずれた状態で配置されている。
即ち整流部材51,52を重ねた状態で真上から観察したとき、上部側の整流部材51の開口55と下部側の整流部材52の開口56とは、10%〜80%程度重複する。
次に本実施形態の安全キャビネット1の機能について説明する。本実施形態の安全キャビネット1は、公知のそれと同様に作業空間7内で調剤作業等を行うものであり、開閉扉15を図1に示すように半開きにした状態で使用し、下部の隙間(開口)70から図5の様に手を差し入れて所定の作業を行う。
そしてこの間、送風機11,12によって作業空間の空気を循環させ、作業空間7内を清浄な環境に維持する。
即ち送風機11,12を起動させると、作業空間7内の空気が、吸気口42,43,45,46から吸引され、内部筐体6の側面及び背面に形成された空気循環路10を流れて内部筐体6の上段部(中間壁24よりも上の空間)に入る。そして空気の一部は、天面に設けられたフィルター27を介して外部に排気され、残部は中間壁24に設けられたフィルター26及び整流部材51,52を経て作業空間7に清浄空気として戻る。
ここで本実施形態では、フィルター26の下流に2枚の整流部材51,52が設けられており、フィルター26を通過した清浄空気は、空気流路に設けられた2枚の整流部材51,52を通過した後に作業空間7に入る。
そのため、作業空間7に供給される清浄空気は層流状態であり、風速の分布にばらつきが少ないものとなる。さらに、作業空間7の清浄度が高く維持される。
整流部材51,52を通過する際の空気の挙動は、図8の様であると予想される。即ち図8は、整流部材51,52を通過する際の空気の挙動を示す説明図である。
フィルター26を通過した空気は、その一部は邪魔板63、正面板18、及び開閉扉15に沿って作業空間7へ流れるが、図8の矢印の様に大半は上流側の整流部材51に当たり、上流側の整流部材51の開口55を通過する。ここで本実施形態では、上流側の整流部材51の開口55の位置が、下流側の整流部材52の開口56の位置とずれているから、上流側の整流部材51の開口55を通過した空気の一部は、下流側の整流部材52の開口56の縁に当たる。
また上流側の整流部材51と下流側の整流部材52との間には間隔が開けられているから、両者によって空間50が形成されている。
そのため下流側の整流部材52の開口55の縁に当たった空気は、空間50内で一時的に滞留する。
このように本実施形態では、上流側の整流部材51と下流側の整流部材52との間に形成される空間50が緩衝空間となり、下流側の整流部材52の開口56ごとの風量及び風速が平滑化される。
即ち下流側の整流部材52は、多数の開口56を持つが、各開口56から作業空間に導入される風量及び風速は略同一であってばらつきが少ない。
別の作用として、送風の流路が変わることによって風量・風速が均一化するともいえる。即ち本実施形態では、上流側の整流部材51と下流側の整流部材52とで開口55,56の位置がずれているから、空気流路は曲路を持つこととなる。そのため曲路部分で空気が混合され、個々の開口55,56における風速が均一化する。
なお、上流側の整流部材51を通過した空気の一部は、折り曲げ部60の開口61に入り、そのまま作業空間7へ流れる。本実施形態では、空気の一部が開口61へ空気が流れることにより、緩衝空間たる空間50の圧力が適度なものとなる。その結果、上流側の整流部材51を通過した空気が空間50で適度な圧力をもって滞留し、空間50での気流の乱れが抑えられ、より確実に下流側の整流部材52へ流れる。これは、折り曲げ部60が開口61を有さない閉塞したものである場合、上流側の整流部材51を通過した空気が折り曲げ部61に当たって跳ね返り、空間50内の空気の流れに乱れが生じるためと考えられる。
上記した実施形態では、同一のパンチングメタルを上流側の整流部材51及び下流側の整流部材52として使用したが、異なる種類のパンチングメタルを上下に使用してもよい。
図9は、他の実施形態における整流部材を示す斜視図である。本実施形態では、上流側の整流部材51として開口55の開口径の大きなパンチングメタルを使用し、下流側の整流部材52として開口56の開口径の小さなパンチングメタルを使用する。
図10は、さらに他の実施形態における整流部材を示す斜視図である。本実施形態では、整流部材51の開口55の形状と、整流部材52の開口56の形状とが異なる。
さらに、上流側の整流部材51として直列抜きのパンチングメタルを使用し、下流側の整流部材52として千鳥抜きのパンチングメタルを使用するという様に、配列の異なるパンチングメタルを使用してもよい。
また、整流部材51,52は、パンチングメタルに代わって、樹脂に開口を設けたものであってもよい。さらに開口55,56の形成手段は、パンチングメタルの様な打ち抜きによるものに限定されず、切削、鋳造、ダイカスト等のあらゆる方法が採用可能である。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1の安全キャビネット1と同様の基本構成からなる安全キャビネットを用い、パンチングメタルからなる整流部材を2個設けた場合(実施例)と1個設けた場合(比較例)における風速の比較実験を行った。安全キャビネットの作業台のサイズは幅1350mm×奥行600mm、HEPAフィルターの吹き出し口のサイズは幅1170mm×奥行390mm、パンチングメタルのサイズは幅1344mm×奥行440mmとした。試験方法はJIS K 3800「バイオハザード対策用クラスIIキャビネット」に記載の試験方法に則って行った。すなわち、キャビネットの作業台の縦方向と横方向に壁面から150mm入ったエリアで、縦に3分割(A〜C)、横に8分割(1〜8)した交点において、前面パネル下端から200mmの位置の風速(メートル/秒)を測定した。各点の風速の測定値が、風速の平均値の±20%以内である場合に適正と判定した。風速の測定位置を図11に示す。図11において、Aが奥側(背面壁側)、Cが作業者側、1が左側面側、8が右側面側であり、作業者は矢印の方向に向かって作業を行う。
整流部材を2個用いた場合(実施例)の結果を第1表に示す。また、整流部材を1個のみ用いた場合(比較例)の結果を第2表に示す。すなわち、実施例のキャビネットでは、各点の風速の測定値が、風速の平均値の±20%以内であり、適正であった。一方、比較例のキャビネットでは、風速の平均値の±20%以内から外れる測定点(2A、2C、5C)があり、適正ではなかった。以上より、整流部材1を2個用いた場合には、風速のばらつきが小さかった。
Figure 0005007785
Figure 0005007785
本発明の実施形態の安全キャビネットの斜視図である。 図1の安全キャビネットの内部構造を示す斜視図である。 図1の安全キャビネットの正面図である。 図1の安全キャビネットの内部筐体及びその周辺部材の一部断面斜視図である。 図1の安全キャビネットの作業空間を示す斜視図である。 整流部材と折り曲げ部を示す斜視図である。 整流部材を示す斜視図である。 2つの整流部材を通過する際の空気の挙動を示す説明図である。 他の実施形態における整流部材を示す斜視図である。 さらに他の実施形態における整流部材を示す斜視図である。 風速の測定位置の説明図である。
1 安全キャビネット(清浄環境維持機能付きキャビネット)
7 作業空間
11 送風機
12 送風機
26 フィルター
51 整流部材
52 整流部材
53 間隙
55 開口
56 開口
57 面状部
58 面状部
60 折り曲げ部
61 開口
70 開口

Claims (6)

  1. 手を差し入れることができる開口を備えた作業空間と、送風機と、フィルターとを備え、フィルターを通過した空気を作業空間に供給する清浄環境維持機能付きキャビネットにおいて、フィルターから作業空間に至る空気流路に少なくとも2つの整流部材を有し、2つの整流部材はいずれも開口を備えた面状部を有し、当該面状部同士が略平行に重ねられて両者の間に間隙があり、前記間隙は、前記開口以外の部位を経由して作業空間と連通していることを特徴とする清浄環境維持機能付きキャビネット。
  2. 少なくとも2つの整流部材は、多数の開口を有する板体であることを特徴とする請求項1に記載の清浄環境維持機能付きキャビネット。
  3. 少なくとも2つの整流部材は、開口の位置をずらした状態で設置されていることを特徴とする請求項2に記載の清浄環境維持機能付きキャビネット。
  4. 少なくとも2つの整流部材は、開口の形状又は大きさの少なくともいずれかが相違するものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の清浄環境維持機能付きキャビネット。
  5. 整流部材の面状部は、フィルターから作業空間に至る空気流路の上流側と下流側に配置され、上流側の面状部は1枚の板体の一部であり、下流側の面状部は、同一の板体を折り曲げて板体の一部を上流側の面状部に折り重ねたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の清浄環境維持機能付きキャビネット。
  6. 板体の折り曲げ部は、清浄環境維持機能付きキャビネットの手を差し入れることができる開口側にあり、折り曲げ部にも開口があり、折り曲げ部の開口を介して面状部同士の間隙が作業空間と連通していることを特徴とする請求項に記載の清浄環境維持機能付きキャビネット。
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