JP5007678B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄型で部品配置の自由度が大きく、特性に加え製造の精度や効率も優れた多端子型の固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
現代では、さまざまな電子回路の分野において、多様なコンデンサが用いられ、その一種として、等価直列抵抗(ESR)が小さく周波数特性に優れた固体電解コンデンサが広く利用されている。特許文献1及び2は、従来の固体電解コンデンサとその製造方法の一例を示すもので、この例は、陽極体となる金属板に設けた凹部に固体電解質層などを設け個片に切断したもの二つで陰極体をサンドイッチするとともに陽極端子を取り付けるものである。
特開平3−284818号 特開平4−5813号 特開平2−301118号
しかし、近年、パーソナルコンピュータなどデジタル機器の分野においては、低ESL(等価直列インダクタンス)など特性改善の点で多端子型の固体電解コンデンサが求められるとともに、機器の小型化や、高速動作に対応した優れた過渡応答性の要請ともあいまって、より薄型で部品配置の自由度に優れた固体電解コンデンサが求められている。さらに、増大する需要への対応やコストなどの面から、製造効率をより一層改善する要請も大きい。
この点、上記のような従来の固体電解コンデンサは、個片二つで陰極体をサンドイッチしたり陽極端子を取り付ける構造であり、製造効率の改善やサイズ上の薄型化にも限界があった。また、上記のような従来の固体電解コンデンサでは、サイズや形状の制約から、電流供給対象となるLSIとは水平方向のずれた位置で基板へ実装することが必須となることから過渡応答性の改善に限界があり、この点からも、部品配置における自由度の増大が希求されていた。
また、基板上に、平面状の固体電解質層や、開口を設けた絶縁層などを積層して各電極を引き出す固体電解コンデンサの製造方法において、基板を切込みにより櫛歯状の行や列に分割し製造を効率化する提案は存在するが(例えば、特許文献3参照。特に第1図(B))、一端のみがつながった状態の基板は不安定で加工の精度や効率に限界があった。
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するもので、その目的は、薄型かつ小型で部品配置の自由度が大きく、特性に加え製造の精度や効率も優れた多端子型の固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様である固体電解コンデンサは、弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成し、前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成し、前記穴の少なくとも内面に金属めっき処理を施し、隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することによりこの凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させ、前記凹部内面の地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成し、前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成し、前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成し、前記溝状の穴の部分で前記金属板及び前記補強層を切断することにより、個片の固体電解コンデンサとしたことを特徴とする。
本発明の他の態様は、上記態様を方法という見方からとらえた固体電解コンデンサの製造方法であって、弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成する工程と、前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成する工程と、前記穴の少なくとも内面に金属めっき処理を施す工程と、隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することにより、この凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させる工程と、前記凹部内面の地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成する工程と、前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成する工程と、前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成する工程と、前記溝状の穴の部分で前記金属板及び前記補強層を切断することにより、個片の固体電解コンデンサとする工程と、を含むことを特徴とする。
このように、金属板片面の凹部に酸化皮膜層、固体電解質層、陰極端子を設けるとともに、金属板に形成した溝状の穴の内面に金属めっき処理を施し、穴の位置で切断することにより、穴の内面の金属めっきが個片の固体電解コンデンサ両端の外部に露出し、そのまま陽極の外部電極となる。このように陽極の外部電極が、固体電解コンデンサの陽極部となる金属板に直接形成されているため、固体電解コンデンサの静電容量に寄与しない陽極端子部の領域を極めて小さなものとすることができる。また、保護層を設けた金属板の片面に凹部としてその内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させ、酸化皮膜層、固体電解質層、陰極端子を設けたことで、コンデンサとしての容量保持部である酸化皮膜と固体電解質層の界面の近傍に陰極端子部が形成される構造であり、容量保持部と陰極端子部と接続する回路パターンやLSI等のデバイスまでの距離が短く、コンデンサ内部の電流引回し経路が短縮されるため、電源電圧の不安定化に対する過渡応答性が改善される。とりわけ、金属板に補強層を加え、金属板は貫通するが補強層は貫通しない穴とすることにより、従来のように櫛歯状にカットした場合と比べ、補強層で金属板が安定し加工の精度や効率が維持できる。
本発明の他の態様は、さらに、前記固体電解コンデンサにおいて、前記陰極端子部のうち、外部に露出すべき所定の外部露出部を除いた部分を絶縁樹脂で被覆したことを特徴とする。
本発明の他の態様は、上記態様を方法という見方からとらえたもので、前記固体電解コンデンサの製造方法において、前記陰極端子部のうち、外部に露出すべき所定の外部露出部を除いた部分を絶縁樹脂で被覆する工程を含むことを特徴とする。
このように、陰極端子部の周囲を絶縁樹脂で被覆することにより、陰極外部電極と凹部の隙間に樹脂が入り込んで陽極と陰極の絶縁性が改善され、また、陰極端子部を構成する陰極外部電極の一部を被覆することで、陰極外部電極の接合強度を高めることができる。
本発明の他の態様は、前記いずれかの固体電解コンデンサにおいて、さらに、切削加工した前記穴を、封止部材で閉塞した後に、前記拡面処理以降の工程を施すとともに、個片の固体電解コンデンサへの前記切断以前に、前記封止部材を除去したことを特徴とする。
本発明の他の態様は、上記態様を方法という見方からとらえたもので、前記いずれかの固体電解コンデンサの製造方法において、前記拡面処理以前に、切削加工した前記穴を封止部材で閉塞する工程と、個片の固体電解コンデンサへの前記切断以前に、前記封止部材を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
このように、切削加工した穴を拡面処理以前に封止部材で閉塞することで、金属メッキが拡面処理のためのエッチング時に溶解されることがなく陽極端子として確実に利用可能となる一方、個片への切断前に除去することにより、切断工程が円滑かつ高精度となり、製品の個片への不純物の付着も最小限に抑制可能となる。
本発明の他の態様である固体電解コンデンサは、弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成し、前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成し、前記穴の内部を導電性材料で充填し、隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することによりこの凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させ、前記凹部内面の前記弁金属の地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成し、前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成し、前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成し、前記溝状の穴の部分で、充填されている前記導電性材料と前記金属板及び前記補強層を切断することにより、個片の固体電解コンデンサとしたことを特徴とする。
本発明の他の態様は、上記態様を方法という見方からとらえた固体電解コンデンサの製造方法であって、弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成する工程と、前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成する工程と、前記穴の内部を導電性材料で充填する工程と、隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することによりこの凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させる工程と、前記凹部内面の地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成する工程と、前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成する工程と、前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成する工程と、前記溝状の穴の部分で、充填されている前記導電性材料と前記金属板及び前記補強層を切断することにより、個片の固体電解コンデンサとする工程と、を含むことを特徴とする。
このように、金属板片面の凹部に酸化皮膜層、固体電解質層、陰極端子を設けるとともに、金属板に形成した溝状の穴に充填した導電性材料が、穴の位置で切り分けることで個片の固体電解コンデンサ両端の外部に露出し、そのまま陽極の外部電極となる。このように得られる多端子型の固体電解コンデンサは、陽極の外部電極が、固体電解コンデンサの陽極部となる金属板に直接形成されているため、固体電解コンデンサの静電容量に寄与しない陽極端子部の領域を極めて小さなものとすることができる。また、保護層を設けた金属板片面で凹部を露出させ、酸化皮膜層、固体電解質層、陰極端子を設けたことで、コンデンサとしての容量保持部である誘電体酸化皮膜と固体電解質層の界面の近傍に陰極端子部が形成される構造であり、容量保持部と陰極端子部と接続する回路パターンやLSI等のデバイスまでの距離が短く、コンデンサ内部の電流引回し経路が短縮されるため、電源電圧の不安定化に対する過渡応答性が改善される。また、補強層は貫通しない穴とするので従来より金属板が安定し加工の精度や効率が維持できることに加え、穴の内部全体を銅で充填することにより、穴内面をめっきするより、エッチング時の保護樹脂なども不要となり、工程が単純化されて生産効率やコストも改善される。
以上のように、本発明によれば、薄型かつ小型で部品配置の自由度が大きく、特性に加え製造の精度や効率も優れた多端子型の固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の実施形態について図に沿って説明する。なお、背景技術や課題で既に説明した内容と共通の前提事項は適宜省略する。
(1)構成
本実施形態は、以下のような工程A〜Jによる固体電解コンデンサの製造方法と、そのように製造される固体電解コンデンサに関するものである。ここで、各工程段階を図1及び図2の断面図に示し、また、工程の一部について図3の斜視図に示す。
A.金属板の用意
まず、弁金属すなわち弁作用金属からなる金属板1を用意する(図1(1))。この金属板は、図3の斜視図に示すように長尺で、図1及び図2は、図に向かって奥行き方向が長手方向となる断面図である。また、この金属板1について、金属の種類はアルミニウムが望ましく、厚さは200から800ミクロン程度が一般的と考えられるが、金属の種類や厚さは適宜変更可能である。例えば、アルミニウムの他、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属を用いることができる。
B.補強層と保護層の形成
そして、金属板1の一面に補強層2(図1(2))、反対面には保護層3を形成する(図1(3))。補強層2としては、補強部材すなわちエポキシ材等の絶縁樹脂材を貼り付け、もしくは絶縁樹脂の塗布、SUS材等の貼り付けなど、自由に選択可能であるが、固体電解コンデンサの外装の絶縁性を確保する観点からは、絶縁樹脂を用いることが好ましい。
なお、保護層3は、金属板1の全面を覆う必要は無く、その後の加工のための窓部が形成されていても良い。また、保護層3としては、いわゆるレジストなどの樹脂被覆層のほか、陽極酸化皮膜を形成するなどでもよく、後述のエッチングによる拡面処理の際に、エッチング液により腐食されない層であれば、種類や形成の手段などは自由に選択可能である。
C.穴の形成
続いて、保護層3の面より金属板1を切削加工することにより、金属板1を貫通するが補強層3は貫通しない溝状の穴4を形成する(図1(4))。この穴4は、内面を銅等の金属めっき処理を施して最終製品である固体電解コンデンサ個片の両端で陽極端子とする部分であるから、穴4の形状としては、図3の斜視図(図3(1))に示すように、連続した溝状でもよいし、また、一定のピッチ(長さ及び間隔)で断続する複数の穴でもよい。いずれの場合も、補強層3は、溝状の穴の長手方向を基準に見た場合、少なくとも両端寄りの一部ずつがつながったままとなり、櫛歯状にはならない。
D.穴の金属めっき処理と閉塞
そして、そのように構成した穴4の少なくとも内面を銅等の金属めっき処理を施し、金属めっき面5とする(図1(5))。また、金属めっき処理を施した溝状の穴4を、絶縁樹脂からなるフィルムテープなどの封止部材Pで閉塞する(図1(5))。なお、穴の切削の際、穴の周囲もある程度の幅で保護層を除去して金属板を露出させ、穴の内面だけでなく、その周辺部に露出させた金属板表面まで金属めっき処理を施してもよく、図3はそのような例である。
E.凹部の形成
続いて、穴4の間の金属板表面に所定間隔で凹部6を形成することにより、この凹部6の内面に陽極部を形成する金属板の地金を露出させる(図1(6)、図3(2))。ここで、凹部6を形成する手段としては、金属板1の切削が好適である。保護層3に窓部が形成されている場合には、窓部の部分をプレス加工して凹部を形成することや、窓部の部分をエッチングによって凹部6を形成してもよく、特に、エッチングによって凹部6を形成する場合には、後述する「F.エッチングと酸化皮膜の形成」の工程のエッチング工程を同時に行うことで効率よく凹部を形成することができる。
F.エッチングと酸化皮膜の形成
その後、凹部6内面に露出した地金を、エッチングで拡面処理し、さらにその拡面処理した凹部の表面に陽極酸化することにより酸化皮膜層7を形成する(図2(7))。ここで、エッチング及び陽極酸化については公知の手段を用いることができる。
G.固体電解質層の形成
また、酸化皮膜層7の上に、固体電解質層8を形成する(図2(8))。ここで、固体電解質層8としては、導電性高分子が好適であり、このような導電性高分子層は、チオフェン、ピロール等をもとに、化学重合、電解重合など、公知の技術により形成すればよい。
H.陰極端子部の形成
そして、固体電解質層8の上に、グラファイト(Gr)層と銀ペースト層(あわせて符号9で示す)を介し(図2(9))、陰極外部電極を設けることをもって、陰極端子部10を形成する(図2(10))。このグラファイト(Gr)層と銀ペースト層自体は、固体電解コンデンサにおける公知技術と同様でよい。
また、陰極外部電極としては、銅等の金属製の板材を導電性接着剤で接続することが好適であるが、板材は平板でもよい。また、平板に突起を有する陰極外部電極を用いてもよく、その場合はその突起部が陰極外部端子となる。また、陰極外部電極は、銀ペースト層の上に銅メッキを施して構成してもよい。但し、陰極端子部10である陰極外部電極と保護層3との間には、絶縁のための距離すなわちギャップを設ける。
陰極外部電極として平板に突起部が複数形成された板材を用い、この複数の突起部を陰極外部端子とした場合、陰極端子部10は複数の陰極端子部10として導出された多端子の電極構造となる。
なお、陰極外部電極として平板の板材を用いて、平板の板材を銀ペースト層に接着した後に突起部を形成することもできる。この突起部の形成はいわゆるバンプ電極を用い、金ワイヤを熱圧着のうえ切断した金バンプのほか、銅メッキの上に半田ボールを接着しボール形状端子を格子配列状に形成したボールグリッドアレイ(BGA)など、自由に選択可能である。
I.絶縁樹脂での被覆
次に、陰極端子部10のうち、外部に露出すべき所定の外部露出部を除いた部分について、絶縁樹脂11を上記ギャップなど周囲に注入することにより被覆する(図2(11))。ここで、外部露出部は、陰極端子部10の例えば上面や突起部であり、外部露出部を除いた部分は例えば側端面や、保護層3との間の上記ギャップなどである。また、絶縁樹脂11としては熱硬化性エポキシ樹脂が好適である。
そして、絶縁樹脂11が凹部と陰極外部電極のギャップに入り込むことで、陽極と陰極の絶縁性を高めることができるとともに、陰極外部電極の一部を被覆することにより、陰極外部電極の接合強度を高めることができる。例えば、陰極外部電極として、平板に突起部が複数形成された板材を用い、突起部のみが露出するように板材の上面を絶縁樹脂11で被覆すれば、陰極外部電極の上面が金属板と一体化され、陰極外部端子の接合強度を高めることができる。
J.個片への切断
最後に、穴4を閉塞している絶縁樹脂からなるフィルムテープなどの封止部材Pを除去したうえ、穴4の部分で金属板1及び補強層3を切断(カット)するとともに、単位となる陰極端子部10間を各々切断することにより、個片の固体電解コンデンサとする(図2(12)、図3(3))。
(2)作用効果
以上のように、金属板片面に凹部を形成して地金を露出させ、その凹部内に酸化皮膜層、固体電解質層、陰極端子を設けるとともに、金属板に形成した溝状の穴の内面に金属めっきし、穴の位置で切断することにより、穴の内面の金属めっき面5が個片の固体電解コンデンサ両端の外部に露出し、そのまま陽極の外部電極となる。この陽極の外部電極は、固体電解コンデンサの陽極部となる金属板に直接形成されているため、固体電解コンデンサの静電容量に寄与しない陽極端子部の領域を極めて小さなものとすることができる。
また、保護層を設けた金属板片面に凹部を形成して地金を露出させ、その凹部内に酸化皮膜層、固体電解質層、陰極端子を設けたことで、コンデンサとしての容量保持部である酸化皮膜と固体電解質層の界面の近傍に陰極端子部が形成される構造であり、容量保持部と陰極端子部と接続する回路パターンやLSI等のデバイスまでの距離が短く、コンデンサ内部の電流引回し経路が短縮されるため、電源電圧の不安定化に対する過渡応答性が改善される。
とりわけ、金属板1に補強層2を加え、金属板1は貫通するが補強層2は貫通しない穴4とすることにより、従来のように櫛歯状にカットした場合と比べ、補強層2で金属板1が安定し加工の精度や効率が維持できる。
特に、従来のようなサンドイッチ構造が不要となるため薄型化と共に、陽極の外部電極は、固体電解コンデンサの陽極部となる金属板に直接形成されているため小型化が実現され、5mm四方程度まで縮小可能となる。また、穴の内面だけでなく、その周辺部に露出させた金属板表面まで金属めっき処理を施して陽極の外部電極とした場合、陰極外部電極の厚さと金属板の陰極端子部の形成面に形成した陽極の外部電極の高さ(すなわちメッキの厚さ)を制御し、陽極と陰極の外部端子の高さを同一平面位置として、外部端子を含め全体を無駄のない同一平面形状とすることにより、固体電解コンデンサを、電流供給対象であるLSIに対して、基板との間や基板の裏面など、垂直方向に積層配置したり、バンプ電極などによる直接配線を行うなど、近接配置可能となって電流経路が一層短縮され、過渡応答性がさらに改善される。
また、陽極の外部電極と陰極端子部が近接した構造となり、陽極の外部電極と陰極端子部に電流が流れる際に発生する誘導磁界を相殺する効果が大きくなり、固体電解コンデンサのESLを低減させることができる。
また、本実施形態では、切削加工した穴4を拡面処理以前に封止部材Pで閉塞することで、金属メッキが拡面処理のためのエッチング時に溶解されることがなく陽極端子として確実に利用可能となる一方、封止部材Pを個片への切断前に除去することにより、切断工程が円滑かつ高精度となり、製品の個片への不純物の付着も最小限に抑制可能となる。
さらに、本実施形態では、陰極端子部10の周囲を絶縁樹脂11で被覆することにより(図2(11))、絶縁樹脂11が凹部と陰極外部電極の隙間に入り込んで陽極と陰極の絶縁性が改善され、さらに、絶縁樹脂11により、陰極端子部10を構成する陰極外部電極の一部を被覆することで、陰極外部電極の接合強度を高めることができる。
(3)他の実施形態
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するもの及びそれ以外の他の実施形態も含むものである。例えば、陰極端子部10のうち、外部に露出すべき外部露出部を除いた部分を絶縁樹脂11で被覆することは省略可能である。
また、穴の内面を金属めっきのうえ穴の入口を封止部材で閉塞することに代えて、穴の内部を銅等の導電性材料で充填のうえ、穴の部分で、充填した導電性材料を半切りにする形で個片に切断してもよい。導電性材料を充填する手段は自由であるが、例えば、溝状の穴に対応する形状の銅板を導電性接着剤で充填するなどである。また、導電性ペーストを印刷法によって、溝状の穴に導電性材料を充填することもできる。このように、金属板に形成した溝状の穴の内部全体に充填した導電性材料を、穴の位置で切り分けることで個片の固体電解コンデンサ両端の外部に露出させ、そのまま陽極の外部電極とすることにより、穴内面をめっきするより、エッチング時の封止部材なども不要となり、工程が単純化されて生産効率やコストも改善される。
また、穴の切削の際、穴の周囲もある程度の幅で保護層を除去して金属板を露出させ、穴の内面だけでなく、その周辺部の金属板まで金属めっき処理を施しておけば(図3)、保護3の面を底面として基板などに向けて装着する際、底面を外部電極として利用可能となるため、部品配置の自由度が一層高まる。
本発明の実施形態における固体電解コンデンサの製造方法(前半)を示す断面図。 本発明の実施形態における固体電解コンデンサの製造方法(後半)を示す断面図。 本発明の実施形態における固体電解コンデンサの製造方法(一部分)を示す斜視図。
符号の説明
1…金属板
2…補強層
3…保護層
4…穴
5…銅めっき面
6…凹部
7…酸化皮膜層
8…固体電解質層
10…陰極端子部
11…樹脂
P…封止部材

Claims (8)

  1. 弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成し、
    前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成し、
    前記穴の少なくとも内面に金属めっき処理を施し、
    隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することによりこの凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させ、
    前記凹部内面の地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成し、
    前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成し、
    前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成し、
    前記溝状の穴の部分で前記金属板及び前記補強層を切断することにより、個片の固体電解コンデンサとした
    ことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記陰極端子部のうち、外部に露出すべき所定の外部露出部を除いた部分を絶縁樹脂で被覆したことを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 切削加工した前記穴を、封止部材で閉塞した後に、前記拡面処理以降の工程を施すとともに、個片の固体電解コンデンサへの前記切断以前に、前記封止部材を除去したことを特徴とする請求項1又は2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成し、
    前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成し、
    前記穴の内部を導電性材料で充填し、
    隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することによりこの凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させ、
    前記凹部内面の地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成し、
    前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成し、
    前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成し、
    前記溝状の穴の部分で、充填されている前記導電性材料と前記金属板及び前記補強層を切断することにより、個片の固体電解コンデンサとした
    ことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成する工程と、
    前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成する工程と、
    前記穴の少なくとも内面に金属めっき処理を施す工程と、
    隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することによりこの凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させる工程と、
    前記凹部内面の前記弁金属地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成する工程と、
    前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成する工程と、
    前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成する工程と、
    前記溝状の穴の部分で前記金属板及び前記補強層を切断することにより個片の固体電解コンデンサとする工程と、
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記陰極端子部のうち、外部に露出すべき所定の外部露出部を除いた部分を絶縁樹脂で被覆する工程を含むことを特徴とする請求項5記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記拡面処理以前に、切削加工した前記穴を封止部材で閉塞する工程と、
    個片の固体電解コンデンサへの前記切断以前に、前記封止部材を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項5又は6記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 弁金属からなる金属板の一面に補強層、反対面には保護層を形成する工程と、
    前記保護層の面より切削加工することにより前記金属板を貫通するが前記補強層は貫通しない溝状の穴を複数個形成する工程と、
    前記穴の内部を導電性材料で充填する工程と、
    隣接する前記穴の間の金属板表面に所定間隔で凹部を形成することによりこの凹部の内面に陽極部を形成する前記金属板の地金を露出させる工程と、
    前記凹部内面の地金を拡面処理し、その表面に酸化皮膜層を形成する工程と、
    前記凹部内の前記酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成する工程と、
    前記固体電解質層の上に陰極端子部を形成する工程と、
    前記溝状の穴の部分で、充填されている前記導電性材料と前記金属板及び前記補強層を切断することにより、個片の固体電解コンデンサとする工程と、
    を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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