JP5007623B2 - 鮮度保持材 - Google Patents

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Description

本発明は、肉、魚、野菜、果物、花卉等の鮮度を保持することができる包装用フィルム、包装容器等に用いられる鮮度保持材に関するものである。
肉、魚、野菜、果物、花卉等を生産地から消費者の元に運送する間、また消費されるまでの間、一定期間保管する際に鮮度を保つために、従来種々の包装材料が検討されている。例えば、エチレン−オクテン共重合体とポリプロピレン−エチレン共重合体の混合樹脂からなるフィルムが用いられたり(特許文献1)、生分解性樹脂が用いられたりした(特許文献2)。また、多層フィルムにする必要があったり、乾燥剤・鮮度保持材を内包したりする必要があった。
しかし、多層フィルムにしたり、鮮度保持材を内包させたりするとコストがかかりすぎ、また生産性が低下し実用的でない。また、エチレン系包装材料は水蒸気透過度が低いため、包装材内部の湿度が上昇し、カビの発生、酸化、害虫発生、変色等が起こりやすい。廃棄の際に、焼却すると二酸化炭素発生の問題があり、また埋め立てると都市区では埋立地が足りなくなっているという問題が深刻化している。
一方、生分解性のフィルムでは、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンテレフタレートアジペート、ポリカプロラクトン等が一般的であるが、ポリ乳酸はフィルムとしては柔軟性に欠けるため包装用フィルムとしては適さず、また包装材料として使用する際にヒートシール性が悪いという欠点があった。また、ポリブチレンテレフタレートアジペートやポリカプロラクトンは、柔軟すぎて袋への加工が困難である等、柔軟すぎるための問題点があった。また、ポリブチレンサクシネートは、従来、高分子量化が困難であるため、ヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖延長剤で鎖延長しているため、鎖延長剤が残存する可能性等があり、食品用途に使用するためには安全性に問題があった。
特開2003−169598号公報 特開2006−051982号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、肉・野菜・果物、花卉等を運送する期間又はそれらの保管期間、その鮮度を保ち、耐水性を有し、廃棄物問題の解決に貢献し、また食品用途に対しても問題のない原料のみを用いた包装用樹脂材料としての鮮度保持材を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の脂肪族系ポリエステルを含有することにより、生鮮食料品等の鮮度を保持することができ、その特定の脂肪族系ポリエステルを、不純物を除去するために有害な有機溶媒等を使用しないで精製することにより、より安全な鮮度保持材を提供することができるようになることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、脂肪族ジカルボン酸単位と、脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位とを含む脂肪族系ポリエステルであって、
(1)該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、40℃、90%RHで測定した水蒸気透過度が100[cm/(m・day・atm)]以上であり、
(2)該脂肪族系ポリエステルの原料に由来しない有機化合物の、該脂肪族系ポリエステル全体に対する含有量が10ppm以下である脂肪族系ポリエステル
を10質量%〜100質量%含有することを特徴とする鮮度保持材を提供するものである。
本発明によれば、有機溶媒等の「脂肪族系ポリエステルの原料に由来しない有機化合物」や不純物の含有量が低濃度であるため、食品包装用途に特に適しており、生分解性で、ヒートシール性が良好で、柔軟であり、良好なガス透過性を有するため、優れた鮮度保持性能を示す鮮度保持材を提供することができる。また、本発明によれば、生分解性を有し、有害物質を含有しないため、環境保護に適し、また安全な鮮度保持材を提供することができる。
以下、本発明の鮮度保持材、それに含有される脂肪族系ポリエステル等につき詳細に説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、発明の技術的範囲内で任意に変形することができる。
<脂肪族ジカルボン酸単位>
本発明の鮮度保持材は、脂肪族ジカルボン酸単位と、脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位とを含む脂肪族系ポリエステルを含有する。本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸の具体例としては特に限定はないが、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,6−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、これらの酸無水物であってもよい。また、これらの脂肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステル等の「脂肪族ジカルボン酸の誘導体」であってもよい。
これらの中で、具体的には、コハク酸、グルタル酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、それらの酸無水物、それらの低級アルキル(例えば、炭素数1〜4のアルキル)エステル誘導体等が好ましく、コハク酸、コハク酸無水物、コハク酸の低級アルキル(好ましくは炭素数1〜4のアルキル)エステル誘導体、アジピン酸等がより好ましく、コハク酸、アジピン酸が特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
<脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位>
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルの「脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位」を構成する「脂肪族及び/又は脂環式ジオール」としては特に限定はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中で、得られる脂肪族系ポリエステルの物性の面から、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール又は1,3−プロパンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールがより好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族系ポリエステル中の「脂肪族及び/又は脂環式ジオール」の含有割合は、通常、ジカルボン酸単位と実質的に等モルである。
<共重合していてもよいその他の成分>
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸単位と脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位を主成分とするが、ヒドロキシカルボン酸単位が含まれていてもよい。ヒドロキシカルボン酸単位の全構成成分に対する割合は、下限は通常0モル%以上であるが、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、特に好ましくは1モル%以上である。また、上限は通常50モル%以下であり、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下であり、特に好ましくは5モル%以下である。ヒドロキシカルボン酸単位が50モル%より多いと、耐熱性や成形性が低下する場合があり、一方、0.01モル%より少ないと、機械物性の点で劣る場合がある。
上記ヒドロキシカルボン酸単位を構成するヒドロキシカルボン酸類としては、ヒドロキシカルボン酸やヒドロキシカルボン酸誘導体が挙げられるが、分子中に1個の水酸基と1個のカルボキシル基を有する化合物又はその誘導体であれば特に限定されるものではない。ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の具体例としては、例えば、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、マンデル酸、サリチル酸、これらのエステル化合物、これらの酸塩化物、これらの酸無水物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ヒドロキシカルボン酸類に光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラセミ体の何れでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液の何れであってもよい。これらの中で、より好ましいものは、使用時の重合速度の増大が顕著で、入手の容易な点で、乳酸、グリコール酸又はカプロラクトンであり、特に好ましくは乳酸である。これらの原料としての形態としては、30〜95質量%の水溶液であることが、容易に入手することができるため好ましい。
<分子中に3個以上のエステル形成性基を有する構成単位>
本発明の脂肪族系ポリエステルには、分子中に3個以上のエステル形成性基(以下、「官能基」と略記する場合がある)を有する構成単位が含まれていてもよい。3個以上の官能基を有する(以下、「3官能以上の」と略記する場合がある)化合物としては、3官能以上の多価アルコール;3官能以上の多価カルボン酸、その無水物、酸塩化物、エステル化合物;3官能以上のヒドロキシカルボン酸、その無水物、酸塩化物、エステル化合物;からなる群から選ばれた少なくとも1種の「3官能以上の化合物」が挙げられる。
3官能以上の多価アルコールとしては、具体的には例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
3官能以上の多価カルボン酸又はその無水物としては、具体的には例えば、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
3官能以上のヒドロキシカルボン酸類としては、具体的には例えば、リンゴ酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらのうち、特に、入手のし易さから、リンゴ酸、酒石酸又はクエン酸が好ましい。
3官能以上の化合物の含有割合は、本発明の脂肪族系ポリエステルを構成する全構成単位の合計に対して、下限は合計で、通常0.0001モル%以上、好ましくは0.001モル%以上、より好ましくは0.005モル%以上、特に好ましくは0.01モル%以上である。また、上限は合計で、通常4モル%以下、好ましくは3モル%以下、特に好ましくは1モル%以下である。脂肪族系ポリエステル中の3官能以上の化合物の含有割合が上記上限よりも多いと、ポリマーの架橋が過度に進行し、安定にストランドを抜出せなくなる、成型性が悪化する、各種物性を損なう等の問題が生じる場合がある。また、脂肪族系ポリエステル中の3官能以上の化合物の含有割合が上記下限より少ないと、脂肪族系ポリエステルの精製に負荷がかかり過ぎコストが高くなり、また重合反応の反応性が低下する場合がある。
<脂肪族系ポリエステル中のその他の構成単位>
本発明においては、脂肪族系ポリエステルの親水性を高めるために、製造時にスルホン基、リン酸基、アミノ基、硝酸基等の親水性基を有する化合物を用い、これらの親水性基を導入してもよい。そのための化合物としては、例えば、4−スルホン化−2,6−イソフタル酸等を挙げることができる。
また、カーボネート化合物、ジオキサゾリン、珪酸エステル、ジイソシアネート等の鎖延長剤を使用してもよく、特に、ジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物を使用する場合は、カーボネート化合物を脂肪族系ポリエステルの全構成成分に対して好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下添加して、ポリエステルカーボネートを得ることが望ましい。
この場合のカーボネート化合物としては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。その他、フェノール類やアルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種又は異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物も使用可能である。
また、ジイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネート等が例示される。しかしながら、本発明は鮮度保持材に係るものであり、食品等の包装材料として使用されるものであるため、ジイソシアネート化合物は使用しないことが安全性の点から好ましい。すなわち、本発明の鮮度保持剤に含有される脂肪族系ポリエステルには、ジイソシアネート化合物と水酸基が反応して生じるウレタン結合が実質的に含まれていないことが好ましい。
珪酸エステルとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシシラン等が挙げられる。
また、溶融テンションを高めるために、少量の有機過酸化物を配合してもよい。これらは何れも1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明においては、脂肪族系ポリエステルのポリエステル末端基を、カルボジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール若しくはカルボン酸等で封止してもよい。この場合、カルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)が挙げられ、具体的には、モノカルボジイミド化合物として、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
<脂肪族系ポリエステル中に含有される化合物>
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステル中には、該脂肪族系ポリエステルの原料に由来しない有機化合物を、該脂肪族系ポリエステル全体に対して10ppm以下しか含有しないことが必須である。「脂肪族系ポリエステルの原料に由来しない有機化合物」としては、該脂肪族系ポリエステルに対し、洗浄、浸漬等の処理をする有機溶媒等が挙げられる。かかる有機溶媒としては特に限定はないが、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの含有量は5ppm以下であることが好ましく、1ppm以下であることが特に好ましい。有機溶媒の含有量が多すぎると、臭気、衛生面、食品へのコンタミによる安全性等の問題が生じる場合がある。脂肪族系ポリエステルを有機溶媒等の有機化合物ではなく、例えば後述するようにアルカリ性水溶液で処理すれば、かかる有機化合物の含有量を上記含有量以下にすることができる。
脂肪族系ポリエステルに含まれる環状二量体は、例えば、脂肪族系ポリエステルがポリブチレンサクシネートの場合は、コハク酸と1,4−ブタンジオールの各2単位が交互にエステル結合した環状エステルである。本発明においては、かかる環状二量体の脂肪族系ポリエステル中の含有量は、5000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは3000ppm以下、特に好ましくは1000ppm以下である。環状二量体が多過ぎると、成型品から環状二量体がブリードアウトしてきたり、食品等に付着したりする場合がある。環状二量体の含有量を減少させる方法は特に限定はないが、例えば、後述するようにアルカリ性水溶液で処理する方法も挙げられる。
脂肪族系ポリエステルに含まれる金属の含有量は、300ppm以下であることが好ましく、より好ましくは200ppm以下、特に好ましくは100ppm以下である。金属の含有量が多過ぎると、食品に使用する場合の安全性の問題や成型時の熱劣化、着色、材料の長期安定性等の点で問題が生じる場合がある。
脂肪族系ポリエステルには、その特性及び安全性が損なわれない範囲において、また、上記要件を満たす限りにおいて、アンチブロッキング剤、スリップ剤、防曇剤、熱安定剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、有機若しくは無機の強化剤、増量剤等が配合されていてもよい。
これらは、重合反応前に反応装置に添加してもよいし、重合反応開始から重合反応終了の前に搬送装置に添加してもよいし、重合反応終了後生成物の抜出前に添加してもよい。また、抜出後の脂肪族系ポリエステルに添加してもよい。
<脂肪族系ポリエステルの製造方法>
本発明の脂肪族系ポリエステルの製造方法は、ポリエステルの製造に関する公知の方法が採用できる。また、この際の重縮合反応は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されない。エステル化反応を進行させた後、減圧操作を行うことによって更に重合度を高めることができる。
脂肪族及び/又は脂環式ジオールの使用量は、ジカルボン酸成分の合計モル数に対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化反応中の留出があることから、1〜100モル%、好ましくは5〜80モル%、更に好ましくは10〜60モル%だけ過剰に用いられる。
前述のヒドロキシカルボン酸類を用いる場合、該ヒドロキシカルボン酸成分の添加時期及び方法は、重縮合反応終了以前であれば特に限定されず、例えば、(1)予め触媒をヒドロキシカルボン酸溶液に溶解させた状態で添加する方法、(2)原料仕込み時、触媒を添加するのと同時に添加する方法、等が挙げられる。
また、前述の3官能以上の化合物を用いる場合、その添加時期は他の原料の仕込み前、仕込み時、仕込み後、重合反応前、重合反応開始後から反応終了までの間の何れでもよいが、他の単量体と同時に仕込むことが工程の簡略化の点で好ましい。
本発明における脂肪族系ポリエステルは、触媒の存在下で製造される。かかる触媒としては、ポリエステルの製造に用いることのできる任意の触媒を選択することができるが、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アンチモン、スズ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、コバルト、鉛、セシウム、マンガン、リチウム、カリウム、ナトリウム、銅、バリウム、カドミウム等の金属化合物が好適である。中でもゲルマニウム化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物、鉛化合物が好適であり、特に好適にはゲルマニウム化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物が挙げられる。
マグネシウム化合物として、酸化ゲルマニウム、乳酸ゲルマニウム、ギ酸ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム、プロピオン酸ゲルマニウム、n−酪酸ゲルマニウム、n−吉草酸ゲルマニウム、n−カプロン酸ゲルマニウム、n−カプリン酸ゲルマニウム、ステアリン酸ゲルマニウム、酸化ゲルマニウム等が好適であるが、より好適には、酸化ゲルマニウム、ギ酸ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム、プロピオン酸ゲルマニウム、更に好適には酸化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウムが用いられる。
チタン化合物としては、特に制限されるものではなく、好ましい例としてテトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラヒドロキシエチルチタネート、テトラフェニルチタネート等のテトラアルコキシチタン等の有機チタン化合物が挙げられる。これらの中では価格や入手の容易さ等からテトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等が好ましく、最も好ましい触媒はテトラブチルチタネートである。
マグネシウム化合物としてギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、n−酪酸マグネシウム、n−吉草酸マグネシウム、n−カプロン酸マグネシウム、n−カプリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム等が好適であるが、より好適にはギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、更に好適には酢酸マグネシウムが用いられる。
これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。触媒として、テトラアルコキシチタンとマグネシウム化合物の組み合わせが、高活性のため特に好ましく、テトラブチルチタネートと酢酸マグネシウムの組み合わせが最も好ましい。
触媒の使用量は、反応に供する単量体の全量に対する触媒中の金属換算量で、下限は、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、特に好ましくは0.003質量%以上である。また、上限は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下である。触媒の使用量が上記下限値より少ないと、重合反応の反応速度が遅すぎて製造上好ましくなく、また上記上限値より多いと、製造コストが高くなりすぎ、また触媒残渣が得られる脂肪族系ポリエステルの安定性に悪影響を及ぼす場合がある。
触媒の添加時期は、減圧反応開始以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルを製造する際の反応温度、重合時間及び圧力等の条件については、温度については150〜260℃が好ましく、180〜250℃の範囲が特に好ましい。重合時間については、1時間以上が好ましく、4〜15時間の範囲が特に好ましい。また、圧力については、最終的な減圧度が1.33×10Pa以下であることが好ましく、0.27×10Pa以下であることが特に好ましい。
<脂肪族系ポリエステルの物性>
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルは、該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、40℃、90%RHで測定した水蒸気透過度が100[cm/(m・day・atm)]以上であることが必須である。好ましくは500[cm/(m・day・atm)]以上、特に好ましくは1000[cm/(m・day・atm)]以上である。上記測定条件での水蒸気透過度が100[cm/(m・day・atm)]未満であるような脂肪族系ポリエステルを含有する鮮度保持材では、それを用いた包装材内部の湿度が高くなり、包装材内側が結露する場合がある。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルについて、該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、23℃、50%RHで測定した酸素透過度(A)は、100[cm/(m・day・atm)]以上であることが好ましく、500[cm/(m・day・atm)]以上であることがより好ましく、1000[cm/(m・day・atm)]以上であることが特に好ましい。酸素透過度(A)が低すぎると、包装される食品等の鮮度低下が早くなり場合がある。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルについて、該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、23℃、絶乾条件下で測定した二酸化炭素透過度(B)は、50000[cm/(m・day・atm)]以下であることが好ましく、30000[cm/(m・day・atm)]以下であることがより好ましく、18000[cm/(m・day・atm)]以下あることが特に好ましく、13000[cm/(m・day・atm)]以下あることが更に好ましい。二酸化炭素透過度(B)が高すぎると、包装される食品等の鮮度低下が早くなる場合がある。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルにおいては、該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、23℃、絶乾条件下で測定した上記二酸化炭素透過度(B)と、23℃、50%RHにおける酸素透過度(A)の比である(B/A)の値が20以下であることが好ましい。より好ましくは15以下であり、特に好ましくは10以下である。(B/A)の値が大きすぎると、包装材内部の二酸化炭素濃度が低く、酸素濃度が高くなり、包装される食品等の鮮度低下が早くなる場合がある。(B/A)の値がある一定値以下であることが好ましいということは、酸素透過度(A)がある程度大きくても、それ以上に二酸化炭素透過度(B)が大きい場合には、包装される食品等の鮮度低下が早くなる場合があることを意味する。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルについて、該脂肪族系ポリエステルの厚さ25μmのフィルムの、23℃、絶乾条件下で測定したエチレンガス透過度は、1000[cm/(m・day・atm)]以上であることが好ましく、1500[cm/(m・day・atm)]以上であることがより好ましく、2000[cm/(m・day・atm)]以上あることが特に好ましい。また、20000[cm/(m・day・atm)]以下であることが好ましく、10000[cm/(m・day・atm)]以下であることがより好ましく、8000[cm/(m・day・atm)]以下であることが特に好ましい。エチレンガス透過度が低すぎると、包装される食品等の鮮度低下が早くなる場合があり、エチレンガス透過度が高すぎると、包装される食品等の水分が低下して好ましくない場合がある。
上記したような気体の透過度を有し、更に、前記した要件、すなわち「該脂肪族系ポリエステルの原料に由来しない有機化合物の、該脂肪族系ポリエステル全体に対する含有量が10ppm以下」なる要件が組み合わされた脂肪族系ポリエステルは、包装される食品等の鮮度低下や水分低下を抑制し、有害物質を含有しないため安全な鮮度保持材の主成分とすることができる。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルについて、上記気体の透過度を測定するための「厚さ25μmのフィルム」の製造方法は、実施例に記載の方法によるものとする。また、透過度の測定方法も実施例に記載の方法によるものとする。また、上記気体の透過度は、本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステル自体の物性について規定するものであり、鮮度保持材の物性について規定するものではない。
上記したような気体の透過度を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法は特に限定されないが、脂肪族系ポリエステルを重合によって得た後に、アルカリ性水溶液で処理する方法、熱水で処理する方法、アルコールで洗浄処理する際に処理温度を適温にし、処理時間との関係を工夫する方法、酵素処理の際に酵素濃度を調節する方法等が挙げられる。好ましくは、脂肪族系ポリエステルを重合によって得た後にアルカリ性水溶液で処理する方法又は熱水で洗浄する方法である。
上記アルカリ性水溶液はpH7.5〜9.0であれば特に限定はないが、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、スルホン酸塩、リン酸塩等が挙げられる。中でも、炭酸水素塩が、弱アルカリ性であり、pHの制御がし易く、毒性がなく、無臭であり処理後の除去しやすさ等の点で好ましい。対アニオンは特に限定はないが、アルカリ金属であることが好ましく、ナトリウムであることが特に好ましい。
処理の方法は特に限定はないが、ペレット、粉末、繊維状物、ストランドを水溶液中に浸漬する方法が挙げられる。炭酸水素ナトリウム(重曹)等のアルカリ性塩の場合、濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%が特に好ましい。浸漬温度は15℃〜98℃が好ましく、50〜90℃が特に好ましく、浸漬時間は1〜100時間が好ましく、5〜50時間が特に好ましい。処理後、常法に従って濾過・乾燥する。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルは、還元粘度(ηsp/c)が1.4以上であるものが好ましく、より好ましくは1.6以上、特に好ましくは1.8以上である。また、該脂肪族系ポリエステルの還元粘度(ηsp/c)は、通常5.0以下であるが、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下である。還元粘度が1.4未満であると機械物性が低下する場合があり、5.0を超えると成型が困難になる場合がある。
脂肪族系ポリエステルの還元粘度(ηsp/c)は、フェノール/テトラクロロエタン(1:1質量比)中、脂肪族系ポリエステル濃度0.5dL/gで、30℃にて測定した溶液粘度から求めたものである。
本発明の鮮度保持材に含有される脂肪族系ポリエステルは、通常、MFR(メルトフローレート)が0.1以上100以下であるが、好ましい下限は0.5、より好ましい下限は1.0である。該脂肪族系ポリエステルのMFRの好ましい上限は50であるが、より好ましくは20以下、特に好ましくは10以下である。MFRが100より大きいと、機械物性が低下する場合があり、0.1未満であると、流動性が悪く成型が困難になる場合がある。上記MFRは、190℃、2.19kg荷重で測定した値である。
本発明の鮮度保持材は、上記の脂肪族系ポリエステルを、鮮度保持材全体に対して、10質量%〜100質量%含有するが、脂肪族系ポリエステルの含有量の下限は好ましくは50質量%、より好ましくは70質量%、特に好ましくは80質量%である。含有量の上限は99質量%が好ましく、より好ましくは95質量%、特に好ましくは90質量%である。含有量が10質量%未満では生分解性が低下したり、鮮度保持の効果が得られなくなったりする場合がある。
<鮮度保持材>
[鮮度保持材中のその他のポリエステル]
本発明の鮮度保持材は、上記した脂肪族系ポリエステルに加え、更に、脂肪族芳香族系ポリエステルを含有することも好ましい。「脂肪族芳香族系ポリエステル」とは、芳香族ジカルボン酸単位、「脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位」、並びに、「脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位」とを構成単位として含むポリエステルである。該脂肪族芳香族系ポリエステルは、鮮度保持材全体に対して、5質量%〜90質量%の範囲で含有されることが好ましく、10質量%〜70質量%の範囲で含有されることがより好ましく、20質量%〜50質量%の範囲で含有されることが特に好ましい。本発明の鮮度保持材中における脂肪族芳香族系ポリエステルの含有量が多過ぎる場合には、生分解性が劣る、剛性が劣る場合があり、一方、少な過ぎる場合には、柔軟性が劣る、強度が低下する場合がある。
以下に、前記脂肪族系ポリエステルと好適に混合使用される脂肪族芳香族系ポリエステルについて説明する。
脂肪族系ポリエステルと混合して用いることができる脂肪族芳香族系ポリエステルの構成成分である芳香族ジカルボン酸単位としては、具体的には、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位、トリメリット酸単位、ピロリメリット酸単位、ベンゾフェノンテトラカルボン酸単位、フェニルコハク酸単位、1,4−フェニレンジ酢酸単位、ナフタレンジカルボン酸単位、ジフェニルジカルボン酸単位等が挙げられる。これらは酸無水物であってもよい。また、芳香族ジカルボン酸の誘導体として、これらの芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの中で、テレフタル酸及びイソフタル酸、またそれらの低級アルキル(例えば炭素数1〜4のアルキル)エステル誘導体が好ましく、特にテレフタル酸及びテレフタル酸のメチルエステル誘導体、又はその混合物が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族芳香族系ポリエステルを構成する「脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位」の具体例は、コハク酸単位、シュウ酸単位、マロン酸単位、グルタル酸単位、アジピン酸単位、ピメリン酸単位、スベリン酸単位、アゼライン酸単位、セバシン酸単位、ウンデカン二酸単位、ドデカン二酸単位、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位等が挙げられる。好ましくはコハク酸又はアジピン酸であり、特に好ましくはアジピン酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族芳香族系ポリエステルの構成単位である「脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位」の具体例としては、例えば、エチレングリコール単位、ジエチレングリコール単位、トリエチレングリコール単位、ポリエチレングリコール単位、プロピレングリコール単位、ジプロピレングリコール単位、1,3−ブタンジオール単位、1,4−ブタンジオール単位、3−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル単位、1,6−へキサンジオール単位、1,9−ノナンジオール単位、ネオペンチルグリコール単位、ポリテトラメチレングリコール単位、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位等が挙げられる。好ましくは1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールであり、特に好ましくは1,4−ブタンジオールである。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記脂肪族芳香族系ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸単位の全構成成分に対する割合は、通常50モル%以上99モル%以下であり、好ましくは50モル%以上90%以下、特に好ましくは50モル%以上80%以下である。また、生分解性や安全性に影響を与えない範囲で、該脂肪族芳香族系ポリエステルには、ウレタン結合、アミド結合、カーボネート結合、エーテル結合、ケトン結合等が導入されていてもよい。しかしながら、これらの結合を導入しようとすると、安全性に問題のある物質を使用する場合があるので、これらの結合、特にウレタン結合、カーボネート結合等は導入されていないことが好ましい。
また、上記脂肪族芳香族系ポリエステルは、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、酸無水物、過酸化物等を用いて分子量を高めたり、架橋させたりしたものを用いてもよい。更に、末端基をカルボジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸で封止したものであってもよい。しかしながら、これらの結合を導入しようとすると、安全性に問題のある物質を使用する場合があるので、特に、イソシアネート化合物、カルボジイミド等は用いないことが好ましい。
本発明の鮮度保持材は、上記した脂肪族系ポリエステルに加え、更に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸又はその誘導体単位からなる脂肪族ヒドロキシカルボン酸重合体を含有することも好ましい。
ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体単位としては、例えば、グリコール酸単位、L−乳酸単位、L−ラクチド、D−乳酸単位、D−ラクチド、3−ヒドロキシ酪酸単位、4−ヒドロキシ酪酸単位、4−ヒドロキシ吉草酸単位、5−ヒドロキシ吉草酸単位、6−ヒドロキシカプロン酸単位、カプロラクトン単位等を挙げることができる。特に、L−乳酸が入手しやすさ及び物性の点で好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。最も好適には、ポリL−乳酸であるが、その特性を損なわない範囲で少量のD−乳酸が含まれてもよい。
ヒドロキシカルボン酸単位からなる脂肪族ヒドロキシカルボン酸重合体を、本発明の鮮度保持材に混合して使用する場合、脂肪族ヒドロキシカルボン酸重合体の含有量は、鮮度保持材全体に対して、0〜99質量%の範囲で用いることができるが、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは5〜80質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。本発明の鮮度保持材中における脂肪族ヒドロキシカルボン酸重合体の含有量が多過ぎる場合には、柔軟性が損なわれる場合や生分解性が低下する場合があり、一方、少な過ぎる場合には、剛性が損なわれる場合がある。
[鮮度保持材中の添加剤]
本発明の鮮度保持材には、その特性及び安全性が損なわれない範囲において、各種の添加剤、例えば、アンチブロッキング剤、スリップ剤、防曇剤、強化剤、増量剤、無機系フィラー、有機系フィラー、熱安定剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、耐光剤、可塑剤、着色剤、表面ぬれ改善剤、顔料、滑剤、分散助剤、界面活性剤、鮮度保持剤、抗菌剤等が配合されていてもよい。特に、アンチブロッキング剤、スリップ剤及び防曇剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
アンチブロッキング剤としては、炭素数6〜30の飽和脂肪酸アマイド、飽和脂肪酸ビスアマイド、メチロールアマイド、エタノールアマイド、天然シリカ、合成シリカ、合成ゼライト、タルク等が挙げられ、好ましくはタルク、シリカ等が挙げられる。
スリップ剤としては、炭素数6〜30の不飽和脂肪酸からなる不飽和脂肪酸アマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイドが挙げられ、好ましくはエルカ酸誘導体が挙げられ、特に好ましくはエルカ酸アマイドが挙げられる。
防曇剤としては、具体的には、炭素数4以上20以下の飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸と多価アルコールのエステル系界面活性剤が好ましく用いられ、より好ましくはグリセリンモノエステルが用いられる。防曇剤はあらかじめ前記ポリエステルに練りこんでもよいし、鮮度保持材中に添加してもよいし、成型後、成型品表面に塗布してもよい。
これらの添加剤の添加量は、樹脂組成物中の含有量として、通常0.001〜20質量%である。添加量の下限は、好ましくは0.01質量%、更に好ましくは0.1質量%である。添加量の上限は好ましくは10質量%、更に好ましくは5質量%である。
また、強化剤、増量剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタンウィスカー、マイカ、タルク、CaCO、TiO、シリカ、デンプン、米粉、木粉、竹粉、紙粉、セルロース等の等が配合されていてもよい。
無機系フィラーとしては、無水シリカ、雲母、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ藻土、アロフェン、ベントナイト、チタン酸カリウム、ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、カオリン、カオリナイト、ガラス、石灰石、カーボン、ワラステナイト、焼成パーライト、珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム等の珪酸塩、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸第二鉄、酸化亜鉛、酸化鉄、リン酸アルミニウム、硫酸バリウム等の塩類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の鮮度保持材中の無機系フィラーの含有量は、通常1〜80質量%であり、好ましくは3〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%である。
無機系フィラーの中には、炭酸カルシウム、石灰石等のように、土壌改良剤の性質を持つものもあり、これらの無機系フィラーを多量に含む鮮度保持材を土壌に投棄すれば、鮮度保持材の生分解後の無機系フィラーは残存して、土壌改良剤としても機能する。土壌中に投棄する場合には、本発明の鮮度保持材の有用性を高めることになる。
有機系フィラーとしては、生澱粉、加工澱粉、パルプ、キチン・キトサン質、椰子殻粉末、竹粉末、樹皮粉末、ケナフや藁等の粉末等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。本発明の鮮度保持材中の有機系フィラーの含有量は、40質量%未満が好ましい。
これらの添加剤は、重合反応前に反応装置に添加してもよいし、重合反応開始から重合反応終了の前に搬送装置に添加してもよいし、重合反応終了後生成物の抜出前に添加してもよいし、抜出後に添加してもよい。
<混練方法>
本発明の鮮度保持材の調製において、従来公知の混合/混練技術を適用できる。混合機としては、水平円筒型、V字型、二重円錐型混合機やリボンブレンダー、スーパーミキサーのようなブレンダー、また各種連続式混合機等を使用できる。また、混練機としては、ロールやインターナルミキサーのようなバッチ式混練機、一段型、二段型連続式混練機、二軸スクリュー押し出し機、単軸スクリュー押し出し機等を使用できる。混練の方法としては、脂肪族系ポリエステル及び/又は他のポリエステルを加熱溶融させたところに各種添加剤、フィラー等を添加して配合する方法や、あらかじめ高濃度で添加剤、色材等を脂肪族系ポリエステルに混合したマスターバッチを脂肪族系ポリエステル樹脂と混合する方法、或いは成型時に樹脂ペレット同士を投入する又は、樹脂ペレットとマスターバッチを投入する等の方法をとることができる。また、この際、前記の各種添加剤を均一に分散させる目的で、ブレンド用オイル等を使用することもできる。
<成型方法>
本発明の鮮度保持材は、汎用プラスチックに適用される各種成型法により成型に供することができる。その成型法としては例えば、圧縮成型(圧縮成型、積層成型、スタンパブル成型)、射出成型、押し出し成型や共押し出し成型(インフレ法やTダイ法によるフィルム成型、ラミネート成型、パイプ成型、電線/ケーブル成型、異形材の成型)、中空成型(各種ブロー成型)、カレンダー成型、発泡成型(溶融発泡成型、固相発泡成型)、固体成型(一軸延伸成型、二軸延伸成型、ロール圧延成型、延伸配向不織布成型、熱成型(真空成型、圧空成型)、塑性加工)、粉末成型(回転成型)、各種不織布成型(乾式法、接着法、絡合法、スパンボンド法等)等が挙げられる。この中で特にインフレ成型、Tダイ成型、真空成型、圧空成型、射出成型が好ましく用いられる。
成型温度は、140℃〜250℃が好ましいが、成型温度のより好ましい下限は150℃、特に好ましい下限は160℃である。成型温度のより好ましい上限は230℃、特に好ましい上限は220℃である。
本発明の鮮度保持材は、特に、射出成型体、発泡成型体、中空成型体、具体的な形状としては、フィルム、容器、繊維等への適用が好ましい。
また、これらの成型品には、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、各種合目的的二次加工を施すことも可能である。二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング等)等が挙げられる。
<フィルム>
本発明の鮮度保持材をフィルムとする場合、その製造方法としては、熱可塑性樹脂の通常の溶融成型法、例えば、インフレーション成型、押出成型、圧縮成型、真空成型、射出成型、中空成型、回転成型等、並びに、更にそれらに熱成型、延伸成型、発泡成型等の二次成型法を適用する方法を適用することができ、特にフィルム成型においては特にインフレーション成型、Tダイ成型、射出成型が好ましく、インフレーション成型が最も好ましい。
インフレーション成型の成型方法としては、一般的な成型方法が用いられるが、成型温度は成型機の温度制御ゾーンのうち最も樹脂投入口近い部分(C1)が、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、最も好ましくは110℃以上である。またC1の制御温度は通常180℃以下、好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下である。C1以外の成型機のシリンダー温度は、下限が通常120℃、好ましくは140℃、更に好ましくは150℃である。また上限は通常230℃、好ましくは210℃、更に好ましくは200℃である。成型機のヘッド部分の温度は、下限が通常130℃、好ましくは140℃、更に好ましくは150℃である。また上限は通常230℃、好ましくは210℃、更に好ましくは200℃である。成型機のダイス部分の温度は、下限が通常130℃、好ましくは140℃、更に好ましくは150℃である。また上限は通常230℃、好ましくは220℃、更に好ましくは210℃である。ブロー比は、上限が通常10.0、好ましくは5.0、更に好ましくは、4.0である。ブロー比の下限は通常1.5、好ましくは2.0更に好ましくは、2.5である。
本発明の鮮度保持材をフィルムとする場合、そのフィルムの厚さは、通常5μm〜1000μmであるが、好ましい下限は10μm、特に好ましい下限は20μm、好ましい上限は500μm、特に好ましい上限は200μmである。
<用途>
本発明の鮮度保持材の用途としては、ブロッコリー、しいたけ、マッシュルーム、ナメコ、シメジ、エノキ、エリンギ、マイタケ、マツタケ、コマツナ、ナバナ、エダマメ、トウモロコシ、トマト、サヤエンドウ、インゲン、スダチ、カボス、ホウレンソウ、コマツナ、シュンギク、オオバ、ニラ、ネギ、パセリ、ミズナ、ピーマン、キュウリ、トマト、ニガウリ、ナス、グリーンアスパラガス、ホワイトアスパラガス、ミョウガ、モヤシ、カイワレ、トウミョウ、栗、ハーブ類、レタス、ハクサイ、キャベツ、ニンジン、カボチャ、パプリカ、タマネギ、ナガイモ、ダイコン、カブ、ジャガイモ等のあらゆる青果物、ブドウ、メロン、サクランボ、イチゴ、柿、キウイフルーツ、サクランボ、青梅、ナシ、リンゴ、バナナ、モモ、ビワ、ブルーベリー、スイカ等果物類、バラ、カーネーション、キク、カラー、ユリ、桜、桃、梅、フリージア、アルメリア、スイートピー、アジサイ、サフィニア、ダリア等花卉類、鮭、ひらめ、鰈、鰤、秋刀魚、鰯、鯖、蛸、烏賊、鯛、金目鯛、鮪、細魚、太刀魚、飛魚、穴子、鰻等の魚肉類、赤貝、蛤、アサリ、蜆、帆立貝、青柳等貝類、豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉等の肉類、等の包装材料、包装容器に使用できる。中でも好ましくは青果物に、特に好ましくはブロッコリー、しいたけ等の包装材料・包装容器に使用される。
上記包装材料、包装容器の具体的な形態は食品のトレーや包装用フィルム、スーパー、ファーストフードの食品用容器、食品用袋、産地から小売御者までの運搬用容器、産地及び貯蔵庫での貯蔵用箱或いは容器、家庭での食品貯蔵用容器、食品包装用フィルム、食品包装用袋等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
<各種気体の透過度の測定方法>
[透過度の測定用の脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの成型方法]
インフレーション成型により成型した。すなわち、脂肪族系ポリエステルのペレットを、押し出し機サイズ30φのインフレ成型機に投入し、押し出し機及びダイスの温度設定は160℃、ブロー比は2.5とし、フィルム厚みは25μmとしてフィルム成型した。
[酸素透過度(A)]
JIS K7126−2に準拠し、OX−TRAN 2/21を用いて、23℃、湿度50%の条件で、フィルムの厚さ25μmで測定を行った。
[二酸化炭素透過度(B)]
JIS K7126−1に準拠し、差圧式ガス透過試験機MC−3を用いて、23℃、絶乾条件で、フィルムの厚さ25μmで測定を行った。
[水蒸気透過度]
JIS K7129Bに準拠し、PERMATRAN−W 3/31を用いて、40℃、湿度90%の条件で、フィルムの厚さ25μmで測定を行った。
[エチレンガス透過度]
JIS K7126−1に準拠し、差圧式ガス・蒸気透過率測定装置(GTR−30XAD2、G2700T・F)を用いて、23℃、絶乾条件で、フィルムの厚さ25μmで測定を行った。
実施例1
三菱化学社製GS Pla(AZ91TN)ペレット100質量部を、80℃、重曹水溶液(濃度1質量%)500質量部中に24時間浸漬し、その後濾過することによってオリゴマー成分等を除去精製したペレットを回収し、80℃、窒素流通下で8時間乾燥した。このペレット中に含まれる環状二量体の含有量は1600ppmであり、有機溶媒は10ppm以下であるため検出されなかった。
酸素透過度は1100[cm/(m・day・atm)]であり、二酸化炭素透過度は8000[cm/(m・day・atm)]であり、水蒸気透過度は1200[cm/(m・day・atm)]であった。気体透過度の測定に用いた厚さ25μmのフィルム単独で袋を作成し、中にブロッコリーを入れヒートシールした。23℃、50%RHの恒温室に7日後保管後の外観を観察したが、外観上の変化は認められなかった。
実施例2
三菱化学社製GS Pla(AD92WN)ペレットを、60℃、重曹水溶液(濃度1質量%)中に30時間浸漬することによってオリゴマー成分を除去精製し、70℃、窒素流通下で8時間乾燥した。このペレット中に含まれる環状二量体の含有量は1700ppmであり、有機溶媒は10ppm以下であるため検出されなかった。
酸素透過度は2500[cm/(m・day・atm)]であり、二酸化炭素透過度は17000[cm/(m・day・atm)]であり、水蒸気透過度は2200[cm/(m・day・atm)]であった。気体透過度の測定に用いた厚さ25μmのフィルム単独で袋を作成し、中にブロッコリーを入れヒートシールした。23℃、50%RHの恒温室に7日後保管後の外観を観察したが、外観上の変化は認められなかった。
実施例3
実施例1で用いた「重曹水溶液で洗浄後乾燥した三菱化学社製GS Pla(AZ91TN)ペレット」、及び、実施例2で用いた「重曹水溶液で洗浄後乾燥した三菱化学社製GS Pla(AD92WN)ペレット」を、AZ91TN/AD92WN=8/2(質量比)でペレットブレンドした後、二軸押出し機を用いて混練した。このペレットをインフレーション成型して厚さ25μmのフィルムを作製した。
このフィルムを用いて測定した酸素透過度は1800[cm/(m・day・atm)]であり、二酸化炭素透過度は12000[cm/(m・day・atm)]であり、水蒸気透過度は1600[cm/(m・day・atm)]であった。このフィルム単独で袋を作成し、中にブロッコリーを入れヒートシールした。23℃、50%RHの恒温室に7日後保管後の外観を観察したが、外観上の変化は認められなかった。
実施例4
実施例1において、実施例1で使用した精製乾燥後のペレット100質量部に代えて、AZ91TNの精製乾燥後のペレット70質量部、及び、BASF社製脂肪族芳香族系ポリエステル樹脂Ecoflexを30質量部使用した以外は実施例1と同様にフィルムを成型し気体の透過度を測定した。結果を表2に示す。また、このフィルム単独で袋を作成し、中にブロッコリーを入れヒートシールした。23℃、50%RHの恒温室に7日後保管後の外観を観察したが、外観上の変化は認められなかった。
実施例5
実施例1において、実施例1で使用した精製乾燥後のペレット100質量部に代えて、AZ91TNの精製乾燥後のペレット70質量部、BASF社Ecoflex 30質量部及びタルクPKP53を2質量部使用した以外は実施例1と同様にフィルムを成型したところ、成型性が向上した。このフィルムを用いて気体の透過度を測定した。結果を表2に示す。このフィルム単独で袋を作成し、中にブロッコリーを入れヒートシールした。23℃、50%RHの恒温室に7日後保管後の外観を観察したが、外観上の変化は認められなかった。
実施例6
実施例1に於いて、実施例1で使用した精製乾燥後のペレット100質量部に代えて、AZ91TNの精製乾燥後のペレット70質量部、BASF社Ecoflex 30質量部及び防曇剤としてステアリン酸モノグリセリドを0.5質量部使用した以外は実施例1と同様にフィルムを成型したところ、成型性が向上した。このフィルムを用いて気体の透過度を測定した。結果を表2に示す。このフィルム単独で袋を作成し、中にブロッコリーを入れヒートシールした。23℃、50%RHの恒温室に7日後保管後の外観を観察したが、外観上の変化は認められなかった。
比較例1
三菱化学社製LLDPE(ノバテックLLUF420)をインフレーション成型して厚さ25μmのフィルムを作製した。酸素透過度は4000[cm/(m・day・atm)]であり、二酸化炭素透過度は19000[cm/(m・day・atm)]であり、水蒸気透過度は20[cm/(m・day・atm)]であった。このフィルム単独で袋を作成し、中にブロッコリーを入れヒートシールした。23℃、50%RHの恒温室に7日後保管後の外観を観察したところ、色が一部黄色に変化し、袋内面に曇りが見られた。
比較例2
三菱化学社製GS Pla(AZ91TN)ペレット100質量部を、アセトン200質量部中、30℃で24時間浸漬することによってオリゴマー成分を除去精製し、80℃、窒素流通下で8時間乾燥した。このペレット中に含まれる環状二量体の含有量は1200ppmであったが、アセトンが1500ppm検出され、アセトン臭が感知され食品包装材料として使用に耐えなかった。
実施例1〜6、及び比較例1、2の、原料組成、処理方法及び乾燥条件を表1にまとめた。また、気体の透過度、環状二量体の含有量、有機溶媒の含有量、ブロッコリーの外観及び袋の外観について、表2にまとめた。表2中、気体の透過度の単位は全て、[cm/(m・day・atm)]である。また、表2中、比較例1の環状二量体はそもそも存在しないため「−」と記載し、比較例2の外観の「−」はアセトン臭があったため成型していないことを示す。
Figure 0005007623
Figure 0005007623
本発明の鮮度保持材を用いた包装材料や包装容器は、ポリエステルの原料に由来しない有機化合物、環状二量体、金属等の含有量が低濃度であるため、安全性に優れ、生分解性で、ヒートシール性が良好で、柔軟であり、良好なガス透過性を有するため、肉、魚、野菜、果物、花卉等の包装材料や包装容器に広く利用されるものである。

Claims (14)

  1. 脂肪族ジカルボン酸単位と、脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位とを含む脂肪族系ポリエステルであって、
    (1)該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、40℃、90%RHで測定した水蒸気透過度が100[cm/(m・day・atm)]以上であり、
    (2)該脂肪族系ポリエステルの原料に由来しない有機化合物の、該脂肪族系ポリエステル全体に対する含有量が10ppm以下である脂肪族系ポリエステル
    を10質量%〜100質量%含有することを特徴とする鮮度保持材。
  2. 該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、23℃、50%RHで測定した酸素透過度(A)が100[cm/(m・day・atm)]以上である請求項1記載の鮮度保持材。
  3. 該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、23℃、絶乾条件下で測定した二酸化炭素透過度(B)が18000[cm/(m・day・atm)]以下である請求項1又は請求項2記載の鮮度保持材。
  4. 該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、23℃、絶乾条件下で測定した二酸化炭素透過度(B)と、23℃、50%RHにおける酸素透過度(A)の比(B/A)が20以下である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  5. 該脂肪族系ポリエステル単独の厚さ25μmのフィルムの、23℃、絶乾条件下で測定したエチレンガス透過度が1000〜10000[cm/(m・day・atm)]である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  6. 該脂肪族系ポリエステルが、その分子内に実質的にウレタン結合を有していないものである請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  7. 該脂肪族系ポリエステルに含まれる環状二量体の含有量が、該脂肪族系ポリエステル全体に対して5000ppm以下である請求項1ないし請求項6の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  8. 該脂肪族系ポリエステルに含まれる金属の含有量が、該脂肪族系ポリエステル全体に対して300ppm以下である請求項1ないし請求項7の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  9. 該脂肪族系ポリエステルが、アルカリ性水溶液で処理されたものである請求項1ないし請求項8の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  10. 更に、脂肪族芳香族系ポリエステルを、鮮度保持材全体に対して5質量%〜90質量%含有する請求項1ないし請求項9の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  11. 更に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸重合体を、鮮度保持材全体に対して1質量%〜90質量%含有する請求項1ないし請求項10の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  12. 更に、アンチブロッキング剤、スリップ剤及び防曇剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1ないし請求項11の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  13. 鮮度保持材を成型する際の成型温度が140℃以上250℃以下である請求項1ないし請求項12の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
  14. 厚さ10〜500μmのフィルムである請求項1ないし請求項13の何れかの請求項記載の鮮度保持材。
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