JP5004414B2 - ハンダ性に優れた表面処理Al板、それを用いたヒートシンク、およびハンダ性に優れた表面処理Al板の製造方法 - Google Patents

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本発明は表面処理Al板に関し、特にハンダの濡れ性、ハンダ強度に優れるとともに、熱放射率や熱伝導率が大きく、ハンダ付けが可能で優れた放熱性が求められるヒートシンクに好適に適用することができる表面処理Al板、それを用いたヒートシンク、およびその表面処理Al板の製造方法に関する。
電子機器の小型化や高密度化にともなって、狭い筐体内部や間隙が殆ど無い状態で装填された部品の温度上昇を抑制する必要が生じている。プリント基板においては、部品の温度上昇を抑制するために、放熱用のヒートシンク2が、図1に示すように発熱体1の少なくとも片面に密着され、プリント基板10の金属面10aにハンダ5を用いてハンダ付けにより接合して設けられる。密着した面が大きいほど熱伝導が大きくなり、放熱効果が高まる。ヒートシンクに用いる材料としては、発熱体から急速に熱を吸収できるように、熱伝導性に優れた材料を用いることが好ましい。また、ヒートシンク2を発熱体1から離れた部分まで延ばして設け、延長部分から放熱するので、ヒートシンクの表面は熱放射性に優れていることが好ましい。なお、図1において、矢印3は熱伝導の方向を示し、矢印4は熱放射の方向を示している。
鋼板ベースの材料からなるヒートシンクの場合は、図1に示すようにプリント基板に直接ハンダ付けして接合することができる。放熱性がさらに要求される場合は、ヒートシンクとして鋼板よりも熱伝導性に優れたAlをベースとする材料を用いることが好ましいが、プリント基板に直接ハンダ付けして接合することが困難であるので、従来はAlベースのヒートシンクに専用のハンダ付けが可能なピンをかしめて取り付け、ピンを介してプリント基板にハンダ付けしている。しかしながら、このようにピンを介して接合する場合はピンとヒートシンクの強固な結合状態が得られず、落下などの衝撃が負荷された場合にヒートシンクがピンからはずれてしまうことがある。そのため、プリント基板とヒートシンクの強固な結合状態が得られるハンダ付けが可能なAl板を得るために、以下に示すような試みが行われている。
例えば特許文献1には、Al板またはAl系合金金属材にNi系めっき層を介してSnめっき層が形成されたハンダ付け性およびめっき密着性に優れたAl系合金金属板が開示されている。このAl系合金金属板においては、溶融Alめっき鋼板などの基材に真空蒸着法を用いてNi系めっきした後、続いてSnめっきを施す。この方法による場合、NiおよびSnをめっきするために真空蒸着法を用いるが、真空装置などの大掛かりな装置が必要であり、また製膜速度が小さく生産性に乏しいため、安価に製造することが困難である。
また特許文献2には、アルミニウム基材上に錫または錫合金層が、アルミニウム基材と錫または錫合金層との界面に錫の濃度勾配を形成して被覆されたことを特徴とするハンダ付性に優れる錫または錫合金層を被覆したアルミニウム材料が開示されている。このアルミニウム材料においては、アルミニウム合金板に錫を電気めっきした後に加熱する、または溶融した錫合金中にアルミニウム合金板を通すことにより、アルミニウム基材と錫または錫合金層との界面に錫の濃度勾配を形成して錫めっきするが、アルミニウム基材と錫または錫合金層との密着性が不十分であり、特に曲げ加工を施した場合に、錫めっき被膜がアルミニウム基材から剥離しやすい欠点を有している。
特開平05−345969号公報 特開平09−291394号公報
本発明は、めっき層の密着性、ハンダの濡れ性、ハンダ強度に優れるとともに、熱放射率や熱伝導率が大きく、ハンダ付けが可能で放熱性が求められるヒートシンクに好適に適用することができる表面処理Al板、それを用いたヒートシンク、およびその表面処理Al板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点を解決するために、ハンダ濡れ性に優れ且つ高いハンダ強度を得る手段として、Ni層の上に一段とハンダ濡れ性に優れているCu層を設けることを着想し、それを放熱性に優れたアルミニウム板に真空蒸着によらないめっきによって高い密着性を有して形成させることを種々研究した結果、Znめっきを施して後Niめっき層を形成することによって良好な密着性が得られることを見出し本発明に到達したものである。
すなわち、上記目的を達成する本発明の表面処理Al板は、曲げ加工用の表面処理Al板であって、Al基板表面に、基板側から順にZn層、Ni層、Cu層を形成してなり、前記Zn層の皮膜量が5〜500mg/mであり、前記Ni層の皮膜量が0.2〜50g/mであり、前記Cu層の皮膜量が0.2〜20g/mであることを特徴とするもの(請求項1)である。
Al板はめっきが困難であるが、ZnはAl板への高い密着性を有するめっきが可能であり、またZnめっき上へのNiめっきも高い密着性を有するめっきが可能であるので、Al板表面に順にZn層、Ni層、Cu層を形成することによって、めっき密着性に優れ且つハンダ付けが可能で、放熱性に優れた表面処理Al板を得ることができる。
上記表面処理Al板において、より放熱性を向上させるために、前記Cu層上に、黒色顔料を含有させた水系樹脂をさらに形成させること(請求項2)が望ましい。また、前記水系樹脂は、水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂であること(請求項)が望ましい。
さらに、本発明の表面処理Al板の製造方法は、曲げ加工用の表面処理Al板の製造方法であって、Al基板にZnをめっきし、次いでNiめっきし、その後Cuめっきする工程を有し、前記Zn層の皮膜量が5〜500mg/mであり、前記Ni層の皮膜量が0.2〜50g/mであり、前記Cu層の皮膜量が0.2〜20g/mであることを特徴とする(請求項)ものである。
Al板は、ハンダ付けができないため、それを可能とするにはその表面にハンダ濡れ性のよい金属層を形成する必要があるが、本発明は金属層をより簡単な装置で可能であるめっきにより形成する。しかし、Al板はめっきが困難であるが、Znを置換めっきすることによって容易にめっき可能である。しかしZnは経時すれば半田ができなくなるため、Znめっき上にNiめっきをし、その上にハンダ濡れ性に優れているCuめっきを施すことによって、めっき密着性に優れ且つハンダ付けが可能となり、放熱性に優れた表面処理Al板を得ることができる。
上記請求項に記載の表面処理Al板の製造方法において、黒色顔料を含有させた水系樹脂をさらに形成させること(請求項)が望ましい。また、水系樹脂は、水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂であること(請求項)が望ましい。
本発明の表面処理Al板は、Al基板表面に置換めっきによりZn層を形成させ、その上にNi層とCu層をめっきにより形成させているので、Al板とめっき層の密着性に優れている。また最表面にCu層を設けているので、ハンダ濡れ性に優れるとともに、高いハンダ強度が得られる。さらに基板がAl板であるので熱伝導率が大きく、放熱性に優れている。さらに、本発明の表面処理Al板に、ハンダフラックス性を有し熱放射性を向上させる層を設けることにより、ハンダ性をさらに向上させるとともに放熱性を向上させることができる。そのため、本発明の表面処理Al板は、ハンダ付けが可能な放熱性に優れたヒートシンクとして好適に適用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表面処理Al板の基板となるAlとしては、純Al板およびJIS規格の1000系、2000系、3000系、5000系、6000系、7000系のいずれのAl合金板も用いることができる。これらのAl合金板を脱脂し、次いで酸性エッチングし、引き続きスマットを除去した後、Znを置換めっきする。Znの置換めっきは、硝酸浸漬処理を行った後に実施するが、第一Zn置換めっき処理、第二Zn置換めっき処理の2回の工程に分けて行うのが好ましいが、1回で行ってもよい。Zn置換めっき処理を2回分けて行うことによって、Al板上にZ層をより均一に形成することができ、後工程でその上にめっきするNiめっきをめっき不良(密着不良)を起こすことなく形成できる利点がある。この場合、各工程の処理後には水洗処理を実施する。この第一Zn置換めっき処理および第二Zn置換めっき処理により形成するZnめっき層は、この置換めっき処理後にNiめっきを施す際にわずかに溶解するので、Zn層の皮膜量としてはNiめっき後の状態で5〜500mg/mであることが好ましく、30〜300mg/mであることがより好ましい。皮膜量は処理液中のZnイオン濃度および第二Zn置換めっき処理において処理液中に浸漬する時間を適宜選択して調整する。皮膜量が5mg/m未満であるとZn層の上に形成するNiめっき層との密着性に乏しくなり、曲げ加工を施した際にめっき層が剥離しやすくなる。一方、皮膜量が500mg/mを超えるとNiめっきが不均一になり、ハンダ強度が低下する。
次いでこのようにして形成されたZn層の上にNi層をめっきにより形成する。Niめっきは電気めっき法または無電解めっき法のいずれを用いて形成してもよい。無電解めっき法を用いる場合は、還元剤としてP化合物やB化合物を用いるので、Niめっき皮膜はNi−P合金やNi−B合金からなる皮膜として形成するが、電気めっき法による純Niからなる皮膜と同様に、めっき皮膜のAl基板に対する密着性や、優れたハンダ濡れ性およびハンダ強度が得られる。このようにして得られるNi層は、皮膜量として0.2〜50g/mであることが好ましく、1〜10g/mであることがより好ましい。皮膜量が0.2g/m未満であるとNi層がZn層の全面を均一に被覆することができないので十分なハンダ強度が得られない。一方、皮膜量が50g/mを超えるとハンダ濡れ性およびハンダ強度の向上効果が飽和し、コスト的に有利でなくなる。
次いでNi層上にCu層をめっきにより形成する。Cuめっきは電気めっき法または無電解めっき法のいずれを用いて形成してもよい。Cuめっきの皮膜量は0.2〜20g/mであることが好ましく、1〜10g/mであることがより好ましい。皮膜量が0.2g/m未満であると非活性のフラックスを用いた場合にハンダが濡れにくくなる。一方、皮膜量が20g/mを超えるとハンダ濡れ性およびハンダ強度の向上効果が飽和し、コスト的に有利でなくなる。
以上のようにしてAl基板上にZn層、Ni層、Cu層を形成することにより、本発明の表面処理Al板が得られる。また、この表面処理Al板をAlの融点以下の温度に加熱して、Al基板とZn層、Zn層とNi層、Ni層とCu層、またはAl基板とZn層とNi層、Zn層とNi層とCu層をそれぞれ相互拡散させることにより、Al基板とめっき層、および各めっき層同士の密着強度を向上させることもできる。
このようにして得られる本発明の表面処理Al板は、60W/m・K以上の熱伝導率を有しており、熱伝導性に優れたヒートシンクとして発熱体から熱を効率的に吸収して放熱することができるが、Cu層上に熱放射性に向上させる層を設けることにより、放熱性をさらに向上させることができる。Al基板上にZn層、Ni層、Cu層を形成した本発明の表面処理Al板の熱放射率は0.05〜0.1前後であるが、熱放射性に向上させる層を設けることにより、熱放射率は0.2〜0.9程度まで向上させることができる。
熱放射性を向上させる層は以下のようにしてCu層上に形成する。すなわち、Al基板上にZn層、Ni層、Cu層を形成した表面処理Al板、またはこの表面処理Al板に上記の加熱拡散処理を施した後、黒色顔料を含有させた水系樹脂、好ましくは水系ウレタン樹脂または水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂を塗布し、乾燥させて処理皮膜を形成する。これらの処理皮膜はフラックス効果を有しており、ハンダ濡れ性も向上させる。これらの水系樹脂の濃度は100〜900g/Lであることが好ましく、黒色顔料は樹脂中に樹脂の固形分に対して50重量%以下で含有していることが好ましい。50重量%を超えて含有しているとハンダ濡れ性およびハンダ強度が不良となる。乾燥後の処理皮膜の厚さは0.05〜10μmであることが好ましい。0.05μm未満では放熱性の向上効果に乏しく、10μmを超えると熱伝導性が損なわれるようになり、放熱性を向上させることができなくなる。このように、Cu層上に熱放射性に向上させる層を設けることにより、ヒートシンクとして用いた場合の放熱性を向上させることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
[供試板の作成]
Al合金板(JIS 5052 H19、板厚0.5mm)をめっき基板として、アルカリ液中で脱脂し、次いで硫酸中に浸漬するエッチング処理を施し、引き続いて硝酸中で脱スマット処理を施した後、水酸化ナトリウム:150g/L、ロッシェル塩:50g/L、酸化亜鉛:25g/L、塩化第一鉄:1.5g/Lを含む処理液中に浸漬する第一Zn置換めっき処理を行い、次いで400g/Lの硝酸水溶液中に浸漬して置換析出したZnを除去した後、第一Zn置換めっき処理で用いたのと同一の処理液中に浸漬して第二Zn置換めっき処理を行った。この第二Zn置換めっき処理において、浸漬時間を種々変化させて、表1に示す皮膜量のZn層を形成したZnめっきAl板を得た。
次いで、ZnめっきAl板に無電解めっき法を用いて、Zn層上にNi−12重量%P合金めっき皮膜を、表1に示す皮膜量で形成した。引き続いてZn層とNi層を形成したAl板に電気めっき法を用いてNi層上に純Cuめっき皮膜を、表1に示す皮膜量で形成して供試板とした。一部の供試板については、これらのめっきを施した後、350℃に加熱し、Al板とめっき層および各めっき層同士を相互拡散させる拡散熱処理を施した。また、他の一部の供試板については、表2に示す液組成の処理液を用いて熱放射性を向上させる層をCuめっき皮膜上に形成した。
また、比較用として、上記のAl合金板にZn置換めっき層を設けずに直接Niめっき層およびCuめっき層を設けた供試板、上記のAl合金板にZn置換めっき層を設けずにCuめっき層のみを設けた供試板、低炭素鋼板(板厚0.5mm)にCuめっき層のみを設けた供試板を作成した。
Figure 0005004414
Figure 0005004414
[供試板の特性評価]
上記のようにして得られた供試板を、下記の特性について評価した。
(ハンダ濡れ性)
メニスコグラフ法(MIL−STD−883B)により、SOLDERCHECKER(MODEL SAT−5000、RHESCA製)を使用し、上記の各供試板から切り出した幅7mmの試片をフラックス(NA−200、タムラ化研製)に浸漬し、その後250℃に保持したハンダ浴(JISZ 3282:H60A)に前記のフラックスを塗布した試片を、浸漬速度2mm/秒で2mm浸漬し、ハンダが濡れるまでの時間(ゼロクロスタイム)を測定し、下記に示す基準でハンダ濡れ性を評価した。短時間であるほどハンダ濡れ性が良好であることを示す。
◎:5秒未満
○:5〜7秒未満
△:7〜10秒未満
×:10秒以上
[ハンダ強度]
上記の各供試板から切り出した幅7mm、長さ50mmの試片をL字型に折り曲げた2つの切り出し片を、評価面を向かい合わせてT字状になるように重ね、T字の縦棒の部分に厚さ0.5mmの鋼板を挟み、T字の縦棒の下部に0.5mmの空隙部を形成した試片を作成した。この試片の空隙部に上記のハンダ濡れ性の評価に用いたのと同様のフラックスを塗布した後、ソルダーチェッカー(SAT−5000、レスカ製)を用い、250℃に保持したハンダ浴(JISZ 3282:H60A)に試片の空隙部を10mmの深さまで浸漬し5秒間保持して空隙部にハンダを充填した後取り出し、Tピール試験片とした。次いでテンシロンを用い、Tピール試験片のT字の横棒の部分をチャックで挟んで引っ張ってT字の縦棒の部分のハンダ充填部を引き剥がし、このときの引張強度をハンダ強度として測定し、下記の基準でハンダ強度の優劣を評価した。
◎:4fgf/7mm以上
○:3〜4fgf/7mm未満
△:1〜3fgf/7mm未満
×:1fgf/7mm未満
[めっき皮膜の密着性]
上記の各供試板から幅15mm、長さ50mmの試験片を切り出し、90゜折り曲げ、折り曲げ部にスコッチテープを貼り付け、次いで引き剥がした後、めっき皮膜の剥離の有無を肉眼観察し、下記の基準でめっき皮膜の密着性を評価した。
○:剥離は認められない。
×:剥離が認められる。
[放熱性]
上記の各供試板から幅5mm、長さ10mmの試験片を切り出し、光交流法熱定数測定装置(PIT−R2型、真空理工製)を用いて熱伝導率を測定した。また、放射率計(D and S AERD放射率計、京都電子工業製)を用いて熱放射率を測定し、下記に示す基準で放熱性を評価した。
◎:熱伝導率60W/m/K以上でかつ熱放射率0.20以上
○:熱伝導率60W/m/K以上でかつ熱放射率0.05〜0.20未満
△:熱伝導率40〜60W/m/K未満
×:熱伝導率40W/m/K未満
その結果、表3に示すように、Al板にZn層、Ni層、Cu層を形成した本発明の表面処理Al板はハンダの濡れ性に優れ、ハンダ強度が高く、かつ熱伝導率が大きく放熱性に優れている。またこの表面処理Al板のCu層上に熱伝導性を向上させる層を設けることにより、放熱性がさらに向上していることが確認された。そのため、本発明はハンダ付けが可能な放熱性に優れたヒートシンクとして好適に適用できる。
Figure 0005004414
本発明のAl基板表面に置換めっきによりZn層を形成させ、その上にNi層とCu層をめっきにより形成させている表面処理Al板は、Al板とめっき層の密着性に優れており、最表面にCu層を設けているので、ハンダ濡れ性に優れるとともに、高いハンダ強度が得られる。また基板がAl板であるので熱伝導率が大きく、放熱性に優れている。さらに、Cu層上にハンダフラックス性を有し熱放射性に向上させる層を設けることにより、ハンダ性をさらに向上させるとともに放熱性を向上させることができる。そのため、本発明の表面処理Al板は、ハンダ付けが可能で放熱性が求められるヒートシンクに好適に適用することができるハンダ付けが可能な放熱性に優れたヒートシンクとして好適に適用することができる。
ヒートシンクと発熱体の接合状態を示す概略図である。
符号の説明
1 発熱体
2 ヒートシンク
3 熱伝導の方向
4 放熱の方向
5 ハンダ
10 プリント基板
10a 金属面

Claims (6)

  1. 曲げ加工用の表面処理Al板であって、Al基板表面に、基板側から順にZn層、Ni層、Cu層を形成してなり、
    前記Zn層の皮膜量が5〜500mg/mであり、
    前記Ni層の皮膜量が0.2〜50g/mであり、
    前記Cu層の皮膜量が0.2〜20g/mである、表面処理Al板。
  2. 前記Cu層上に、黒色顔料を含有させた水系樹脂をさらに形成してなる、請求項1に記載の表面処理Al板。
  3. 前記水系樹脂は、水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂である請求項2に記載の表面処理Al板。
  4. 曲げ加工用の表面処理Al板の製造方法であって、Al基板にZnをめっきし、次いでNiめっきし、その後Cuめっきする工程を有し、
    前記Zn層の皮膜量が5〜500mg/mであり、
    前記Ni層の皮膜量が0.2〜50g/mであり、
    前記Cu層の皮膜量が0.2〜20g/mである、表面処理Al板の製造方法。
  5. 前記Cu層上に、黒色顔料を含有させた水系樹脂をさらに形成する工程を有する、請求項に記載の表面処理Al板の製造方法。
  6. 前記水系樹脂は、水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂である請求項に記載の表面処理Al板の製造方法。
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