JP5003972B2 - トンネル拡幅工法 - Google Patents
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Description
特許文献1に示されるトンネルの構築方法は、先行構築したトンネルの周囲にそれを囲繞する強度増加領域と、該強度増強領域を囲繞する止水領域を薬液注入により形成し、しかる後にその内側を掘削して拡幅トンネルを構築するものである。
特許文献2に示されるトンネル拡幅工法も、上記と同様に先行構築したトンネルを強度増加領域と難透水領域とにより囲繞するとともに、それら両領域の間に透水性を有する地山層を残して、その地山層内の地下水をトンネル内に集水するようにしたものである。
本実施形態は、本発明のトンネル拡幅工法によって道路トンネルの分岐合流部(ランプ部)を構築する場合の適用例であって、図1(a)に示すようにシールドトンネルからなる本線トンネル1を先行構築した後、(b)に示すようにその本線トンネル1を側方に拡幅してそこにランプトンネル2を接続することによって分岐合流部3を施工することを基本とするものである。
地盤改良体4は、基本的には特許文献1〜2に示した従来のトンネル拡幅工法による場合と同様に、本線トンネル1内からの薬液注入により形成され、かつ内側の増強部4Aと外側の止水部4Bとによる二重構造のものであって、分岐合流部3に最終的に施工されるべき覆工壁5のやや外側の位置において拡幅部全体を囲繞する略筒状とされ、その両端部も同様の補強部4Aと止水部4Bとにより閉じられた形態で形成されるものである。
したがって、仮に地盤改良体4による止水性能が万全でなかったり、あるいは何らかの原因で止水性能が損なわれて万一の異常出水が発生する事態を想定しても、それによる影響を特定の遮水領域7内に限定することができ、したがって従来のこの種の工法に比べて拡幅時の施工安全性と施工性をより一層改善することができるものとなっている。
また、地盤改良体4の内側に遮水領域7を区画形成するための遮水壁6の厚さはたとえば3m程度とすると良く、それらの設置間隔(つまり遮水領域7の1区画の長さ)は40m程度とすることが良い。
さらに、拡幅に際してはセグメントの切り開きが実施されるのであるが、その際にセグメントの変形が想定される場合、地盤改良体4とセグメントとの間に隙間が生じてそこでの止水性能が低下することも想定されるので、そのような場合には必要に応じてそれを補償するようにそこでの止水部4Bの厚さや止水性能を予め増強しておくと良い。
図4(a)に示すように本線トンネル1内からその周囲地盤に多数の注入孔10を形成し、まず(b)に示すようにその最先端よりもやや手前の位置に懸濁型注入材を加圧注入して増強部4Aを形成する。
次いで、(c)に示すように注入管10の最先端から増強部4Aにラップする位置に溶液型注入材を加圧注入して止水部4Bを形成する。このように止水部4Bを増強部4Aにラップさせて形成することにより、増強部4Aは増強効果のみならず止水効果を併せ持つものとなる。
遮水壁6を形成するべき位置においては、(d)に示すように注入管10の全長にわたって溶液型注入材を加圧注入すれば良い。
具体的には、まず(b)に示すように一次注入孔10aのみを比較的大きな間隔(たとえば3m程度)で形成して、それら一次注入孔10aを通して一次注入を行い、次いで(c)に示すように一次注入孔10aの間にそれよりも小さな間隔(たとえば1m程度)で二次注入孔10bを形成し、それら二次注入孔10bを通して二次注入を行って増強部4Aと止水部4Bからなる地盤改良体4を施工する。
そして、以上で施工した地盤改良体4の止水性能をチェックするために、(d)に示すように二次注入孔10bの間にさらにチェック孔10cを形成してそれらチェック孔10cからの湧水の有無を確認し、その結果から必要に応じて追加注入を行う。つまり、二次注入までで地盤改良体4が支障なく施工されればチェック孔10cからは殆ど湧水が生じる余地はないが、仮に止水性能が充分でなければチェック孔10cを通して湧水が生じる。そこで、予め設定した所定の想定値(たとえば毎分0.06リットル)を超えるような湧水があるような場合には止水性能が不十分であるとしてそれを補償することとし、その場合にはチェック孔10cを三次注入孔として溶液型注入材を追加注入する。
これにより、一次注入および二次注入のみでは充分な止水性能が確保できなかった場合においても、チェック孔10cにより止水性能の確認と止水性能確保のための追加注入を容易に実施することができ、万全の止水性能を確保することができる。
その際の施工手順としては、地盤改良体4内の上段(上半部)の掘削、上段セグメントの解体撤去、地盤改良体4内の下段(下半部)の掘削、下段セグメントの解体撤去、地盤改良体4の内側への覆工壁5の施工、という手順とすることが最も効率的であり一般的である。
このような鋼管先受工を施工するための工法としてはたとえば特開2005−344460号公報や特開2003−147760号公報に開示されているようないわゆるAGF工法が好適に採用であり、それにより拡幅時の施工安全性を充分に確保することができるし、鋼管14を打設するための打設孔や鋼管自体を利用して地盤改良体4の止水性能の確認と、それが充分ではない場合の補修を行うこともできる。つまり、鋼管14を打設するための打設孔を形成する際にそこからの湧水がなければ地盤改良体4の止水性能が充分であることが確認でき、逆に想定値以上の湧水が生じている場合には止水性能が充分でないことになるから、その場合には打設孔や鋼管を通して地盤改良体4に対して溶液型注入材を追加注入することによりそこでの止水性能を確保することができる。
なお、拡幅掘削をNATM工法により行うに際して、必要であれば上記のような鋼管先受工に代えて、あるいはさらにそれに加えて、周囲地盤に止水改良範囲を貫通しない(壊さない)長さのロックボルトを打設しても良い。
すなわち、図8に示すように地盤改良体4の内側に区画形成した遮水領域7内に所定間隔で地下水の水頭圧を観測するための内側観測孔20を設けるとともに、地盤改良体4の外側の任意の位置にも外側観測孔21を設け、本設トンネル1内から遮水領域7内に挿入した排水管22によりそこから地下水を排水して、それに伴う遮水領域7内の各位置における地下水圧の経時的な変動を水圧計(水頭圧計)23により観察することにより、地下水圧の変動の状況から地盤改良体4および遮水壁6の止水性能を確認することができる。
そして、仮に止水性能が不十分であることが確認された場合には地盤改良体4や遮水壁6に対して追加の薬液注入を行い、最終的に止水性能が充分であることを確認したうえで拡幅を行うことにより、不用意に拡幅を行って異常出水が生じるような事態となることを未然に防止することができ、施工安全性を充分に確保することができる。
勿論、地盤改良体4および遮水壁6の止水性能が充分である場合、遮水領域7内から充分に排水した後に拡幅を行うことにより、拡幅のための掘削をドライな状態で行うことができて施工性に優れるし、流砂が発生するようなことも防止することができる。
2 ランプトンネル
3 分岐合流部(拡幅部、拡幅予定領域)
4 地盤改良体
4A 増強部
4B 止水部
5 覆工壁
6 遮水壁
7 遮水領域
8 裏込止水層
10 注入孔
10a 一次注入孔
10b 二次注入孔
10c チェック孔(三次注入孔)
11 作業ゾーン
12 通行レーン
13 仮設構台
14 鋼管
15 支保工
16 覆工壁
20 内側観測孔
21 外側観測孔
22 排水管
23 水圧計
Claims (3)
- 先行構築したトンネルを拡幅して該トンネルよりも大断面の拡幅トンネルを構築するに際し、前記トンネル内より少なくとも拡幅方向の地盤に対して薬液注入による地盤改良を行って拡幅予定領域を取り囲む地盤改良体を施工して、該地盤改良体の内側において前記トンネルを拡幅するトンネル拡幅工法であって、
前記地盤改良体を施工するに際し、該地盤改良体を懸濁型注入材の注入による増強部と溶液型注入材の注入による止水部とからなる多重構造体として形成するとともに、該地盤改良体の内側に、溶液型注入材の注入による複数の遮水壁をトンネル軸方向に所定間隔をおいてトンネル横断面に沿わせた状態で前記地盤改良体と一体に形成することにより、該遮水壁によって前記地盤改良体の内側に複数の遮水領域を区画形成し、
前記地盤改良体の施工に際しては、懸濁型注入材および溶液型注入材を段階的に注入するべく、まず一次注入孔を所定間隔で形成して該一次注入孔から一次注入を行い、次いで一次注入孔の間に二次注入孔を形成して該二次注入孔から二次注入を行って前記地盤改良体を施工し、しかる後に、該地盤改良体の止水性能を確認するためのチェック孔を二次注入孔の間に形成して、該チェック孔から想定値以上の湧水が認められた際には該チェック孔を三次注入孔として地盤改良体に対して溶液型注入材を追加注入することを特徴とするトンネル拡幅工法。 - 請求項1記載のトンネル拡幅工法であって、
前記トンネルを拡幅する先だって、少なくとも拡幅予定領域の上部に予め多数の鋼管を密に打設して前記地盤改良体内に鋼管先受工を施工するとともに、該鋼管先受工を施工するに際しては、鋼管を打設するための打設孔からの湧水を確認して、該打設孔から想定値以上の湧水が認められた際には該打設孔を注入孔として地盤改良体に対して溶液型注入材を追加注入することを特徴とするトンネル拡幅工法。 - 請求項1または2記載のトンネル拡幅工法であって、
前記トンネルを拡幅する先だって、前記遮水領域内から地下水を排水する排水試験を行って該遮水領域内の地下水圧を確認することにより、該遮水領域を区画形成している地盤改良体および遮水壁の止水性能を確認することを特徴とするトンネル拡幅工法。
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