JP5001086B2 - センサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサ素子と、そのガスセンサ素子を加熱する発熱抵抗体とを制御するセンサ制御装置に関する。
従来、所定の活性化温度以上に加熱されることで、検出対象ガス中の特定ガス成分の濃度を検出することが可能となるガスセンサ素子が知られている。そして、このようなガスセンサ素子は、起動した後に、早期に特定ガス成分の濃度の検出が可能な状態(活性化状態)となるように、ヒータが備えられている。なお、活性化温度以上になることで特定ガス成分の濃度の検出が可能となるガスセンサ素子としては、例えば、酸素センサ、全領域空燃比センサ、NOxガスセンサなどが挙げられる。
また、固体電解質体を備えて形成されるガスセンサ素子のインピーダンス(以下、素子インピーダンスという)は、ガスセンサ素子の温度と相関関係を有する形で変化する特性を有する。このため、ガスセンサ素子を制御するセンサ制御装置は、素子インピーダンスを検出し、検出された素子インピーダンスを用いて測定された温度に基づいてヒータを駆動することにより、ガスセンサ素子の温度を制御することができる(例えば特許文献1を参照)。
特開平10−48180号公報
ところで、ガスセンサ素子の素子インピーダンスを精度良く検出するには、ガスセンサ素子が加熱されてある程度にまで素子インピーダンスが低下するのを待つ必要がある。そこで、従来のセンサ制御装置においては、ガスセンサ素子の起動時に、予め設定された投入電力量をヒータに投入してガスセンサ素子の温度を早期に高めるようにしている。このとき、ヒータに投入する投入電力量は、ガスセンサ素子の始動時に温度が冷えている(例えば、常温)ことを想定して大きめに設定されていた。
一方、ガスセンサ素子が活性化温度以上に加熱された状態で、ガスセンサ素子(センサ制御装置)の駆動が停止されるとガスセンサ素子の温度は徐々に低下することになるが、短時間内にガスセンサ素子(センサ制御装置)が再起動された場合には、ガスセンサ素子の温度がまだ高い場合である。このような場合に、大きめに設定された投入電力量をヒータに投入してガスセンサ素子を加熱すると、ガスセンサ素子が破損する領域まで過度に加熱してしまうおそれがあった。
なお、ガスセンサ素子の起動直後に、ガスセンサ素子の素子インピーダンスを検出するようにして、ガスセンサ素子の温度が温まった状態で起動したか否かを検出してヒータの通電を制御する手法が考えられるが、ガスセンサ素子とセンサ制御装置との間の電流経路で断線が発生していると、センサ制御装置は素子インピーダンスを測定することができないため、ガスセンサ素子を活性化させるべく大きめに設定された投入電力量をヒータに投入してしまうことになる。そのため、上記の手法を用いたとしても、ガスセンサ素子の過剰な加熱を防ぎきることができないという問題がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、活性化温度以上に加熱されたガスセンサ素子の駆動が停止され、短期間内にガスセンサ素子(センサ制御装置)が再起動された場合にも、ガスセンサ素子を適正に加熱することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、固体電解質体を備え、予め設定された活性化温度まで加熱されることで、検出対象ガス中の特定ガス成分の濃度を検出することが可能となるガスセンサ素子と、通電により発熱して該ガスセンサ素子を加熱する発熱素子とを制御するセンサ制御装置であって、発熱素子への通電が停止されたときのガスセンサ素子の温度である通電停止時センサ素子温度を測定するガスセンサ素子温度測定手段と、発熱素子への通電が停止されてから、発熱素子への通電が開始されるまでに経過した通電停止時間を測定する通電停止時間測定手段と、ガスセンサ素子温度測定手段により測定された通電停止時センサ素子温度と、通電停止時間測定手段により測定された通電停止時間とに基づいて、発熱素子への通電が開始されるときのガスセンサ素子の温度である通電開始時センサ素子温度を推定するガスセンサ素子温度推定手段と、ガスセンサ素子温度推定手段により推定された通電開始時センサ素子温度に応じて、ガスセンサ素子が活性化温度となるように予め設定された活性化電力量を発熱素子に投入する発熱制御手段とを備え、さらに、ガスセンサ素子のインピーダンスを検出し、記憶するインピーダンス検出手段を備えており、ガスセンサ素子温度測定手段は、インピーダンス検出手段により発熱素子への通電が停止される直前に記憶されたインピーダンスに基づいて通電停止時センサ素子温度を測定することを特徴とするセンサ制御装置である。
このように構成されたセンサ制御装置では、まず、ガスセンサ素子温度測定手段が、インピーダンス検出手段により発熱素子への通電が停止される直前に記憶されたインピーダンスに基づいて発熱素子への通電が停止されたときのガスセンサ素子の温度(通電停止時センサ素子温度)を測定する。その後に通電停止時間測定手段が、発熱素子への通電が停止されてから、発熱素子への通電が開始されるまでに経過した通電停止時間を測定する。更にガスセンサ素子温度推定手段が、ガスセンサ素子温度測定手段により測定された通電停止時センサ素子温度と、通電停止時間測定手段により測定された通電停止時間とに基づいて、発熱素子への通電が開始されるときのガスセンサ素子の温度(通電開始時センサ素子温度)を推定する。そして発熱制御手段が、ガスセンサ素子温度推定手段により推定された通電開始時センサ素子温度に応じて、ガスセンサ素子が活性化温度となるように予め設定された活性化電力量を発熱素子に投入する。
即ち、ガスセンサ素子の温度(以下、センサ素子温度ともいう)は、発熱素子への電力の投入(通電)が停止された時点から低下し、上記の通電停止時間が長くなるほどセンサ素子温度の低下が大きくなる。このため、ガスセンサ素子温度推定手段は、上記通電停止時センサ素子温度から、通電停止時間に応じたセンサ素子温度の低下分を減算することにより、発熱素子への通電が開始されるときのガスセンサ素子の温度(通電開始時センサ素子温度)を推定することができる。そして発熱制御手段は、ガスセンサ素子がこの推定した通電開始時センサ素子温度から活性化温度になるまでに必要な電力量をヒータ素子に投入する。
なお、発熱素子への通電が開始されるときのガスセンサ素子の温度(通電開始時素子温度)を推定するために、通電停止時センサ素子温度と通電停止時間とをパラメータとして通電開始時素子温度を求めるマップや計算式を用いるようにしてもよい。
従って、請求項1に記載のセンサ制御装置によれば、ガスセンサ素子の再起動時(即ち、発熱素子への通電を再開する時)におけるガスセンサ素子の温度を推定することができるので、ガスセンサ素子が温まった状態で起動(再起動)された場合にも、ガスセンサ素子を活性化温度以上にするために必要かつ適正な発熱素子への投入電力量を特定することができる。これにより、ガスセンサ素子とセンサ制御装置との間の電流経路で断線が発生した場合であっても、例えば、活性化温度まで温度を上昇させるのに要する電力量を投入することができずにガスセンサ素子を活性化させることができない事態や、ガスセンサ素子を過剰に加熱させてガスセンサ素子を破損させてしまう事態が発生するのを抑制することができる。
また、請求項1に記載のセンサ制御装置においては、請求項2に記載のように、発熱制御手段は、ガスセンサ素子温度推定手段により推定された通電開始時センサ素子温度が低いほど活性化電力量が大きくなるように活性化電力量を設定するとよい。これにより、ガスセンサ素子の再起動時におけるセンサ素子温度に適した活性化電力量を発熱素子に投入することができる。
また、請求項2に記載のセンサ制御装置においては、請求項3に記載のように、発熱制御手段は、ガスセンサ素子温度推定手段により推定された通電開始時センサ素子温度が予め設定された判定用温度より高い場合には、活性化電力量を、判定用温度に応じて予め設定された第1電力量に設定し、ガスセンサ素子温度推定手段により推定された通電開始時センサ素子温度が判定用温度以下の場合には、活性化電力量を、判定用温度に応じて第1電力量より大きく設定された第2電力量に設定するようにしてもよい。
このように構成されたセンサ制御装置では、発熱制御手段が、ガスセンサ素子温度推定手段により推定された通電開始時センサ素子温度が判定用温度より高い場合には、ガスセンサ素子を活性化温度以上にするために第1電力量を発熱素子に供給し、通電開始時センサ素子温度が判定用温度以下の場合には、判定用温度に応じて第1電力量より大きく設定された第2電力量を発熱素子に供給する。
即ち、請求項3に記載のセンサ制御装置によれば、発熱制御手段により供給される活性化電力量を、第1電力量または第2電力量に設定する。このため、通電開始時センサ素子温度に応じて、活性化電力量についての多くの選択肢(3つ以上)の中から1つを選択する場合と比較して、発熱制御手段の制御を簡略化することができる。
また、請求項1〜請求項3の何れかに記載のセンサ制御装置においては、請求項4に記載のように、発熱制御手段は、発熱素子に活性化電力量を投入した後、インピーダンス検出手段により検出されるインピーダンスに基づいて発熱素子の通電を制御するようにするとよい。
発熱素子に予め設定された活性化電力量を投入することで、ガスセンサ素子の素子インピーダンスは低下することになる。ここで、ガスセンサ素子の温度を検出するにあたっては、発熱素子の抵抗値により推定することは前述の通りできるが、ガスセンサ素子の温度を直接的に検出する訳ではないため、ガスセンサ素子の素子インピーダンスに基づいて温度を検出する方が精度は良好なものとなる。
そこで、このように構成されたセンサ制御装置では、発熱制御手段が、発熱素子に活性化電力量を投入した後に、インピーダンス検出手段により検出されるインピーダンス(素子インピーダンス)に基づいて発熱素子の通電を制御するようにしているため、ガスセンサ素子の起動後において、精度良くガスセンサ素子の温度を活性化温度以上に維持することができる。
また、請求項4に記載のセンサ制御装置においては、請求項5に記載のように、インピーダンス検出手段により検出されたインピーダンスに基づいてガスセンサ素子が異常であるか否かを判断する異常判断手段を備え、発熱制御手段は、異常判断手段によりガスセンサ素子が異常でないと判断された場合に、インピーダンスに基づいて発熱素子の通電を制御するようにするとよい。
即ち、発熱制御手段により活性化電力量が発熱素子に加えられた後であるので、ガスセンサ素子が正常であれば、素子インピーダンスはガスセンサ素子の活性化温度に対応した値になっているはずである。このため、発熱制御手段によりガスセンサ素子に活性化電力量が加えられた後に素子インピーダンスが活性化温度に対応した値になっていない場合には、ガスセンサ素子に異常が発生しているという判断基準で異常の判断をすることが可能となる。例えば、ガスセンサ素子とセンサ制御装置との間の、素子インピーダンスの信号を伝達する経路で断線が発生した場合には、素子インピーダンスが活性化温度に対応した値にならないため、当該経路で断線が発生したと判断することができる。そして、発熱制御手段は、ガスセンサ素子が異常でないと判断された場合にインピーダンスに基づいて発熱素子の通電を制御することで、ガスセンサ素子を安定して活性化温度に加熱することができる。
尚、素子インピーダンスは、ガスセンサ素子の温度が高くなるほど低くなる特性を有している。このため異常判断手段は、例えば、素子インピーダンス検出手段により検出された素子インピーダンスの値が予め設定された判定用インピーダンス値より大きい場合に、ガスセンサ素子が異常であると判断するようにしてもよい。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
図1は本発明が適用されたセンサ制御装置1の概略構成図、図2はガスセンサ素子5の概略構成図である。
センサ制御装置1は、図1に示すように、測定対象ガス(排気ガスなど)における特定ガス濃度(酸素濃度など)を検出するガスセンサ素子5と、ガスセンサ素子5を加熱するヒータ80と、ガスセンサ素子5の各種特性を検出するセンサ特性検出回路3と、ヒータ80の通電を制御するヒータ通電制御回路6と、センサ特性検出回路3及びヒータ通電制御回路6に接続されて各種制御処理を実行する中央演算処理装置2とを備えている。
センサ特性検出回路3は、内燃機関の排気管に設けられるガスセンサ素子5に接続されている。そしてセンサ特性検出回路3は、ガスセンサ素子5の素子インピーダンスに応じて変化する素子インピーダンス信号を検出し、検出した素子インピーダンス信号を中央演算処理装置2に対して出力する。またセンサ特性検出回路3は、素子インピーダンス信号の他に、ガスセンサ素子5からガス検出信号Vipを検出し、検出したガス検出信号Vipを中央演算処理装置2に対して出力する機能を有している。なおガス検出信号Vipは、ガスセンサ素子5が検出する特定ガスのガス濃度に応じて変化する。
中央演算処理装置2は、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を備えるマイクロコンピュータを主体として構成されている。そして中央演算処理装置2は、各部から受信した各種情報を用いて各種制御処理を実行する。
例えば中央演算処理装置2は、センサ特性検出回路3から受信した素子インピーダンス信号を用いてガスセンサ素子5の温度を検出する温度検出処理や、ガスセンサ素子5を目標温度に設定するためにヒータ80への投入電力量を制御するヒータ制御処理などを実行する。また中央演算処理装置2は、センサ特性検出回路3から受信したガス検出信号に基づき、測定対象ガス(排気ガスなど)における特定ガス濃度(酸素濃度など)を検出するガス濃度検出処理を実行する。
ヒータ80は、後述するようにヒータ抵抗87を備え、そのヒータ抵抗87の一端が直流電源VB(本実施形態では、+12V)に接続され、他端がヒータ通電制御回路6に接続されている。
ヒータ通電制御回路6は、コレクタがヒータ抵抗87の他端に接続され、エミッタが抵抗Rhを介して接地され、ベースが中央演算処理装置2に接続されたトランジスタTrとを備えている。
このため、トランジスタTrをオン状態にする電圧レベルの信号(以下、ヒータ・オン信号という)を中央演算処理装置2がトランジスタTrのベースへ出力している間はヒータ抵抗87に電流が流れて、ヒータ80が発熱する。一方、中央演算処理装置2がヒータ・オン信号の出力を停止するとトランジスタTrがオフ状態となるため、ヒータ抵抗87に電流が流れず、ヒータ80の発熱が停止される。つまりヒータ通電制御回路6は、中央演算処理装置2から入力されるヒータ・オン信号によってトランジスタTrのオン状態とオフ状態とを切り換えることで、ヒータ80を発熱制御するように動作する。
またヒータ通電制御回路6では、抵抗RhにおけるトランジスタTrと接続されている側の端部Reで、中央演算処理装置2と接続されている。
ガスセンサ素子5は、図2に示すように、ポンプセル14と、多孔質拡散層18と、起電力セル24と、補強板30と、ヒータ80とを積層することにより構成されている。
ポンプセル14は、酸素イオン伝導性固体電解質体である部分安定化ジルコニア(ZrO2)により形成され、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極12,16を有している。なお多孔質電極12は、多孔質状の保護層15に覆われており、保護層15は、多孔質電極12の被毒を防止するための被毒防止層として備えられている。
また起電力セル24は、同じく酸素イオン伝導性固体電解質体である部分安定化ジルコニア(ZrO2)により形成され、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極22,28を有している。
ポンプセル14のうちで中空の拡散室20に臨む多孔質電極16と、起電力セル24のうちで中空の拡散室20に臨む多孔質電極22とは、互いに導通されるとともに、ガスセンサ素子5の端子COMに接続されている。なお端子COMは、通電経路42および抵抗器Rを介して、センサ特性検出回路3のVcent点に接続されている(図1参照)。
またポンプセル14の多孔質電極12は、ガスセンサ素子5の端子Ip+に接続され、起電力セル24の多孔質電極28は、ガスセンサ素子5の端子Vs+に接続されている。なお端子Ip+は、センサ特性検出回路3における第2オペアンプOP2の出力端子に接続され、端子Vs+は、通電経路40を介して、センサ特性検出回路3における第4オペアンプOP4の非反転入力端子+に接続されている(図1参照)。
また補強板30は、起電力セル24の多孔質電極28を閉塞しつつ、多孔質電極28の内部に基準酸素室26を形成するように、起電力セル24に積層されている。
またポンプセル14と起電力セル24との間には、多孔質拡散層18により包囲された拡散室20が形成されている。即ち、この拡散室20は、多孔質拡散層18を介して測定ガス雰囲気と連通されている。
またヒータ80は、補強板30に積層され、ポンプセル14、起電力セル24、補強板30と共に一体化されている。このヒータ80は、導体からなるヒータ抵抗87を一対のアルミナシート83,85にて挟み込んだ構成をなしており、ヒータ80(詳細には、発熱抵抗体パターン87)の一端が直流電源VBに接続され、他端がヒータ通電制御回路6に接続されている。そして、自身が発熱することにより、ポンプセル14及び起電力セル24が活性化することで、ガス検出(酸素濃度検出)が可能となる。
次に、ガスセンサ素子5を用いて酸素濃度を測定する際の、センサ特性検出回路3における動作について説明する。
図1に示すように、センサ特性検出回路3は、定電流源回路62より起電力セル24に一定の微小電流Icpを流しつつ、起電力セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように、ポンプセル14に流すポンプ電流Ipを制御して、拡散室20における酸素の汲み入れ、または汲み出しを行う。つまり、起電力セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように、拡散室20の酸素濃度をポンプセル14を用いて調整する。
そして、ポンプセル14に流れるポンプ電流Ipの電流値及び電流方向は、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)に応じて変化することから、このポンプ電流Ipに基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出することができる。なお、起電力セル24に対して、拡散室20の酸素を多孔質電極28の側に汲み出す方向に微小電流Icpを流すことで、基準酸素室26は内部酸素基準源として機能する。
またセンサ特性検出回路3は、定電流源回路62のほか、第1オペアンプOP1から第5オペアンプOP5、第1スイッチSW1から第3スイッチSW3、PID制御回路69などを備えて構成されている。そして、定電流源回路62、起電力セル24、抵抗器Rは、この順に接続されて、微小電流Icpを流す電流路を構成している。
第2オペアンプOP2は、一方の入力端子がVcent点に接続され、他方の入力端子には基準電圧+3.6Vが印加され、出力端子はポンプセル14の端子Ip+に接続されている。PID制御回路69は、第1オペアンプOP1を介して接続された起電力セル24の端子Vs+の電位とVcent点における電位との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの大きさをPID制御する。具体的には、PID制御回路69にて、目標制御電圧(450mV)と起電力セル24の両端に発生する電圧Vsとの偏差がPID演算され、第2オペアンプOP2にフィードバックされることで、第2オペアンプOP2は、ポンプセル14にポンプ電流Ipを流す。
さらにセンサ特性検出回路3は、ポンプ電流Ipの大きさを検出し、電圧信号に変換する検出抵抗R1と、この検出抵抗R1の両端電圧(電位Vcentと電位Vpidとの差分)を差動増幅してガス検出信号(Vip信号)として出力する差動増幅回路61とを備えている。このガス検出信号(Vip信号)は、ガス検出信号出力端子43(図1参照)から中央演算処理装置2に対して出力される。
そして中央演算処理装置2は、ガス検出信号(Vip信号)を図示しないA/D変換回路にてデジタル値に変換した後に、保持しているマップまたは計算式に基づき、ガス検出信号(Vip信号)に対応する酸素濃度値を算出する酸素濃度算出処理を実行する。
次に、センサ特性検出回路3における起電力セル24の素子インピーダンス(温度)測定動作について説明する。
センサ特性検出回路3において、第1オペアンプOP1は、第1コンデンサC1、第1スイッチSW1とともにサンプルホールド回路を形成している。このサンプルホールド回路は、起電力セル24のインピーダンス測定時に第1スイッチSW1をオンからオフ状態とし、起電力セル24の素子インピーダンス測定のための電流通電直前の起電力セル24の両端に発生する電圧Vsを保持することにより、素子インピーダンス測定直前の電圧VsをPID制御回路69に入力する役割を果たす。
第3オペアンプOP3は、第1オペアンプOP1に保持されているホールド値(インピーダンス測定用の電流を通電する直前の起電力セル24の電圧Vs)と、起電力セル24にインピーダンス測定用の電流−Iconstを通電した際のVs+電位(第4オペアンプOP4の出力電位)との差分に応じた電圧変化量ΔVsを出力する。この電圧変化量ΔVsは、起電力セル24のバルク抵抗値に比例することから、起電力セル24の素子インピーダンスを表す素子インピーダンス信号Rpvsとして利用可能である。
つまり第3オペアンプOP3は、電圧変化量ΔVsを出力するとともに、起電力セル24のバルク抵抗値に比例する素子インピーダンス信号Rpvsを出力する。なお、素子インピーダンス信号Rpvsは、起電力セル24のバルク抵抗値に比例する特性を有している。
そして、第3オペアンプOP3から出力された素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)は、第5オペアンプOP5を介して、中央演算処理装置2に出力される。
第5オペアンプOP5は、第2コンデンサC2、第2スイッチSW2、抵抗R2と共に信号ホールド回路を形成している。この信号ホールド回路は、まず、起電力セル24のインピーダンス測定時に第2スイッチSW2がオフからオン状態になると、第3オペアンプOP3から電圧変化量ΔVsが入力される。そのあと、第2スイッチSW2がオンからオフ状態になると、この信号ホールド回路は、第2スイッチSW2がオン状態の時に第3オペアンプOP3から出力された電圧変化量ΔVsを第2コンデンサC2にて保持するとともに、電圧変化量ΔVsを表す素子インピーダンス信号Rpvsを素子インピーダンス信号出力端子41を介して中央演算処理装置2に対して出力する。
このようにしてセンサ特性検出回路3は、素子インピーダンス信号出力端子41から中央演算処理装置2に対して電圧変化量ΔVsを表す素子インピーダンス信号Rpvsを出力する。
なおセンサ特性検出回路3において、第1スイッチSW1は、第1オペアンプOP1、即ち、サンプルホールド回路における電圧ホールド動作を制御する。また、第2スイッチSW2は、3個備えられており、起電力セル24の抵抗値測定用(インピーダンス検出用)の一定電流−Iconstを流すための電流源63,65をオン・オフ制御するための2個と、信号ホールド回路における信号ホールド動作を制御するための1個である。さらに、第3スイッチSW3は、2個備えられており、第2スイッチSW2にて流される抵抗値測定用の電流−Iconstとは逆極性の一定電流+Iconstを流すための電流源64,66をオン・オフ制御するための2個である。
そしてスイッチSW1,SW2,SW3は、制御部59からの指令に基づいて状態(オン状態、オフ状態)が制御される。
なお制御部59は、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を備えるマイクロコンピュータを主体として構成されている。そして制御部59は、中央演算処理装置2からの指令に基づき、スイッチSW1,SW2,SW3の状態を制御するスイッチ制御処理を実行する。
次に、中央演算処理装置2の起動直後にヒータ80を用いてガスセンサ素子5を加熱するために中央演算処理装置2が実行するヒータ制御処理の手順を図3を用いて説明する。図3はヒータ制御処理を示すフローチャートである。
このヒータ制御処理が開始されると、中央演算処理装置2は、まずS10にて、ガスセンサ素子5の温度(以下、素子温度ともいう)を推定する素子温度推定処理(後述)を行う。
その後S20にて、S10で推定された素子温度が、予め設定された素子温度判定値(本実施形態では、例えば200℃)より大きいか否かを判断する。ここで、素子温度が素子温度判定値より大きい場合には(S20:YES)、S30にて、第1加熱時間(本実施形態では、例えば3秒間)の間ヒータ・オン信号を出力し、その後、S50に移行する。これにより、ヒータ80は第1加熱時間ガスセンサ素子5を加熱する。
一方、素子温度が素子温度判定値以下の場合には(S20:NO)、S40にて、第1加熱時間より長くなるように設定された第2加熱時間(本実施形態では、例えば9秒間)の間ヒータ・オン信号を出力し、その後、S50に移行する。これにより、ヒータ80は第2加熱時間ガスセンサ素子5を加熱する。
そしてS50に移行すると、起電力セル24の素子インピーダンスの測定を開始する。
具体的には、センサ特性検出回路3に対して、素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の測定の開始を指示するための測定指示信号Srを出力する処理を実行、S60に移行する。
なお、センサ特性検出回路3の制御部59は、中央演算処理装置2から測定指示信号Srを受け取ると、電圧変化量測定処理を実行する。これにより、センサ特性検出回路3は、素子インピーダンス信号Rpvsを出力する。
ここで、センサ特性検出回路3の制御部59が実行する電圧変化量測定処理の手順を図5を用いて説明する。図5は電圧変化量測定処理を示すフローチャートである。なお、この電圧変化量測定処理は、一度開始されると、センサ制御装置1が起動している間、定期的に実行される。
この電圧変化量測定処理が開始されると、制御部59は、まずS210にて、第1スイッチSW1をオフ状態に設定し、第2スイッチSW2をオン状態に設定することで、ガスセンサ素子5の起電力セル24に対して素子インピーダンス検出電流(−Iconst)を通電する処理と、時間計測タイマを起動する処理とを実行する。
つまり、第2スイッチSW2をオン状態に設定することで、電流源65から第2スイッチSW2、端子COM、起電力セル24、端子Vs+、第2スイッチSW2、電流源63という電流経路を形成することができ、起電力セル24に対して素子インピーダンス検出電流を通電することができる。
また、第1スイッチSW1をオフ状態に設定することで、第1オペアンプOP1および第1コンデンサC1を備えるサンプルホールド回路は、素子インピーダンス検出電流を通電する直前の起電力セル24の両端電圧Vsを保持する。
その後S220にて、S210で起動した時間計測タイマによるカウント値に基づいて、予め設定された検出待機時間(本実施形態では、60μs)が経過したか否かを判断する。ここで、検出待機時間が経過していない場合には(S220:NO)、S220の処理を繰り返すことで、検出待機時間が経過するまで待機する。一方、検出待機時間が経過した場合には(S220:YES)、S230にて、第2スイッチSW2をオフ状態に設定することで、ガスセンサ素子5の起電力セル24に対する素子インピーダンス検出電流の通電を停止する処理を実行する。
また、第2スイッチSW2をオフ状態にすることで、第3オペアンプOP3から第2スイッチSW2および抵抗素子を介して第5オペアンプに至る通電経路が遮断されて、第2コンデンサC2に電圧変化量ΔVsが保持される。つまり、第5オペアンプOP5および第2コンデンサC2を備える信号ホールド回路は、第2スイッチSW2がオンからオフ状態になると、第2スイッチSW2がオン状態の時に第3オペアンプOP3から出力された素子インピーダンス信号Rpvsを保持する。さらに信号ホールド回路は、保持している素子インピーダンス信号Rpvsを素子インピーダンス信号出力端子41を介して中央演算処理装置2に対して出力する。
次にS240にて、第3スイッチSW3をオン状態に設定することで、ガスセンサ素子5の起電力セル24に対して、素子インピーダンス検出電流とは極性が異なる逆極性電流(+Iconst)を通電する処理と、時間計測タイマを起動する処理とを実行する。
つまり、第3スイッチSW3をオン状態に設定することで、電流源64から第3スイッチSW3、端子Vs+、起電力セル24、端子COM、第3スイッチSW3、電流源66という電流経路を形成することができ、起電力セル24に対して逆極性電流を通電することができる。このように逆極性電流を通電するのは、起電力セル24を構成する酸素イオン伝導性固体電解質体の配向現象によって内部起電力が影響を受け本来の酸素濃度差を反映する内部起電力値を出力しない状態から、正常な状態に復帰するまでの復帰時間を短縮させ、素子インピーダンス信号の測定後に酸素濃度の測定を短時間で再開し得るようにするためである。
更にS250にて、S240で起動した時間計測タイマによるカウント値に基づいて、予め設定された逆極性通電時間(本実施形態では、60μs)が経過したか否かを判断する。なお本実施形態では、逆極性通電時間は、S220の処理に用いられる検出待機時間と等しい値に設定されている。
ここで、逆極性通電時間が経過していない場合には(S250:NO)、S250の処理を繰り返すことで、逆極性通電時間が経過するまで待機する。一方、逆極性通電時間が経過した場合には(S250:YES)、S260にて、第3スイッチSW3をオフ状態に設定することで、ガスセンサ素子5の起電力セル24に対する逆極性電流の通電を停止する処理と、時間計測タイマを起動する処理とを実行する。
そしてS270にて、S260で起動した時間計測タイマによるカウント値に基づいて、予め設定された安定化待機時間(本実施形態では、600μs)が経過したか否かを判断する。なお、安定化待機時間は、素子インピーダンス信号の測定が終了した後、本来の酸素濃度差が反映された内部起電力値を起電力セル24が出力する正常な状態に復帰するまでの復帰時間よりも長い時間に設定されている。
ここで、安定化待機時間が経過していない場合には(S270:NO)、S270の処理を繰り返すことで、安定化待機時間が経過するまで待機する。一方、安定化待機時間が経過した場合には(S270:YES)、S280にて、第1スイッチSW1をオン状態に設定する処理を実行する。
第1スイッチSW1をオン状態に設定することで、起電力セル24における端子Vs+の電位が第1オペアンプOP1に入力されるとともに、その電位が第1オペアンプOP1からPID制御回路69に入力される。そしてPID制御回路69は、第1オペアンプOP1を介して接続された起電力セル24の端子Vs+の電位とVcent点における電位との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの大きさをPID制御する。
そしてS280の処理が終了すると、電圧変化量測定処理を終了する。なお、電圧変化量測定処理が終了した後は、第5オペアンプOP5および第2コンデンサC2を備える信号ホールド回路が、保持している素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の出力を継続して行う。
次に、中央演算処理装置2におけるヒータ制御処理の説明に戻る。
図3に示すように、S50にて素子インピーダンスの測定を開始した後に、S60に移行すると、素子インピーダンスの測定開始または前回の素子インピーダンスの測定から、予め設定されたインピーダンス測定待機時間(本実施形態では、例えば100ms)が経過したか否かを判断する。ここで、インピーダンス測定待機時間が経過していない場合には(S60:NO)、S60の処理を繰り返すことで、インピーダンス測定待機時間が経過するまで待機する。一方、インピーダンス測定待機時間が経過した場合には(S60:YES)、S70にて、センサ特性検出回路3から出力された素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)を入力し、これに基づいて、素子インピーダンスを測定し、この測定値を中央演算処理装置2のRAMに記憶する。
その後S80にて、S70で測定された素子インピーダンスが、予め設定された素子インピーダンス判定値(本実施形態では、例えば220Ω)より小さいか否かを判断する。即ち、ガスセンサ素子5の端子Vs+とセンサ特性検出回路3との間の電流経路(以下、Vs+配線という)が正常であるか否かを判断する。
ここで、素子インピーダンスがインピーダンス判定値より小さい場合には、Vs+配線が正常であると判断し(S80:YES)、S90に移行してヒータ制御処理を開始して、S110に移行する。一方、素子インピーダンスがインピーダンス判定値以上である場合には、Vs+配線が断線していると判断し(S80:NO)、S100にて、ヒータ・オン信号を出力することを禁止して、S110に移行する。なお、S90にて実行されるヒータ制御処理は、S70にて検出された素子インピーダンスが予め設定された目標インピーダンスになるように、ヒータ80の通電制御(具体的にはPWM制御)を行うようにしている。このヒータ制御処理は公知であるため、詳述は省略する。
そしてS110に移行すると、外部(例えば、エンジンECU)からヒータ通電停止信号を受信したか否かを判断する。尚、このヒータ通電停止信号はエンジンの停止時等に受信される。
ここで、ヒータ通電停止信号を受信していない場合には(S110:NO)、S60に移行し、上述の処理を繰り返す。一方、ヒータ通電停止信号を受信した場合には(S110:YES)、S120にて、時間計測タイマを起動する処理を実行する。
その後S130にて、ヒータ80への通電を開始するタイミングになったか否かを判断する。ここで、通電を開始するタイミングになったと判断した場合には(S130:YES)、S140にて、S120で起動した時間計測タイマによるカウント値を取得して、S10に移行する。
一方、通電を開始するタイミングになっていないと判断した場合には(S130:NO)、S150にて、S120で起動した時間計測タイマによるカウント値に基づいて、予め設定された再通電待機時間(本実施形態では、200s)が経過したか否かを判断する。ここで、再通電待機時間が経過していない場合には(S150:NO)、S130に移行し、上述の処理を繰り返す。一方、再通電待機時間が経過した場合には(S150:YES)、ヒータ制御処理を終了する。
次に、S10にて行われる素子温度推定処理を、図6を用いて説明する。図6は素子温度推定処理を示すフローチャートである。
この素子温度推定処理が実行されると、中央演算処理装置2は、まずS410にて、S110の処理で記憶した素子インピーダンスの値に基づいてガスセンサ素子5の温度(素子温度)を算出する。尚、ここで算出された素子温度は、ヒータ80への通電が停止された時点における素子温度(以下、通電停止時素子温度ともいう)を示すものである。
そしてS420にて、S130で起動した時間計測タイマによるカウント値(以下、タイマ値ともいう)を取得したか否かを判断する。即ち、S150の処理を実行したか否かを判断する。ここで、タイマ値を取得したと判断した場合には(S420)、S430にて、取得したタイマ値と、S410で算出した通電停止時素子温度とに基づいて、素子温度推定マップを参照して、現時点での素子温度を推定する。その後、素子温度推定処理を終了する。この素子温度推定マップは、中央演算処理装置2のROMに記憶され、複数種類の通電停止時素子温度(本実施形態では、900℃,830℃,800℃,700℃,600℃,500℃,400℃)ごとに存在して、ヒータ80への通電が停止されてから経過した時間(以下、通電停止時間ともいう)をパラメータとした素子温度の変化を示すマップである(図7を参照)。
例えば、通電停止時素子温度が700℃の場合には、通電停止時素子温度が700℃のマップを参照し、タイマ値に相当する通電停止時間から素子温度を推定する。また、S410で算出した通電停止時素子温度がマップに存在しない温度である場合には、例えば、その通電停止時素子温度に近い素子温度のマップを用いて線形補間することにより素子温度を推定する。例えば、S410で算出した通電停止時素子温度が730℃の場合には、800℃のマップを用いて算出した素子温度と、700℃のマップを用いて算出した素子温度とで線形補間して推定する。
一方、タイマ値を取得していないと判断した場合には(S420)、S440にて、素子温度推定マップにおける通電停止時間の上限値(本実施形態では、200s)に相当する値にタイマ値を設定して、このタイマ値と、S410で算出した通電停止時素子温度とに基づいて、素子温度推定マップを参照して、現時点での素子温度を推定する。その後、素子温度推定処理を終了する。尚、タイマ値を取得していない場合とは、S160の処理で再通電待機時間が経過して、タイマ値を取得することなくヒータ制御処理を終了した場合のことをいう。
このように構成されたセンサ制御装置1では、まず、ヒータ80への通電が停止されたときのガスセンサ素子5の温度(通電停止時素子温度)を測定する(S50〜S110)。その後に、ヒータ80への通電が停止されてから、ヒータ80への通電が開始されるまでに経過した時間(通電停止時間)を測定する(S120〜S140)。更に、測定された通電停止時素子温度と通電停止時間とに基づいて、ヒータ80への通電が開始されるときのガスセンサ素子5の温度(通電開始時素子温度)を推定する(S10)。そして、推定した通電開始時素子温度に基づいて、ガスセンサ素子5を活性化温度にするために電開始時素子温度に応じて予め設定された熱量をガスセンサ素子5に加えるように、ヒータ80を発熱させる(S30,S40)。
従って、センサ制御装置1によれば、ガスセンサ素子5の再起動時(即ち、発熱素子への通電を再開する時)におけるガスセンサ素子5の温度を推定することができるので、ガスセンサ素子5が温まった状態で起動(再起動)された場合にも、ガスセンサ素子5を活性化温度以上にするために必要かつ適正なヒータ80への投入電力量を特定することができる。これにより、ガスセンサ素子5とセンサ制御装置1との間の電流経路で断線が発生した場合であっても、例えば、活性化温度まで温度を上昇させるのに要する電力量を投入することができずにガスセンサ素子5を活性化させることができない事態や、ガスセンサ素子5を過剰に加熱させてガスセンサ素子5を破損させてしまう事態が発生するのを抑制することができる。
またセンサ制御装置1では、素子温度が素子温度判定値より大きい場合には(S20:YES)、第1加熱時間ガスセンサ素子5を発熱させ(S30)、素子温度が素子温度判定値以下の場合には(S20:NO)、第1加熱時間より長く設定された第2加熱時間ガスセンサ素子5を発熱させる(S40)。
即ち、センサ制御装置1は、第1加熱時間発熱させる場合、または第2加熱時間発熱させる場合の何れかを選択する。このため、推定したガスセンサ素子の温度に応じて、上記の投入電力量についての多くの選択肢(3つ以上)の中から1つを選択する場合と比較して、ヒータ80の制御を簡略化することができる。
またセンサ制御装置1では、ヒータ80がガスセンサ素子5を加熱した後に(S30,S40)、ガスセンサ素子5の素子インピーダンスを測定する(S70)。そして、素子インピーダンスの値に基づいて、Vs+配線が正常であるか否かを判断する(S80)。
即ち、ガスセンサ素子5が活性化温度になるようにヒータ80がガスセンサ素子5を加熱した後であるので、ガスセンサ素子5が正常であれば、素子インピーダンスはガスセンサ素子5の活性化温度に対応した値になっているはずである。このため、素子インピーダンスが活性化温度に対応した値になっていない場合には、ガスセンサ素子5に異常が発生しているという判断基準で異常の判断をすることが可能となる。そして、ガスセンサ素子5が異常でないと判断された場合にインピーダンスに基づいてヒータ抵抗87の通電を制御することで、ガスセンサ素子5を安定して活性化温度に加熱することができる。
以上説明した実施形態において、ヒータ80は本発明における発熱素子、S110及びS120の処理は本発明におけるガスセンサ素子温度測定手段、S130〜S150の処理は本発明における通電停止時間測定手段、S10の処理は本発明におけるガスセンサ素子温度推定手段、S30及びS40とヒータ通電制御回路6の処理は本発明における発熱制御手段、第1加熱時間及び第2加熱時間にわたり、直流電源VBの電圧値をヒータ80に供給するときの投入エネルギーは本発明における活性化電力量、素子温度判定値は本発明における判定用温度、第1加熱時間にわたり、直流電源VBの電圧値をヒータ80に供給するときの投入エネルギーは本発明における第1電力量、第2加熱時間にわたり、直流電源VBの電圧値をヒータ80に供給するときの投入エネルギーは本発明における第2電力量、S70の処理は本発明における素子インピーダンス検出手段、S80の処理は本発明における異常判断手段である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態では、ヒータ80への投入電力量として、第1加熱時間発熱させる場合と、第2加熱時間発熱させる場合との何れか一方を選択するものを示したが、これに限られるものではなく、より多くの投入電力量の選択肢の中から選択できるようにしてもよい。例えば、素子温度と、ヒータ80に供給する投入電力量との相関関係を示すマップまたは計算式を予め保持しており、ヒータ抵抗87の抵抗値から素子温度を算出した後に、このマップまたは計算式を用いて求められた投入電力量をヒータ80に加えるようにしてもよい。
また上記実施形態では、センサ素子は、ポンプセル14及び起電力セル24を備える2セルタイプのものを示したが、これに限られるものではなく、3つ以上のセルを有するセンサ素子であってもよく、限界電流方式の1セルタイプのセンサ素子であってもよい。
センサ制御装置1の概略構成図である。 ガスセンサ素子5の概略構成図である。 ヒータ制御処理の前半部分を示すフローチャートである。 ヒータ制御処理の後半部分を示すフローチャートである。 電圧変化量測定処理を示すフローチャートである。 素子温度推定処理を示すフローチャートである。 素子温度推定マップを示す図である。
符号の説明
1…センサ制御装置、2…中央演算処理装置、3…センサ特性検出回路、5…ガスセンサ素子、6…ヒータ通電制御回路、12…多孔質電極、14…ポンプセル、15…保護層、16…多孔質電極、18…多孔質拡散層、20…拡散室、22…多孔質電極、24…起電力セル、26…基準酸素室、28…多孔質電極、30…補強板、40…通電経路、41…素子インピーダンス信号出力端子、42…通電経路、43…ガス検出信号出力端子、59…制御部、61…差動増幅回路、62…定電流源回路、63〜66…電流源、69…PID制御回路、80…ヒータ、87…ヒータ抵抗

Claims (5)

  1. 固体電解質体を備え、予め設定された活性化温度まで加熱されることで、検出対象ガス中の特定ガス成分の濃度を検出することが可能となるガスセンサ素子と、通電により発熱して該ガスセンサ素子を加熱する発熱素子とを制御するセンサ制御装置であって、
    前記発熱素子への通電が停止されたときの前記ガスセンサ素子の温度である通電停止時センサ素子温度を測定するガスセンサ素子温度測定手段と、
    前記発熱素子への通電が停止されてから、前記発熱素子への通電が開始されるまでに経過した通電停止時間を測定する通電停止時間測定手段と、
    前記ガスセンサ素子温度測定手段により測定された前記通電停止時センサ素子温度と、前記通電停止時間測定手段により測定された前記通電停止時間とに基づいて、前記発熱素子への通電が開始されるときの前記ガスセンサ素子の温度である通電開始時センサ素子温度を推定するガスセンサ素子温度推定手段と、
    前記ガスセンサ素子温度推定手段により推定された前記通電開始時センサ素子温度に応じて、前記ガスセンサ素子が前記活性化温度となるように予め設定された活性化電力量を前記発熱素子に投入する発熱制御手段とを備え、
    さらに、前記ガスセンサ素子のインピーダンスを検出し、記憶するインピーダンス検出手段を備えており、
    前記ガスセンサ素子温度測定手段は、前記インピーダンス検出手段により前記発熱素子への通電が停止される直前に記憶された前記インピーダンスに基づいて前記通電停止時センサ素子温度を測定する
    を備えることを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記発熱制御手段は、
    前記ガスセンサ素子温度推定手段により推定された前記通電開始時センサ素子温度が低いほど前記活性化電力量が大きくなるように前記活性化電力量を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記発熱制御手段は、
    前記ガスセンサ素子温度推定手段により推定された前記通電開始時センサ素子温度が予め設定された判定用温度より高い場合には、前記活性化電力量を、前記判定用温度に応じて予め設定された第1電力量に設定し、前記ガスセンサ素子温度推定手段により推定された前記通電開始時センサ素子温度が前記判定用温度以下の場合には、前記活性化電力量を、前記判定用温度に応じて前記第1電力量より大きく設定された第2電力量に設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ制御装置。
  4. 前記発熱制御手段は、前記発熱素子に活性化電力量を投入した後、前記インピーダンス検出手段により検出される前記インピーダンスに基づいて前記発熱素子の通電を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のセンサ制御装置。
  5. 前記インピーダンス検出手段により検出されたインピーダンスに基づいて前記ガスセンサ素子が異常であるか否かを判断する異常判断手段を備え、
    前記発熱制御手段は、前記異常判断手段により前記ガスセンサ素子が異常でないと判断された場合に、前記インピーダンスに基づいて前記発熱素子の通電を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載のセンサ制御装置。
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