JP5000270B2 - 清拭用ブラシ - Google Patents
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Description
このような場合には、濡れたタオルや、水やアルコールを含浸させたウェットティッシュなどを用いて頭皮や頭髪を拭くことにより、頭皮や頭髪の汚れを除去しているが、汚れ落ちは不十分である。特に頭皮の汚れは、頭髪がじゃまするので落としにくい。
さらに、従来の洗髪方法では、頭皮や頭髪の汚れ除去効果が認識しにくかった。
本発明の清拭用ブラシは、基板と、該基板の一方の面に設けられた複数の突起部とを有し、前記突起部は、面状の頂部と、剛性の弱い弱化部の形成された側面とを有することを特徴とする。
また、本発明の清拭用ブラシでは、前記突起部は、10N3分間の圧縮力に対して0.1〜1.5mmつぶれるものとすることができる。
また、本発明の清拭用ブラシでは、前記突起部は、20N3分間の圧縮力に対して1.5mm以上つぶれるものとすることができる。
「第1実施形態」
図1は、本発明の清拭用ブラシの一例を説明するための図であり、図1(a)は清拭用ブラシの全体を示した斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す清拭用ブラシを構成する突起部のうちの1つを示した拡大図であり、図1(c)は図1(a)に示す清拭用ブラシを構成する突起部のうちの1つを示した断面図である。
このように図1(b)に示す突起部2を、図1(a)に示すように配置することで、例えば、第1のバンド部3および第2のバンド部4の延在方向に沿って清拭用ブラシ10を動かした場合に、突起部2と頭髪および頭皮とを十分に接触させて効率よく汚れを除去することができるとともに、櫛通りのよい使用感に優れたものとなる。
また、突起部2の向きや数についても図1(a)に示す例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図1(a)に示す清拭用ブラシ10では、図1(c)に示すように突起部2を構成する不織布厚さを、頂部2aに近い部分を薄くし、基部2bに近づくにしたがって厚くなるようにすることにより、突起部2の圧縮強度が頂部2aに近い位置ほど弱いものとし、突起部2の側面22を剛性の弱い弱化部(頂部2aに近い部分)と剛性の強い部分(基部2bに近い部分)とが存在する剛性の不均一なものとしている。
図1(a)に示す清拭用ブラシ10では、第1切込み部3a、3bと第2切込み部4aとを嵌合させることにより、第1のバンド部3と第2のバンド部4とが連結されるようになっている。第1のバンド部3と第2のバンド部4とを連結させると、第1のバンド部3と第2のバンド部4と基板1からなる環状体が形成される。
なお、突起部2の成形方法は、上述した圧縮成形(プレス形成)の他、真空成形や圧穴成形などの方法により成形することができる。
このようにして突起部2を形成することで、突起部2を構成する不織布厚さは、頂部2aに近い部分が薄く、基部2bに近づくにしたがって厚いものとなり、突起部2の圧縮強度が頂部2aに近い位置ほど弱いものとなり、突起部2の側面22に剛性の弱い弱化部の形成されたものとなる。
その後、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くことにより、第1のバンド部3および第2のバンド部4を形成するとともに、第1切込み部3a、3bおよび第2切込み部4aを形成し、図1(a)に示す清拭用ブラシ10が得られる。
例えば、図1(a)に示す清拭用ブラシ10を用いて他人の頭皮および頭髪を清拭する場合には、他人の頭皮に一時的に強い力が加わってしまったとしても、突起部がつぶれて頭皮への衝撃を吸収するため、痛みを感じさせてしまうことを防止できる。また、清拭中や清拭後に、平面状の頂部2aに付着した汚れを視認できるので、汚れ除去効果を容易に認識できる。したがって、本実施形態の清拭用ブラシ10は、安心して確実に他人の頭皮および頭髪の清拭に使用できる。
図2は、本発明の清拭用ブラシの他の例を説明するための斜視図である。図2に示す清拭用ブラシ20は、上述した第1実施形態と同様に、頭髪および頭皮の清拭に使用されるものであり、基板1と、基板1の一方の面1aに設けられた複数の突起部2とを有している。基板1および突起部2は、第1実施形態と同様にスパンボンド不織布からなるものであり、一体成形されている。また、突起部2は第1実施形態と同様のものが同様に配列されている。
図2に示す突起部2を、図2に示すように配置することで、例えば、切込み1c、1dの延在方向に沿って清拭用ブラシ20を動かした場合に、突起部2と頭髪および頭皮とを十分に接触させて効率よく汚れを除去することができるとともに、櫛通りのよい使用感に優れたものとなる。
その後、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くとともに、切込み1c、1dを形成することにより、図2に示す清拭用ブラシ20が得られる。
なお、図2に示す清拭用ブラシ20を用いて頭皮および頭髪を清拭する場合にも、上述した第1実施形態と同様に、清拭剤を併用して、清拭効果を向上させることが望ましい。
図2は、本発明の清拭用ブラシの他の例を説明するための斜視図である。図3に示す清拭用ブラシ30は、上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に、頭髪および頭皮の清拭に使用されるものであり、基板1と、基板1の一方の面1aに設けられた複数の突起部2とを有している。基板1および突起部2は、第1実施形態および第2実施形態と同様にスパンボンド不織布からなるものであり、一体成形されている。また、突起部2も第1実施形態および第2実施形態と同様のものとされている。
図3に示す突起部2を、図3に示すように配置することで、例えば、切込み1e、1fの延在方向に沿って清拭用ブラシ30を動かした場合に、突起部2と頭髪および頭皮とを十分に接触させて効率よく汚れを除去することができるとともに、櫛通りのよい使用感に優れたものとなる。
その後、上述した第2実施形態と同様に、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くとともに、切込み1e、1fを形成することにより、図3に示す清拭用ブラシ30が得られる。
なお、図3に示す清拭用ブラシ30を用いて頭皮および頭髪を清拭する場合にも、上述した第1実施形態と同様に、清拭剤を併用して清拭効果を向上させることが望ましい。
図4は、本発明の清拭用ブラシの他の例を説明するための斜視図である。図4に示す清拭用ブラシ60は、上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に、頭髪および頭皮の清拭に使用されるものであり、基板1と、基板1の一方の面1aに設けられた複数の突起部23とを有している。図4に示す清拭用ブラシ60が、上述した第1実施形態の清拭用ブラシ10と異なるところは、突起部23の数と形状のみであるので、上述した第1実施形態の清拭用ブラシ10と同じところについての説明を省略し、異なるところのみ説明する。
突起部23を、図4に示すように配置することで、例えば、第1のバンド部3および第2のバンド部4の延在方向に沿って清拭用ブラシ60を動かした場合に、突起部23と頭髪および頭皮とを十分に接触させて効率よく汚れを除去することができるとともに、櫛通りのよい使用感に優れたものとなる。
また、図4に示す清拭用ブラシ60においても、第1実施形態の清拭用ブラシ10と同様に、突起部23を構成する不織布厚さを、頂部23aに近い部分を薄くし、基部23bに近づくにしたがって厚くなるようにすることにより、突起部23の圧縮強度が頂部23aに近い位置ほど弱いものとし、突起部23の側面24を剛性の弱い弱化部(頂部23aに近い部分)と剛性の強い部分(基部23bに近い部分)とが存在する剛性の不均一なものとしている。
上述した実施形態の清拭用ブラシは、例えば、フライパンにこびりついた油汚れを洗浄する場合や、木製品の清拭を行なう場合、おふろの浴槽を洗浄する場合などにも好ましく適用できる。これらの場合においても、本発明の清拭用ブラシが、頂部2aが面状である複数の突起部2を有し、突起部2の側面22に剛性の弱い弱化部の形成されたものであるので、十分な汚れ落とし効果が得られ、しかも、清拭される対象物を傷つけることなく清拭でき、さらに、汚れ除去効果が容易に認識できる。
「実施例1」
坪量200g/m2、厚さ0.55mmのPET素材のスパンボンド不織布を用意し、突起形状を有する金型を用いて、加熱しながらスパンボンド不織布に金型の突起形状を付与し、基部が縦12mm横8mmの長方形、頂部が縦5mm横3mmの長方形の平面状である略台錐形の表1に示す高さ寸法および表2に示す不織布厚み寸法の図1(a)に示す突起部2を23個形成した。
その後、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くことにより、基板の縁部との接続部分の幅が40mmで先端部の幅が36mmで基板の縁部から先端部に向かって徐々に幅が狭くなっている第1のバンド部3および第2のバンド部4を形成するとともに、長さ18mmの2つの第1切込み部3a、3bと、長さ18mmの第2切込み部4aとを形成し、図1(a)に示す清拭用ブラシ10を得た。
坪量300g/m2、厚さ0.8mmのサーマルボンド不織布を用意し、突起形状を有する金型を用いて、加熱しながらサーマルボンド不織布に金型の突起形状を付与し、基部が直径11mmの円形で頂点の尖った円錐形の表3に示す高さ寸法および表2に示す不織布厚み寸法の図5に示す突起部21を23個形成した。その後、実施例1と同様にして、第1のバンド部3および第2のバンド部4を形成するとともに、2つの第1切込み部3a、3bと第2切込み部4aとを形成し、図5に示す清拭用ブラシ40を得た。
その結果を表1および表3に示す。なお、表1および表3に示す突起部の高さおよびつぶれた寸法は、清拭用ブラシの中央部に配置された10個の突起部の平均値である。
このことにより、実施例1の清拭用ブラシでは、10N3分間の清拭時には、突起部が適度につぶれて頭皮との接触面が広くなり、汚れの付着面積が広くなるので、頭皮の汚れを効果的に除去できることが確認できた。また、実施例1の清拭用ブラシでは、10N3分間の清拭時に、突起部が適度につぶれて頭皮の微細な凹凸形状に沿って頭皮に接触し、頭皮の汚れを除去できることが確認できた。また、実施例1の清拭用ブラシでは、10N3分間の清拭時には、突起部が大きく変形してしまうことはなく、突起部の形状が維持されるため、頭皮の汚れを効果的に除去できることが確認できた。
さらに、実施例1の清拭用ブラシでは、20N3分間の清拭時には突起部がつぶれて、頭皮への衝撃を吸収できることが確認できた。
また、表2に示すように、実施例1の清拭用ブラシでは、頂部および頂部より基部側に向かって1mm、頂部より3mmの不織布厚さ寸法が0.1mm〜0.5mmであり、頂部より5mmの不織布厚さ寸法が頂部および頂部より1mm、頂部より3mmの不織布厚さ寸法を超えている。
これに対し、比較例1の清拭用ブラシでは、表2に示すように、突起部全体の不織布厚さが厚く、側面の不織布厚さは全て同じとなっている。よって、突起部全体が硬いものとなっている。
実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、実施例1と同様にしてスパンボンド不織布に金型の突起形状を付与し、実施例1と同様の高さ寸法および不織布厚み寸法の図2に示す突起部2を23個形成した。
その後、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くことにより、対向する短辺1b側の縁部に、それぞれ短辺1b、1bに沿って最大幅5mm長さ60mmの切込み1c、1dを形成し、図2に示す清拭用ブラシ20を得た。
実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、実施例1と同様にしてスパンボンド不織布に金型の突起形状を付与し、実施例1と同様の高さ寸法および不織布厚み寸法の図3に示す突起部2を25個形成した。
その後、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くことにより、中央部に短辺1b方向に延在する最大幅5mm長さ60mmの切込み1e、1fを形成し、図3に示す清拭用ブラシ30を得た。
実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、突起部を形成せずにスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くことにより、実施例1と同様の第1のバンド部3および第2のバンド部4を形成するとともに、実施例1と同様の第1切込み部3a、3bおよび第2切込み部4aとを形成し、図6に示す清拭用ブラシ50を得た。
まず、2日間洗髪をしていない男性パネル3名の頭髪および頭皮を、以下に示す清拭剤で濡らし、タオルで拭取った。その後、各男性パネルが各自、実施例1〜実施例3、比較例2の清拭用ブラシを把持して、清拭剤で濡れた状態の頭髪および頭皮を清拭した。
また、清拭剤としては、水とエタノールとを1:1(質量%)の割合で含有する溶液にピロクトンオラミンを0.05質量%溶解してなる原液と、ジメチルエーテルからなる噴射剤とを、原液/噴射剤=65/35(質量%)となるように、内面がアルミ製、容量100mLのエアゾール缶に充填されたものを用いた。
これに対し、比較例2の清拭用ブラシには、汚れが付着せず、汚れ除去効果が目視で視認できなかった。
実施例2および実施例3では、清拭中に、頭皮を擦る力を通常よりも強くしたり、清拭用ブラシを大きく動かしたりすることにより、切り込みの周縁部が裂けてしまい、頭皮に十分な荷重が負荷できなくなり、頭髪および頭皮の清拭を、丁寧に十分に時間をかけて行なうことができなかった。
また、実施例2および実施例3では、清拭中に切り込みに頭髪が挟まってしまう場合があり、実施例1の方が使用しやすかった。
実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、突起形状を有する金型を用いて、加熱しながらスパンボンド不織布に金型の突起形状を付与し、高さが8.0mm、基部が直径10.5mmの円形、頂部が直径3mmの円形の平面状であり、なだらかな丘陵形状の表2に示す不織布厚み寸法の図4に示す突起部23を20個形成した。
その後、実施例1と同様にして、実施例1と同様の第1のバンド部3、第2のバンド部4、第1切込み部3a、3b、第2切込み部4aを形成し、図4に示す清拭用ブラシ60を得た。
シャンプー剤を用いて洗髪をし、タオルで水分をふき取った後の男性パネル3名が各自、実施例4の清拭用ブラシを把持し、頭髪および頭皮を10Nの圧縮力(負荷荷重)を3分間負荷して清拭した。
そして、実施例4の清拭用ブラシについて、清拭後に目視で観察した場合の汚れの視認性のよさと、清拭による痛みの有無とについて調べた。
実施例1の清拭ブラシまたは市販の食器洗い用スポンジを用いて、フライパンにこびりついた油汚れを洗浄した。
しかし、市販の食器洗い用スポンジでは、十分な汚れ落とし効果を得るためには、強い力を入れて擦る必要があった。また、市販の食器洗い用スポンジでは、スポンジに付着したフライパン汚れが、皿を洗う際に皿に移ってしまうため、手間がかかった。これに対し、実施例1の清拭ブラシは、使い捨てのため、汚れた清拭ブラシから他の皿への汚れ移動が生じず、手間がかからなかった。
実施例1の清拭ブラシまたは市販のテーブルクロスを用いて、木製のダイニングテーブルを洗浄した。
また、実施例1の清拭ブラシまたは市販のテーブルクロスを用いて、木製のダイニングテーブルにこびりついた乾燥した米粒を除去したところ、実施例1の清拭ブラシではダイニングテーブルの表面を傷つけることなく容易に除去できたが、市販のテーブルクロスでは除去しにくかった。
実施例1の清拭ブラシ、市販の浴室用洗浄ブラシ、市販の金属製ブラシを用いて、浴槽の壁面の水面に相当する位置にこびりついている汚れを洗浄した。
その結果、実施例1の清拭ブラシでは、汚れを容易に落とすことができ、十分な汚れ落とし効果が得られ、かつ浴槽を傷つけることもなかった。また、汚れ除去効果が容易に認識できた。
これに対し、市販の浴室用洗浄ブラシでは、ブラシの強度が弱すぎて落としにくく、十分な汚れ落とし効果が得られなかった。また、汚れ除去効果が認識できなかった。
また、市販の金属製ブラシでは、浴槽に傷がついてしまった。また、汚れ除去効果も認識でなかった。
Claims (5)
- 基板と、該基板の一方の面に設けられた複数の突起部とを有し、
前記突起部は、面状の頂部と、剛性の弱い弱化部の形成された側面とを有し、
前記基板および前記突起部は不織布からなり、
前記突起部は該基板の一部を突出させることにより形成されたものであり、
前記不織布厚さは、前記頂部から基部側に向かって3mmまでの範囲を形成する上側面部および前記頂部が0.1mm〜0.5mmであり、
前記上側面部から前記基部までの範囲を形成する下側面部が前記上側面部の厚みを超える寸法であることを特徴とする清拭用ブラシ。 - 前記頂部が平面状であり、
前記突起部の圧縮強度が、前記頂部に近い位置ほど弱いものであることを特徴とする請求項1に記載の清拭用ブラシ。 - 前記基板には、該基板の縁部から帯状に延在する第1のバンド部と、該基板の縁部から前記第1のバンド部と反対方向に帯状に延在する第2のバンド部とが備えられ、
前記第1のバンド部には、該第1のバンド部の幅方向に切り込まれてなる少なくとも1つの第1切込み部が設けられ、
前記第2のバンド部には、該第2のバンド部の幅方向に切り込まれてなり、前記第1切込み部と嵌合可能な少なくとも1つの第2切込み部が設けられ、
前記第1切込み部と前記第2切込み部とを嵌合させることにより、前記第1のバンド部と前記第2のバンド部とが連結されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の清拭用ブラシ。 - 頭髪および頭皮の清拭に使用されるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の清拭用ブラシ。
- 前記不織布が、スパンボンド不織布であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の清拭用ブラシ。
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