JP5000259B2 - 透明封止材料 - Google Patents

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Description

本発明は、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂からなる樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、発光ダイオード素子の保護、接着、波長調節、レンズ等に用いることのできる樹脂組成物に関する。
現在、携帯電話、照明や自動車などの様々な分野で発光ダイオード(LED)が用いられている。これらLEDを用いた半導体装置においては、LEDの封止材料、バッファー層材料、接着剤やレンズなどの多くの樹脂材料が用いられている。これら樹脂材料としては、例えば封止材料として、従来、硬度や透明性の観点から、エポキシ樹脂が用いられている。
近年、LEDは、高輝度化を目的として、変換効率の高効率化とともに大電流化が進んできている。大電流化に伴い発熱量が増大するため、樹脂材料には高い耐熱性と耐久性が求められるようになってきており、従来使用されてきたエポキシ樹脂では対応が困難となってきている。
上記、要求に応えるため、耐熱性、耐熱安定性(耐熱着色性)などに優れたシリコーン樹脂を用いた発光ダイオード素子用樹脂組成物が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、シリコーン樹脂には、硬化物の硬度が不足したり、表面のタック、熱膨張などの変形が大きいなどの欠点があり、該樹脂を用いてLEDの封止、接着などの加工を行った場合に「剥がれ」や埃の付着や柔らかいことによる作業性不良などが問題となっていた。また、付加重合による硬化を行う樹脂では、硬化条件を厳密に制御する必要があった。
特開2004−186168号公報 特開2004−221308号公報
本発明は、このような従来の問題点を鑑みて種々の検討の結果なされたものであり、縮合反応による硬化が可能で、密着性、耐熱安定性及び硬度に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該樹脂組成物からなるLED用の透明封止材料及び接着剤を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、アクリル樹脂、縮合反応性シリコーン化合物及び/又は縮合反応性シラン化合物、及び硬化促進剤を用いることにより、密着性、耐熱安定性及び硬度が向上した、発光ダイオード素子の加工用に適した樹脂組成物及び接着剤、透明封止材料が得られ、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アクリル樹脂、縮合反応性シリコーン化合物縮合反応性シラン化合物、及び硬化促進剤を含み、前記アクリル樹脂のガラス転移温度が20〜160℃、前記アクリル樹脂の数平均分子量が1000〜3000、前記縮合反応性シリコーン化合物の数平均分子量が150〜3000であり、前記アクリル樹脂100重量部に対する前記縮合反応性シリコーン化合物及び前記縮合反応性シラン化合物の合計含有量が250〜2000重量部であることを特徴とする発光ダイオード素子加工用樹脂組成物からなる透明封止材料を提供する。
さらに、本発明は、縮合反応性シリコーン化合物が、側鎖に炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基、末端にメトキシシリル基またはエトキシシリル基またはシラノール基を有する上記の透明封止材料を提供する。
さらに、本発明は、アクリル樹脂の単量体成分が、アルキル基又はシクロアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、並びに、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、及びアルコキシシラン含有アクリルモノマーから選ばれた少なくとも1つの成分を含む上記の透明封止材料を提供する。
本発明により、縮合反応により硬化し、透明性、耐熱性に優れ、尚かつ、密着性、耐熱安定性及び硬度にも優れた、特に発光ダイオード(LED)加工用として好適な樹脂組成物が提供される。また、LED用の透明封止材料、接着剤が提供される。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、アクリル樹脂、縮合反応性シリコーン化合物及び/又は縮合反応性シラン化合物、及び硬化促進剤を必須の成分として含有する。
[アクリル樹脂]
本発明のアクリル樹脂(メタクリル樹脂を含む)は、公知のアルキル(メタ)アクリレートを単量体として含む単独重合体または共重合体であればよいが、共重合体が好ましい。本発明のアクリル樹脂の単量体成分としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基又はシクロアルキル基の炭素数が1〜24の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;ジシクロペンテニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート等を主たる単量体成分とすることが好ましい。なお、主たる単量体成分とは、例えば、アクリル樹脂の全単量体成分の50重量%以上を占めることが好ましい。
また、本発明のアクリル樹脂の共重合単量体成分としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン変性アクリルモノマー等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;アルコキシシラン含有アクリルモノマーから選ばれた少なくとも1つの成分を含むことが好ましい。
さらに、上記以外の単量体成分を含んでもよく、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド又はこれらの誘導体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、その他ビニル単量体等を挙げることができる。
上記の中でも、主たる単量体成分としては、反応性官能基を有しない単量体が好ましく、アルキル基又はシクロアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルが特に好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを主たる単量体として含むアクリル樹脂が、本発明の効果を発揮するために特に好ましい。上記の中でも、例えば、単量体として(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを含む場合には、アクリル樹脂のガラス転移温度が高くなり、また得られる樹脂組成物の硬度が向上する。
本発明のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、20〜160℃が好ましく、より好ましくは25〜150℃である。アクリル樹脂のガラス転移温度が20℃未満の場合には、耐熱性、タック性が低下する場合があり、また、160℃を超えるものを合成することは困難である。ガラス転移温度は、アクリル樹脂を構成する単量体の組成によって制御することが可能である。なお、ここでいうアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、アクリル樹脂に用いた単量体Mi(i=1、2、・・・、i)の各ホモポリマーのガラス転移温度Tgi(i=1、2、・・・、i)と、前記単量体のアクリル樹脂中における重量分率Xi(i=1、2、・・・、i)より、式:1/Tg=Σ(Xi/Tgi)に従い算出されるTg(理論値)を示している。
本発明のアクリル樹脂の数平均分子量は、1000〜3000が好ましく、より好ましくは1000〜2500である。数平均分子量が1000未満の場合には、硬化物にタックが残る場合があり、3000を超える場合には粘度上昇が大きく作業性が悪化する場合がある。
本発明のアクリル樹脂の添加量は、樹脂組成物の総量に対して、2〜25重量部が好ましく、より好ましくは3〜20重量部である。
本発明のアクリル樹脂は、上記単量体を公知の重合方法によって重合することにより得ることが可能であるが、特に、有機溶媒を用いた溶液重合により重合されることが好ましい。中でも、縮合反応性シラン化合物を溶媒として重合する場合に、得られたアクリル樹脂溶液がシリコーン化合物と良好な混合性となるため好ましい。上記、縮合反応性シラン化合物は、例えば、RaSiY4-aで表される化合物であり(Rは水素原子、メチル基、フェニル基などの有機基、Yはメトキシ基、エトキシ基などの加水分解性基、aは0〜3の整数を表す)、フェニルトリメトキシシラン、メトキシシランなどのアルコキシシランが好ましく例示される。なお、溶媒としてはトルエンなどの通常の有機溶媒を用いて重合を行うことも可能である。その場合は、重合後、溶媒置換を行い、上記縮合性シラン化合物溶液とすることが好ましい。なお、アクリル樹脂の重合は、さらに後述のシリコーン化合物存在下行ってもよい。
上記により得られたアクリル樹脂溶液における、縮合反応性シラン化合物の含有量は、耐熱黄変性の観点から、アクリル樹脂100重量部に対して、250〜2000重量部が好ましく、より好ましくは300〜1500重量部である。
上記アクリル樹脂の重合に用いる開始剤としては、過酸化物やアゾ化合物等のアクリル樹脂に用いられる公知の重合開始剤が使用可能であるが、中でも、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスブチロニトリル(ABN)が好ましく例示される。重合開始剤の使用量は、アクリル単量体の総量100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
[シリコーン化合物]
本発明の樹脂組成物には、縮合反応性シリコーン化合物及び/又は縮合反応性シラン化合物を含有する。なお、縮合反応性シラン化合物としては、上述の化合物を用いることができる。
本発明のシリコーン化合物は、縮合反応性(縮合硬化型)のポリシロキサンであればよく、特に限定されないが、例えば、下記一般式のようなシリコーン化合物が挙げられる。
Figure 0005000259
上記式中、側鎖R1〜R4は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)またはフェニル基、末端基X1〜X2は縮合性シリル基を表す。また、m、nはそれぞれ1〜4の整数である。上記縮合性シリル基としては、シラノール基や加水分解性シリル基(例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基など)が挙げられる。なお、ここでいうメトキシシリル基、エトキシシリルは、ジメトキシシリル基、ジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基を含むものとする。
上記の中でも、側鎖として炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を有し、末端基としてメトキシシリル基またはエトキシシリル基またはシラノール基を有するポリシロキサンが特に好ましく例示される。
なお、シリコーン化合物が縮合反応性でなく、付加反応性のシリコーン化合物の場合には、硬化時に添加する硬化触媒の量を厳密に制御しないと着色が発生し封止材料の品質が悪化する。
本発明で用いるシリコーン化合物としては、信越化学工業(株)製、東レダウコーニング(株)製、GE東芝シリコーン(株)製などの市販品を用いることも可能である。
本発明のシリコーン化合物の数平均分子量は150〜3000が好ましく、より好ましくは165〜3000である。分子量が150未満の化合物は、架橋点が少なく硬化物の強度が出ない。3000を超える場合には粘度上昇のため配合量が制限される場合がある。
本発明のシリコーン化合物は、粘度の観点からトリメトキシシリル、ジメトキシシリル化合物がシリコーン化合物の50重量%以上であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物中のシリコーン化合物の含有量は、アクリル樹脂100重量部に対して、250〜2000重量部であることが好ましく、より好ましくは300〜1500重量部である。アクリル樹脂に対するシリコーン化合物の含有量が、上記範囲未満の場合には、耐熱性が低下し加温時変形しやすくなったり着色しやすくなる場合がある。上記範囲を超える場合には、樹脂組成物の密着性が低下し、接着剤として十分な効果を発揮できない場合がある。また、硬化物の硬度が低下したり、熱による膨張を起こしやすくなったりして、他の部材と剥離しやすくなる場合がある。なお、縮合反応性シリコーン化合物及び縮合反応性シラン化合物を共に含有する場合には、縮合反応性シリコーン化合物及び縮合反応性シラン化合物の合計量が、アクリル樹脂100重量部に対して250〜2000重量部であり、好ましくは300〜1500重量部である。
[硬化促進剤]
本発明の樹脂組成物には、硬化反応を促進する目的で、硬化促進剤(硬化触媒ともいう)を添加する。本発明における硬化促進剤は、例えば、下記(i)〜(iv)のものが挙げられ、単独または2種以上を混合して使用することができる。
(i)有機カルボン酸金属塩(有機カルボン酸亜鉛塩、有機カルボン酸錫塩など)、具体的には、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエートなどが挙げられる。
(ii)第三級アミン類若しくはイミダゾール類及び/又はそれらの有機カルボン酸塩、具体的には、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(以下DBUと略す)とそのオクチル酸塩などが挙げられる。
(iii)ホスフィン類及び/又はそれらの第四級塩、具体的には、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、ベンジルトリフェニルホスホニウム臭素塩、ベンジルトリブチルホスホニウム臭素塩などが挙げられる。
(iv)金属−有機キレート化合物、具体的には、透光性に影響のない亜鉛とβ−ジケトンよりなるアセチルアセトン亜鉛キレート、ベンゾイルアセトン亜鉛キレート、ジベンゾイルメタン亜鉛キレート、アセト酢酸エチル亜鉛キレートなどが挙げられる。
その他にも、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネートなどが挙げられる。なお、これらは、川研ファインケミカル(株)、ホープ製薬(株)、信越化学工業(株)、東レダウコーニング(株)、GE東芝シリコン(株)製のものなどが入手可能である。
上記の中でも、硬化速度等の観点から、有機カルボン酸金属塩が好ましく、ジブチル錫ラウレートが好ましい。Al、Ti、Znなどの金属キレート類も望ましい。
硬化促進剤の添加量は、縮合反応性シリコーン化合物及び縮合反応性シラン化合物に対して、0.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜8重量部である。硬化促進剤の添加量が上記各下限値未満では、硬化が不十分でとなることや硬化に長時間を要することがあり、逆に各上限値を超える場合は得られる硬化物の物性(例えば、硬度、耐熱性)が低下することがあるので、いずれも好ましくない。
[その他の添加剤]
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、被着体との濡れ性を向上する目的で、濡れ剤を添加してもよい。濡れ剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンなどの変性シリコーン化合物等を用いることが可能である。濡れ剤を添加する場合の添加量は、特に限定されないが、アクリル樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、上記の他にも、相溶性、安定性、作業性等の各種特性向上のため、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤、例えば、波長調節剤、染料、顔料、難燃剤、酸化防止剤、レベリング剤、表面調節剤、耐ブロッキング剤、消泡剤、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、増粘剤、無機充填剤、カップリング剤等を適宜添加しても良い。これら添加剤の添加量は、アクリル樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部程度が好ましい。なお、反応性希釈剤としては、前記の縮合反応性シラン化合物を用いることも可能であるが、その場合、樹脂組成物中の縮合反応性シラン化合物の総量が、前記の添加量となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物が、後述のバッファー層用材料として用いられる場合には、波長調節の目的で、蛍光体(フィラー)を添加することが好ましい。蛍光体としては、例えば、YAGなどが挙げられる。蛍光体の添加量は、アクリル樹脂と縮合反応性シリコーン化合物及び縮合反応性シラン化合物の合計100重量部に対して、5〜75重量部程度が好ましい。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、上記に述べたアクリル樹脂、縮合反応性シリコーン化合物及び/又は縮合反応性シラン化合物、硬化促進剤、及び、必要に応じて、その他の添加剤を混合し、均一な組成物となるように攪拌することにより調製することができる。上記の調製は、例えば、各成分を混合し、必要に応じて加温(たとえば40℃程度)し、1軸または多軸のエクストルーダー、ニーダー、ディソルバーのような汎用の攪拌機を用いて、均一になるまで、例えば20分間程度攪拌・混合することにより行うことができる。
本発明の樹脂組成物の硬化条件は、特に限定されないが、80〜180℃、30〜600分が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、良好な接着性、耐熱性、硬度、透明性などを有する観点から、発光ダイオード(LED)加工用樹脂組成物として、特に好ましく用いられる。具体的には、LED用の透明封止材料、接着剤(ダイボンド材)、レンズ用材料等として用いられる。中でも、透明封止材料、接着剤として特に好ましく用いられる。本発明の透明封止材料は、硬化した後、LEDを外界から遮断し、劣化や衝撃による破損を防ぐ役割をする。また、本発明の接着剤は、LEDチップを基板に固定する役割をする。
本発明の樹脂組成物は優れた密着性を有する。密着性は、例えば、アルミ板、アクリル板、銀板に対するテープ剥離試験(JIS K 5600に準拠)により評価する。密着性に劣る場合には、接着剤として使用する場合にはLEDチップが基板から剥離したり、封止材料として使用する場合には、封止材部分が他のバッファー層などから剥離するなどの問題が生じる場合がある。
本発明の樹脂組成物は優れた硬化物の硬度を有する。硬化性は、例えば、樹脂組成物を約1mmの厚みに塗布し、硬化させた後の鉛筆硬度で評価する。硬化物の硬度が劣る場合には、接着剤、封止材料の剥がれが生じる場合がある。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、優れた透明性を有する。透明性は、例えば、樹脂組成物を型枠に注型し、150℃で2時間硬化させた硬化物(厚み約1mm)の波長400nmの光透過率で評価する。透明性に劣る場合には、LED用封止材料として用いる場合に、輝度が低下するため好ましくない。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、非粘着性であることが好ましい。粘着性は、例えば、樹脂組成物を型枠に注型し、140℃で2時間硬化させた後の硬化物(厚み約0.5mm)表面のタック感の有無で評価する。硬化物に粘着性が残る場合には、加工時の作業性が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物の硬化物は耐屈曲性に優れることが好ましい。耐屈曲性は、例えば、樹脂組成物を型枠に注型し、150℃で3時間硬化させた硬化物(厚み約0.5mm)で評価する。耐屈曲性に劣る場合には、使用時の応力、変形に対して、割れ等が生じやすくなる場合がある。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、耐熱安定性に優れる。耐熱安定性は、例えば、樹脂組成物を型枠に注型し、150℃で5時間硬化させた硬化物(厚み1mm)の、熱処理(150℃、150時間)前後での波長400nmの光線透過率の変化で評価する。耐熱安定性に劣る(透過率の低下が10%を超える場合)には、長時間使用した場合に着色を生じ、高温環境下などでの使用に耐えない場合があるため好ましくない。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
以下に、本願で用いられる測定方法および効果の評価方法について例示する。
(1)耐熱安定性
実施例、比較例で得られた樹脂組成物を、基材上に塗布し、又は、型枠に注型し、150℃で5時間処理して、厚み1mmの硬化物を作製し、サンプルとした。
上記サンプルの光透過率(波長400nm)を、分光光度計(島津製作所(株)製分光光度計「UV−2450」)を用いて測定した。続いて、上記サンプルを150℃で150時間熱処理(熱劣化試験)し、試験後、上記と同様にして光透過率(400nm)を測定した。
熱劣化試験前の光透過率を100%とした試験後の光透過率(%)を求め、90%以上の場合を耐熱安定性良好:○、90%未満の場合を耐熱安定性不良:×と判断した。
(2)密着性
実施例、比較例で得られた樹脂組成物を、アルミニウムの基材板上に塗布し、150℃4時間の条件で硬化させ、サンプル(樹脂厚み0.1mm)とした。上記サンプルのテープ剥離試験(JIS K 5600に準拠、測定面積100mm2)を行った。測定面積中、本発明の樹脂層が60%以上残存している場合を密着性良好(○)、60%未満の場合を密着性不良(×)と判断した。
(3)硬度(硬化性)
実施例、比較例で得られた樹脂組成物を、アルミカップに注型し150℃5時間の条件で硬化させ、サンプル片を作成した(樹脂厚み1mm)。
150℃に温度調節したホットプレートに上記硬化物を置き1分後に2Hの鉛筆で硬度を測定し変形が有れば×、変形しなければ○とした。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。表1には、実施例、比較例で調製した接着剤における各成分の配合量(重量部)及び評価結果を記載した。
実施例1
攪拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器および窒素導入管などを備えた通常のアクリル系樹脂製造用の反応容器内で、表1に示したアクリル樹脂の単量体成分の混合配合物を、フェニルトリメトキシシラン(東レダウコーニング(株)製「AY43−040」)の存在下、95℃3時間共重合させ、アクリル樹脂を得た。
上記で得られたアクリル樹脂に対して、表1に示すとおり、シリコーン化合物(東レダウコーニング(株)製「DC3037」)、硬化促進剤としてジブチル錫ラウレート(和光純薬(株)製)を30℃2時間の条件で混合・均一分散させ樹脂組成物を作製した。
上記で得られた樹脂組成物は、表1に示すとおり、優れた耐熱安定性、密着性、硬化物の硬度を有する樹脂組成物であった。
実施例2〜7
表1に示すとおり、アクリル樹脂に用いる単量体成分、シリコーン化合物、シラン化合物や開始剤、硬化促進剤の種類や配合量を変更して、実施例1と同様に樹脂組成物を得た。
上記で得られた樹脂組成物は、表1に示すとおり、優れた耐熱安定性、密着性、硬化物の硬度を有する樹脂組成物であった。
比較例1
表1に示すとおり、アクリル樹脂、シリコーン化合物を用いずに、エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)を用いて樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物は、耐熱安定性に劣るものであった。
比較例2
表1に示すとおり、シリコーン化合物およびシラン化合物の配合量を低減させて、実施例1と同様に樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物は硬化物の硬度の劣るものであった。
Figure 0005000259

Claims (3)

  1. アクリル樹脂、縮合反応性シリコーン化合物縮合反応性シラン化合物、及び硬化促進剤を含み、前記アクリル樹脂のガラス転移温度が20〜160℃、前記アクリル樹脂の数平均分子量が1000〜3000、前記縮合反応性シリコーン化合物の数平均分子量が150〜3000であり、前記アクリル樹脂100重量部に対する前記縮合反応性シリコーン化合物及び前記縮合反応性シラン化合物の合計含有量が250〜2000重量部であることを特徴とする発光ダイオード素子加工用樹脂組成物からなる透明封止材料
  2. 前記縮合反応性シリコーン化合物が、側鎖に炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基、末端にメトキシシリル基またはエトキシシリル基またはシラノール基を有する請求項1に記載の透明封止材料
  3. 前記アクリル樹脂の単量体成分が、アルキル基又はシクロアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、並びに、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、及びアルコキシシラン含有アクリルモノマーから選ばれた少なくとも1つの成分を含む請求項1または2に記載の透明封止材料。
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