JP4999609B2 - 固体電解コンデンサ用セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサ用セパレータに関する。
固体電解質として、ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性高分子を用いる固体電解コンデンサにおいては、導電性高分子の重合液をセパレータに含浸させて重合させるため、セパレータを覆い尽くす導電性高分子膜が形成される。近年、固体電解コンデンサに要求される特性の1つとして、低ESR(等価直列抵抗)化が挙げられる。低ESR化にはセパレータの低密度化が必要であるが、セパレータを低密度化すると、セパレータの機械的強度が不十分になり、コンデンサ製造工程における不良率が高くなったり、セパレータに形成される導電性高分子膜の機械的強度が不十分になり、導電性高分子膜が破れたり、亀裂が入るなどして、製品不良率が高くなったりする問題が生じる。
セパレータの機械的強度を上げるために、ポリビニルアルコール系繊維(PVA繊維)などの熱溶融性の接着成分を含有させた場合、コンデンサ製造工程における熱負荷によりPVA繊維が溶融し、皮膜を形成することから、導電性高分子の重合液の含浸性が悪化し、その結果、固体電解コンデンサのESRは高くなってしまう(例えば、引用文献1参照)。そのため、コンデンサ素子巻回後に、熱溶融性の接着成分を水洗処理により溶解除去する処理が行われているが、製造工程が増えるため、コンデンサ製造効率が悪くなる問題がある(例えば、特許文献2参照)。また、セパレータの機械的強度を上げるために、フィブリル化アクリル繊維を使用することも提案されているが、十分な機械的強度を持たせることが困難であり、コンデンサ製造工程における不良率が高くなってしまう(例えば、特許文献3参照)。これらのことから、固体電解コンデンサ製造効率に優れ、固体電解コンデンサ製造工程における不良率及び製品不良率が低く、且つ低ESR化を図ることのできる固体電解コンデンサ用セパレータが望まれている。
特開2001−332451号公報 特開平10−340829号公報 特開2006−344742号公報
固体電解コンデンサ製造効率に優れ、固体電解コンデンサ製造工程における不良率及び製品不良率が低く、且つ低ESR化を図ることのできる固体電解コンデンサ用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の繊維材料を含有させることによって、固体電解コンデンサ製造効率に優れ、固体電解コンデンサ製造工程における不良率及び製品不良率が低く、且つ低ESR化を図ることのできる固体電解コンデンサ用セパレータを実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、固体電解質として導電性高分子を用いる固体電解コンデンサ用セパレータであって、該固体電解コンデンサ用セパレータがアクリル短繊維とフィブリル化セルロースとを含有し、さらに、アクリル短繊維とフィブリル化セルロース以外に含有してもよい繊維が半芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリアミドのフィブリル化されていない繊維であり、且つ熱溶融性の接着成分を含有せず、密度が0.20〜0.40g/cmであり、アクリル短繊維とフィブリル化セルロースの含有率の合計は11〜100質量であり、半芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリアミドのフィブリル化されていない繊維の含有率が0〜89質量%である固体電解コンデンサ用セパレータである。
本発明によれば、アクリル短繊維とフィブリル化セルロースとを含有し、且つ熱溶融性の接着成分を含有せず、密度を0.20〜0.40g/cm3にすることで、固体電解コンデンサ製造効率に優れ、固体電解コンデンサ製造工程における不良率及び製品不良率が低く、且つ低ESR化を図ることのできる固体電解コンデンサ用セパレータが得られる。
即ち、アクリル短繊維を含有させることによって、導電性高分子の重合液の含浸性を良好なものにすることができ、結果、低ESR化を図ることができる。加えて、フィブリル化セルロースを含有させることで、繊維同士の絡まりが強固なものになり、セパレータの機械的強度を強くすることができるため、固体電解コンデンサ製造工程における不良率を低くすることができる。また、PVA繊維などの熱溶融性の接着成分を含有させていないため、固体電解コンデンサ製造工程における熱負荷による含浸性の悪化がないことから、水洗処理などの前処理工程が必要なく、コンデンサ製造効率を改善することができる。
また、密度を0.20〜0.40g/cm3にすることで、セパレータ中に導電性高分子が形成される十分な隙間ができることから、低ESR化を図ることができ、且つ、セパレータの単位体積あたりの繊維が十分にあることから、補強剤として作用させることができ、セパレータに形成される導電性高分子膜に十分な機械的強度を持たすことができるため、製品不良率を低くすることができる。
本発明における固体電解コンデンサは、固体電解質として、導電性高分子を用いる固体電解コンデンサを指す。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体が挙げられる。本発明の固体電解コンデンサは、導電性高分子と電解液とを併用したものでも良い。
本発明におけるアクリル短繊維とはアクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニルなどを共重合させてなる樹脂を溶液紡糸や静電紡糸などの方法で紡糸して作製された繊維を指す。
本発明におけるアクリル短繊維の繊度は0.0001〜3dtexが好ましく、0.005〜2dtexがより好ましい。繊度が0.0001dtex未満では繊維が細すぎてセパレータから脱落する場合があり、繊度が3dtexより太いと、厚みむらが生じる場合や断裁性が悪くなる場合がある。本発明におけるアクリル短繊維の繊維長は1〜15mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。繊維長が1mmより短いとセパレータから脱落することがあり、15mmより長いと、繊維がもつれてダマになることがあり、厚みむらが生じる場合がある。
本発明の固体電解コンデンサ用セパレータ中のアクリル短繊維の含有率は、10〜99質量%が好ましく、20〜95質量%がより好ましい。アクリル短繊維の含有率が10質量%未満だと重合液の含浸性が悪くなる場合があり、99質量%より多いと十分な機械的強度が得られない場合がある。
本発明におけるフィブリル化セルロースとしては、溶剤紡糸セルロース、木材繊維や木材パルプ、リンター、リント、麻、柔細胞繊維などの非木材繊維や非木材パルプをフィブリル化したものやバクテリアセルロースなどが挙げられる。柔細胞繊維とは植物の茎、葉、根、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な繊維を指す。
本発明の固体電解コンデンサ用セパレータ中のフィブリル化セルロースの含有率は、1〜40質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。フィブリル化セルロースの含有率が1質量%未満だと十分な機械的強度が得られない場合があり、40質量%より多いと導電性高分子が形成される隙間が不十分になり、導電性高分子の重合を阻害し、ESRが高くなる場合がある。
本発明におけるフィブリルとは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指す。長さと巾のアスペクト比が約20〜約100000の範囲にあることが好ましく、カナディアンスタンダードフリーネスは0〜500mlの範囲にあることが好ましく、0〜200mlの範囲にあることがより好ましい。さらに、質量平均繊維長が0.1〜2mmの範囲にあるものが好ましい。
本発明におけるフィブリル化は、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも3000psiの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて行うが、特に高圧ホモジナイザーで処理すると細かいフィブリルが得られるため好ましい。
本発明の固体電解コンデンサ用セパレータ中のアクリル短繊維とフィブリル化セルロースの含有率の合計は、11質量%以上であり、25質量%以上がより好ましい。アクリル短繊維とフィブリル化セルロースの含有率の合計が11質量%未満だと、十分な含浸性または機械的強度が得られない場合がある。
本発明における熱溶融性の接着成分としては、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル、融点が80〜160℃の低融点ポリエステル、低融点ポリオレフィン、ポリエチレン、低融点ポリアミド等の樹脂や繊維が挙げられる。繊維の場合にはこれらの樹脂だけで構成されているものや一部を構成したものがある。
アクリル短繊維とフィブリル化セルロース以外に、天然セルロース繊維、溶剤紡糸セルロース繊維、さらに、ポリオレフィン、ポリエステル、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメジン、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂からなる単繊維や複合繊維、これらをフィブリル化したもの、各種の分割型複合繊維を分割させたものがあるが、本発明のセパレータは、アクリル短繊維とフィブリル化セルロース以外に含有してもよい繊維が半芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリアミドのフィブリル化されていない繊維であり、半芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリアミドのフィブリル化されていない繊維の含有率が0〜89質量%である。
半芳香族とは、主鎖の一部に例えば脂肪鎖などを有するものを指す。全芳香族ポリアミドはパラ型、メタ型いずれでも良い。
本発明における固体電解コンデンサ用セパレータは、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種または異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いて抄紙する方法によって製造することができる。原料スラリーには、繊維原料の他に必要に応じて分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤などを適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度にスラリーを調整する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙する。抄紙して得た固体電解コンデンサ用セパレータは必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などが施される。
本発明における固体電解コンデンサ用セパレータの坪量は、特に制限はないが、5〜40g/m2が好ましく、5〜20g/m2がさらに好ましい。5g/m2未満では、十分な機械的強度が得られない場合があり、40g/m2を超えると、固体電解コンデンサのESRが高くなってしまう場合がある。本発明における固体電解コンデンサ用セパレータの厚みは、特に制限はないが、13〜100μmが好ましく、13〜50μmがさらに好ましい。13μm未満では、十分な機械的強度が得られない場合があり、100μmより厚いと、固体電解コンデンサのESRが高くなる場合がある。本発明における固体電解コンデンサ用セパレータの密度は、0.20〜0.40g/cm3であり、0.20〜0.30g/cm3がより好ましい。0.20g/cm3未満ではセパレータに形成される導電性高分子膜の強度が不十分になり、0.40g/cm3より大きいと、固体電解コンデンサのESRが高くなる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<フィブリル化セルロース1>
リンターを5質量%濃度になるようにイオン交換水中に分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの圧力で20回繰り返し処理して、質量平均繊維長0.33mm、カナディアンスタンダードフリーネス0mlのフィブリル化セルロースを作製した。以下、これをフィブリル化セルロース1またはFBC1と表記する。
表1に示した原料と配合量に従って、抄紙用スラリーを調製した。ここで、表1中の「A1」は繊度0.005dtex、繊維長3mmのアクリル短繊維、「A2」は繊度0.06dtex、繊維長3mmのアクリル短繊維、「A3」は繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル短繊維、「A4」は繊度0.4dtex、繊維長5mmのアクリル短繊維、「A5」は繊度1.0dtex、繊維長5mmのアクリル短繊維、「A6」は繊度2.0dtex、繊維長5mmのアクリル短繊維、「A7」は繊度3.5dtex、繊維長5mmのアクリル短繊維を意味する。A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7のアクリル短繊維は、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸誘導体の3成分からなるアクリロニトリル系共重合体である。
また、「PA1」は繊度0.08dtex、繊維長3mmの半芳香族ポリアミド繊維、「PA2」は繊度0.75dtex、繊維長3mmのパラ型全芳香族ポリアミド繊維、「FBA1」はカナディアンスタンダードフリーネス100mlのフィブリル化アクリル繊維、「PVA1」は繊度1.0dtex、繊維長3mmのポリビニルアルコール繊維、「PET1」は繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維、「PET2」は繊度0.5dtex、繊維長5mmの芯鞘複合繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート、鞘部:ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体)を意味する。
Figure 0004999609
実施例1〜18、参考実施例19
スラリー1〜19を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量12.0g/m、厚み40μmの固体電解コンデンサ用セパレータ1〜19を作製した。厚みは、室温、線圧200N/cmでカレンダー処理して調整した。
実施例20
スラリー9を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量8.0g/m2、厚み40μmの固体電解コンデンサ用セパレータ20を作製した。厚みは、室温、線圧100N/cmでカレンダー処理して調整した。
実施例21
スラリー10を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量12.0g/m2、厚み60μmの固体電解コンデンサ用セパレータ21を作製した。厚みは、室温、線圧50N/cmでカレンダー処理して調整した。
実施例22
スラリー9を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量16.0g/m2、厚み40μmの固体電解コンデンサ用セパレータ22を作製した。厚みは、室温、線圧270N/cmでカレンダー処理して調整した。
(比較例1)
スラリー20を円網抄紙機を用いて湿式抄紙したが、強度が弱く抄紙することができなかった。
(比較例2)
スラリー21を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量12.0g/m2、厚み40μmの固体電解コンデンサ用セパレータ23を作製した。厚みは、室温、線圧200N/cmでカレンダー処理して調整した。
(比較例3、4)
スラリー22を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量12.0g/m2、厚み40μmの固体電解コンデンサ用セパレータ24を作製した。厚みは、室温、線圧200N/cmでカレンダー処理して調整した。
(比較例5)
スラリー23を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量12.0g/m2、厚み40μmの固体電解コンデンサ用セパレータ25を作製した。厚みは、室温、線圧200N/cmでカレンダー処理して調整した。
(比較例6)
スラリー2を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量8.0g/m2、厚み42μmの固体電解コンデンサ用セパレータ26を作製した。固体電解コンデンサ用セパレータ26はカレンダー処理を行わなかった。
(比較例7)
スラリー10を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量12.0g/m2、厚み63μmの固体電解コンデンサ用セパレータ27を作製した。固体電解コンデンサ用セパレータ27はカレンダー処理を行わなかった。
(比較例8)
スラリー9を円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量16.4g/m2、厚み40μmの固体電解コンデンサ用セパレータ28を作製した。厚みは、室温、線圧275N/cmでカレンダー処理して調整した。
<固体電解コンデンサ1〜24、26〜29の作製>
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。陽極、陰極、固体電解コンデンサ用セパレータは予め所定の巾にスリット加工しておき、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサ素子を作製した。3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液を調製し、これに固体電解コンデンサ素子を浸漬した後、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合した。次いで、固体電解コンデンサ素子を所定の円筒ケースに収納して固体電解コンデンサ用セパレータ1〜28を具備した固体電解コンデンサ1〜24、26〜29を作製した。
<固体電解コンデンサ25の作製>
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。陽極、陰極、固体電解コンデンサ用セパレータ24は予め所定の巾にスリット加工しておき、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータ24を配置して巻き取り、固体電解コンデンサ素子を作製した。この固体電解コンデンサ素子を100℃の水中に5分間浸漬して固体電解コンデンサ用セパレータ24中の熱溶融性接着成分であるPVA1を溶解除去した。次いで、3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液を調製し、これに固体電解コンデンサ素子を浸漬した後、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合した。次いで、固体電解コンデンサ素子を所定の円筒ケースに収納して固体電解コンデンサ25を作製した。
固体電解コンデンサ用セパレータ1〜28および固体電解コンデンサ1〜29について、下記の試験方法により測定し、その結果を表2および表3に示した。
<密度>
固体電解コンデンサ用セパレータ1〜28の密度をJIS C2111に準拠して測定し、その結果を表2に示した。
<工程不良率>
固体電解コンデンサ1〜29を100個作製するにあたり、固体電解コンデンサ用セパレータと電極を一緒に巻回する際に、固体電解コンデンサ用セパレータが切断したり、破れるなどして製造工程において不良が生じた割合を工程不良率(%)とし、表3に示した。
<製品不良率>
固体電解コンデンサ1〜29をそれぞれ100個作製した。導電性高分子膜が破れたり、亀裂が入るなどして不良が生じた割合を製品不良率(%)とし、表3に示した。
<ESR>
固体電解コンデンサ1〜29のESRを、20℃、100kHzの条件で測定し、その値を表3に示した。
Figure 0004999609
Figure 0004999609
表3に示した通り、実施例1〜18、参考実施例19、実施例20〜22で作製した固体電解コンデンサ用セパレータはアクリル短繊維とフィブリル化セルロースとを含有し、且つ熱溶融性の接着成分を含有せず、密度が0.20〜0.40g/cmであるため、固体電解コンデンサ製造効率に優れ、固体電解コンデンサ製造工程における不良率及び製品不良率が低く、且つ低ESR化を図ることのできる固体電解コンデンサ用セパレータが得られた。
即ち、実施例1〜18、参考実施例19、実施例20〜22で作製した固体電解コンデンサ用セパレータはアクリル短繊維を含有させることによって、重合液の含浸性を良好なものにすることができ、結果、低ESR化を図ることができた。加えて、フィブリル化セルロースを含有させることで、繊維同士の絡まりが強固なものになり、セパレータの機械的強度を強くすることができたため、固体電解コンデンサ製造工程不良率を低くすることができた。また、PVA繊維などの熱溶融性の接着成分を含有させていないため、固体電解コンデンサ製造工程における熱負荷による含浸性の悪化がないことから、水洗処理などの前処理工程が必要なく、固体電解コンデンサ製造効率に優れていた。
また、密度を0.20〜0.40g/cm3にすることで、セパレータ中に導電性高分子が形成される十分な隙間を持たせることができたため、低ESR化を図ることができ、且つ、セパレータの単位体積あたりの繊維が十分にあり、補強剤として作用させることができ、セパレータに形成される導電性高分子膜に十分な機械的強度を持たすことができたため、製品不良率を低くすることができた。
一方、比較例1のスラリーはフィブリル化セルロースを含有せず、アクリル短繊維のみからなるため、湿式抄紙の際、繊維同士の絡まりが生じず、固体電解コンデンサ用セパレータを作製することができなかった。
比較例2で作製した固体電解コンデンサ用セパレータはフィブリル化セルロースを含有していないため、十分な機械的強度が得られず、固体電解コンデンサ製造工程における不良率が高くなった。
比較例3で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは熱溶融性の接着成分であるPVA繊維を含有してなるため、固体電解コンデンサ製造工程における熱負荷により、該繊維が溶融し、皮膜を形成したことから、含浸性が悪化し、結果、ESRが悪化した。
比較例4で作製した固体電解コンデンサ用セパレータに含有されている熱溶融性の接着成分であるPVA繊維を水洗処理により溶解除去し、固体電解コンデンサを作製したところ、ESRは低くなったが、導電性高分子膜の強度が不十分になり、製品不良率が高くなっただけでなく、製造工程が増えるため、固体電解コンデンサ製造効率は悪くなった。
比較例5で作製した固体電解コンデンサ用セパレータはアクリル短繊維を含有していないため、重合液の含浸性が悪く、さらに、熱溶融性の接着成分である芯鞘複合繊維を含有してなるため、固体電解コンデンサ製造工程における熱負荷により、該繊維が溶融し、皮膜を形成したことから、含浸性が悪化し、結果、ESRが悪化した。
比較例6及び7で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは密度が0.19g/cm3と小さく、セパレータ単位体積あたりの繊維が少ないため、セパレータに形成される導電性高分子膜の機械的強度が不十分になり、製品不良率が高くなった。
比較例8で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは密度が0.41g/cm3と高いため、導電性高分子が形成される十分な隙間がなく、導電性高分子の形成が不十分になり、ESRが高くなった。
本発明の活用例としては、固体電解質として導電性高分子を用いる固体電解コンデンサが好適である。

Claims (1)

  1. 固体電解質として、導電性高分子を用いる固体電解コンデンサ用セパレータであって、該固体電解コンデンサ用セパレータが、アクリル短繊維とフィブリル化セルロースとを含有し、さらに、アクリル短繊維とフィブリル化セルロース以外に含有してもよい繊維が半芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリアミドのフィブリル化されていない繊維であり、且つ熱溶融性の接着成分を含有せず、密度が0.20〜0.40g/cmであり、アクリル短繊維とフィブリル化セルロースの含有率の合計は11〜100質量であり、半芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリアミドのフィブリル化されていない繊維の含有率が0〜89質量%である固体電解コンデンサ用セパレータ。
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