JP4999471B2 - 樹脂成形パネル - Google Patents

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Description

この発明は、開口部形成座がパネル本体に一体に突設され、該パネル本体の表面に樹脂密度の高いスキン層が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が形成された樹脂成形パネルに関するものである。
特許文献1では、固定型と可動型とを型閉じした状態で、キャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記繊維入り熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記可動型内に内蔵されているスライド型をキャビティ容積拡大方向に後退させて繊維入り熱可塑性樹脂を膨張させることにより、樹脂密度の高いスキン層が表面全体に形成されるとともに、多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成された樹脂成形品を得るようにしている。そして、この樹脂成形品では上記膨張層により厚さ方向の断面積を稼いで剛性を確保した上で軽量化を図ることができる。
特開平11−179751号公報(第3,7頁、図1)
ところで、樹脂成形品が例えば自動車のサイドドアの一部を構成する樹脂製キャリアプレート(ドアモジュールプレート)等のように、ドアトリム等の部品を固定するためにファスナ等の固定具を挿入係合させる開口部を開口部形成座面に有する開口部形成座や、部品固定用の作業工具を挿入するための開口部を開口部形成座面に有する開口部形成座を備えている樹脂成形パネルの場合、組付精度を確保する観点から開口部周りの面精度及び面剛性を高めるために、開口部形成座面を膨張層がなく樹脂密度が高いソリッド層のみに形成することがある。なお、ここで言う面剛性とは、開口部形成座面に締結等により厚さ方向に圧縮荷重が作用しても座面が潰れないための圧縮強度に係る剛性である。
しかし、開口部形成座は型構造上その立上がり壁面に十分な膨張層が形成されず、また開口部形成座面はソリッド層のみで形成されるため、面剛性が高くても座全体として剛性が高いとは言えない。さらに、開口部形成座面に開口部があるため剛性低下を招く。また、開口部形成座面は一般に狭くかつ全体に平坦であるため、部品等を取り付ける際に位置合わせに苦労する。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、開口部形成座面の面剛性を保持した上で開口部形成座の剛性を高めるとともに、部品等を組み付ける際の位置決めを容易に行うことである。
上記の目的を達成するため、この発明は、開口部形成座面と立上がり壁面との境界の構造に工夫を凝らしたことを特徴とし、具体的には、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、パネル本体と、該パネル本体に成形型開閉方向に一体に突設されパネル面と略垂直な立上がり壁面、開口部を有し上記立上がり壁面の頂部に一体に形成されパネル面と略平行でかつ突出部がなく平坦な開口部形成座面及び、該開口部形成座面と上記立上がり壁面との境界に該境界に沿って所定範囲に亘って一体に形成され開口部形成座面よりも立上がり壁面の突出方向に突出する突条からなる開口部形成座とを備え、成形型のキャビティ内に射出充填した熱可塑性樹脂の成形型の成形面近傍にスキン層が生成された時点で、上記パネル本体及び突条に対応する箇所のキャビティ容積を成形型開閉方向に拡大させることにより、当該キャビティ容積拡大箇所の上記熱可塑性樹脂を膨張させ、上記パネル本体及び突条は、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成され、一方、上記開口部形成座面は、成形時にキャビティ容積を拡大させずに上記膨張層を有することなく樹脂密度くて面精度及び面剛性が高いソリッド層に形成され、上記立上がり壁面(35)も、樹脂密度の高いソリッド層(56)に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、樹脂成形パネルは、自動車のドアインナパネルとドアトリムとの間に取り付けられるキャリアプレートであり、開口部形成座面の開口部は、部品固定具挿入用のものであり、上記開口部形成座面には、部品が上記開口部に挿入された部品固定具により固定されるようになっていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、樹脂成形パネルは、自動車のドアインナパネルとドアトリムとの間に取り付けられるキャリアプレートであり、開口部形成座面の開口部は、作業工具挿入用のものであり、上記開口部形成座面には、上記開口部を塞ぐシール材が貼着されるようになっていることを特徴とする樹脂成形パネル。
請求項1に係る発明によれば、パネル本体の表面にスキン層が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有する膨張層が形成され、樹脂成形パネルの軽量化を図ることができる。また、開口部形成座は、膨張層のない樹脂密度の高いソリッド層に形成されて面精度及び面剛性が高く、しかも、樹脂密度の低い膨張層を内部に有する突条が開口部形成座面と立上がり壁面との境界に一体に形成されて開口部形成座面外周りが補強されているため、開口部形成座の立上がり壁面に十分な膨張層が形成されず該立上がり壁面がソリッド層であっても、また開口部形成座面に開口部があっても開口部形成座全体の剛性を高めることができる。また、上記突条が部品等を組み付ける際の位置決めの役目をなし、部品等を開口部形成座に容易に組み付けることができる。
請求項2に係る発明によれば、開口部に挿入された部品固定具により部品が固定される開口部形成座面外周りは突条により補強されているため、部品をキャリアプレートに開口部形成座を介して容易にかつ安定して精度良く組み付けることができる。
請求項3に係る発明によれば、作業工具が挿入される開口部を有する開口部形成座面外周りは突条により補強されているため、開口部を大きく形成しても剛性低下は少なく、作業性が向上するとともに、面精度の高い貼付面が形成されているので、シール材を開口部形成座面に容易にかつ剥がれ難く貼着することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図4は自動車のサイドドア1の部分断面図である。該サイドドア1はドアアウタパネル3とドアインナパネル5とからなる金属製のドア本体7を備え、該ドア本体7の上記ドアインナパネル5に樹脂成形パネルとしての樹脂製キャリアプレート(ドアモジュールプレート)9がシール材11を介して取り付けられ、樹脂製ドアトリム13が上記キャリアプレート9を車室内側から被うように上記ドアインナパネル5に取り付けられ、これにより、キャリアプレート9がドアインナパネル5とドアトリム13との間に取り付けられている。
上記キャリアプレート9は、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガス(物理的発泡材)等の膨張促進物質とガラス繊維等の繊維とが混入された熱可塑性樹脂で成形され、その主体をなすパネル本体としてのプレート本体15を備えている。該プレート本体15の車室外側面側の外周縁部には、図2にも示すように、上記シール材11を収容するシール溝部17が形成されている。また、上記プレート本体15の外周縁部近傍(シール溝部17内側)には、円形ボス状の取付部19が複数個所定間隔をあけて全周に亘って一体に隣接して突設され、該各取付部19には締結用の貫通孔19aがプレート本体15を貫通するように形成されている。そして、キャリアプレート9をドアインナパネル5に重ねて上記各取付部19の貫通孔19aをドアインナパネル5の開口周縁部に形成された複数個のボルト挿通孔5aに対応させた状態で、ボルト21を車室内側から各貫通孔19a及びボルト挿通孔5aに挿通し、ドアインナパネル5の車室外側面に溶着されたウェルドナット23に螺合させることにより、キャリアプレート9をドアインナパネル5に取り付けている(図4参照)。
上記プレート本体15の車室外側面側における上端縁寄り及び下端縁寄りには、図3に示すように、貫通孔25aを有する円形ボス状の取付座25が2個ずつ車体前後方向に間隔をあけて一体に突設され、図示しないが、ウインドガラスを昇降案内するガイドレールを上記取付座25にボルト及びナットにより取り付けるようにしている。
上記プレート本体15の車室内側面側における図3中程には、ウインドガラスを昇降させるモータを取り付けるための平面視略三角形の取付部27が一体に突設され、該取付部27には円形状のモータ取付孔27aがプレート本体15を貫通するように形成されているとともに、該モータ取付孔27aの周りには5個のネジ挿通用の貫通孔27bがプレート本体15を貫通するように形成されている。
上記プレート本体15の車室内側面側における図3で上記取付部27左側には、プルハンドルを取り付けるための取付部29が一対一体に隣接して突設され、該各取付部29にはプルハンドル取付孔29aがプレート本体15を貫通するように形成されている。
上記プレート本体15の車室内側面側における図3右端の上下方向中程には、矩形ボス状の第1開口部形成座31と、円形ボス状の第2開口部形成座33とが上下方向に一体に隣接して突設され、図3左端の上下方向中程にも円形ボス状の第2開口部形成座33が一体に突設されている。
上記第1及び第2開口部形成座31,33は共に、図1及び図2に拡大して示すように、上記プレート本体15に後述する成形型63開閉方向に一体に突設され、パネル面であるプレート本体15のプレート面と略垂直な立上がり壁面35を備え、該立上がり壁面35の頂部には、上記プレート本体15のプレート面と略平行でかつ突出部がなく平坦な開口部形成座面37が一体に形成されている。
上記第1開口部形成座31の開口部形成座面37には、円形の小径開口部39aがプレート本体15を貫通するように形成されている。この小径開口部39aは、部品固定具挿入用のものであり、上記開口部形成座面37には、部品としてのドアトリム13が小径開口部39aに挿入係合された部品固定具としてのファスナ41により固定されるようになっている。図1中、43はドアトリム13裏面に設けられたブラケットであり、該ブラケット43に上記ファスナ41が取り付けられている。
上記第2開口部形成座33の開口部形成座面37には、円形の大径開口部39bがプレート本体15を貫通するように形成されている。この大径開口部39bは、作業工具挿入用のものであり、上記開口部形成座面37には、作業工具45を大径開口部39bに挿入してウインドガラスの組付作業が終了した後に、上記大径開口部39bを塞ぐシール材47が貼着されるようになっている。また、上記プレート本体15の車室外側面側における大径開口部39b外周りには、水除け用の半円形突片37aが上方から大径開口部39bを囲むように一体に突設されている(図3参照)。
上記第1及び第2開口部形成座31,33において、開口部形成座面37と立上がり壁面35との境界には、突条49が該境界に沿って所定範囲に亘って一体に形成され、該突条49は開口部形成座面37よりも立上がり壁面35の突出方向に突出している。具体的には、上記突条49は、第1開口部形成座31側ではU字状に形成され、図3右端側の第2開口部形成座33側では上記第1開口部形成座31側の突条49に連続するように略半円状に形成され、また、図3左端側の第2開口部形成座33側では輪状に形成されている(図3参照)。
上記プレート本体15は、後述する成形型63のキャビティ65内に射出充填した上述の如き熱可塑性樹脂Rの成形型63(固定型55、可動型57)の成形面55a,57a近傍にスキン層51が生成された時点で、プレート本体15に対応する箇所のキャビティ容積を成形型63開閉方向(可動型57後退方向)に拡大させることにより、当該キャビティ容積拡大箇所の上記熱可塑性樹脂Rを膨張させ、図1に示すように、空隙がなく樹脂密度の高いスキン層51が表面に形成されるとともに、多数の空隙(図示せず)を有し上記スキン層51に比べて樹脂密度の低い膨張層53が内部に形成されている。図4では作図上の都合によりプレート本体15を単一層として表している。
これに対し、上記第1及び第2開口部形成座31,33の開口部形成座面37は、成形時にキャビティ容積を成形型63開閉方向(可動型57後退方向)に拡大させずに上記膨張層53を有することなく、また立上がり壁面35は成形時にキャビティ容積が成形型63開閉方向(可動型57後退方向)に僅かしか拡大されずに上記膨張層53をほとんど有することなく、共に樹脂密度の高いソリッド層5に形成されている。また、上記突条49は、成形時に突条49に対応する箇所のキャビティ容積を上記プレート本体15に対応するキャビティ容積拡大箇所と同じ成形型63開閉方向(可動型57後退方向)に拡大させることにより、当該キャビティ容積拡大箇所の上記熱可塑性樹脂Rを膨張させ、図1に示すように、空隙がなく樹脂密度の高いスキン層51が表面に形成されるとともに、多数の空隙(図示せず)を有し上記スキン層51に比べて樹脂密度の低い膨張層53が内部に形成されている。
次に、キャリアプレート9の成形要領について説明する。
成形に際し、図5及び図7に示すように、固定型55と、該固定型55に対向配置された可動型57と、上記固定型55の貫通孔59に油圧シリンダ(図示せず)の伸長作動により可動型57側に向かって付勢された状態で収容配置されたスライド型61とからなる成形型63を用意する。上記固定型55及びスライド型61の成形面55a,61aは、プレート本体15の車室内側面側の形状に対応して形成されている。上記可動型57の成形面57aは、プレート本体15の車室外側面側の形状に対応して形成されている。
図5及び図6中、55bは、固定型55の成形面55aに第1開口部形成座31の外面形状に対応して形成された矩形凹部であり、61bは、スライド型61の成形面61aに第1開口部形成座31の小径開口部39aに対応して形成された円形凹部である。57bは、可動型57の成形面57aに第1開口部形成座31の内面形状に対応して形成された矩形凸部であり、57cは、可動型57の矩形凸部57b頂部に第1開口部形成座31の小径開口部39aに対応して形成された円形凸部であり、該円形凸部57cは上記スライド型61の円形凹部61bに嵌合している。また、上記スライド型61の成形面61aは、可動型57の円形凸部57b頂部よりも面積が小さく設定されて該円形凸部57b頂部の内方に位置している。
図7中、55cは、固定型55の成形面55aに第2開口部形成座33の外面形状に対応して形成された円形凹部であり、61cは、スライド型61の成形面61aに第2開口部形成座33の大径開口部39bに対応して形成された円形凸部である。57dは、可動型57の成形面57aに第2開口部形成座33の内面形状に対応して形成された円形凸部であり、57eは、可動型57の円形凸部57d頂部に第2開口部形成座33の大径開口部39bに対応して形成された円形凹部であり、該円形凹部57eには上記スライド型61の円形凸部61cが嵌合している。57fは、可動型57の成形面57aに第2開口部形成座33の水除け用の半円形突片37aの内外面形状に対応して形成された半円形溝部である。55dは、固定型55の成形面55aに第2開口部形成座33のシール溝部17背面形状に対応して形成された凹部であり、57gは、可動型57の成形面57aにプレート本体15のシール溝部17の溝形状に対応して形成された凸部である。また、上記スライド型61の成形面61aは、可動型57の円形凸部57d頂部よりも面積が小さく設定されて該円形凸部57d頂部の内方に位置している。
まず、図5及び図7に示すように、成形型63を型閉じする。この型閉じ状態で、固定型55の成形面55aと可動型57の成形面57aとの間にキャリアプレート9を成形するキャビティ65が形成されている。スライド型61は油圧シリンダ(図示せず)の伸長作動により可動型57側に向かって付勢されているが、図5ではスライド型61先端の円形凹部61bに可動型57の円形凸部57cが嵌合当接し、図7ではスライド型61の円形凸部61cが可動型57の円形凹部57eに嵌合当接し、スライド型61の進出動作が規制されている。
次いで、成形型63のキャビティ65内に射出機(図示せず)から上述の如き膨張促進物質及びガラス繊維等が混入された熱可塑性樹脂R(例えばポリプロピレン樹脂)を射出充填する。図5及び図7はこの射出充填状態を示している。
その後、成形型63のキャビティ65内に射出充填された熱可塑性樹脂Rの固化進行により成形型63の成形面55a,57a近傍にスキン層51が生成されるが、このスキン層51は未だ完全に固化しきっていない。
そして、成形型63のキャビティ65内に射出充填された熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、図6及び図8に示すように、可動型57をキャビティ容積拡大方向X1(型開き方向)に後退させる。つまり、可動型57を固定型55から僅かに離れさせ、キャビティ容積を例えば2倍もしくはそれ以上に拡大させる。これに伴い、スライド型61が可動型57の後退動作に矢印X2方向へと追従してキャビティ65内に進出し、このため、スライド型対応箇所のキャビティ容積は拡大しない。この段階で、熱可塑性樹脂Rは、成形型63の成形面55a,57aと接触する部分が型温の影響により早期に冷却されているため、空隙がないスキン層51となって表面層を構成する。一方、熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、それまで固定型55及び可動型57で圧縮されている熱可塑性樹脂Rが可動型57の成形面57aに引っ張られるとともに、熱可塑性樹脂R中の化学反応により発生したガスや不活性ガスにより膨張する。この際、熱可塑性樹脂R中の繊維も上記圧縮が軽減されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)によっても上記熱可塑性樹脂Rが膨張する。
これにより、空隙がなく樹脂密度の高いスキン層51が表面に形成されるとともに、内部に多数の空隙(図示せず)を有し上記スキン層51に比べて樹脂密度の低い膨張層53が形成されたプレート本体15が膨張成形される。また、スライド型対応箇所に第1及び第2開口部形成座31,33が成形される。これら第1及び第2開口部形成座31,33は、プレート本体15に一体に突設されプレート本体15のプレート面と略垂直な立上がり壁面35と、開口部(小径開口部39a、大径開口部39b)を有し上記立上がり壁面35の頂部に一体に形成されプレート本体15のプレート面と略平行でかつ突出部がなく平坦な開口部形成座面37と、該開口部形成座面37と上記立上がり壁面35との境界に該境界に沿って所定範囲に亘って一体に形成され開口部形成座面37よりも立上がり壁面35の突出方向に突出する突条49とからなる。そして、上記開口部形成座面37は、成形時にキャビティ容積を成形型63開閉方向(可動型57後退方向)に拡大させずに上記膨張層53を有することなく樹脂密度が高くて面精度と面剛性が高いソリッド層5に形成されている。また、上記立上がり壁面35は、固定型55と可動型57とがなす型面が型開き方向に拡がっているため、可動型57がキャビティ容積拡大方向X1に後退しても、キャビティ容積の成形型63開閉方向(可動型57後退方向)の拡大は僅かでほとんど膨張層53は形成されず、ソリッド層5に形成されている。これに対し、上記突条49は、成形時に突条49に対応する箇所のキャビティ容積を上記プレート本体15に対応するキャビティ容積拡大箇所と同じ成形型63開閉方向(可動型57後退方向)に拡大させることにより、当該キャビティ容積拡大箇所の上記熱可塑性樹脂Rを膨張させ、空隙がなく樹脂密度の高いスキン層51が表面に形成されるとともに、多数の空隙(図示せず)を有し上記スキン層51に比べて樹脂密度の低い膨張層53が内部に形成されている。このように、突条49の内部に膨張層53が形成されるのは、上記スライド型61の成形面61aが、可動型57の矩形凸部57b及び円形凸部57dの頂部よりも面積が小さく設定されているため、可動型57後退時(スライド型61進出時)にスライド型61先端外周りのキャビティ容積が拡大して樹脂圧が解放されるからである。なお、図示しないが、取付部19,27,29及び取付座25等の組付精度が必要な箇所も、成形時にキャビティ容積を拡大させずに膨張層53を有することなく樹脂密度の高いソリッド層5で形成されている。
このようにして上記第1及び第2開口部形成座31,33、取付部19,27,29及び取付座25等の組付精度が必要な箇所を除くプレート本体15は、表面にスキン層51が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有する樹脂密度の低い膨張層53が形成されて厚さ方向断面積を稼いでいるためプレート全体の剛性が高く、プレート本体15が膨張層53のない樹脂密度の高いソリッド層5のみからなりかつ本実施形態のプレート本体15と同等の剛性である場合に比べて、軽量化を図ることができる。
また、上記第1及び第2開口部形成座31,33、取付部19,27,29及び取付座25等の高剛性が必要な箇所が膨張層53のない樹脂密度の高いソリッド層5に形成されているため、型のキャビティ面が良く転写されて面精度が高く、またこれらの面剛性の強化、特に圧縮強度の強化を確固たるものにすることができる。
さらに、上記第1及び第2開口部形成座31,33においては、樹脂密度の低い膨張層53を内部に有する突条49が開口部形成座面37と立上がり壁面35との境界に該境界に沿って所定範囲に亘って一体に形成されて開口部形成座面37外周りを補強しているので、開口部形成座面37に小径開口部39aや大径開口部39bがあっても第1及び第2開口部形成座31,33全体の剛性を高めることができる。
したがって、第1開口部形成座31では、ドアトリム13をキャリアプレート9に開口部形成座面37を介して安定して精度良く組み付けることができる。また、ドアトリム13取付用のファスナ41を小径開口部39aに挿入する際に、ファスナ41が取り付けられているブラケット43の開口部形成座面37に対する位置決め機能を上記突条49が果たし、ドアトリム13をキャリアプレート9に容易に組み付けることができる。
一方、上記第2開口部形成座33では、大径開口部39bが第1開口部形成座31の小径開口部39aに比べて大きいが、開口部形成座面37外周りを突条49で補強しているので、剛性低下は少なく、作業工具45を大径開口部39bに挿入してウインドガラスの組付作業を容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。また、ウインドガラスの組付作業が終了した後に、大径開口部39bを塞ぐために貼着されるシール材47の開口部形成座面37に対する位置決め機能を上記突条49が果たし、また、面精度の高い貼付面が形成されているので、シール材47を開口部形成座面37に容易にかつ剥がれ難く貼着することができる。
なお、上記の実施形態において、熱可塑性樹脂Rにはガラス繊維等の繊維を混入させたが、該繊維は必ずしも混入させなくてもよい。また、熱可塑性樹脂Rの膨張は、ガラス繊維等の繊維による弾性復元力のみで行ってもよい
さらに、上記の実施形態では、樹脂成形パネルが自動車のサイドドアのキャリアプレート9である場合を示したが、上記の実施形態をインストルメントパネル、ドアトリム、トランクボード等の他の自動車用パネルや自動車以外の家電製品、住宅用パネル等にも適用することができるものである。
この発明は、開口部形成座がパネル本体に一体に突設され、該パネル本体の表面に樹脂密度の高いスキン層が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が形成された樹脂成形パネルについて有用である。
図3のI−I線における断面図である。 図3のII−II線における断面図である。 キャリアプレートを車室内側から見た正面図である。 キャリアプレートが適用された自動車のサイドドアの図3のIV−IV線に相当する断面図である。 成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態を示す図1対応箇所の成形工程図である。 図5における成形型の可動型をキャビティ容積が拡大する方向に僅かに後退させた状態を示す成形工程図である。 成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態を示す図2対応箇所の成形工程図である。 図7における成形型の可動型をキャビティ容積が拡大する方向に僅かに後退させた状態を示す成形工程図である。
5 ドアインナパネル
9 キャリアプレート(樹脂成形パネル)
11 シール材
13 ドアトリム(部品)
15 プレート本体(パネル本体)
31 第1開口部形成座
33 第2開口部形成座
35 立上がり壁面
37 開口部形成座面
39a 小径開口部
39b 大径開口部
41 ファスナ(部品固定具)
45 作業工具
47 シール材
49 突条
51 スキン層
53 膨張層
56 ソリッド層
55a,57a 成形面
63 成形型
65 キャビティ
R 熱可塑性樹脂

Claims (3)

  1. ネル本体(15)と、
    該パネル本体(15)成形型(63)開閉方向に一体に突設されパネル面と略垂直な立上がり壁面(35)、開口部(39a,39b)を有し上記立上がり壁面(35)の頂部に一体に形成されパネル面と略平行でかつ突出部がなく平坦な開口部形成座面(37)及び、該開口部形成座面(37)と上記立上がり壁面(35)との境界に該境界に沿って所定範囲に亘って一体に形成され開口部形成座面(37)よりも立上がり壁面(35)の突出方向に突出する突条(49)からなる開口部形成座(31,33)とを備え、
    成形型(63)のキャビティ(65)内に射出充填した熱可塑性樹脂(R)の成形型(63)の成形面(55a,57a)近傍にスキン層(51)が生成された時点で、上記パネル本体(15)及び突条(49)に対応する箇所のキャビティ容積を成形型(63)開閉方向に拡大させることにより、当該キャビティ容積拡大箇所の上記熱可塑性樹脂(R)を膨張させ、上記パネル本体(15)及び突条(49)は、樹脂密度の高いスキン層(51)が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層(51)に比べて樹脂密度の低い膨張層(53)が内部に形成され、一方、上記開口部形成座面(37)は、成形時にキャビティ容積を拡大させずに上記膨張層(53)を有することなく樹脂密度くて面精度及び面剛性が高いソリッド層(56)に形成され、上記立上がり壁面(35)も、樹脂密度の高いソリッド層(56)に形成されていることを特徴とする樹脂成形パネル。
  2. 請求項1に記載の樹脂成形パネルにおいて、
    樹脂成形パネルは、自動車のドアインナパネル(5)とドアトリム(13)との間に取り付けられるキャリアプレート(9)であり、
    開口部形成座面(37)の開口部(39a)は、部品固定具(41)挿入用のものであり、
    上記開口部形成座面(37)には、部品(13)が上記開口部(39a)に挿入された部品固定具(41)により固定されるようになっていることを特徴とする樹脂成形パネル。
  3. 請求項1に記載の樹脂成形パネルにおいて、
    樹脂成形パネルは、自動車のドアインナパネル(5)とドアトリム(13)との間に取り付けられるキャリアプレート(9)であり、
    開口部形成座面(37)の開口部(39b)は、作業工具(45)挿入用のものであり、
    上記開口部形成座面(37)には、上記開口部(39b)を塞ぐシール材(47)が貼着されるようになっていることを特徴とする樹脂成形パネル。
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