JP4997588B2 - 光軸自動調整機能搭載2光子レーザ顕微鏡 - Google Patents
光軸自動調整機能搭載2光子レーザ顕微鏡 Download PDFInfo
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Description
2光子レーザ顕微鏡を含むレーザシステムでは,レーザ光の位置と平行性が非常に重要である。しかしながら,レーザシステムでは長時間の使用や外乱により光軸の位置がずれ,平行性が失われてしまう。
近赤外のレーザ光は肉眼では見えず、2光子レーザ顕微鏡による鮮明な像を得るために光軸の位置と角度のずれに対して極めて高精度の調整を要求するため、2光子レーザ顕微鏡の観察に適した状態に光軸を最適化するには、多数の光学素子部分を、熟練の手作業に頼って数日という長時間を要して調整しているのが実情である。
の光軸調整を光強度ないし光位置ずれ量など、1つの光の評価値を用いて光軸調整を行っ
ている。光ファイバの場合には、光軸調整に関係する調整目的がトレードオフの関係にはなく、光強度や光位置ずれ量などの1つの評価値を基準として光軸調整を行うことができ
る。一方、2光子レーザ顕微鏡で調整が必要な光軸の位置と角度はトレードオフの関係にあり、これらを同時にかつ高精度で最適化するのはきわめて難しい。そこで従来手法では,調整目的を多目的(位置と角度)から単目的(位置)へ変換することで自動調整を行っているが,位置と角度を同時に満たす調整はできていない。
1. レーザ光の光軸の位置と角度のずれを自動調整する、光軸自動調整装置であって、
レーザ光の光路上に設置される少なくとも2個の光軸調整用ミラー、前記各ミラーに少なくとも2個備えられる制御機構、光軸の位置と角度を同一または別々のセンサで検出する1または2の光軸検出センサ、当該センサからの受光信号に基づき前記制御機構を駆動す
るコントローラに制御信号を出力する調整装置を備え、前記調整装置は、多目的最適化手法に従い、光軸の位置と角度に関する複数のパレート最適解を得るように前記制御信号を出力する、光軸自動調整装置。
2. 前記多目的最適化手法が遺伝的アルゴリズムである項1に記載の装置。
3. 前記遺伝的アルゴリズムが、光軸位置に関する適応度と光軸角度に関する適応度を世代毎に選択して、複数のパレート最適解を得ることを特徴とする項2記載の装置。
4. 前記センサが、光軸の位置と角度をともに検出できる1つの光軸検出センサである、
項1に記載の装置。
5. 項1〜4のいずれかに記載の光軸自動調整装置と、レーザ発生手段を備えたレーザ顕微鏡。
6. 前記レーザ発生手段が超短パルスレーザ発生手段であり、前記レーザ顕微鏡が2光子励起顕微鏡である、項5に記載のレーザ顕微鏡。
7. 以下のステップを含む、光軸の位置と角度に関する複数のパレート最適解から、ユーザの選好に合う光軸の位置と角度の調整を行う方法:
(1)多目的最適化手法に従い、光軸の位置と角度に関する複数のパレート最適解を得るス
テップ、
(2)パレート最適解集合から選好解を選択するステップ、
(3)光軸の位置と角度をステップ(2)の選好解に調整するステップ、
(4)調整された光軸をレーザシステムに適用してユーザが評価するステップ
(5)ステップ(4)の評価がユーザの選好を満足する場合には光軸の調整は終了し、ステップ(4)の評価がユーザの選好を満足しない場合にはステップ(2)において異なる選好解を選択し、以下ステップ(3)からステップ(5)を繰り返す。
8. 前記多目的最適化手法が遺伝的アルゴリズムである項7に記載の方法。
9. 前記遺伝的アルゴリズムが、光軸位置に関する適応度と光軸角度に関する適応度を世代毎に選択して、複数のパレート最適解を得ることを特徴とする項8記載の方法。
10. レーザシステムが2光子レーザ顕微鏡である項7に記載の方法。
またはサブミクロンオーダー、角度は1°以下でもずれれば顕微鏡の性能に大きな影響を及ぼす。
のように縦方向の移動と横方向の移動の2自由度がある。また,光軸の角度においても,図1(b) のように縦方向の入射角と横方向の入射角の2自由度がある。よって,光軸の自由度は計4自由度である。このことから,光軸の調整ではこの4 自由度に対応した調整箇所
が必要となるので,調整箇所は少なくとも4 カ所となる。
。このシステムには,光軸の位置と角度を調整するための2カ所調整可能な光軸調整用ミ
ラー2枚(M1,M2)がある。それぞれのミラー2カ所ずつ計4 カ所をコントローラにより調整し,光軸調整用ミラーを動かすことにより光軸の位置と角度を調整する。光軸調整用ミラーは、少なくとも2個の制御機構によりあおり方向とふれ方向に各々動かすことができ
る。
を別々に検出するセンサ(S1,S2)を使用することも可能であるが、好ましい1つの実施形態において、本発明の光軸自動調整装置は、1つの光軸センサ(光軸の位置と角度
のずれを同時に検出可能、図4参照)を使用する。このような光軸センサは、図4で示すよ
うに,光軸の位置と光強度が検出可能なPSD(Position Sensitive Detector:位置検出素子)の前に穴の開いたND フィルタ(例えば、透過率50%) を配置することで,光軸の位
置と角度の同時検出を可能とする。PSD は,受光面上での光軸の位置のX,Y 座標を電圧
値VX,VY で,受光面上での光強度を電圧値VIとして出力する.この出力されるVI を評価することで光軸の角度を検出する.この時VI は最小値を0,最大値を1 として規格化した値を用いる.光軸が平行な場合,フィルタの穴を通過するため検出されるVI は1 に近づ
く.一方光軸が平行でない場合,光軸がフィルタを通過するため検出されるVI は1 より
も小さくなる。
を例にとり説明する。まず、一般的な多目的最適化手法の概念を説明し,次にGA を用い
た多目的自動調整手法を述べる。
る解と定義されている。一般にこのパレート最適解は複数個存在するため,計算されたパレート最適解の中からユーザの選好により選択された選好解が最終的な最適解となる。
を選択すれば良いので再調整が不要になり,効率の良い調整が可能となる。2つ目は,ユ
ーザの選好を反映させるための重みパラメータの設定が不要なことである。
ただし,ε制約法などの,一般的な多目的最適化手法では膨大な繰り返し計算が必要となるため,調整手法に適用した場合は,調整時間が大幅に増大する。そこで本発明の好まし
い実施形態では,多目的最適化手法としてGA を用いる。
ある。解候補である個体(染色体)の集団を考え,その集団に生物の進化の仕組みを模倣した操作を行うことにより,より良い解を得ようとする。この手法を多目的最適化に適用すると,解候補の集団が最終的にパレート最適解集合となることが期待されるので計算量が減少し,局所解にとらわれず最適化が行えるという利点が生じる。
では多様性と精度のバランスのとれたパレート最適解集合が得られるNCGA(Neighborhood
Cultivation Genetic Algorithm:近傍培養型遺伝的アルゴリズム)を用いる。以下に,
具体的な調整の流れを説明する。
図6に示すように,染色体は2カ所調整可能なミラー2枚を動かす合計4 つのステッピン
グモータの初期位置からの移動量x1,x2,x3,x4に対応している。1つのステッピングモ
ータの値は,8 ビットの整数(−128〜127)を2進数で表現するので,染色体長は32ビッ
トとなる。
選択においては,アーカイブ個体群Atをコピーした個体群Ptを,後述する適応度(f1)
または(f2)を基準に並べ替える。このとき,繰り返し同じ2個体が選択されるのを避ける
ため,次の2つの操作を行う。1つ目は,ソート時に基準とする適応度を世代ごと変更する。2つ目は,ソート後に個体群Ptに対してN 個の幅の近傍個体をランダムに並べ替える。
この集団からi番目とi−1番目の隣り合った2 個体を選択し,これら2個体に対して遺伝的操作を行う。なお初期集団は,Np個の染色体をランダムに生成する。具体的には,染色体それぞれの各ビットにおいて0 または1 を一様乱数により発生させる。
軸の位置と角度のずれを同時に検出可能な図4の光軸センサを使用し、特開2002-122758を用いたシステム(遺伝的アルゴリズム)により光軸の位置と角度の最適化を行い、角度は1°強のずれ、位置は12μmのずれの調整結果を得ている。この光軸の位置と角度のずれは、以下の表1で記載するf1の単目的調整の結果(角度のずれ1.3度、位置のずれ約12μm=9.3×1.39)とほぼ一致している。特開2002-122758は、光強度や光位置ずれ量などの1つの評価値を基準として単目的調整を行っており、特開2006-105867と特開2002-122758を組み合わせた単目的調整では、光軸の位置と角度の最適化は困難であり、特に2光子レーザ顕微
鏡に使用できる程度の高精度を実現することはできない。
交叉は,選択された2 個体A,Bから新たな2 個体A’,B’を作る。本発明では,一般的な一点交叉方法を用いる。つまり,染色体中にランダムな交叉位置を設定し,その部分でA とB の染色体を入れ替えてA’,B’を作る。なお,交叉は必ず発生する。
突然変異は,交叉後の各染色体に発生し,染色体の一部分を書き換える。本発明では,各遺伝子のビットを反転する。なお,突然変異の発生確率はPm とする。
次に,上記遺伝的操作によって発生した2個体の適応度評価を行う。本発明では,染色
体が表すステッピングモータの値によりミラーを動かした後,センサ出力VX,VY ,VI を取り込み,次式(2),(3)を用いて適応度を計算する。
f1 = 平方根((VX - VX0)2 + (VY - VY0)2) (2)
f2 = -17.82VI3 + 27.66VI2 - 14.91VI - 5.07 (3)
f1 は光軸の位置に関する適応度である。VX0,VY0 は,それぞれ光軸の目標位置のX,Y
座標を表し,f1 は目標位置とのユークリッド距離となる。f1 が小さいほど目標位置と
の誤差が小さくなり,光軸の位置が調整されていることを意味する。f2 は光軸の角度に
関する適応度であり,式(3)を元に算出する。VI は光強度を表し,VI の値が大きいほ
どf2の値は小さくなり,光軸の角度誤差が0°(平行)に近づいていることを意味する。
新たな2個体A’,B’の適応度評価が完了した後,置換の操作が行われる。その方法は
,この2 個体をPtと入れ替える。そして,変数i に2を加え,i が個体数Np と等価になるまで選択,交叉,突然変異,適応度評価を繰り返す。更新された個体群をPt+1とする。
環境選択は,At とPt+1 の和集合に対し,SPEA2とよばれる方法で適合度割当てを行い
,適合度と端切り法を用いて和集合の中からNp個の個体を選択し,新たな個体群At+1 を
生成する。そして,環境選択後,再び(ii)の選択操作に戻り,遺伝的操作を繰り返す。なお,遺伝的操作は環境選択をGncga回繰り返した時点で打ち切る。
(I)光軸自動調整実験
以下に、光軸自動調整実験について述べる。まず,本発明を実施するための光軸自動調整システムの概要を説明する。次に,この光軸自動調整システムを用いた光軸自動調整実験の実験内容について説明し,実験結果について述べる。
光軸調整用ミラーを制御する制御装置は,ステッピングモータドライバ及び,ミラーホルダシステムを用いた。図8に実験で使用したミラーホルダシステムを示す。これには2つのステッピングモータ(制御機構)が取り付けられており,これらのステッピングモータを制御することでミラーをあおり方向,ふれ方向に動かす。このシステムでは0.075μm/Step の分解能でミラーを制御することが可能である。
( 2 ) 評価装置
評価装置には,図4に示す簡易光軸センサ及び,浜松ホトニクス社の2次元PSD 信号処理回路C9069を用いた。このC9069 では,光強度はセンサの電圧値(最大36V)を12ビット分割した値として出力される。また,センサ上での光軸の位置は,PSDの幅又は高さLを12
ビット分割した値として出力される。なお,L=5.7mm,12 ビットは0〜4065なので,セン
サの出力値の位置分解能は1.39μmとなる。
( 3 ) 光源
光源には,JDS Uniphase 社のHe-Ne Laser(1125P)を用いた。この光源から評価装置
までの光路長は800mm,ビーム径は2mmである。
( 4 ) PC(調整装置)
使用した計算機のスペックはCPU:700MHz,メモリ:128MB である。このPC 上で図5で説
明したフローチャートが実行される。
光軸の調整目標を,光軸の位置がセンサの受光面の中心,かつ光軸が平行とする。予備実験として,光軸の位置と平行性がトレードオフの関係にあるかどうか検証する。具体的には,適応度f1(光軸の位置)を目的とした単目的自動調整実験と,適応度f2(光軸の角度)を目的とした単目的自動調整実験を行う。単目的調整では,調整手法としてGA のMGG
モデルを用いた。
予備実験で用いたパラメータは次のとおりである。個体数Np = 20,交叉の発生確率Pc = 1.0,突然変異の発生確率Pm= 0.05 とし,調整時間は初期個体生成から調整終了までの時間を3 時間(遺伝的操作の繰り返し回数は約1260 回)とした。光軸の初期位置は理想
的な状態(目標位置との誤差が0,かつ角度が0°)から,光軸の位置を±5mm の範囲で,光軸の角度を±4°の範囲でランダムにずらした場所とする。この状態から自動調整を開
始する。実験は5 試行行った。
f1(光軸の位置)を目的とする単目的自動調整実験とf2(光軸の角度)を目的とする単目的自動調整実験において,それぞれのある1 試行における最良個体の推移を図9,図10 に示す。また,5 試行の調整結果を表1 に示す。この表では,それぞれの単目的調整における最良個体の2つの適応度(f1,f2)の全5 試行中の平均値,最大値,最小値を示してい
る。
する調整が進むと位置誤差が大きくなっていることが分かる。具体的には,調整目的である適応度f2 の最小値は0.0°,最大でも0.1°となり,角度を0° に近い調整を達成して
いるが,目的ではない適応度f1 は最小値でも149.8(149.8×1.39 = 208.22μm)にしか
ならず,位置誤差の調整がされていないことを確認した。
次に,多目的自動調整実験について述べる。実験条件は次のとおりである。個体数Np =
20,突然変異の発生確率Pm = 0.05 とし,調整時間は初期個体生成から調整終了までの
時間を3 時間(遺伝的操作の繰り返し回数はGncga = 約240 回)とした。光軸の初期位置は理想的な状態から,光軸の位置を±5mm の範囲で,光軸の角度を±4°の範囲でランダ
ムにずらした場所とし,自動調整を開始する。実験は5 試行行った。
全5 試行中のある試行での初期個体群と最終世代の個体群の結果を図11 に,最終世代の
パレート最適個体群の部分を拡大したものを図12に示す。図11において適当に分布していた初期個体群が,最終世代では理想的な状態にほぼ収束していることが分かる。また,拡大図である図12 から多数の個体がパレート最適解であることが分かる。このことから,
提案手法による多目的光軸自動調整を用いることでパレート最適解を得ることが可能であることを確認できた。また、得られた最適解の結果を2光子レーザ顕微鏡に応用すると、
生体試料の鮮明な画像を得ることができる。
本発明を2光子レーザ顕微鏡システムの光軸調整に適用した場合を例にとり,選好解決
定までの流れを説明し,本発明の有用性を検討する。本発明を2光子レーザ顕微鏡に適用
した場合,2光子レーザ顕微鏡の観察に必要な位置精度と角度精度を満たしたパレート最
適解が得られる。光軸調整におけるユーザの選好対象は顕微鏡像の解像度、コントラスト、明るさであり,一方設計目標とは、許容できる範囲内の簡易光軸センサで得られる光強度と光軸の位置座標である。ユーザの選好を満たす像を得るには設計目標を達成した状態の光軸を使用し,実際に生体試料などの試料を観察し、目的対象の像がユーザの選好を満たすものであるかを確認する必要がある。つまり,顕微鏡像の観察後にはじめてユーザの選好を満足しているか判断が可能となる。これらの関係を図13に示す。
,(2)2光子レーザ顕微鏡による評価という流れになる。調整後,(2)における結果がユーザの選好を満たしていなければ目標値を変え再度(1),(2)を行わなければならない。このように,設計目標が厳密ではない単目的調整では,ユーザの選好を満たした結果が得られるまで(1),(2)を繰り返すため,調整を始めから何度も行う必要がある。そのため,光軸調整に熟練した技術者とそうでない人では調整に要する時間に差がでてしまう。
微鏡による評価となる。まず,(1)で顕微鏡観察に必要な最低限の位置精度と角度精度
を満たしたパレート最適解を求める。次に,(2),(3),(4)を行い,ユーザの選好
を満足しているか確認する。もし満足していない場合,(2),(3),(4)を繰り返し
,ユーザが求めたパレート最適解を評価する。つまり,あらかじめパレート最適解を求めておくことにより何回か選好解の状態に光軸をセットし直すことでユーザの選好に合う調整を行うことが可能となる。さらに,対象とする試料などが変わりユーザの選好が変化した場合にも同様に対応することができ,効率的に再調整を行える。
適解が変化した場合であっても効率的に光軸の再調整を行うことができる。
光子レーザ顕微鏡に適用可能な光軸調整を行うことは困難であるが、光軸位置の適応度(f1)と光軸角度の適応度(f2)を選択することで、両者の最適化を同時に行うことができ、2
光子レーザ顕微鏡の要求レベルに適合したレーザ光の光軸調整を行うことができる。
本発明の多目的光軸自動調整装置を用いた実験の結果,まず光軸の位置と角度はトレードオフの関係にあることが確認でき,光軸の調整に多目的最適化手法が必要であることを実証した。次に,本発明装置により光軸の位置と角度の同時調整を3 時間で完了することができ,提案手法の有効性を確認した。これにより,簡便な多目的光軸自動調整システムを実現できた。
(i)易操作性2光子レーザ顕微鏡:短パルスレーザ、本発明の光軸自動調整装置を用いた
レーザ導入光路、それにスキャンユニットを組み合わせた生物顕微鏡。
(ii)アドオン型レーザ導入光路システム:既製品の2光子レーザ顕微鏡において除振台上に組み上げた本発明の光軸自動調整装置を用いたレーザ導入用外部光路のオールインワン装置。光学定盤上に多スペースを占拠する光学素子群を小型化したもの。
Claims (4)
- レーザ光の光軸の位置と角度のずれを自動調整する、二光子レーザ顕微鏡用の光軸自動調整装置であって、
前記光軸自動調整装置は、レーザ光の光路上に設置される少なくとも2個の光軸調整用ミラーと、前記各ミラーに少なくとも2個備えられる制御機構と、光軸の位置と角度を同一のセンサで検出する1つの光軸検出センサと、当該センサからの受光信号に基づき前記制
御機構を駆動するコントローラに制御信号を出力する調整装置と、光軸位置に関する適応度(f1)を目標位置とのユークリッド距離に基づき評価する手段と、光軸角度に関する適応度(f2)を光強度に基づき評価する手段とを備え、
前記光軸センサは光軸の位置と光強度が検出可能な位置検出素子と、受光面上での光軸の位置のX,Y 座標を電圧値VX,VY で受光面上での光強度を電圧値VIとして出力する手段と、この出力されるVI を評価することで光軸の角度を検出する手段を備え、
前記調整装置は、遺伝的アルゴリズムに従い、光軸の位置と角度に関する複数のパレート最適解を得るように前記制御信号を出力するものであり、前記制御機構は、光軸調整用ミラーを、少なくとも2個の制御機構によりあおり方向とふれ方向に各々動かすことができ
るものであることを特徴とする、二光子レーザ顕微鏡用の光軸自動調整装置。 - 請求項1に記載の光軸自動調整装置と、レーザ発生手段を備えた二光子レーザ顕微鏡。
- 前記レーザ発生手段が短パルスレーザ発生手段である、請求項2に記載の二光子レーザ顕微鏡。
- 以下のステップ:
(i)2個の各光軸調整用ミラーに2個ずつ備えられるステッピングモータの移動量に対応
する染色体のコード化ステップ、
(ii)アーカイブ個体群A t をコピーした個体群P t について、基準とする適応度として、光軸の位置の適応度と光軸の角度の適応度を世代ごとに入れ替えてソートし、ソート後の個体群P t に対して近傍個体をランダムに並べ替え、この集団からi番目とi-1番目の隣り合っ
た2個体を選択するステップ
(iii)選択された2個体A,Bから1点交叉方法により新たな2個体A’、B’を作る交叉ステ
ップ
(iv)交叉後の染色体の一部を書き換える突然変異ステップ、
(v)光軸の位置の適応度を目標位置とのユークリッド距離に基づき評価し、光軸の角度の
適応度を光強度に基づき評価する、適応度評価ステップ
(vi)新たな2 個体をPtと入れ替え、変数i に2を加え,i が個体数Np と等価になるまで選択,交叉,突然変異,適応度評価を繰り返す、置換ステップ
(vii)置換ステップにより更新された個体群をPt+1とAt の和集合に対し,適合度割当て
を行い、適合度と端切り法を用いて和集合の中からNp個の個体を選択し,新たな個体群At+1 を生成する、環境選択ステップ
を含み、前記環境選択ステップ後,再び(ii)の選択ステップに戻り,遺伝的操作を繰り返し、遺伝的操作を所定回数繰り返すことを特徴とする、二光子レーザ顕微鏡の光軸の位置と角度の自動調整方法。
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