JP4997201B2 - 平版印刷版の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平版印刷版の作製方法に関する。詳しくは、現像除去成分の版面再付着を抑制し、かつ、良好な印刷性能を得るのに適した平版印刷版の作製方法に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と油性インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像形成層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像部に対応する画像形成層を残存させ、非画像部に対応する不要な画像形成層をpH12以上の強アルカリ性現像液又は有機溶剤含有現像液によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
従来の平版印刷版の作製工程においては、露光の後、不要な画像形成層を現像液などによって溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を簡易化することが課題の一つとして挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から高pHのアルカリ現像処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっているので、簡易化の一つとして、中性に近い水溶液で現像できることが一層強く望まれている。
一方、近年、画像情報をコンピュータで電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注目されてきている。したがって、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述したような簡易化された製版作業を印刷環境下で行う場合、露光後の画像形成層が現像までの間に印刷環境の明室下で被ってしまう可能性があるため、明室又は黄色灯下で取り扱い可能な画像形成層及び光源が必要とされる。
そのようなレーザー光源として、波長760〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザー及びYAGレーザー等の固体レーザーは、高出力かつ小型のものを安価に入手できるようになったことから、極めて有用である。また、UVレーザーも用いることができる。
上述のような背景から、現在、製版作業の簡易化とデジタル化の両面への適合が、従来にも増して、強く望まれるようになってきている。
これに対して、例えば、特許文献1には、親水性結合剤中に疎水性熱可塑性重合体粒子を分散させた画像形成層を親水性支持体上に設けた平版印刷版原版をガム液により現像する製版方法が記載されている。この製版方法では、上記平版印刷版原版を、赤外レーザー
を用いた画像露光によって、疎水性熱可塑性重合体粒子を融着させて画像を形成させた後、ガム液により未露光部を除去することにより現像している。
しかし、このような微粒子の熱融着による画像形成を用いた平版印刷版原版をガム液で現像する方法は、現像性は極めて良好であるが感度や耐刷性が低く、かつ未露光部の除去された微粒子が現像液中で凝集・沈降しやすいために、現像除去成分が現像処理後の版面に再付着し印刷物にインキ汚れが発生してしまうという問題を有していた。
特許文献2には、(i)親水性支持体、及び(ii)ラジカル重合性エチレン性不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤及び赤外吸収染料を含有する感光層からなる平版印刷版原版を、赤外レーザーで画像様に露光した後、感光層の未硬化部分をガム液で除去する平版印刷版原版の処理方法が記載されている。また、特許文献3では、ラジカル重合系感光層を赤外レーザー露光により硬化し、pH2〜10の水性現像液で未露光部を除去することからなる平版印刷版原版の現像方法が記載されている。これらは画像形成にラジカル重合を用いており感度は高いが、感光層にポリマー粒子を用いていないために現像性が悪くシャドー部における網点の抜けが悪く、網点の再現性が劣るという問題があった。
また、特許文献4には、側鎖にシアノ基を有する単位と側鎖にポリアルキレンオキサイドセグメントを有する単位とを含有するポリマーバインダー粒子を含むラジカル重合系画像形成層を、赤外レーザーなどにより画像露光し、pH約5〜約14の水溶液で現像するか機上現像することからなる平版印刷版の作製方法が記載されている。
しかしながら上記技術でも、現像除去後のポリマー粒子が処理液中で凝集・沈降し、現像処理後の版面に再付着して印刷物にインキ汚れが発生してしまう問題を依然として有している。
欧州特許第1342568号明細書 国際公開第05/111727号パンフレット 米国特許第6902865号明細書 米国特許第7261998号明細書
従って、本発明の目的は、良好な現像性を維持しつつ、現像除去成分の版面再付着を抑制し、かつ良好な細線再現性を得るのに適した平版印刷版の作製方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するべく種々の検討を行った結果、画像形成層中のポリマー粒子として、側鎖にポリアルキレンオキサイドセグメントを有する繰り返し単位と側鎖にシアノ基を有する繰り返し単位を含有するポリマー微粒子を用い、処理液として、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有する水溶液を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)支持体上に、側鎖にポリアルキレンオキサイドセグメントを有する繰り返し単位と側鎖にシアノ基を有する繰り返し単位を含有するポリマー微粒子を含む画像形成層を有する平版印刷版の作製方法であって、下記工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
(a)前記平版印刷版原版を画像様に露光する工程。
(b)前記露光済みの平版印刷版原版を、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有するpH8.5〜10.5の水溶液で現像する工程。
(2)前記現像工程(b)で用いられる水溶液が、更に水溶性高分子化合物を含有するこ
とを特徴とする上記(1)に記載の平版印刷版の作製方法。
(3)前記水溶性高分子化合物が、アラビアガムまたは澱粉であることを特徴とする上記(2)に記載の平版印刷版の作製方法。
(4)前記現像工程(b)で用いられる水溶液が、更に界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(5)前記現像工程(b)が、擦り部材を具備する自動処理機を用いて行われることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(6)前記現像工程(b)を2回以上連続して行うことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(7)前記現像工程(b)の後に、更に(c)現像済みの平版印刷版原版表面を水洗する工程を含むことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(8)前記現像工程(b)で用いられる水溶液が、フィルターを通して繰り返し使用されることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。(9)前記画像形成層が、更に(A)増感色素、(B)重合開始剤及び(C)重合性化合物を含有し、前記露光工程(a)をレーザー照射により行うことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(10)前記(A)増感色素が、水溶性のシアニン染料であり、前記(B)重合開始剤が水溶性のオニウム塩であることを特徴とする上記(9)に記載の平版印刷版の作製方法。(11)前記平版印刷版原版が、前記画像形成層上に保護層を有し、前記保護層がアニオン変性ポリビニルアルコールを保護層の全固形分中10〜50質量%含有することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(12)前記平版印刷版原版が、前記支持体と画像形成層の間に下塗り層を有し、前記下塗り層が基板吸着性基と架橋性基とを分子内に有する化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(13)前記支持体が、リン酸を用いて陽極酸化処理された支持体であることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
(14)前記支持体が、ポリビニルホスホン酸を用いて親水化処理された支持体であることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
本発明によれば、画像露光後、高pHのアルカリ現像処理を用いる必要なく、中性に近い処理液にて、良好な現像性を維持しつつ、現像除去成分の版面再付着を抑制でき、かつ良好な細線再現性を得るのに適した平版印刷版の作製方法を提供できる。
〔製版方法〕
本発明の平版印刷版を作製する方法は、画像様露光後、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有する水溶液(以降、処理液とも称する)を用いて画像形成層未露光部の除去(現像)を行うことを特徴とする。
また処理液には、水溶性高分子化合物や界面活性剤を含有することが好ましく、特に水溶性高分子化合物を含有することにより、現像と同時に画像形成層除去後の非画像部の不感脂化処理を行うことが可能となる。
(処理液)
本発明の平版印刷版の作製方法に使用される処理液は、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有するpH8.5〜10.5の水溶液である。炭酸イオン及び炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ま
しい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。処理液のpHは上記範囲であることが必要で、8.5を下回ると非画像部の現像性が低下し、10.5を上回ると空気中の炭酸ガスの影響により処理能力が低下する。
炭酸塩及び炭酸水素塩の総量は、アルカリ水溶液の質量に対して1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、4〜12質量%が最も好ましい。総量が1質量%以上であると現像性、処理能力が低下せず、20質量%以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに廃液処理時の中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
また、アルカリ濃度の微少な調整、非画像部感光層の溶解を補助する目的で、補足的に他のアルカリ剤、例えば有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これら他のアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の現像工程の水溶液に用いられる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
水溶性高分子化合物の好ましい酸価は、0〜3.0meq/gである。
上記大豆多糖類としては、従来知られているものが使用でき、例えば市販品としてソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10質量%水溶液の粘度が10〜100mPa/secの範囲にあるものである。
上記澱粉としては、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びコーンスターチ等、さらにこれらの変性澱粉や澱粉誘導体が挙げられる。変性澱粉としては、下記一般式(III)で示されるものが好ましい。
Figure 0004997201
式(III)中、エーテル化度(置換度)はグルコース単位当たり0.05〜1.2の範囲で、nは3〜30の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。
上記変性澱粉は、澱粉を酸または酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作ることができる。
澱粉誘導体としては、ブリティッシュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリン及びシャーディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉及び無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉及びカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルフォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体が好ましい。
水溶性高分子化合物の中でも好ましいものとして、大豆多糖類、澱粉、アラビアガム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。更に好ましくは、アラビアガムまたは澱粉が挙げられる。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の処理液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
本発明の処理液は界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性等)を含有してもよい。
本発明に用いられるアニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類、芳香族スルホン酸塩類、芳香族置換ポリオキシエチレンスルホン酸塩類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
本発明に用いられるカチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、芳香族化合物のポリエチレングリコール付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
本発明においては、ソルビトールおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、本発明の処理液に使用するノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−Lipophile
Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、界面活性剤の分野においてよく知られているように、アニオン性部位とカチオン性部位を同一分子内に持つ化合物であり、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系等の両性界面活性剤が含まれる。本発明に係る処理液に用いられる両性界面活性剤としては、下記式<1>で表される化合物及び下記式<2>で表される化合物が好ましい。
Figure 0004997201
式<1>中、R8はアルキル基を表し、R9及びR10は各々水素原子又はアルキル基を表し、R11はアルキレン基を表し、Aはカルボン酸イオン又はスルホン酸イオンを表す。
式<2>中、R18、R19およびR20は、各々水素原子またはアルキル基を表す。但し、R18、R19およびR20のすべてが、水素原子であることはない。
上記式<1>において、R8、R9又はR10で表されるアルキル基及びR11で表されるアルキレン基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、更に、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシル基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<1>で示される化合物において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となる。この場合、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、良化はするが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない場合がある。従って、R8〜R11の炭素数の総和は好ましくは、8〜25であり、より好ましくは11〜21である。
上記式<2>において、R18、R19又はR20で表されるアルキル基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、更に、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシル基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<2>で示される化合物において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となる。この場合、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、良化はするが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない場合がある。従って、R18〜R20の炭素数の総和は好ましくは、8〜22であり、より好ましくは10〜20である。
両性界面活性剤の総炭素数は、感光層に用いる材料、とりわけバインダーの性質により影響をうけることがある。親水度の高いバインダーの場合、総炭素数は比較的小さいものが好ましく、用いるバインダーの親水度の低い場合には、総炭素数が大きいものが好ましい傾向にある。
界面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。界面活性剤の処理液中における含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
本発明の処理液には上記の他に、湿潤剤、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、有機溶剤、無機酸、無機塩などを含有することができる。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。一般に、湿潤剤は処理液の全質量に基づいて0.1〜5質量%の量で使用される。
防腐剤としては、フェノールまたはその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
防腐剤の含有量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、処理液に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましい。
キレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。
キレート剤は処理液中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。含有量は処理液に対して0.001〜1.0質量%が好適である。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系のHLBの5以下等の化合物を使用することができる。シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型および可溶化等がいずれも使用できる。
消泡剤の含有量は、処理液に対して0.001〜1.0質量%の範囲が好適である。
有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、サリチル酸、カプリル酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸などが挙げられる。有機酸は、そのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形で用いることもできる。有機酸の含有量は処理液に対して0.01〜0.5質量%が好ましい。
含有可能な有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルホスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能である。処理液が、有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40質量%未満が望ましい。
無機酸および無機塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リ
ン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。無機塩の含有量は処理液に対して0.01〜0.5質量%が好ましい。
本発明の現像処理は、擦り部材を備えた自動処理機を用いて実施されることが好ましい。更に本発明の現像処理は、本発明の処理液などの供給手段を備えた自動処理機により好適に実施することができる。自動処理機としては、例えば、画像記録後の平版印刷版原版を搬送しながら擦り処理を行う、特開2006−235227号等に記載の自動処理機等が挙げられる。なかでも、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。
本発明に好ましく使用できる回転ブラシロールは、画像部の傷つき難さ、さらには、平版印刷版原版支持体の腰の強さ等を考慮して適宜選択することができる。
回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチック又は金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号、特開平3−100554号に記載のものや、実公昭62−167253号に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属又はプラスチックの溝型材を芯となるプラスチック又は金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。
ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、及び、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。
回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
回転ブラシロールの回転方向は、平版印刷版原版の搬送方向に対し、同一方向であっても、逆方向であってもよいが、2本以上の回転ブラシロールを使用する場合は、少なくとも1本の回転ブラシロールが、同一方向に回転し、少なくとも1本の回転ブラシロールが、逆方向に回転することが好ましい。これにより、未露光部の画像形成層の除去がさらに確実となる。さらに、回転ブラシロールをブラシロールの回転軸方向に揺動させることも効果的である。
本発明の平版印刷版の作製方法においては、前記(b)の現像工程を2回以上連続して行う方法も好適なものとして挙げられる。このような現像処理を2回以上連続して行う具体的な方法としては、上記のような擦り部材を備えた現像部のみからなる自動処理機(図2参照)を使って現像処理を2回以上繰り返して行う方法(その場合、自動現像機2台以上を連結して行ってもよい。)、上記のような擦り部材を備えた現像部を複数有する自動処理機を使用する方法、などが挙げられる。
また、本発明の平版印刷版の作製方法の好ましい他の形態として、本発明の処理液を用いた現像工程に続いて水洗工程を行うことが出来る。上記連続現像や水洗工程の実施によって、現像除去成分の版面再付着が更に抑制される。
本発明の水洗工程に用いられる水は、一般の水道水、井水、イオン交換水、蒸留水など如何なる水でも使用可能であるが、経済的観点からは水道水や井水が好ましい。この水洗工程に用いられる水は、常に新鮮水を使用するか、水洗工程で使用された水を、後述する
ようなフィルターを通して循環させて再使用することが好ましい。
本発明の処理液は、常に新鮮な液を用いてもよいが、現像処理後の処理液を、フィルターを通して循環させて繰り返し使用することが好ましい。
本発明の現像工程及び水洗工程に用いられる処理液及び水の濾過に使用するフィルターは、それぞれの液に混入した画像形成層除去成分を濾過出来るものであれば、如何なるものでも使用可能である。フィルターの材質としてはポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロース樹脂、コットン等が好ましく用いられる。またその形態としては、交換可能なフィルターとして、ハウジング内にカートリッジの様式で収容されたものが好ましい。カートリッジは、例えばセルロース繊維製の濾紙に、強度補強、繊維離脱防止のため、エポキシ樹脂加工を施し、濾過面積を大きくするためにプリーツ状に成型したプリーツタイプ、多くの繊維からなるヤーン(繊維の束)を中心筒より緩やかな密度勾配が得られるよう巻き上げたデプスタイプ、あるいはポリエチレン等のプラスチック製ケースに吸着剤を収納させるか、もしくは、主に樹脂、セルロース、ガラス繊維及び吸水性ポリマーによって構成されたメディアに活性炭などの吸着剤を担持させた吸着タイプのものが好ましい。この吸着剤としては、シリカゲル、活性炭、活性アルミニウム、モレキュラーシーブ、クレー及び超吸収性繊維、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム及び活性金属から選択された材料、及び、各種フィルターに用いられるイオン交換体を用いることができる。
入手可能なフィルターとして、ADVANTEC社製のカートリッジフィルター「TCWタイプ」、「TCPタイプ」、「TCSタイプ」などが好ましく用いられる。
フィルターのメッシュ径としては、5〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、20〜100μmが更に好ましい。
本発明の処理液を用いて、現像処理及び不感脂化処理を同時に行なった後、引き続いて乾燥処理を行う。また、本発明の処理液を用いた現像工程の後に水洗工程を行った場合は、その後さらに引き続いてガム液による非画像部の不感脂化工程を行うことも可能である。
水洗工程の後にガム液を版面に供給することによって、非画像部を充分に不感脂化させることが出来る。この不感脂化工程では、一般的なガム液や、前述した本発明の処理液のうち、水溶性高分子化合物を含有する水溶液が使用される。後者の場合、現像処理工程に用いられた本発明の処理液と基本的に同一組成の液を用いることが装置構造上好ましい。これは、現像ユニットのタンクに仕込む本発明の処理液と、不感脂化ユニットのタンクに仕込む液が同一のものであることを意味し、その後の現像処理による処理液成分の持ち出しや平版印刷版原版成分の混入、更には水の蒸発や二酸化炭素の溶解などによる組成変化を意味するものではない。これによって、それぞれの工程で使用する液の仕込み液や補充液の共通化が出来る。更には、現像部の補充液として、その必要量を不感脂化部の循環液をオーバーフローさせて供給するカスケード方式も採用できるようになる。
本発明における水洗工程後の不感脂化工程に用いられるガム液について説明する。
ガム液に用いられる不感脂化剤としては、アラビアガムが好ましく、アラビアガムの約15〜20質量%の水溶液をガム液とすることができる。アラビアガム以外にも種々の水溶性樹脂が不感脂化剤として用いられる。例えば、デキストリン、ステラビック、ストラクタン、アルギン酸塩類、ポリアクリル酸塩類、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシアルキルセルロース塩、大豆のオカラから抽出した水溶性多糖類が好ましく、また、プルラン又はプルラン誘導体、ポリビニルアルコールも好ましい。
さらに、変成澱粉誘導体としてブリティッシュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリン及びシャーディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉及び無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉及びカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルフォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体が好ましい。
また天然高分子化合物としては、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びコーンスターチ等の澱粉類、カラジーナン、ラミナラン、海ソウマンナン、ふのり、アイリッシュモス、寒天及びアルギン酸ナトリウム等の藻類から得られるもの、トロロアオイ、マンナン、クインスシード、ペクチン、トラガカントガム、カラヤガム、キサンチンガム、グアービンガム、ローカストビンガム、キャロブガム、ベンゾインガム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、レバン等のホモ多糖ならびにサクシノグルカン及びサンタンガム等のヘトロ多糖等の微生物粘質物、にかわ、ゼラチン、カゼイン及びコラーゲン等の蛋白質が好ましい。
水溶性樹脂は2種以上組み合わせても使用でき、ガム液中に好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜30質量%の範囲で含有させることができる。
ガム液には、上記の不感脂化剤の他にpH調整剤、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、親油性物質、湿潤剤、キレート剤、消泡剤などを含有させることができる。
ガム液はpH3〜12の範囲で使用することが有利であり、そのため一般にpH調整剤が添加されている。pHを3〜12にするためには一般的にガム液中に鉱酸、有機酸又は無機塩等を添加し調節する。その添加量は0.01〜2質量%である。例えば鉱酸としては硝酸、硫酸、リン酸、メタリン酸等が挙げられる。有機酸としては酢酸、蓚酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、レブリン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、またグリシン、α−アラニン、β−アラニンなどのアミノ酸等が挙げられる。無機塩としては硝酸マグネシウム、第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、有機酸又は無機塩等の2種以上を併用してもよい。
ガム液に含有させる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類及びα−オレフィンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、が特に好ましく用いられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等が用いられる。
両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルイミダゾリン類、アルキルアミノカルボン酸類等が用いられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリプロピレングリコールの分子量200〜5000、トリメチロールプロパン、グリセリン又はソルビトールのポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンの付加物、アセチレングリコール系等が挙げられる。又、弗素系、シリコン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は二種以上併用することができる。使用量は特に限定する必要はないが、好ましい範囲としてはガム液の全質量に基づいて0.01〜20質量%が適当であり、好ましくは0.05〜10質量%である。
防腐剤としては繊維、木材加工、食品、医薬、化粧品、農薬分野等で使用されている公知の防腐剤が使用できる。例えば第4級アンモニウム塩、一価フェノール誘導体、二価フェノール誘導体、多価フェノール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾロピリミジン誘導体、一価ナフトール、カーボネート類、スルホン誘導体、有機スズ化合物、シクロペンタン誘導体、フェニル誘導体、フェノールエーテル誘導体、フェノールエステル誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体、ニトリル誘導体、ナフタリン類、ピロール誘導体、キノリン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、第2級アミン、1,3,5トリアジン誘導体、チアジアゾール誘導体、アニリド誘導体、ピロール誘導体、ハロゲン誘導体、二価アルコール誘導体、ジチオール類、シアン酸誘導体、チオカルバミド酸誘導体、ジアミン誘導体、イソチアゾール誘導体、一価アルコール、飽和アルデヒド、不飽和モノカルボン酸、飽和エーテル、不飽和エーテル、ラクトン類、アミノ酸誘導体、ヒダントイン、シアヌール酸誘導体、グアニジン誘導体、ピリジン誘導体、飽和モノカルボン酸、ベンゼンカルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、ビフェニル、ヒドロキサム酸誘導体、芳香族アルコール、ハロゲノフェノール誘導体、ベンゼンカルボン酸誘導体、メルカプトカルボン酸誘導体、第4級アンモニウム塩誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒノキチオール、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、イソキノリン誘導体、アルシン誘導体、チオカルバミン酸誘導体、リン酸エステル、ハロゲノベンゼン誘導体、キノン誘導体、ベンゼンスルホン酸誘導体、モノアミン誘導体、有機リン酸エステル、ピペラジン誘導体、フェナジン誘導体、ピリミジン誘導体、チオファネート誘導体、イミダゾリン誘導体、イソオキサゾール誘導体、アンモニウム塩誘導体等の公知の防腐剤が使用できる。特に好ましい防腐剤として、ピリジンチオール−1−オキシドの塩、サリチル酸及びその塩、1,3,5−トリスヒドロキシエチルヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,3,5−トリスヒドロキシメチルヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールが挙げられる。また種々のカビ、細菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。好ましい含有量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、ガム液に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましい。
ガム液には親油性物質を含有させておくこともできる。好ましい親油性物質には、例えばオレイン酸、ラノリン酸、吉草酸、ノニル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などのような炭素数が5〜25の有機カルボン酸、ひまし油などが含まれる。親油性物質は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。ガム液中に含まれる親油性物質は、その総質量に対して0.005〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲である。
その他、ガム液には必要により湿潤剤としてグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ポリオキシエチレン等を添加することができる。湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。湿潤剤の好ましい使用量としては0.1〜5質量%である。
また、ガム液にはキレート化合物を添加してもよい。ガム液は通常濃縮液として市販され、使用時に水道水、井戸水等を加えて希釈して使用される。この希釈する水道水や井戸水に含まれているカルシウムイオン等が印刷に悪影響を与え、印刷物を汚れ易くする原因となることもあるので、キレート化合物を添加して、上記欠点を解消することができる。好ましいキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることが出来る。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。レート剤はガム液組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。含有量は、ガム液に対して0.001〜1.0質量%が適当である。
また、ガム液は消泡剤を含有することもでき、特にシリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可溶化型等がいずれも使用できる。好まし含有量は、ガム液に対して0.001〜1.0質量%の範囲である。
ガム液は乳化分散型として調製してもよく、その油相としては有機溶剤が用いられ、又、前述したような界面活性剤の助けを借りて、可溶化型(乳化型)にしてもよい。
有機溶剤としては、20℃で水に対する溶解性が5質量%以下で沸点160℃以上の有
機溶剤であることが好ましい。例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸ジエステル剤、例えば、ジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、例えば、エポキシ化大豆油などのエポキシ化トリグリセリド類、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェートなどの燐酸エステル類、例えば、安息香酸ベンジルなどの安息香酸エステル類などの凝固点が15℃以下で、1気圧下での沸点が300℃以上の可塑剤が含まれる。
その他アルコール系としては、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。グリコール系としてはエチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテルエチレングリコールヘキシルエーテル、オクチレングリコール等が挙げられる。
上記化合物を選択するときの条件としては臭気が特に挙げられる。これら溶剤の使用量の好ましい範囲は不感脂剤の0.1〜5質量%で、より好ましい範囲は0.5〜3質量%である。溶剤は2種以上併用することもできる。
上記のガム液以外にも、EP1342568B1号、EP1788444A1号などに記載されているガム液も好適に使用され得る。
ガム液は、水相を温度40℃±5℃に調製し、高速攪拌し、水相の中に調製した油相をゆっくり滴下し充分攪拌後、圧力式のホモジナイザーを通して乳化分散することによって作製される。
ガム液の残余の成分は水である。ガム液は、水の含有量を少なくした濃縮液とし、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
本発明の現像工程の処理液、水洗工程の水、不感脂化工程のガム液の温度は、それぞれ別々に任意の温度で使用できるが、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。
なお、本発明において、各工程の後に乾燥工程を設けることも任意に可能である。特に自動処理機の最後の工程に設けることが好ましく、さらに水洗工程と不感脂化工程を有す場合はその間にも設けることがより好ましい。この乾燥工程は、一般にローラーニップで処理液のほとんどを除去した後に、任意の温度の乾燥風を吹き付けることにより行われる。
上記の現像処理に先立って、平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。露光に好適な光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハイラドランプ、ストロボ、紫外線、赤外線、レーザー光線などが挙げられる。特にレーザー光線が好ましく、760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザー、250〜420nmの光を放射する紫外線半導体レーザー、可視光を放射するアルゴンイオンレーザー、FD−YAGレーザーなどが挙げられる。なかでも、製版の簡易化の点からは、白灯又は黄色灯下で作業を行うことができる赤外線を放射するレーザーが好ましい

赤外レーザーに関しては、出力は100mW以上であることが好ましく、1画素当たりの露光時間は20μs以内であるのが好ましく、また照射エネルギー量は10〜300mJ/cmであるのが好ましい。露光時間を短縮するためマルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。
以下に、本発明に用いる平版印刷版原版の構成要素及び成分について説明する。
〔平版印刷版原版〕
本発明に用いられる平版印刷版原版は、支持体上に特定のポリマー粒子を含む画像形成層を有し、露光後、前記本発明の処理液を供給して未露光部分を除去することにより画像形成可能であることを特徴とする。なお、本発明において、「支持体上に画像形成層を有する」とは、所望により設けられる保護層、下塗り層、中間層、バックコート層など任意の層の存在を否定するものではない。
(画像形成層)
<ポリマー微粒子>
本発明に係る平版印刷版原版では、側鎖にポリアルキレンオキサイドセグメントを有する繰り返し単位と側鎖にシアノ基を有する繰り返し単位を含有するポリマー微粒子(以下、本発明のポリマー粒子とも称する)を画像形成層に含むことを特徴とする。
本発明のポリマー粒子は、数平均モル質量(Mn)が好ましくは約10,000〜約250、000、より好ましくは25,000〜200,000であるポリマーからなる粒子であって、その平均粒径は好ましくは約0.01μm〜約1μm、より好適には約100nm〜約700nm、更に好ましくは約150nm〜約250nmである。
本発明のポリマー粒子に用いられるポリマーは、付加ポリマー又は縮合ポリマーであってよい。付加ポリマーは、例えばアクリレートエステル及びメタクリレートエステル、アクリル酸及びメタクリル酸、メチルメタクリレート、アリルアクリレート及びアリルメタクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル、スチレン、ヒドロキシスチレン又はこれらの組み合わせから調製することができる。好適な縮合ポリマーは、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、並びに、フェノール/ホルムアルデヒド及びピロガロール/アセトンポリマーを含むフェノール系ポリマーを含む。
前記ポリマーは、ペンダント基が結合された構成ユニットを含む疎水性主鎖を含む。前記ポリマーがエチレン性不飽和モノマーの組み合わせから誘導されたコポリマーである場合のように疎水性主鎖は全て炭素原子であってもよく、前記ポリマーが縮合反応などによって形成される場合のように疎水性主鎖はヘテロ原子を含んでよい。
前記ポリマーは、側鎖にシアノ基を有する繰り返し単位を含むことを特徴とする。このモノマー単位としては、(メタ)アクリロニトリル、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、又はこれらの組み合わせが好ましい。この中でも特に(メタ)アクリロニトリルがより好ましい。本明細書中に使用される「(メタ)アクリロニトリル」という用語は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、又はアクリロニトリルとメタクリロニトリルとの組み合わせを示す。
前記ポリマーは、また、ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを側鎖に含む繰り返し単位を含むことを特徴とする。ポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、例えばアルキレンオキシド構成ユニットから成るブロックを含有するオリゴマー又はポリマーであってよい。このポリ(アルキレンオキシド)セグメントを有す側鎖は、一般に大部分がポリ(アルキレンオキシド)セグメント、又は2つ以上のこのようなセグメントとなるが、主鎖との結合基及び末端基を含むこともできる。
前記アルキレンオキシド構成ユニットは、(C1−C6)アルキレンオキシド基、より典型的には(C1−C3)アルキレンオキシド基である。例えば、ポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、炭素原子1〜3の直鎖状又は分枝状アルキレンオキシド基を含むことができ、これらの基は、-[CH2O-]、-[CH2CH2O-]、-[CH(CH3)O-]、-[CH2CH2CH2O-]、-[CH(CH3)CH2O-]、-[CH2CH(CH3)O-]、又は前記のもののいずれかを含む。これらの中でも特に、-[CH2CH2O-]、-[CH2CH(CH3)O-] の構成ユニットがより好ましく、-[CH2CH2O-]すなわちエチレンオキシドが更に好ましい。
ポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、典型的には、全部で約5〜約150個のアルキレンオキシド構成ユニットを含む。一般には、ポリ(アルキレンオキシド)セグメントの数平均モル質量(Mn)は、約300〜約10,000、より好適には約500〜約5,000、更に好ましくは約1,000〜約3,000である。
ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを含む好適なペンダント基の一例は、-C(=O)O-[(CH2)xO-]yRのペンダント基であり、上記式中、xは1〜3であり、yは約5〜約150であり、そしてRは好適な末端基である。好適な末端基Rは、一例として、炭素原子数1〜6のアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含むことができる。
ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを含む好適なペンダント基の具体例は、-C(=O)O-[CH2CH2O-]yCH3のペンダント基であり、上記式中、yは約10〜約100であり、そしてより好適にはyは約25〜約75であり、更に好ましくは、yは約40〜約50である。
前記ポリマーはまた、他の好適な重合性モノマー又はオリゴマーから誘導された繰り返し単位を含んでもよい。例えば、アクリレートエステル、メタクリレートエステル、スチレン、ヒドロキシスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリルアミド、又は前記のもののいずれかの組み合わせが好ましい。特に好適なのは、スチレン、メタクリルアミド、メチルメタクリレート、アリルメタクリレートから誘導された繰り返し単位である。より具体的には、主鎖に直接結合された無置換又は置換のペンダントフェニル基を有する繰り返し単位が有用である。置換フェニル基は、例えば4-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、4-シアノフェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、4-アセトキシフェニル、及び3,5-ジクロロフェニルを含む。このような繰り返し単位は、例えばスチレン又は置換型スチレンモノマーから誘導することができる。
前記ポリマーは、繰り返し単位全体のうち、シアノ基を有する繰り返し単位を約70モル%〜約99.9モル%含むことが好ましく、約75モル%〜約95モル%含むことがより好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを側鎖に含む繰り返し単位は約0.1モル%〜約5モル%含むことが好ましく、約0.5モル%〜約2モル%含むことがより好ましい。前述のスチレン、アクリルアミドなどの他の繰り返し単位が含まれる場合は、約0モル%〜約30モル%の範囲であることが好ましく、約2モル%〜約20モル%の範囲がより好ましく、約5モル%〜約15モル%であることが更に好ましい。
前記ポリマーの具体的な例としては、i)側鎖にシアノ基を有する繰り返し単位; ii)ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを側鎖に有する繰り返し単位; 及びiii)疎水性主鎖に直接結合された無置換又は置換のフェニル基を側鎖に有する繰り返し単位、からなるランダムコポリマーを挙げることが出来る。
より具体的には、i)-[CH2C(R)(C≡N)-]の繰り返し単位; ii)-[CH2C(R)(PEO)-]の繰り返し単位(上記式中、PEOは-C(=O)O-[CH2CH2O-]yCH3の側鎖を表し、yは約25〜約75である); 及びiii)-[CH2CH(Ph)-]の繰り返し単位(上記式中、各Rは独立して、-H又は-CH3を表し、Phはフェニル基を表す)、からなるランダムコポリマーである。
さらに具体的には、ランダムコポリマー中の繰り返し単位全体中の約70〜約99.9モル%が-[CH2C(R)(C≡N)-]を有し; ランダムコポリマー中の繰り返し単位全体中の約0.1〜約5モル%が-[CH2C(R)(PEO)-]であり; ランダムコポリマー中の繰り返し単位全体中の約2〜約20モル%が形態-[CH2CH(Ph)-]を有する、ランダムコポリマーである。
前記ポリマーは典型的には、2種以上のモノマー混合物のラジカル共重合によって得られるランダムコポリマーである。典型的な調製の場合、2つ以上のモノマー、すなわち、側鎖にシアノ基を有する繰り返し単位の前駆体である1つのモノマーと、ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを側鎖に含む繰り返し単位の前駆体である別のモノマー(より適性には「マクロマー」と呼ばれる)とを少なくとも含有する混合物が共重合される。本明細書中に使用される「モノマーの混合物」及び「モノマーの組み合わせ」という語句は、1つ又は2つ以上の重合性モノマー及び/又は重合性マクロマーの混合物又は組み合わせを含む。
一例を挙げるならば、前記ポリマーは、好適なモノマー/マクロマー、例えば:
A)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、又はこれらの組み合わせ(すなわち(メタ)アクリロニトリル);
B)アクリル酸又はメタクリル酸のポリ(アルキレングリコール)エステル、例えばポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、又はこれらの組み合わせ(すなわち、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート);及び
C)任意に、モノマー、例えばスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミドなど、又は好適なモノマーの組み合わせ
の組み合わせ又は混合物の重合によって形成することができる。
モノマー又はマクロマーB)として有用な前駆体は例えば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールブチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールエチルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールブチルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールヘキシルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールオクチルエーテルメタクリレート、(ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、又はこれらの混合物を含む。
重合性マクロマーに関連して本明細書中に使用される「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレートマクロマー又はメタクリレートマクロマー、又はアクリレートマクロマーとメタクリレートマクロマーとの組み合わせを含む。マクロマーに関する「アルキルエーテル」という語句は、低級アルキルエーテル、一般には(C1-C6)線状又は分枝状飽和型アルキルエーテル、例えばメチルエーテル又はエチルエーテルを示す。
任意のモノマーC)として使用することができる好適なモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレートエステル、メタクリレートエステル、例えばメチルメタクリレート、アリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、ヒドロキシスチレン、メタクリルアミド、又は前記のもののいずれかの組み合わせを含む。特に好適なのは、スチレン、又はメタクリルアミド、又はこれらから誘導されたモノマーである。好適なモノマーの具体例は、スチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-メトキシスチレン、4-アセトキシスチレン、α-メチルスチレン、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-ペンチルメタクリレート、ネオ-ペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、3-メトキシプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルブチレート、メチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、無水マレイン酸、マレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、及びこれらの混合物を含む。
例えば、前記ポリマーは、ラジカル重合によって調製することができる。ラジカル重合は当業者によく知られており、例えば、Macromolecules(マクロ分子)第2巻、第2版、H.G. Elias編、Plenum, New York, 1984の第20章及び21章に記載されている。有用なフリーラジカル開始剤は、過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、ヒドロペルオキシド、例えばクミルヒドロペルオキシド、及びアゾ化合物、例えば2,2'-アゾビス-イソブチロニトリル(V-601)である。連鎖移動剤、例えばドデシルメルカプタンを使用して、化合物の分子量を制御することができる。
前記ポリマーの具体的な例は、約55〜約90質量パーセントの(メタ)アクリロニトリル; 約5〜約15質量パーセントのポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル(メタ)アクリレート; 及び約5〜約30質量パーセントのスチレン、から誘導されたコポリマーである。
より具体的には、約55〜約90質量パーセントのアクリロニトリル; 約5〜約15質量パーセントのポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート; 及び約5〜約30質量パーセントのスチレン、からなるモノマーの組み合わせから誘導されたコポリマーである。
一般にラジカル重合に適した溶剤は、反応物質に対して不活性でありそして反応に対して特に不都合な影響を及ぼすことがない液体が選ばれる。例えばエステル類、例えばエチルアセテート及びブチルアセテート; ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、及びアセトン; アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びブタノール; エーテル類、例えばジオキサン及びテトラヒドロフラン; 及びこれらの混合物を含む。
前記ポリマー粒子は、好ましくは親水性媒質(水、又は水とアルコールとの混合物)中で調製される。親水性媒質は、溶剤中に分散された粒子の形成を容易にすることができる。さらに、ポリマー主鎖に疎水性特性を提供する繰り返し単位の前駆体であるモノマー、例えばアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを完全には溶解しない溶剤系中で重合を行うことが望ましい場合がある。例えば水/アルコール混合物、例えば水とn-プロパノールとの混合物中で合成することができる。
全てのモノマー/マクロマー及び重合開始剤は、反応媒質に直接的に添加することができ、重合反応は、選択された重合開始剤によって決定される適切な温度で進行する。あるいは、ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを含有するマクロマーを反応溶剤に先ず添加
し、昇温後モノマーをゆっくりと添加することもできる。開始剤はモノマー混合物に、又はマクロマーの溶液に、又はその両方に添加することができる。
前記ポリマーの調製を、コポリマーを形成するために使用することができるモノマー及びマクロマーに関して説明してきたが、本発明は、2種以上のモノマー混合物の重合によって形成されたコポリマーの使用に制限されるものではない。前記ポリマーは、当業者に明らかなその他のルートによって、例えば前駆ポリマーの改質によって形成することができる。例えば前記ポリマーは、ポリ(アルキレンオキシド)セグメントが好適な高分子前駆体上にグラフトされる場合のように、グラフトコポリマーとして調製することができる。このようなグラフト化は、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、又はフリーラジカルグラフト法によって行うことができる。
一例を挙げるならば、重合性モノマーの好適な組み合わせを共重合してグラフト可能なコポリマーを生成し、そしてその後、グラフト可能なコポリマー上にポリ(アルキレンオキシド)セグメントを含む官能基をグラフトすることにより、前記ポリマーを調製することができる。例えば、ヒドロキシ官能性又はアミン官能性ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルと、酸塩化物、イソシアネート及び無水物基を含む共反応基を有するポリマーと反応させることにより、グラフトコポリマーを調製することができる。使用に適したグラフトコポリマーの他の調製方法は、米国特許第6,582,882号に記載された方法を含む。
<その他のバインダーポリマー>
本発明のポリマー粒子に加えて、画像形成層は任意に、1種又は2種以上のその他のバインダーポリマーを含んでよい。典型的な例としては、水溶性又は水分散性ポリマー、例えばセルロース誘導体:例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース;ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸;ポリメタクリル酸;ポリビニルピロリドン;ポリラクチド、ポリビニルホスホン酸;合成コポリマー、例えばアルコキシポリエチレングリコールアクリレート又はメタクリレート、例えばメトキシポリエチレングリコールアクリレート又はメタクリレートと、モノマー、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、又はアリルメタクリレートとのコポリマー;及びこれらの混合物である。
上記のその他のバインダーポリマーは架橋可能な部位を含有することが好ましい。架橋可能な部位はエチレン性不飽和基が好ましく、例えばアリルメタクリレートを共重合成分として含有させることでエチレン性不飽和基を含有するポリマーが得られる。その他のバインダーポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、メタクリル酸を共重合成分として含有するコポリマーを作製した後、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有化合物を高分子反応にて導入する方法がより好ましい。またEP1788431A2に記載されているようなポリビニルアルコールをメタクリル酸無水物やイソシアネート基含有エチルメタクリレートなどで一部変性したポリマーも好ましく用いられる。
その他のバインダーポリマーの含有量は、好適には画像形成層全固形分中の0質量%〜約50質量%、より好適には約1質量%〜約30質量%である。
上述した本発明のポリマー粒子とその他のバインダーポリマーとの総量は、画像形成層全固形分中、好適には約10質量%〜約80質量%、より好適には約20質量%〜約50質量%、最も好適には約30質量%〜約40質量%である。画像形成層中にこの量で本発明のポリマー粒子とその他のバインダーポリマーとを含有させることで、画像形成層を本発明に係る処理液に対し可溶性又は分散性にすることが出来る。
本発明に係る画像形成層の代表的な画像形成機構としては、(A)増感色素、(B)重合開始剤及び(C)重合性化合物を含有し、露光領域が重合硬化して画像部を形成する態様が挙げられる。
以下に、本発明に係る画像形成層(以下、感光層とも称する)に含まれる各成分について、順次説明する。
(A)増感色素
感光層には、例えば、350〜450nmに極大吸収を有する増感色素、500〜600nmに極大吸収を有する増感色素、750〜1400nmに極大吸収を有する赤外線吸収剤を添加することで、各々、当業界で通常用いられている405nmのバイオレットレーザ、532nmのグリーンレーザ、803nmのIRレーザに対応した高感度な平版印刷版原版を提供することができる。
まず、350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について説明する。この様な増感色素としては、例えば、メロシアニン色素類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類、等を挙げることができる。
350nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点から好ましい色素は下記一般式(IV)で表される色素である。
Figure 0004997201
一般式(IV)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環基またはヘテロ環基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子またはN−(R3)をあらわす。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR1およびR2とR3はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。
一般式(IV)について更に詳しく説明する。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団であり、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
一般式(IV)におけるAは、置換基を有してもよい芳香族環基またはヘテロ環基を表し、置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環は、一般式(IV)中のR1、R2およびR3で記載した置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基と同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては、特開2007−58170号公報の〔0047〜〔0053〕に記載の化合物が挙げられる。
さらに、下記一般式(V)〜(VII)で示される増感色素も用いることができる。
Figure 0004997201
Figure 0004997201
式(V)中、R1〜R14は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。但し、R1〜R10の少なくとも一つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
式(VI)中、R15〜R32は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。但し、R15〜R24の少なくとも一つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
Figure 0004997201
式(VII)中、R1、R2およびR3は各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−NR45基または−OR6基を表し、R4、R5およびR6は各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、k、mおよびnは各々0〜5の整数を表す。
また、特開2007-171406号、特開2007-206216号、特開2007-206217号、特開2007-225701号、特開2007-225702号、特開2007-316582号、特開2007-328243号に記載の増感色素も好
ましく用いることができる。
350nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素の好ましい添加量は、感光層の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.05〜30質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部、最も好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
続いて、本発明にて好適に用いられる750〜1400nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について詳述する。
このような増感色素は、赤外線吸収剤を包含し、赤外線レーザの照射(露光)に対し高感度で電子励起状態となり、かかる電子励起状態に係る電子移動、エネルギー移動、発熱(光熱変換機能)などが、感光層中に併存する重合開始剤に作用して、重合開始剤に化学変化を生起させてラジカルを生成させるものと推定されている。いずれせよ、750〜1400nmに極大吸収を有する増感色素を添加することは、750nm〜1400nmの波長を有する赤外線レーザ光での直接描画される製版に特に好適であり、従来の平版印刷版原版に比べ、高い画像形成性を発現することができる。
赤外線吸収剤は、750nm〜1400nmの波長域に吸収極大を有する染料または顔料であることが好ましい。
染料としては、市販の染料および例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記一般式(a)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 0004997201
一般式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1または以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xa -は後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基
、アリール基、置換または無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
Figure 0004997201
1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1およびR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、更に、R1とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましいZa-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。尚、対イオンとして、ハロゲンイオンを含有してないものが特に好ましい。
本発明においては、増感色素として水溶性のシアニン染料を用いることが好ましい。
水溶性のシアニン染料としては、例えば、特開2004-351823号に記載のものが挙げられ、分子内に親水性基として、スルホン酸基及び/又はその塩、ホスホン酸基及び/又はその塩、カルボン酸基及び/又はその塩、および水酸基から選ばれる少なくともいずれかを有することが好ましい。
なかでも、スルホン酸基及び/又はその塩、ホスホン酸基及び/又はその塩を分子内に2個以上有し、対イオンが無機イオンであることがさらに好ましい。
以下に、本発明に好適な水溶性シアニン染料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004997201
Figure 0004997201
Figure 0004997201
Figure 0004997201
Figure 0004997201

顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることが更に好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この好ましい粒径の範囲において、感光層中における顔料の優れた分散安定性が得られ、均一な感光層が得られる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
赤外線吸収剤は、感光層中における均一性や感光層の耐久性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは0.1〜10質量%の割合で添加することができる。
(B)重合開始剤
本発明の感光層には重合開始剤(以下、開始剤化合物とも称する)を含有する。開始剤化合物は増感色素の電子励起状態に起因する電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用をうけて、化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基から選択される少なくとも1種を生成する化合物である。以下、このようにして生じたラジカル、酸、塩基を単に活性種と呼ぶ。開始剤化合物が存在しない場合や、開始剤化合物のみを単独で用いた場合には、実用上十分な感度が得られない。増感色素と開始剤化合物を併用する一つの態様として、これらを、適切な化学的方法(増感色素と開始剤化合物との化学結合による連結等)によって単一の化合物として利用することも可能である。
通常これらの開始剤化合物の多くは、次の(1)から(3)に代表される初期化学プロセスをへて、活性種を生成するものと考えられる。即ち、(1)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物への電子移動反応に基づく、開始剤化合物の還元的分解、(2)開始剤化合物から増感色素の電子励起状態への電子移動に基づく、開始剤化合物の酸化的分解、(3)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物へのエネルギー移動に基づく、開始剤化合物の電子励起状態からの分解である。個々の開始剤化合物が(1)から(3)のどのタイプに属するかに関しては、曖昧な場合も多いが、本発明においては、これら何れのタイプの開始剤化合物と組み合わせても非常に高い増感効果が得られる。
本発明における開始剤化合物としては、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。なかでも、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、オニウム塩、トリハロメチル化合物およびメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。重合開始剤は、2種以上を適宜併用することもできる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号に記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、350〜450nmに極大吸収を有する増感色素と併用して用いられることが特に好ましい。
本発明において好適に用いられるオニウム塩(本発明においては、酸発生剤としてではなく、イオン性の重合開始剤として機能する)は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
Figure 0004997201
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 -は1価の陰イオンを表し、具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオンおよびスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21およびAr22は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 -は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32およびR33は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表す。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31 -は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
オニウム塩は、750〜1400nmに極大吸収を有する赤外線吸収剤と併用して用いられることが特に好ましい。
その他、特開2007-171406号、特開2007-206216号、特開2007-206217号、特開2007-225701号、特開2007-225702号、特開2007-316582号、特開2007-328243号に記載の重合開始剤を好ましく用いることができる。
本発明における重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
本発明における感光層中の重合開始剤の使用量は感光層全固形分の質量に対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%である。さらに好ましくは1.0質量%〜10質量%である。
<(C)重合性化合物>
本発明に用いることができる(C)重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの共重合体、並びにそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートとヒドロキシ基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(ii)で示されるヒドロキシ基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH 一般式(ii)
(ただし、R及びRは、それぞれ、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂とアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマーも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像形成層中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、重合開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明において、(C)重合性化合物は、画像形成層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。
そのほか、重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から、適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては、下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
<その他の成分>
(1)界面活性剤
本発明における画像形成層には、現像性を促進するため、及び塗布面状を向上させるため、界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、ア
ミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
さらに好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基及び親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号及び同60−168144号に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像形成層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましい。
(2)着色剤
本発明における画像形成層には、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
着色剤を用いると、画像形成後の画像部と非画像部の区別がつきやすくなるので、添加する方が好ましい。
着色剤の好適な添加量は、画像形成層の全固形分に対し、0.01〜10質量%である。
(3)焼き出し剤
本発明における画像形成層には、焼き出し画像の生成のため、酸又はラジカルによって変色する化合物を添加することができる。
このような化合物としては、例えば、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p’,p”−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸又はラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、画像形成層固形分に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
(4)重合禁止剤
本発明における画像形成層には、画像形成層の製造中又は保存中において、(C)重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像形成層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
(5)高級脂肪酸誘導体等
本発明における画像形成層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像形成層の表面に偏在させてもよい。
高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像形成層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
(6)可塑剤
本発明における画像形成層は、現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像形成層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
(7)無機微粒子
本発明における画像形成層は、硬化皮膜強度向上及び現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5μm〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、画像形成層中に安定に分散して、画像形成層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像形成層の全固形分に対して、40質量%以下であるのが好ましく、30質量%以下であるのがより好ましい。
(8)低分子親水性化合物
本発明における画像形成層は、耐刷性を低下させることなく現像性を向上させることから、低分子親水性化合物を含有してもよい。
低分子親水性化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、アルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、アルキルスルファミン酸等の有機スルファミン酸類及びその塩、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸等の有機硫酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩等が挙げられる。
これらの中でも、有機スルホン酸、有機スルファミン酸、有機硫酸のナトリウム塩やリチウム塩などの有機硫酸塩が好ましく使用される。
有機スルホン酸塩の具体的な化合物としては、ノルマルブチルスルホン酸ナトリウム、イソブチルスルホン酸ナトリウム、sec−ブチルスルホン酸ナトリウム、tert−ブチルスルホン酸ナトリウム、ノルマルペンチルスルホン酸ナトリウム、1−エチルプロピルスルホン酸ナトリウム、ノルマルヘキシルスルホン酸ナトリウム、1、2−ジメチルプロピルスルホン酸ナトリウム、2−エチルブチルスルホン酸ナトリウム、シクロヘキシルスルホン酸ナトリウム、ノルマルヘプチルスルホン酸ナトリウム、ノルマルオクチルスルホン酸ナトリウム、tert−オクチルスルホン酸ナトリウム、ノルマルノニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、2−メチルアリルスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム、1,3−ベンゼンジスルホン酸ジナトリウム、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸トリナトリウム、p−クロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、1−ナフチルスルホン酸ナトリウム、2−ナフチルスルホン酸ナトリウム、4−ヒドロキシナフチルスルホン酸ナトリウム、1,5−ナフチルジスルホン酸ジナトリウム、2,6−ナフチルジスルホン酸ジナトリウム、1,3,6−ナフチルトリスルホン酸トリナトリウム、及びこれらのリチウム塩交換体などが挙げられる。
有機スルファミン酸塩の具体的な化合物としては、ノルマルブチルスルファミン酸ナトリウム、イソブチルスルファミン酸ナトリウム、tert−ブチルスルファミン酸ナトリウム、ノルマルペンチルスルファミン酸ナトリウム、1−エチルプロピルスルファミン酸ナトリウム、ノルマルヘキシルスルファミン酸ナトリウム、1、2−ジメチルプロピルスルファミン酸ナトリウム、2−エチルブチルスルファミン酸ナトリウム、シクロヘキシルスルファミン酸ナトリウム、及びこれらのリチウム塩交換体などが挙げられる。
これらの化合物は疎水性部分の構造が小さくて界面活性作用がほとんどなく、長鎖アルキルスルホン酸塩や長鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩などが良好に用いられる前述の界面活性剤とは明確に区別される。
有機硫酸塩としては、特に下記一般式(iii)で示される化合物が好ましく使用される。
Figure 0004997201
記一般式(iii)中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又は複素環基を表し、mは1〜4の整数を表し、Xはナトリウム、カリウム又はリチウムを表す
Rは、好ましくは、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数20以下のアリール基が挙げられる。これらの基はさらに置換基を有していてもよく、その場合、導入可能な置換基としては、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、ハロゲン原子、炭素数20以下のアリール基が挙げられる。
一般式(iii)で表される化合物の好ましい例としては、オキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸カリウム、ジオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸リチウム、トリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、テトラオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオキシエチレンヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオキシエチレンオクチルエーテル硫酸ナトリウム、ジオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、最も好ましい化合物としては、ジオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸カリウム、ジオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル硫酸リチウムが挙げられる。
低分子親水性化合物の画像形成層への添加量は、好ましくは画像形成層全固形分量の0.5〜20質量%、より好ましくは1質量〜10質量%であり、さらに好ましくは2〜8質量%である。この範囲で良好な現像性と耐刷性が得られる。
低分子親水性化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(9)感脂化剤
本発明の平版印刷版原版では、着肉性向上のため、画像形成層及び/又は保護層に感脂化剤としてホスホニウム化合物を添加することができる。好適なホスホニウム化合物としては、特開2006−297907号に記載の下記一般式(iv)又は特開2007−50660号に記載の下記一般式(v)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004997201
一般式(iv)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、複素環基又は水素原子を表す。R1〜R4の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。Xはカウンターアニオンを示す。
一般式(v)において、Ar1〜Ar6は、各々独立してアリール基又は複素環基を表し、Lは2価の連結基を表し、Xn−はn価のカウンターアニオンを表し、nは1〜3の整数を表し、mはn x m=2を満たす数を表す。ここでアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ジメチルアミノフェニル基などが好適なものとして挙げられる。複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、ピリミジニル基、チエニル基、フリル基などが挙げられる。Lは2価の連結基を表す。連結基中の炭素数は6〜15が好ましく、より好ましくは、炭素数6〜12である。Xn−の好ましいものとしては、Cl、Br、Iなどのハロゲン化物アニオン、トルエンスルホナート、ナフタレン−1,7−ジスルホナート、ナフタレン−1,3,6−トリスルホナート、5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシベンゼン−4−スルホナートなどのスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、硫酸エステルアニオン、PF 、BF 、過塩素酸アニオンなどが挙げられる。なかでも、スルホン酸アニオンが特に好ましい。
上記一般式(iv)又は(v)で表されるホスホニウム化合物の具体例を以下に示す。
Figure 0004997201
感脂化剤としてはホスホニウム化合物の他に、含窒素化合物も好適なものとして挙げられる。好ましい含窒素化合物としては下記一般式(I)の構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0004997201
式中、R1〜R4は、それぞれ独立に置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、複素環基又は水素原子を表す。R1〜R4の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。Xはアニオンであり、PF 、BF 、又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基ならびに複素環基から選ばれる置換基を有する有機スルホン酸アニオンを示す。
すなわち本発明の含窒素化合物は、R1〜R4の少なくとも1つが水素原子であるアミン塩類、R1〜R4がいずれも水素原子でない第4級アンモニウム塩類でもよく、また下記一般式(II)で示されるイミダゾリニウム塩類、下記一般式(III)で示されるベンゾイミダゾリニウム塩類、下記一般式(IV)で示されるピリジニウム塩類、下記一般式(V)で示されるキノリニウム塩類の構造でもよい。
Figure 0004997201
上記式中、RとRは、置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、複素環基又は水素原子を表す。Xは前記同様、アニオンであり、PF 、BF 、又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基ならびに複素環基から選ばれる置換基を有する有機スルホン酸アニオンを示す。
これらの中でも、第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類が好ましく用いられる。
第4級アンモニウム塩類の具体例を以下に示す。
Figure 0004997201
ピリジニウム塩類の具体例を以下に示す。
Figure 0004997201
画像形成層又は保護層への感脂化剤の添加量としては、各層の固形分中0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%がもっとも好ましい。これらの範囲内で良好なインキ着肉性が得られる。
(10)共増感剤
本発明の画像記録層には、感度を一層向上させる、または酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する連鎖移動剤または共増感剤などと呼ばれる公知の化合物を加えてもよい。
この様な化合物の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号、特開昭51−82102号、特開昭52−134692号、特開昭59−138205号、特開昭60−84305号、特開昭62−18537号、特開昭64−33104号、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、N−フェニルグリシン、N−フェニルアスパラギン酸、およびp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等のN,N−ジアルキルアニリン誘導体等が挙げられる。
連鎖移動剤として作用する別の例としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が挙げられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、または、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。
本発明の画像記録層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類等)を連鎖移動剤として好ましく用いることができる。
なかでも、特開2006−091479号等に記載の下記一般式(VI)で表されるチオール化合物が特に好適に使用される。連鎖移動剤としてこのチオール化合物を用いることによって、臭気の問題、および画像記録層から蒸発や他の層への拡散による感度減少を回避し、保存安定性に優れ、さらには高感度で高耐刷の平版印刷版原版が得られる。
Figure 0004997201
一般式(VI)中、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を表し、AはN=C−N部分と共に炭素原子を有する5員環または6員環の複素環を形成する原子団を表し、Aはさらに置換基を有してもよい。
さらに好ましくは下記一般式(VIA)または一般式(VIB)で表されるものが使用される。
Figure 0004997201
一般式(VIA)および式(VIB)中、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を表す。
具体的化合例としては、1−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−プロピル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−ヘキシル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−ヘキシル−2−メルカプト−5−クロルベンゾイミダゾール、1−ペンチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−オクチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−オクチル−2−メルカプト−5−メトキシベンゾイミダゾール、1−シクロヘキシル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−メルカプト−5−メチルスルホニルベンゾイミダゾール、1−(p−トリル)−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−メトキシエチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−ブチル−2−メルカプトナフトイミダゾール、1−メチル−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−ブチル−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−ヘプチル−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−フェニル−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−ベンジル−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−フェネチル−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−シクロヘキシルル−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−フェネチル−2−メルカプト−5−(3−フルオロフェニル)−1,3,5−トリアゾール、1−フェネチル−2−メルカプト−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1,3,5−トリアゾール、1−ベンジル−2−メルカプト−5−(p−トリル)−1,3,5−トリアゾール、1−ベンジル−2−メルカプト−5−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアゾール、1−ベンジル−2−メルカプト−5−(p−トリフルオロメチルフェニル)−1,3,5−トリアゾール、1−ベンジル−2−メルカプト−5−(3,5−ジクロロフェニル)−1,3,5−トリアゾール、1−フェニル−2−メルカプト−5−(p−トリル)−1,3,5−トリアゾール、1−フェニル−2−メルカプト−5−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアゾール、1−(1−ナフチル)−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−(4−ブロモフェニル)−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、1−(4−トリフルオロフェニル)−2−メルカプト−5−フェニル−1,3,5−トリアゾール、6−ブロモ−2−メルカプト−ベンゾイミダゾール、などが挙げられる。
これらの増感剤あるいは連鎖移動剤の使用量は画像形成層の全固形分に対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%である。さらに好ましくは1.0〜10質量%である。
<画像形成層の形成>
本発明における画像形成層は、必要な上記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥することで形成される。
ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明における画像形成層は、同一又は異なる上記各成分を同一又は異なる溶剤に分散又は溶解した塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して、多層構造の画像形成層を形成することも可能である。
塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像形成層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/mが好ましい。この範囲で、良好な感度と画像形成層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布
、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等が挙げられる。
(保護層)
本発明の平版印刷版原版は、画像形成層の上に保護層(オーバーコート層)を備えることが好ましい。
保護層は酸素遮断によって画像形成阻害反応を抑制する機能の他、画像形成層での傷の発生防止、高照度レーザー露光時のアブレーション防止などの機能も有する。
以下、保護層を構成する成分等について説明する。
通常、平版印刷版の露光処理は大気中で実施する。露光処理によって生じる画像形成層中での画像形成反応は、大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物によって阻害され得る。保護層は、この酸素、塩基性物質等の低分子化合物が画像形成層へ混入することを防止し、結果として大気中での画像形成阻害反応を抑制する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性を低くすることであり、さらに、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像形成層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像処理工程で容易に除去することができるものである。このような特性を有する保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号及び特公昭55−49729号に記載されている。
保護層に用いられる材料としては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、水溶性セルロース誘導体、ゼラチン、デンプン誘導体、アラビアゴム等の水溶性ポリマーや、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、セロハン等のポリマー等が挙げられる。
これらは、必要に応じて2種以上を併用して用いることもできる。
上記材料中で比較的有用な素材としては、結晶性に優れる水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸等の水溶性アクリル樹脂、ゼラチン、アラビアゴム等が好適であり、なかでも、水を溶媒として塗布可能であり、かつ、印刷時における湿し水により容易に除去されるという観点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾールが好ましい。その中でも、ポリビニルアルコール(PVA)は、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。
保護層に用い得るポリビニルアルコールは、必要な水溶性を有する実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有するかぎり、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を含有していてもよい。例えば、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性部位、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、さらにはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等も好ましく用いられる。
これらの中でもアニオン変性ポリビニルアルコールが、本発明の現像液中での分散安定
性が良好であり最も好ましい。このアニオン変性ポリビニルアルコールは、保護層全固形分中の10〜50質量%含有することが好ましく、20〜40質量%含有することがより好ましい。
これらポリビニルアルコールは加水分解71〜100モル%、重合度300〜2400の範囲の化合物が好適に挙げられる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105,PVA−110,PVA−117,PVA−117H,PVA−120,PVA−124,PVA−124H,PVA−CS,PVA−CST,PVA−HC,PVA−203,PVA−204,PVA−205,PVA−210,PVA−217,PVA−220,PVA−224,PVA−217EE,PVA−217E,PVA−220E,PVA−224E,PVA−405,PVA−420,PVA−613,L−8等が挙げられる。
また、変性ポリビニルアルコールとしては、アニオン変性部位を有すKL−318、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、CKS−50、カチオン変性部位を有すC−318、C−118、CM−318、末端チオール変性部位を有すM−205、M−115、末端スルフィド変性部位を有すMP−103、MP−203、MP−102、MP−202、高級脂肪酸とのエステル変性部位を末端に有すHL−12E、HL−1203、その他反応性シラン変性部位を有すR−1130、R−2105、R−2130等が挙げられる。
また、保護層には無機質の層状化合物、すなわち、無機化合物であって層状構造を有し、かつ、平板状の形状を有する化合物を含有することが好ましい。このような無機質の層状化合物を併用することにより、酸素遮断性はさらに高まり、また、保護層の膜強度が一層向上して耐キズ性が向上する他、保護層にマット性を付与することができる。
無機質の層状化合物としては、例えば、式:A(B,C)2−510(OH,F,O)〔ただし、AはLi,K,Na,Ca,Mg,有機カチオンの何れか、B及びCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSi又はAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式:3MgO・4SiO・HOで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
雲母化合物のうち、天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母及び鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg(AlSi10)F、カリ四ケイ素雲母KMg2.5Si10)F等の非膨潤性雲母、及びNaテトラシリリックマイカNaMg2.5(Si10)F、Na又はLiテニオライト(Na,Li)MgLi(Si10)F、モンモリロナイト系のNa又はLiヘクトライト(Na,Li)1/8Mg2/5Li1/8(Si10)F等の膨潤性雲母等が挙げられる。また合成スメクタイトも有用である。
上記雲母化合物の中でも、合成の層状化合物であるフッ素系の膨潤性雲母が特に有用である。すなわち、雲母、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト等の膨潤性粘土鉱物類等は、10〜15Å程度の厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘度鉱物より著しく大きい。その結果、格子層は正電荷不足を生じ、それを補償するために層間にLi、Na、Ca2+、Mg2+、アミン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩等の有機カチオンの陽イオンを吸着している。これらの層状化合物は水により膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。ベントナイト及び膨潤性合成雲母はこの傾向が強く、本発明に有用であり、特に、入手容易性、品質の均一性の観点から、膨潤性合成雲母が好ましく用いられる。
層状化合物の形状は平板状であり、拡散制御の観点からは、その厚さは薄ければ薄いほ
どよく、平面サイズは塗布面の平滑性や活性光線の透過性を阻害しない限りにおいて大きいほどよい。従って、アスペクト比は20以上であり、好ましくは100以上、特に好ましくは200以上である。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、たとえば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
層状化合物の粒子径は、その平均長径が0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜5μmである。粒子径が0.3μmよりも小さいと酸素や水分の透過の抑制が不十分であり、効果を十分に発揮できない。また20μmよりも大きいと塗布液中での分散安定性が不十分であり、安定的な塗布を行うことができない問題が生じる。また、粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度である。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止しうるため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
次に、層状化合物を保護層に用いる場合の一般的な分散方法の例について述べる。
まず、水100質量部に先に層状化合物の好ましいものとして挙げた膨潤性の層状化合物を5〜10質量部添加し、充分水になじませ、膨潤させた後、分散機にかけて分散する。ここで用いる分散機としては、機械的に直接力を加えて分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミル、ホモジナイザー、ティゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等が挙げられる。上記の方法で分散した無機質層状化合物5〜10質量%の分散物は高粘度あるいはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。
この分散物を用いて保護層用塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、バインダー溶液と配合して調製するのが好ましい。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、質量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計量が上記の質量比に適合することが好ましい。
保護層の他の添加物として、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、ソルビトール等を前記水溶性又は水不溶性ポリマーに対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができる。また、皮膜の物性改良のため水溶性の(メタ)アクリル系ポリマー、水溶性可塑剤などの公知の添加剤を加えることができる。
さらに、本発明における保護層は後述のような保護層用塗布液を用いて形成されるが、この塗布液には、画像形成層との密着性、塗布液の経時安定性を向上するための公知の添加剤を加えてもよい。
すなわち、保護層用塗布液には、塗布性を向上させためのアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、具体的には、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカル
ボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の添加量は前記水溶性又は水不溶性ポリマーに対して0.1〜100質量%添加することができる。
また、画像部との密着性を良化させるため、例えば、特開昭49−70702号及び英国特許出願公開第1303578号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルション、水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体等を20〜60質量%混合させ、画像形成層上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明においては、これらの公知の技術をいずれも用いることができる。
さらに、保護層には、他の機能を付与することもできる。例えば、露光に用いられる赤外線の透過性に優れ、かつ、それ以外の波長の光を効率よく吸収しうる、着色剤(例えば、水溶性染料)の添加により、感度低下を引き起こすことなく、セーフライト適性を向上させることができる。
保護層の形成は、上記保護層成分を溶媒に分散又は溶解して調製された保護層用塗布液を、画像形成層上に塗布、乾燥して行われる。
塗布溶剤は、バインダーとの関連において適宜選択することができるが、水溶性ポリマーを用いる場合には、蒸留水、精製水を用いることが好ましい。
保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、米国特許第3,458,311号又は特公昭55−49729号に記載されている方法など公知の方法を適用することができる。
具体的には、例えば、保護層を形成する際には、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等が用いられる。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.02〜3g/mの範囲であることが好ましく、0.05〜1g/mの範囲がより好ましく、最も好ましくは0.1〜0.4g/mの範囲である。
(支持体)
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上及び画像形成層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。これらの中でも硫酸、シュウ酸、リン酸が好ましく、リン酸が更に好ましい。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/mであるのが好ましく、1.5〜4.0g/mであるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などを一層改良するため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、及び親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろん、これら拡大処理、封孔処理はこれらに記載のものに限られたものではなく従来公知の何れも方法も行うことができる。例えば、封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔でも可能である。
本発明に用いられる封孔処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理及び熱水による封孔処理が好ましい。以下詳細に説明する。
<1>無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。なかでも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、陽極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を十分に行う点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上であるのがより好ましく、また、耐汚れ性の点で、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液は、さらに、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい。リン酸塩化合物を含有すると、陽極酸化皮膜の表面の親水性が向上するため、現像性及び耐汚れ性を向上させることができる。
リン酸塩化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸塩が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。なかでも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組み合わせは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有するのが好ましい。
水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、現像性及び耐汚れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、また、溶解性の点で、20質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
水溶液中の各化合物の割合は、特に限定されないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の質量比が、1/200〜10/1であるのが好ましく、1/30〜2/1であるのがより好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回又は複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<2>水蒸気による封孔処理
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧又は常圧の水蒸気を連続的に又は非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×10〜1.043×10Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<3>熱水による封孔処理
熱水による封孔処理としては、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸漬させる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)又は有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
前記親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理又は電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,136,636号に記載されているようなポリアクリル酸で処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。これらの中でもアルカリ金属シリケート処理やポリビニルホスホン酸処理が好ましく、ポリビニルホスホン酸処理が更に好ましい。
本発明における支持体として、ポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特開2001−199175号に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解及び縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。なかでも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明における支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側又は反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止
層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像形成層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましい。
(バックコート層)
支持体に表面処理を施した後又は下塗り層(後述)を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。なかでも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
(下塗り層)
本発明に用いられる平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像形成層と支持体との間に下塗り層を設けることができる。
下塗り層は、未露光部において、画像形成層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。また、赤外レーザー露光の場合は、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散せず効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。
下塗り層用化合物としては、具体的には、特開平10−282679号に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号に記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
下塗り層に用いられる化合物は、支持体表面への吸着性を有することが好ましい。支持体表面への吸着性の有無に関しては、例えば、以下のような方法で判断できる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布夜を作製し、その塗布夜を乾燥後の塗布量が30mg/mとなるように支持体上に塗布・乾燥させる。次に、試験化合物を塗布した支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量は、例えば、蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定などで実施できる。支持体吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても1mg/m以上残存する化合物である。
下塗り層に用いられる化合物に、支持体表面への吸着性を付与するには、基板吸着性基(以下では単に吸着性基ともいう)の導入により行うことができる。吸着性基は、支持体表面に存在する物質(例えば、金属、金属酸化物)、あるいは官能基(例えば、ヒドロキシ基)と、化学結合(例えば、イオン結合、水素結合、配位結合、分子間力による結合)を引き起こすことができる官能基である。吸着性基は、酸基又はカチオン性基が好ましい。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例は、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシル基、−SOH、−OSOH、−PO、−OPO、−CONHSO−、−SONHSO、−COCHCOCHが挙げられる。なかでも、−OPO、及び−POが特に好ましい。またこれら酸基は、金属塩であっても構わない。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例は、アンモニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基が挙げられる。なかでも、アンモニウム基、ホスホニウム基及びスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基及びホスホニウム基がさらに好ましく、アンモニウム基が最も好ましい。
下塗り層用化合物として好適な高分子化合物を合成する際に用いられる、吸着性基を有するモノマーの好ましい例としては、下記一般式(U1)又は一般式(U2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004997201
一般式(U1)及び(U2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基を表す。
、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数が1乃至3のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子又はメチル基であることが最も好ましい。R及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
Zは、支持体表面に吸着する官能基であり、前記吸着性基を含む。
Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
Lは、2価の脂肪族基(アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(アリレン基、置換アリレン基)又は2価の複素環基であるか、あるいはそれらと、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ(−NH−)、置換イミノ(−NR−、Rは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)又はカルボニル(−CO−)との組み合わせであることが好ましい。
前記2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。2価の脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至15がさらに好ましく、1乃至10が最も好ましい。また、2価の脂肪族基は、不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。さらに、2価の脂肪族基は、置換基を有していてもよく、その置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、芳香族基、複素環基が挙げられる。
前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6乃至20が好ましく、6乃至15がさらに好ましく、6乃至10が最も好ましい。また、2価の芳香族基は、置換基を有していてもよく、その置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環基が挙げられる。
前記2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。また、複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。2価の複素環基は、置換基をしていてもよく、その置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、Rは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基、複素環基が挙げられる。
Lは、複数のポリオキシアルキレン構造を含む二価の連結基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン構造は、ポリオキシエチレン構造であることがさらに好ましい。言い換えると、Lは、−(OCHCH−(nは2以上の整数)を含むことが好ましい。
一般式(U1)において、Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ(−NH−)を表す。 Xは、酸素原子であることが好ましい。
一般式(U2)において、Yは炭素原子又は窒素原子を表す。Yが窒素原子でY上にLが連結し四級ピリジニウム基になった場合、それ自体が吸着性を示すことからZは必須ではなく、Zが水素原子でもよい。
以下に、一般式(U1)又は一般式(U2)で表される代表的な化合物の例を示す。
Figure 0004997201
下塗り層に用いられる化合物は、親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホ基、リン酸基等が好適に挙げられる。なかでも、高親水性を示すスルホ基が好ましい。
スルホ基を有するモノマーの具体例としては、メタリルオキシベンゼンスルホン酸,アリルオキシベンゼンスルホン酸,アリルスルホン酸、ビニルスルホン
酸、p−スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミドt−ブチルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(3−アクリロイルオキシプロピル)ブチルスルホン酸のナトリウム塩、アミン塩が挙げられる。なかでも、親水性能及び合成の取り扱いから、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
下塗り層に用いられる化合物は、架橋性基を有することが好ましい。架橋性基によって画像部との密着性の向上が得られる。下塗り層に用いられる化合物に架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子化合物の側鎖中に導入したり、高分子化合物の極性置換基と対荷電を有する置換基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物とで塩構造を形成させたりして導入することができる。
側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又は−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−CH=CH、−C(CH)=CH、−(CHCR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CHNH−CO−O−CHCR=CR、−(CH−O−CO−CR=CR、及び(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、RとR又はRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH=CH、−C(CH)=CH、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCHNHCOO−CHCH=CH、及びCHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH=CH、−C(CH)=CH、−CHCH=CH、−CHCHO−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CHCHOCO−CH=CHが挙げられる。
下塗り層用の高分子化合物の架橋性基を有するモノマーとしては、上記架橋性基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドが好適である。
下塗り層用化合物中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、化合物1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と汚れ性の両立、及び良好な保存安定性が得られる。
本発明において好ましい下塗り層用化合物としては、基板吸着性基及び架橋性基を有する化合物が挙げられる。かかる化合物は、少なくとも吸着性基を有するモノマー及び架橋性基を有するモノマーを重合して得る化合物を包含する。
下塗り層用の高分子化合物は、質量平均モル質量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均モル質量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均モル質量/数平均モル質量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
下塗り層用の高分子化合物は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
下塗り用の化合物は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
下塗り層用塗布液は、上記下塗り用の化合物を有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンなど)及び/又は水に溶解して得られる。
下塗り層用塗布液には、赤外線吸収剤を含有させることもできる。
下塗り層用塗布液を支持体に塗布する方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mであるのが好ましく、1〜30mg/mであるのがより好ましい。
上記の如く作製された平版印刷版は、印刷機の版胴に装着され、湿し水と印刷インキとが供給されることにより多数枚の印刷物を提供することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<本発明のポリマー粒子の合成及び画像形成層塗布液に使用される化学物質の用語解説>・BYK 336:Byk-Chemie USA Inc.(Wallingford, Connecticut)から入手可能な、改質ジメチルポリシロキサンコポリマーの25質量%キシレン/メトキシプロピルアセテート溶液
・DESMODUR N100:Bayer Corp.(Milford, Connecticut)から入手可能な、ヘキサメチレンジイソシアネートを主剤とする脂肪族ポリイソシアネート樹脂)
・ELVACITE 4026:Lucite International, Inc.(Cordova, Tennessee)から入手可能な高分枝状ポリ(メチルメタクリレート)の10質量%2-ブタノン溶液
・ヒドロキシプロピルセルロース: 和光純薬工業製のヒドロキシプロピルセルロースの2%水溶液 1,000〜4,000cP
・メルカプト-3-トリアゾール:PCAS(フランス国Paris)から入手可能なメルカプト-3-トリアゾール-1H,2,4
・PEGMA:Sigma-Aldrich Corp.(St. Louis, Missouri)から入手可能なポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレートの50質量%水溶液、平均Mn〜2080
・SARTOMER 355:サートマー・ジャパンから入手可能なジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
・ウレタンアクリレート:DESMODUR N100とヒドロキシエチルアクリレート及びペンタエリトリトールトリアクリレートとの反応により得られるウレタンアクリレートの80質量%2-ブタノン溶液
・V-601:和光純薬工業製の2,2'-アゾビス(2-メチルプロパン酸ジメチル)
<本発明のポリマー微粒子1の合成>
54 gのn-プロパノールと16 gの脱イオン水との混合物を250 mLフラスコに入れ、70℃まで加熱し、N2ガスの定常流でパージし、機械的撹拌器で撹拌した。
54 gのn-プロパノール、16 gの脱イオン水、10 gのPEGMA、4.5 gのスチレン、40.5 gのアクリロニトリル及び0.32 gのV-601の混合物を別のビーカーに準備し、次いでこの混合物を30分間にわたって上記250 mLフラスコに滴下した。2.5時間後、反応混合物に0.16 gのV-601を添加した。重合反応をさらに2時間行った。得られたポリマー溶液は、21質量%のポリマー微粒子1を含有していた。
得られたポリマー微粒子1の粒子サイズを、堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒度分
布測定装置LA-910を使用して測定したところ、ma(面積分布の平均直径)が364nm、mv(容積分布の平均直径;分布の重心)が440nmであった。
また、テトラヒドロフラン中で、ゲル透過クロマトグラフィを用いて分子量を測定したところ、M(質量平均モル質量)は12.9万であった。
<本発明のポリマー微粒子2の合成>
54 gのn-プロパノールと16 gの脱イオン水との混合物を250 mLフラスコ内に装入し、これを70℃まで加熱し、N2ガスの定常流でパージし、そして機械的撹拌器で撹拌した。54 gのn-プロパノール、16 gの脱イオン水、10 gのPEGMA、6.75 gのスチレン、38.25 gのアクリロニトリル、及び0.48 gのV-601の混合物を別個のビーカー内に準備し、そしてこれを30分間にわたって250 mLフラスコに液滴状に添加した。2.5時間後、反応混合物に0.16 gのV-601を添加した。重合反応は全部で19時間続いた。結果として生じたポリマー溶液は、24質量%固形分のポリマー微粒子2を含有していた。
<本発明のポリマー微粒子3の合成>
54 gのn-プロパノールと16 gの脱イオン水との混合物を250 mLフラスコに入れ、70℃まで加熱し、N2ガスの定常流でパージし、機械的撹拌器で撹拌した。54 gのn-プロパノール、16 gの脱イオン水、10 gのPEGMA、13.5 gのスチレン、31.5 gのアクリロニトリル及び0.48 gのV-601の混合物を別のビーカー内に準備し、この混合物を30分間にわたって上記250 mLフラスコに滴下した。2.5時間後、反応混合物に0.16 gのV-601を添加した。重合反応をさらに2時間行った。得られたポリマー溶液は、21.7質量%のポリマー微粒子3を含有していた。
得られたポリマー微粒子3の粒子サイズを前記方法で測定したところ、ma=617nm、mv=670nmであった。
<本発明のポリマー微粒子4の合成>
190 gの脱イオン水と200 gのn-プロパノールとの混合物中に溶解させた20 gのPEGMAの溶液を、1000 mL四つ口フラスコ内に入れ、N2雰囲気下でわずかに還流するまで(〜73℃)ゆっくりと加熱した。これにスチレン(9 g)、アクリロニトリル(81 g)及びV-601(0.7 g)の混合物を、2時間にわたって添加した。6時間後、V-601(0.5 g)をさらに添加した。温度を80℃まで上昇させた。続いて、V-601をさらにもう2回(それぞれ0.35 g) 3時間毎に添加した。全部で19時間反応させた。コポリマーへの変換率は、不揮発分パーセントの測定に基づいて、>98質量%であった。PEGMA/スチレン/アクリロニトリルの質量比は、10:9:81であり、n-プロパノール/水の比は、50:50であった。溶液中の残留アクリロニトリルは、1H-NMRによる測定に基づいて、0.08質量%であった。
得られたポリマー微粒子4の粒子サイズと分子量とを前記方法で測定したところ、ma=188nm、mv=225nm、Mw=19.3万であった。
<本発明のポリマー微粒子5の合成>
74.8 gの脱イオン水と241.4 gのn-プロパノールとの混合物中に溶解させた20 gのPEGMAの溶液を、1000 mL四つ口フラスコ内に入れ、N2雰囲気下でわずかに還流するまで(76℃)ゆっくりと加熱した。これにスチレン(20 g)、アクリロニトリル(70 g)及びV-601(0.7 g)の混合物を、2時間にわたって添加した。6時間後、V-601(0.5 g)をさらに添加した。温度を80℃まで上昇させた。続いて、V-601をさらにもう2回(それぞれ0.35 g)3時間毎に添加した。全部で19時間反応させた。コポリマーへの変換率は、不揮発分パーセントの測定に基づいて、>98質量%であった。PEGMA/スチレン/アクリロニトリルの質量比は、10:20:70であり、n-プロパノール/水の比は、76:24であった。溶液中の残留アクリロニトリルは、1H-NMRによる測定に基づいて、0.5質量%であった。
<本発明のポリマー微粒子6の合成>
50 gの水と2.5 gのPEGMAとの混合物を、磁気撹拌器、温度調節器、添加漏斗及びN2導入口を備えた250 mL三つ口フラスコ内入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。
これに、2.1 gのメタクリロニトリルを含有する第1のモノマーを添加し、続いて、0.05 gの過硫酸アンモニウムを添加した。混合物を約30分間にわたって70℃で撹拌し、そしてさらに0.05 gの過硫酸アンモニウムを添加した。17 gのメタクリロニトリル、13 gのn-プロパノール及び1.9 gのスチレンを含有する第2のモノマー混合物を、2時間にわたってゆっくりと添加した。0.05 gの過硫酸アンモニウムを添加し、混合物を70℃で一晩(〜20時間)撹拌した。得られたポリマー溶液は、13.7質量%のポリマー微粒子6を含有していた。
得られたポリマー微粒子6の粒子サイズと分子量とを前記方法で測定したところ、ma=282nm、mv=371nmであり、分子量は2つのピークを有す分布を示し、それぞれMw=12.3万、68.3万であった。
<本発明のポリマー微粒子7の合成>
1.25 gのPEGMAを、磁気撹拌器、添加漏斗及びN2導入口を備えた50 mL三つ口フラスコに、0.05 gの過硫酸アンモニウム、10 gの水及び10 gのn-プロパノールの混合物を入れ、N2雰囲気下で70℃まで加熱した。1.0 gのスチレンと4.0 gのメタクリロニトリルとを含有する溶液を、撹拌しながら1.5時間で、添加漏斗を介して三つ口フラスコにゆっくりと添加し、温度を約70℃で維持した。5時間後、0.04 gの過硫酸アンモニウムをさらに添加した。反応物を70℃で一晩(〜20時間)撹拌した。得られたポリマー溶液は、15.6質量%分のポリマー微粒子7を含有していた。
得られたポリマー微粒子7の粒子サイズと分子量とを前記方法で測定したところ、ma=423nm、mv=724nmであり、分子量は2つのピークを有す分布を示し、それぞれMw=5.7万、71.6万であった。
<比較ポリマー微粒子1の合成>
15 gのPEGMA、48 gの水及び192 gの1-プロパノールの混合物を、500 mLフラスコに入れ、80℃まで加熱した。別のビーカー内で、66.9 gのスチレンと0.48 gのV-601とを混合し、この溶液の一部(12 g)を、上記フラスコ内の混合物に添加した。混合物は約10分以内で濁ってきた。続いて、残りの溶液を30分間にわたってフラスコに添加した。さらに3時間後に、得られたポリマー溶液は、25質量%の比較例用ポリマー微粒子1を含有していた。
得られた比較例用のポリマー微粒子1の粒子サイズと分子量とを前記方法で測定したところ、ma=268nm、mv=335nm、Mw=15.7万であった。
<比較ポリマー微粒子2の合成>
54 gのn-プロパノールと16 gの脱イオン水との混合物を、250 mLフラスコに入れ、70℃まで加熱し、N2ガスの定常流でパージし、機械的撹拌器で撹拌した。54 gのn-プロパノール、16 gの脱イオン水、0.8 gのパイオニンA-41C(竹本油脂(株)製)、6.75 gのスチレン、38.25 gのアクリロニトリル及び0.48 gのV-601の混合物を別のビーカー内に準備し、これを30分間にわたって上記250 mLフラスコに滴下した。2.5時間後、反応混合物に0.16 gのV-601を添加した。重合反応は全部で19時間行った。得られたたポリマー溶液は、22.5質量%の比較ポリマー微粒子2を含有していた。
<その他のバインダーポリマー2の合成>
2-ブタノン(384.1 g)及び8.5 gのPEGMAを、N2雰囲気下で1L四つ口フラスコ内に入れ、80℃まで加熱した。これに、アリルメタクリレート(38.0 g)とV-601(0.3 g)との混合物を、90分間にわたって80℃で添加した。添加完了後、V-601をさらに0.13 g添加した。その後、0.13gのV-601をさらに2回添加した。不揮発分パーセントに基づくポリマー変換率は
、>98質量%であった。
得られたその他のバインダーポリマー2の分子量を前記方法で測定したところ、Mw=4.5万であった。
[実施例1〜33及び比較例1〜15]
<平版印刷版原版(1)の作製>
(1)支持体(1)の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
続いて、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。
更に、100℃の水蒸気を1.033
次に、この板に15質量%硫酸×10Paの圧力で上記の陽極酸化皮膜に8秒間吹き付けて、封孔処理を行った。
その後、非画像部の親水性を確保するため、2.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて75℃で6秒間、シリケート処理を施した。Siの付着量は10mg/mであった。その後、水洗して、支持体(1)を得た。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
(2)下塗り層の形成
次に、上記支持体(1)上に、下記下塗り層用塗布液(1)を乾燥塗布量が20mg/mになるよう塗布して、下塗り層を有する支持体を作製した。
〔下塗り層用塗布液(1)〕
・下記構造の下塗り層用化合物(1) 0.18g
・メタノール 55.24g
・水 6.15g
Figure 0004997201
(3)画像形成層の形成
上記下塗り層上に、下記組成の画像形成層塗布液(1)をバー塗布した後、100℃60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/mの画像形成層を形成した。
画像形成層塗布液(1)は下記感光液(1)10.467gに対して、本発明のポリマー微粒子分散液1.00gを、表1に記載のように、塗布直前に混合し攪拌することにより調製した。
〔感光液(1)〕
・下記その他のバインダーポリマー(1) 0.240g
・下記赤外線吸収剤(1) 0.030g
・下記重合開始剤(A) 0.162g
・重合性化合物(トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート)
(NKエステルA−9300、新中村化学(株)製) 0.192g
・トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート 0.062g
・パイオニンA−20(竹本油脂(株)製) 0.055g
・ベンジル−ジメチル−オクチルアンモニウム・PF塩 0.018g
・下記フッ素系界面活性剤(1) 0.008g
・メチルエチルケトン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
Figure 0004997201
Figure 0004997201
(3)保護層の形成
上記画像形成層上に、下記組成の保護層塗布液(1)をバー塗布した後、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/mの保護層を形成して平版印刷版原版(1)を得た。
〔保護層用塗布液(1)〕
・下記無機質層状化合物分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製CKS50、スルホン酸変性、
ケン化度99モル%以上、 重合度300)6質量%水溶液 0.55g
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−405、ケン化度81.5モル%、
重合度500)6質量%水溶液 0.03g
・日本エマルジョン(株)製界面活性剤
(エマレックス710)1質量%水溶液 0.86g
・イオン交換水 6.0g
−無機質層状化合物分散液(1)の調製−
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
<平版印刷版原版(2)の作製>
(1)支持体(2)の作製
支持体(1)の作製において電気化学的粗面化処理までを行ったアルミニウム板を、2.5Mリン酸を電解液として、電圧50V、最大電流密度2A/dmで1.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。
続いて、100℃の水蒸気を1.033×10Paの圧力で上記の陽極酸化皮膜に15秒間吹き付けて、封孔処理を行った。
その後、液温25℃、1.0質量%のポリアクリル酸水溶液に8秒間浸漬し、水洗、乾燥して支持体(2)を得た。
(2)下塗り層、画像形成層及び保護層の形成
上記支持体(2)を用いて、画像形成層塗布液(1)を下記の画像形成層塗布液(2)に変更した以外は、平版印刷版原版(1)の場合と同様にして、下塗り層、画像形成層及び保護層を設けて平版印刷版原版(2)を得た。
画像形成層塗布液(2)は下記感光液(2)87.19gに対して、本発明のポリマー微粒子分散液10.0gを、表1中に記載のように、塗布直前に混合し攪拌することにより調製した。
〔感光液(2)〕
・その他のバインダーポリマー2 3.97g
・ウレタンアクリレート 2.48g
・下記重合開始剤(B) 0.32g
・下記赤外線吸収剤(2) 0.13g
・メルカプト−3−トリアゾール 1.00g
・BYK336 0.60g
・ヒドロキシプロピルセルロース 3.31g
・n−プロパノール 61.97g
・水 13.41g
Figure 0004997201
<平版印刷版原版(3)の作製>
(1)支持体(3)の作製
支持体(2)の作製におけるポリアクリル酸処理をポリビニルホスホン酸処理に変更した。すなわち、支持体(2)の作製におけるポリアクリル酸処理の手前までの処理を完了したアルミニウム板を、液温50℃、0.4質量%のポリビニルホスホン酸水溶液に10秒間浸漬し、水洗し、乾燥して支持体(3)を得た。
(2)画像形成層の形成
上記支持体(3)に下塗り層を設けることなく、下記の画像形成層塗布液(3)を塗布し、90℃90秒間、オーブン乾燥し乾燥塗布量1.5g/mの画像形成層を設けて平
版印刷版原版(3)を得た。平版印刷版原版(3)には保護層を設けなかった。
〔画像形成層塗布液(3)〕
・表1に記載の本発明のポリマー微粒子 13.79g
・ウレタンアクリレート 2.48g
・ELVACITE 4026 3.31g
・上記重合開始剤(B) 0.32g
・上記赤外線吸収剤(2) 0.13g
・メルカプト−3−トリアゾール 0.18g
・BYK336 0.60g
・ヒドロキシプロピルセルロース 3.30g
・SARTOMER 355 0.33g
・n−プロパノール 62.42g
・水 13.37g
<露光>
平版印刷版原版(1)〜(2)を赤外線半導体レーザー搭載の富士フイルム(株)製Luxel PLATESETTER T−6000IIIにて、外面ドラム回転数1000rpm、レーザー出力70%、解像度2400dpiの条件で露光した。
他方、平版印刷版原版(3)を赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力10Wで外面ドラム回転数150rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像にはそれぞれベタ画像及び細線画像を含むようにした。
<現像処理>
実施例1〜29及び比較例1〜15においては、露光済み原版を、図1に示す自動現像装置を使用して現像処理した。図1中、現像部14にて現像、水洗部16にて水洗、不感脂化処理部18にて不感脂化を、下記表1に記載のように、現像液、水洗水および不感脂化液を用いて行った。
現像液は、ADVANTEC社製カートリッジフィルター「TCW−75N−PPS」(メッシュ径:75μm)を通し、ポンプを用いて循環使用した。
実施例30〜33においては、露光済み原版を、図2に示す自動現像装置を使用して現像処理した後、ドライヤーで乾燥した。実施例30および32ではこの自動現像装置を単体で、実施例31および33については2台連結して用いた。
下記表1に、用いた現像液を示した。
<評価>
上記の現像処理による現像除去成分の版面再付着性と細線再現性とを下記の要領で評価した。評価結果を表1に示す。
(1)現像除去成分の版面再付着性
上記現像処理を行った後の平版印刷版表面を目視観察し、画像形成層の除去成分が再付着している程度を下記の指標で評価した。
A:除去成分の再付着が全くなく極めて良好。
B:ごく僅かに除去成分が観察されるが、ウェスなどで容易に除去可能で許容レベル。
C:除去成分多く、かつウェスで拭いても容易に除去出来ずNGレベル。
D:除去成分の再付着が極めて多く劣悪。
(2)細線再現性
現像処理後の平版印刷版を(株)小森コーポレーション製印刷機LITHRONE26の版胴に取り付けた。Ecolity−2(富士フイルム(株)製)/水道水=2/98(容量比)の湿し水とValues−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、LITHRONE26の標準自動印刷スタート方法で湿し水とインキとを供給して印刷を開始し、毎時10000枚の印刷速度で、特菱アート(76.5kg)紙に印刷を100枚行った。
上記現像処理で非画像部画像形成層の除去が所望の画像通りに行われているかどうかを評価する手法として、露光された細線画像(5μmから50μmまで5μmおきに白細線(画像部の中の細線状非画像部)の太さを変えたテストチャート)が印刷用紙上でどの太さの白細線まで再現できているかを、100枚目の印刷物を目視して再現している白細線の太さで評価した。すなわち、値が小さい方がより細い細線まで良好に現像されていることを表しており好ましい結果を示す。結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明の平版印刷版の作製方法を用いた実施例1〜33のいずれにおいても、現像除去成分の版面再付着が良好に抑止され、また細線再現性に優れた平版印刷版が得られることがわかる。
Figure 0004997201
Figure 0004997201
〔現像工程で用いた処理液の組成〕
<処理液1(pH:9.7)>
水 8329.8g
炭酸ナトリウム 130g
炭酸水素ナトリウム 70g
ニューコールB13 500g
(日本乳化剤(株)ポリオキシエチレン β-ナフチルエーテル)
アラビアガム 250g
ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ペノンJE66) 700g
燐酸第一アンモニウム 20g
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1g
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1g
<処理液2(pH:9.5)>
水 9109.8g
炭酸ナトリウム 200g
炭酸水素ナトリウム 140g
パイオニンD3110 450g
セルロース 150g
酵素分解デキストリン(日澱化学:アミコール) 600g
クエン酸 40g
燐酸第一アンモニウム 20g
プロピレングリコール 80g
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1g
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1g
Figure 0004997201
<処理液3(pH:9.5)>
水 8150g
炭酸ナトリウム 160g
炭酸水素ナトリウム 160g
パイオニンC157K(100%換算) 500g
ポリビニルピロリドン(日本触媒:ポリビニルピロリドン) 850g
ヘキサメタリン酸ソーダ 180g
Figure 0004997201
<処理液4(pH:9.9)>
水 9379.8g
炭酸ナトリウム 130g
炭酸水素ナトリウム 70g
ニューコールB13 500g
燐酸第一アンモニウム 20g
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1g
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1g
<比較例の水溶液1(pH:7.0)>
水 9379.8g
ニューコールB13 500g
燐酸第一アンモニウム 20g
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1g
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1g
<比較例の水溶液2(pH:11.9)>
水 8498.8g
炭酸カリウム 17g
KOH(48%) 14g
ニューコールB13 500g
アラビアガム 250g
ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ペノンJE66) 700g
燐酸第一アンモニウム 20g
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1g
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1g
〔水洗工程で用いた水洗水の水質〕
<新鮮水> :常に新しい水道水を使用。(再使用なし。)
<循環水> :ポンプを用いて循環する再使用水。一度水洗に使用後、ADVANTEC社製カートリッジフィルター「TCW−75N−PPS」(メッシュ径:75μm)を通したのち再使用。
〔不感脂化工程のガム液〕
富士フイルム(株)製ガム液「FN−6」を等量の水道水で希釈して使用。
[実施例34〜48、及び比較例16〜30]
<平版印刷版原版(4)の作製>
上記平版印刷版原版(1)の作製における感光液(1)を下記組成の感光液(4)に変更し、感光液(4)12.991gに対し、本発明のポリマー微粒子分散液を1.50gを、表2中に記載のように、使用した以外は平版印刷版原版(1)の作製と同様にして、平版印刷版用原版(4)を得た。
〔感光液(4)〕
・下記重合開始剤(1) 0.18g
・下記増感色素(1)(吸収極大波長;359nm) 0.06g
・上記その他のバインダー(1) 0.54g
・重合性化合物(アロニックスM−315、東亜合成(株)製)) 0.45g
・ロイコクリスタルバイオレット 0.20g
・熱重合禁止剤 0.01g
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・パイオニンA−20(竹本油脂(株)製) 0.05g
・上記フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
・メチルエチルケトン 3.50g
・1−メトキシー2−プロパノール 8.00g
Figure 0004997201
<露光>
平版印刷版原版(4)を、FFEI製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー(発光波長405nm±10nm/出力30mW)を搭載))により画像露光した。画像描画は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、版面露光量0.05mJ/cm2で行なった。
露光画像には上記ベタ画像及び細線画像を含むようにした。
<現像処理、評価>
実施例1〜33と同様にして、表2に示す現像処理と評価を行ったところ、表2に記載の結果が得られた。表2の結果から、本発明の平版印刷版の作製方法を用いた実施例34〜48のいずれにおいても、現像除去成分の版面再付着が良好に抑止され、また細線再現性に優れた平版印刷版が得られることがわかる。
Figure 0004997201
本発明に係る平版印刷版原版の自動現像装置の構成を示す図である。 本発明に係る現像部のみの自動現像装置の構成を示す図である。
符号の説明
(図1)
12 印刷版原版
14 現像部
16 水洗部
18 不感脂化処理部
20 乾燥部
24 現像槽
141,142 ブラシロール(擦り部材)
200 前処理部
(図2)
1 回転ブラシロール
2 受けロール
3 搬送ロール
4 搬送ガイド板
5 スプレーパイプ
6 管路
7 フィルター
8 給版台
9 排版台
10 現像液タンク
11 循環ポンプ
12 印刷版原版

Claims (14)

  1. 支持体上に、側鎖にポリアルキレンオキサイドセグメントを有する繰り返し単位と側鎖にシアノ基を有する繰り返し単位を含有するポリマー微粒子を含む画像形成層を有する平版印刷版の作製方法であって、下記工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
    (a)前記平版印刷版原版を画像様に露光する工程。
    (b)前記露光済みの平版印刷版原版を、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有するpH8.5〜10.5の水溶液で現像する工程。
  2. 前記現像工程(b)で用いられる水溶液が、更に水溶性高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版の作製方法。
  3. 前記水溶性高分子化合物が、アラビアガムまたは澱粉であることを特徴とする請求項2に記載の平版印刷版の作製方法。
  4. 前記現像工程(b)で用いられる水溶液が、更に界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  5. 前記現像工程(b)が、擦り部材を具備する自動処理機を用いて行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  6. 前記現像工程(b)を2回以上連続して行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  7. 前記現像工程(b)の後に、更に(c)現像済みの平版印刷版原版表面を水洗する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  8. 前記現像工程(b)で用いられる水溶液が、フィルターを通して繰り返し使用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  9. 前記画像形成層が、更に(A)増感色素、(B)重合開始剤及び(C)重合性化合物を含有し、前記露光工程(a)をレーザー照射により行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  10. 前記(A)増感色素が、水溶性のシアニン染料であり、前記(B)重合開始剤が水溶性のオニウム塩であることを特徴とする請求項9に記載の平版印刷版の作製方法。
  11. 前記平版印刷版原版が、前記画像形成層上に保護層を有し、前記保護層がアニオン変性ポリビニルアルコールを保護層の全固形分中10〜50質量%含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  12. 前記平版印刷版原版が、前記支持体と画像形成層の間に下塗り層を有し、前記下塗り層が基板吸着性基と架橋性基とを分子内に有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  13. 前記支持体が、リン酸を用いて陽極酸化処理された支持体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
  14. 前記支持体が、ポリビニルホスホン酸を用いて親水化処理された支持体であることを特
    徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の平版印刷版の作製方法。
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