JP4996898B2 - ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定構造の光酸発生剤と、活性光線または放射線の照射により特定構造の化合物を発生する化合物と、酸の作用によりアルカリ可溶性基を生じる基を含有する特定構造の低分子化合物とを組み合わせたレジスト組成物によって達成した。
即ち、本発明は下記の構成によって達成される。
(Z)一般式(Z−I)で表される構造を有するスルホニウムカチオンを有する化合物と、(T)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する分子量分布を有さない化合物であって、多価フェノール化合物における複数のフェノール性水酸基の少なくとも1つが酸分解性基で保護された化合物とを含むポジ型レジスト組成物であって、該化合物(T)の含有量が、該ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、60質量%〜99.0質量%であることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
一般式(Z−I)中、
Y1〜Y13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは単結合または2価の連結基を表す。
2.
前記多価フェノール化合物の分子量が400〜1500であることを特徴とする上記1に記載のポジ型レジスト組成物。
3.
(A)活性光線又は放射線の照射により下記一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物を含有する上記1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
Q1−X1−NH−X2−Q2 (A−I)
一般式(A−I)中、Q1及びQ2は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ2のいずれか一方は、プロトンアクセプター性官能基を含有する。Q1とQ2は、結合して環を形成し、形成された環がプロトンアクセプター性官能基を有してもよい。
X1及びX2は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
4.
一般式(A−I)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(A−II)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする上記3に記載のポジ型レジスト組成物。
Q1−X1−NH−X2−A−(X3)n−B−Q3 (A−II)
一般式(A−II)中、Q1及びQ3は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ3のいずれか一方は、プロトンアクセプター性官能基を含有する。Q1とQ3は、結合して環を形成し、形成された環がプロトンアクセプター性官能基を有してもよい。
X1、X2及びX3は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
Aは、2価の連結基を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Qx)−を表す。
Qxは、水素原子、又は一価の有機基を表す。
Bが−N(Qx)−の時、Q3とQxが結合して環を形成してもよい。
nは、0又は1を表す。
5.
一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物が、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のスルホニウム塩化合物、又は一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のヨードニウム塩化合物であることを特徴とする上記3又は4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
6.
一般式(Z−I)におけるZが単結合又はスルホン基であることを特徴とする上記1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
7.
化合物(T)が下記一般式(T−I)で示される構造を有する化合物であることを特徴とする上記1〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(T−I)中、
R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。複数のR2が結合して環を形成してもよい。複数のR3が結合して環を形成してもよい。複数のR4が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
R5及びR6は、各々独立に、水素原子または有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも1つは酸分解性基である。
Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基およびこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
xは正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
8.
一般式(T−I)で表される化合物が下記一般式(T−II)〜(T−IV)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする上記7に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(T−II)〜(T−IV)中、
R1、R2、R5、x、z、m1及びm2は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
R7は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR7が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR7は互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+x=3である。
rは正の整数を表す。
W0はアリーレン基を表す。
W1は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
Aは下記一般式(a)で表される構造を有する基を表す。
一般式(a)式中、R3、R4、R6、m4及びm5は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
9.
化合物(T)が下記一般式(T−V)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする上記1〜8のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(T−V)中、R1、R2、R3、R5、m4、m5及びxは、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
10.
上記1〜9のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物を基板に塗布してレジスト膜を得た後、露光及び現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
11.
前記露光が電子線またはEUV光による露光であることを特徴とする上記10に記載のレジストパターン形成方法。
尚、本発明は上記1〜11に記載の構成を有するが、以下、その他についても参考のため記載した。
(1)
(Z)一般式(Z−I)で表される構造を有するスルホニウムカチオンを有する化合物と、(T)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する低分子化合物とを含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Y1〜Y13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは単結合または2価の連結基を表す。
(2)
(A)活性光線又は放射線の照射により下記一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物を含有する(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
Q1−X1−NH−X2−Q2 (A−I)
一般式(A−I)中、Q1及びQ2は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ2のいずれか一方は、プロトンアクセプター性官能基を含有する。Q1とQ2は、結合して環を形成し、形成された環がプロトンアクセプター性官能基を有してもよい。
X1及びX2は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
(3)
一般式(A−I)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(A−II)で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
Q1−X1−NH−X2−A−(X3)n−B−Q3 (A−II)
一般式(A−II)中、Q1及びQ3は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ3のいずれか一方は、プロトンアクセプター性官能基を含有する。Q1とQ3は、結合して環を形成し、形成された環がプロトンアクセプター性官能基を有してもよい。
X1、X2及びX3は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
Aは、2価の連結基を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Qx)−を表す。
Qxは、水素原子、又は一価の有機基を表す。
Bが−N(Qx)−の時、Q3とQxが結合して環を形成してもよい。
nは、0又は1を表す。
(4)
低分子化合物(T)が下記一般式(T−I)で示される構造を有する化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。複数のR2が結合して環を形成してもよい。複数のR3が結合して環を形成してもよい。複数のR4が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
R5及びR6は、各々独立に、水素原子または有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも1つは酸分解性基である。
Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基およびこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
xは正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
(5)
一般式(T−I)で表される化合物が下記一般式(T−II)〜(T−IV)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする(4)に記載のポジ型レジスト組成物。
R1、R2、R5、R6、x、z、m1及びm2は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
R7は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR7が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR7は互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+X=3である。
rは正の整数を表す。
W0はアリーレン基を表す。
W1は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
Aは下記一般式(a)で表される構造を有する基を表す。
(6)
低分子化合物(T)が下記一般式(T−V)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(7)
一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物が、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のスルホニウム塩化合物、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のヨードニウム塩化合物であることを特徴とする(2)〜(6)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(8)
(1)〜(7)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物を基板に塗布してレジスト膜を得た後、露光及び現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
更に、(C)塩基性化合物及び/又は(D)フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(E)塩基性化合物が、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシ構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造及びピリジン構造から選ばれる構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体又は水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体であることを特徴とする(9)に記載の感光性化合物。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
Y1〜Y13は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(Z−I)に於ける、Y1〜Y13の置換基としては、いかなるものでもよく、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基(シクロアルコキシカルボニルオキシ基を含む)、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(シクロアルコキシカルボニルアミノ基を含む)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基を含む)、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基(シクロアルコキシカルボニル基を含む)、カルバモイル基、アリール若しくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
Y1〜Y13の隣接するもの同士で互いに結合して形成する環としては、芳香族、非芳香族の炭化水素環、複素環及びこれらを更に組み合わせた多環縮合環を挙げることができ、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環等が挙げられる。
Zとして好ましくは、単結合、アルキレン基(好ましくはメチレン基)、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基、-COO-、-CONH-、-SO2NH-、-CF2-、-CF2CF2-、-COCO-であり、より好ましくは、単結合、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基であり、特に好ましくは、単結合、スルホン基である。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であっても、シクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
上記脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンに於ける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンに於けると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
対アニオンとして具体的には、メタンスルホン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフロロプロパンスルホン酸アニオン、パーフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホ酸アニオン、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸アニオン、パーフロロエトキシエタンスルホン酸アニオン、2,3,5,6−テトラフロロ−4−ドデシルオキシベンゼンスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン等が挙げられる。
(Z)成分の化合物の含量は、ポジ型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
(Z)成分の化合物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤である。
一般式(A−I)に於ける、Q1、Q2としての1価の有機基は、好ましくは炭素数1〜40であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。
Q1、Q2におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖及び分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基などの分岐アルキル基を挙げることができる。
Q1、Q2におけるアリール基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
Q1、Q2におけるアルケニル基としては、置換基を有していてもよく、上記アルキル基の任意の位置に2重結合を有する基が挙げられる。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは孤立電子対を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、π共役の寄与が少ない孤立電子対をもった窒素原子を有する官能基を挙げることができる。π共役の寄与が少ない孤立電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子を挙げることができる。
一般式(A−I)に於いて、X1及びX2の少なくとも片方が、−SO2−であることが好ましい。
一般式(A−I)で表される構造を有する化合物は、下記一般式(A−II)で表される構造を有する化合物を含むことが好ましい。
Q1及びQ3は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ3のいずれか一方は、プロトンアクセプター性官能基を有する。Q1とQ3は、結合して環を形成し、形成された環がプロトンアクセプター性官能基を有していてもよい。
X1、X2及びX3は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
Aは、2価の連結基を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Qx)−を表す。
Qxは、水素原子又は1価の有機基を表す。
Bが−N(Qx)−の時、Q3とQxが結合して環を形成してもよい。
nは、0又は1を表す。
Q1は、一般式(A−I)に於けるQ1と同義である。
Q3の有機基としては、一般式(A−I)に於けるQ1、Q2の有機基と同様のものを挙げることができる。
一般式(A−II)に於いて、X1、X2、X3は、−SO2−であることが好ましい。
以下、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
活性光線又は放射線の照射により一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物は、下記一般式(A1)又は(A2)で表される化合物であることがより好ましい。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、一般式(A−I)、(A−II)で表される化合物のアニオンを表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
尚、一般式(A1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(A1)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(A1)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
化合物(A1a)は、上記一般式(A1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の内の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールアルキルシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
化合物(A1b)は、一般式(A1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、2−オキソシクロアルキル基がより好ましい。
R201〜R203としての2−オキソシクロアルキル基は、鎖中に二重結合を有していてもよく、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(A1c)とは、以下の一般式(A1c)で表される化合物であり、アリールアシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
R213は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、好ましくはフェニル基、ナフチル基である。
R213上の好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基が挙げられる。
R214及びR215は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
X-は、一般式(A−I)、(A−II)で表される化合物のアニオンを表す。
R213とR214は、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、R214とR215は、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、Y201とY202は、それぞれ結合して環構造を形成しても良い。これらの環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R213及びR214、R214及びR215、Y201及びY202が結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
R214、R215、Y201及びY202としてのシクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
Y201及びY202は、好ましくは、炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは、4〜6、更に好ましくは、4〜12のアルキル基である。
また、R214又はR215の少なくとも1つは、アルキル基であることが好ましく、更に好ましくは、R214及びR215の両方がアルキル基である。
R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
X-は、一般式(A−I)、(A−II)で表される化合物のアニオンを表す。
R204及びR205のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
R204及びR205としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204及びR205は、置換基を有していてもよい。R204及びR205が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
以下、化合物(A)の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
化合物(A)は、一般的なスルホン酸エステル化反応あるいはスルホンアミド化反応を用いることで容易に合成できる。例えば、ビススルホニルハライド化合物の一方のスルホニルハライド部を選択的に一般式(A−I)で表される部分構造を含むアミン、アルコールなどと反応させて、スルホンアミド結合、スルホン酸エステル結合を形成した後、もう一方のスルホニルハライド部分を加水分解する方法、あるいは環状スルホン酸無水物を一般式(A−I)で表される部分構造を含むアミン、アルコールにより開環させる方法により得ることができる。一般式(A−I)で表される部分構造を含むアミン、アルコールは、アミン、アルコールを塩基性下にて(R'O2C)2OやR'O2CCl等の無水物、酸クロリド化合物と反応させることにより合成できる。
あるいは、重合性モノマーに由来する繰り返し単位を10個以上は有さない、といった特徴をもつ化合物である。
本発明に用いる(T)成分の化合物は下記一般式(T−I)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。複数のR2が結合して環を形成してもよい。複数のR3が結合して環を形成してもよい。複数のR4が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
R5及びR6は、各々独立に、水素原子または有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも1つは酸分解性基である。
xは正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
R1、R2、R3及びR4におけるシクロアルキル基としては、単環、多環どちらでもよい。たとえば、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましく、例えばアダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
R5及びR6における有機基は酸分解性又は非酸分解性の基を表すことが好ましい。本発明では酸分解性基を1分子中に1〜30個含有する。1分子中に含有させる酸分解性基の数は好ましくは3〜25個、さらに好ましくは4〜20個である。
Wにおけるシクロアルキレン基は、単環、多環どちらでもよく、環を形成するアルキレン基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基)を挙げることができる。
上記の各基はさらに置換基を有していてよく、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
Wにおける環状のアリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
R1、R2、R5、R6、X、z、m1及びm2は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
R7は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR7が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR7は互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+X=3である。
rは正の整数を表す。
W0はアリーレン基を表す。
W1は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
本発明に用いる(T)成分の化合物は、下記一般式(T−V)で表される構造を有するカリックスアレーン誘導体およびカリックスレゾルシナレーン誘導体であることも好ましい。
低分子化合物(T)は、多価フェノール化合物等の母核となる化合物(母核化合物)のフェノール性水酸基と保護反応剤とを反応させ、該母核化合物のフェノール性水酸基を酸分解性基で保護することにより合成できる。ここでの保護反応剤とは、保護基を導入する反応を行う際に使用する化合物を指す。尚、母核化合物中に含まれるフェノール性水酸基の総数に対する酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基の割合を保護率と呼ぶ。
以下に化合物(T)の母核化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
アルカリ可溶性基としては水酸基、スルホン酸基、フェノール基、カルボン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基〔−C(CF3)2OH〕が挙げられる。好ましくはフェノール基、カルボキシル基、ヘキサフルオロイソプロパノール基であり、さらに好ましくはフェノール基、カルボキシル基である。
酸分解性基は上記に挙げたアルカリ可溶性基中のOHの水素原子に代わる置換基であり、−C(R11a)(R12a)(R13a)、−C(R14a)(R15a)(OR16a)、−CO−OC(R11a)(R12a)(R13a)が好ましい。ここで、R11a〜R13aは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。
R14aおよびR15aは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。R16aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。
尚、R11a、R12a、R13aのうちの2つ、またはR14a、R15a、R16aのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
−〔C(R17a)(R18a)〕p−CO−OC(R11a)(R12a)(R13a)
ここで、R17aおよびR18aは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
また、pは1〜4の整数である。
添加する樹脂の含有量は、ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して通常1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。
本発明では、使用する化合物(Z)、化合物(A)、ならびに低分子化合物(T)、また後述する添加樹脂の組み合わせによっては、(C)塩基性化合物を含有した方がよい場合もある。
塩基性化合物(C)の好ましい構造としては、下記一般式(a)〜(e)で示される構造を挙げることができる。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジンを挙げることができ、置換基を有していてもよい。更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物がフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
本発明において使用される溶剤として好ましくは、少なくとも1つのケトン構造を有する溶剤である。
ケトン構造を有する溶剤としては、鎖状ケトン溶剤、環状ケトン溶剤が挙げられ、合計炭素数5〜8の化合物が塗布性が良好で好ましい。
鎖状ケトン溶剤としては、例えば、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、好ましくは2−ヘプタノンである。
溶剤はケトン構造を有する溶剤単独、もしくは他の溶剤との混合溶剤として用いることが好ましい。混合する溶剤(併用溶剤)としてはプロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、乳酸アルキル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、アルコキシプロピオン酸アルキル、ラクトン化合物等を挙げることができる。
乳酸アルキルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル等を挙げることができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等を挙げることができる。
ラクトン化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
好ましい併用溶剤としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、乳酸アルキル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。より好ましい併用溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを挙げることができる。
ケトン系溶剤と上記併用溶剤の比率(質量比)は、好ましくは10/90〜95/5、より好ましくは20/80〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/30である。
また、膜厚均一性や現像欠陥性能を高める観点で、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の沸点200℃以上の高沸点溶剤を混合してもよい。
これら高沸点溶剤の添加量は、全溶剤中の通常0.1〜15質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%であり、更に好ましくは1〜5質量%である。
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(D)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明においては、上記(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
例えば、ポジ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、感光性膜を形成する。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
チオキサンテン-9-オン10gをトリフルオロ酢酸40ml中で攪拌し、氷冷下、30%過酸化水素水5.4mlとトリフルオロ酢酸10.8mlを混合した溶液をゆっくり添加した。その後、氷冷下30分攪拌後、室温で1時間攪拌を行った。さらに、反応液を水にあけ、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶し、スルホキシド体4.6gを得た。スルホキシド体3gをトルエン20ml中で攪拌し、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物3.7mlとノナフルオロブタンスルホン酸2.2mlを添加した。反応液を徐々に室温まで昇温し、1時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを添加し結晶を析出させ、酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶することにより、10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(Z-1)を3.9g得た。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.38 (s,3H), 7.34 (d,2H), 7.72 (m,2H), 7.95 (m,4H), 8.28 (m,2H), 8.63 (d,2H)
合成例1で得られた10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(Z-1) 1.5gに、10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩1.5gをメタノール/水=1/1溶液に溶解し、イオン交換樹脂(アンバーライトIRA402ClをNaOH水でアニオンをOHに置換したもの)に通し、3,5-ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸1gを加え、クロロホルムで抽出することで対塩が変更した10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム 3,5-ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸塩(A2)1.7gを得た。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.37(s,3H),7.34(d,2H),7.79(m,3H),7.93(m,4H),8.34(m,4H),8.62(d,2H)
チオサリチル酸15gと4-ブロモアセトフェノン20gを炭酸ナトリウム12gと銅触媒0.2gの存在下、ジメチルホルムアミド200ml中、170度で6時間攪拌した後、反応液を塩酸水溶液にあけ、ろ取した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶を行い、16gのスルフィドを得た。得られたスルフィド10gをポリリン酸100g中、60度で5時間攪拌後、氷水にあけた。結晶をろ取し、炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で結晶を洗い、エタノールで再結晶を行うことで2-アセチル-9H-チオキサン-9-オン5gを得た。更に得られた2-アセチル-9H-チオキサン-9-オン3gをトリフルオロ酢酸12ml中で氷冷下攪拌し、30%過酸化水素水1.4mlとトリフルオロ酢酸2.7mlの混合溶液をゆっくり加えた。添加後、氷冷下30分攪拌し、続いて室温で1時間攪拌し反応を終結させた。反応液を水にあけ、酢酸エチルと水酸化ナトリウム水溶液で分液し、有機層を減圧留去することでスルホキシド体3.6gを得た。それをトルエン15g中で攪拌し、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物3.3ml、ノナフルオロブタンスルホン酸1.9mlを添加し、氷冷下30分、室温で1時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを加え結晶化させ、得られた結晶を酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶することにより2-アセチル-10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(A8)1gを得た。
1H-NMR (400MHz、CDCl3) σ2.39 (s,3H), 2.74 (s,3H), 7.37 (d,2H), 7.72 (m,2H), 7.97 (m,2H), 8.19 (m,1H), 8.39 (m,2H), 8.67 (d,1H), 9.09 (s,1H)
チアンスレン20gを酢酸300ml中で還流させ、そこに希硝酸を36mlゆっくり滴下した。5時間反応させた後、反応液を水1.2lに注ぎ、結晶を析出させた。結晶をろ過後、アセトニトリルで再結晶を行い、チアンスレン-S-オキシド12gを得た。
1H-NMR (400MHz、CDCl3)σ7.42 (t,2H), 7.56 (t,2H), 7.63(d,2H), 7.93 (d,2H)
チアンスレン-S-オキシド2gをトルエン10mlに溶解し、氷冷した。そこにトリフルオロ酢酸無水物を2.8mlとノナフルオロブタンスルホン酸1.2mlを加え、1時間攪拌した。ジイソプロピルエーテルを加え、上澄みを除去後、シリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=19/1)で精製を行い、4.4gの5-(p-トリル)チアンスレニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩を得た。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.34 (s,3H), 7.08 (d,2H), 7.22 (d,2H), 7.78 (m,6H), 8.65 (d,2H)
1H-NMR (400MHz、CDCl3) σ2.47 (s,3H), 7.47 (d,2H), 7.66 (d,2H), 7.98 (t,2H), 8.04 (t,2H), 8.40 (d,2H), 8.43 (d,2H)
チアンスレン-S-オキシド1gをエトキシベンゼン1.1mlと混合し、氷冷した。そこにトリフルオロ酢酸無水物を1.2mlとノナフルオロブタンスルホン酸0.71mlを加え、15分攪拌した。ジイソプロピルエーテルを加え、上澄みを除去後、クロロホルム、水を加え分液を行った。クロロホルム層を減圧留去して、2.5gの5-(p-エトキシベンゼン)チアンスレニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩を得た。
1H-NMR (400MHz、CDCl3) σ1.38 (t,3H), 4.00 (q,2H), 6.92 (d,2H), 7.29 (d,2H), 7.75 (m,6H), 8.56 (d,2H)
1H-NMR (400MHz、CDCl3) σ1.47 (t,3H), 4.20 (q,2H), 7.26 (d,2H), 7.91 (m,6H), 7.98 (m,2H), 8.39 (d,2H)
合成例1(化合物(A−1)の合成)
100mL滴下ロート及び窒素導入管を装着した1000mL三口フラスコに、スルファニルアミド34.4 g (200 mmol) を入れ、10%-NaOH 200mLに溶解させ氷冷攪拌し、滴下ロートより1-オクタンスルホニルクロリド 55.3 g(200 mmol)を1時間かけ滴下した。滴下後氷冷下1時間攪拌し、更にアイスバスを除去し室温にて3時間攪拌した。反応溶液に濃塩酸を・BR>H下して中性とし、析出した白色固体を濾過した。この固体を水/メタノールから再結晶してプレート状結晶45.1gの下記化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.93 (t, 3H), 1.34-1.46 (m, 10H), 1.81 (quin, 2H),3.24 (t, 2H), 6.78(d, 2H), 7.66-7.78 (m, 17H)
トリフェニルスルホニウムブロミド 8.01 g (23.34 mmol)と酸化銀 5.68g (24.51 mmol)をメタノール100 mLに加え室温で2時間攪拌した。銀塩をろ過によって除去し、濾液にスルファアセトアミド5.0 g(23.34 mmol)を加え、更に1時間攪拌した。溶媒を除去、乾燥して白色固体状の化合物(A−6) 10.0 gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.84 (s, 3H), 6.63 (d, 2H), 7.63(d, 2H), 7.78-7.87(m, 15H)
窒素気流下1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン-1,3-ジスルホニルジフロリド5.0g(15.8 mmol)とTHF50mLの混合物を氷冷し、これに1-メチルピペラジン 1.66 g (16.6 mmol) とトリエチルアミン10mL 、THF50mLの混合溶液を60分かけて滴下した。氷冷下1時間攪拌し、さらに室温で1時間攪拌した。有機層を水、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥した。溶媒を濃縮し、残渣にトリフルオロメタンスルホンアミド2.36g(15.8mmol)及びトリエチルアミン10mLを加え、耐圧ガラスチューブに移して封管中100℃で20時間攪拌した。クロロホルム 100 mLを加え、有機層を水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥し褐色のオイルを得た。これにメタノール25mL、1.5N−HCl 60mLを加え中性とし、析出した白色固体を濾過し下記化合物5.65gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.32 (s, 3H), 2.50 (m, 4H), 3.55 (m, 4H), 7.65-7.80(m, 15H)
19F-NMR (400 MHz, CDCl3) δ -118.5(m, 2F), -112.3(m, 2F), -111.1(m, 2F), -78.6(m 3F)
合成例1(バインダー(T-1)の合成)
反応容器中に下記に示す母核化合物(1)35.74g(0.05mol)、PGMEA200g、炭酸カリウム41.46g(0.05mol)、保護反応剤(4)(ブロモ酢酸t−Buエステル)40.96g(0.21mol)を加え、反応溶液を100℃に加熱した。3時間攪拌した後反応溶液を室温まで放冷し、0.1N−HCl水溶液を加え中和し、酢酸エチル50ml、蒸留水50mlを加え洗浄を行った。その後、真空乾燥して、バインダー(T-1)を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は46.3%であった。
反応容器中に下記に示す母核化合物(1)34.04g(0.05mol)、PGMEA150ml、トリエチルアミン25.04g(0.2475mol)、4-ジメチルアミノピリジン2.0gを加えて撹拌した。その後、保護反応剤(5)(ジ−t−ブチルジカーボネート)54.02g(0.2475mol)のテトラヒドロフラン100ml溶液を2時間かけて滴下した。滴下後さらに3時間撹拌した後、0.1NのHCl水溶液で中和し、酢酸エチル50ml、蒸留水50mlで洗浄、抽出を行った。有機層を分離した後、真空乾燥し、バインダー(T-2)を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は45.6%であった。
反応容器中で下記に示す母核化合物(2)44.16g(0.05mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと省略)200gに溶解し、この溶液を60℃、20mmHgまで減圧して約40gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。20℃まで冷却し、保護反応剤(1)49.75g(0.18mol)、p−トルエンスルホン酸2.5gを添加し、室温にて2時間撹拌した。その後、トリエチルアミン3.0gを添加して中和し、酢酸エチル50g、水50gにより洗浄操作を3回行った。その後、真空乾燥して、バインダー(T-4)を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は45.3%であった。
以下に、母核化合物であるフェノール化合物(1)〜(6)、保護反応剤(1)〜(6)の構造を示す。
フェノール化合物(1)〜(6)および保護反応剤(1)〜(6)は、いずれも入手容易であるか常法を用いて合成できる。
バインダーに使用した母核化合物、保護反応剤及び保護率を表1にまとめて示す。
保護率は全フェノールOHに対するモル%である。
本発明のバインダー(T-2):1.0899 g
添加樹脂(BT-1):0.1211g
化合物Z (Z-33): 0.0759 g
化合物A (A-43):0.009 g
上記のように調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃90秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.15μmのポジ型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に対し、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて電子線照射を行った。照射後に110℃、90秒ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で評価した。
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S−4800)を用いて観察した。150nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
ライン幅150nm(ライン/スペース=1:1)の部分の断面をSEM((株)日立製作所製S−8840)で観察し、以下の基準で評価した。
A:パターン側壁と基板との角度、およびパターン側壁とパターン表面との角度がどちらも90±2度である場合。
B:パターン側壁と基板との角度が90±2度であるが、パターン側壁とパターン表面との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。または、パターン側壁とパターン表面との角度が90±2度であるが、パターン側壁と基板との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。
C:パターン側壁と基板との角度、およびパターン側壁とパターン表面との角度がどちらも85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。
D:パターン側壁と基板との角度が85度未満あるいは95度以上である場合、T−トップ形状が見られる場合またはパターン表面全体が丸くなっている場合。
上記の感度を示す照射量における150nmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。この値が小さい程、良好な性能であることを意味する。
150nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを照射した時の膜厚の変動率で評価を行った。
アウトガス:((露光前の膜厚)−(露光後の膜厚))/(露光前の膜厚)×100この値が小さい程、良好な性能であることを意味する。
評価結果を表2に示す。
添加樹脂
N−1:トリオクチルアミン
N−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N−3:2,4,6−トリフェニルイミダゾール
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S−3:乳酸エチル
評価結果を表4に示す。
Claims (11)
- (Z)一般式(Z−I)で表される構造を有するスルホニウムカチオンを有する化合物と、(T)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する分子量分布を有さない化合物であって、多価フェノール化合物における複数のフェノール性水酸基の少なくとも1つが酸分解性基で保護された化合物とを含むポジ型レジスト組成物であって、該化合物(T)の含有量が、該ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、60質量%〜99.0質量%であることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
一般式(Z−I)中、
Y1〜Y13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは単結合または2価の連結基を表す。 - 前記多価フェノール化合物の分子量が400〜1500であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- (A)活性光線又は放射線の照射により下記一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物を含有する請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
Q1−X1−NH−X2−Q2 (A−I)
一般式(A−I)中、Q1及びQ2は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ2のいずれか一方は、プロトンアクセプター性官能基を含有する。Q1とQ2は、結合して環を形成し、形成された環がプロトンアクセプター性官能基を有してもよい。
X1及びX2は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。 - 一般式(A−I)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(A−II)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項3に記載のポジ型レジスト組成物。
Q1−X1−NH−X2−A−(X3)n−B−Q3 (A−II)
一般式(A−II)中、Q1及びQ3は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ3のいずれか一方は、プロトンアクセプター性官能基を含有する。Q1とQ3は、結合して環を形成し、形成された環がプロトンアクセプター性官能基を有してもよい。
X1、X2及びX3は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
Aは、2価の連結基を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Qx)−を表す。
Qxは、水素原子、又は一価の有機基を表す。
Bが−N(Qx)−の時、Q3とQxが結合して環を形成してもよい。
nは、0又は1を表す。 - 一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物が、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のスルホニウム塩化合物、又は一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のヨードニウム塩化合物であることを特徴とする請求項3又は4に記載のポジ型レジスト組成物。
- 一般式(Z−I)におけるZが単結合又はスルホン基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 化合物(T)が下記一般式(T−I)で示される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(T−I)中、
R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。複数のR2が結合して環を形成してもよい。複数のR3が結合して環を形成してもよい。複数のR4が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
R5及びR6は、各々独立に、水素原子または有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも1つは酸分解性基である。
Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基およびこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
xは正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。 - 一般式(T−I)で表される化合物が下記一般式(T−II)〜(T−IV)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする請求項7に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(T−II)〜(T−IV)中、
R1、R2、R5、x、z、m1及びm2は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
R7は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR7が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR7は互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+x=3である。
rは正の整数を表す。
W0はアリーレン基を表す。
W1は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
Aは下記一般式(a)で表される構造を有する基を表す。
一般式(a)式中、R3、R4、R6、m4及びm5は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。 - 請求項1〜9のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物を基板に塗布してレジスト膜を得た後、露光及び現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
- 前記露光が電子線またはEUV光による露光であることを特徴とする請求項10に記載のレジストパターン形成方法。
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