JP4995991B1 - 粉粒体除染処理方法および除染処理システム - Google Patents

粉粒体除染処理方法および除染処理システム Download PDF

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Abstract

遊離塩素を含んだ水溶液とセラミックを接触させて得られる触媒反応を利用したセラミック触媒水を生成する触媒水生成手段1、ベンチュリの構造を有しノズルからセラミック触媒水を高圧噴射させるとともにその下流側に設けた枝管から汚染粉粒体を吸引することによりセラミック触媒水とミキシングしてセラミック触媒水との混合汚染粉粒体を移送する吸引移送手段4、混合汚染粉粒体を粉粒体と汚染排水に分離処理する分離処理手段5、6、汚染排水をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトと接触させて放射性物質を吸着させて除染を行う除染処理手段7を備え、放射性物質により汚染された汚染粉粒体の除染を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放射性物質により汚染された汚染粉粒体の除染を行う粉粒体除染処理方法および除染処理システムに関する。
2011年3月11日の東日本大震災を端緒として発生した東京電力福島第1原子力発電所の事故は、放射性物質を東北地方から関東地方、さらに広域に拡散させた。その結果、広範な地域において、放射性物質により地表や建造物、植物、さらには河川水や津波による瓦礫などが汚染されることになり、その除染が大きな問題となった。
放射性物質により汚染され高い放射線量が計測された地表では、数cmの厚さで土壌を剥ぎ取ることにより、かなり放射線量が低下して除染効果のあることが確認されている。しかし、例えば放射性物質セシウム137の半減期は30年と長い。そのため、剥ぎ取った放射線量の異常に高い汚染土壌が生活に支障のない放射線量に減衰するまでは非常に長い年月を要し、剥ぎ取った汚染土壌の保管、処分が問題となる。
地表や建造物等に堆積した放射性物質は、また、建物の屋根や壁面を洗い流しても降雨とともに河川や下水に流れ込み、河川水や下水も汚染され、放射性物質により汚染された汚泥が排水処理場等から排出される。このような放射性物質により汚染された汚泥の処分も問題となる。
また、東日本大震災の被災地には、膨大な瓦礫が排出されているが、この瓦礫のうち、選別され焼却される瓦礫は、その膨大な量から各地の自治体に分散しないと処理しきれないのが実情である。一般の焼却灰は、セメントに再利用されるが、瓦礫の排出された地域によっては、高い放射線量が検出されている。そのため、この汚染地域から排出された瓦礫の焼却灰は、セメントに再利用することができず、この保管、処分も問題となる。
特開2004−233307号公報 特開2009―244089号公報
日本海水学会誌 第48巻 第6号(1994)第427−430頁
放射性物質により汚染された廃液から放射性物質を除去するものとして、例えば放射性廃液を減圧蒸留して残渣と蒸留液とに分留し、残渣に放射性物質を含有させることにより除去する方法及び装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、放射性汚染水を処理するものとして、イオン交換樹脂を収容する処理槽に放射性汚染水を循環させ、放射性核種を含むイオン性汚染物質を効率よく除去できるようにした処理装置及び方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、ナトリウム形テニオライトが優れたセシウムイオン除去特性を有し、セシウム
イオンの選択的分離除去剤としての利用が期待されることが示唆されている(例えば、非特許文献1参照)。
今回の東日本大震災を端緒として発生した原子力発電所の事故では、放射性物質により汚染された処理物がさまざまな形態で排出された。これらの中でも、除染のために剥ぎ取った土壌(土砂)、汚泥や瓦礫の焼却灰の量は膨大であり、その処分のための廃棄場所としての仮置き場や恒久的な留置場所の確保が困難の状況にある。
しかし、上記提案されている従来の技術では、このような放射性物質により汚染された大量の土砂や焼却灰を効率的に除染することができない。しかも、災害により排出された土砂や焼却灰には、油が混入したものもあり、単なる水による洗浄では、十分な洗浄ができないという問題もある。
本発明は、上記の課題を解決するものであって、放射性物質により汚染され油が混入した土砂や焼却灰などの粉粒体を効率よく除染できるようにするものである。
そのために本発明は、放射性物質により汚染された汚染粉粒体の除染を行う粉粒体除染処理方法であって、遊離塩素を含んだ水溶液とセラミックを接触させて得られる触媒反応を利用したセラミック触媒水を生成して、ベンチュリの構造を有する吸引移送手段のノズルから前記セラミック触媒水を高圧噴射させるとともにその下流側に設けた枝管から前記汚染粉粒体を吸引することにより前記セラミック触媒水とミキシングし、前記ミキシングされた前記セラミック触媒水との混合汚染粉粒体を粉粒体と汚染排水に分離処理して、前記分離処理された汚染排水をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトと接触させて前記汚染排水中の前記放射性物質を前記ナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに吸着させて除染を行うことを特徴とする。
また、放射性物質により汚染された汚染粉粒体の除染を行う粉粒体除染処理システムであって、遊離塩素を含んだ水溶液とセラミックを接触させて得られる触媒反応を利用したセラミック触媒水を生成する触媒水生成手段と、ベンチュリの構造を有しノズルから前記触媒水生成手段により生成されたセラミック触媒水を高圧噴射させるとともにその下流側に設けた枝管から前記汚染粉粒体を吸引することにより前記セラミック触媒水とミキシングして前記セラミック触媒水との混合汚染粉粒体を移送する吸引移送手段と、前記吸引移送手段により移送された前記混合汚染粉粒体を粉粒体と汚染排水に分離処理する分離処理手段と、前記分離処理手段により分離処理された汚染排水をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトと接触させて前記汚染排水中の前記放射性物質を前記ナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに吸着させて除染を行う除染処理手段とを備えたことを特徴とする。
さらに、前記ナトリウム形テニオライトは、亜急性チタン、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、白雲母、黒雲母、金雲母、ソーダ雲母、粘土を混練し造粒して焼成したものであることを特徴とし、前記水酸化アパタイトは、リン鉱石、消石灰、BaZrO3 、MnO、Al2 3 を混練し造粒して焼成したものであることを特徴とし、前記分離処理された粉粒体を前記汚染粉粒体として前記枝管から吸引することにより繰り返し除染処理を行うことを特徴とする。
また、粉粒体除染処理システムにおいて、前記分離処理手段は、透過膜を用いて前記吸引移送手段より移送された前記混合汚染粉粒体を粉粒体と汚染排水とに分離処理するものであることを特徴とし、前記分離処理手段は、攪拌処理して移送する攪拌処理槽と前記攪拌処理槽より攪拌移送された前記混合汚染粉粒体を沈殿処理して上澄み水を汚染排水とし
て分離する沈殿処理槽とを有することを特徴とし、前記分離処理手段は、前記セラミック触媒水を供給して前記混合汚染粉粒体と攪拌する手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、まず、セラミック触媒水を高圧噴射させるとともにその下流側に設けた枝管から汚染粉粒体を吸引することによりセラミック触媒水とミキシングするので、汚染粉粒体に混入、付着している種々の油(潤滑油、タービン油、重油等)を分解して放射性物質により汚染された汚染粉粒体を効率よく洗浄することができる。そして、洗浄された粉粒体とその洗浄に伴い汚染された汚染排水とを分離し、分離した汚染排水をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに通過接触させることにより、粉粒体の洗浄により汚染排水中に含まれた放射性物質をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに吸着させるので、粉粒体を洗浄し、その洗浄により汚染された排水の除染を効率よく行なうことができる。その結果、放射性物質を吸着したナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトを産業廃棄物として処分する場合にも、汚染粉粒体より大幅にその処分量を凝縮し減量することができる。
本発明に係る粉粒体除染処理システムの実施の形態を説明する図である。 本発明に係る粉粒体除染処理システムによる除染処理前の試料の検査成績の例を説明する図である。 本発明に係る粉粒体除染処理システムによる除染処理後の試料の検査成績の例を説明する図である。 本発明に係る粉粒体除染処理システムによる除染処理後の排水の検査成績の例を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る粉粒体除染処理システムの実施の形態を説明する図であり、1はメカセラ装置、2は高圧ポンプ、3はホッパー、4はエジェクター、5、6は分離処理槽、7は除染装置、8は井水タンク、9は塩素注入装置、10は真空ポンプ、51、52は透過膜、71は除染粒体カゴを示す。
メカセラ装置1は、機能セラミックの粒体に遊離塩素を含んだ水溶液を通過接触させて得られる触媒反応を利用したセラミック触媒水(メカセラ水)を生成する触媒水生成手段である。メカセラ装置1には、機能セラミックの粒体を収容し、井水タンク9からの井水に塩素注入装置10から次亜塩素酸ソーダ又は塩素が注入された遊離塩素を含んだ水溶液が導入される。
高圧ポンプ2は、メカセラ装置1で生成されたセラミック触媒水をエジェクター3に高圧で導入するものであり、ホッパー3は、地表から剥ぎ取った土壌(土砂)、地表や壁、屋根の面から削り取った粉末、下水処理場からの汚泥や瓦礫等の焼却灰、その他の放射性物質により汚染された汚染粉粒体や液状体を収容してエジェクター3の枝管に供給するものである。
エジェクター4は、ベンチュリの構造を有し、高圧ポンプ2によりメカセラ装置1で生成されたセラミック触媒水を導入してノズルから高圧噴射させるとともに、その下流側に設けた枝管からホッパー3に収容された汚染粉粒体を吸引してミキシングするものであり、汚染粉粒体をセラミック触媒水とミキシングしてセラミック触媒水との混合汚染粉粒体を移送する吸引移送手段である。
分離処理槽5、6は、セラミック触媒水との混合汚染粉粒体をセラミック触媒水により洗浄された粉粒体とその洗浄により放射性物質の混入した汚染排水とに分離する分離処理手段である。分離処理槽5は、透過膜51を設けて、エジェクター4でミキシングされ移送されたセラミック触媒水との混合汚染粉粒体を洗浄された土砂等の荒目の粉粒体と細かい汚泥を含む汚染洗浄水とに分離するものである。透過膜51を透過した細かい汚泥を含む汚染洗浄水は真空ポンプ10で分離処理槽6に移送される。分離処理槽6は、透過膜61を設けて、分離処理槽5で分離された細かい汚泥を含む汚染洗浄水をさらに細かい汚泥と汚染洗浄水とに分離するものであり、透過膜61を透過した汚染洗浄水は真空ポンプ10で除染装置7に移送される。
除染装置7は、多孔質のナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトのセラミックの粒体を収容した除染粒体カゴ71を設け、汚染粉粒体を洗浄して分離処理槽6で分離された汚染洗浄水、つまり放射性物質が混入した汚染排水をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに通過接触させて汚染排水中の放射性物質を前記ナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに吸着させ除染を行う除染処理手段である。
メカセラ装置1は、例えば概略次のような構成のものが使用される(例えば、特許第3641470号明細書「機能セラミックの触媒水を用いた排液処理システム」、特許第3537085号明細書「スーパーオキサイドイオン発生法」、特許第3686060号明細書「汚染混合水の処理方法及びシステム」参照)。このメカセラ装置1は、天井付近に給水部、散水ノズルを、底付近に排水部をそれぞれ有し、内部に複数の機能セラミックの粒体を混合して収容したカゴを多段に配置した処理タンクで構成される。
メカセラ装置1の給水部には、井水タンク8からの井水に塩素注入装置9から次亜塩素酸ソーダ(NaClO)を注入した1〜3ppm程度の濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液が導入される。そして、次亜塩素酸ソーダ水溶液が散水ノズルから機能セラミックの粒体の上にシャワリングされ、機能セラミックの粒体と通過接触するときに触媒作用によりセラミック触媒水が生成され、排水部から取り出される。
従来より、鉄の原料や研磨材、セラミックなど工業的に使用されている酸化鉄は、4酸化3鉄(Fe3 4 )であり、この4酸化3鉄は、特に遠赤外線の発生効率がよいことから遠赤外セラミックとして使われていることで良く知られている。他方、酸化第2鉄(Fe2 3 )は、陶磁器の釉薬、うわぐすりとして使われている。本実施形態の機能セラミックの粒体は、後者の酸化第2鉄を含むものであり、バインダーとして樹脂やガラスを使用し、少なくとも、酸化第2鉄を含む複数の金属酸化物を組み合わせて焼結してなる複数種の粒体を混合したものである。
メカセラ装置1には、例えば第1の粒体、第2の粒体、第3の粒体からなる成分濃度の異なる複数種の粒体を機能セラミックの粒体としてカゴに混合収容し、これを数段に重ねて着脱交換可能に配置される。これらの各粒体の実施例は次のようなものである。各粒体は、各原料を所定の割合でミキシング混合し混練して造粒したものを、例えば80℃で12時間かけて乾燥させた後、1150℃〜1600℃で24時間かけて焼成した。そして、第1の粒体は、25φの球で、酸化第2鉄、モリブデン、コバルト、チタン、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、ジルコニウム、珪素を含む金属酸化物を組み合わせて焼結し、第2の粒体は、15φの球で、酸化第2鉄、マンガン、コバルト、チタン、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、ジルコニウム、珪素を含む金属酸化物を組み合わせて焼結し、第3の粒体は、15φの球で、酸化アルミニウム、ジルコニア、珪藻土、チタン酸バリウムを含む金属酸化物を組み合わせて焼結した。また、全重量を25kgとすると、その内訳は、例えば第1及び第2の粒体と第3の粒体との比率を95対5、第1の粒体と第2の粒体との比率を7対3とした。つまり、第1の粒体を約16.525kg、第2
の粒体を7.125kg、第3の粒体を1.250kgとした。
各原料の混合割合は、第1の粒体を、Al2 3 :13.3、Fe2 3 :19.0、TiO2 :20.0、MgO:4.0、K2 O:0.7、ZrO2 :5.0、CoO:15.0、SiO2 :11.0、MoO2 :12.0とし、第2の粒体を、Al2 3 :26.5、Fe2 3 :21.2、TiO2 :5.0、MgO:4.2、K2 O:0.7、ZrO2 :5.0、MnO:5.0、CoO:7.3、SiO2 :25.1とし、第3の粒体を、セルメン、珪石、カオリン、粘土を基礎原料として、ZrO2 :5.0、CuO:10.0、Al2 3 :10.0、BaTiO3 :20.0、SiO2 :38.0とした。
これら機能セラミックの粒体は、成分濃度を制御し、原子パーセントを変えることにより、イオンの反応の効率を良くすることができ、第1の粒体では、特に殺菌、脱臭作用に顕著な効果を有し、第2の粒体では、油分解、殺菌作用に顕著な効果を有し、第3の粒体では、油分解作用に顕著な効果を有することが確認された。また、第1の粒体と第2の粒体とを混合させると、第1の粒体と第2の粒体とは、成分濃度が違うためお互いに反応しあい、イオンの発生の効率がよくなり、さらに、第3の粒体を少量追加することにより、油分解がより進むことも実証されている。しかも、第3の粒体は、凝結作用が強く、分子をフロック状に形成し、油分を親水、親油性にする作用がある。そのため、汚泥の沈降速度が早くなる効果も、排水処理場で多数確認されている。つまり、有機分解する働きがよくなるので、水質の改善に寄与し、油の酸化臭を除去して脱臭効果をさらによくすることにつながっている。このことは、長年の機能セラミックの研究にわたる経験と繰り返し試験によるものであり、この経験値により、脱臭、水質改善等に応用して各粒体の比率基準が決定される。したがって、成分濃度を制御し、さらに第1〜第3の粒体の混合比率を変えることにより、処理目的に応じた効果を高めることができる。
上記機能セラミックによる触媒作用は、遊離塩素を含んだ水溶液と機能セラミックを接触させて得られる触媒反応を利用した技術である。NaClOは、通常アルカリ性の溶液となっているため、ClO- (次亜塩素酸イオン)が安定している。
[化1]
NaClO → Na+ +ClO-
これを処理水に添加すると、希釈されて中性溶液となるので、次のように反応が進む。
[化2]
+ +ClO- → HClO
Na+ +OH- → NaOH
さらに、次のようにHClO(次亜塩素酸)が分解され、発生期の酸素を生成する。
[化3]
HClO → HCl+[O]
次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO- )より、300倍以上の酸化力があり、さらに[化3]にある[O]は強力な酸化作用のある発生期の酸素である。上記のように次亜塩素酸ナトリウム溶液を水に溶かした時は、次亜塩素酸(HClO)が生じ、強力な酸化機能を発揮することは良く知られているが、それ以外に、塩素は光(紫外線)によって活性化されラジカルという極めて反応性の高い状態になり酸化力が高まることも知られている。さらに、Fe2 3 などが含まれ、これらのエネルギー作用によりヒドロキシラジカル(HO・ラジカル)が生成されていると推測される。
油には一般に生体の有している脂肪(トリアシルグリセリド)と鉱物油(炭化水素、ハ
イドロカーボン、一般的には原油中に存在し、種々の場面で有効利用されている)に分けることができる。生体の持つ脂肪の分解は、まず加水分解されてグリセロールと脂肪酸になり、その後脂肪性の長鎖脂肪酸は上記β酸化のような機構で分解が進行する。一般に、ヒドロキシラジカルのような非常にエネルギーの高い反応種が酸素原子を分子に付与したり、ヒドロキシラジカル基を分子に与えたりして分解の糸口を作る。すなわち、酸素原子が導入されると、その分子つまりはその物質としては反応性が増し、生物が恒常的に持つ代謝機能(脂肪酸のβ酸化機構が一般的)により分解が進行し、水溶性の酢酸(生体の中にあってはアセチルCoAエステルになっている)や二酸化炭素にまで分解され、完全に分解・浄化される(バイレメディエーション)。このメカニズムにより分解されにくい鉱物油においても、生体が関与しなくともヒドロキシラジカルのような活性酸素が存在すると、油がまず酸素化されるかラジカル化され、一旦そのような糸口ができると、その後は一般的なラジカル分解反応として連鎖的に分解が進行する。
次亜塩素酸ソーダ又は塩素に、さらに明礬を加えて注入した水溶液を機能セラミックの粒体に通過接触させると、その効果はより向上することが確認され、機能セラミックの粒体に通過接触させた触媒水でなく、明礬処理だけでも相当の効果が得られることも水産加工処理試験結果により確認されている。
除染装置7は、例えば概略次のような構成のものが使用される。天井付近に排水部を、底付近に給水部をそれぞれ有し、メカセラ装置1と同様、内部に多孔質のナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトのセラミックの粒体を混合して収容したカゴを多段に配置した処理タンクで構成される。そして、底付近の給水部に分離処理槽6から真空ポンプ10で汚染排水が導入され、除染された排水が天井付近の排水部から井水タンク8に移送される。汚染排水は、底付近の給水部から天井付近に排水部までの間において多段に配置したカゴに収容されたナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトの粒体に通過接触することにより、汚染粉粒体を洗浄して汚染排水に混入した放射性物質がナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに吸着し、除染された排水が取り出される。
ナトリウム形テニオライト(雲母セラミック)の粒体は、原料として、例えば亜急性チタンを20%、リン酸アルミニウムとリン酸カルシウムを55%、粘土を25%に対して、雲母(白雲母、黒雲母、金雲母、ソーダ雲母)を1%の割合で用い、これらを混練、造粒して焼成した。44kgのナトリウム形テニオライトの粒体とする場合には、亜急性チタンを8kg、リン酸アルミニウムとリン酸カルシウムを22kg、粘土を10kg、計40kgとした場合、白雲母、黒雲母、金雲母、ソーダ雲母はそれぞれ1kg、計4kgの雲母を用い、これらを混練、造粒して焼成した。水酸化アパタイトの粒体は、原料として、例えばリン鉱石PO4 を25%、消石灰25%、BaZrO3 を20%、MnOを20%、Al2 3 を10%の割合で用い、これらを混練、造粒して焼成した。ナトリウム形テニオライトは、特にセシウムイオン選択性を示しセシウムイオンの選択的分離除去剤となり、水酸化アパタイトも酸性リン酸塩類として層状構造を持ち、イオン交換体となって、放射性物質を吸着して、汚染排水について除染効果を発揮する。
図2は本発明に係る粉粒体除染処理システムによる除染処理前の試料の検査成績の例を説明する図、図3は本発明に係る粉粒体除染処理システムによる除染処理後の試料の検査成績の例を説明する図、図4は本発明に係る粉粒体除染処理システムによる除染処理後の排水の検査成績の例を説明する図である。
下水処理場汚泥焼却灰を放射性物質により汚染された汚染粉粒体として本発明に係る粉粒体除染処理システムにより処理した具体的な検査成績の結果について説明する。除染処理前の試料である下水処理場汚泥焼却灰では、図2に示すように放射性セシウム134、137についてそれぞれ416(Bg/kg)、481(Bg/kg)が検出された。こ
れを試料として本発明に係る粉粒体除染処理システムにより処理したところ、除染処理後の試料である汚泥焼却灰では、図3に示すように放射性セシウム134、137についてそれぞれ236(Bg/kg)、304(Bg/kg)まで除染された。また、除染処理後の排水も、図4に示すように放射性セシウム134、137についてそれぞれ23(Bg/kg)、29(Bg/kg)と僅かしか検出されなかった。
本実施形態の発明によれば、それぞれ45kgずつナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトを収容した除染装置7に対し、少なくとも数十トンの下水処理場汚泥焼却灰の除染を行なうことができた。したがって、下水処理場汚泥焼却灰を産業廃棄物として処分するのに対し、下水処理場汚泥焼却灰に本発明の除染処理を実施し、放射性物質を吸着したナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトを産業廃棄物として処分することにすると、産業廃棄物の処分量は大幅に削減することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態において、分離処理手段として、分離処理層5、6のうち、前段は、エジェクター4でミキシングされ移送されたセラミック触媒水との混合汚染粉粒体をさらに攪拌する攪拌処理層とし、後段は、沈殿処理して上澄み水を汚染排水として分離することにより汚染排水と沈殿物(洗浄された粉粒体)とに分離する沈殿処理層としてもよい。
エジェクター4のミキシングにより十分な汚染粉粒体の洗浄効果が得られる場合には、分離処理層5又は6のみで分離処理手段を構成してもよいし、攪拌処理槽を省いてもよい。また、攪拌処理層を採用する場合、攪拌処理層にもセラミック触媒水を供給するように構成してもよい。このことにより、セラミック触媒水と汚染粉粒体とがさらに効率よくミキシングされるので、攪拌処理の段階における洗浄効果をより高めることができる。
上記いずれの構成においても、1回の洗浄処理で汚染粉粒体の洗浄効果が十分でない場合には、洗浄した粉粒体や汚泥、沈殿物を再度ホッパー3に移送し汚染粉粒体として数回繰り返して再洗浄処理を行うようにしてもよい。
1…メカセラ装置、2…高圧ポンプ、3…ホッパー、4…エジェクター、5、6…分離処理槽、7…除染装置、8…井水タンク、9…塩素注入装置、10…真空ポンプ、51、52…透過膜、71…除染粒体カゴ

Claims (8)

  1. 放射性物質により汚染された汚染粉粒体の除染を行う粉粒体除染処理方法であって、
    遊離塩素を含んだ水溶液とセラミックを接触させて得られる触媒反応を利用したセラミック触媒水を生成して、
    ベンチュリの構造を有する吸引移送手段のノズルから前記セラミック触媒水を高圧噴射させるとともにその下流側に設けた枝管から前記汚染粉粒体を吸引することにより前記セラミック触媒水とミキシングし、
    前記ミキシングされた前記セラミック触媒水との混合汚染粉粒体を粉粒体と汚染排水に分離処理して、
    前記分離処理された汚染排水をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトと接触させて前記汚染排水中の前記放射性物質を前記ナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに吸着させて除染を行うことを特徴とする粉粒体除染処理方法。
  2. 放射性物質により汚染された汚染粉粒体の除染を行う粉粒体除染処理システムであって、
    遊離塩素を含んだ水溶液とセラミックを接触させて得られる触媒反応を利用したセラミック触媒水を生成する触媒水生成手段と、
    ベンチュリの構造を有しノズルから前記触媒水生成手段により生成されたセラミック触媒水を高圧噴射させるとともにその下流側に設けた枝管から前記汚染粉粒体を吸引することにより前記セラミック触媒水とミキシングして前記セラミック触媒水との混合汚染粉粒体を移送する吸引移送手段と、
    前記吸引移送手段により移送された前記混合汚染粉粒体を粉粒体と汚染排水に分離処理する分離処理手段と、
    前記分離処理手段により分離処理された汚染排水をナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトと接触させて前記汚染排水中の前記放射性物質を前記ナトリウム形テニオライト及び水酸化アパタイトに吸着させて除染を行う除染処理手段と
    を備えたことを特徴とする粉粒体除染処理システム。
  3. 前記ナトリウム形テニオライトは、亜急性チタン、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、白雲母、黒雲母、金雲母、ソーダ雲母、粘土を混練し造粒して焼成したものであることを特徴とする請求項2に記載の粉粒体除染処理システム。
  4. 前記水酸化アパタイトは、リン鉱石、消石灰、BaZrO3 、MnO、Al2 3 を混練し造粒して焼成したものであることを特徴とする請求項2ないし3のいずれかに記載の粉粒体除染処理システム。
  5. 前記分離処理された粉粒体を前記汚染粉粒体として前記枝管から吸引することにより繰り返し除染処理を行うことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の粉粒体除染処理システム。
  6. 前記分離処理手段は、透過膜を用いて前記吸引移送手段より移送された前記混合汚染粉粒体を粉粒体と汚染排水とに分離処理するものであることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の粉粒体除染処理システム。
  7. 前記分離処理手段は、攪拌処理して移送する攪拌処理槽と前記攪拌処理槽より攪拌移送された前記混合汚染粉粒体を沈殿処理して上澄み水を汚染排水として分離する沈殿処理槽とを有することを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の粉粒体除染処理システム。
  8. 前記分離処理手段は、前記セラミック触媒水を供給して前記混合汚染粉粒体と攪拌する手段を有することを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の粉粒体除染処理システム。
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