JP4995616B2 - コントロールケーブル - Google Patents

コントロールケーブル

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    • F16C2240/40Linear dimensions, e.g. length, radius, thickness, gap
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Description

本発明は、例えば、トランスミッションのギアチェンジなどに用いられるコントロールケーブルに関する。
コントロールケーブルは、例えば、シフトレバーとオートマチックトランスミッションのミッションレバーとの間などに配策されている。コントロールケーブルは、アウタケーシングとインナケーブルとを備えている。インナケーブルは、筒状のアウタケーシング内に、軸方向に摺動可能に挿通されている。
コントロールケーブルは、様々な機器の間を縫うように、湾曲して配策される場合が多い。湾曲して配策されたコントロールケーブルの軸方向一端を固定した状態で、インナケーブルの軸方向他端を引っ張ると、インナケーブルを若干量だけ軸方向に動かすことができる。インナケーブルの当該移動量は、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間のクリアランス(直径差)が大きいほど、大きくなる。また、インナケーブルの当該移動量は、コントロールケーブルの配策経路における総曲げ角度が大きいほど、大きくなる。当該移動量は、バックラッシュと呼ばれている。仮に、インナケーブルの操作側端部を押し引きしても、当該押し引き量がバックラッシュ以下であれば、インナケーブルの作動側端部は動かないことになる。すなわち、バックラッシュが大きいほど、インナケーブル操作時のがたつき(遊び)が大きくなる。
ここで、操作性を向上させるためには、バックラッシュを小さくすればよい。すなわち、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間のクリアランスを小さくすればよい。しかしながら、クリアランスを小さくすると、その分、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺動抵抗が大きくなる。摺動抵抗が大きくなると、操作側から作動側への荷重伝達ロスが大きくなり、所望の荷重効率(=作動側出力荷重/操作側入力荷重×100(%))が確保できなくなるおそれがある。
特開2000−314416号公報 特開2003−287018号公報
このように、コントロールケーブルには、バックラッシュを小さくしながら、かつアウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺動抵抗を小さくしたいという相反する二つのニーズがある。この点に鑑み、特許文献1には、アウタケーシングのライナーの形状および材質に改良を施したコントロールケーブルが紹介されている。ライナーは、アウタケーシングの最内周層を構成し、インナケーブルに摺接している。特許文献1に記載のライナーの軸直方向断面形状は、六角形を呈している。一方、インナケーブルは、一本の心線と、多数の側線と、を備えている。多数の側線は、互いに同径であって、心線の周囲に巻回されている。インナケーブルの軸直方向断面形状は、全体として、円形を呈している。このため、ライナー内周面とインナケーブル外周面との間の摺接面積が小さい。並びに、同ライナーは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製である。
特許文献1に記載のコントロールケーブルによると、ライナー内周面(つまりアウタケーシング内周面)とインナケーブル外周面との間の摺接面積が小さく、かつライナーがPTFE製である。このため、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間のクリアランスを0.05mm〜0.15mm程度まで小さくしても、摺動抵抗が大きくなるのを抑制することができる。すなわち、バックラッシュを小さくしながら、かつ摺動抵抗を小さくすることができる。
また、特許文献2には、インナケーブルの形状に改良を施したコントロールケーブルが紹介されている。インナケーブルは、一本の心線と、五本の主側線と、五本の副側線と、を備えている。主側線および副側線は、心線の周囲に巻回されている。主側線と副側線とは、軸直方向断面において、周方向に交互に並ぶように配置されている。このため、主側線は、軸直方向断面において、心線を囲む正五角形の頂点位置に配置されることになる。これに対して、アウタケーシングのライナーの軸直方向断面形状は、円形を呈している。したがって、ライナー内周面とインナケーブル外周面(詳しくは、五本の主側線の外周面)との間の摺接面積が小さい。
特許文献2に記載のコントロールケーブルによると、ライナー内周面(つまりアウタケーシング内周面)とインナケーブル外周面との間の摺接面積が小さいため、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間のクリアランスを0.1mm〜0.4mm程度まで小さくしても、摺動抵抗が大きくなるのを抑制することができる。すなわち、バックラッシュを小さくしながら、かつ摺動抵抗を小さくすることができる。
しかしながら、近年、コントロールケーブルの配策経路は複雑化の一途を辿っている。並びに、コントロールケーブルの配策スペースも狭小化の一途を辿っている。このため、配策経路の総曲げ角度は大きくなる傾向にある。したがって、特許文献1、2に記載のコントロールケーブルをもってしても、バックラッシュおよび摺動抵抗の増加を充分に抑制できないおそれがある。
本発明のコントロールケーブルは、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、充分に、バックラッシュを小さくしながら、かつアウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺動抵抗を小さくすることができるコントロールケーブルを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のコントロールケーブルは、筒状のアウタケーシングと、該アウタケーシングに往復動可能に挿通され、軸方向に延在する心線と、該心線の周囲に巻回されると共に互いに径の異なる複数種類の側線からなる側線群と、を有するインナケーブルと、を備えてなるコントロールケーブルであって、径の異なる複数種類の前記側線のうち、前記アウタケーシングの内周面に摺接する最大径の該側線は、前記インナケーブルの軸直方向断面において、周方向に略等間隔に複数配置されていると共にSUS製であることを特徴とする。
本発明のコントロールケーブルの側線群は、径の異なる複数種類の側線からなる。この複数種類の側線のうち、最大径の側線のみが、アウタケーシングの内周面に摺接する。このため、アウタケーシング内周面と最大径の側線の外周面(つまりインナケーブル外周面)との間の摺接面積が小さい。並びに、最大径の側線は、SUS製である。このため、表面が滑らかであり、アウタケーシング内周面と最大径の側線の外周面(つまりインナケーブル外周面)との間の摺動抵抗が小さい。したがって、本発明のコントロールケーブルによると、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間のクリアランスを小さくしても、摺動抵抗が大きくなるのを抑制することができる。すなわち、充分に、バックラッシュを小さくしながら、かつ摺動抵抗を小さくすることができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記アウタケーシングの前記内周面と、最大径の前記側線の外接円と、の間のクリアランスは、−0.05mm以上0.1mm未満である構成とする方がよい。
ここで、「クリアランス」とは、アウタケーシング内周面と、最大径の側線の外接円と、の間の隙間幅をいう。すなわち、アウタケーシング内周面と、最大径の側線の外接円と、の直径差をいう。
クリアランスを0.1mm未満としたのは、0.1mm以上の場合、バックラッシュが大きくなるからである。また、クリアランスを−0.05mm以上としたのは、−0.05mm未満の場合、最大径の側線がアウタケーシング内周面に対して、過度に圧接することになり、摺動抵抗が大きくなるからである。
(2−1)特に好ましくは、上記(2)の構成において、前記クリアランスが0mm以下である構成とする方がよい。こうすると、バックラッシュが発生しなくなる。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記アウタケーシングは、最大径の前記側線に摺接するライナーを備えており、該ライナーの圧縮弾性係数は、200MPa以上1000MPa以下である構成とする方がよい。
圧縮弾性係数は、ASTM D638の試験方法により測定する。ライナーの圧縮弾性係数を200MPa以上としたのは、200MPa未満の場合、コントロールケーブルを操作時に不可抗力により過負荷を受け、インナケーブルの側線が過度に埋まり込むおそれがあるからである。また、ライナーの圧縮弾性係数を1000MPa以下としたのは、1000MPa超過の場合、ライナーが過度に硬くなり、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺動抵抗が大きくなるおそれがあるからである。
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記ライナーは、PTFE製である構成とする方がよい。PTFEの圧縮弾性係数は、約350MPaである。このため、例えば配策経路の湾曲部などにおいて、ライナー内周面にインナケーブル外周面が食い込んでも、ライナー内周面は、食い込んでくるインナケーブル外周面を避けるように、比較的簡単に、凹状に変形することができる。並びに、PTFEは、摩擦係数が小さい。したがって、摺動抵抗を小さくすることができる。
(5)また、上記課題を解決するため、本発明のコントロールケーブルは、筒状のアウタケーシングと、該アウタケーシングに往復動可能に挿通され、軸方向に延在する心線と、該心線の周囲に巻回されると共に互いに径の異なる複数種類の側線からなる側線群と、を有するインナケーブルと、を備えてなるコントロールケーブルであって、径の異なる複数種類の前記側線のうち、前記アウタケーシングの内周面に摺接する最大径の該側線は、前記インナケーブルの軸直方向断面において、周方向に略等間隔に複数配置されており、該アウタケーシングの該内周面と、最大径の該側線の外接円と、の間のクリアランスは、−0.05mm以上0.1mm未満であることを特徴とする。
ここで、「クリアランス」とは、アウタケーシング内周面と、最大径の側線の外接円と、の間の隙間幅をいう。すなわち、アウタケーシング内周面と、最大径の側線の外接円と、の直径差をいう。
本発明のコントロールケーブルの側線群は、径の異なる複数種類の側線からなる。この複数種類の側線のうち、最大径の側線が、アウタケーシングの内周面に摺接する。このため、アウタケーシング内周面と最大径の側線の外周面(つまりインナケーブル外周面)との間の摺接面積が小さい。
クリアランスを0.1mm未満としたのは、0.1mm以上の場合、バックラッシュが大きくなるからである。また、クリアランスを−0.05mm以上としたのは、−0.05mm未満の場合、最大径の側線がアウタケーシング内周面に対して、過度に圧接することになり、摺動抵抗が大きくなるからである。
本発明のコントロールケーブルによると、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺接面積が小さいため、摺動抵抗を小さくすることができる。並びに、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間のクリアランスが、−0.05mm以上0.1mm未満に抑制されているため、バックラッシュを小さくすることができる。
(5−1)特に好ましくは、上記(5)の構成において、前記クリアランスが0mm以下である構成とする方がよい。こうすると、バックラッシュが発生しなくなる。
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記アウタケーシングは、最大径の前記側線に摺接するライナーを備えており、該ライナーの圧縮弾性係数は、200MPa以上1000MPa以下である構成とする方がよい。
圧縮弾性係数は、ASTM D638の試験方法により測定する。ライナーの圧縮弾性係数を200MPa以上としたのは、200MPa未満の場合、コントロールケーブルを操作時に不可抗力により過負荷を受け、インナケーブルの側線が過度に埋まり込むおそれがあるからである。また、ライナーの圧縮弾性係数を1000MPa以下としたのは、1000MPa超過の場合、ライナーが過度に硬くなり、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺動抵抗が大きくなるおそれがあるからである。
(7)好ましくは、上記(6)の構成において、前記ライナーは、PTFE製である構成とする方がよい。PTFEの圧縮弾性係数は、約350MPaである。このため、例えば配策経路の湾曲部などにおいて、ライナー内周面にインナケーブル外周面が食い込んでも、ライナー内周面は、食い込んでくるインナケーブル外周面を避けるように、比較的簡単に、凹状に変形することができる。並びに、PTFEは、摩擦係数が小さい。したがって、摺動抵抗を小さくすることができる。
本発明によると、充分に、バックラッシュを小さくしながら、かつアウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺動抵抗を小さくすることが可能なコントロールケーブルを提供することができる。
以下、本発明のコントロールケーブルを、オートマチックトランスミッション操作用として具現化した実施の形態について説明する。
まず、本実施形態のコントロールケーブルの配置について説明する。図1に、本実施形態のコントロールケーブルの配置図を示す。図1に示すように、コントロールケーブル1の操作側端部は、操作側キャップ4aを介して、操作側ブラケット9aに固定されている。並びに、コントロールケーブル1の作動側端部は、作動側キャップ4bを介して、作動側ブラケット9bに固定されている。
図2に、図1の円II内の拡大図を示す。図2に示すように、作動側ブラケット9bは、鋼製であってU字状の切欠90bを備えている。作動側キャップ4bは、円筒状を呈している。作動側キャップ4bは、切欠90bに係止されている。作動側キャップ4bには、軸方向に延在するケーブル挿入孔40bが開設されている。
本実施形態のコントロールケーブル1は、アウタケーシング2とインナケーブル3とを備えている。アウタケーシング2は、円筒状を呈している。アウタケーシング2の作動側端部2bは、作動側キャップ4bのケーブル挿入孔40b内に固定されている。インナケーブル3は、線状を呈している。インナケーブル3の作動側端部3bは、ケーブル挿入孔40bを貫通している。作動側端部3bには、ミッションレバー91が接続されている。
コントロールケーブル1の操作側端部の構成も、上記作動側端部の構成と同様である。すなわち、アウタケーシング2の操作側端部は、操作側ブラケット9aに係止された操作側キャップ4aに、挿入され、固定されている。インナケーブル3の操作側端部3aには、シフトレバー92が接続されている。シフトレバー92を押し引きすることにより、オートマチックトランスミッションのモードを切り替えることができる。
次に、本実施形態のコントロールケーブル1の構成について説明する。図3に、本実施形態のコントロールケーブルの斜視断面図を示す。図4に、図3のIV−IV方向断面図(軸直方向断面図)を示す。
図3、図4に示すように、アウタケーシング2は、ライナー20とシールド層21とコート層22とからなる三層構造を呈している。ライナー20は、最内層に相当し、円筒状を呈している。ライナー20は、PTFE製である。シールド層21は、ライナー20の外周面に巻回された硬鋼線からなる。コート層22は、樹脂製であって、シールド層21の外周側を覆っている。
インナケーブル3は、心線30と側線群31とを備えている。インナケーブル3は、ライナー20内径側に、摺動可能に挿通されている。心線30は、硬鋼線であって、軸方向に延在している。側線群31は、心線30の外周面を覆っている。側線群31は、大径側線310と小径側線311という、径の異なる二種類の側線を備えている。大径側線310および小径側線311は、表面が平滑で光輝性を有するSUS製の線材である。大径側線310および小径側線311は、各々五本ずつ配置されている。大径側線310および小径側線311は、心線30の外周面に巻回されている。また、図4に示すように、大径側線310と小径側線311とは、軸直方向断面において、周方向に交互に配置されている。言い換えると、大径側線310は、心線30を囲む正五角形の頂点位置に、略72°ごとに配置されている。
次に、本実施形態のコントロールケーブル1の寸法について説明する。コントロールケーブル1の配策経路の総曲げ角度は、約280°である。並びに、コントロールケーブル1の配策経路の全長は、1500mmである。また、ライナー20の内径(つまりアウタケーシング2の内径)D2は、3.0mmである。また、心線30の直径d1は、1.55mmである。また、大径側線310の直径d2は、0.725mmである。また、小径側線311の直径d3は、0.58mmである。また、五本の大径側線310の外接円S1の直径(つまりインナケーブル3の外径D1)は、3.0mmである。
つまり、インナケーブル3の外径D1と、前記アウタケーシング2の内径D2と、は一致している。したがって、アウタケーシング2内周面とインナケーブル3外周面との間のクリアランスC(直径差)は、0に設定されている。
次に、本実施形態のコントロールケーブル1の作用効果について説明する。本実施形態のコントロールケーブル1によると、大径側線310および小径側線311のうち、大径側線310のみが、ライナー20の内周面に摺接する。このため、ライナー20内周面と大径側線310の外周面(つまりインナケーブル3外周面)との間の摺接面積が小さい。並びに、大径側線310は、表面が平滑で光輝性を有するSUS製の線材である。このため、ライナー20内周面と大径側線310の外周面(つまりインナケーブル3外周面)との間の摺動抵抗が小さい。したがって、本実施形態のコントロールケーブル1によると、アウタケーシング2内周面とインナケーブル3外周面との間のクリアランスが0であるにもかかわらず、摺動抵抗が大きくなるのを抑制することができる。すなわち、バックラッシュを排除でき、かつ摺動抵抗を小さくすることができる。
また、ライナー20は、PTFE製である。このため、前出図1に示すように、コントロールケーブル1の配策経路の湾曲部R1、R2などにおいて、ライナー20内周面に大径側線310外周面が食い込んでも、ライナー20内周面は、食い込んでくる大径側線310外周面を避けるように、比較的簡単に、凹状に変形することができる。並びに、PTFEは摩擦係数が小さい。したがって、摺動抵抗を小さくすることができる。
以上、本発明のコントロールケーブルの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明のコントロールケーブルをオートマチックトランスミッション操作用に用いたが、車両ドアの開閉操作用、車両ドアの開閉ロック操作用などに用いてもよい。また、上記実施形態においては、大径側線310と小径側線311とからなる側線群31を用いたが、径の種類が三種類以上の側線群を用いてもよい。また、上記実施形態においては、大径側線310を、心線30を囲む正五角形の頂点位置に配置したが、正三角形(大径側線310が三本)、正方形(大径側線310が四本)、正六角形(大径側線310が六本)、正七角形(大径側線310が七本)など、他の正多角形の頂点位置に配置してもよい。
以下、上記実施形態のコントロールケーブル1に対して行った評価実験について、図1〜図4を参照しながら、説明する。
<サンプル>
実施例1〜実施例4の構成は、上記実施形態のコントロールケーブル1と同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。実施例1〜実施例4のクリアランスC(前出図4参照)は、0.2mm、0.1mm、0mm、−0.05mmに、各々設定されている。なお、前出図4に示すのは、クリアランスC=0mmの実施例3に相当する。
図5に、比較例のコントロールケーブルの軸直方向断面図を示す。図5に示すように、比較例のコントロールケーブル5は、アウタケーシング6とインナケーブル7とを備えている。アウタケーシング6は、円筒状を呈している。アウタケーシング6は、ライナー60とシールド層61とコート層62とからなる三層構造を呈している。インナケーブル7は、心線70と側線群71とを備えている。側線群71は、全て同径の同径側線710からなる。
図5に示す比較例のコントロールケーブル5と、図1〜図4に示す実施例のコントロールケーブル1と、の相違点は、側線群の構成、材質のみである。すなわち、実施例のコントロールケーブル1の側線群31は、大径側線310と小径側線311とからなる。一方、比較例のコントロールケーブル5の側線群71は、同径側線710のみからなる。また、実施例のコントロールケーブル1の側線群31は、SUS製である。一方、比較例のコントロールケーブル5の側線群71は、硬鋼線製である。
ライナー60の内径(つまりアウタケーシング6の内径)D2は、2.35mmである。また、心線70の直径d1は、1.6mmである。また、同径側線710の直径d4は、0.38mmである。また、同径側線710の外接円S2の直径(つまりインナケーブル7の外径D1)は、2.35mmである。
つまり、インナケーブル7の外径D1と、前記アウタケーシング6の内径D2と、は一致している。したがって、アウタケーシング6内周面とインナケーブル7外周面との間のクリアランスCは、0に設定されている。
比較例1〜比較例3のクリアランスCは、0.2mm、0.1mm、0mmに、各々設定されている。なお、図5に示すのは、クリアランスC=0mmの比較例3に相当する。これら実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3は、前出図1に示すように、シフトレバー92とミッションレバー91との間に、湾曲して配策されている。
<評価項目>
評価項目は、バックラッシュ、レバー飛越、荷重効率、摺動抵抗、フィーリング官能値、NV(ノイズバイブレーション)官能値の、六項目である。バックラッシュの評価は、インナケーブルの操作側端部を押し引きすることにより行う。作動側端部不動のまま、操作側端部を押し引きできる量(軸方向のがたつき)を、バックラッシュ量とする。
レバー飛越の評価は、シフトレバーを操作することにより行う。シフトレバーが切り替わっても、ミッションレバーが切り替わらない場合をNG、シフトレバーが切り替わり、ミッションレバーも切り替わる場合をOKとする。
例えば、シフトレバーをP(パーキング位置)からR(リバース位置)に切り替える場合、ミッションレバーがパーキング状態からリバースギアに切り替わらない場合がNG、ミッションレバーがパーキング状態からリバースギアに切り替わる場合がOKである。
荷重効率の評価は、インナケーブルの操作側(シフト側)入力荷重および作動側(ミッション側)出力荷重を、測定することにより行う。なお、荷重効率(%)は、(作動側出力荷重/操作側入力荷重×100)という式から算出する。
摺動抵抗の評価は、アウタケーシング内周面とインナケーブル外周面との間の摺動抵抗を測定することにより行う。フィーリング官能値の評価は、シフトレバーを操作する際の操作感を、運転者が判断することにより行う。操作感がいい場合を○、悪い場合を×、どちらとも言えない場合を△とする。
NV官能値の評価は、エンジンを駆動した場合に、コントロールケーブルおよびシフトレバーを介して、エンジンルームから運転者の掌に伝達される振動を、運転者が判断することにより行う。振動が小さい場合を○、振動が大きい場合を×、どちらとも言えない場合を△とする。
<評価結果>
表1に、各サンプルの評価結果を示す。
Figure 0004995616
バックラッシュについて、実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3に示すように、クリアランスが小さくなる程、バックラッシュが小さくなることが判る。また、実施例3、実施例4に示すように、クリアランスをマイナスに設定しても、クリアランス0の場合と、バックラッシュは変わらないことが判る。レバー飛越について、クリアランスが大きい実施例1および比較例1を除いて、レバー飛越は発生しないことが判る。
荷重効率について、実施例1〜実施例4の方が、比較例1〜比較例3よりも、荷重効率が高いことが判る。例えば、実施例1〜実施例4の中で最も荷重効率の低い実施例4(荷重効率=75%)でさえ、比較例1〜比較例3の中で最も荷重効率の高い比較例1(荷重効率=70%)よりも、荷重効率が高いことが判る。
図6に、クリアランスと荷重効率との関係を示す。図6中、太線は、実施例1〜実施例4の荷重効率をつないだものである。細線は、比較例1〜比較例3の荷重効率をつないだものである。
図6に示すように、実施例、比較例共に、クリアランスが小さくなるに連れ、荷重効率が低くなることが判る。しかしながら、実施例の方が、比較例よりも、クリアランス変化量に対する荷重効率変化量が小さいことが判る。すなわち、実施例の方が、比較例よりも、クリアランスを小さく設定しても荷重効率が下がりにくいことが判る。
詳しく説明すると、比較例においては、比較例1と比較例2とを結ぶ直線の傾き(90(%/mm)=(70%−61%)/(0.2mm−0.1mm))と比較して、比較例2と比較例3とを結ぶ直線の傾き(310(%/mm)=(61%−30%)/(0.1mm−0mm))が、急激に大きくなっていることが判る。すなわち、クリアランス0.1mmを下回ると、荷重効率が激減することが判る。
これに対して、実施例においては、実施例1と実施例2とを結ぶ直線の傾き(50(%/mm)=(83%−78%)/(0.2mm−0.1mm))と比較して、実施例2と実施例3とを結ぶ直線の傾き(20(%/mm)=(78%−76%)/(0.1mm−0mm))、および実施例3と実施例4とを結ぶ直線の傾き(20(%/mm)=(76%−75%)/(0mm−(−0.05mm)))が、小さくなっていることが判る。すなわち、クリアランス0.1mmを下回ると、荷重効率の低下幅が小さくなることが判る。
摺動抵抗について、実施例1〜実施例4の方が、比較例1〜比較例3よりも、全体的に、摺動抵抗が低いことが判る。例えば、実施例1〜実施例4の中で最も摺動抵抗の高い実施例4(摺動抵抗=11N)と、比較例1〜比較例3の中で最も摺動抵抗の低い比較例1(摺動抵抗=10N)とを比較しても、摺動抵抗は1Nしか違わないことが判る。
図7に、クリアランスと摺動抵抗との関係を示す。図7中、太線は、実施例1〜実施例4の摺動抵抗をつないだものである。細線は、比較例1〜比較例3の摺動抵抗をつないだものである。
図7に示すように、実施例、比較例共に、クリアランスが小さくなるに連れ、摺動抵抗が大きくなることが判る。しかしながら、実施例の方が、比較例よりも、クリアランス変化量に対する摺動抵抗変化量が小さいことが判る。すなわち、実施例の方が、比較例よりも、クリアランスを小さく設定しても摺動抵抗が大きくなりにくいことが判る。
詳しく説明すると、比較例においては、比較例1と比較例2とを結ぶ直線の傾き(−80(N/mm)=(10N−18N))/(0.2mm−0.1mm))と比較して、比較例2と比較例3とを結ぶ直線の傾き(=−170(N/mm)=(18N−35N)/(0.1mm−0mm))が、急激に大きくなっていることが判る。すなわち、クリアランス0.1mmを下回ると、摺動抵抗が激増することが判る。
これに対して、実施例においては、実施例1と実施例2とを結ぶ直線の傾き(−30(N/mm)=(4N−7N)/(0.2mm−0.1mm))と、実施例2と実施例3とを結ぶ直線の傾き(−20(N/mm)=(7N−9N)/(0.1mm−0mm))、および実施例3と実施例4とを結ぶ直線の傾き(−40(N/mm)=(9N−11N)/(0mm−(−0.05mm)))と、は大差ないことが判る。すなわち、クリアランス0.1mmを下回っても、クリアランス0.1mm以上の場合と同様に、摺動抵抗の増加幅が小さいことが判る。
フィーリング官能値について、実施例1〜実施例4の方が、比較例1〜比較例3よりも、操作フィーリングが良いことが判る。NV官能値について、実施例1〜実施例4の方が、比較例1〜比較例3よりも、全体的に、運転者に振動を伝えにくいことが判る。
本発明の一実施形態のコントロールケーブルの配置図である。 図1の円II内の拡大図である。 同実施形態のコントロールケーブルの斜視断面図である。 図3のIV−IV方向断面図である。 比較例のコントロールケーブルの軸直方向断面図である。 クリアランスと荷重効率との関係を示すグラフである。 クリアランスと摺動抵抗との関係を示すグラフである。
符号の説明
1:コントロールケーブル。
2:アウタケーシング、2b:作動側端部、20:ライナー、21:シールド層、22:コート層。
3:インナケーブル、3a:操作側端部、3b:作動側端部、30:心線、31:側線群、310:大径側線、311:小径側線。
4a:操作側キャップ、4b:作動側キャップ、40b:ケーブル挿入孔。
5:コントロールケーブル。
6:アウタケーシング、60:ライナー、61:シールド層、62:コート層。
7:インナケーブル、70:心線、71:側線群、710:同径側線。
9a:操作側ブラケット、9b:作動側ブラケット、90b:切欠、91:ミッションレバー、92:シフトレバー。
C:クリアランス、D1:外径、D2:内径、R1:湾曲部、R2:湾曲部、S1:外接円、S2:外接円、d1〜d4:直径。

Claims (3)

  1. 筒状のアウタケーシングと、
    該アウタケーシングに往復動可能に挿通され、軸方向に延在する心線と、該心線の周囲に巻回されると共に互いに径の異なる複数種類の側線からなる側線群と、を有するインナケーブルと、
    を備えてなるコントロールケーブルであって、
    径の異なる複数種類の前記側線のうち、前記アウタケーシングの内周面に摺接する最大径の該側線は、前記インナケーブルの軸直方向断面において、周方向に略等間隔に複数配置されていると共にSUS製であり、
    該アウタケーシングの該内周面と、最大径の該側線の外接円と、の間のクリアランスは、−0.05mm以上0mm以下であることを特徴とするコントロールケーブル。
  2. 前記アウタケーシングは、最大径の前記側線に摺接するライナーを備えており、
    該ライナーの圧縮弾性係数は、200MPa以上1000MPa以下である請求項1に記載のコントロールケーブル。
  3. 前記ライナーは、PTFE製である請求項2に記載のコントロールケーブル。
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