JP4993428B2 - 最適化システム、最適化方法、最適化プログラム、及びプログラム媒体 - Google Patents

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本発明は、複数の設計パラメータに基づいて特性が決定される応答モデルにおいて、所望の特性を達成する設計パラメータを最適化する最適化技術に関する。
従来、最適化手法に応答局面モデルを用いた技術として非特許文献1が開示されている。このシステムでは、直交表あるいは乱数を用いて作成された設計パラメータをもとに構造解析を行い、設計パラメータと得られた応答モデルの関係から評価したい特性の数だけ最小二乗近似などで推定式を作成する。次に、設計の制約条件を設け、制約条件下で作成した推定式の全てが最大あるいは最小になる設計パラメータを求める。ここで得られた設計パラメータが求める最適値となる。
このように設計パラメータと応答モデルとの関係を推定式化し、最適設計値を求めるまで推定式だけを取り扱えばよいことから、入力(設計パラメータ)と出力(最適設計値)以外はブラックボックス化(システムでの数学的処理:推定式の連立方程式を解く)することができる。よって、応答局面法を用いた最適化手法のメリットは下記のように列挙できる。
(1)多数の設計パラメータと応答モデルとの関係から推定式を作成可能であり、最適化計算は推定式のみを取り扱えばよいため効率的である。
(2)設計を知らなくても最適設計値を得ることができる。
(3)応答局面法を用いた最適化手法についての知識がなくとも最適設計値を得ることができる。
また、最適化手法に遺伝的アルゴリズムを用いた技術として非特許文献2が開示されている。この手法では、直交表あるいは乱数を用いて作成された設計パラメータをもとに構造解析を行い、その応答モデルから最大値あるいは最小値(すなわち最適値)が存在しそうな方向を検索する。次に、最適値が存在する方向に応答が出るように設計パラメータを変化させながら構造解析を最適値が求まるまで繰り返す。ここで、最適値が存在しそうな方向の検索と新たな設計パラメータの作成は遺伝的アルゴリズムを用いている。
設計パラメータの変化は遺伝的アルゴリズムを用いて離散的に行われるため、入力(設計パラメータ)と出力(最適値設計)以外はブラックボックス化(システムでの離散的数値処理:遺伝的アルゴリズムによる設計パラメータの離散化)することができる。よって、遺伝的アルゴリズムを用いた最適化手法のメリットは下記のように列挙できる。
(4)遺伝的アルゴリズムを用いた最適化システムに任せておけば、ほぼ最適設計値が得られる。
(5)設計を知らなくても最適設計値を得ることができる。
(6)遺伝的アルゴリズムを用いた最適化システムを知らなくても最適設計値を得ることができる。
Transaction of JSCES,Paper No.20000019,日本計算工学会(2000年5月24日発行) 日本機会学会2001年度 年次大会(2001.8.27-30)
しかしながら、上記従来技術にあっては、下記に示す問題があった。すなわち、非特許文献1及び非特許文献2に記載のいずれの技術であっても、推定式の精度の妥当性が不明であり、また、多峰性が強い特性の場合、真に最適設計値が求められているか分からない。また、最適化計算はブラックボックス化(数学的数値処理)されているため、最適である物理的意味(設計的意味)が分からない。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、設計空間と、最適化設計値と応答モデルの関係の物理的意味の両方を把握可能な最適化システム、最適化方法、最適化プログラム、及びプログラム媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の最適化システムでは、複数の設計パラメータの組み合わせに対する評価特性値の応答を有する応答モデルと、前記評価特性値に基づいて、前記設計パラメータの最適値を演算する演算処理装置と、を備えた最適化システムにおいて、前記演算処理装置は、前記複数の設計パラメータの組み合わせを類似度に応じて分類する分類手段と、前記分類された組み合わせを類似度に応じて平面上に配置した配置図にそれぞれの位置における前記組み合わせに対応する前記評価特性値を記録する特性コンターマップ作成手段と、前記配置図にそれぞれの位置における前記組み合わせのうちの1つの設計パラメータの値を記録するパラメータコンターマップ作成手段と、前記複数の設計パラメータが横軸に並べて配置され、縦軸に前記設計パラメータのそれぞれの値を表示したものを設計パターンとしたとき、前記配置図の所望の位置に対応した前記設計パターンを表示する設計パターン表示手段と、を有することを特徴とする。尚、応答モデルとは、入力に対して何らかの規則に基づき入力を変化させ、出力する系をいい、構造体のみでなく、電気回路、経済モデル等も含まれる。

よって、特性コンターマップにより設計空間の状態を把握することができる。また、特性コンターマップとパラメータコンターマップを表示することで、評価特性と設計パラメータ間の相関、ひいては物理的意味を把握することができる。
以下、本発明の最適化システムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は実施例1の最適化システム構成を表すシステム図である。演算処理装置1には、演算処理装置1の演算結果を表示する表示装置2(表示手段に相当)と、演算処理装置1に情報を入力するキーボード3が接続されている。
〔実施例1の最適化システムのコンセプト〕
図2は演算処理装置1内の演算処理構造を表すフローチャートである。実施例1の最適化システムでは、大きく分けて(A)〜(D)の四つのコンポーネントから構成されている。
コンポーネント(A)は、直交表あるいは乱数を用いた設計パラメータの生成と、それに基づく構造解析を行うコンポーネントである。尚、このコンポーネントの中には、構造解析の対象となる応答モデルモデルが組み込まれている。この応答モデルモデルは、入力された設計変数に基づいて評価特性を出力可能なシミュレータが搭載されている。
コンポーネント(B)は、少なくとも1つ以上の評価特性のコンターマップ群(蓄積手段に相当)であり、構造解析の結果得られた応答モデル(評価特性値に相当)の特性コンターマップと、それに対応する設計パラメータのパラメータコンターマップの対が、評価特性ごとに存在する(特性コンターマップ作成手段、パラメータコンターマップ作成手段に相当)。
全ての応答モデル(評価特性値)はクラスタリングによって分類され(分類手段に相当)、図3に示すように、分類されたグループの場所を全てのコンターマップで同じになるように表示している。コンターマップには、縦軸・横軸の概念がなく、単にクラスターの近さ(類似度)だけで配置している。図3中の黒い線はクラスターの境界であり、全てのコンターマップで共通である。尚、クラスタリングとは、似ているもの同士をグループ化し、クラスタ(塊)を構成していく既知の手法である。
言い換えると、複数の設計パラメータもしくは評価特性値を類似度に応じて平面上に配置された配置図が予め備えられており、この配置図上に応答モデルの評価特性を記録したものが特性コンターマップであり、配置図上に設計パラメータの値を記録したものがパラメータコンターマップである。
コンポーネント(C)は、コンポーネント(B)で作成した各評価特性のコンターマップを重ね合わせ(重畳手段に相当)、最適値が存在しそうな領域をコンターマップから検索する(抽出手段に相当)コンポーネントである。尚、目的が最適値の領域ではなく、使用者(設計者)が知りたい領域の検索も可能である。また、重ね合わせる評価特性は使用者(設計者)が自由に選択することも可能である。また、重ね合わせる時点で、ある評価特性に重みをつけることで、重みをつけた評価特性を重視した最適領域検索が可能となる。
コンポーネント(D)は、コンポーネント(C)で求めた最適値の存在しそうな領域(使用者が知りたい領域)における最適計算値を求めるための、従来の最適化手法を利用した最適化コンポーネントである。
コンポーネン(A)とコンポーネント(D)の構成で、従来の最適化手法と同様の構成となるが、従来手法の問題点を解決するために、コンポーネント(B),(C)を加えたのが実施例1の特徴である。尚、実施例1の上記各コンポーネントは、最適化プログラムとして演算処理装置1内に組み込まれている。
ここで、従来技術の問題点について詳述する。背景技術において説明したように、応答局面法を用いた最適化システム(非特許文献1参照)には、(1)〜(3)のメリットがあるものの、下記に示す問題がある。
(a)推定式の精度は設計パラメータと応答モデルとの関係の数に依存するため、精度向上には多くの構造解析を必要とする。また、どのくらいの数の構造解析が妥当なのか予め分からない。
(b)推定式の制動により、真に最適設計値が求められているか分からない。
(c)最適化計算はブラックボックス化(数学的数値処理)されているため上記(2),(3)に示す効果が得られるものの、最適である物理的意味(設計的意味)が分からない。
また、非特許文献2に記載の技術では、(4)〜(5)のメリットがあるものの、下記に示す問題がある。
(d)非常に多峰性を示す(非線形性が強い)現象の場合、最適設計値を求めるまでに非常に多くの構造解析を必要とするため、非効率的である。
(e)非常に多峰性が強い場合、LocalMinimum(あるいはLocalMaximum)に陥る可能性があり、真に最適設計値でない答えを求めてしまう可能性があり、本当に最適であるか分からない。これは設計空間全体を確認する手段がないためである。尚、LocalMinumumもしくはLocalMaximumとは、局所的な最小値や最大値を表し、真の最小値や最大値とは異なる値を示す。
(f)最適化計算はブラックボックス化(離散的数値処理)されているため、上記(5),(6)に示す効果が得られるものの、最適である物理的意味(設計的意味)が分からない。
すなわち、上記課題を整理すると、下記に示す課題が挙げられる。
・精度向上のために多くの計算を必要とし非効率的である。
・設計空間全体を把握することができないため、本当に最適なのか分からない。
・最適化過程がブラックボックス化(数学的数値化、離散的数値化)されているため、最適設計値と応答モデルの関係の物理的意味が分からない。
そこで、実施例1では、特性コンターマップとパラメータコンターマップを用いて、設計空間全体を把握すると共に、最適設計値(単に設計値でもよい)と応答モデルの関係の物理的意味を見出すこととした。
〔実際の設計問題への適用〕
次に、上記実施例1のコンセプトに基づいて実際の設計問題に適用した場合について説明する。
(軽ボトミング走行における、セダン車の最適ばね-S/ABS仕様の決定)
軽ボトミング走行における、セダン車の最適ばね-S/ABS仕様を決定する際の最適化処理に上記コンセプトを適用して説明する。尚、軽ボトミング走行とは、制動時に車両がノーズダイブする状態を表し、「最適ばね-S/ABS仕様」とは、サスペンションのコイルスプリングのばね定数と、ショックアブソーバの減衰特性の組み合わせの仕様を決定することを表す。応答モデルとして、サスペンションを備えたセダン車の車両モデルを構成し、各設計変数を設定した。
評価特性は表1に示すものを取り上げた。また、決定したいばね-S/ABS仕様として、表2に示すものを取り上げた。したがって、求める最適ばね-S/ABS仕様は、表1の全ての評価特性を同時に満たした上で最小となる表2に示すパラメータ各値の導出である。
Figure 0004993428
Figure 0004993428
図4は、サスペンションの特性を表す特性図である。横軸:ピストン速度、縦軸:減衰力の関係を表す。表2において使用する評価特性「ブローバイ」とは、この関係の傾きが変化するとき(ポイントB)のピストン速度を表す。また、「バルブ特性傾き」とは、一次関数で表現された領域の傾きを表す(ポイントC)。
・コンポーネント(A)
乱数を用いて、表2に示す各設計パラメータの上限値と下限値の間で、設計パラメータを設定する。ここでは100個の設計パラメータの組を作成した。ここで作成した設計パラメータを基に解析モデルを作成し、シミュレータを用いて軽ボトミング走行を計算し、表1に示す応答モデルを求める。従って、100個の設計パラメータの組に対して、100個の応答モデルが求められる。
・コンポーネント(B)
コンポーネント(A)で求めた100個の応答モデルを設計パラメータを基にクラスタリングを用いて分類し、コンターマップに表示させる。ここでは6個のクラスタ(分類されたグループ)を作成した。この結果を図5に示す。図5中黒い線はクラスタの境界であり、全てのコンターマップで共通である。図5に示すように、評価特性のコンターマップは単独で表示させている。
また、図5の下の2列の各設計パラメータのコンターマップは、今回の問題の場合、各評価特性に対し全て同じものになる。尚、コンターマップのドットは、密度が粗いほど値が小さく、密度が高いほど値が大きいことを示している。また、コンターマップには、縦軸・横軸の概念がなく、単にクラスタの近さ(類似度)だけで配置している。
・コンポーネント(C)
コンポーネント(B)で作成した6個の評価特性のコンターマップを重ね合わせ、最適値が存在しそうな領域をコンターマップから検索する。6個の評価特性のコンターマップの重ね合わせの結果を図6に示す。図6の結果から、最適値すなわち全てを重ね合わせ、最小になる部位(密度が薄い部位)は、図6中の円で囲った領域であることが分かる。この円で囲った領域に存在する設計パラメータのパターンは、図7に示すように、ある幅を持った傾向であることが分かる。
したがって、次のコンポーネント(D)では、この幅に入るようなモデルを作成し、最適化計算を行えばよいことになる。尚、今回は重ね合わせたコンターマップを直接確認して領域を決定したが、図8に示すように、閾値を設定し、この閾値を上下させることで最適値の存在しそうな領域を補足する処理を加えることも可能である。
・コンポーネント(D)
コンポーネント(C)で求めた、最適値の存在しそうな領域(使用者が知りたい領域9における最適設計値を求めるため、従来の最適化手法を利用した最適化を行う。ここでは、コンポーネント(C)で求めた設計パターンの幅に入るようなモデルを作成し、最適化計算を行う。これにより求められた最適評価特性のコンターマップ上を図9に示す。また、このときの最適設計値は図10の太い実線で示すパターンとなる。
〔上記各コンポーネントに基づく作用〕
次に、上記コンポーネントから導出される作用について説明する。
(コンターマップの作用)
図11に前輪設置荷重の評価特性のコンターマップを示す。前輪設置荷重特性のコンターマップは設計領域全体を評価特性値の定量値によるコンター図で表している。よって、使用者(設計者)は図11を目視することで、評価特性値の大小を確認することができる。評価特性の最適値は、コンターマップでいうところの、最小値あるいは最大値であり、図11でいえばそれぞれ密度が薄い部分あるいは濃い部分となる。コンターマップは上述のコンポーネント(B)の段階であるため、真の最適値が出ているとは限らないため、この段階では「最適値の存在しそうな領域」ということになる。
また、図3において示したように、全ての応答モデル(評価特性値)はクラスタリングによって分類され、分類されたグループの場所を全てのコンターマップで同じになるように表示している。例えば、図12に示すように、前輪設置荷重を矢印の方向に小さくするためには、設計パラメータも同様の矢印の方向に変化させればよい。例えば、「ブローバイ伸側はFrが大→小、Rrが小→大」、「ブローバイ縮側はFrが小→大、Rrが大のまま」、「バルブ特性傾き伸側はFrが大→小、Rrが小→大」、「バルブ特性傾き縮側はFrが小→大、Rrが大のまま」等がコンターマップから理解できる。
尚、コンターマップは定量値でも把握できるため、目的とする評価特性値を評価特性コンターマップ上で設定したら、同じ場所にあたるパラメータコンターマップ上の値を読めばよいことになる。
(重ね合わせの作用)
図6において説明したように、独立した評価特性のコンターマップを重ね合わせることで、共通して値が小さい(密度が低い)場所は小さく(密度が低い)、共通して値が大きい(密度が濃い)場所は大きく(密度が濃く)、共通していない場所は平均的になり、共通している場所が強調されるように構成される。従って、最適値(最小値あるいは最大値)が存在しそうな領域は、重ね合わせた結果のコンターマップの密度が薄い場所、あるいは密度が濃い場所であることが分かる。
例えば、一方の特性が良好だと、他方の特性が悪化するようなトレードオフの関係を考慮しなければならない場合であっても、ある評価特性を特に重要視して検討したい場合がある。このとき、重要視したい評価特性の値に重みを付けることで、よりコンターマップの濃淡が明確になり、重ね合わせたときに、重要視する評価特性を強調することができる。尚、最適値の存在しそうな領域の把握は同様に濃淡から判断すればよい。
(最適値が存在しそうな領域の抽出作用)
各評価特性のコンターマップを重ね合わせ、最適値が存在しそうな領域を抽出し、この領域を満たす設計パラメータのパターンは、図7に示すように、ある幅を持った傾向であることが分かる。例えば、上記ばね-S/ABS仕様の場合、使用者(設計者)は、現在の仕様がどのような傾向にあるのか、他社の車両の仕様がどのような傾向にあるのかを知り、その上で、開発車両の仕様を決定する場合が多い。背景技術で示したような最適化システムでは、領域全体を示すことができなかったため、このようなとき、始めから解析モデルを作成し、計算を行ってきた。
これに対し、実施例1の最適化システムでは、図13に示すように、評価特性の全体領域と設計パラメータの全体領域がコンターマップで示されること、それぞれのコンターマップは全て同じ設計パラメータパターン上に表示されていることから、最適値が存在しそうな領域における設計パラメータのパターンや傾向を瞬時に得ることができる。
(コンターマップの比較による作用)
図14はコンターマップの比較による作用を表す図である。図14に示すように、各評価特性のコンターマップの右上がりの実線を確認すると、実施例1で示した軽ボトミングの場合、重心位置上下変位が右上がりに大(密度が濃い)となり、前輪設置荷重が左下がりに大(密度が濃い)となる。すなわち、これらの関係は明らかにトレードオフの関係にある。これに対し、その他の評価特性は、この実線の線上であまり変化していない。このように、コンターマップの比較によって各評価特性の傾向を認識することができる(比較手段に相当)。
(特性コンターマップとパラメータコンターマップとの比較による作用)
図15は特性コンターマップ内で分類された各領域における設計パターンを表す図である。上述したように図15中、黒い線はクラスタの境界(類似度が近いものの集合)であり、全てのコンターマップで共通である。よって、この黒い線の領域内に存在する設計パターンのうち最大・最小を取り、幅を持たせた設計パターンを表示している。
言い換えると、各クラスタは、類似した設計パターンの集合であり、幅を持たせた設計パターンは、各クラスタの特徴を設計パターンの組み合わせにより表示したものである。
この関係を用いて、例えば、図16に示すように、特性コンターマップ上で矢印の方向に特性を変化させた場合、設計パターンは、(パターン1)→(パターン2)→(パターン3)のように変化することが理解できる。
図17は上記特性を変化させた場合の設計パターン変化を重ね合わせた図である。図17に示すように、設計パターンを重ね合わせ、各設計パターンがどのように変化したかを観察すると、フロント側及びリア側の「ブローバイ伸側」及び「ブローバイ縮側」が下から上に変化している様子が分かる。すなわち、評価特性を図16に示す矢印で変化させたい場合には、フロント側及びリア側の「ブローバイ伸側」及び「ブローバイ縮側」を下から上に変化させることによって実現できることが分かる。
(他の実施例)
尚、実施例1では、全ての特性コンターマップを重ね合わせ、その中から最適値であると推定される領域を抽出し、最適化処理を行ったが、例えば、複数の評価特性のうち、所望の評価特性のみを選択し、それらを重ね合わせて選択した評価特性のみが最適となる設計パターンを抽出してもよい。
また、上記実施例1では、特性コンターマップに対応する設計パターンを抽出したが、パラメータコンターマップに対応する特性値を抽出し、設計パターンの変化による特性値の変化を見るようにしてもよい。
また、上記実施例1では、セダン車の仕様決定を例に示したが、同様の特性コンターマップ及びパラメータコンターマップを他の車種(例えばワンボックス車)において作成し、これらのコンターマップを重ね合わせることで、セダン車と他の車種の中間に相当するような仕様を、始めから計算することなく求めることができる。
また、実施例1では、演算処理装置1内に最適化プログラムが組み込まれた例を示したが、この最適化プログラムが記憶されたプログラム媒体により市場に流通可能とするしてもよい。また、サーバー等にプログラムを蓄積しておき、ダウンロード等によって適宜使用者が演算処理装置1にインストール可能な構成としてもよい。
また、実施例1では、応答モデルとして、サスペンションのコイルスプリングとショックアブソーバで構成される系に適用したが、これに限られるものではなく、電気回路、経済モデル、プログラム等に適用してもよい。
実施例1の最適化システム構成を表すシステム図である。 実施例1の演算処理装置内の演算処理構造を表すフローチャートである。 実施例1のコンターマップを表す図である。 実施例1のサスペンションの特性を表す特性図である。 実施例1のコンターマップの具体例を表す図である。 実施例1のコンターマップの重ね合わせを表す図である。 実施例1の特性コンターマップと設計パターンの関係を表す図である。 実施例1の最適値の存在しそうな領域を補足する処理を表す図である。 実施例1の重ね合わせたコンターマップ上に最適評価特性の領域を示した図である。 実施例1の設計パターンと最適設計値の関係を表す図である。 実施例1の前輪設置荷重の評価特性のコンターマップを示す。 実施例1の前輪設置荷重及び設計パラメータとの関係を表す図である。 実施例1の評価特性の全体領域と設計パラメータの全体領域がコンターマップで示されること、それぞれのコンターマップは全て同じ設計パラメータパターン上に表示されていることを表す図である。 実施例1のコンターマップの比較による作用を表す図である。 実施例1の特性コンターマップ内で分類された各領域における設計パターンを表す図である。 実施例1の特性コンターマップ上における変化と設計パターンの変化を表す図である。 実施例1の設計パターンの変化を表す図である。
符号の説明
1 演算処理装置
2 表示装置
3 キーボード

Claims (9)

  1. 複数の設計パラメータの組み合わせに対する評価特性値の応答を有する応答モデルと、
    前記評価特性値に基づいて、前記設計パラメータの最適値を演算する演算処理装置と、
    を備えた最適化システムにおいて、
    前記演算処理装置は、
    前記複数の設計パラメータの組み合わせを類似度に応じて分類する分類手段と、
    前記分類された組み合わせを類似度に応じて平面上に配置した配置図に、それぞれの位置における前記組み合わせに対応する前記評価特性値を記録する特性コンターマップ作成手段と、
    前記配置図に、それぞれの位置における前記組み合わせのうちの1つの設計パラメータの値を記録するパラメータコンターマップ作成手段と、
    前記複数の設計パラメータが横軸に並べて配置され、縦軸に前記設計パラメータのそれぞれの値を表示したものを設計パターンとしたとき、前記配置図の所望の位置に対応した前記設計パターンを表示する設計パターン表示手段と、
    を有することを特徴とする最適化システム。
  2. 請求項1に記載の最適化システムにおいて、
    前記応答モデルは複数種の評価特性値を有し、
    前記演算処理装置は、前記複数種の評価特性値毎に前記特性コンターマップを作成し、各特性コンターマップを前記複数の設計パラメータの組み合わせが同じとなる位置で重ね合わせる重畳手段を有することを特徴とする最適化システム。
  3. 請求項1または2に記載の最適化システムにおいて、
    前記演算処理装置は、前記特性コンターマップから最適値の候補が存在する領域を抽出する抽出手段を有することを特徴とする最適化システム。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載の最適化システムにおいて、
    前記応答モデルは複数種の評価特性を有し、
    前記演算処理装置は、前記複数種の評価特性毎に前記特性コンターマップを作成し、各特性コンターマップを比較可能に表示する比較表示手段を有することを特徴とする最適化システム。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の最適化システムにおいて、
    前記設計パターン表示手段は、前記特性コンターマップの位置に応じた前記設計パターンを表示することを特徴とする最適化システム。
  6. 請求項1ないし5いずれか1つに記載の最適化システムにおいて、
    前記応答モデルは複数種の評価特性を有し、
    前記演算手段は、前記複数種の評価特性毎に前記特性コンターマップを作成し、前記特性コンターマップ毎に独立に前記パラメータコンターマップを蓄積する蓄積手段を有することを特徴とする最適化システム。
  7. 複数の設計パラメータの組み合わせに対する評価特性の応答を有する応答モデルがあるとき、前記評価特性に基づいて、前記設計パラメータの最適値を演算する最適化方法において、
    コンピュータ
    前記複数の設計パラメータの組み合わせを類似度に応じて分類
    前記分類された組み合わせを類似度に応じて平面上に配置した配置図に、それぞれの位置における前記組み合わせに対応する前記評価特性値を記録した特性コンターマップを作成
    前記配置図に、それぞれの位置における前記組み合わせのうちの1つの設計パラメータの値を記録したパラメータコンターマップを作成
    前記複数の設計パラメータが横軸に並べて配置され、縦軸に前記設計パラメータのそれぞれの値を表示したものを設計パターンとしたとき、前記配置図の所望の位置に対応した設計パターンを表示ることを特徴とする最適化方法。
  8. 複数の設計パラメータの組み合わせに対する評価特性の応答を有する応答モデルがあるとき、前記評価特性に基づいて、前記設計パラメータの最適値を演算する最適化プログラムにおいて、
    コンピュータに、
    前記複数の設計パラメータの組み合わせを類似度に応じて分類し、分類された組み合わせを類似度に応じて平面上の配置図に配置するステップと、
    前記配置された位置に、それぞれの位置における前記組み合わせに対応する前記応答モデルの評価特性を表示するステップと、
    前記配置図に、それぞれの位置の前記組み合わせのうちの1つの設計パラメータの値を表示するステップと、
    前記複数の設計パラメータが横軸に並べて配置され、縦軸に前記設計パラメータのそれぞれの値を表示したものを設計パターンとしたとき、前記配置図の所望の位置に対応した設計パターンを表示するステップと、
    を実行させることを特徴とする最適化プログラム。
  9. 請求項8に記載の最適化プログラムが記憶されていることを特徴とするプログラム媒体。
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