JP4989412B2 - デジタル式のトルク測定器 - Google Patents

デジタル式のトルク測定器 Download PDF

Info

Publication number
JP4989412B2
JP4989412B2 JP2007273886A JP2007273886A JP4989412B2 JP 4989412 B2 JP4989412 B2 JP 4989412B2 JP 2007273886 A JP2007273886 A JP 2007273886A JP 2007273886 A JP2007273886 A JP 2007273886A JP 4989412 B2 JP4989412 B2 JP 4989412B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
measuring device
strain
torque measuring
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007273886A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009103506A (ja
Inventor
洋 辻
恭 簡
宏一 志村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohnichi Mfg Co Ltd
Original Assignee
Tohnichi Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohnichi Mfg Co Ltd filed Critical Tohnichi Mfg Co Ltd
Priority to JP2007273886A priority Critical patent/JP4989412B2/ja
Publication of JP2009103506A publication Critical patent/JP2009103506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4989412B2 publication Critical patent/JP4989412B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Description

本発明は、トルクセンサを備えたデジタル式のトルク測定器であって、小さいトルクであっても正確に測定可能であり、かつ小型、軽量であるため、トルク測定器本体を手に持って回転体のトルクを測定可能とするものである。
従来、0.05cN m〜150cN m程度の比較的小さいトルクを測定するためのトルク測定器として、手に持って使用できる小型のトルクゲージが提案されている。このトルクゲージは、例えば、電子機器や精密機器等に設けられた回転つまみ等の回転体の、回動に要するトルクの測定等に用いられる。
例えば、特許文献1には、トルクゲージの一例が記載されている。このトルクゲージは、筒状の握り部と、握り部の軸心に設けられた主軸と、該主軸周りに装着された渦巻バネ、と、被測定物を掴むためのチャックなどから構成される。そして、渦巻バネはその内端が主軸に固定され、外端が握り部に固定されている。
このトルクゲージによりトルクを測定する際の動作は、まず、測定対象となるつまみ等の回転体をチャックによって掴んで固定し、その状態で使用者がトルクゲージを回転させる。そうすると、トルクゲージを回転させるトルクが渦巻バネに対して入力され、渦巻きばねがその弾性力に応じて巻き込むように変形しつつ、握り部と主軸とが相対的に回転していく。この際に、渦巻きばねに入力されるトルクとそれによって生じる変形量(変位量)との関係から換算されたトルク値が刻まれた目盛部によって、回転体に対して加えられているトルク値を知ることができる。
そして、回転体に対してトルクを加えていくと、あるトルクを超えたところで回転体は回転を始め、渦巻バネの弾性変形が解消していくとともに測定されるトルクも減少していくため、回転体が回転を始めるまでに測定された最大トルク値がその回転体を回転させるのに必要なトルク(起動トルク)ということになる。従って、このトルクゲージにおいて、回転体が回転を始めるまでに測定された最大トルクを確認するか、入力された最大トルクが目盛部に表示されるようないわゆる置き針式の構造とすれば、回転体の起動トルクが測定できる。
このように、回転体の起動トルクを測定する従来のトルクゲージにおいては、トルク測定のための弾性体には渦巻バネが用いられており、バネの弾性変形の量と入力されるトルクとの関係から機械的にトルクを計測していた。しかし、その場合にはトルクをデジタルで算出することはできず、測定されたトルクを数値データとして表示したり、直接保存・出力したりすることができない。
一方、荷重等の力を測定してデジタル表示するためには、力を電気的な信号として測定する必要があるが、通常このような電気的な信号として力や荷重の測定を行う場合には、鋼材などの起歪体の表面に歪ゲージを取りつけて構成されるロードセルが用いられる。ロードセルは、鋼材などの起歪体に対して荷重を加えることにより歪を発生させ、その歪を歪ゲージによって検知することにより、加えられた荷重を測定するものである。ここで、歪ゲージとは、通常、合成樹脂製ベース材上に金属箔製抵抗線が貼り付けられて形成されるもので、自身の歪みにより抵抗値が変化する電気抵抗である。通常、この歪ゲージを用いてブリッジ回路を構成し、歪を検出する対象物上に貼り付けて使用する。歪が生じると、ブリッジ回路の中間地点に電位差が生じ、歪み量に対応する電圧が出力されるため、その出力から測定対象物の歪み量や作用した力を測定することができるものである。
そして、このようなロードセルを用いてデジタル値でトルクを測定することが可能な装置も提案されている。特許文献2には、ロードセルを用いたトルクチェック装置が記載されており、このロードセルには、表面に歪ゲージを配置した鋼板を起歪体とし、その鋼板のねじれ方向にトルクが加わるように鋼板を回転軸方向に縦設したものが用いられている。トルクチェック装置によりこのロードセルに対してトルクが入力されると、起歪体である鋼板がねじれ、表面に配置された歪ゲージがそのねじれによる歪を検知することによりトルクが測定され、デジタルでトルク値を得ることができる。
また、そのほかにも、特許文献3には、中心部がくり貫かれた板状の鋼材を起歪体とするいわゆるロバーバル型のロードセルを用いたトルク検出装置も提案されている。このトルク検出装置の場合には、回転方向のトルクをウォームギヤによって直線的な力に変換し、ロードセルに作用させて変形させることで、それによって生じる歪みを歪ゲージ(歪センサ)で検出し、トルクを電気的に求めている。
特開2006−71468 号公報 特開平10−78361 号公報 特開2003−307461 号公報
しかし、上述の特許文献2や3に記載のトルク測定器は、トルクを電気的な信号として測定し、デジタルでトルク値を得ることができるが、いずれも構造や機構が複雑であり、手で測定器を持って使用するような小型のトルク測定器に適用することは難しい。
また、従来提案されているようなロードセルの起歪体についても、特許文献2に記載のロードセルの場合には、高さ方向に大きく、上記小型のトルク測定器に利用するためには、トルク測定器をその長手方向(軸方向)に大型化しなければならないという問題がある。
また、特許文献3に記載のように、ウォームギヤなどのギヤ部材を介する構成のものは、同様にトルク測定器が大型化してしまうのに加え、ギヤ部材を介することによりギヤ部分において摩擦が生じるため、測定の精度が下がるという問題がある。
さらに別の課題として、このような携帯可能な小型のトルク測定器は、比較的小さいトルクを精度良く測定する必要があるため、入力されるトルクとトルク測定器に用いるトルクセンサの出力との直線性がより高いことが要求される。例えば、小型のトルクセンサであっても、入力されるトルクとそれに対して出力される電圧などの信号の直線性が低く、測定トルクの演算処理段階において大幅な補正が必要となると、処理が複雑になり測定の精度を高く保つことが困難になる。
そこで、本願発明は、測定対象物のトルクが小さいトルクであっても、正確にトルクの測定が可能な、小型のデジタル式のトルク測定器を提供することを目的とする。
本願発明に係るデジタル式のトルクセンサは、外力が加わることにより弾性変形する起歪体の表面に歪ゲージを配置して構成されるトルクセンサを備えたトルク測定器本体と、測定対象物に取り付ける取り付け部材とにより構成されるデジタル式のトルク測定器であって、トルク測定器本体は、取り付け部材をトルク測定器本体に対して相対回転可能に連結する回転軸部材と、トルクセンサを格納する台座部と、トルクセンサが出力する信号からトルク値を演算するための処理回路と、トルク値を表示するデジタル表示部と、を有し、取り付け部材を測定対象物に固定して、トルク測定器本体を回転軸部材を介して測定対象物に対して相対回転させることにより、トルクセンサを弾性変形させてトルクを測定することを特徴とする。
本願発明のデジタル式のトルク測定器によれば、トルク測定器本体およびトルク測定器本体内のトルクセンサが小型軽量であるため、持ち運び可能であり、本トルク測定器を手に持ってトルクの測定が可能となる。
また、本願発明のデジタル式のトルク測定器において、起歪体を渦巻状に形成したトルクセンサを用いれば、トルクが作用する方向を、その渦巻の回転方向と同じ方向に作用させて歪を発生させ、その歪からトルクを求めることができるため、トルクを直接起歪体に作用させることができ、感度に優れ、微小なトルクであってもより正確にトルクを測定することができる。
また、本願発明のトルク測定器によれば、トルク値を表示する表示部を開閉して向きを変えることができるため、使用者の目の位置から離れた位置でトルク測定器本体を使用する場合でも、使用者が表示部を視認できる方向に向きを変えれば、測定したトルク値を確実に確認することができる。
以下、図面に示す本実施形態に基づいて、本願発明に係るデジタル式のトルク測定器を説明する。
本実施形態のトルク測定器は、例えばボリュームつまみの回動軸等の回転体が回転し始める際のトルク、言い換えれば、測定対象の回転体を回転させるために必要なトルク(以下、起動トルクとする)を測定する場合などに用いられるものである。
まず、本トルク測定器に用いるトルクセンサについて説明する。トルクセンサには、外力によって弾性変形する起歪体と、その起歪体の表面に配置された歪ゲージとにより構成される通常のトルクセンサを用いることが可能であるが、本実施形態のトルク測定器に用いるトルクセンサとして好ましい形態は、図1に示すような、渦巻状の起歪体2を有するトルクセンサ1が挙げられる。
図1に示すトルクセンサ1は、外力が加わっていない平常状態を示しており、(a)は歪ゲージ14が貼り付けられた部分の側面図、(b)は平面図である。トルクセンサ1は、起歪体2と起歪体2に貼り付けた歪ゲージ14とで構成される。図1に示すように、起歪体2は、一端に外力が入力される作用端4と、他端にトルク測定器の台座等に固定するための固定端6を有する、帯状の金属部材を、平面の渦巻状に一重に巻いたものである。そして、作用端4が渦巻の中心端、固定端6が渦巻の外端となっている。作用端4には、後述するトルク測定器100の、測定対象の回転体と連結する回転軸に挿通するための軸穴が形成されており、その軸穴を回転軸に対して回転方向に滑らないように挿通し固定する。従って、作用端4の軸穴とトルク測定器100側の回転軸とは噛み合せて回転方向に固定できるような形状に形成するのが好ましい。例えば、回転軸と軸穴とを六角形や十二角形等に形成したり、スプライン加工やセレーション加工をしたりすることが考えられる。また、固定端6はトルク測定器側にねじなどで固定される。
なお、本実施形態では、トルクセンサ1の中心端を作用端4とし、外端を固定端6としているが、逆に、中心端をトルク測定器側に固定する固定端とし、外端を作用端としてもよい。また、作用端4、固定端6の形状はこれに限られず、トルクを入力する回転軸と連結できる形状、またはトルク測定器側に固定できる形状であればよい。
そして、トルクセンサ1の特徴としては、起歪体2が、図1(b)の平面図において直線状に表された、三か所の平面部8,10,12を有しており、起歪体2全体としては、角の丸い四角形状に形成されている点が挙げられる。この三か所の平面部8,10,12のうち、本実施形態においては、平面部8の外側(渦巻の外方向)と内側(作用端4側)の両面に歪ゲージ14(14a,14b,14c,14d)が配置されている。この歪ゲージ14は三か所の平面部のうち、いずれに配置してもよいが、後述する理由により固定端6に最も近い平面部8に配置するのが好ましい。また、これらの平面部は、歪ゲージ14を配置するために形成されるため、歪ゲージ14が配置できる程度の長さを有するように形成する必要があり、起歪体2の厚み(歪ゲージを貼り付けた側面の高さ)は、歪ゲージ14を貼り付けることができる幅より大きければよい。
次に、上記起歪体2および歪ゲージ14から構成されるトルクセンサ1を用いてトルクを検出する機構を説明する。まず、起歪体2にトルクが作用した場合、例えば図1において、作用端4に(固定端6に対して相対的に)時計回りと反対方向のトルクが作用した場合には、起歪体2は作用端4を中心に巻き込むように変形していく。そして、起歪体2の変形によって平面部8も変形していく。そうすると、平面部8に配置された歪ゲージ14a〜14dも変形し、各歪ゲージ14a〜14dの抵抗値が変化する。歪ゲージ14a〜14dの抵抗値が変化すると、歪ゲージ14で構成される回路に電圧が生じ、その発生する電圧は入力されるトルクと一定の対応関係にある。従って、予めその対応関係を求めておけば、その対応関係から入力された外力のトルク値を求めることができる。
次に、上述した歪ゲージ14の配置位置について説明する。歪ゲージ14は平面上に貼り付ける必要があるため、本実施形態の起歪体2は歪ゲージ14を貼り付けるための平面部8,10,12を有している。歪ゲージ14をいずれの平面部に貼り付けても、トルクセンサとして機能するが、三箇所の平面部8,10,12それぞれについて、入力するトルクと歪ゲージ14から発生する電圧(トルクセンサ1の出力)との対応関係を求めたところ、三か所の平面部8,10,12のうち、最も固定端6側に形成された平面部8に配置した場合が、最も直線性に優れており、かつ電力の出力も大きいという結果が得られた。入力するトルクとトルクセンサ1の出力との直線性が高いことによって、より少ない補正でトルクを演算できるため、精度良くトルク値が測定できるという効果が得られる。
逆に、入力されたトルクと発生する電圧との直線性が低い場合、トルクの算出において大幅な補正あるいは複雑な補正が必要となり、直線性が高い場合に比べて測定精度が下がる。そのため、上記対応関係の直線性はできるだけ高いほうが好ましい。
従って、本実施形態の起歪体2を用いたトルクセンサ1においては、歪ゲージ14は、入力されたトルクと発生する電圧との直線性が最も高い平面部8に配置している。もちろん、他の平面部10,12に歪ゲージ14を配置することも可能であり、その場合には、必要な補正をしてトルク値を演算すればよい。
次に、図2、図3および図4を参照して、上述のトルクセンサ1を用いた本実施形態のデジタル式のトルク測定器を説明する。図2は本実施形態のトルク測定器100の断面図であり、図3(a)〜(c)は、図2に示したトルク測定器100の、処理回路格納部114を開閉した状態の各側面図であり、図4は、トルク測定器100の上面図である。このトルク測定器100は、回動する測定対象を把持するための着脱可能なチャック部102と、チャック部102とトルク測定器本体101とをねじの締め付けにより連結するとともに、ベアリング106によってトルク測定器本体101に対して摩擦抵抗の少ない状態で回転可能な回転軸110に圧入等により固定される回動連結部104(回転軸110と回動連結部104により特許請求の範囲における回転軸部材が構成される)と、歪ゲージ14で発生した電圧からトルク値の演算等を行うための処理回路200が格納された処理回路格納部114などから構成される。図4に示すように、処理回路格納部114の上面には、トルク値の表示を行う表示部116とトルク値の記憶処理やリセット処理など種々の操作を行うための操作部118が配置されている。
トルク測定器100の具体的な構造について説明する。チャック部102は爪部102aによって測定対象物の回転体を回転方向にずれないように保持可能である。そして、チャック部102はトルク測定器本体101に対して回動連結部104を介して取り付けられている。上述のように、回動連結部104は、ベアリング106によってトルク測定器本体101に対して摩擦抵抗の少ない状態で回動する回転軸110に圧入して固定されており、回動連結部104と回転軸110は一体となって、トルク測定器本体101に対して相対的に回転可能である。従って、回転軸110にトルクセンサ1(起歪体2)が取り付けられていない状態であれば、チャック部102及び回動連結部104は、回転軸110およびベアリング106により、トルク測定器本体101に対して、抵抗なく回転する。
また、トルク測定器本体101には、チャック部102および回動連結部104と回転軸110がトルク測定器本体101に対して相対回転可能な角度を規制する回転規制部材であるストッパ機構122が設けられている。これは、トルクセンサ1に対して測定可能な範囲を超えるようなトルクが入力されて、測定の精度を維持できない状態まで変形してしまう場合や、大きなトルクが入力されて、起歪体2が破損したり塑性変形して使用できなくなったりするのを防ぐためである。
本実施形態のストッパ機構122は、トルク測定器本体101に配置されたストッパピンと、回動連結部104の台座部108側の周縁部に、相対回転を可能とする範囲に形成される溝部から構成される。この溝部に前記ストッパピンを係合させることにより、溝部が形成された範囲内でのみ、回動連結部104とトルク測定器本体101とが相対回転可能となる。従って、例えば高精度にトルクを検出可能であり、入力されたトルクと出力との直線性が維持できるトルクセンサ1の回転角度が、外力のない平常状態から両方向に30度であれば、溝部を60度の範囲にわたって形成すればよい。なお、このストッパ機構は、上記の構成に限られるものではなく、ストッパピンを回動連結部104に配置し、溝部をトルク測定器本体101に配置してもよく、その他、上記相対回転の範囲を規制できる構成であればよい。
トルクセンサ1は、回転軸110に起歪体2の作用端4を固定し、固定端6をトルク測定器本体101の台座部108に設けられた固定端固定軸112に固定することによって、浮游状態でトルク測定器本体101に設置される。このようにトルクセンサ1を設置することにより、チャック部102(回動連結部104)は起歪体2の弾性に応じた抵抗を伴ってトルク測定器本体101に対して回動するようになる。従って、本トルク測定器100に回転方向の外力が加わっていない状態では、起歪体2は変形しておらず、弾性エネルギーが0の平常状態で静止している。
処理回路格納部114は、通常は、使用者がトルク測定器100を保持容易な形状、例えば多角形に形成された筒状の掴み部101a内に収められた状態であるが(図3(a))、ヒンジ軸120によって、図3(c)に示すように、処理回路格納部114の上面の表示部116、操作部118がチャック部102方向に向いた状態(完全に開いた状態)まで無段階に開閉可能となっている。そして、このヒンジ軸120は摩擦力等により、処理回路格納部114を通常の閉じた状態(図3(a))から完全に開いた状態(図3(c))の間の任意の位置に停止させることができる。これにより、処理回路格納部114の上面に設けられた表示部116および操作部118の向きを、使用状況に合わせて変えることができる。
例えば、処理回路格納部114を斜めに開いた状態や、90度まで開いた状態(図3(b))で使用すれば、トルク測定器100が使用者の目の位置から離れた位置、例えば、目の高さより低い位置で使用するような場合でも、表示部116が使用者の方向に向いているため、表示部116を見ながらトルク測定を行うことができる。また、完全に開いた状態(図3(c))であれば、トルク測定器100を固定台などに固定して、使用者は表示部116をチャック部102側から見ながら、被測定対象物を回転してトルクを測定することも可能となる。
尚、本実施形態のトルク測定器100は表示部116および操作部118を観察、操作しやすいように、表示部116、操作部118が上面に配置されている処理回路格納部114が開閉可能に形成されているが、このような構造に限定されるものではなく、トルク測定器100の上面に固定された形状としてもよい。
以上のような構成を有するトルク測定器100を用いてトルクを測定する場合の動作を説明する。なお、処理回路格納部114は閉じた状態とする。
まず、測定対象物であるつまみの回動軸等の、回転体をチャック部102に差し込み、爪部102aによりチャック部102と回転体が回転方向に滑ったりずれたりしないようにしっかりと固定する。その状態で、トルク測定器本体101の掴み部101aを保持してトルク測定器100を回転させる。回転体が回転を始めるまでは、トルク測定器本体101が回動連結部104とチャック部102と保持された回転体とに対して相対回転することにより、固定端固定軸112(固定端6)が回転軸110(作用端4)まわりに相対回転し、トルクセンサ1は起歪体2の渦巻形状が巻き込む方向又は開く方向に弾性変形していく。その弾性変形に応じて平常状態に戻ろうとする復元力が回転軸110に対して働くため、チャック部102に固定された回転体に対して起歪体2の変形量に応じた回転方向の力、つまりトルクが作用する。
この際に、起歪体2が弾性変形して歪が生じていくことにより、起歪体2の表面に貼り付けられた歪ゲージ14において電圧が発生し、処理回路200により発生した電圧値から回転体に対して加えられているトルクが演算され、演算されたトルク値が表示部118に表示される。
トルク測定器本体101を回転させる力を増加させていく、即ち回転体に作用するトルクを上昇させていくと、回転体が回転し始めるまでトルクセンサ1によって測定されるトルクが上昇していく。そして、回転体はその回動に必要なトルクである起動トルクを超えるトルクが入力されると回動を始め、その後トルクは減少する。従って、回転体に対して入力するトルクを増加させていった場合に、回転体が回動を始めるまでに測定された最大のトルクが起動トルクとなる。そのため、本実施形態のトルク測定器100においては、測定開始後にトルクの最大値(ピーク値)が測定されると、その最大値が測定対象物の回転体の起動トルクであるとして、表示部116に表示される。
入力されるトルクが起動トルクを超えて、回転体が回転を始めると、起歪体2の変形が解消していき、起歪体2の復元力と回転体の抵抗力(回転摩擦力など)とがつり合った時点で互いに静止する。
以上のような動作により、トルク測定器100と測定対象物とを相対回転させることで、回転体の回転に必要な起動トルクを測定することができる。
次に、本実施形態のトルク測定器100において、トルクの演算、その他の処理・制御を行う処理回路200について説明する。処理回路200は上述したように、処理回路格納部114内に配置されており、その他のトルク測定器100の構成部材である、歪ゲージ14、表示部116、操作部118等とは、図5に示す回路図のように接続されている。
処理回路200は、歪ゲージ14から出力される電圧の信号を増幅し、あるいは不要な信号をカットする増幅部・フィルター部201と、増幅部・フィルター部201から出力された電圧のアナログ信号をデジタル信号(電圧値)に変換するA/D変換器202と、電圧値からトルク値への演算処理や、表示部116でのトルク値の表示制御等を行うCPU部203と、歪ゲージ14a〜14dのブリッジ回路に印加する電圧を制御する印加電圧制御部204などから構成される。
実際にトルク測定器100を用いてトルク測定を行なった場合に、処理回路200において行われる処理の流れを説明する。トルク測定器100のチャック部102を測定対象物である回転体に固定し、トルク測定器本体101を回転させていくと、起歪体2が弾性変形していき、歪が生じる。上述したように、起歪体2に歪が生じると、4つの歪ゲージ14によって構成されるブリッジ回路の中間地点に電圧が生じ、その電圧のアナログ信号は、増幅部・フィルター部201において信号の増幅や不要な信号のカットが行われ、A/D変換器202に出力される。A/D変換器202においては、電圧のアナログ信号がデジタル信号に変換され、CPU部203に出力される。
CPU部203では、まず、演算部203aにおいて入力されたデジタル信号の電圧値から、予め設定されたトルク値と電圧値との関係より、トルク値が算出される。算出されたトルク値は、表示制御部203bに出力され、表示部116に表示される。使用者は、その表示部に表示されたトルク値を見て、回転体に加えられているトルクを確認することができる。
そして、トルク測定器本体101を回転体に対してさらに回転させていくと、その回転体の回転に必要なトルクを超えた時点で測定対象物の回転体が回転を始める。上述のように、その際に測定されたトルクの最大値が測定対象物を回転させるのに必要な起動トルク値であり、表示部116には、その最大値が測定対象物の起動トルクであることがわかるように表示される。以上が、トルク測定時の処理回路200における処理の流れである。
その他、トルク値判断部203cと印加電圧制御部204は、演算部203aによって算出されたトルク値に基づいて、歪ゲージ14a〜14dのブリッジ回路に適切な電圧が印加されるように、電源回路部126から歪ゲージ14に印加される電圧を制御する。
また、通信データ処理部203dは、測定したトルク値をコンピュータ等の外部機器に出力するための手段である。本実施形態のトルク測定器100は、トルク値をデジタル値で算出しているため、コンピュータ等と接続して出力すれば、そのまま測定データを記録することが可能となる。そのための出力端子として、トルク測定器本体101にUSB出力部124などを設け、その出力端子を介して外部機器と接続し、通信を行う。
以上のように、本実施形態によれば、デジタル式のトルク測定器であっても、手に持って使用可能な小型のトルク測定器100を構成可能であり、さらに、厚みが薄く小型で軽量の起歪体2で構成されたトルクセンサ1を用いれば、長手方向に大型化することもない。また、トルクセンサ1であれば、トルクが作用する方向と同じ回転方向に起歪体2が変形してトルクを測定できるため、ギヤなどを介して力を変換する必要がなく、微小なトルクでも正確に測定することができる。また、トルクセンサ1は、歪ゲージ14がより固定端6(外端)側に形成された平面部8に配置されていることにより、入力されるトルクとセンサの出力との直線性が高く、トルク測定器100の処理回路200において大幅な補正をする必要がないため、より高精度にトルクを測定することができる。
尚、本実施形態のトルク測定器100に用いるトルクセンサ1は、その起歪体2に用いる材料や大きさ等を変更することによって、変形により生じる復元力の大きさを変えることができ、測定可能なトルク範囲を変更することができる。例えば、起歪体2の材料に、剛性が大きく弾性変形しにくい材料を用いれば、より大きなトルクの測定が可能となる。従って、トルク測定器100に格納できる範囲で、トルクの測定範囲に応じた材質、形状のトルクセンサを使用すれば、一つのトルク測定器100で、微小トルクから広い範囲のトルクを測定することが可能である。
また、本トルク測定器100に用いるトルクセンサ1は、その起歪体2の形状を、平面部を複数有する(8,10,12)四角形状に形成したものを用いたが、これに限られるものではない。歪ゲージ14を貼り付けることができればよいので、平面部を一か所以上有していればよい。例えば、固定端6側に平面部を一か所形成した円形状(Dカット形状)にしてもよい。なお、上述したように、入力されたトルクとトルクセンサ1の出力との直線性が高くなるように、歪ゲージ14を配置する平面部はなるべく固定端6側に形成するのが好ましい。
また、トルク測定器100のチャック部102は、着脱可能に構成し、測定対象の大きさに合わせて、最適な径のチャックを用いることができるようにするのが好ましい。測定対象の大きさに合っていない大きさのチャックを用いると、回転方向のずれや滑りの原因となり、正確なトルクの測定ができないからである。また、チャック部102の材料を測定対象の材料などに合わせて変更してもよい。例えば、測定対象物が樹脂の場合、チャック部102が金属であると測定対象物が損傷する可能性がある。そこで、測定対象物の材料に合ったチャック部102を作成し、測定対象物の材料に合わせて、最適なチャック部102を選択して使用するのが好ましい。なお、チャック部の構造はこれに限られるものではなく、測定対象物と回転方向にずれないで連結可能な形状であればよい。
本実施形態のトルク測定器100に用いる、起歪体2および歪ゲージ14からなるトルクセンサ1の(a)側面図と(b)平面図。 本実施形態のデジタル式のトルク測定器100の断面図。 図2に示すトルク測定器100において、処理回路格納部114を閉じた状態から開いた状態に変化させた様子を示す図。 図2に示すトルク測定器100の上面図。 本実施形態のトルク測定器100を構成する部材のブロック図。
符号の説明
1 トルクセンサ
2 起歪体
4 作用端
6 固定端
8,10,12 平面部
14(14a〜14d) 歪ゲージ
100 トルク測定器
101 トルク測定器本体
101a 掴み部
102 チャック部
102a 爪部
104 回動連結部
106 ベアリング
108 台座部
110 回転軸
112 固定端固定軸
114 処理回路格納部
116 表示部
118 操作部
120 ヒンジ軸
200 処理回路
201 増幅部・フィルター部
202 A/D変換部
203 CPU部
204 印加電圧制御部

Claims (6)

  1. 外力が加わることにより弾性変形する起歪体の表面に歪ゲージを配置して構成されるトルクセンサを備えたトルク測定器本体と、測定対象物に取り付ける取り付け部材とにより構成されるデジタル式のトルク測定器であって、
    前記トルク測定器本体は、前記取り付け部材を前記トルク測定器本体に対して相対回転可能に連結する回転軸部材と、前記トルクセンサを格納する台座部と、前記トルクセンサが出力する信号からトルク値を演算するための処理回路と、前記トルク値を表示するデジタル表示部と、を有し、
    前記トルクセンサは、いずれか一端を中心端、他端を外端とした帯状の金属部材からなり、該金属部材の任意の位置に平面部を形成して、前記中心端を中心とする渦巻状に形成した、該渦巻の巻方向及び反対の方向に弾性変形する前記起歪体と、前記起歪体の前記平面部のいずれか一面又は両面に配置される歪ゲージと、から構成され、前記台座部において、前記中心端が前記回転軸部材に対して固定され、前記外端が前記トルク測定器本体の台座部に対して固定されて、浮游状態で格納されており、
    前記取り付け部材を前記測定対象物に固定して、前記トルク測定器本体を前記回転軸部材を介して前記測定対象物に対して相対回転させることにより、前記トルクセンサを前記中心端周りに弾性変形させてトルクを測定することを特徴とするデジタル式のトルク測定器。
  2. 前記起歪体は、前記中心端を中心として一重の渦巻状に形成されることを特徴とする請求項に記載のデジタル式のトルク測定器。
  3. 前記平面部は、前記起歪体の平面部が形成できる最も前記外端側に形成されることを特徴とする請求項又はに記載のデジタル式のトルク測定器。
  4. 前記起歪体は、前記平面部を複数有する角の丸い多角形状に形成されており、
    前記歪ゲージは、前記複数の平面部のうち最も前記外端側に形成された平面部に配置されていることを特徴とする請求項又はに記載のデジタル式のトルク測定器。
  5. 前記デジタル表示部は前記トルク測定器本体の上面に配置され、該表示部は、前記トルク測定器本体に対してヒンジ部材により開閉可能に設置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載のデジタル式のトルク測定器。
  6. 前記トルク測定器本体と前記回転軸部材の相対回転の角度を所定角度に規制する回転規制部材を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載のデジタル式のトルク測定器。
JP2007273886A 2007-10-22 2007-10-22 デジタル式のトルク測定器 Active JP4989412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273886A JP4989412B2 (ja) 2007-10-22 2007-10-22 デジタル式のトルク測定器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273886A JP4989412B2 (ja) 2007-10-22 2007-10-22 デジタル式のトルク測定器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009103506A JP2009103506A (ja) 2009-05-14
JP4989412B2 true JP4989412B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=40705321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007273886A Active JP4989412B2 (ja) 2007-10-22 2007-10-22 デジタル式のトルク測定器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4989412B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6180725B2 (ja) * 2012-11-12 2017-08-16 株式会社東日製作所 参照用トルク計測機器

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5940251B2 (ja) * 1979-05-15 1984-09-28 工業技術院長 トルク測定装置
JPS5773644A (en) * 1980-10-24 1982-05-08 Katsuyuki Totsu Torque detector
JP4769442B2 (ja) * 2004-09-02 2011-09-07 株式会社中村製作所 トルクゲージ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009103506A (ja) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5019962B2 (ja) トルクレンチ
US20080127711A1 (en) Force and Torque Measurements with Calibration and Auto Scale
JP4869490B2 (ja) 増し締め検査用トルクレンチ
US20030196497A1 (en) Torque measuring device
US7472489B2 (en) Rowing device, digital pitch meter and other devices
US20160161354A1 (en) Calibration tool for torque wrench
EP2800959B1 (en) Assembly, intercalated between a torque tool and a fastening element, for measuring torques and tightening angles
EP2133176A1 (en) Tightening torque measuring unit
US6784799B2 (en) Tension meter and wrench arrangement
US10732058B2 (en) Force measurement system for exercise equipment
JPH05131376A (ja) 行過ぎ量補償回路及びトルク印加装置
US20050076753A1 (en) Adjustable spanner having a torque detection function
JP4989412B2 (ja) デジタル式のトルク測定器
US7104144B1 (en) Handle tool with high sensitive electronic strain measurement
JP4989413B2 (ja) トルクセンサ
US20230364755A1 (en) Hybrid electromechanical torque wrench
JP2011179952A (ja) ボルト軸力検出システム及びボルト軸力検出方法
US20020170395A1 (en) Electronic type torsional wrench
KR200336521Y1 (ko) 디지털 토오크렌치
US6920811B2 (en) Bent wrench having torque measurement function
US20050183513A1 (en) Removable twisting measuring device for various hand tools
KR102199447B1 (ko) 정밀한 축력 측정이 가능한 토크렌치
US20220266427A1 (en) Power tool attachment part
WO2008026200A2 (en) An adaptor for a torque transducer
CN201776727U (zh) 电子扭力扳手校正装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120424

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4989412

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250