JP4988742B2 - 調整可能なコンデンサおよび調整可能なコンデンサを有する回路 - Google Patents

調整可能なコンデンサおよび調整可能なコンデンサを有する回路 Download PDF

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Description

マイクロエレクトロニクスで使用されるコンデンサは、他のすべてのコンポーネントと同様につねに小形化しなければならないが、これは相応に小さくかつエネルギーを余り消費しない端末装置を可能にするかまたは単に性能のよりよい端末装置を可能するためである。コンデンサの場合にはこのために比誘電率の高い誘電体を使用することができる。ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウムなどの強誘電体などによれば、材料および組成に応じて1000以上の比誘電率を達成することができる。しかしながらこのような強誘電体に電圧を加えると、上記の材料においては圧電特性が発生することが多く、これらの材料の圧電定数は0:1 C/m2を上回る。これに加えて非誘電率も同様に電圧に依存することが多い。これによって、強誘電体により、電圧に依存するないしは変化する電圧によって調整可能なコンデンサを作製できる可能性が出て来るのである。
小型化されまた薄膜技術で作製されるコンデンサは、平板形配置構成、インターデジタル形配置構成またはトレント形配置構成(トレンチ形コンデンサ)の構造を有することができる。最大の容量密度、すなわち基板材料の単位面積当たりの薄膜コンデンサの最大容量は、トレンチ形コンデンサによって得られる。しかしこのコンデンサは、コストをかけなければ作製することができない。基板表面に対して平行で2つの電極の間に配置された誘電体層を有する平板形コンデンサは、強誘電体を用いれば、誘電体の厚さが約100nmの場合に100fF/μm2までの容量密度を達成することができる。この場合、10pFの容量を有するコンデンサはなお10×10μm2の面積を有する。
多層法において平板形コンデンサとして構成した構成素子ではさらに大きな容量密度を達成することができるが、技術的に比較的コストがかかる。簡単に作成できるのはインターデジタル形コンデンサであり、ここではただ1つの金属層をインターデジタル構造として構造化するだけでよい。しかしながらこれによって達成可能な容量密度は、典型的な約500nmの電極間隔の場合、1fF/μm2である。この場合に10pFの容量を有するコンデンサは、100×100μm2以上の面積を有する。
圧電特性また殊に電圧に依存する圧電特性を有するコンデンサにおいて不利であるのは、この結果として、周波数が異なる場合にQの経過が変化することである。所定の周波数領域において、圧電誘電体を有するはコンデンサは、極めてQが小さく、この極めて小さなQはコンデンサ構造内の音響的な共振によるものである。これらの共振は、これらのコンポーネントの機能の適性を大きく制限し、またふつう比較的高い周波数には使用できないことがしばしばである。これらのような欠点より、これまで移動無線周波数で動作する回路およびスイッチに広く適用されることはなかったのである。
したがって本発明の課題は、高周波アプリケーションに使用可能でありかつ高周波アプリケーションにおいて十分なQを有するコンデンサを提供することである。
この課題は、本発明により、請求項1に記載したコンデンサによって解決される。本発明の有利な実施形態は、別の請求項の記載されている。
ここで確認されたのは、圧電形コンデンサの音響的な共振周波数が、個々にコンデンサに使用される層の機械的な特性によって決定され、ひいては層構造全体によって決定されることである。共振特性に寄与するのは、個々の層における音速と、これらの層の厚さと、これらの層間の境界面におけるインピーダンスの跳躍である。隣接する2つの層間のインピーダンス差が大きいということは、この境界面における反射が大きいことを意味するため、インピーダンスの跳躍を伴う2つの境界面間では定在波が形成されることがあり、この定在波がこの構造素子を共振器にしてしまうのである。
しかしながら層構造ではふつう多数の材料の変わり目があり、ひいては反射性の境界面が生じる可能性もあり、これらの境界面により、多数の共振が発生することになる。したがって本発明のコンデンサは、多層構造を有しており、この多層構造は、少なくとも1つの下側の電極と、上側の電極と、これらの電極間に配置された誘電体とを有し、ここでこの層構造において音響的な体積波の共振的な振動モードが伝搬することができる。この層構造では、使用する層の厚さ、数および材料を適当に選択することによって共振特性を調整して、伝搬可能な振動モードの共振周波数が、実質的に移動無線に使用かつ利用される3つの帯域外に来るようにする。この帯域は、例えば、810〜1000メガヘルツの第1帯域は、1700〜2205メガヘルツの第2帯域と、2400〜2483.5メガヘルツの第3帯域である。第1帯域および第2帯域は、2つのGSM移動無線バンドにならびにUMTSに使用され、これに対して第3周波数領域はWLANに使用される。すなわち、本発明のコンデンサでは、意図的に複数の共振器を構成して、それらの共振周波数を適当に配置して、上記の帯域が共振周波数から十分に離れるようにして、このコンデンサが上記の帯域において十分に高いQを有するようにするのである。上記の帯域の間ではコンデンサのQは任意の低い値に下がることができるが、このコンデンサを使用しようとする帯域において十分に高いレベルに維持して、このコンデンサが上記の帯域において完全に使用できるようにする。
有利な誘電体として上記のコンデンサにチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム/ストロンチウムまたはジルコン/チタン酸鉛を使用する。これらの材料はすべて電圧に依存する比誘電率を有しており、このコンデンサが調整可能になる。
コンデンサの使用に対して有利であるのは、層構造を構成して、さらにWLAN周波数が割り当てられている5150〜5250メガヘルツの第4の帯域も空けたままにしておくことである。複数の共振周波数のうちこれらの4つの帯域が空けられておりまたこれに相応してこれらの帯域においてQが十分に高いコンデンサは、今日移動通信において使用されるほぼすべての周波数に対して汎用に機能して、したがって相応する装置および回路に使用可能である。
層構造を有しかつ上記の4つの帯域外に共振周波数を有するコンデンサに対する一般的な第1の解決手段は、全体層構造を薄く構成して、最も低い共振周波数が、まず第4帯域の上に、すなわち5250メガヘルツ以上に発生するようにする。このためには、全体層厚を0.5μmよりも各段に小さくしなければならない。しかしながらこの場合に不利であるのは、コンデンサ電極が比較的薄いことであり、この場合にこれらのコンデンサ電極はそれぞれ200nmよりも薄くなる。使用する強誘電材料についての技術的な理由から、導電率の低い成長層および接着層が必要であり、上記のように全体層厚が小さい場合、これらの層により、電気的損失が大きくなってしまい、この構成素子の使用の可能性を大きく制限してしまうことになる。
第2の一般的なアプローチは、最も低い共振周波数2483.5メガヘルツと5150メガヘルツとの間に配置して、第2の共振周波数を5250メガヘルツ以上の領域ずらすことである。しかしながら実現のためにはここでも同様に、損失を小さくするのに最適な層厚以下の個別の層厚を有する層構造が必要である。したがって第1の解決手段よりも改善され機能的に優れたコンデンサを構成することもできるが、の想定されるすべて使用に対してまだふさわしくはないのである。
第3の一般的な解決手段の可能性としては、2250と2400メガヘルツとの間に最も低い共振周波数を有し、その一方で別の共振周波数が、2483.5メガヘルツと5150メガヘルツとの間および/または5250メガヘルツ以上にあるようにすることである。これには第1共振周波数に対して150メガヘルツの帯域幅が必要である。このことが意味するのは、最小のQを有するこの共振周波数から75メガヘルツの離れたところで、このコンデンサのQが再度十分に大きく増大しなければならないことである。しかしながらこれは、決定的な役割をなす境界面における反射を改善することによって達成可能であり、これは上記の層構造の境界面を基板の方に向かって殊に平坦に構成することによって達成することできるのである。
しかしながらコンデンサは、下側の層領域において音響ミラーを実現することによってさらに改善される。音響ミラーは、フィルタ技術に使用されるBAW(Bulk Acoustic Wave)共振器およびFBAR共振器(Film Bulk Acoustic Wave Resonator)のものが公知である。このミラーは、少なくとも1つの層対からなり、1つずつの高インピーダンス層と低インピーダンス層を含んでいる。音響ミラーに十分な反射作用が発生するのは、2つの音響インピーダンスの比ZN/ZH < 0.66ないしは比ZH/ZN > 1.5の場合である。高インピーダンス層として、例えば、音響インピーダンスが40〜100×106キログラム/m2sの間の範囲にある白金、モリブデン、タングステン、銅、金またはTiWなどの重金属を使用することができる。低インピーダンス層として、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素などの別の殊に相対的に軽い材料の他に、アルミニウムも対象となり、これらの音響インピーダンスは13〜21である。
音響ミラーは、波長λmの所定の中間周波数に反射特性を調整することができる。これはこのミラーの層対に対する厚さがそれぞれλm/4に調整される場合である。ここでは波長λmの際に反射係数1を有する最大反射が発生する。このミラーの帯域幅、すなわち十分な反射が行われる周波数領域は、ミラーのQの減少に伴って広がる。したがって広い周波数帯域において十分に大きな反射作用が得られるのは、高インピーダンス層および低インピーダンス層が重ねられて配置されてこれら層の中間周波数が互いにずらす場合である。択一的にはミラーのQを低減することが可能である。しかしながらいずれの場合にも音響ミラーが組み込まれたコンデンサにおいて、コンデンサ構造に含まれる共振器の共振が改善され、ひいてはその帯域幅が低減される。本発明のコンデンサに極めて有利な音響ミラーに対する層対には、例えば、800nmの白金900nmの酸化ケイ素からなる2重層が含まれる。この層対は、0.9〜2.1ギガヘルツ、すなわち第1阻止領域と第3阻止領域との間の領域に、縦波に関連したほぼ1の反射係数を有するのである。
所望のコンデンサを実現するための第4の基本的な可能性は、共振器と部分共振器とを有する層領域を構成することであり、これらの共振器の最も低い共振周波数は、1000メガヘルツ〜1700メガヘルツであり、また場合によって別の共振周波数は、2250メガヘルツ〜2400メガヘルツならびに2483.5〜5150メガヘルツならびに5250メガヘルツ以上である。この変形実施形態では、十分に厚いメタライゼーションを使用することができ、これらのメタライゼーションの電気抵抗は十分に小さくなる。さらに第1帯域と第2帯域との間の第1共振に対して十分な帯域幅が与えられ、隣接する第1および第2帯域におけるコンデンサのQをさらに十分に高い値に増大させることができる。
本発明のコンデンサを実現するための第5の基本的な可能性は、最も低い共振周波数が810メガヘルツ以下であり、別の共振周波数が1000〜1700メガヘルツ、2205〜2400メガヘルツ、2483.5〜5150メガヘルツならび5250メガヘルツ以上である層構造を設けることである。最も低い共振周波数を810メガヘルツ以下とすることにより、電気抵抗の低い厚い電極を使用することができる。しかしながら高次の高調波の共振および別の共振は、互い比較的周波数間隔を狭いため、共振周波数の所望の帯域幅を空けておくため、コストがかかりかつ慎重に調整される層構造が必要である。
上記の共振器は、セラミックまたは結晶質の基板、例えば結晶質のケイ素または酸化アルミニウムに構成される。殊に最後に挙げたケースでは、層構造の最下層として、良好な平坦化作用を有しておりかつ酸化アルミニウム表面の技術的に制限によって発生する大きな粗さを調整する誘電体層が有利である。これに対して殊に有利であるのは、例えば、酸化ケイ素および窒化ケイ素層である。コンデンサの共振周波数の決定にも寄与する厚さを有するこの誘電体に選択的に別の誘電体層を配置することが可能である。しかしながら有利には最も下の誘電体層に直接このコンデンサの下側の電極を配置する。この電極は、単層または多層とすることが可能である。例えば考えられるのは、インピーダンスが低く導電率の高い第1の金属からなる2層の電極と、比較的音響インピーダンスの高い金属からなる第2の電極層とを設けることである。高インピーダンスに対して有利であるのは白金層であり、これは同時に強誘電体に対する接着層および成長層としても使用可能である。
多層のコンデンサ電極に対して材料選択を行って、2つの金属層間にわずかなインピーダンス跳躍しか生じないようにして、このわずかなインピーダンス跳躍により、障害となる反射に結び付かないようにすることも可能である。この場合にこのような層の組み合わせは、音響波にとっては単一の層と見え、共振周波数を計算する際にはただ1つの層のように考慮される。
電極層との間にさらに接着層が必要になり得る上記の強誘電体層は、有利には100nm以上の層厚を有する。場合によっては音響波の速度が偏差することにより、強誘電体層の組成が異なれば、最適な層厚は、この値から偏差することあり得る。またこの強誘電体層の上にも上側の電極層を改善するための別の接着層が必要になることもある。このために有利であるのは、例えば白金またはTiWからなる薄い層である。これらの層の導電率は良好でないため、これらの層は有利には最小の層厚で設計される。この場合、上側の電極に対する別の層には少なくとも1つの導電性の良好な付加的な層が含まれるかまたは十分な厚さだけを有する層が含まれ、これは例えばアルミニウム、銅または金である。最後に電極層に対するパッシベーション層として使用される1つまたは複数の誘電体層を設けることができる。酸化層または一般的なセラミック層の他にこのパッシベーション層は、例えばBCB(Benzo Cycly Buten),SOG(Spin on Glass)、パリレン、フォトレジストおよび他の材料などの有機ポリマとすることも可能である。
上記のコンデンサに対する層構造において、有利なインピーダンスを有する付加的な層によって付加的なインピーダンス跳躍を導入しなければならないことがある。しかしながら、適当な共振を調整する際に、個々の層間の層の移行部が音響波には見えず、ひいては反射性にはならず、音響波を吸収するかまたは反射を「消してしまう」かないし不鮮明にすることもあり得る。音響波にとって見えない層境界は、インピーダンスが同じまたは類似の材料間で維持される。このため、例えば酸化ケイ素またはアルミニウムはほぼ同じ音響インピーダンスを有し、酸化ケイ素/アルミニウムの2重層は音響的にはただ1つの層とみなすことができるのである。
粘性の層は、反射を小さくさせて定在波の共振を低減させる。これにより、波長に依存せずにこのコンデンサ全体のQを改善させる。殊に上記のパッシベーション層を粘性の層として、また例えばポリマ層として構成することが可能である。
「消された」反射は、位相境界により、十分に大きな粗さに維持される。隣接する層との層境界において100nmよりも大きな構造サイズを有する表面粗さは、反射を小さくさせる。殊に有利であるのは、少なくとも0.5μmのサイズの構造を有する表面粗さである。粗い表面によって共振が低減される。その理由は、音響波にとっては、表面における構造サイズに依存して厚さの異なる層が見えるからであり、これらの層により、結果的に反射の帯域幅が広がることになり、これによって共振の強さが低減されるのである。
表面での反射が低減されているもともと粗い表面は、セラミック製であり例えば酸化アルミニウムからなる基板の表面である。別の層構造の層の平坦性および均一性の障害とならないようにするため、平坦性に作用する第1誘電体層によって、つぎの位相境界を十分に平坦に構成することができる。さらに択一的または付加的に最も上の層の表面を粗くし、これによって殊にインピーダンス跳躍が大きい空気との位相境界を、低い反射率ないしは消された反射特性で実現する。
さらに層構造を最適化することにより、このコンデンサの一般的な電気損失も低減し、ひいてはそのQを改善することが可能である。これによって例えばコンデンサ用の給電電極の電気抵抗を低減することができ、ひいてはこのコンデンサの電気的なQを高めることができる。このためには同じ材料からないしはコンデンサ電極と同じ層の組み合わせから統合して作製した給電電極を、十分に導電率の高い金属によって厚さを増すことによってその導電率を格段に改善することができる。例えば、アルミニウム、金、銅または別の金属によって厚くすることにより、線路を設けることが可能である。
矩形の底面を有するコンデンサを使用しまた給電が比較的長い測辺にわたって行われる場合にも抵抗の少ない線路が得られる。
本発明のコンデンサは、誘電体層によってすでにほとんどの回路周囲条件に十分な10pFのキャパシタンスを10×10μm2の面積で達成している。構成素子の大きさが小さいことだけが、コンデンサをディスクリートな構成素子として構成するのに不利になっている。むしろ本発明のコンデンサは、基板が半導体の基板である場合には基板の表面で周辺回路と一緒に集積され、また基板内にも作製される。複数のメタライゼーション面を有する多層の基板を使用することも可能であり、ここではこれらのメタライゼーション面は、誘電層によって互いに分離される。メタライゼーション面を構造化し、上記の誘電層を貫通してスルーコンタクトによって異なるメタライゼーション面を接続することにより、基板内に受動のコンポーネント、抵抗、インダクタンスおよびキャパシタンスを実現することができる。ここでキャパシタンスは、完全にまたは部分的に強誘電体を有する本発明のコンデンサによって置き換えることができる。しかしながら上記のコンデンサと、ディスクリートな回路素子とを、または集積回路を含むチップ構成素子とを周辺回路において基板上で接続することができる。構成素子は、1つ以上の本発明のコンデンサを含むことができ、ここで異なるコンデンサは、異なる周波数領域に対して設計することが可能である。この際に各コンデンサは所定の帯域において最大のQを有しており、最大のQの領域は2つのコンデンサで異なる。
以下では本発明を実施例およびこれに対応する図に基づいて詳しく説明する。これらの図は全体的にまたは部分的にコンデンサ、層構造、回路および相応する構成素子における所定の測定曲線を縮尺にしたがわずに略示している。
図1は、コンデンサを概略断面図で示しており、
図2は、コンデンサの層構造の断面を示しており、
図3は、線路を厚くしたコンデンサを示しており、
図4は、音響ミラーを有するコンデンサを示しており、
図5は、ミラー層を有するまたはこれを有しないコンデンサの損失角の周波数に依存する経過を示しており、
図6は、積層形コンデンサを概略断面図で示しており、
図7は、図6に示した積層形コンデンサに対する損失角の経過を示しており、
図8〜12は、層構造の異なる共振器のQの経過を示している。
図1には概略断面図で本発明にしたがい、多層構造で基板Sに構成された平板形コンデンサが示されている。この基板は、支持基板として適切であり、有利には結晶質またはセラミック製であり、例えば、ガラス、酸化アルミニウムまたはケイ素からなる。このコンデンサには少なくとも1つの下側の電極E1が含まれており、この電極は基板Sに直接被着されているか、または1つまたは複数の導電性または誘電体の層の中間装置の下に被着されている。その上には誘電体Dとして強誘電体が配置されており、これは例えば、チタン酸バリウム/ストロンチウムである。この誘電体は、100nm〜数100nm、例えば400nm以下の層厚で作製することができる。これによって保証されるのは、もともとすでに大きく調整可能であった誘電率をその変化幅全体にわたって完全に利用するため、わずかな制御電圧しか必要としないことである。この簡単な実施例ですでに約100 fF/μm2の高い容量密度を達成することができる。
誘電体層Dの上には第2電極層E2が配置されている。場合によってこれらの間にさらに別の接着層を配置することができ、この接着層は有利には同様に導電性の金属または合金であり、したがってこれらの接着層は電極作用に寄与し、ひいては上側の第2電極E2の部分層になる。
図2には概略断面図で本発明によるコンデンサに対する層構造の例が示されている。基板S上には、電気絶縁性でありかつ平坦化の作用を有する誘電層DS1が配置されており、これは酸化アルミニウム基板上のSiO2層である。下側の電極層E1には導電率の良好な金属層ME1と、これに比べて薄くまた組み合わされた成長および接着層HE1とが含まれている。導電性の下側の電極層ME1としてアルミニウムが有利であり、また接着層HE1として白金が有利である。択一的には、導電性に対して十分な厚さを有する接着層として下側の電極を構成する。すなわち、誘電体に対して良好な接着性を有する電極材料から構成するのである。誘電体層Dは強誘電体であり、この強誘電体を組成の点から選択して、この強誘電体の誘電率が、電極に加わる電圧を介して調整できるようにする。この上に配置される第2電極E2はここでも接着層HE2と良好な導電率を有するまたは十分な厚さを有する金属層ME2とから構成される。接着層HE2は多層とすることも可能であり、ここでは1つまたは複数の層は、白金、Pt-TiW,Ti,NiCrその他から選択される。このような接着層が必要であるか否かは、都度の正しい層の組み合わせおよびこれに対して選択される被着特性に依存する。接着層HE1およびHE2は、最小の層厚に最適化されて、電極層E1ないしは電極層E2全体の導電性が不必要に減少しないようにする。
導電性の良好な上側の金属層ME2は、有利には導電率の良好な金属、例えばアルミニウム、金、銅または相応する別の金属である。しかしながら択一的にはこの上側の電極はただ1つの層から、例えば厚い白金層から構成することも可能である。
最後に、窒化ケイ素、酸化ケイ素または最初のすでに挙げたポリマまたはガラスから選択されるパッシベーション層を配置する。
図示の一般的な層構造において、基板と誘電体層D1との間、下側の導電層ME1と下側の接着層HE1との間、上側の接着層HE2と上側の導電層ME2と間、上側の導電層ME2とパッシベーション層PSならびにパッシベーション層とふつうは空気であるこれを包囲する媒体との間でインピーダンスの差が十分に大きいことに起因して音響的に関連する境界面がある。
これらの音響的に関連する層境界の間には、図示の実施例において全部で4つの部分共振器が構成され、これらの共振器にはそれぞれ固有の共振周波数f1〜f4が対応付けられる。これらの部分共振器の大きさは、この図において相応する両向き矢印によって示されている。選択した層厚比に起因してf1>f2>f3>f4が成り立つ。一般的に成り立つのは、共振器を構成する積層が薄ければ薄いほど共振周波数が高くなることである。この積層ができるだけ薄いと有利である。
下側の導電層と上側の導電層との間の共振周波数f1に対応付けられている積層に対して、層厚を最も小さく選択すると、500nm以下の全体層厚が得られる。このような積層には4ギガヘルツ以上の音響共振周波数を対応付けることができる。
共振f2は、下側の導電性の電極ME1とパッシベーション層との間に形成される。上側のメタライゼーションの最小の層厚が約100nm〜約1μmの場合、この積層に1ギガヘルツ以下〜約4ギガヘルツの共振周波数f3を対応付けることができる。
別の共振周波数f3およびf4は、下側の誘電体層DS1またはパッシベーション層PSの厚さに依存して、相応する低い方の周波数に配置される。しかしながらこの層構造をつねに最適化して、このコンデンサが上記の3つの帯域において共振を有しないようにする。図2に示した層構造では、共振周波数f4は、パッシベーション層の表面を粗くすることによって、または相応の粘性またはポリマの材料を使用することによって抑圧ないしは低減して、共振が部分的に発生したとしても、共振f4に相応する帯域において比較的高いQが維持できるようにすることができる。
図3には、例えば図2に示した層構造を有するコンデンサのQを、層構造には依存せずにアクティブなコンデンサの領域において高める選択肢が示されている。図3aにはコンデンサの断面が示されており、ここでは電極層E1およびE2が給電線まで延長されている。2つの電極E1およびE2が互いに重なっている領域の外では、電極層ないしはここから形成される線路は、導電率の良好な材料によって厚さが増されているため、これらの電気直列抵抗が低減される。図3bにはコンデンサが平面図で略示されており、ここでは上記のように厚さを増すのと付加的にまたはこれとは択一的にコンデンサの底面を構成して、コンデンサの矩形の底面の長い方の測辺にわたってこの線路が配置されるようにしている。
図4には、コンデンサに使用可能な層構造の別の構成が概略断面図で示されている。図2の層構造に付加的にまたはこれとは択一的にこのコンデンサは、下側の電極E1の下に音響ミラーを有する。ここでこの音響ミラーは、低インピーダンス層と高インピーダンスとを含む少なくとも1対のミラー層を有する。図4aには1対のミラー層を有するコンデンサが、また図4bには2対のミラー層を有するコンデンサが示されている。これらのミラー層は、例えば、800nmの白金と、900nmの酸化ケイ素の層の組み合わせから構成されており、これらは0.9ギガヘルツ〜約2.1ギガヘルツの範囲でほぼ1の高い反射係数に到達する。このようなミラー層を用いることによって音響共振の幅が格段に低減されて、共振の外部にあり、周波数に関連して利用可能領域が格段に広がるのである。
図5には損失角tanδの経過が周波数fについて示されている。異なる測定曲線はそれぞれ、ミラー層のない層構造、1対のミラー層、2対のミラー層に相応し、また比較のために重ねて示されている。第1および第2の阻止領域は、太いバーとして記入されている。ここからわかるのは、共振の幅が、1対のミラー層によって格段に狭くなり、第2の対によればさらに狭くできることである。ここで共振の帯域幅は、100メガヘルツ以下に調整することができる。ここに示した損失角経過は、上記のミラー層対の他に2つの電極E1およびE2をそれぞれ600nmのPtから構成し、また酸化アルミニウム基板Sの上にさらに約30μmの厚さを有するSiO2製の第1の誘電体層を直接配置した層構造に対して得られる。この層構造の共振周波数は、約1405メガヘルツであり、(ミラー層のない)共振の幅は200MHz以上である。1対のミラー層によってこの幅は50MHzに、また2対のミラー層によって30MHzに低減される。
図6には、上記のコンデンサに使用可能な層構造の別の変形実施形態が概略断面図で示されている。ここでは第2電極E2に第2の強誘電体層D2が配置されており、またこの強誘電体層に第3の電極E3と、第3の誘電体層D3と、第4の電極D4とが配置されている。この構造から3つの部分コンデンサの積層が得られ、これらは例えば並列接続することができる。図6には、基板と第1電極E1との間にある音響ミラーの中間装置でこのような構造が示されており、これはここではミラー層の2つの対によって構成されている。これらのミラー層の厚さおよびこれらの材料選択は、積層形コンデンサにおいても1重のコンデンサのそれに相応するが、これとは変えることが可能である。
図7には図示の積層形コンデンサに対し、音響ミラーのない積層形コンデンサと比較して損失角の経過が周波数について示されている。この層構造において層の数を増やしたことにより、発生し得る共振の数も増大し、これらは、損失角が大きいことによって、またこれによって各周波数領域においてコンデンサのQが低くなることが特徴である。この図では水平方向のバーの形で、第1および第2の帯域が、必要な抑圧レベルと共に記入されており、この帯域は本発明により、共振周波数がないようにすべきである。ここからわかるのは、音響ミラーのない積層形コンデンサに対応付けられる実線の曲線は、共振が広がることにより、コンデンサを利用しようとする帯域に部分的に達していることである。これに対して1つミラー層を有する(破線の)積層形コンデンサまたは図6にしたがって2つのミラー層を有する(点線の)積層形コンデンサに対応付けられる曲線は、ちょうど1100メガヘルツにおよび約1600メガヘルツにはるかに狭い共振を示しており、これらは、このコンデンサが第1および第2の阻止領域においてわずかな損失角tanδしか有せず、ひいては高いQを有するように配置されている。これによって示されたのは、多数のコンデンサ個別層を有するコストの高い層構造の場合にも、相応に最適化することにより、これらの阻止領域外に共振を有する本発明のコンデンサが得られることである。
つぎの表1は、図4〜7に基づいて示した実施例の層構造を再度示している。
Figure 0004988742
以下では、さらに具体的な層構造を示して、上記の阻止領域においてQが高い点についてその適性を調べる。このために基板から強誘電体までに至る構造をほとんどの例において一定に保ち、上側の電極E2だけ変化させる。
第1のグループでは、酸化アルミニウム製の基板Sに、50μmの酸化ケイ素および30nmの酸化チタンからなる第1誘電層DS1と、500nmのアルミニウム製の導電層ME1と、50nmの白金製の第1接着層HE1と、120nmのチタン酸バリウム/ストロンチウム製の誘電体層が続く。ここでは第2電極E2と、これに300nmのSi3N4がパッシベーションとして続く。第2電極E2はつぎのように変化する。
Figure 0004988742
例13は、酸化アルミニウム製の基板Sに50μmの酸化ケイ素と、1600nmの白金と、120nmのBSTと、440nmのPtと、1800nmのWと、2500nmのAlの層列を有する。比較的厚い下側のPt電極と上側の多層の電極とを組み合わせることによって、共振は、利用する帯域外になる。比較的厚い電極により、電気損失は、他の例に比べて低減される。
図8には例6,9および11にしたがい、比較的薄い第2電極に対するQの経過が周波数について示されている。導電性の上側の金属層ME2として金(実線)ないしは銅(太い破線)を有する変形形態では、電気的なQの低い共振は、4ギガヘルツにある。これにより、2ギガヘルツ領域(第2の帯域)にも5ギガヘルツ領域(第4の帯域)にも共に60以上の許容される電気的なQが得られる。アルミニウム(薄い点線を参照されたい)は、窒化ケイ素に匹敵する音響インピーダンスを有するため、これらの2つの層の間の境界面は音響的には見えないため、窒化ケイ素から空気に至る境界面は第1の共振に影響を及ぼす。したがってこれは約3ギガヘルツの低い周波数にある。これにより、上側の導電性の金属ME2として200nmのアルミニウムを有するこの実施例に対して、5ギガヘルツにおいて低いQを有することになる。
図9には別の3つの実施例に対するQの経過が示されており、これらの実施例の図8と類似の構造を元にしている。ここでは第2電極E2に使用される導電性の金属の層厚だけを増大させている。図示した3つの曲線は、590nmのAl(例14)、400nmのAu(例15)ないしは600nmのCu(例16)に相応する。線の対応は図8と同じである。残りの層材料および層厚は、図8に対応する実施例から変更していない。アルミニウム、銅または金電極の厚さを大きくすることによって達成しようとするのは、第1の共振を1ギガヘルツ〜1.7ギガヘルツの間の領域にずらし、関連するすべての周波数領域においてできるだけ、すなわち第1〜4帯域においてできるかぎり大きな電気的なQを得ることである。この場合に金および銅によってこれを行うことは不可能である。上側の導電層としてアルミニウムを使用することにより、2ギガヘルツ帯域の下側の領域においてだけQが低くなる。それはこれが約1.7ギガヘルツの共振の近くにあるからである。第1帯域に対するQは、3つのすべての実施例に対して高く、第3および第4帯域に対するQは、3つのすべての実施例に対して十分に高い。
図10には別の3つの実施例に対するQの経過が示されており、ここでも図8および9に関連しているのと同じ層構造および同じ線の対応を使用しており、ここでは上側の導電層の層厚だけをさらに増大させる。ここでは3つの実施例を考察し、これらの実施例では、上側の導電層は690nmのアルミニウム(例8)、560nmの金(例9)または840nmの銅(例10)からなる。この実施例では、5ギガヘルツおよび2.5ギガヘルツ、すなわち第3および第4帯域における高い電気的Qは放棄する。層厚を大きくすることによって、2ギガヘルツ領域において3つのすべての実施例により、高いQを達成することができる。
図11には別の2つの実施例に対するQの経過が示されており、これらの実施例も図8〜10に相応する層構造を有する。ここでは上側の導電層ME2をさらに増大させた。ここでは960nmのAl(例4、破線を参照されたい)ないしは725nmのPt(例5、実線を参照されたい)を有する2つの実施例を検証する。アルミニウムを有する実施例に対して、殊に空気に対する境界面と、アルミニウムに対する下側の白金層の境界面とが音響的にアクティブである。したがってアルミニウムにより、関連するすべての周波数領域において、すなわち第1〜第4帯域において高い電気的Qを維持することができる。上側の電極の導電層として白金だけを使用する場合にはこれを達成することはできない。
図12には例17によるコンデンサの電気的なQの経過が示されており、ここでは第1電極E1に対して、1800nmの厚い白金層だけを使用する。残りの層構造は、例4〜11に相応する。ここでは1GHzおよび2GHzにおいて高いQならびに2.5GHzおよび5GHzにおいて中程度のQが観察される。
例13の層構造は、酸化アルミニウムの基板に50μmの誘電層DSとしての酸化ケイ素と、第1電極E1としての1600nmの白金と、誘電体Dとしての120nmのBSTと、上側の電極としての3重の層とを有しており、この3重の層は、440nmの白金、1800nmのタングステンおよび2500nmのアルミニウムからなる。
全体として電極を極めて厚くすることにより、電気抵抗は格段に低減して音響共振外では高いQが得られる。しかしながら比較的厚い全体構造により、多くの共振が発生する。しかしこれらの共振は、上記の層構造により、すべて利用可能な帯域1から4の外側にある。これらの実施例により、すべての帯域においてこれまでの最も高いQが得られる。
さらに最適化した別の実施例18は、酸化アルミニウムにおける構造を有しており、この構造にはつぎの層が含まれる。すなわち、50μmの酸化ケイ素と、30nmの酸化チタンと、525nmの白金と、200nmのBSTと、700nmのPtとパッシベーション層PSとしての350nmのPSGとが含まれるのである。この実施例によっても、4つの帯域において高いQが得られる。この層構造において形成され得る共振周波数はすべて明らかに上記の帯域の外にある。
ここで判明したのは、本発明の層構造により、移動通信に利用されるすべての4つの帯域において高いQを有しており、したがってこれらの周波数のうちの1つのまたは複数の周波数で動作する回路およびスイッチに使用するのに有利なコンデンサを実現できることである。このため、これらのコンデンサは、移動通信の端末装置内の整合回路、増幅回路、フィルタ回路および別の回路に使用するのに、また殊に携帯電話に使用するのに有利である。これらのコンデンサを有する回路は、適当な基板上に集積して作製することができ、互いに接続することができる。集積して接続するためには、構造化ステップが必要であり、この構造化ステップは、例えば、第1ないしは第2電極および場合によって別の電極を析出した後ならびに誘電体ないしは強誘電体を析出した後、実行される。これらのコンデンサは、バイアス電圧を加えることによって誘電率を、ひいてはそのキャパシタンスを調整可能である。したがって上記のコンデンサによって、可変の回路を構成することができる。ここでこの可変の回路は、キャパシタンスが調整可能であることによって外部の周囲条件に適合することができる。例えば、上記のコンデンサをさまざまな動作周波数に対して整備し、また相応する調整することによって、各動作周波数に対して最適化することができる。またこれにより、ただ1つの回路によって、所与の利用可能な帯域に適合したさまざまな構成を実現することができる。したがって調整可能なコンデンサにより、マルチバンドないしはマルチモード端末装置の周辺回路の複雑さを格段に低減することできる。それは、これまでの別々の回路が、今や調整可能なただ1つの回路によって実現できるからである。このような複雑さの他に、回路に応じた所要スペースおよび回路のコストも低減される。
上記の実施例では有利な層構造が実現できることだけを示したのであり、有利な実現はここに示した実施例に制限されない。したがって本発明の枠内には、個々の層を取り除くことにより、別の層を挿入することにより、材料を変更することにより、または厚さを変更することにより、層構造を変更することも含まれる。
ここで示したすべての実施例において、音響ミラーを使用することにより、コンデンサのQをさらに改善することができる。層構造において下側の電極E1の下に挿入される低インピーダンス層NIと高インピーダンス層HIとからなる1対のミラー層により、すでにこの層構造において発生する共振の幅を格段に低減することができる。このことは逆につぎのようなことになる。すなわち、Qが共振の外にある領域において増大することになるのである。したがって4つのすべての帯域における複雑な最適化問題に対して、音響ミラーにより、改善された特性を得ることができ、この特性により、音響ミラーを作製するために増大するためのコストが正当化されるのである。音響ミラーにより、重なり合って形成されかつ2つの電極間に挿入される1つずつの強誘電体層を含む多数の個別コンデンサを有する複雑な層構造を作製し、その際に3つまたは4つの帯域において十分なQを得ることも可能である。
コンデンサの概略断面図である。 コンデンサの層構造の断面図である。 線路を厚くしたコンデンサを示す図である。 音響ミラーを有するコンデンサを示す図である。 ミラー層を有するまたはこれを有しないコンデンサの損失角の周波数に依存する経過を示す線図である。 積層形コンデンサを概略断面図である。 図6に示した積層形コンデンサに対する損失角の経過を示す線図である。 層構造の異なる共振器のQの経過を示す線図である。 層構造の異なる共振器のQの経過を示す別の線図である。 層構造の異なる共振器のQの経過を示すさらに別の線図である。 層構造の異なる共振器のQの経過を示すさらに別の線図である。 層構造の異なる共振器のQの経過を示すさらに別の線図である。

Claims (21)

  1. 調整可能な誘電率を有するコンデンサにおいて、
    該コンデンサは、
    − セラミックまたは結晶質の基板(S)上の多層構造として構成されており、
    − 該多層構造は、下側および上側の電極(E1,E2)と、当該電極間に配置されかつ当該電極に加えられる電圧によって調整可能な誘電体(D)とを有しており、
    − 該誘電体にて音響体積波が伝搬可能であり、
    − 前記の多層構造における層の数、材料および厚さを調整して、移動無線に利用される第1,第2および第3の帯域外に前記の振動モードの共振周波数がなるようにし、
    ここで、第1の帯域は810〜1000MHzに、第2帯域は、1700〜2205MHzに、また第3帯域は2400〜2483.5MHzになるようにし、
    ただし前記の基板は、セラミックでありかつ100nm以上の表面粗さを有することを特徴とする、
    調整可能な誘電率を有するコンデンサ。
  2. 前記の誘電体(D)には、チタン酸ストロンチウム塩、チタン酸バリウム/ストロンチウム塩またはジルコン/チタン酸鉛が含まれる、
    請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記の振動モードの共振周波数をさらに、5150〜5250MHzの第4帯域に対しても開けておく、
    請求項1または2に記載のコンデンサ。
  4. 最も低い共振周波数は、前記の第1帯域と第2帯域との間に配置されており、
    別の共振は、前記の第2帯域と第3帯域との間ならびに第3帯域の上側に配置されている、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  5. 最も低い共振周波数は、前記の第2帯域と第3帯域との間に配置されており、
    別の共振は、前記の第3帯域と第4帯域との間ならびに第4帯域の上側に配置されている、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  6. 前記基板(S)にはAl2O3が含まれる、
    請求項1から5までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  7. 前記の誘電体(D)は、50〜500nmの厚さを有する、
    請求項1から6までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  8. 少なくとも前記の下側の電極(E1)は、前記の誘電体(D)に直接接する白金層を有する、
    請求項1から7までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  9. 電極(E)には、白金、モリブデンまたはタングステンからなりかつ100nm以下の層厚を有する薄い接着層(HE)と、当該層よりも導電率が高いがインピーダンスの低い金属製のより一層厚い層とが含まれており、
    前記金属は、銅、金またはアルミニウムから選択される、
    請求項1から8までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  10. 前記の基板(S)に直接、電気絶縁性の平面化層(DS)が配置されている、
    請求項1から9までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  11. 前記の層構造は、第2電極の上側に誘電体層と別の電極とからなる少なくとも1つの別の層対を有する、
    請求項1から10までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  12. 前記の層構造は、上側の電極と下側の電極との間に3つの誘電体層および2つずつの誘電体層との間に1つの電極を有する、
    請求項11に記載のコンデンサ。
  13. 前記の基板(S)と下側の電極(E1)との間に音響ミラー(AS)として動作する少なくとも1つの層対が配置されており、
    該層対には高インピーダンス層(HT)および低インピーダンス層(NT)が含まれており、
    当該の2つの層間のインピーダンスは少なくとも1.5倍異なる、
    請求項1から12までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  14. 前記の多層構造の最上層は弾性層である、
    請求項1から13までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  15. 前記の多層構造は、矩形の底面を有しており、
    当該矩形の幅の広い方の面に電極に至る電気導線が設けられている、
    請求項1から14までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  16. 高インピーダンス層(HI)として、700〜900nmの層厚の白金層と、
    低インピーダンス層(NI)として、800〜1000nmの厚のSiO2層とが設けられている、
    請求項13から15までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  17. 前記の誘電体層に対する成長層、接着層および音響的適合層から選択される別の層が多層構造に設けられている、
    請求項1から16までのいずれか1項に記載のコンデンサ。
  18. 請求項1から17までのいずれか1項に記載のコンデンサを有する電気回路において、
    − 当該コンデンサは、キャパシタンス、インダクタンスおよび抵抗から選択された別の受動的回路コンポーネントに接続されており、
    − 前記回路を設計して、当該回路により、前記の4つの帯域のうちの少なくとも1つ帯域における高周波信号を処理するようにしたことを特徴とする、
    電気回路。
  19. 調整可能なDCバイアス電圧を前記の電極に加える手段が設けられている、
    請求項18に記載の回路。
  20. 前記のコンデンサのうちの複数のコンデンサが組み合わされて前記の別の受動的な回路コンポーネントに接続される、
    請求項18または19に記載の回路。
  21. 位相シフタ、デカップラ、インピーダンス整合器または調整可能なフィルタ回路として構成される、
    請求項18から20までのいずれか1項に記載の回路。
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