JP4988271B2 - ホーニング砥石 - Google Patents

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Description

本発明はホーニング砥石に関し、さらに詳細には、ホーニング盤のホーニングツールに交換可能に取り付けられるホーニング砥石の構造技術に関する。
ホーニング加工は、例えば、精密中ぐり、研削などによって仕上げられた工作物(以下ワークと称する)の内径面をさらに平滑にするとともに、この内径面の加工精度も向上させる目的で、細粒砥石をワーク内径面に面接触させて軽く研削する仕上げ方法であって、ラップ仕上や超仕上と共に最もすぐれたワーク表面を造ることができる精密仕上法の一つである。
このホーニング加工を行う専用工作機械としてホーニング盤があり、その一般的な基本構造は、1個〜数個のホーニング砥石を保持するホーニングツールを備えてなり、このホーニングツールとワークとの間に相対的な回転運動と往復運動とを行わせるとともに、上記ホーニング砥石に所定の圧力を加えて、同時に多量の工作液を注ぎながら、ワーク表面の工作を行うようにされている。
ところで、上記ホーニング砥石は、上記ホーニングツールに交換可能に取り付けられる形態とされ、その一般的な基本構造は、図5(a)に示すように、砥石台aの上面に砥石bが一体的に接合固定されてなる。そして、このホーニング砥石Gは、ホーニング盤におけるホーニングツールのマンドレルcの砥石溝dに取外し交換可能に装着される。eはホーニング砥石Gを径方向外方へ拡張(切込み)動作させる拡張ロッド、fはホーニング砥石Gをワークの被加工穴内で案内するガイドを示している。
そして、具体的には図示しないが、ホーニング盤の駆動により、上記ホーニングツールのマンドレルcが、ワークの被加工穴に挿入されるとともに、回転運動しながら往復運動して、その外周に突出する上記砥石bにより被加工穴のホーニング加工が行われる。
ところで、ホーニング加工において、ホーニング砥石Gは、上述したように消耗品として上記ホーニングツールのマンドレルcに交換可能に取り付けられる構造とされているところ、ホーニング砥石Gの砥石bの形状が悪かったり、砥石台aの寸法のバラツキ、あるいはホーニングツールのマンドレルcや拡張ロッドeの先端ウェッジの寸法バラツキなどによって、新しいホーニング砥石Gに交換された直後は、砥石bの砥石面s全体がワークの被加工穴内径面と均一に接触していないために、ホーニング加工後のワークの加工精度(円筒度、面粗度)が非常に悪い。
ホーニング加工をそのまま続けることにより、最終的には、上記砥石bの砥石面s全体がワークの被加工穴内径面に均一に接触して、上記加工精度も公差内に入ることになるが、当初の砥石bの砥石面sにおける砥粒のワークの被加工穴内径面に対する接触面積は少なく、砥粒が脱落ないしは磨耗して、砥石bの砥石面s全体がワークの被加工穴内径面に接触するまでには時間がかかる。これがため、ホーニング加工後のワークの円筒度および面粗度が安定して公差内に入るまでには、数多くのホーニング加工を繰り返す必要があり、これでは加工時間のロスと不良品の数が増えるという問題がある。
このため、従来のホーニング加工においては、新しいホーニング砥石Gに交換された直後に、砥石bの砥石面sをいわゆるR形状(断面円弧形状)に整えるためのツルーイングという作業が一般的に行われていた(図5(a)の(1)→(2)および図5(b)の(1)→(2)参照)。また、このツルーイング後においては、通常、砥石bの砥石面sにおける砥粒がボンド面と面一で突出していないため(図5(b)の(2)参照)、このまま使用しても切れ味が極めて悪いか、あるいは切れない。このため、ツルーイング後にドレッシングという目立て作業も必要になっていた(図5(b)の(2)→(3)参照)。
従来のホーニング加工におけるツルーイング方法としては、図6(a)〜(c)に示す方法があり、これらのツルーイング作業はいずれもホーニング盤の機外で行われていた。
図6(a)のツルーイング方法は、マンドレルcにホーニング砥石Gがセットされたものを、加工対象となるワークWに差し込んで、ホーニング砥石Gの外周と石面と被加工穴Wa内径との当たり具合を確認しながら、WA、GC砥石やダイヤモンドヤスリgで砥石bの砥石面sの高いところから徐々に除去していく方法である。この方法では、作業に時間と労力がかかり、しかも作業者の技術力、熟練度により影響が大きい。
図6(b)のツルーイング方法は、マンドレルcにホーニング砥石Gがセットされたものを、専用治具hを用いて円筒研削盤に装着して、回転する砥石車iによる円筒研削により、砥石bの砥石面sを削ってツルーイングするという方法である。この方法でも、加工に手間がかかり、また、この方法では、円筒研削盤にセットされたマンドレルc、拡張ロッドeの先端ウェッジ、ホーニング砥石Gの砥石台aの組合せでしか、砥石bの砥石面sの形状精度が出せず(構成部品個々の形状寸法精度にバラツキがあるため)、さらに一本砥石構造のマンドレルには採用できないという問題があった。
図6(c)のツルーイング方法は、マンドレルcにホーニング砥石Gがセットされたものを、電着ダイヤモンドjが電着形成されてなる電着ツルーイングスリーブkの円筒穴内に差し込んで、上記電着ダイヤモンドjにより、ホーニング砥石Gの砥石bの砥石面sを擦り取りながら整形していく方法である。この方法では、専用の電着ツルーイングスリーブkが必要であるとともに、上記電着ダイヤモンドjの寿命も非常に短く、作業コストが高くつき、また、磨耗した電着ダイヤモンドjで砥石bの砥石面sを擦ると、目つぶれを起こして切れなくなり、このため、後加工としてのドレッシングを十分に行わなければならないという問題があった。
また、これら従来のツルーイング方法では、その時に使用するツール(マンドレルc、拡張ロッドe(の先端ウェッジ)、砥石台a、砥石bがセットされた状態でのみ形状精度を出すことができることから、ホーニング加工現場などのホーニングツールをセットで使用する場所、またはホーニングツールをセットで借り受けなければできないという不具合もあった。
しかも、ホーニング加工においては、一般にダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の超砥粒が金属結合材料により結合されてなる超砥粒メタルボンド砥石が使用されている。この超砥粒メタルボンド砥石は、非常に硬くて、磨耗が少なく長寿命であるという特徴を有しているが、それと表裏一体の関係で、非常に破壊しにくい材質であることから、上述したツルーイングには非常な時間と労力を要するとともに、技術力や熟練もより必要となるなどの問題もあり、その改良が要望されていた。
なお、本出願人の知る限りにおいて、これら従来技術を開示した特許文献等は存在しない。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、超砥粒メタルボンド砥石を備えるとともに、ホーニング盤のホーニングツールに装着当初のツルーイング、ドレッシング作業が不要で、初期のホーニング加工により所期のワークの加工精度が得られる構造を備えるホーニング砥石の提供にある。
上記目的を達成するため、本発明のホーニング砥石は、ホーニングツールに交換可能に取り付けられる棒状のものであって、上記ホーニングツールのツール本体に装着支持される砥石台に、四角柱状の砥石が一体的に接合されてなり、上記砥石は、微小なダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の超砥粒が金属結合材料により結合されてなる超砥粒メタルボンド砥石であり、この超砥粒メタルボンド砥石のワーク被加工穴内径面に接触する砥石面全体が、多数の凹凸表面を有する脆弱砥石層から形成されてなり、上記脆弱砥石層は、加工対象となるワークの構成材料よりも脆く弱い材質で構成されていることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下のような構成とされる。
)上記脆弱砥石層は、上記超砥粒メタルボンド砥石の砥石面部位に電気加工が施されることにより、表面に多数の微小凹部が形成されてなる電解層からなる。
)上記脆弱砥石層の厚さ寸法は、ホーニングツールに装着後の初期整形加工時の脱落量に対応して設定される。
)上記電気加工が放電加工である。
)上記電気加工が電解加工である。
本発明のホーニング砥石によれば、微小なダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の超砥粒が金属結合材料により結合されてなる超砥粒メタルボンド砥石を備え、この超砥粒メタルボンド砥石のワーク被加工穴内径面に接触する砥石面全体が、多数の凹凸表面を有する脆弱砥石層から形成されてなり、上記脆弱砥石層は、加工対象となるワークの構成材料よりも脆く弱い材質で構成されているから、以下に列挙するような種々のすぐれた効果が発揮されて、ホーニング盤のホーニングツールに装着当初のツルーイング、ドレッシング作業が不要で、初期のホーニング加工により所期のワークの加工精度が得られるホーニング砥石を提供することができる。
(1)ホーニング盤のホーニングツールに装着当初のツルーイングおよびドレッシングを必要としない。
すなわち、超砥粒メタルボンド砥石の砥石面部位つまりワーク被加工穴内径面に接触する砥石面全体が、多数の凹凸表面を有する脆弱砥石層から形成されてなり、この脆弱砥石層は、加工対象となるワークの構成材料よりも脆く弱い材質で構成されているから、ホーニング盤のホーニングツールに装着して、対象となるワークをホーニング加工することにより、ほぼ1回目のホーニング加工で脆弱砥石層の部位が磨耗、脱落して、砥石面がワークの被加工穴内径面に全面当たりする結果、砥石面がこの被加工穴内径面に沿ったR形状に整形される。
これにより、ホーニング砥石の砥石台の寸法バラツキや砥石形状のバラツキと共に、ホーニングツールの各構成要素であるマンドレルや拡張ロッドの先端ウェッジの寸法バラツキや磨耗による寸法変化なども、初期のホーニング加工により吸収されて、高精度なツルーイング効果が得られる。また、脆弱砥石層の存在により、ホーニング加工時における砥石面の自生作用で、容易にドレッシング効果も得られる。
したがって、本発明のホーニング砥石にあっては、高硬度な超砥粒メタルボンド砥石であるにもかかわらず、従来必須とされていたホーニングツールに装着当初のツルーイングおよびドレッシング作業が不要となり、ユーザのホーニング盤のホーニングツールにセットするだけで、加工されるワークに所期の加工精度が得られる。
(2)また、真円度においても要求精度を満足させることができるとともに、面粗度についても、上記砥石面がホーニング加工当初から(ほぼ一個目のワークの加工から)ワークの被加工穴内径面に多く当たることにより、より安定域の面粗度に近くなる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係るホーニング砥石を図1および図2に示し、このホーニング砥石1は、具体的には図1(b)および図2に示すように、ホーニングツール2のツール本体であるマンドレル3に交換可能に取り付けられる棒状の砥石である。
図示のホーニングツール2は、単一のホーニング砥石1を備えるもので、図示しないホーニング盤の回転主軸先端つまり下端に交換可能に装着されて使用される。上記マンドレル3には、上記ホーニング砥石1を収容保持する砥石溝3aが開口されるとともに、この砥石溝3aに上記ホーニング砥石1が径方向へ突出可能にかつ取外し交換可能に装着されている。
また、マンドレル3の内部には、図2に示すように、上記ホーニング砥石1を拡張動作させる拡張ロッド4が軸方向へ往復移動可能に設けられており、上記ホーニング盤の砥石切込み装置(図示省略)によって、上記拡張ロッド4の先端ウェッジ4aによりホーニング砥石1が径方向外方へ拡張(切込み)動作される。10はホーニング砥石1をワークの被加工穴内で同心状に案内するガイドを示しており、このガイド10は、図2に示すように、マンドレル3の円筒外周部において、上記ホーニング砥石1と一直径線上の対向位置で対峙するようにマンドレル3に埋設されている。
本実施形態のホーニング砥石1は、その具体的構造が図1および図2に示されるように、砥石5と砥石台6が一体的に接合固定されてなるメタルモールド一体型砥石である。
砥石5は、具体的には微小な超砥粒が導電性を有する金属結合材料により結合されてなる超砥粒メタルボンド砥石であり、四角柱状とされている。超砥粒としては、ダイヤモンド砥粒やCBN(立方晶窒化ホウ素:cubic boron nitride)砥粒等が目的に応じて用いられ、また、金属結合材料としては、銅、錫、コバルトあるいはこれらを含む合金のうちの少なくとも一種から成る結合材料が目的に応じて用いられる。また、この砥石5の砥石面部位は、後述するように多数の凹凸表面を有する脆弱砥石層7から形成されている。
砥石台6は、マンドレル3に装着支持される部位で、その構成材料としては、銅、鋼等の金属材料が好適に用いられる。図示の実施形態の砥石台6は銅合金の粉末からなるメタルボンドが用いられている。
このように砥石5と砥石台6が一体接合されてなるホーニング砥石1は、図1(b)に示すように、その平面外周輪郭形状が上記マンドレル3の砥石溝3aの内周輪郭形状に対応して形成されるとともに、その底面1aがマンドレル3に内装された上記拡張ロッド4の先端ウェッジ4aの傾斜面に対応した傾斜面とされて、拡張ロッド4の軸方向前方へ移動により、この拡張ロッド4の先端ウェッジ4aとホーニング砥石1の底面1aとの協働作用により、ホーニング砥石1がマンドレル3の外周面から径方向外方へ拡張(切込み)動作されることとなる。
前記脆弱砥石層7は、このようにして砥石5と砥石台6との接合によりホーニング砥石1が完成する最終工程において形成される。
この脆弱砥石層7の形成は、超砥粒メタルボンド砥石からなる砥石5が非常に高強度で高寿命であるという長所を生かしつつ、砥石5の砥石面部位のみ変質させて、つまり、より凹凸が大きく、かつ脆く弱い性質に変えて、この砥石面5aの部位を加工対象となるワークの構成材料よりも脆く弱くすることにより、通常のホーニング加工において砥石を脱落させて、砥石面5aの形状をホーニング加工時に適した形状に仕上げることを可能するためである。
この目的から、脆弱砥石層7は、加工対象となるワークの構成材料よりも脆く弱い材質で構成されている。
この脆弱砥石層7は、具体的には、超砥粒メタルボンド砥石5の砥石面部位に電気加工が施されることにより、表面に多数の微小凹部が形成されてなる電解層からなる。電気加工としては、具体的には放電加工と電解加工があり、本実施形態においては後述するように放電加工により脆弱砥石層7が形成されている。
また、脆弱砥石層7の厚さ寸法は、ホーニングツール2に装着後の初期ホーニング加工時(つまり初期整形加工時)の脱落量に対応して設定されている。この脱落量は、ホーニング砥石1の砥石台6の寸法バラツキや砥石5の形状のバラツキと共に、ホーニングツール1の各構成要素であるマンドレル3や拡張ロッド4の先端ウェッジ4aの寸法バラツキや磨耗による寸法変化などを吸収し得る程度の量であり、対象となるワークの加工に要求される加工精度等を考慮して適宜設定される。
この脆弱砥石層7の電気加工による形成工程、および完成品としてのホーニング砥石1をホーニングツール2に装着しての初期のホーニング加工について、図3を参照して具体的に説明する。なお、図3は理解を容易にすることを主眼として、模式的にかつ大幅に拡大して描かれているが、実際には、砥石5の砥石面部位は視覚的にはほぼ平面で、かつ脆弱砥石層7と砥石5の本体部分との境界も図示のものほど明確ではない。
砥石5の砥石面部位つまり砥石面5aを含む表層部位は、電気加工が施される前の未加工状態においては、図3(a)に示すように、微小な超砥粒15、15、…が導電性を有する金属結合材料16により結合されて超砥粒メタルボンド砥石が形成されている。
次に、この未加工状態の砥石5の砥石面5a部位に電気加工を施すのであるが、電気加工による砥石除去量を少なくし、時間短縮するために、図3(b)に示すように、従来周知のR研磨加工により砥石面部位の表面形状をあらかじめ整える(この事前整形工程は、電気加工に要する時間との兼ね合いで選択的に行われるもので、省略する場合もある。)。
この砥石5の砥石面5a部位に電気加工を施す。本実施形態においては放電加工が施される。放電加工(Electrical discharge machining)は、具体的には図示しないが、従来公知のように、電極と被加工物である砥石5の砥石面5aとの間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって砥石面5aの一部を除去する。この場合、上記電極は、砥石面5aに非接触な近接状態でこの砥石5aに沿って移動されることにより、スパークが砥石5aの一部を溶かして蒸発させることで、砥石面5aに無数の微小凹部が形成されることとなる。
放電加工後の砥石面5aは、図3(c)に示すように、非常に凹凸が多く、また組織は非常に脆く弱い電解層になっており、これが上記脆弱砥石層7である。この凹凸表面(=砥石面5a)を有する脆弱砥石層7の厚さ寸法Tは、放電加工において放電の強さを調整することで、所望の大きさに設定することができる。
しかして、以上のように脆弱砥石層7が形成されて完成品とされたホーニング砥石1は、図1(b)および図2に示すように、ホーニングツール2のマンドレル3の砥石溝3aに装着されて使用される。このホーニングツール2は、図示しないホーニング盤の回転主軸先端に装着されて、ホーニング盤の駆動により、そのマンドレル3が、図示しないワークの被加工穴に挿入されるとともに、回転運動しながら往復運動して、その外周に突出する上記砥石1により被加工穴のホーニング加工が行われる。
そして、1回目のホーニング加工が砥石5の砥石面5aの整形加工を兼ねており、この整形加工後の砥石5の砥石面5aは、図3(d)に示す状態になる。
すなわち、上記砥石5の脆弱砥石層7は、加工対象となるワークの構成材料よりも脆く弱い材質の電解層で構成されており、換言すれば、上記脆弱砥石層7よりも加工対象であるワークの方が硬くかつ強いため、また上記脆弱砥石層7の表面部である砥石面5aは凹凸形状で高い所ほどザラザラでワークの被加工穴内径面に対する接触面接が小さいため、上記ホーニング加工においては、砥石5の砥石面5aの高いところから徐々に削られて、最終的に砥石面5aの全体がワークの被加工穴内径面と接触することになる。つまりは、砥石面5a部位の脱落層つまり脆弱砥石層7の強度が深くなるにつれて増していくことで、加工負荷の変化に応じて、上下深さ方向各部分の砥石脱落量が調整され、初期の砥石面5aの傾きによる当たり方が均一になる。
このようにして、本実施形態のような1本砥石構造のホーニングツール2の場合は、砥石5とガイド10の外周面5a、10a全面がワークの被加工穴の内径面と接触して、その断面輪郭線が図2(a)に示すように平行で、かつ図2(b)の仮想線円で示すような同一円の円筒面を形成することになる。
なお、本実施形態のホーニング砥石1が図4に示すような多本砥石構造(図示の場合は4本)のホーニングツール12に装着される場合は、各砥石5,5、…の砥石面5aの全面がワークの被加工穴内径面と均等に接触して、やはり、その断面輪郭線が図4(a)に示すように平行で、かつ図2(b)の仮想線円で示すような同一円の円筒面を形成することになる。
以上のように、本実施形態のホーニング砥石1においては、砥石5が超砥粒メタルボンド砥石からなり、この超砥粒メタルボンド砥石5の砥石面5a部位つまり超砥粒メタルボンド砥石5のワークの被加工穴内径面に接触する砥石面5a全体が、多数の凹凸表面を有しかつ加工対象となるワーク構成材料よりも脆弱な材質の脆弱砥石層7から形成されていることにより、ホーニング盤のホーニングツール2に装着当初のツルーイング、ドレッシング作業が不要で、初期のホーニング加工により所期のワークの加工精度が得られる。
すなわち、超砥粒メタルボンド砥石5の砥石面5a部位つまりワークの被加工穴内径面に接触する砥石面5a全体が、多数の凹凸表面を有する脆弱砥石層7から形成されているから、ホーニング盤のホーニングツール2に装着して、対象となるワークをホーニング加工することにより、ほぼ1回目のホーニング加工で脆弱砥石層7の部位が磨耗、脱落して、砥石面5a全体がワークの被加工穴内径面に全面当たりする結果、前述したように、砥石面5aはこの被加工穴内径面に沿ったR形状に整形される。
これにより、ホーニング砥石1の砥石台6の寸法バラツキや砥石5の形状のバラツキと共に、ホーニングツール2の各構成要素であるマンドレル3や拡張ロッド4の先端ウェッジ4aの寸法バラツキや磨耗による寸法変化なども、初期のホーニング加工(ほぼ1回目のホーニング加工)により吸収されて、高精度なツルーイング効果が得られる。また、脆弱砥石層7の存在により、ホーニング加工時における砥石面5aの自生作用で、容易にドレッシング効果も得られる。
したがって、本実施形態のホーニング砥石1にあっては、砥石5が高硬度な超砥粒メタルボンド砥であるにもかかわらず、ユーザのホーニング盤のホーニングツール2にセットするだけで、加工されるワークに所期の加工精度が得られる。試験的には、砥石5の砥石面5aの凹凸や傾斜が多少あっても、これを吸収して、1回目のホーニング加工により円筒度3μm以下を実現できることが既に判明している。
このことは、従来この種ホーニング砥石を購入するユーザサイドにおいて必須の作業として行われていた、マンドレル3、拡張ロッド4のウェッジ4aおよびホーニング砥石をセットした状態でのツルーイング作業がまったく不要となり、メーカサイドで表面処理したホーニング砥石1を、ユーザ所有のホーニング盤の機上でホーニングツール1のマンドレル3にセットするだけで所要の加工精度を実現することができることを意味する。
また、本実施形態のホーニング砥石1においては、ワークの真円度においても要求精度を満足させることができるとともに、ワークの面粗度についても、上記ホーニング砥石1の砥石面5aがホーニング加工当初からワークの被加工穴内径面に多く当たることにより、より安定域の面粗度に近くなる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
例えば、図示の実施形態のホーニング砥石1は、その適用対象が単一のホーニング砥石を備えるホーニングツール2用のものであるが、図4を参照して前述したところから明らかなように、本発明は3個あるいは4個など複数個のホーニング砥石を備えるホーニングツール用のものにも適用可能であることはもちろんである。
また、図示の実施形態においては、放電加工により脆弱砥石層7が形成されているが、放電加工の一種であるワイヤ放電加工による形成も可能である。
すなわち、このワイヤ放電加工で脆弱砥石層7を形成する場合は、具体的には図示しないが、細い金属ワイヤを砥石面5aに近付けるようにして送ってゆく。このワイヤ放電加工の利点は、非常に複雑で細かい形状を切り出すことができ、砥石5の高さ、幅、Rの大きさ等、形状の違いを自由に設定でき、加工性が良い。例えば、金属ワイヤが砥石面5aに沿って上下方向にジグザグに進むことにより、砥石面5aの凹凸の大きさを自由に設定することができる。
また、上記放電加工に代えて、同じ電気加工に属する電解加工により脆弱砥石層7を形成することも可能である。電解加工(Electrochemical machining)は、大きな電流を電極と被加工物である砥石5との間に流すという点で、放電加工と似ており、電解加工の電極は砥石5の砥石面5aに接触しないようにして砥石面5aの近接位置を移動させる。
さらに、本発明は、図示の実施形態のようなメタルモールド一体型砥石に限定されず、他の同種のホーニング砥石にも適用可能である。
本発明のホーニング砥石を示し、図1(a)は斜視図、図1(b)は同ホーニング砥石が装着される1本砥石構造のホーニングツールのマンドレルの前方から見た分解斜視図である。 同じく同ホーニング砥石が装着されたホーニングツールのマンドレルを示し、図2(a)は正面断面図、図2(b)は図2(a)のB−B線に沿った断面図である。 同ホーニング砥石における超砥粒メタルボンド砥石の砥石面部位を拡大して示す模式図で、図3(a)は未加工状態、図3(b)はR研磨加工を施した状態、図3(c)は放電加工を施した状態、および図3(d)は1回目のホーニング加工後の状態をそれぞれ示している。 同ホーニング砥石が装着される4本砥石構造のホーニングツールのマンドレルを示し、図4(a)は正面断面図、図4(b)は図4(a)のB−B線に沿った断面図である。 図5(a)は従来のホーニング砥石が装着される1本砥石構造のホーニングツールのマンドレルを示し、(1)はホーニング砥石のツルーイング加工前の状態および(2)は同ホーニング砥石のツルーイング加工後の状態であり、図5(b)は同ホーニング砥石の砥石面部位を拡大して示す断面模式図で、(1)はツルーイング加工前、(2)ツルーイング加工後、(3)はドレッシング後をそれぞれ示している。 図6(a)〜(c)はそれぞれ従来のホーニング砥石のツルーイング方法を示している。
符号の説明
1 ホーニング砥石
2 ホーニングツール
3 マンドレル
3a マンドレルの砥石溝
4 拡張ロッド
4a 拡張ロッドの先端ウェッジ
5 砥石
5a 砥石の砥石面
6 砥石台
7 脆弱砥石層
10 ガイド
15 超砥粒
16 金属結合材料
T 脆弱砥石層の厚さ寸法

Claims (5)

  1. ホーニングツールに交換可能に取り付けられる棒状のものであって、
    前記ホーニングツールのツール本体に装着支持される砥石台に、四角柱状の砥石が一体的に接合されてなり、
    前記砥石は、微小なダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の超砥粒が金属結合材料により結合されてなる超砥粒メタルボンド砥石であり、
    この超砥粒メタルボンド砥石の工作物被加工穴内径面に接触する砥石面全体が、多数の凹凸表面を有する脆弱砥石層から形成されてなり、
    前記脆弱砥石層は、加工対象となる工作物の構成材料よりも脆く弱い材質で構成されている
    ことを特徴とするホーニング砥石。
  2. 前記脆弱砥石層は、前記超砥粒メタルボンド砥石の砥石面部位に電気加工が施されることにより、表面に多数の微小凹部が形成されてなる電解層からなる
    ことを特徴とする請求項に記載のホーニング砥石。
  3. 前記脆弱砥石層の厚さ寸法は、ホーニングツールに装着後の初期整形加工時の脱落量に対応して設定される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のホーニング砥石。
  4. 前記電気加工が放電加工であることを特徴とする請求項に記載のホーニング砥石。
  5. 前記電気加工が電解加工であることを特徴とする請求項に記載のホーニング砥石。
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