JP4986248B2 - 音源分離装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は音源分離装置、方法及びプログラムに関し、例えば、携帯電話機等の携帯機器や、カーナビゲーションシステム等の車載機器で、所望の音声を、その音声の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音と分離して取得する場合に適用し得るものである。
音声認識の利用や電話メッセージ録音の利用において、マイクロフォンにより音声を入力した場合に、周囲雑音によって音声認識の精度が極度に劣化したり、録音した音声が雑音のために聞き取り難くなったりするなどの問題が発生している。
このため、マイクロフォンアレーにより指向特性を制御する等して、所望の音声だけを選択的に取得する試みがなされている。しかしながら、このような指向特性の制御だけでは、所望の音声を背景雑音から分離して取り出すことは困難であった。
なお、マイクロフォンアレーによる指向特性制御の技術自体は公知の技術であり、例えば、遅延和アレー(DSA:Delayed Sum Array、又は、BF:Beam−Forming)による指向特性制御に関する技術、あるいは、DCMP(Directionally Constrained Minimization of Power)アダプティブアレーによる指向特性制御に関する技術等がある。
一方、遠隔発話による音声を分離する技術として、複数の固定マイクロフォンの出力信号を狭帯域スペクトル分析し、周波数帯域毎に最も大きな振幅を与えたマイクロフォンにその周波数帯域の音を割り当てる技術(SAFIAと称されている)もある(特許文献1参照)。この帯域選択(BS:Band Selection)による音声の分離技術では、所望の音声を得るために、所望の音声を発する音源に最も近いマイクロフォンを選び、そのマイクロフォンに割り当てられた周波数帯域の音を使って音声を合成する。
また、更なる技術として、帯域選択の方法に改良を加えた方法が、特許文献2で提案されている。以下、特許文献2に記載の音源分離方法を、図3を用いて説明する。
特許文献2の方法において、2個のマイクロフォン321、322は、目的音の到来方向と直角又は略直角をなす方向に並べて配置されている。
目的音優勢信号生成手段330において、第1目的音優勢信号生成手段331は、時間領域上又は周波数領域上で、マイクロフォン321の受音信号X1(t)と、マイクロフォン332の受音信号に遅延処理を施した後の信号D(X2(t))との差をとって第1の目的音優勢の信号X1(t)−D(X2(t))を生成し、第2目的音優勢信号生成手段332は、時間領域上又は周波数領域上で、マイクロフォン322の受音信号X2(t)と、マイクロフォン331の受音信号に遅延処理を施した後の信号D(X1(t))との差をとって第2の目的音優勢の信号X2(t)−D(X1(t))を生成する。目的音劣勢信号生成手段340は、時間領域上又は周波数領域上で、2個のマイクロフォン321、322の受音信号X1(t)、X2(t)の差をとって、目的音劣勢信号X1(t)−X2(t)を生成する。これら3種類の信号X1(t)−D(X2(t))、X2(t)−D(X1(t))及びX1(t)−X2(t)はそれぞれ、周波数解析手段350において周波数分析される。
そして、第1分離手段361において、第1の目的音優勢の信号のスペクトルと目的音劣勢の信号のスペクトルとを用いて、帯域選択(又は、スペクトラル・サブトラクション)が実行され、マイクロフォン321の設置された側の空間(後述する図4(B)の左側空間)から到来する音が分離され、また、第2分離手段362において、第2の目的音優勢の信号のスペクトルと目的音劣勢の信号のスペクトルとを用いて帯域選択(又は、スペクトラル・サブトラクション)が実行され、マイクロフォン322の設置された側の空間(図4(B)の右側空間)から到来する音が分離される。統合手段363において、第1分離手段361から出力されたスペクトルと第2分離手段362から出力されたスペクトルとを用いたスペクトル統合処理により、目的音を分離する。
上述した第1の目的音優勢信号生成手段331、第2の目的音優勢信号生成手段332及び目的音劣勢信号生成手段340には、空間フィルタと呼ばれるフィルタが使われている。
空間フィルタについて、図4を用いて説明する。図4(B)において、間隔dで配置された2つのマイクロフォン321、322に対して、角度θで入力する音源を考えると、音源との距離に関し、2つのマイクロフォンの間でd×sinθの距離差Tが生じ、結果として、音源からの音が到達するのに(1)式で表される時間差τが生じる。
τ={d×sinθ}/(音の伝播速度) …(1)
そこで、マイクロフォン322の出力から、マイクロフォン321の出力を時間差τだけ遅延させた後に減じると、互いが相殺されて抑圧角度θの方向の音は抑圧される。図4(A)は、抑圧角度θに設定された空間フィルタの、音源の方向ごとの抑圧処理後のゲインを示している。第1及び第2目的音優勢信号生成手段331及び332ではそれぞれ、抑圧角度θを、例えば、−90度、90度に設定した空間フィルタを用いて、目的音成分を抽出するとともに、妨害音成分を抑圧している。一方、目的音劣勢信号生成手段340では、抑圧角度θが0度の空間フィルタを用いて、目的音成分を抑圧すると共に、妨害音成分を抽出している。
第1分離手段361又は第2分離手段362における帯域選択処理は、(2)式に示す正規化処理を伴う2つのスペクトルからの選択処理と、(3)式に示す分離スペクトルの算出処理とからなる。(2)式及び(3)式において、S(m)は帯域選択処理後のm番目のスペクトル要素、M(m)は第1又は第2の目的音優勢信号のm番目のスペクトル要素、N(m)は目的音劣勢信号のm番目のスペクトル要素、D(m)は第1分離手段361(又は第2分離手段362)に対応するマイクロフォン321(又はマイクロフォン322)の受音信号のm番目のスペクトル要素、H(m)は分離信号のm番目のスペクトル要素を表している。
Figure 0004986248
特開平10−313497号公報 特開2006−197552号公報
上述したSAFIAでは、2つの音が重なった状況において、良く両者を分離することができる。しかしながら、音源が3つ以上となると、理論的には分離可能とされているものの、分離性能は極端に劣化する。従って、複数の雑音源が存在する状況下で、これらの複数の雑音を含む受音信号から目的音を精度よく分離することは困難である。
一方、特許文献2の記載方法は、各音源からの音信号(音声信号、音響信号)が適切に強調された各周波数特性を算出し、これらの各周波数特性における同一の周波数帯域の振幅値同士の大小比較を適切に行うことにより、妨害音を排除している。ここで、上述した(2)式及び(3)式からは、分離スペクトルH(m)は、√(M(m)−N(m))と、一方のマイクロフォン321(又は322)から入力された信号D(m)の位相を使って求めていることが分かる。マイクロフォン321から入力された信号D(m)には、目的音以外に妨害音が含まれており、妨害音を排除するための最終段階近くで使うには不適切だと言わざるを得ない。このことが、最終的な音源分離後の音質劣化を招いていた。
そのため、妨害音が複数あっても音源を容易に分離できる、しかも、分離後の目的音の音質良好な音源分離装置、方法及びプログラムが望まれている。
第1の本発明は、目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離する音源分離装置において、(1)間隔を置いて配置された複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、2個のマイクロフォンによる第1及び第2の受音信号を用いて時間軸上あるいは周波数領域上で、上記第1の受音信号に係る値から、上記第2の受音信号を第1の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第1の目的音優勢のスペクトルを生成する第1目的音優勢スペクトル生成手段と、(2)間軸上あるいは周波数領域上で、上記第2の受音信号に係る値から、上記第1の受音信号を第2の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第2の目的音優勢のスペクトルを生成する第2目的音優勢スペクトル生成手段と、(3)上記第1及び第2の受音信号を用いて、時間軸上あるいは周波数領域上で目的音抑圧用の線形結合処理を行うことにより、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトルと組になる少なくとも1つの目的音抑圧スペクトルを生成する目的音抑圧スペクトル生成手段と、(4)間隔を置いて配置された上記複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、複数個のマイクロフォンの受音信号を用いて、周波数領域上で合算することにより位相信号を生成する位相生成手段と、(5)上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトル、上記目的音抑圧スペクトル及び、上記位相信号を用いて、目的音と妨害音とを分離する目的音分離手段とを有することを特徴とする。
また、第2の本発明は、目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離する音源分離方法において、第1目的音優勢スペクトル生成手段、第2目的音優勢スペクトル生成手段、目的音抑圧スペクトル生成手段、位相生成手段及び目的音分離手段を備え、(1)上記第1目的音優勢スペクトル生成手段は、間隔を置いて配置された複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、2個のマイクロフォンによる第1及び第2の受音信号を用いて時間軸上あるいは周波数領域上で、上記第1の受音信号に係る値から、上記第2の受音信号を第1の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第1の目的音優勢のスペクトルを生成し、(2)上記第2目的音優勢スペクトル生成手段は、間軸上あるいは周波数領域上で、上記第2の受音信号に係る値から、上記第1の受音信号を第2の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第2の目的音優勢のスペクトルを生成し、(3)上記目的音抑圧スペクトル生成手段は、上記第1及び第2の受音信号を用いて、時間軸上あるいは周波数領域上で目的音抑圧用の線形結合処理を行うことにより、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトルと組になる少なくとも1つの目的音抑圧スペクトルを生成し、(4)上記位相生成手段は、間隔を置いて配置された上記複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、複数個のマイクロフォンの受音信号を用いて、周波数領域上で合算することにより位相信号を生成し、(5)上記目的音分離手段は、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトル、上記目的音抑圧スペクトル及び、上記位相信号を用いて、目的音と妨害音とを分離することを特徴とする。
第3の本発明は、目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離するための音源分離プログラムであって、コンピュータを、(1)間隔を置いて配置された複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、2個のマイクロフォンによる第1及び第2の受音信号を用いて時間軸上あるいは周波数領域上で、上記第1の受音信号に係る値から、上記第2の受音信号を第1の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第1の目的音優勢のスペクトルを生成する第1目的音優勢スペクトル生成手段と、(2)間軸上あるいは周波数領域上で、上記第2の受音信号に係る値から、上記第1の受音信号を第2の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第2の目的音優勢のスペクトルを生成する第2目的音優勢スペクトル生成手段と、(3)上記第1及び第2の受音信号を用いて、時間軸上あるいは周波数領域上で目的音抑圧用の線形結合処理を行うことにより、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトルと組になる少なくとも1つの目的音抑圧スペクトルを生成する目的音抑圧スペクトル生成手段と、(4)間隔を置いて配置された上記複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、複数個のマイクロフォンの受音信号を用いて、周波数領域上で合算することにより位相信号を生成する位相生成手段と、(5)上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトル、上記目的音抑圧スペクトル及び、上記位相信号を用いて、目的音と妨害音とを分離する目的音分離手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、妨害音が複数あっても音源を容易に分離できる、しかも、分離後の目的音の音質を良好にすることができる。
第1の実施形態に係る音源分離装置の全体構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る音源分離装置の全体構成を示すブロック図である。 従来の音源分離装置の構成を示すブロック図である。 空間フィルタの説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による音源分離装置、方法及びプログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第1の実施形態の音源分離装置の用途は限定されるものではないが、例えば、音声認識装置の前処理装置(雑音除去装置)として搭載されたり、ハンズフリー電話機(携帯電話機をハンズフリー電話機として用いる場合を含む)等の捕捉音声の初期処理段に設けたりするものである。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る音源分離装置の全体構成を示すブロック図である。第1の実施形態の音源分離装置は、ディスクリート部品などの組み合わせや半導体チップなどによって専用的に構成されたものであっても良く、また、プロセッサを備えるパソコンなどの情報処理装置(1台に限定されず、複数台を分散処理し得るようにしたものであっても良い)上に、第1の実施形態の音源分離プログラム(固定データを含む)をインストールすることにより構築されるものであっても良く、さらには、第1の実施形態の音源分離プログラムが書き込まれたディジタルシグナルプロセッサを利用するものであっても良く、その実現化方法は問われないが、機能的には図1で表すことができる。なお、ソフトウェア処理を中心とする場合であっても、マイクロフォンやアナログ/ディジタル変換器の部分はハードウェア構成を適用することになる。
図1において、第1の実施形態の音源分離装置10は、大きくは、入力手段20、分析手段30、分離手段40、除去手段50、生成手段60及び位相生成手段70を有する。
入力手段20は、間隔を置いて配置された2個のマイクロフォン21、22と、図示しない2個のアナログ/ディジタル変換器とを有する。各マイクロフォン21、22は、無指向性のもの、若しくは、これらマイクロフォン21、22を結ぶ直線の直角方向に緩やかな指向性を有するものである。各マイクロフォン21、22は、当該音源分離装置10が意図している目的音源からの目的音に加え、他の音源からの妨害音や音源がはっきりしない雑音など(以下、これらをまとめて妨害音と呼ぶ)も捕捉する。図示しないアナログ/ディジタル変換器は、対応するマイクロフォン21、22が空間上の音声、音響を捕捉して得た受音信号をディジタル信号に変換するものである。
なお、処理対象の音信号を入力する手段はマイクロフォン21、22に限定されない。例えば、2つのマイクロフォンからの受音信号を録音した録音装置から再生して入力するようにしても良く、また例えば、通信相手側の装置に設けられている2つのマイクロフォンの受音信号を通信によって取得して入力信号とするようにしても良い。このような入力信号は、アナログ信号であっても良く、既にディジタル信号に変換されているものであっても良い。録音再生や通信などによる入力であっても、当初はマイクロフォンによる捕捉を行っているので、このような場合をも含めて、特許請求の範囲では「マイクロフォン」という用語を用いている。
マイクロフォン21の受音信号に係るディジタル信号をx1(n)とし、マイクロフォン22の受音信号に係るディジタル信号をx2(n)とする。但し、nは、n番目のデータ(サンプル)を表している。ディジタル信号x1(n)、x2(n)は、マイクロフォンが捕捉したアナログ信号でなる受音信号を、アナログ/ディジタル変換し、標本化周期T毎に標本化することにより得られるものである。標本化周期Tは、通常31.25マイクロ秒〜125マイクロ秒程度である。同一時間区間における、N個の連続するx1(n)、x2(n)を1つの分析単位(フレーム)として、以降の処理が行われる。ここでは、一例としてN=1024とする。例えば、処理対象分析単位に対する当該音源分離の一連の処理が終了すると、x1(n)、x2(n)のうち後半の3N/4個のデータを前半にシフトし、新たに入力された連続するN/4個のデータを後半に接続することにより、新たなN個の連続するx1(n)、x2(n)を生成し、1つの分析単位として新たな処理を行い、このような処理対象分析単位の処理を繰り返すようになされている。
分析手段30は、各マイクロフォン21、22に対応した周波数分析部31、32を備える。周波数分析部31は、ディジタル信号x1(n)を周波数分析するものであり、周波数分析部32は、ディジタル信号x2(n)を周波数分析するものである。言い換えると、周波数分析部31、32は、時間軸上の信号であるディジタル信号x1(n)、x2(n)を、周波数領域上の信号に変換するものである。ここでは、周波数分析に、FFT(高速フーリエ変換)を適用するものとする。FFT処理にあたっては、N個のデータが連続するディジタル信号x1(n)、x2(n)に対し、窓関数をかける。なお、窓関数w(n)としては、各種の窓関数を適用可能であるが、例えば、(4)式に示すようなハニング窓を適用する。窓処理は、後述する生成手段60における分析単位の接続処理を考慮してなされる処理である。なお、窓関数をかけることは好ましいが、必須の処理ではない。
Figure 0004986248
周波数分析部31、32から出力された周波数領域上の信号をそれぞれ、D1(m)、D2(m)とする。周波数領域上の信号(以下では、適宜、スペクトルと呼ぶ)D1(m)、D2(m)はそれぞれ複素数で表現されている。パラメータmは、周波数軸上の順番、すなわち、m番目の帯域を表している。
なお、周波数分析方法は、FFTに限定されず、DFT(離散フーリエ変換)などの他の周波数分析方法を適用するようにしても良い。また、第1の実施形態の音源分離装置10が搭載される装置によっては、他の目的の処理装置における周波数分析部を、この音源分離装置10の構成として流用するようにしても良い。例えば、当該音源分離装置10が搭載される装置がIP電話機の場合には、このような流用が可能である。IP電話機の場合、IPパケットのペイロードにはFFT出力を符号化したものを挿入するようになされており、そのFFT出力を、上述した分析手段30の出力として流用することができる。
分離手段40は、2つのマイクロフォン21及び22を結ぶ線に対して、その線と交差する垂直平面上に音源が位置している音、すなわち、目的音を抽出するものである。分離手段40は、3つの空間フィルタ41、42、43と、最小選択部44とを有する。
以下で説明する分離手段40の各部での処理は、スペクトルD(m)(D(m)はD1(m)又はD2(m))の性質D(m)=D*(N−m)(但し、1≦m≦N/2−1、D*(N−m)はD(N−m)の共役複素数を表す)から、0≦m≦N/2の範囲で行えば良い。
空間フィルタ41及び42は、妨害音に対して目的音を強調(優勢化)するためのものである。空間フィルタ41及び42はそれぞれ、異なる特定の指向性を持った空間フィルタである。空間フィルタ41は、例えば、2つのマイクロフォン21、22を結ぶ線に垂直な平面に対して右側90度を持った空間フィルタであり、上述した図4の抑圧角度θが時計回り90度の場合の空間フィルタである。一方、空間フィルタ42は、例えば、2つのマイクロフォン21、22を結ぶ線に垂直な平面に対して左側90度を持った空間フィルタであり、上述した図4の抑圧角度θが反時計回り90度の場合の空間フィルタである。空間フィルタ41の処理は、数式的には(5)式で表すことができ、空間フィルタ42の処理は、数式的には(6)式で表すことができる。(5)式及び(6)式において、fはサンプリング周波数(例えば1600Hz)である。(5)式及び(6)式はそれぞれ、空間フィルタ41、42への入力スペクトルD1(m)、D2(m)の線形結合式になっている。
Figure 0004986248
空間フィルタ41及び42における抑圧角度θは、上述した時計回り90度、反時計回り90度に限定されず、この角度から多少異なっていても良い。
空間フィルタ43は、妨害音に対して目的音を劣勢化するためのものである。空間フィルタ43は、上述した図4の抑圧角度θが0度の場合の空間フィルタに相当し、2つのマイクロフォン21、22を結ぶ線の延長方向に位置している音源からの妨害音を抽出することによって、目的音を劣勢化するものである。空間フィルタ43の処理は、数式的には(7)式で表すことができる。(7)式は、空間フィルタ43への入力スペクトルD1(m)、D2(m)の線形結合式になっている。
N(m)=D1(m)−D2(m) …(7)
最小選択部44は、空間フィルタ41から出力された目的音を強調したスペクトルE1(m)と、空間フィルタ42から出力された目的音を強調したスペクトルE2(m)とを統合した目的音強調スペクトルM(m)を形成するものである。最小選択部44は、各帯域毎に、(8)式に示すように、空間フィルタ41からの出力スペクトルE1(m)の絶対値と、空間フィルタ42からの出力スペクトルE2(m)の絶対値とのうち最小値を、当該最小選択部44からの出力スペクトルM(m)の要素とする処理を行うものである。
Figure 0004986248
位相生成手段70は、周波数分析部31からの出力スペクトルD1(m)と周波数分析部32からの出力スペクトルD2(m)とを利用して、目的音成分を多く含んでいる、目的音分離のために使用するスペクトル(以下、位相スペクトルと呼ぶ)F(m)を生成する。位相生成手段70は、(9)式に示すように、周波数分析部31からの出力スペクトルD1(m)と周波数分析部32からの出力スペクトルD2(m)とを加算して位相スペクトルF(m)を生成する。
F(m)=D1(m)+D2(m) …(9)
(9)式を演算する位相生成手段70は、目的音方向に指向性を持つ空間フィルタになっている。位相スペクトルF(m)の特性が目的音方向に指向性を持っているため、目的音の信号成分を多く含んでおり、その位相成分は、帯域毎の選択処理を行っていないため連続的であり、急峻な特性を持っていない。
因みに、目的音分離のために使う位相の情報は目的音成分を多く含んでいる必要があり、帯域選択した後の信号の位相成分を使うことも考えられる。しかしながら、帯域選択処理により、位相成分の不連続性が発生し、帯域選択した後の信号を利用した場合には、分離された目的音の音質に劣化を招いてしまう。そのため、(9)式を実行するような空間フィルタを適用することが適切である。
除去手段50は、最小選択部44の出力スペクトルM(m)と、空間フィルタ43の出力スペクトルN(m)と、位相生成手段70の出力スペクトルF(m)とから、妨害音を除去した出力、言い換えると、目的音だけを分離抽出した出力を得るものである。除去手段50は、(10)式に示す正規化処理を伴う2つのスペクトルM(m)、N(m)からの選択処理と、得られたスペクトルS(m)を適用する(11)式に示す分離スペクトルH(m)の算出処理とからなる。
Figure 0004986248
ここで、(10)式や(11)式の処理も、上述した複素数と共役複素数との関係を考慮して、0≦m≦N/2の範囲で実行する。そのため、除去手段50は、(11)式に従って得られた0≦m≦N/2の範囲の分離スペクトルH(m)から、複素数と共役複素数との関係H(m)=H*(N−m)(但し、N/2+1≦m≦N−1)を利用して、0≦m≦N−1の範囲の分離スペクトルH(m)を求める。
生成手段60は、周波数領域上の信号である分離スペクトル(妨害音除去スペクトル)H(m)を時間軸上の信号に変換すると共に、分析単位毎の信号を接続して連続的な信号に復帰させるものである。なお、必要に応じて、ディジタル/アナログ変換するようにしても良い。生成手段60は、分離スペクトルH(m)をN点逆FFT処理して音源分離信号h(n)を得た後、(12)式に示すように、現在の音源分離信号h(n)と、直前の分析単位についての音源分離信号h’(n)の後半の3N/4個のデータを加算して、最終的な分離信号y(n)を得るものである
y(n)=h(n)+h’(n+N/4) …(12)
ここで、相前後する分析単位でデータ(サンプル)を重複させるように、N/4個のデータをシフトしながら、上述した処理を行うのは、波形接続を円滑に行うためであり、この手法は良く用いられている。1つの分析単位に対し、分析手段30から当該生成手段60までの上述した一連の処理に許される時間は、NT/4となる。
なお、当該音源分離装置10の用途によっては、生成手段60を省略し、他の装置が有する生成部を流用したりすることができる。例えば、当該音源分離装置が音声認識装置に利用される場合であれば、分離スペクトルH(m)を認識用特徴量として用いるようにして生成手段60を省略することができる。また例えば、当該音源分離装置がIP電話機に利用される場合であれば、IP電話機が生成部を有するので、その生成部を流用するようにしても良い。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る音源分離装置10の動作(音源分離方法)を説明する。
各マイクロフォン21、22が捕捉することにより得られた受音信号はそれぞれ、ディジタル信号x1(n)、x2(n)に変換された後、分析単位に切り出されて分析手段30に与えられる。
分析手段30において、ディジタル信号x1(n)は周波数分析部31によって周波数分析されると共に、ディジタル信号x2(n)は周波数分析部32によって周波数分析され、得られたスペクトルD1(m)及びD2(m)は、空間フィルタ41、42、43及び位相生成手段70に与えられる。
空間フィルタ41においては、スペクトルD1(m)及びD2(m)を適用した(5)式に示す演算が実行され、2つのマイクロフォン21、22を結ぶ線に垂直な平面に対して右側90度方向の妨害音を抑圧して目的音を強調したスペクトルE1(m)が得られ、また、空間フィルタ42においては、スペクトルD1(m)及びD2(m)を適用した(6)式に示す演算が実行され、2つのマイクロフォン21、22を結ぶ線に垂直な平面に対して左側90度方向の妨害音を抑圧して目的音を強調したスペクトルE2(m)が得られる。最小選択部44においては、各帯域毎に、(8)式に示すように、空間フィルタ41からの出力スペクトルE1(m)の絶対値と、空間フィルタ42からの出力スペクトルE2(m)の絶対値とのうち最小値を選択する処理が実行され、統合後の目的音強調のスペクトルM(m)が得られ、このスペクトルM(m)が除去手段50に与えられる。
また、空間フィルタ43においては、スペクトルD1(m)及びD2(m)を適用した(7)式に示す演算が実行され、2つのマイクロフォン21、22を結ぶ線の延長方向に位置している音源からの妨害音を抽出され、妨害音に対して目的音を劣勢化したスペクトルN(m)が得られ、このスペクトルN(m)が除去手段50に与えられる。
位相生成手段70においては、スペクトルD1(m)及びD2(m)を適用した(9)式に示す演算が実行され、目的音成分を多く含んでいる、目的音分離のために使用する位相スペクトルF(m)が生成され、この位相スペクトルF(m)が除去手段50に与えられる。
除去手段50においては、(10)式に示す、位相スペクトルF(m)を適用した正規化処理を伴う2つのスペクトルM(m)、N(m)からの選択処理が実行された後、(11)式に示す分離スペクトルH(m)の算出処理が実行され、さらに、分離スペクトルH(m)におけるmの範囲の拡大処理が実行され、範囲拡大処理後の分離スペクトルH(m)が生成手段60に与えられる。
生成手段60においては、周波数領域上の信号である分離スペクトルH(m)が時間軸上の信号に変換された後、(12)式に示すような分析単位毎の信号の接続処理が実行され、最終的な分離信号y(n)が得られる。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、帯域選択を基本処理としているので目的音を容易に分離でき、しかも、複数の受音信号の合成によって目的音分離に適用する位相の情報を得るようにしているので、受音信号に妨害音成分が多い場合でも、安定した目的音に係る位相成分を目的音分離に使うことができ、その結果、分離後の目的音の音質を高めることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による音源分離装置、方法及びプログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第1の実施形態の音源分離装置は2つのマイクロフォンを用いたものであったが、第2の実施形態は、4つのマイクロフォンを用いたものである。
図2は、第2の実施形態に係る音源分離装置の全体構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
図2において、第2の実施形態に係る音源分離装置100は、2つの音源分離部80−A及び80−Bと、除去手段51と、生成手段60と、位相生成手段71とを有する。各音源分離部80−A、80−Bはそれぞれ、入力手段20−A、20−B、分析手段30−A、30−B、及び、分離手段40−A、40−Bを1つずつ備えている。
入力手段20−A、20−B、分析手段30−A、30−B、及び、分離手段40−A、40−Bはそれぞれ、第1の実施形態における入力手段20、分析手段30、分離手段40と同様なものである。
但し、当該音源分離装置100に設けられている4つのマイクロフォン21−A、21−B、22−A、22−Bのうち、マイクロフォン21−A及び22−Aが入力手段20−Aの構成要素となっており、マイクロフォン21−B及び22−Bが入力手段20−Bの構成要素となっている。例えば、マイクロフォン21−A及び22−Aを結ぶ線と、マイクロフォン21−B及び22−Bを結ぶ線とが直交していることは好ましい。
第2の実施形態の位相生成手段71には、分析手段30−Aから出力された2つの周波数分析スペクトルDA1(m)及びDA2(m)が与えられると共に、分析手段30−Bから出力された2つの周波数分析スペクトルDB1(m)及びDB2(m)が与えられる。位相生成手段71は、(13)式に示すように、入力された4つスペクトルDA1(m)、DA2(m)、DB1(m)及びDB2(m)を加算して位相スペクトルF(m)を生成する。
F(m)=DA1(m)+DA2(m)+DB1(m)+DB2(m) …(13)
第2の実施形態の位相スペクトルF(m)も、4つのマイクロフォンに係るスペクトルを単純に加算したものであるので目的音の信号成分を多く含んでおり、その位相成分は、帯域毎の選択処理を行っていないため連続的であり、急峻な特性を持っていない。
第2の実施形態の除去手段51には、分離手段40−Aの最小選択部44−A(図示は省略している)の出力スペクトルMA(m)と空間フィルタ43−A(図示は省略している)の出力スペクトルNA(m)と、分離手段40−Bの最小選択部44−B(図示は省略している)の出力スペクトルMB(m)と空間フィルタ43−B(図示は省略している)の出力スペクトルNB(m)と、位相生成手段71の出力スペクトルF(m)とが与えられる。
除去手段50は、これら5つのMA(m)、NA(m)、MB(m)、NB(m)、F(m)を用いた(14)式に示す正規化処理を伴う帯域選択処理を実行する。
Figure 0004986248
(14)式における1番目の条件の前半は、音源分離部80−Aの目的音優勢スペクトルのパワーの方が音源分離部80−Bの目的音優勢スペクトルのパワーより大きい場合を表しており、(14)式における2番目の条件の前半は、音源分離部80−Bの目的音優勢スペクトルのパワーの方が音源分離部80−Aの目的音優勢スペクトルのパワーより大きい場合を表しており、音源分離部80−A及び80−B間での帯域選択を行っていることを表している。
除去手段51が帯域選択結果のスペクトルS(m)と位相生成手段71の出力スペクトルF(m)とを適用して、分離スペクトルH(m)算出し、その後、分離スペクトルH(m)のmの範囲を拡大することは第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態によっても、帯域選択を基本処理としているので目的音を容易に分離でき、しかも、受音信号に妨害音成分が多い場合でも、安定した目的音に係る位相成分を目的音分離に使うことができ、その結果、分離後の目的音の音質を高めることができる。
(C)他の実施形態
第2の実施形態では、音源分離部80−Aの2個のマイクロフォン21−A及び22−Aと、音源分離部80−Bの2個のマイクロフォン21−B及び22−Bとの計4個のマイクロフォンを用いる場合を示したが、音源分離部80−Aと音源分離部80−Bとで1個のマイクロフォンを共通に使うことにより、3個のマイクロフォン構成としても良い。このようにした場合、マイクロフォン数も少なく、音源分離部80−A及び80−Bで共通の演算があるため(例えば、周波数分析演算)、最終的な演算量は少なくなり実用的である。この場合において、位相生成手段は、3つのマイクロフォンに対応する周波数分析スペクトルを単純に合算するようにしても良く、共通なマイクロフォンに対応する周波数分析スペクトルを、他の周波数分析スペクトルより重みを増して(例えば2倍)合算するようにしても良い。
また、3個のマイクロフォンを用いる場合においても上記と異なる構成を採用しても良い。例えば、正三角形の頂点位置に3個のマイクロフォンをそれぞれ配置し、第1及び第2のマイクロフォンを利用する音源分離部と、第2及び第3のマイクロフォンを利用する音源分離部と、第3及び第1のマイクロフォンを利用する音源分離部とを設けて処理するようにしても良い。
さらには、マイクロフォン数を5個以上に増やして、同様な音源分離処理を実行するようにしても良い。この場合、位相生成手段は、各マイクロフォンに対応する周波数分析スペクトルを合算するようにすれば良い。また、除去手段は、第2の実施形態と同様な最小値探索により音源処理部の選択を行うと共に、その選択された音源処理部における目的音優勢スペクトルと目的音劣勢スペクトルとから帯域選択スペクトルS(m)を得るようにすれば良い。
第1及び第2の実施形態においては、周波数領域上の信号(スペクトル)で多くの処理を行っているが、その処理のいくつかを、時間軸上の信号で実行するようにしても良い。
本発明の音源分離装置、方法及びプログラムは、例えば、遠隔発話を行う複数の話者による混合音声から任意の話者の音声を分離する場合、あるいは遠隔発話を行う話者の音声とその他の音との混合音から話者の音声を分離する場合等に利用でき、より具体的には、例えば、ロボットとの対話、カーナビゲーションシステム等の車載機器についての音声による操作、会議の議事録作成等に用いるのに適している。
10、100…音源分離装置、
20、20−A、20−B…入力手段、
21、21−A、21−B、22、22−A、22−B…マイクロフォン、
30、30−A、30−B…分析手段、
31、32…周波数分析部、
40、40−A、40−B…分離手段、
41〜43…空間フィルタ、
44…最小選択部、
50、51…除去手段、
60…生成手段、
70、71…位相生成手段、
80−A、80−B…音源分離部。

Claims (3)

  1. 目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離する音源分離装置において、
    間隔を置いて配置された複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、2個のマイクロフォンによる第1及び第2の受音信号を用いて時間軸上あるいは周波数領域上で、上記第1の受音信号に係る値から、上記第2の受音信号を第1の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第1の目的音優勢のスペクトルを生成する第1目的音優勢スペクトル生成手段と、
    間軸上あるいは周波数領域上で、上記第2の受音信号に係る値から、上記第1の受音信号を第2の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第2の目的音優勢のスペクトルを生成する第2目的音優勢スペクトル生成手段と、
    上記第1及び第2の受音信号を用いて、時間軸上あるいは周波数領域上で目的音抑圧用の線形結合処理を行うことにより、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトルと組になる少なくとも1つの目的音抑圧スペクトルを生成する目的音抑圧スペクトル生成手段と、
    間隔を置いて配置された上記複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、複数個のマイクロフォンの受音信号を用いて、周波数領域上で合算することにより位相信号を生成する位相生成手段と、
    上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトル、上記目的音抑圧スペクトル及び、上記位相信号を用いて、目的音と妨害音とを分離する目的音分離手段と
    を有することを特徴とする音源分離装置。
  2. 目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離する音源分離方法において、
    第1目的音優勢スペクトル生成手段、第2目的音優勢スペクトル生成手段、目的音抑圧スペクトル生成手段、位相生成手段及び目的音分離手段を備え、
    上記第1目的音優勢スペクトル生成手段は、間隔を置いて配置された複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、2個のマイクロフォンによる第1及び第2の受音信号を用いて時間軸上あるいは周波数領域上で、上記第1の受音信号に係る値から、上記第2の受音信号を第1の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第1の目的音優勢のスペクトルを生成し、
    上記第2目的音優勢スペクトル生成手段は、間軸上あるいは周波数領域上で、上記第2の受音信号に係る値から、上記第1の受音信号を第2の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第2の目的音優勢のスペクトルを生成し、
    上記目的音抑圧スペクトル生成手段は、上記第1及び第2の受音信号を用いて、時間軸上あるいは周波数領域上で目的音抑圧用の線形結合処理を行うことにより、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトルと組になる少なくとも1つの目的音抑圧スペクトルを生成し、
    上記位相生成手段は、間隔を置いて配置された上記複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、複数個のマイクロフォンの受音信号を用いて、周波数領域上で合算することにより位相信号を生成し、
    上記目的音分離手段は、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトル、上記目的音抑圧スペクトル及び、上記位相信号を用いて、目的音と妨害音とを分離する
    ことを特徴とする音源分離方法。
  3. 目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離するための音源分離プログラムであって、
    コンピュータを、
    間隔を置いて配置された複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、2個のマイクロフォンによる第1及び第2の受音信号を用いて時間軸上あるいは周波数領域上で、上記第1の受音信号に係る値から、上記第2の受音信号を第1の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第1の目的音優勢のスペクトルを生成する第1目的音優勢スペクトル生成手段と、
    間軸上あるいは周波数領域上で、上記第2の受音信号に係る値から、上記第1の受音信号を第2の所定時間だけ遅延させた遅延信号に係る値を減算することにより、少なくとも1つの第2の目的音優勢のスペクトルを生成する第2目的音優勢スペクトル生成手段と、
    上記第1及び第2の受音信号を用いて、時間軸上あるいは周波数領域上で目的音抑圧用の線形結合処理を行うことにより、上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトルと組になる少なくとも1つの目的音抑圧スペクトルを生成する目的音抑圧スペクトル生成手段と、
    間隔を置いて配置された上記複数個のマイクロフォンの受音信号のうち、複数個のマイクロフォンの受音信号を用いて、周波数領域上で合算することにより位相信号を生成する位相生成手段と、
    上記第1目的音優勢スペクトル、上記第2目的音優勢スペクトル、上記目的音抑圧スペクトル及び、上記位相信号を用いて、目的音と妨害音とを分離する目的音分離手段と
    して機能させることを特徴とする音源分離プログラム。
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