JP4981433B2 - 検査装置、検査方法、検査プログラムおよび検査システム - Google Patents

検査装置、検査方法、検査プログラムおよび検査システム Download PDF

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Description

本発明は、X線を用いて被測定物の検査を行う検査装置に関するものである。
従来、被測定物をX線撮影し、この撮影画像から被測定物に生じた亀裂やその深さを検出する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、ワーク開裂溝の残肉厚さを検査する装置が開示されている。上記特許文献1に開示されている装置では、被測定物であるワークをX線撮影し、このX線撮影画像から溝部の濃淡を求め、この濃淡の情報に基づいて溝の深さを判定している。
特開2005−114628号公報
ところで、発電プラントなどに用いられるボイラチューブにおいては、ボイラ管の外面に発生には溝状腐食と呼ばれる亀裂、ボイラ管の溶接部の溶接ビードの裏側(ボイラ管の内面)に亀裂等の欠陥が発生することが多い。
このうち、溶接ビードの裏側に発生する亀裂に対しては、溶接ビードの厚さは一様ではないため、上述したような従来のX線撮影画像の濃淡情報に基づく検査方法では、正常な箇所の濃淡情報を特定することができず、欠陥を検出することができないという問題があった。
更に、溶接ビードの裏側に発生する亀裂は、発生する方向に規則性がないため、このことが欠陥を検出することを更に困難にしていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、溶接ビードに発生している亀裂等の欠陥を検出することのできる検査装置、検査方法、検査プログラム、および検査システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物を検査する検査装置であって、前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定手段と、前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定手段と、前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出手段と、溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報と、溶接ビードの厚さ毎に、亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報とを記憶する記憶手段と、前記第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定手段によって特定された前記溶接ビードの厚さを特定し、特定した前記溶接ビードの厚さに対応する前記第2の情報を用いて、前記亀裂検出手段により検出された亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定手段とを具備する検査装置を提供する。
このような構成によれば、溶接部位特定手段により溶接金物と溶接ビードとを含む溶接部位が特定され、溶接ビード特定手段により、該溶接部位内における溶接ビードが特定され、更に、亀裂検出手段により溶接ビード内に発生した亀裂が検出され、各亀裂の深さが亀裂深さ特定手段により特定される。
この場合において、亀裂深さ特定手段は、亀裂深さと輝度の関係が対応付けられている第1の情報を用いて、亀裂が生じている溶接ビードの厚さをその輝度から特定し、更に、特定した溶接ビードにおける亀裂深さと輝度とが予め対応付けられた第2の情報を用いて、亀裂部分の輝度からその深さを特定するので、溶接ビードの厚さが個々に異なっていても、その溶接ビードの厚さを考慮して亀裂の深さを求めることが可能となる。これにより、亀裂深さの検出精度を向上させることができる。
上記検査装置において、前記溶接部位特定手段は、前記X線撮影画像に複数の第1の領域を設定し、隣接する前記第1の領域の相関をとり、この相関に基づいて前記溶接部位を特定することとしてもよい。
溶接金物を含む溶接部位は、他の部分に比べて画素値(例えば、輝度等)の特徴が異なるため、相関値を比較することで、容易に溶接部位を特定することが可能となる。
上記検査装置において、前記溶接部位特定手段は、前記X線撮影画像に複数の第1の領域を設定し、各前記第1の領域輝度に関する情報を取得し、この情報に基づいて前記溶接部位を特定することとしてもよい。
溶接金物は、他の部分に比べて輝度が高いので、溶接部位を含む領域の輝度は、他の領域に比べて高くなる。従って、各領域における輝度に関する情報を比較することにより、溶接部位を容易に特定することができる。
上記検査装置において、前記第1の領域は、例えば、前記溶接金物を包含する大きさに設定されている。
溶接金物は、被測定物に対してさまざまな方向に溶接される。従って、あらゆる方向に溶接された溶接金物を全て包含する大きさに上記領域を設定することにより、溶接金物を含む溶接部位を効率的に検出することができる。
上記検査装置において、前記溶接部位特定手段は、前記X線撮影画像において特定した前記溶接部位に対して複数の第2の領域を設定し、隣接する前記第2の領域の相関値をとり、該相関値と各前記第2の領域の輝度に基づいて溶接方向を特定することとしてもよい。
このように、相関値及び輝度を用いて溶接部位を特定することで、溶接部位の検出精度を向上させることができる。
上記検査装置において、前記亀裂検出手段は、前記溶接ビード特定手段により特定された溶接ビードの領域を微分し、この微分結果に基づいて勾配方向ヒストグラムを作成し、この勾配方向ヒストグラムに基づいて亀裂を検出することとしてもよい。
このような構成によれば、溶接ビード内を微分処理することにより、亀裂の候補となるエッジ成分を検出する。このエッジ成分には、ノイズによるものと亀裂によるものがあるため、検出されたエッジ成分からノイズ成分を除外する必要がある。ここで、本発明では、同一の溶接ビードに発生する亀裂の方向は一様であるという点に着目し、この観点から亀裂とノイズとを判別することとしている。このことから、エッジ成分の強度と方向とに基づいて勾配方向ヒストグラムを作成し、この勾配方向ヒストグラムにおいて最も値の高い方向を亀裂の発生方向として特定し、この方向に属するエッジ成分を亀裂とすることで、亀裂のみを効率的に抽出することができる。
上記検査装置において、前記亀裂検出手段は、前記溶接ビード特定手段により特定された溶接ビードの領域を微分し、この微分結果に基づいて勾配方向ヒストグラムを作成し、この勾配方向ヒストグラムに基づいて亀裂の候補を検出し、検出した前記亀裂の候補およびその近傍領域の輝度に基づいて亀裂を検出することとしてもよい。
このような構成によれば、勾配方向ヒストグラムに基づいて亀裂の候補となるエッジ成分を抽出し、更に、このエッジ成分の近傍における輝度に基づいて亀裂を検出するので、亀裂の検出精度を向上させることができる。
上記検査装置において、前記亀裂検出手段は、検出した前記亀裂の端点から輪郭追跡を行い、輪郭追跡により検出された箇所についても亀裂として検出することとしてもよい。
亀裂が曲がっている場合、同一方向のエッジ成分のみを抽出する方法では、亀裂として検出されない部分が発生してしまう。そこで、亀裂として検出したエッジ成分の端点から輪郭追尾を行うことで、亀裂が曲がって発生していた場合には、曲がった部分についても検出することが可能となる。
上記検査装置において、前記亀裂検出手段は、前記勾配方向ヒストグラムに基づいて前記亀裂の方向を特定し、この方向に応じて前記X線撮影画像を回転補正することとしてもよい。
このように、亀裂の発生方向に応じてX線撮影画像を回転補正することで、全ての亀裂方向を一致させることが可能となる。これにより、後段の画像処理などを一様に行うことができるので、処理負担の低減を図ることができる。
上記検査装置は、ボイラチューブの欠陥検出検査等に利用されて好適なものである。
本発明は、溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物に対してX線を照射するX線照射手段と、前記被測定物を介して前記X線照射装置と反対側に配置され、前記被測定物のX線情報を蓄積する放射線測定手段と、前記放射線測定手段に蓄積されたX線情報を読み出し、画像データを形成する読取処理手段と、読取処理手段により処理された前記被測定物のX線撮影画像から欠陥を検出する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定手段と、前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定手段と、前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出手段と、溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報と、溶接ビードの厚さ毎に、亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報とを記憶する記憶手段と、前記第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定手段によって特定された前記溶接ビードの厚さを特定し、特定した前記溶接ビードの厚さに対応する前記第2の情報を用いて、前記亀裂検出手段により検出された亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定手段とを具備する検査システムを提供する。
上記検査システムにおいて、前記被測定物をX線撮影する際に、前記被測定物において亀裂が生じている可能性の高い領域と低い領域に分け、それぞれの領域に対する撮影条件を異ならせて撮影を行うこととしてもよい。
このように、亀裂が生じている可能性の高い領域については、亀裂を検出するのに適した撮影条件で撮影を行うことにより、亀裂を検出しやすいX線撮影画像を取得することが可能となる。これにより、亀裂の検出精度および亀裂深さの検出精度等を向上させることが可能となる。
上記検査システムにおいて、前記X線照射手段には熱を検知する熱検知手段が設けられているとともに、前記放射線測定手段には複数の発熱体が設けられていることとしてもよい。
このような構成によれば、放射線測定手段に設けられている発熱体からの熱を熱検知手段により検知することにより、X線照射手段と放射線測定手段との位置合わせを容易に行うことができる。
上記検査システムにおいて、前記X線照射手段には音を検知する音検知手段が設けられているとともに、前記放射線測定手段には音源が設けられていることとしてもよい。
このような構成によれば、放射線測定手段に設けられている音源から発せられた音を音検知手段により検知することにより、X線照射手段と放射線測定手段との位置合わせを容易に行うことができる。
本発明は、溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物を検査する検査方法であって、前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定過程と、前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定過程と、前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出過程と、溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定過程において特定した前記溶接ビードの厚さを特定する溶接ビード厚さ特定過程と、前記溶接ビード厚さ特定過程において特定した前記溶接ビードの厚さにおける亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報を用いて、前記亀裂検出過程において検出した前記亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定過程とを具備する検査方法を提供する。
本発明は、溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物のX線撮影画像から前記溶接部位を特定する溶接部位特定方法であって、前記被測定物のX線撮影画像に複数の領域を設定し、隣接する前記領域の相関値を算出し、この相関値に基づいて前記溶接部位を特定する溶接部位特定方法を提供する。
上記溶接部位特定方法において、複数の前記領域における輝度に関する情報を取得し、この輝度および前記相関値に基づいて前記溶接部位を特定することとしてもよい。
上記溶接部位特定方法において、前記領域は、例えば、前記溶接金物を包含する大きさに設定されている。
本発明は、溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物を検査するための検査プログラムであって、前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定処理と、前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定処理と、前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出処理と、溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定処理において特定した前記溶接ビードの厚さを特定する溶接ビード厚さ特定処理と、前記溶接ビード厚さ特定処理において特定した前記溶接ビードの厚さにおける亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報を用いて、前記亀裂検出処理において検出した前記亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定処理とをコンピュータに実行させるための検査プログラムを提供する。
本発明によれば、溶接ビードに発生している亀裂等の欠陥を検出することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る検査システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、被測定物として、溶接金物が溶接されている溶接部位を有するボイラチューブを例に挙げ、主に、このボイラチューブの溶接ビードに生じた亀裂や腐食の位置ならびにその深さを計測する場合について説明する。なお、検査対象となるボイラチューブには、管内部にリブと呼ばれる熱効率を上げるための溝が形成されているライフル管、リブのないベア管等があるが、本発明は、これらの双方に適用することが可能である。
図1は、本実施形態に係る検査システムの概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る検査システムは、X線撮影を用いて被測定物の検査を行うものである。近年、X線撮影写真に代わる新しいデジタルX線画像システムとして、イメージングプレート(Imaging Plate)の開発が進められている。このイメージングプレートとは、従来の写真フィルムに代わるX線情報記録媒体であり、写真フィルムに比べて、放射線に対する感度が高く、また、撮像した情報を消去することが可能であるため、繰り返し使用することができるという利点を有する。また、デジタル信号としてX線情報を取り出すことができるので、コンピュータによる処理がしやすいなどの利点がある。本実施形態では、このイメージングプレートを用いてX線撮影画像を作成し、このX線撮影画像を用いて、主に画像処理によって被測定物の検査を行うものである。
図1に示すように、本実施形態に係る検査システムは、被測定物であるボイラチューブ1に対してX線を照射するX線照射装置(X線照射手段)2と、ボイラチューブ1を介してX線照射装置2と反対側に配置され、ボイラチューブ1のX線情報を蓄積するイメージングプレート(放射線測定手段)3と、イメージングプレート3に蓄積されたX線情報を読み出し、画像データを形成するCR(Computed Radiography)システム4と、CRシステム4によって作成されたボイラチューブ1のX線撮影画像を用いてボイラチューブ1の腐食・亀裂検査を行う検査装置5と、検査装置5による検査結果を表示する表示装置6とを備えている。
上記CRシステム4は、イメージングプレート3に蓄積されたX線情報を画像として取り出すイメージングシステムであり、近年開発が進められている公知のシステムである。具体的には、CRシステム4は、X線画像情報をイメージングプレート3が受けたX線量に比例する発光として読み取り、量子化し、ヒストグラム(頻度曲線)を生成することにより、ボイラチューブ1のX線撮影画像を作成する。
検査装置5は、本発明の主たる特徴部分であり、図2に示すように、ボイラチューブ1のX線撮影画像から溶接部位を特定する溶接部位特定部(溶接部位特定手段)11と、溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定部(溶接ビード特定手段)12と、溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出部(亀裂検出手段)13と、溶接ビードの厚さと輝度とが対応付けられている第1のテーブル(第1の情報)と、溶接ビードの厚さ毎に、亀裂深さと輝度とが対応付けられている第2のテーブル(第2の情報)とを記憶する記憶部(記憶手段)14と、第1のテーブルを用いて溶接ビードの厚さを特定し、更に、特定した溶接ビードの厚さに対応する第2のテーブルを用いて、亀裂検出部13により検出された亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定部15とを備えている。
上記検査装置5は、例えば、CPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータシステムを内蔵している。上述の各部の機能を実現するための一連の処理手順は、プログラムの形式でROM等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上記溶接部位特定部11、溶接ビード特定部12、亀裂検出部13、亀裂深さ特定部15などの機能が実現される。
上記溶接部位特定部11は、図3に示すように、ボイラチューブ1のX線撮影画像Pに、複数の矩形領域Si(i=1〜n)を設定し、隣接する矩形領域Siの相関値をとる。このとき、ボイラチューブ1の長手方向に沿う矩形領域Siの長さL1は、溶接金物Jの長手方向の長さL2よりも大きく設定されている。なお、溶接金物Jの大きさについては、既知のものとする。また、上記「溶接部位」とは、溶接金物Jと溶接ビード(図示略)とを含む領域をいう。また、相関値は、例えば、正規化相互相関や絶対値差分等を用いて算出することが可能である。
続いて、溶接部位特定部11は、図3に示すように、隣接する矩形領域間の相関値を比較し、隣接する矩形領域の相関値よりも所定値以上小さい相関値を示している矩形領域Siを溶接部位として特定する。例えば、図3の場合には、矩形領域Smを溶接部位として特定する。
ここで、例えば、X線撮影画像Pにおいて、溶接金物Jが含まれていない矩形領域同士では隣接する領域間の相関値が高く、溶接金物Jを含む矩形領域と含まない矩形領域とでは、相関値が低くなる。従って、相関値を参照することで、溶接金物Jを含む溶接部位を容易に特定することが可能となる。
なお、溶接部位特定部11は、上記相関に加えて、或いは、代えて、各矩形領域Siにおける平均輝度を求め、この平均輝度が隣接する領域の平均輝度よりも所定値以上高い矩形領域Siを溶接部位として特定することとしてもよい。
例えば、溶接金物Jは、X線撮影画像Pにおいて輝度が高くなるので、溶接金物Jを含む矩形領域Siの平均輝度は、溶接金物Jを含まない矩形領域Siの平均輝度よりも高くなる傾向にある。従って、平均輝度を参照することで溶接金物Jを含む溶接部位を容易に特定することができる。
続いて、溶接部位特定部11は、溶接部位として特定した矩形領域Smにおける接合金物Jの接合方向を検出する。
具体的には、溶接部位特定部11は、図4に示すように、上記溶接部位として特定した矩形領域Smに対して、縦方向の長さL1を接合金物Jの短辺の長さL3以上、好ましくは、L3よりも多少長く設定した複数の矩形領域Si´(i=1〜n)を設定し、隣接する矩形領域Siの相関値をとる。
続いて、溶接部位特定部11は、相関値が隣接する矩形領域に比べて所定値以上低い矩形領域を特定し、更に、この特定した矩形領域の平均輝度と隣接する矩形領域の平均輝度との差分を算出する。この結果、差分が予め設定されている基準値以上であれば、溶接部位特定部11は、溶接金物Jの溶接方向は横方向であると判定し、差分が基準値未満であれば、溶接金物Jの溶接方向は、縦方向または斜め方向であると判定する。
例えば、溶接方向が横方向だった場合、図4に示すように、相関値が周囲に比べて低い値を示す矩形領域内には、溶接金物Jのほとんどの部位が含まれるため、この矩形領域内の平均輝度は、隣接する矩形領域の平均輝度に比べてかなり高い値を示すこととなる。一方、溶接方向が縦方向または斜め方向である場合、図5に示すように、相関値が周囲よりも低い値を示す矩形領域だけでなく、それに隣接する矩形領域にも、溶接金物Jの一部の部位が含まれるので、図4に示した接合方向が横方向の場合に比べて、その輝度の差分は小さいものとなる。従って、隣接する矩形領域の平均輝度を比較することにより、接合方向が横方向か否かを容易に判別することができる。
上記判定結果において、溶接方向が横方向でなかった場合、溶接部位特定部11は、溶接方向が縦方向か斜め方向かを特定する。具体的には、溶接部位特定部11は、図6に示すように、溶接部位として特定した矩形領域Smに対して、複数の縦長の矩形領域Si´´を設定し、各矩形領域Si´´における相関値を求める。ここで、この矩形領域Si´´の縦の長さL1は、溶接金物Jの長手方向の長さL2よりも多少長く設定されている。また、矩形領域Si´´の横方向の長さW1は、溶接金物Jの幅方向の長さW2よりも多少長く設定されている。
続いて、溶接部位特定部11は、相関値が他の領域に比べて所定値以上低い矩形領域を特定し、更に、周囲の相関値に比べて所定値以上低い相関値を示している領域幅Dが接合金物Jの幅方向の長さW2よりも大きければ、溶接金物Jの溶接方向は縦方向であると判定し、一方、図7に示すように、周囲の相関値に比べて所定値以上低い相関値を示している領域幅Dが接合金物Jの幅方向の長さW2よりも小さければ溶接金物Jの溶接方向は斜め方向であると判定する。このように、溶接方向を特定することで、後述する溶接金物のエッジを容易に抽出することが可能となる。
なお、上述のように、相関値に基づいて接合方向を検出する方法の他、以下に示すように、溶接部位として特定した矩形領域Siの射影パターンに応じて、溶接方向を判別することとしてもよい。例えば、図8に示すように、溶接方向が縦の場合には、横方向における射影値は幅が狭く、縦方向における射影値は幅が広い。また、図9に示すように、溶接方向が横の場合には、横方向における射影値は幅が広く、縦方向における射影値は幅が狭い。更に、図10に示すように、溶接方向が斜めの場合には、横方向における射影値は幅が広く、縦方向における射影値も幅が広い。
接合部位特定部11は、上述したような各接合方向における射影パターンの特徴を予め保有していることで、これらの射影パターンの特徴に基づいて、接合金物Jの溶接方向を特定することができる。なお、上記射影パターンによる溶接方向の特定ができなかった場合には、上述したように相関値を用いることにより、溶接方向の特定を行う。
上述のように、溶接部位特定部11により溶接部位が特定されると、続いて、溶接ビード特定部12が溶接部位内における溶接ビードを特定する。
溶接ビードと溶接金物Jとの相対的な位置関係は既知である。従って、溶接金物Jが特定できれば、上記溶接金物Jと溶接ビードとの相対的な位置関係により溶接ビードを特定することが可能となる。例えば、溶接ビードは、溶接金物Jの長手方向の輪郭に沿って形成される。
以下、溶接ビード特定部12により行われる溶接ビード特定方法の処理手順について説明する。
まず、溶接ビード特定部12は、溶接部位特定部11により特定された溶接部位内において、微分処理、ハフ変換等の画像処理を行うことにより、溶接金物Jの輪郭(エッジ)を検出する。なお、エッジ検出については、公知の手法を用いることが可能である。溶接金物Jは、他の部分に比べて輝度が高いため、微分フィルタ等を用いて輝度が変化する箇所を抽出し、ハフ変換を行い、上述の溶接方向(角度)のエッジのみを抽出することにより、溶接金物Jの輪郭を容易に抽出することができる。
次に、溶接ビード特定部12は、予め保有している溶接金物と溶接ビードとの相対位置関係に基づいて、溶接金物Jの近傍に溶接ビード領域を設定することで、溶接ビードを特定する。例えば、溶接ビード特定部12は、図11に示すように、溶接金物Jの長手方向に沿って所定の大きさの溶接ビードJxを設定する。
このようにして、溶接ビードJxが特定されると、亀裂検出部13は、この溶接ビードJx内における亀裂を検出する。
まず、亀裂検出部13は、溶接ビードJx内において、微分処理を行うことでエッジを検出し、検出した各エッジの方向と強度を計算する。更に、亀裂検出部13は、エッジの方向をいくつかの方向に量子化する。例えば、0°、45°、90°、135°の4方向に量子化する。この結果、例えば、図12に示されるような溶接ビードJx内のX線撮影画像に含まれる亀裂やノイズは、図13に示すように、エッジの方向が量子化された線として示されることとなる。
次に、亀裂検出部13は、量子化された勾配の方向と強度とに基づいて、勾配方向ヒストグラムを作成する。具体的には、亀裂検出部13は、図13に示した各画素におけるエッジの強度を量子化した方向毎に積算することにより、図14に示すような勾配方向ヒストグラムを作成する。続いて、亀裂検出部13は、図14に示したような勾配方向ヒストグラムにおいて、ヒストグラムの値が最も大きい方向を亀裂の方向であるとみなし、それ以外の方向のエッジ成分については、ノイズであると判断する。
例えば、図14に示すように、45°におけるヒストグラムが最も大きい値を示していた場合、45°を示しているエッジ成分については、亀裂であると判定し、それ以外の方向、つまり、0°、90°、135°のエッジ成分については、ノイズ成分であると判断する。
ここで、溶接ビードJxにおける亀裂の発生方向は、各溶接ビードJxによって異なるが、同じ溶接ビードJxにおける亀裂の発生方向は一様となる傾向がある。従って、上述のように、各溶接ビードJx内におけるエッジ成分の方向と強度との関係に着目することで、各溶接ビードJx内におけるノイズと亀裂とを判別することができる。
亀裂検出部13は、亀裂を検出すると、この亀裂の方向を予め設定されている基準方向、例えば、0°に一致させるように、当該X線撮影画像Pを回転補正する。
これにより、各溶接ビードJxに発生している亀裂の方向をX線撮影画像P間で統一させることができ、後続の画像処理等の効率を向上させることができる。
なお、リブを有するボイラ管の場合には、予めリブを検出しておき、リブの存在しない領域のみで上述の各処理を実行すればよい。
また、上記亀裂検出部13は、図15に示すように、上述の手順によって亀裂を検出した後に、更に、検出した亀裂の端点から輪郭追跡を行い、輪郭追跡により検出されたエッジ成分についても亀裂として検出することとしてもよい。このように、輪郭追跡したエッジ成分についても亀裂として検出することにより、途中で曲がっている亀裂についても抽出することが可能となる。これにより、亀裂の検出精度を向上させることができる。
また、上記亀裂検出部は、エッジ成分を量子化する前の処理として、図16に示すように、微分処理によって得られたエッジ成分の輝度とその近傍の画素の輝度とを比較することにより、ノイズか亀裂かを一次的に判別することとしてもよい。
例えば、亀裂であれば、周囲に比べて輝度が低くなる傾向にあるが、ノイズの場合には周囲に比べて輝度が高くなるという傾向にある。従って、周囲に比べて輝度が高いエッジ成分については、ノイズ成分であるとして除外し、残ったエッジ成分についてのみ、上述した勾配方向ヒストグラム等を作成することにより、亀裂とノイズとを判別することとしてもよい。
このようにして、亀裂検出部13によって亀裂が検出されると、続いて、亀裂深さ特定部15が亀裂の深さを検出する。以下、亀裂深さの特定方法について詳しく説明する。
まず、記憶部14には、溶接ビードの厚さと輝度とが対応付けられている第1のテーブルと、溶接ビードの厚さ毎に、亀裂深さと輝度とが対応付けられている第2のテーブルとが格納されている。
上記第1のテーブル、第2のテーブルは、例えば、以下のようにして作成されたテーブルである。
まず、被測定物であるボイラチューブ1の実際の検査の前段階として、ボイラチューブ1と同一材料で作成された複数の試験用ボイラチューブを用意し、各試験用ボイラチューブに、それぞれ異なる厚さの既知の溶接ビードを形成する。そして、これらの試験用ボイラチューブの各々に対して実検査と略同一の条件化でX線を照射することにより、X線撮影画像を取得する。続いて、各X線撮影画像における溶接ビードの輝度を検出し、この輝度と溶接ビードの厚さとを対応付けるテーブルを作成し、このテーブルを第1のテーブルとして記憶部14に格納する。
続いて、上記異なる厚さの既知の溶接ビード内に、更に、異なる深さの亀裂を人為的に形成し、この試験用ボイラチューブに対して実検査と略同一の条件化でX線照射することで、X線撮影画像を取得する。そして、このX線撮影画像の溶接ビード内における各亀裂の輝度を検出し、各亀裂の輝度と亀裂深さとを対応付けるテーブルを作成し、このテーブルを第2のテーブルとして記憶部14に格納する。このとき、第2のテーブルは、各溶接ビードの厚さに対応してそれぞれ作成されることとなる。
図17に、第1のテーブルの一例を、図18に第2のテーブルの一例を示す。図17において、横軸は溶接ビードの厚さ、縦軸は輝度を示している。また、図18において、横軸は亀裂深さ、縦軸は輝度を示している。
亀裂深さ特定部15は、このような第1のテーブルおよび第2のテーブルを用いることにより、溶接ビードJx内に発生した亀裂の深さを特定する。具体的には、亀裂深さ特定部15は、亀裂が検出された溶接ビード内のX線撮影画像Pを亀裂検出部13から受け付けると、まず、第1のテーブルを用いて溶接ビードJxの厚さを特定し、更に、特定した溶接ビードの厚さに対応する第2のテーブルを用いて、溶接ビード内に発生した亀裂の深さを検出する。
これにより、溶接ビードの厚さが異なっていても、亀裂の深さを求めることが可能となるので、計測精度を更に向上させることが可能となる。
なお、上記第1のテーブル及び第2のテーブルに代えて、これらのテーブルの関数式を保有しており、関数式に基づいて、溶接ビードの厚さ、及び、亀裂の深さを演算により求めることとしてもよい。
なお、図19に示すように、溶接ビードJxの厚さQが緩やかに変化していた場合には、亀裂が発生している箇所Axの近傍領域A1,A2の輝度を検出し、この輝度を補間することで亀裂が発生している箇所Axの輝度を求め、この輝度に対応する溶接ビードの厚さを第1のテーブルから求めることとしてもよい。このように、溶接ビードの厚さが緩やかに変化している場合には、その周辺の輝度から亀裂が発生している部分の輝度に基づいて、厚さを特定することが可能となる。
次に、上述した本実施形態に係る検査システムにおける作用を説明する。
まず、被測定物であるボイラチューブ1の近傍にX線照射装置2を配置し、ボイラチューブ1を介してX線照射装置2と反対側にイメージングプレート3を配置した状態で、X線照射装置2からX線がボイラチューブ1に照射されることにより、ボイラチューブ1のX線情報がイメージングプレート3に蓄積される。
イメージングプレート3に蓄積されたX線情報は、CR装置4によって読み出され、画像データが作成されて、検査装置5に転送される。検査装置5に転送されたボイラチューブ1のX線撮影画像は、検査装置5内の溶接部位特定部11に入力される。溶接部位特定部11では、X線撮影画像において溶接ビード及び溶接金物Jを含む溶接部位が特定され、この溶接部位の情報が溶接ビード特定部12に転送される。溶接ビード特定部12では、溶接部位内における溶接金物Jが抽出され、その溶接金物Jの長手方向に沿って、溶接ビードJxの領域が設定される。溶接ビードJxが特定されたX線撮影画像Pは、亀裂検出部13に転送される。
亀裂検出部13では、溶接ビード内におけるエッジ成分が抽出され、このエッジ成分の強度及び方向に基づいて勾配方向ヒストグラムが作成される。続いて、この勾配方向ヒストグラムに基づいて、ノイズと亀裂とを判別し、亀裂として検出したエッジ成分を所定量回転補正した後に、このX線撮影画像Pを亀裂深さ特定部15に出力する。
亀裂深さ特定部15では、亀裂発生箇所の近傍の輝度と第1のテーブルとに基づいて溶接ビードJxの厚さが特定され、更に、この溶接ビードJxの厚さに対応する第2のテーブルから亀裂の輝度に対応する亀裂の深さが特定される。
亀裂深さ決定部15によって求められた亀裂深さは、その亀裂部位の位置情報とともに表示制御部(図示略)に転送され、表示制御部によって表示用の画像データが作成されて表示装置6に表示される。
これにより、オペレータは、表示装置6の表示画面を確認することにより、ボイラチューブの溶接ビード内における亀裂の発生箇所やその亀裂の深さを容易に把握することが可能となる。このようにして、ボイラチューブ1の寿命などを把握するのに有効な情報をオペレータに提供することが可能となる。
以上述べてきたように、本実施形態に係る検査システムによれば、亀裂が発生している溶接ビードJxの輝度から溶接ビードの厚さを特定し、特定した溶接ビードの厚さにおける輝度と亀裂深さとが対応付けられている第2のテーブルを用いて、亀裂の深さを特定するので、溶接ビードJxの厚さにかかわらず、亀裂深さを検出することが可能となる。
なお、上記実施形態に係る検査システムにおいては、以下のような手順によりX線撮影画像を取得することとしてもよい。
まず、図20に示すように、被測定物であるボイラチューブの検査領域C全体にわたり、撮影領域Fを左右上下に走査させながら複数のX線撮影画像を取得する。このときの撮影条件は、浅い亀裂から深い亀裂まで全ての深さの亀裂を抽出できるような撮影条件とされている。撮影条件としては、例えば、X線源の管電圧等が挙げられる。
続いて、各X線撮影画像を確認することにより、ボイラチューブの検査領域Cから亀裂が生じている可能性がある領域S1を抽出する。これにより、亀裂発生の可能性が全く無いところを対象から除外する。
続いて、亀裂を検出するのに適した撮影条件で上記領域S1を撮影することによりX線撮影画像を再度取得し、このX線撮影画像を用いて、上述した各検査処理を行う。これにより、亀裂の検出精度および亀裂深さの検出精度の向上を図ることができる。
例えば、ボイラチューブの検査領域C全体を撮影する場合には、X線源の管電圧を高電圧に設定する。これにより、管の厚さが厚い場合でも亀裂の検出を可能とする。
また、亀裂発生の可能性がある領域についてX線画像を再度取得する場合には、その領域の管の厚さに応じてX線源の管電圧を変化させる。例えば、管の厚さが厚いところ、例えば、ライフル管で厚い箇所や溶接ビード部については、高電圧で撮影する。一方、管の厚さが薄いところ、例えば、ライフル管で薄い方や素管部については、低電圧で撮影する。このように、管の厚さが薄いところについては、低電圧で撮影することにより、濃淡が鮮明な画像を得ることができるので、亀裂深さの推定精度を向上させることができる。
また、撮影時においては、ボイラチューブに対する撮影角度を変化させて複数のX線撮影画像を取得することとしてもよい。例えば、正面(90°)、斜め45度、135°などの複数の角度から撮影することが好ましい。
疲労亀裂は、亀裂の幅に比べて、その深さの方が大きいことが多い。従って、斜めから撮影することで、亀裂が鮮明に表れたX線撮影画像を得ることが可能となり、亀裂検出精度および亀裂深さの特定精度を向上させることが可能となる。
また、図21に示すように、X線照射装置2に熱感知センサ(熱検知手段)31を設け、また、イメージングプレート3の4隅に複数の発熱体32を設けることとしてもよい。撮影時においては、4隅に発熱体32を設けたイメージングプレート3をボイラチューブ1の撮影領域に取り付け、発熱体32を発熱させる。X線照射装置2に設けられた熱感知センサ31により、イメージングプレート3の四隅に設けられた発熱体32の位置を検出することで、イメージングプレート3の設置位置を検出し、このイメージングプレート3の設置位置に基づいてX線照射領域を設定する。
このように、イメージングプレート3に発熱体32を設けることで、容易にイメージングプレート3の設置位置を検出することが可能となり、X線照射領域の設定を容易に行うことができる。
なお、X線源と熱感知センサ31とを一体化させておくことで、X線照射領域を更に容易に設定することが可能となる。熱感知センサ31の一例としては、赤外線カメラが挙げられる。
また、上記発熱による位置合わせに代えて、イメージングプレート3の4隅に音源33を設け、また、X線照射装置2に音センサ34を設けることにより、X線照射領域の設定を行うこととしてもよい。この場合には、イメージングプレート3に設けられた音源33から発せられる音をX線照射装置2に設けられた音センサ34で検出することにより、イメージングプレート3の設置位置を検出する。
なお、上記発熱体32、音源33の設置位置は、イメージングプレート3の四隅に限定されない。これらの発熱体32または音源33は、2箇所以上に設けられていればよく、また、例えば、イメージングプレート3の外周に沿って一定の間隔で取り付けられていてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記実施形態においては、イメージングプレート3を用いて検査を行う場合を例示したが、これに限定されない。例えば、X線フィルムをフィルムスキャナーでデジタル情報としたものを検査装置に読み込むことで、上述の検査方法を実現させることとしても良い。更に、受像体と読取機とが一体化されたフラットパネルディテクタ(FPD)システム等を用いることとしてもよい。
また、本発明の検査システムは、上述のボイラチューブ1の検査に適用されるだけでなく、さまざまな分野において利用されて好適なものである。特に、背景の輝度が変化するような被測定物においては、背景などの外乱による影響を排除し、亀裂の深さを正確に測定することが可能となるので、大きなメリットを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る検査システムの概略構成図である。 本発明の検査装置の概略構成を示した図である。 接合部位を検出する手順について説明するための図である。 溶接方向を特定する手順について説明するための図である。 溶接方向を特定する手順について説明するための図である。 溶接方向を特定する手順について説明するための図である。 溶接方向を特定する手順について説明するための図である。 輝度に基づいて溶接方向を特定する場合について説明するための図である。 輝度に基づいて溶接方向を特定する場合について説明するための図である。 輝度に基づいて溶接方向を特定する場合について説明するための図である。 溶接ビードの特定方法を説明するための図である。 亀裂を検出する手順を説明するための図である。 亀裂を検出する手順を説明するための図である。 亀裂を検出する手順を説明するための図である。 エッジの端点から輪郭追跡を行うことにより、亀裂を検出する場合について説明するための図である。 輝度を考慮して亀裂の検出を行う場合について説明するための図である。 第1のテーブルの一例を示した図である。 第2のテーブルの一例を示した図である。 溶接ビードの厚さが緩やかに変化する場合の亀裂発生箇所の厚さを検出する手順を説明するための図である。 X線撮影画像の取得方法について説明するための図である。 X線照射装置とイメージングプレートとの位置合わせについて説明するための図である。 X線照射装置とイメージングプレートとの位置合わせについて説明するための図である。
符号の説明
1 ボイラチューブ
2 X線照射装置
3 イメージングプレート
4 CRシステム
5 検査装置
6 表示装置
11 溶接部位特定部
12 溶接ビード特定部
13 亀裂検出部
14 記憶部
16 亀裂深さ特定部

Claims (19)

  1. 溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物を検査する検査装置であって、
    前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定手段と、
    前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定手段と、
    前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出手段と、
    溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報と、溶接ビードの厚さ毎に、亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報とを記憶する記憶手段と、
    前記第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定手段によって特定された前記溶接ビードの厚さを特定し、特定した前記溶接ビードの厚さに対応する前記第2の情報を用いて、前記亀裂検出手段により検出された亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定手段と
    を具備する検査装置。
  2. 前記溶接部位特定手段は、前記X線撮影画像に複数の第1の領域を設定し、隣接する前記第1の領域の相関をとり、この相関に基づいて前記溶接部位を特定する請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記溶接部位特定手段は、前記X線撮影画像に複数の第1の領域を設定し、各前記第1の領域輝度に関する情報を取得し、この情報に基づいて前記溶接部位を特定する請求項1に記載の検査装置。
  4. 前記第1の領域は、前記溶接金物を包含する大きさに設定されている請求項2または請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記溶接部位特定手段は、前記X線撮影画像において特定した前記溶接部位に対して複数の第2の領域を設定し、隣接する前記第2の領域の相関値をとり、該相関値と各前記第2の領域の輝度に基づいて溶接方向を特定する請求項1から請求項4のいずれかに記載の検査装置。
  6. 前記亀裂検出手段は、前記溶接ビード特定手段により特定された溶接ビードの領域を微分し、この微分結果に基づいて勾配方向ヒストグラムを作成し、この勾配方向ヒストグラムに基づいて亀裂を検出する請求項1から請求項5のいずれかに記載の検査装置。
  7. 前記亀裂検出手段は、前記溶接ビード特定手段により特定された溶接ビードの領域を微分し、この微分結果に基づいて勾配方向ヒストグラムを作成し、この勾配方向ヒストグラムに基づいて亀裂の候補を検出し、検出した前記亀裂の候補およびその近傍領域の輝度に基づいて亀裂を検出する請求項1から請求項5のいずれかに記載の検査装置。
  8. 前記亀裂検出手段は、検出した前記亀裂の端点から輪郭追跡を行い、輪郭追跡により検出された箇所についても亀裂として検出する請求項6または請求項7に記載の検査装置。
  9. 前記亀裂検出手段は、前記勾配方向ヒストグラムに基づいて前記亀裂の方向を特定し、この方向に応じて前記X線撮影画像を回転補正する請求項6から請求項8のいずれかに記載の検査装置。
  10. 前記被測定物がボイラチューブである請求項1から請求項9のいずれかに記載の検査装置。
  11. 溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物に対してX線を照射するX線照射手段と、
    前記被測定物を介して前記X線照射装置と反対側に配置され、前記被測定物のX線情報を蓄積する放射線測定手段と、
    前記放射線測定手段に蓄積されたX線情報を読み出し、画像データを形成する読取処理手段と、
    読取処理手段により処理された前記被測定物のX線撮影画像から欠陥を検出する検査装置と
    を備え、
    前記検査装置は、
    前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定手段と、
    前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定手段と、
    前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出手段と、
    溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報と、溶接ビードの厚さ毎に、亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報とを記憶する記憶手段と、
    前記第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定手段によって特定された前記溶接ビードの厚さを特定し、特定した前記溶接ビードの厚さに対応する前記第2の情報を用いて、前記亀裂検出手段により検出された亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定手段と
    を具備する検査システム。
  12. 前記被測定物をX線撮影する際に、前記被測定物において亀裂が生じている可能性の高い領域と低い領域に分け、それぞれの領域に対する撮影条件を異ならせて撮影を行う請求項11に記載の検査システム。
  13. 前記X線照射手段には熱を検知する熱検知手段が設けられているとともに、前記放射線測定手段には複数の発熱体が設けられている請求項11または請求項12に記載の検査システム。
  14. 前記X線照射手段には音を検知する音検知手段が設けられているとともに、前記放射線測定手段には音源が設けられている請求項11または請求項12に記載の検査システム。
  15. 溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物を検査する検査方法であって、
    前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定過程と、
    前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定過程と、
    前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出過程と、
    溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定過程において特定した前記溶接ビードの厚さを特定する溶接ビード厚さ特定過程と、
    前記溶接ビード厚さ特定過程において特定した前記溶接ビードの厚さにおける亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報を用いて、前記亀裂検出過程において検出した前記亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定過程と
    を具備する検査方法。
  16. 溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物のX線撮影画像から前記溶接部位を特定する溶接部位特定方法であって、
    前記被測定物のX線撮影画像に複数の領域を設定し、隣接する前記領域の相関値を算出し、この相関値に基づいて前記溶接部位を特定する溶接部位特定方法。
  17. 複数の前記領域における輝度に関する情報を取得し、この輝度および前記相関値に基づいて前記溶接部位を特定する請求項16に記載の溶接部位特定方法。
  18. 前記領域は、前記溶接金物を包含する大きさに設定されている請求項16または請求項17に記載の溶接部位特定方法。
  19. 溶接金物が溶接されている溶接部位を有する被測定物を検査するための検査プログラムであって、
    前記被測定物のX線撮影画像において前記溶接部位を特定する溶接部位特定処理と、
    前記X線撮影画像の前記溶接部位内における溶接ビードを特定する溶接ビード特定処理と、
    前記X線撮影画像の前記溶接ビード内における亀裂を検出する亀裂検出処理と、
    溶接ビードの厚さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第1の情報を用いて、前記溶接ビード特定処理において特定した前記溶接ビードの厚さを特定する溶接ビード厚さ特定処理と、
    前記溶接ビード厚さ特定処理において特定した前記溶接ビードの厚さにおける亀裂深さとX線撮影画像の輝度とが予め対応付けられている第2の情報を用いて、前記亀裂検出処理において検出した前記亀裂の深さを特定する亀裂深さ特定処理と
    をコンピュータに実行させるための検査プログラム。
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