JP4980932B2 - 外科用工具 - Google Patents

Description

本発明は、患者の軟組織及び硬組織を穿刺するための外科用針アッセンブリに関する。

神経系要素の位置を監視することで、神経に近い解剖学的構造にアクセスする際に神経を傷つける可能性を低減することができる。電流を送り出して、神経系要素が電流に刺激されているときの患者の四肢運動反応を目で観察することにより、電流搬送体近傍の神経系要素を検出するためのシステムが存在する。

患者の体内の各位置へのアクセス、治療、及び／又は治療薬の送出を行うために、外科用針アッセンブリが採用されている。針アッセンブリは、治療手順の初期の段階に患者の軟組織及び硬組織を穿刺する場合、針アッセンブリの設置中又は設置後における神経系要素の針アッセンブリに対する近接性を判定することなく挿入される。初期の針挿入位置に基づいて実施される後に続く治療及び処置が、神経系要素と衝突又は干渉して、治療位置又は経路を設定し直す必要が生じることもある。

本システムは、患者の軟組織及び硬組織を針アッセンブリで穿刺するのに外科医が使用できる外科用工具を含んでいる。針アッセンブリは、神経監視システムに電気的に連結され、針アッセンブリが患者の皮膚及び組織を貫通して体内に進められる際に、神経系要素を監視し検知できるようになっている。針アッセンブリの遠位先端部は、電気信号を搬送し、針アッセンブリの外表面は、信号が遠位先端部付近の組織又は器具に分流するのを防止するために絶縁されている。神経系要素との衝突を回避し又は神経系要素から十分に距離を取るための補正行為は、針アッセンブリの設置中に実施されるので、外科処置の後の段階で、神経系要素を回避し又は十分な隙間を提供するために補正行為が必要になる可能性は小さくなる。

或る形態では、針アッセンブリは、患者の体内に進められる際に、針アッセンブリの操作及び制御をやり易くするハンドルアッセンブリに取り外し可能に係合させることができる。或る実施形態では、ハンドルアッセンブリは、針アッセンブリを神経監視システムに連結している電気リード線を外科医から邪魔にならないところに維持しながら、外科医が手でハンドルアッセンブリを把持できるように作られている。

或る処置では、この外科用工具は、侵襲性をできる限り抑えた脊椎外科処置に使用されている。針アッセンブリは、経皮的に患者の体内に進められ、椎骨茎に係合される。その様な係合の間に、遠位先端部に対する神経系要素の近接性が監視され、処置のこの初期のアクセス段階で、神経要素を回避し又は神経要素から十分な距離を取るための補正行為が実施できるようになる。或る実施形態では、針が椎骨茎の所望の位置に係合されると、ハンドルアッセンブリは針アッセンブリから取り外される。針アッセンブリは、スタイレットを収納している套管を含んでおり、スタイレットは、套管が椎骨茎に係合した状態で残るように取り外される。套管の管腔を通してガイドワイヤが配置され、套管が引き抜かれる。次に、ガイドワイヤは、他の器具、移植片、又は他の外科用装置又は器具を椎骨茎に案内する。脊柱に沿った椎骨茎以外の場所及び患者体内の脊柱以外の他の場所での、他の処置も考えられる。

この装置は、多くの異なる形態の実施形態が対象となりうるが、ここでは幾つかの特定の実施形態を図面に示し詳細に説明しており、本開示は、例示と見なされ、説明している各実施形態に限定されるものではないものと理解頂きたい。

本システムは、神経系要素の工具への近接性を監視しながら、患者の体内の場所にアクセスする際に使用される外科用工具に関する。或る形態では、この外科用工具は、神経監視システムに電気的に係合可能な針アッセンブリを含んでおり、この針アッセンブリは、電気信号をその遠位端で搬送するように操作して、針が患者体内の目標の場所に進められる際に、外科医が、神経系要素と神経監視システムとの近接性を監視できるようにしている。針アッセンブリの神経系要素への近接性は、針挿入、及び針挿入場所に基づいて実施される後に続く処置における神経系要素との衝突の可能性が減少するように制御することができる。目標の場所としては、骨構造、器官、管又は腔、腫瘍又は他の欠陥、又は患者体内のあらゆる解剖学的場所又は構造を挙げることができる。針アッセンブリは、処置中に外科医が手術的位置決めと制御をやり易くする構造を含んでいる。針が目標の場所に配置されると、後に続く処置が実施される。その様な後に続く処置には、治療薬、移植片、物質などを、針アッセンブリを通して又は針アッセンブリに載せて提供することが含まれる。後に続く処置には、針アッセンブリを、その後の器具、移植片、及び他の装置や治療物質の設置のためのプラットフォーム又はガイドとして使用することも含まれる。

針アッセンブリは、患者体内に位置決め可能であり、且つ電気信号を搬送するように操作可能な遠位針構造と、ハンドルアッセンブリと、電気リード線とを含んでいる。或る実施形態では、針構造は、ハンドルアッセンブリに取り外し可能に係合させることができるが、針アッセンブリがハンドルアッセンブリと一体になっている実施形態も考えられる。針アッセンブリは、針構造の挿入された端部に対する神経系要素の近接性を監視するために、電流の様な電気信号を患者体内の或る場所に送り出すように操作することができる。ハンドルアッセンブリから電気信号供給源まで、リード線が伸張している。回路を接地するのに、別のリード線が使用されている。針アッセンブリは、ハンドルアッセンブリに組み付けられると、遠位側の挿入端部分を除いて完全に絶縁された状態になり、挿入端に近接して位置する組織又は器具への電気信号の分流が防止される。

図１及び図２には、患者の皮膚及び組織の下の隠線で示される後脊柱の一部と、外科用工具２０とを含んでいる手術野２４の図が提示されている。手術野２４は、多数の椎骨が並んでいる脊柱体節２５を含んでおり、外科用工具２０は、脊椎のどの領域に用いても、脊椎へのどの様な進入法で用いてもよいものと理解頂きたい。また、外科用工具２０は、脊椎外科処置以外の処置で使用してもよいものと理解頂きたい。

外科用工具２０は、針アッセンブリ３０とハンドルアッセンブリ８０を含んでいる。針アッセンブリ３０は、ハンドルアッセンブリ８０の中へと軸方向に伸張しているレセプタクル８６の中に入り込んでいる。針アッセンブリ３０は、レセプタクル８６の中に配置されているときには、リード線１００を介して神経監視システム２２に電気的に連結されている。リード線１００は、横穴８８を介してハンドルアッセンブリの中へと伸張し、そこで針アッセンブリ３０と電気的に連結されている。患者（図示せず）に接続されている第２標準線２７は、アースとして設けられている。或る処置では、針アッセンブリ３０は、例えば、脊柱体節２５の或る椎体の椎骨茎の様な外科的に適切な目標の場所へと、患者の皮膚と軟組織並びに硬組織を通して位置決めすることができる。ここで、針アッセンブリとこれにより得られた目標の場所を、脊柱に付帯する症状を治療するために治療薬及び／又は装置や移植片を設置するための侵襲性を最小限に抑えたプラットフォームとして使用しながら、後に続く脊柱にアクセスするための処置及び器具が採用される。

針アッセンブリ３０は、套管４０と、長手方向軸３８に沿って套管４０の中央管腔に取り外し可能に収容されているスタイレット６０を含んでいる。スタイレット６０は、図示の套管針先端部構造又は面取り先端部構造の様な、どの様な適した遠位先端部構造を含んでいてもよい。他の実施形態は、単一の針要素を含んでいる針アッセンブリを考えている。針要素は、中実でも套管式でもよい。図示の実施形態では、ハンドルアッセンブリ８０は、套管４０とスタイレット６０の近位端の周りに取り外し可能に配置され、それらと係合して、針アッセンブリ３０を操作して皮膚と組織を貫通させ患者体内の目標の場所に位置決めし易いようにしている。套管４０及び／又はスタイレット６０の周りには、位置決めのために外鞘３２が更に設けられている。鞘３２は、その遠位端（図示せず）まで、套管４０及び／又はスタイレット６０の遠位端の先まで遠位方向に伸張するだけの長さを有している。鞘３２は、針アッセンブリ３０の手術前の取り扱いをやり易くして、例えば、針アッセンブリの偶発的な穿刺、切断、及び汚染を防止している。

スタイレット６０を、図４に独立して示している。スタイレット６０は、その遠位端に隣接する先の尖った先端部６２と、先端部６２から近位方向に伸張する細長い軸部６４を含んでいる。軸部６４の近位端にはハブ６６が設けられている。ハブ６６は、軸部６４の周りに半径方向に伸張している大径胴部７０と、胴部７０から近位方向に伸張している近位側伸張部６８を含んでいる。

套管４０を、図５Ａと図５Ｂに示している。套管４０は、これに沿って伸張して遠位端４２と近位端５３に開口している中央管腔４１を含んでいる。套管４０の外表面は、非導電性又は絶縁性の材料又は部材で覆われ又は被覆され、套管４０から隣接する組織又は器具への電気の分流を防止している。遠位側套管部分４４は、遠位端４２から近位方向に遷移部分４８まで伸張している。遷移部分４８は、近位側套管部分４６まで伸張している。近位側套管部分４６は、遠位側套管部分４４よりも大きい外径を含んでおり、套管４０の先導端の寸法を最小化しながら、套管４０に十分な剛性を提供している。遠位端４２には面取りが施され、套管４０を皮膚及び組織に貫通させて患者体内の目標の場所へ通し易いようになっている。他の実施形態では、単一直径の套管又は３つ以上の直径を備えた套管を考えている。

套管４０の近位端は、接続部材５０を含んでいる。接続部材５０は、非導電性材料、又は絶縁被覆を有する導電性材料で形成されている。接続部材５０は、套管４０へ各種装置を取り付け易くするために作られた近位端取付具５２を含んでいる。或る実施形態では、取付具５２はルアー型接続部である。他の実施形態は、取付具５２により提供されている他の接続装置を考えている。接続部材５０は、近位側套管部分４６の周りに伸張する遠位側スリーブ部分５４を更に含んでいる。遠位側スリーブ部分５４は、套管部分４６の絶縁面領域に重なり、套管４０の近位端に隣接する部分全体が確実に絶縁されるようにしている。

接続部材５０は、ハンドルアッセンブリ８０を取り外す際に使用者が套管４０を把持して容易に取り扱えるようにする、互いに反対側に横方向に伸張しているウイングと凹面窪みとを備えた把持部分５６を含んでいる。接続部材５０は、更に、把持部分５６から近位方向に伸張する近位側スリーブ部分５７を含んでいる。スリーブ部分５７の互いに反対側にはノッチ５８が設けられており、ノッチ５８には、下で説明するように、套管４０をハンドルアッセンブリ８０に固定するため、係止要素が係合できるようになっている。スタイレット６０は、ハブ６６が接続部材５０の近位端に押し付けて配置されたときに、遠位先端部６２が遠位端４２より遠位方向に突き出るように、套管４０に配置することができる。

図６は、ハンドルアッセンブリ８０から伸張して、スタイレット６０がハンドルアッセンブリ８０と係合しているときはスタイレット６０に電気的に係合させることができるリード線１００を示している。リンク１００は、一方の端のコネクタ１０６と反対側の端の接点１０４との間を伸張する可撓性のケーブル部分１０２を含んでいる。コネクタ１０６とケーブル部分１０２は、導電性の配線部、リード線、及びその中の他の電気伝達構造を洗浄し易くし且つ保護する、プラスチック製の外表面層を含んでいる。コネクタ１０６は、Medtronic, Inc.製のNIM-Spineシステム（登録商標）の様な神経系監視システム又は類似物又は何らかの他の適した神経監視システムからのリード線と電気的に係合できるように作られている。

接点１０４は、ハンドルアッセンブリ８０内に収納されており、ハブ６０がハンドルアッセンブリ８０内に配置されているときには、スタイレット６０の近位側伸張部６８と電気的に係合させることができる。図示の実施形態では、ハウジング１０８は、リード線１００をハンドルアッセンブリ８０に固定するために、ハンドル８０の横向きの内径部８８内に配置されている。ハウジング１０８は、胴部１１０と、胴部１１０に沿って伸張しハウジング１０８の側部に沿って開口している長手方向の溝１１２とを含んでいる。胴部１１０は、軸方向突起１１４と、溝１１２の中に突き出て、ケーブル１０２と噛み合ってそれを溝１１２内の所定の位置に維持する横方向突起１１６とを含んでいる。具体的には、相対する横方向突起は、ケーブル１０２を胴部１１０内に拘束し、軸方向突起は、ケーブル１０２を押して、ケーブル１０２が内径部８８を画定している内面に対して摩擦係合し易いようにしている。胴部１１０は、摩擦嵌合、締結具、接着剤、又は胴部１１０のハンドル８０への溶接又は融着、の何れか又はその組み合わせで内径部８８に係合される。

胴部１１０が内径部８８に固定的に配置された状態で、接点１０４は、レセプタクル８６の近位部分９４の中へと突き出ている。ハブ６０の近位側伸張部６８は、電気伝導性材料で形成されており、接点１０４と近位部分９４で接触して、スタイレット６０と套管４０を電気信号供給源に電気的に連結している。

套管４０とスタイレット６０は、患者の組織を目標の場所まで穿刺するのに十分な強度を有する外科用ステンレス鋼又は他の適した導電性材料で作られている。套管４０とスタイレット６０は、一体の適した導電性材料で製作してもよいし、２部品以上の適した導電性材料で製作してもよい。套管４０は、その遠位端と近位端の間に絶縁された表面領域が設けられており、これは、被膜、例えば、ポリアミド被膜の使用により、又は発泡体又は他の材料のスリーブを重ねるなどの他の手段により、実現される。絶縁された表面領域は、電気信号がスタイレット６０及び套管４０の各遠位端に隣接する目標領域に確実に導かれ、周囲の意図していない組織又は外科用器具に分流することがないようにする。

ハンドルアッセンブリ８０を、図２及び図３Ａと図３Ｂに示している。ハンドルアッセンブリ８０は、電気的に絶縁された表面領域９０を有するハンドル胴体８２と、ハンドル胴体８２に対して内側の電気伝導性領域９５とを備えている。電気伝導性領域９５へのアクセスは、ハンドル胴体８２の遠位方向に伸張する頚部８４の遠位側に開口しているレセプタクル８６を介して提供されている。頚部８４は、係止要素７６を受け入れるチャネル９６を含んでいる。側方内径部８８は、ハンドル胴体８２の側部表面９２まで横方向に伸張して、そこに開口している。リード線１００は、内径部８８内に配置されている。

ハンドルアッセンブリ８０のハンドル胴体８２は、大きい方の寸法８３と小さい方の寸法８５を含むように形成された近位側把持部分を含んでいる。大きい方の寸法と小さい方の寸法８３、８５は、互いに対して直角に、及びハンドル胴部８２を通る長手方向軸３８の延長線に対して直角に測定されている。或る実施形態では、大きい方の寸法は、小さい方の寸法よりも少なくとも５０％大きい。ハンドル胴部８２に、この様な大きい方の寸法と小さい方の寸法を有する把持部分を上記の様に設けたことで、外科医や他の介添え人の手に順応して、ハンドルアッセンブリ８０で針アッセンブリ３０を操作及び制御し易くなる。胴部８２の近位端は、使用者の手との境界面に、連続的に曲がっている外表面を含んでいる。これにより、使用者は、ハンドルアッセンブリ８０をしっかりと且つ快適に把持することができる。また、内径部８８は、リード線１００を胴部８２の把持面から離して配置するために、大きい方の寸法に沿って伸張している。リード線１００は、側部表面９２の一方から外に出ており、リード線１００が把持動作及び針アッセンブリ３０の制御に干渉しないようになっている。

別の実施形態では、リード線１００は、側部表面９２に隣接して設けられている出口又はレセプタクルと係合させることができる。出口又はレセプタクルは、ハンドルアッセンブリ８０内で針アッセンブリ３０に電気的に連結されている。

頚部８４のチャネル９６は、ハンドル胴部８２に形成された軸方向に伸張するレセプタクル８６の中に開口している。レセプタクル８６は、スタイレット６０に設けられた近位端ハブ６６と同じ横断面寸法及び形状を有する遠位部分を含んでいる。加えて、套管４０の近位端接続部材５０は、レセプタクル８６と同じ寸法形状を有する近位側スリーブ部分５７を含んでいる。レセプタクル８６と取付具５０とハブ６６の間の形状装着係合は、回転を防止し、針アッセンブリ３０とハンドルアッセンブリ８０の間の動きを無くす堅固な接続を提供している。本実施形態では、レセプタクル８６は、非対称な長円形の形状を有している。結果的に、レセプタクル８６は、スタイレット６０と套管４０の近位端部分がレセプタクル８６の形状と正しく整列したときには、それらを受け入れる。

組み立てられると、套管４０の接続部材５０の近位側スリーブ部分５７は、チャネル９６に隣接するレセプタクル８６を占め、スリーブ部分５７のノッチ５８は、チャネル９６に対して整列する。套管４０は、チャネル９６内の係止要素７６で、レセプタクル８６の中に固定される。或る実施形態では、スタイレット６０は、ハンドルアッセンブリ８０と係合させるためにレセプタクル８６に圧入されており、スタイレット６０の近位側伸張部６８がレセプタクル８６の小径の近位側部分９４の中へと伸張し、リード線１００の接点１０４との安定した電気的接続を維持して、リード線１００を針アッセンブリ３０に電気的に連結できるようになっている。

別の実施形態では、スタイレット６０は、ハンドルアッセンブリ８０から取り外し可能で、且つ套管４０からも取り外し可能である。この実施形態では、リード線１００とスタイレット６０の間の電気的接続は、導電性材料で作られたばねの様な、当業者には既知の従来の何らかの手段で維持されている。この様なばねは、内径部８８又はレセプタクル８６に取り付けることができ、ハンドルアッセンブリ８０へ取り付けられると、スタイレット６０又は套管４０の導電性領域との接点を形成する。解除可能な接続は、スタイレット６０を套管４０から引き抜きたいとき、針アッセンブリ３０からハンドルアッセンブリ８０を取り外すのに干渉することも無い。

図示の実施形態では、チャネル９６は、頚部８４の周りに円周方向に伸張している浅いチャネルを備えており、頚部８４の周囲約４分の３に亘って伸張している。チャネル９６は、貫通孔９７、９９を含んでおり、それらは互いに反対側に配置され、レセプタクル８６の側面部分の中へと開口している。チャネル９６は、最初は貫通孔９７で始まり、反時計回りに伸張し、４分の１回転分だけ第２貫通孔９９を通り越してそこで終わっている。

係止要素７６は、孔直径がチャネル９６の内径より僅かに大きい実質的に平坦な半円形部材の形態をしている。係止要素７６は外側把持面７８を有しており、使用者が係止要素７６を回転させ易いようにしている。係止要素７６は、チャネル９６に装着されるようになっており、その外周は頚部８４の円周の４分の３より僅かに短い。

係止要素７６は、チャネル９６内で８分の１回転程度の小さい角度変位分だけ操作及び回転させることができる。これにより、係止要素７６は、ハンドルアッセンブリ８０に対する係止及び非係止形態に対応する２つの位置の間で、効果的に切り替えられるようになっている。係止要素７６を、反時計回りに回転させるとき、係止要素７６の何れの部分も、図３Ａに示す様に貫通孔９７と９９から突き出ず、係止要素７６は、レセプタクル８６の障害とはならない。この形態では、係止要素７６の溝７２は、第２貫通孔９９と整列し、チャネル９６の他方の側では、係止要素７６の端部７４は、第２の貫通孔９７を反時計回りに僅かに回ったところに配置されている。この位置は、套管４０及びハブ６０のハンドルアッセンブリ８０に対する取り外しと挿入を許容する非係止位置に対応している。代わりに、係止要素７６を時計回りにできる限り回転させると、溝７２は貫通穴９９ともはや整列せず、これにより係止要素７６の一部が貫通孔９９を通って突き出て、通路８６の一方の側部の障害となる。また、係止要素７６の端部７４は、この時点で他方の貫通孔９７を通って突き出ており、通路８６の他方側部分の障害となっている。係止要素７６のこの位置は、ハンドルアッセンブリ８０内の套管４０に係合する係止配置に対応している。

ハンドルアッセンブリ８０を套管４０に接合するには、係止要素７６が非係止配置にあるときに、接続部材５０をハンドルアッセンブリ８０のレセプタクル８６の遠位側開口部に通して挿入する。係止要素７６が係止配置にある場合は、レセプタクル８６の側部が、貫通孔９７、９９の箇所で係止要素７６に妨害され、套管４０をハンドルアッセンブリ８０に一杯に挿入できなくなる。近位側スリーブ部分５７が通路８６に一杯に挿入されると、大径の把持部分５６は、ハンドルアッセンブリ８０の頚部８４の遠位端に当接し、スリーブ部分５７のノッチ５８は、貫通孔９７、９９と整列する。

スタイレット６０の近位側伸張部６８は、ハンドルアッセンブリ８０内でリード線１００の接点１０４と電気的に係合する。套管４０の近位側部分がレセプタクル８６に一杯に挿入されると、使用者は、係止要素７６を図３の配置に対して時計回りに回転させることにより、ハンドルアッセンブリ８０を針アッセンブリ３０に係止させる。係止要素７６をその非係止位置から係止位置まで回転させると、針アッセンブリ３０は、レセプタクル８６内の所定の位置に固定される。係止要素７６の部分は、貫通孔９７、９９を通ってノッチ５８の中に突き出で、針アッセンブリ３０の少なくとも套管４０をハンドルアッセンブリ８０に対して所定の位置に固定する。針アッセンブリ３０の使用者は、針アッセンブリ３０を操作し組織及び／又は骨を貫いて穿刺する場合に、針アッセンブリ３０がハンドルアッセンブリ８０に対して望ましくないな動きをすること無く、必要に応じて大きな力を使用することができる。

以上、本発明を図面に示し上記説明で詳細に説明してきたが、それらは、その性質上、説明を目的としており、本発明に制限を課すものではないと見なされるべできあり、本発明の精神に含まれる全ての変更及び修正は、保護の対象とされることを求める。

外科用工具の組み立て後の斜視図と神経と監視システムを併せて示している、手術野の図である。 ハンドルアッセンブリに連結されている針アッセンブリを含んでいる外科用工具の部分断面の立面図である。 図２の３Ａ−３Ａ線に沿う断面図である。 図２のハンドルアッセンブリの遠位端の図である。 図１の針アッセンブリの一部を備えているスタイレットの立面図である。 図１の針アッセンブリの一部を備えている套管の立面図である。 図５Ａの５Ｂ−５Ｂ線に沿う断面図である。 図１の外科用工具の一部を備えているリード線の立面図である。 ハンドルアッセンブリの一部を備えているハウジングの立面図である。 図７の８−８線を通る断面図である。

Claims (15)

1. 組織を穿刺し神経系要素の近接性を監視するための外科用工具において、
   長手方向軸に沿ってのびる針アッセンブリであって、
   先の尖った遠位端付近に電気伝導性部分を含んでいるスタイレットであって、軸部が、前記遠位端から近位方向にのびて、前記スタイレットの近位側伸張部への導電性経路を提供している、スタイレットと、
   絶縁された外表面領域とノッチを含む接続部材とを含んでいる套管であって、前記スタイレットが前記套管内に配置されると、前記スタイレットの前記遠位端が前記外表面領域から遠位方向に突き出る、套管とを備える針アッセンブリと、
   ハンドルアッセンブリであって、
   電気的に絶縁された外表面領域を有するハンドル胴体であって、前記ハンドル胴体が周方向にのびるチャネルを含み、前記ハンドル胴体が、遠位側に開口し前記スタイレットの近位端と前記套管の近位端とを受け入れるためのレセプタクルであって、前記レセプタクルの側面部分の中へと開口する孔を含むレセプタクルを含んでいる、ハンドル胴体と、
   前記ハンドル胴体の前記外表面領域の内側にあり且つ前記スタイレットの前記近位側伸張部と係合させることができる電気伝導性領域とを備えるハンドルアッセンブリと、
   前記電気伝導性領域から前記ハンドルアッセンブリを通ってのびている電気リード線と、
   前記チャネル内において、前記ハンドルアッセンブリの長手方向軸の周りに第１位置から第２位置まで回転させることができる係止要素とを備えており、
   前記係止要素が前記第１位置にあるとき、前記係止要素の一部が前記レセプタクルの前記孔を通って突き出て前記ノッチと係合することにより、前記針アッセンブリを前記ハンドルアッセンブリ内に保持することができ、前記係止要素が前記第２位置にあるとき、前記係止要素の何れの部分も前記レセプタクルの前記孔を通って突き出ないため、前記針アッセンブリを前記ハンドルアッセンブリから取り外すことができる、外科用工具。
2. 前記套管は、前記スタイレットが前記套管内に配置されているとき、前記スタイレットの前記遠位側の先が尖った端部よりも近位側に配置される遠位端を含んでいる、請求項１に記載の外科用工具。
3. 前記スタイレットは、前記スタイレットの近位端周りに、前記接続部材の近位端と当接係合して配置させることができるハブを含んでいる、請求項１又は２に記載の外科用工具。
4. 前記ハブは、前記軸部の周りにのびている胴部であって、前記スタイレットの前記近位側伸張部が前記胴部から近位方向にのびている、胴部を含んでいる、請求項３に記載の外科用工具。
5. 前記接続部材は、前記套管から外向きに突き出ている把持部分と、前記接続部材の前記把持部分の遠位側に前記套管の周りにのびている第１スリーブ部分と、前記接続部材の前記把持部分の近位側に前記套管の周りにのびている第２スリーブ部分と、を含み、前記第２スリーブ部分が前記ノッチを含む、請求項１乃至４の何れか１項に記載の外科用工具。
6. 前記スタイレットの前記近位側伸張部は、前記ハンドルアッセンブリ内のレセプタクルの内部に嵌り、前記レセプタクルは、前記近位側伸張部と係合して前記針アッセンブリを前記電気リード線と連結するための電気的接点を含んでいる、請求項１乃至５の何れか１項に記載の外科用工具。
7. 前記套管は、前記套管を患者の組織を貫いて動かし易くするために面取りされた遠位端を含んでいる、請求項１乃至６の何れか１項に記載の外科用工具。
8. 前記套管は、前記套管の遠位端と近位端の間に概ね一定の寸法を有する管腔を含んでいる、請求項７に記載の外科用工具。
9. 前記ハンドル胴体は、把持部分を含み、前記ハンドル胴体の前記把持部分は、前記長手方向軸に直交する横断面であって、大きい方の寸法と前記大きい方の寸法より小さい小さい方の寸法とを有する横断面を有している、請求項１乃至８の何れか１項に記載の外科用工具。
10. 前記大きい方の寸法が前記小さい方の寸法よりも少なくとも５０％大きい、請求項９に記載の外科用工具。
11. 前記ハンドル胴体の前記把持部分は、前記ハンドルアッセンブリの近位端に沿って連続的に曲がっている外表面を含んでおり、前記大きい方の寸法の方向に沿って使用者の手との境界面に解剖学的な整合性を提供している、請求項９又は１０に記載の外科用工具。
12. 前記電気リード線は、前記大きい方の寸法の方向に沿ってのびており、前記曲がっている外表面よりも遠位側の位置で前記ハンドルアッセンブリを出て、前記把持部分の回りに置かれた使用者の手に干渉しないようになっている、請求項１１に記載の外科用工具。
13. 前記ハンドル胴体は、前記大きい方の寸法の方向に沿って、前記ハンドル胴体の側部から前記レセプタクルまでのびている横穴を有しており、前記電気リード線は、前記横穴を通ってのびている、請求項９乃至１２の何れか１項に記載の外科用工具。
14. 前記横穴内に配置することができる胴部であって、前記電気リード線のケーブル部分を受け入れて、前記ケーブル部分を前記ハンドルアッセンブリ内に固定するための溝を画定している胴部を更に備えている、請求項１３に記載の工具。
15. 前記ハンドル胴体の前記外表面領域は、前記套管の前記外表面領域と重ねて配置されている、請求項請求項１乃至１４の何れか１項に記載のに記載の外科用工具。

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