JP4976701B2 - 溶鉄製造方法および溶鉄製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶鉄の製造方法およびその製造装置に関し、詳しくは、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなる溶鉄製造プロセスにて、鉄鉱石などの酸化鉄源を石炭などの炭素質還元剤とともに加熱還元し、鉄分純度の高い溶鉄を効率よく製造し得るように改善された方法に関する。
カネコらは、回転炉床炉(移動炉床式還元炉)と精錬用還元容器(鉄浴式溶解炉)を連結した溶鉄製造プロセスにおいて、微粉鉱石(粉状酸化鉄源)と微粉炭素質材料(粉状炭素質還元剤)とを団塊にした成形体(炭材内装塊成化物)を回転炉床炉で予備還元し、この予備還元した成形体(固体還元鉄)を溶融金属浴を生成させた精錬用還元容器(鉄浴式溶解炉)内へチャージ・シュート等によって連続的に装入し、燃料および還元剤として供給される微粉炭素材料(炭材)を過剰の酸素で燃焼させて二次燃焼させつつ、前記予備還元した成形体を精錬および還元して鉄溶湯を得るとともに、精錬用還元容器からの高温の排ガスを回転炉床炉に導入して有効利用する、いわゆる溶融還元法による溶鉄の製造方法を提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、上記溶融還元法では、精錬用還元容器からの排ガス中に多量のダストが含まれ回転炉床炉の炉壁等へ付着・堆積すること、精錬用還元容器の熱変動に伴い前記排ガスのカロリ等が変動し製品鉄の純度が不安定化しやすいこと、前記排ガス中のダストへの高FeOスラグの混入により炉床耐火物が溶損するおそれがあること等、多くの問題点が未解決のまま残されており実用化に至っていない。
これに対し、本発明者らは、回転炉床炉(移動炉床式還元炉)と溶解炉(鉄浴式溶解炉)を連結した溶鉄製造プロセスにおいて、酸化鉄と炭素質還元剤を含む成形体を回転炉床炉で加熱還元して金属化率60%以上の固体還元鉄とした後、この固体還元鉄を溶解炉へ送り、燃料として供給される炭材を酸素で燃焼させて該溶解炉内における二次燃焼率を40%以下に制御しつつ、前記固体還元鉄を溶解させて鉄溶湯を得る溶鉄の製造方法を開発した。そして、溶解炉に燃料として供給する炭材の一部または全部を回転炉床炉の炉床上に床敷炭材として供給することにより、プロセス全体の熱効率等を改善し得ることを示唆した(特許文献2参照)。
この方法により、炉床耐火物の溶損を可及的に抑制し、鉄分純度の高い溶鉄を生産性良く製造し得るようになった。しかしながら、回転炉床炉内で乾留されてより軽量化した床敷炭材(チャー)を、通常行うように、溶解炉にその上方から落とし込みにより連続的に装入すると、その一部が溶湯表面に到達する前に溶解炉上部の空間部(フリースペース)に飛散し、溶解炉からの排ガス中に散逸して、炭材の歩留が低下する問題があり、改善の余地があった。
いっぽう、本出願人は、回転炉床炉の炉床上に粉粒状の雰囲気調整用の床敷炭材を敷いたのち、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料を供給し、炉内で加熱し、還元・溶融して金属鉄を製造するプロセスにおいて、回転炉床炉から排出された床敷炭材を回転炉床炉にリサイクルして使用することにより、粉粒状の床敷炭材が煎餅状に固結する現象を防止する方法を提案した(特許文献3参照)。
しかしながら、上記プロセスは溶解炉を有せず、回転炉床炉のみで金属鉄を製造するプロセスであり、床敷炭材が溶解炉からの排ガス中に飛散する問題はもともと存在せず、回転炉床炉と溶解炉を組み合わせた溶鉄製造プロセスにそのまま適用できるものではない。
特公平3−60883号公報(特許請求の範囲、図2など) 特開2004−176170号公報(特許請求の範囲、[0039]〜[0042]) 特開2003−213312号公報(特許請求の範囲、図1など)
そこで、本発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなり、鉄浴式溶解炉に燃料として供給する炭材の一部または全部を回転炉床炉の炉床上に床敷炭材として供給するようにした溶鉄製造プロセスにおいて、鉄浴式溶解炉への装入時に床敷炭材が鉄浴式溶解炉からの排ガス中に散逸することを抑制することにより、プロセス全体における炭材の歩留を改善し、燃料原単位をさらに低減しうる溶鉄の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄製造方法である。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
(2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
(3)前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉にその上方から装入する工程であって、少なくとも前記チャーの装入を、1〜10minごとの頻度で間欠的に行う溶解炉装入工程
(4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
請求項2に記載の発明は、前記(3)の工程において、前記チャーを前記固体還元鉄および/または副原料その他の装入物と一緒に前記鉄浴式溶解炉に装入する、請求項1に記載の溶鉄製造方法である。
請求項3に記載の発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄製造方法である。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
(2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
(3)前記チャーおよび固体還元鉄を、前記移動炉床式還元炉から排出してコンテナに収容し、ついでこのコンテナから前記鉄浴式溶解炉の上方に設けられたホッパに移送していったん保持したのち、このホッパから1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に装入する溶解炉装入工程
(4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
請求項4に記載の発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄製造方法である。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
(2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
(3)前記チャーおよび固体還元鉄を、前記移動炉床式還元炉から排出していったんホッパに保持し、ついでこのホッパから1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に装入する溶解炉装入工程
(4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
請求項5に記載の発明は、前記(3)の工程において、前記チャーの装入時に、前記鉄浴式溶解炉への酸素含有ガスの吹き込み量を減少させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶鉄製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記チャー装入時における酸素含有ガスの吹き込み量を、前記チャーを装入していない時における酸素含有ガスの吹き込み量の80%以下とする、請求項5に記載の溶鉄製造方法である。
請求項7に記載の発明は、前記酸素含有ガスを吹き込むランスを複数本備え、その一部のランスからの吹込み量を減少する、または吹き込みを停止する、請求項5または6に記載の溶鉄製造方法である。
請求項8に記載の発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなる溶鉄製造装置であって、下記(1)〜(5)の手段を備えたことを特徴とする溶鉄製造装置である。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入する床敷装入手段
(2)前記床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する原料装入手段
(3)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させる間に、前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす加熱手段
(4)前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に上方から装入する手段であって、少なくとも前記チャーの装入を、1〜10minごとの頻度で間欠的に行う溶解炉装入手段
(5)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす酸素吹込み手段。
請求項9に記載の発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなる溶鉄製造装置であって、下記(1)〜(6)の手段を備えたことを特徴とする溶鉄製造装置である。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入する床敷装入手段
(2)前記床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する原料装入手段
(3)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させる間に、前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす加熱手段
(4)前記移動炉床式還元炉から排出された前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく収容する還元鉄収容手段
(5)前記鉄浴式溶解炉の上方に設けられ、前記還元鉄収容手段から移送された前記固体還元鉄およびチャーをいったん保持する還元鉄保持手段であって、前記固体還元鉄およびチャーを1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉に装入する間欠切出し手段を備えた還元鉄保持手段
(6)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす酸素吹込み手段。
請求項10に記載の発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなる溶鉄製造装置であって、下記(1)〜(5)を備えたことを特徴とする溶鉄製造装置である。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入する床敷装入手段
(2)前記床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する原料装入手段
(3)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させる間に、前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす加熱手段
(4)前記移動炉床式還元炉から排出された前記固体還元鉄およびチャーをいったん保持する還元鉄保持手段であって、前記固体還元鉄およびチャーを1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉に装入する間欠切出し手段を備えた還元鉄保持手段
(5)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす酸素吹込み手段。
請求項11に記載の発明は、前記鉄浴式溶解炉の天井部であって、前記チャーの装入部と前記鉄浴式溶解炉からの排ガスの排出部との間に、前記チャーの排ガス中への散逸を抑制する邪魔板を備えた、請求項8〜10のいずれか1項に記載の溶鉄製造装置である。
請求項12に記載の発明は、前記チャーの装入部に、前記チャーを前記鉄浴式溶解炉内の溶湯表面に案内する案内手段を備えた、請求項8〜11のいずれか1項に記載の溶鉄製造装置である。
上記本発明によれば、飛散しやすいチャーを間欠的にまとめて鉄浴式溶解炉に装入することにより、その排ガス中への炭材の散逸量を大幅に低減でき、プロセス全体における炭材の歩留を改善できる。
さらに、床敷炭材を用いたことによって炉床がより確実に保護されて炉床剥離などのトラブルが回避され、より長期的な移動炉床式還元炉の連続操業が可能となる。
また、床敷炭材が移動炉床式還元炉内で加熱されて脱揮された揮発分は、鉄浴式溶解炉の排ガスの少なくとも一部とともに、移動炉床式還元炉の燃料として有効に利用され、移動炉床式還元炉の燃料消費量を低減できる。
さらに、脱揮後のチャーは揮発分を含まないので、鉄浴式溶解炉内での揮発分の燃焼による耐火物損傷が防止され、鉄浴式溶解炉の耐火物寿命が延長される。
また、床敷炭材を用いたことにより、移動炉床式還元炉内における固体還元鉄の再酸化が防止されて高い金属化率が達成され、鉄浴式溶解炉における炭材消費量が大幅に減少する。
以上の効果があいまって、移動炉床式還元炉および鉄浴式溶解炉の操業をより安定化しつつ、燃料原単位のさらなる低減がより確実に実現できる。
以下、本発明の一実施形態を示す図面を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態を示す溶鉄製造プロセスのフロー図であり、本溶鉄製造プロセスは、移動炉床式還元炉としての回転炉床炉14と鉄浴式溶解炉16とが組み合わされて構成されている。
酸化鉄源としての鉄鉱石aおよび炭素質還元剤としての石炭bを必要に応じて別個に粉砕し、それぞれ粒径1mm未満程度の粉状とする。得られた粉状酸化鉄源としての粉状鉄鉱石Aと粉状炭素質還元剤としての粉状石炭Bを所定の割合で配合し、必要に応じて適量のバインダや適量の水分を添加し(さらには鉄浴式溶解炉16で添加する造滓剤としての副原料Iの全部または一部をここで添加してもよい)、これらを混合機8で混合したのち、造粒機11で6〜20mm径程度の粒径に造粒して炭材内装塊成化物としての炭材内装ペレットDとする。なお、石炭(炭素質還元剤)bの揮発分は、高すぎると炭材内装ペレットDが回転炉床炉14内で加熱された際に爆裂を起こしやすくなるので、30質量%以下程度とするのが望ましい。
この炭材内装ペレットDは、回転炉床炉14内でのバースティング(爆裂)を防止するため、乾燥機13で水分量1質量%程度以下となるまで乾燥しておくことが好ましい(特開平11−193423号公報の特許請求の範囲参照)。
(1)還元炉装入工程
ついで、図2(a)に模式的に示すように、回転炉床炉14の炉床32上に床敷炭材Eとして例えば石炭を所定の厚みになるように装入し、この床敷炭材Eの上に炭材内装ペレットDを2層以下の厚さに載置する。
炉床32上に床敷炭材Eを装入する手段(床敷装入手段)としては、例えば回転炉床14上に設けた中間ホッパから床敷炭材Eを定量的に切り出し、装入パイプを介して炉床32上に供給し、これを分散スクリュで炉床32の幅方向に分散させる手段を用いることができる。そして、この床敷炭材Eの上に炭材内装ペレットDを載置する手段(原料装入手段)としては、上記床敷装入手段より炉床32の移動方向下流側に設けた、上記床敷装入手段と同様の構成である中間ホッパと装入パイプと分散スクリュとからなる手段を用いることができる(特開平11−279611号公報、図4参照)。
炉床32上に装入された床敷炭材Eの厚みは1〜10mmとするのが好ましい。1mm未満では床敷炭材Eの厚みが薄すぎて炉床32の表面全体を確実に覆うことが困難になることに加え、再酸化防止効果が不十分となるおそれがあるためであり、いっぽう10mmを超えると炉床32の表面を介して炭材内装ペレットDをその下面から加熱する効果が少なくなることに加え、鉄浴式溶解炉16に装入される炭材量が過剰となり、燃料原単位が上昇するおそれが高いためである。より好ましい床敷炭材Eの厚みは2〜5mmである。
床敷炭材Eの平均粒径は1〜5mmとするのが好ましい。1mm未満では回転炉床炉14装入時および鉄浴式溶解炉16装入時に飛散しやすくなるので、炭材歩留りが低下するためであり、いっぽう5mmを超えると上記床敷炭材Eの厚みの好ましい上限に近づき床敷炭材Eを均一な厚さに敷くことが困難となるうえ、炭材粒子間の隙間が大きくなってその隙間に炭材内装ペレットDが嵌まり込むので、炭材内装ペレットDを床敷炭材Eの層上に均一に敷き詰めることが困難となり、生産性や金属化率の低下を来たすおそれが高まるためである。より好ましい床敷炭材Dの平均粒径は2〜4mmである。
なお、石炭bを粉砕したのち、所定の粒径(たとえば1mmの篩目)で篩い分けて、その篩下を粉状炭素質還元剤Bに、篩上を床敷き炭材Eとしてもよい。
床敷炭材Eのギーセラ最高流動度MFはlogMF≦2とするのが好ましい。logMFが2を超えると回転炉床炉14内で加熱された際における炭材粒子の軟化溶融の度合いが過剰となり炉床32上に付着物が形成されやすくなるためである。より好ましい床敷炭材Eのギーセラ最高流動度MFはlogMF≦1である。
床敷炭材Eの揮発分は、乾量基準で10質量%以上とするのが好ましい。揮発分が少ない無煙炭等の石炭は組織が緻密で見掛け密度が高く、揮発分が少ないにもかかわらずバースティングを起こし粉化しやすいためである。
床敷炭材Eの揮発分は、乾量基準で50質量%以下、さらには40質量%以下とするのが好ましい。床敷炭材E中の揮発分は回転炉床炉14内で加熱されてほぼ完全に脱揮され、回転炉床炉14内で燃料ガスとして利用できるが、揮発分が多すぎると、回転炉床炉14内の還元初期段階で、床敷炭材から必要量以上の可燃性ガスが発生し、消費しきれない可燃性ガスが回転炉床炉14の排ガス中に残存したまま排出されるので、エネルギ効率が低下するためである。また、揮発分が多すぎると、加熱による揮発分の脱揮によって炭材が軽量化し、回転炉床炉14から排出される際に飛散しやすくなって、炭材の歩留が低下するためである。さらに、床敷炭材Eは回転炉床炉14に装入する前に乾燥しておくのが望ましいが、褐炭のように揮発分が50質量%程度ないしそれを超える炭材を乾燥させると多孔質となり発火しやすくなるためハンドリングが難しくなるためである。
なお、上記好ましい揮発分量を有する床敷炭材としては、単銘柄である必要はなく、2種類以上の揮発分量の異なる炭材を適宜混合して用いるようにしてもよい。混合する炭材には、別プロセスで熱処理済みのもの、たとえばコークス粉、石油コークスなどを用いてもよい。
(2)還元工程
このようにして炉床32上に層状に載置された炭材内装ペレットDと床敷炭材Eを、1100〜1450℃、より好ましくは1250〜1450℃の雰囲気温度に加熱された回転炉床炉14内を6min以上、より好ましくは8min以上の滞留時間で通過させる。
炭材内装ペレットDと床敷炭材Eを加熱する手段(加熱手段)としては、例えば、回転炉床炉14の側壁上部に設置した複数本のバーナ(図示せず)を用いることができる。
これにより、炭材内装ペレットDは回転炉床炉14内で加熱されて、炭材内装ペレットD中の酸化鉄が炭素質還元剤で還元されて金属化し、固体還元鉄Fとなるが、このようにして得られる固体還元鉄Fの金属化率は92%以上、炭素含有量は10質量%以下、さらには5質量%以下とするのが推奨される。いっぽう、床敷炭材Eは回転炉床炉14内で加熱されて揮発分が脱揮され(乾留され)チャーGとなる。脱揮された揮発分は、回転炉床炉14内で燃焼し、燃料として有効に利用される。
雰囲気温度が1350℃以上の場合、炭材内装ペレットDは還元が終わると炉床上32で溶解し、鉄分とスラグ成分の分離が生じる。溶解したままでは回転炉床炉14から排出しにくいので、回転炉床炉14内で冷却し固化してから排出することになる。この場合の固体還元鉄Fは粒鉄と固体スラグの混合物となる。しかしながら、回転炉床炉14でいったん溶解したものを冷却固化し鉄浴式溶解炉16で再度溶解することは、プロセス全体の生産性とエネルギ効率の観点からは好ましくない。したがって、プロセス全体の生産性とエネルギ効率をより向上するため、回転炉床炉14における還元中の雰囲気温度を1350℃以上にして回転炉床炉14での生産性を高めつつ、炭材内装ペレットDが炉床上で溶解する前に回転炉床炉14から排出し、鉄浴式溶解炉16で溶解することが望ましい。
なお、万一炉床32上で炭材内装ペレットDが溶解してしまった場合に溶融鉄や溶融スラグが炉床耐火物を損傷させるのを防止するため、図2(b)に示すように、炉床32と床敷炭材Eの間に溶融物の浸透を防ぐ微粒の炭材を含有する炉床保護用炭材Pの層を設けることも有効である。
ここで、固体還元鉄Fの金属化率を92%以上、炭素含有量を好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下としたのは以下の理由による。
まず、金属化率を92%以上とした理由について述べる。すなわち、固体還元鉄Fの金属化率が高くなるほど、鉄浴式溶解炉16において固体還元鉄F中に残存する酸化鉄(FeOなど)を金属化するのに必要な炭素量が少なくてよく、鉄浴式溶解炉16全体の炭材消費量が低減できるので、金属化率はできるだけ高くするのが望ましい(特許文献2の図2、図3参照)。しかしながら、従来、床敷炭材を用いないで回転炉床炉により炭材内装ペレットを還元すると、固体還元鉄が回転炉床炉内の酸化性雰囲気によって再酸化してしまうため、図3(a)に示すように、安定的に90%以上の金属化率を得ることは非常に困難であった。これに対し、床敷炭材Eを用いると、上記酸化性雰囲気中の酸化性ガス成分COおよびHOが、床敷炭材Eから生じたチャーGによって、CO+C→2COおよびHO+C→H+COの反応により還元性ガス成分に改質され、固体還元鉄Fの再酸化が抑制ないし防止されるので、図3(b)に示すように、92%以上の金属化率が容易に得られ、操業条件によっては94%以上の金属化率も達成可能である。よって、固体還元鉄Fの金属化率は92%以上とした。より好ましい固体還元鉄Fの金属化率は94%以上である。
つぎに、炭素含有量を好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とした理由について述べる。すなわち、固体還元鉄F中の炭素含有量が高いほど、鉄浴式溶解炉16内において、固体還元鉄F中に残存する酸化鉄(FeOなど)を金属化するのに必要な炭素量を賄ったうえ、残りの炭素量が、固体還元鉄が溶解されてできた溶鉄への加炭に利用されるので、鉄浴式溶解炉16における炭材消費量の観点からは炭素含有量は高いほど好ましい。しかしながら、図4に示すように、炭素含有量(残留炭素量)が高くなるほど固体還元鉄Fの圧潰強度が低下して、回転炉床炉14からの排出時や鉄浴式溶解炉への装入時等に粉化されやすくなり、ダストロスが増加するので、鉄歩留および炭素歩留の観点からは炭素含有量は低いほど好ましい。よって、固体還元鉄Fの炭素含有量の上限は、圧潰強度が過度に低下しない範囲で、かつ、できるだけ炭素含有量の高い、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とした。なお、固体還元鉄Fの炭素含有量の好ましい下限は、金属化率92%の場合、固体還元鉄F中に残存する酸化鉄(FeOなど)を金属化するのに必要な1.5質量%程度である。
なお、炭材内装ペレットDに内装する粉状炭素質還元剤Bとして流動性を有する石炭を使用すると、固体還元鉄Fの強度を維持しながら炭素含有量を10質量%程度まで高めることができる。しかしながら、流動性を有する石炭は、資源的にも豊富とはいえず一般に高価であるため、流動性を有しない石炭を使用し、固体還元鉄F中の炭素含有量を5質量%以下にする製法を採用するのが望ましい。
このような固体還元鉄Fの金属化率および炭素含有量は、炭材内装ペレットD中の鉄鉱石(酸化鉄源)aと石炭(炭素質還元剤)bとの配合割合、床敷炭材Eの厚みおよび平均粒径、回転炉床炉14の雰囲気温度、回転炉床炉14内における炭材内装ペレットDの滞留時間などを適宜調整することにより得られる。
(3)溶解炉装入工程
このようにして得られた固体還元鉄FおよびチャーGは、例えば以下のような手段(溶解炉装入手段)を用いて、回転炉床炉14から取り出し、熱いまま(加熱・高温状態のまま)、言い換えると、実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉16に間欠的に装入する。
すなわち、図5に示すように、回転炉床炉14の出口部に設けられた排出スクリュ101により固体還元鉄FおよびチャーGを一緒に取り出し、還元鉄収容手段としてのコンテナ102に収容する。コンテナ102が満杯になったとき、別の空のコンテナ102’に切り替え、満杯になったコンテナ102の上部に設けられたスライドゲートバルブ103を閉止した後、図示しない反転機でコンテナ102を上下反転し、搬送車104とクレーン105にて鉄浴式溶解炉16上に設けた還元鉄保持手段としてのホッパ106上に搬送する。ここで、スライドゲートバルブ103を開け、コンテナ102内の固体還元鉄FおよびチャーGをホッパ106に移し替え、いったん保持する。少なくともコンテナ102とホッパ106は、固体還元鉄FおよびチャーGを熱いまま(加熱・高温状態のまま)、すなわち、実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉16に装入するため、耐火物張りとしておく。そして、ホッパ106の下部に設けられた間欠切出し手段としてのスライドゲートバルブ107を開閉して固体還元鉄FおよびチャーGを熱いまま一緒に(篩い分けることなく)間欠的に切り出し、装入パイプ108を介して重力を利用して鉄浴式溶解炉16に落とし込みにより装入する(このような間欠的な装入方法を「回分式装入法」とよび、通常行うような連続的な装入方法を「連続装入法」とよぶ。)。なお、コンテナ102を回転炉床炉14から切り離す際やコンテナ102からホッパ106へ内容物を移し替える際に固体還元鉄Fが再酸化したりチャーGが燃焼するのを回避するため、少なくともコンテナ102とホッパ106は窒素ガスなどの不活性ガスによるパージが可能な構造としておく。なお、固体還元鉄FおよびチャーGは、鉄浴式溶解炉16の内壁面に触れないように装入するのが好ましい。
なお、造滓剤としての副原料I、固体還元鉄F中の炭素含有量とチャーGのみでは鉄浴式溶解炉16で必要とされる炭材消費量を賄えない場合に追加される別の炭材(以下、「追加炭材」という。)Hなど(以下、「副原料その他の装入物」とよぶ。)は、固体還元鉄FおよびチャーGとは別系統で鉄浴式溶解炉16に添加する。なお、固体還元鉄FおよびチャーGや副原料その他の装入物は、鉄浴式溶解炉16の内壁面に接触すると付着したり堆積するので、溶解炉16の内壁面に接触しないように装入するのが好ましい。
このように固体還元鉄FおよびチャーGを熱いまま(加熱・高温状態のまま)、すなわち、実質的に冷却することなく装入することにより、固体顕熱を有効に回収でき、鉄浴式溶解炉16の炭材消費量を低減できる。
ここで、固体還元鉄FおよびチャーGを実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉16に装入する温度とは、ホッパ106から排出した固体還元鉄FおよびチャーGを鉄浴式溶解炉16に装入した際、炉内に熱的な負荷をかけることなく装入できる温度のことであり、その温度は500〜1100℃である。
また、鉄浴式溶解炉16に装入する際の固体還元鉄FおよびチャーGの温度は、以下の点からも500〜1100℃とするのが好ましい。すなわち、500℃未満では固体顕熱回収の効果が小さく、いっぽう1100℃を超えると上記排出スクリュの耐熱性等が問題となり、操業トラブルが発生しやすくなるためである。
また、固体還元鉄FおよびチャーGを間欠的に切り出し、鉄浴式溶解炉16内へ短時間にまとめて落とし込むことにより、チャーGなどの微粉の飛散割合を低減できる。
すなわち、仮に、従来のように固体還元鉄を連続的に装入するように、固体還元鉄固体還元鉄FおよびチャーGからなる固体粒子を連続的に装入すると、単位時間あたりの固体質量流量が小さいため、固体粒子は個別にばらばらになって落下する確率が高い。このため、軽量で小粒径のチャー粒子は、溶湯から発生してくるガスの流れによって飛散され、排ガス中へ散逸しやすい。これに対し、固体還元鉄FおよびチャーGを一緒に間欠的に装入すると、単位時間あたりの固体質量流量が大きくなるため、チャーGの粒子がチャーより重く大粒径の他の固体粒子とともに集合体として落下することとなり、この集合体周辺のガスに下降するガス流れが生じる。この結果、単一粒子としては飛散されやすいチャーGの粒子もこの下降するガス流れに乗って下降するので、溶湯から発生してくるガスの流れに打ち勝ち、飛散されることなく、溶湯中に歩留良く添加されることとなる。
固体粒子(固体還元鉄FおよびチャーG)の間欠的な切出し(鉄浴式溶解炉16への装入)は、後記実施例1の結果等より、1〜10minごと、さらには2〜5minごと程度の頻度で行うのが推奨される。すなわち、装入頻度を上げすぎると、単位時間あたりの固体質量流量が十分に大きくならず、上記飛散防止効果が得られにくくなることに加え、スライドゲートバルブ107の開閉が頻繁になり、設備トラブルが発生しやすくなる。いっぽう、装入頻度を下げすぎると、上記飛散防止効果が飽和してしまうことに加え、一度に大量の固体還元鉄FおよびチャーGが添加されるので、鉄浴式溶解炉16の熱変動が大きくなり制御が困難になること、下記の鉄浴式溶解炉16に装入する際の固体還元鉄FおよびチャーGの温度が低下して、固体顕熱回収の効果が小さくなること、ホッパ106の容量を大きくする必要が生じ、設備コストが増大すること等の問題が生じる。
固体還元鉄F中の炭素含有量とチャーGのみでは、鉄浴式溶解炉で必要とされる炭材消費量を賄えない場合は、上述したように、追加炭材Hを鉄浴式溶解炉16に追加装入してもよい。
鉄浴式溶解炉16に装入する全炭材(ただし、前記固体還元鉄F中の含有炭素は除く)の平均揮発分は、乾量基準で15質量%以下とするのが好ましい。追加炭材Hを装入する場合には、追加炭材Hの揮発分は、この追加炭材Hの揮発分とチャーGの揮発分(通常、ほぼ0質量%)とを加重平均して得た平均揮発分が乾量基準で15質量%以下となるように、炭種を選定するのが望ましい。平均揮発分が15質量%を超えると、鉄浴式溶解炉16内での揮発分の燃焼により気相側温度が過度に上昇し、耐火物損傷のおそれが高まるためである。
(4)溶解工程
鉄浴式溶解炉16に酸素含有ガスとしての酸素ガスJを、酸素吹込み手段としての複数本のランスで吹き込み、炭材(チャーG、追加炭材H)を燃焼させ、固体還元鉄Fを溶解してスラグLを分離することにより溶鉄Kが得られる。なお、鉄浴式溶解炉16は、傾動式でもよいし、固定式でもよい。
ここで、鉄浴式溶解炉16への固体還元鉄FおよびチャーGの装入時に、酸素ガスの吹込み量(複数本のランスからの吹込み総量)を減少させるのが好ましい。これにより、溶湯からの発生ガス量が減少し、チャーGの飛散量をさらに減少させることができる。
なお、チャーGの飛散量を確実に低減するためには、後述の実施例1より、固体還元鉄FおよびチャーGの装入時における酸素ガスの吹込み量(総量)は、固体還元鉄FおよびチャーGを装入していない時における酸素ガスの吹き込み量(総量)の80%以下、さらには60%以下、ただし、吹込み量を減少させすぎると炉内の燃焼が停止する場合があるため、30%以上とするのが望ましい。
この場合、上記複数本のランスのうち、例えば、固体還元鉄FおよびチャーGを装入する位置の近くに設置された一部(1または複数本)のランスからの酸素吹込み量を優先的に減少、または停止するようにしてもよい。これにより、固体還元鉄FおよびチャーGを装入する位置の近くの溶湯からのガス発生量が局所的に大幅に減少するので、チャーGの飛散量をよりいっそう減少させることができる。
さらに、図6(b)に示すように、鉄浴式溶解炉16の天井部111であって、固体還元鉄FおよびチャーGの装入部である還元鉄装入口112と鉄浴式溶解炉16の排ガス(溶解炉排ガス)Mの排出部である排ガス排出口113の間に、邪魔板114を設けておくことが好ましい。邪魔板114を設けない場合は、図6(a)に示すように、還元鉄装入口112から天井部111に沿って排ガス排出口113へ短絡するガス流れに乗ってチャーGが溶解炉排ガスMとともに排出されやすい。これに対し、邪魔板114を設けた場合は、図6(b)に示すように、還元鉄装入口112から天井部111に沿うガス流れは邪魔板114によって下降流となるため、このガス流れに乗って運ばれてきたチャーGは下降流によって溶湯表面に到達しやすくなり、溶解炉排ガスM中への散逸が効果的に抑制されることとなる。
本溶解工程においては、二次燃焼率40%以下の条件で溶解を行うことが好ましい。二次燃焼率が40%を超えると、固体還元鉄Fの金属化率92%以上では炭材消費量の低減効果がほとんど認められなくなる(たとえば、特許文献1の図2および図3参照)ことに加え、鉄浴式溶解炉16の気相側温度が過度に上昇して耐火物が損傷するおそれが高まるなど鉄浴式溶解炉16への負荷が高まるためである。二次燃焼率のより好ましい範囲は、炭材消費量が十分に低くなる10〜35%、さらに好ましい範囲は、鉄浴式溶解炉16の負荷をより軽くする15〜30%である。
(5)溶解炉排ガス循環工程
溶解炉排ガスMは、高濃度にCOおよびH成分を含んでいるので、ガス冷却除塵装置24で冷却・除塵した後、その少なくとも一部を回転炉床炉14に送り、必要により外部燃料Nを追加して、回転炉床炉14の燃料ガスとして使用するのが望ましい。
このようにして、本発明によれば、飛散しやすいチャーGを間欠的にまとめて鉄浴式溶解炉16に装入することにより、その排ガスM中への炭材の散逸量を大幅に低減でき、プロセス全体における炭材の歩留を改善できる。さらに、床敷炭材Eを用いたことにより炉床32がより確実に保護されて炉床剥離などのトラブルが回避され、より長期的な回転炉床炉14の連続操業が可能となる。また、床敷炭材Eが回転炉床炉14内で加熱されて脱揮された揮発分は、鉄浴式溶解炉16の排ガスの少なくとも一部とともに、回転炉床炉の燃料ガスとして有効に利用され、回転炉床炉14の燃料消費量を低減できる。さらに、脱揮後のチャーGは揮発分を含まないので、鉄浴式溶解炉16内での揮発分の燃焼による耐火物損傷が防止され、鉄浴式溶解炉16の耐火物寿命が延長される。また、床敷炭材Eを用いたことにより、回転炉床炉14内における固体還元鉄Fの再酸化が防止されて、92%以上という高い金属化率が達成され、鉄浴式溶解炉16における炭材消費量を大幅に低減できる。さらに、固体還元鉄Fの金属化率と床敷炭材Eの使用量や揮発分量を調整し、鉄浴式溶解炉16から発生する排ガスの全熱量を回転炉床炉14で必要かつ十分な熱量に一致させることにより、還元と溶解を含めた全体プロセスをエネルギ的に自己完結したプロセスとすることができる。
〔変形例〕
上記実施形態では、固体還元鉄およびチャーを一緒に間欠的に鉄浴式溶解炉に装入する例を示したが、これらを回転炉床炉から取り出した後、熱いままスクリーン等で固体還元鉄とチャーとに分級し、別個に鉄浴式溶解炉に装入することもできる。この場合、固体還元鉄は、連続的でも間欠的でもよいが、チャーは間欠的に装入する。ただし、チャー単独で装入するよりも、上記実施形態1のように、固体還元鉄と一緒に装入するほうが単位時間あたりの固体質量流量が大きくなり、チャーの飛散がより確実に防止されるので、より好ましい。
また、副原料その他の装入物は、固体還元鉄およびチャーとは別系統で鉄浴式溶解炉に添加する例を示したが、同一系統で一緒に装入してもよい。また、固体還元鉄とチャーとを分級して別個に鉄浴式溶解炉に装入する場合は、チャーに副原料その他の装入物を添加して同一系統で一緒に装入してもよい。チャーを副原料その他の装入物と一緒に装入することによって、単位時間あたりの固体質量流量が大きくなり、チャーの飛散がより確実に防止されるので、より好ましい。
また、回分式装入法として、ともにスライドゲートバルブを備えた、コンテナとホッパとを用いて装入する例を示したが、回転炉床炉と鉄浴式溶解炉とを近接して設置できる場合は、コンテナを省略し、回転炉床炉から切り出した固体還元鉄FおよびチャーGを直接、スライドゲートバルブを備えたホッパに装入し、スライドゲートバルブの開閉操作により固体還元鉄FおよびチャーGを間欠的に切り出すようにしてもよい。
また、鉄浴式溶解炉への固体還元鉄およびチャーの装入時における酸素ガス吹込み量の低減は、鉄浴式溶解炉に複数本のランスを設け、その全部または一部のランスからの酸素吹込み量を減少ないし停止することにより行う例を示したが、鉄浴式溶解炉に1本のランスのみを設け、そのランスからの酸素吹込み量を減少させるようにしてもよい。
また、鉄浴式溶解炉の天井部に邪魔板を設けた例を示したが、邪魔板に代えて、または加えて、図7(a)、(b)に示すように、還元鉄装入口112に案内板115’や案内ダクト115’’などの案内手段115を設けてもよい。これらの案内手段115により、鉄浴式溶解炉16内における下向きの固体流れが確保されて、チャーGが溶湯表面に到達しやすくなるため、チャーGが天井部111に沿うガス流れにトラップされて溶解炉排ガスMとともに排出されるのを防止できる。
また、酸化鉄源として鉄鉱石を例示したが、酸化鉄を含む高炉ダスト、ミルスケール等を併用してもよく、さらには酸化鉄とともに非鉄金属やその酸化物を含むもの、たとえば金属精錬設備から排出されるダストやスラグ等を使用することもできる。
また、炭素質還元剤、床敷炭材、および追加炭材として石炭を例示したが、コークス、オイルコークス、木炭、木材チップ、廃プラスチック、古タイヤ等を用いることもできる。
また、炭材内装塊成化物として炭材内装ペレットを例示し、造粒機で造粒する例を示したが、炭材内装ペレットの代わりに炭材内装ブリケットとし、加圧成形機で圧縮成形するようにしてもよい。この場合は、バインダの種類によっては成形時に水分を添加するのではなく、むしろ乾燥させた原料を使用することがある。また、加圧成形機の加圧力を増すことにより、炭材内装ブリケットの強度を高めて加熱時の爆裂を抑制できるので、30質量%以上の揮発分を含有する炭材も内装炭材として使用できるようになる。
また、床敷炭材の炉床への供給手段として装入パイプと分散スクリュの組合せを例示したが、振動フィーダで炉床上に分散させてもよい。
また、酸素含有ガスとして酸素ガスを例示したが、高温空気や、高温空気に酸素富化したものを用いてもよい。
また、移動炉床式還元炉として回転炉床炉を例示したが、直線炉を用いてもよい。
また、鉄浴式溶解炉のエネルギ源として炭材を酸素含有ガスで燃焼する例を示したが、電気エネルギを併用してもよい。
〔その1:固体粒子装入時における酸素ガス吹込み量減少による効果〕
まず、固体粒子(固体還元鉄およびチャー)装入時における酸素ガス吹込み量低下による効果を確認するため、図6(a)の構成からなる(邪魔板、案内手段を有しない)鉄浴式溶解炉を模擬した数式モデルを作成し、固体粒子の排ガス中への散逸量を予測するシミュレーション計算を実施した。
(計算条件)
・鉄浴式溶解炉の寸法:内径2.0m(高さ方向で一定)、フリーボード高さ2.0m
・還元鉄装入口内径:0.4m
・排ガス排出口内径:0.8m
・固体粒子の見掛け密度:1.4g/cm(下記注参照)
・固体粒子の粒度分布:図8(下記注参照)
・固体粒子装入量:300kg/h(連続装入時)
・酸素吹込み量:800Nm/h(通常操業時=固体粒子を装入していない時)
・溶解炉排ガス量:1700Nm/h
・溶解炉排ガス温度:1650℃
・ 溶湯表面からの単位断面あたりの発生ガス量は一定と仮定
(注)固体粒子の散逸率は、その見掛け密度と粒度分布によって変化するが、本シミュレーション計算では固体粒子の見掛け密度は1.4g/cm、粒度分布は図8に示すものに設定した。
なお、固体粒子の見掛け密度は、固体還元鉄とチャーを一緒に装入する場合、固体粒子を構成する固体還元鉄とチャーの質量割合は90:10〜80:20程度で、見掛け密度は、固体還元鉄が2〜3g/cm、チャーが約1.0g/cmであると想定されること等を考慮して設定した。
(計算結果)
固体粒子を連続装入する場合について、酸素ガス吹込み量を、通常操業時の酸素ガス吹込み量を100%として、100%から33%まで順次減少させてシミュレーション計算を実施した。計算結果を図9に示す。同図より、固体粒子の散逸率は、酸素ガス吹込み量100%のときに41.7%であったのが、酸素ガス吹込み量を80%以下に減ずることにより30.3%以下に低下しており、10%以上改善されることが認められる。ここに、固体粒子の散逸率とは、鉄浴式溶解炉に装入した固体粒子の全質量に対する溶解炉排ガス中に散逸した固体粒子の質量の割合(%)で表した値である。
〔その2:回分式装入法による効果〕
つぎに、回分式装入の影響はシミュレーション計算での確認は困難であったので、上記数式モデルに対応する鉄浴溶解炉の冷間模型を作成し、模型実験にて確認を行った。
模型実験は、固体粒子を連続的に装入する場合を基準として、固体粒子を間欠的に装入する場合について固体粒子の装入頻度および酸素ガス吹込み量を種々変化させて実施した。実験結果を表1に示す。同表より明らかなように、一定時間ごとに間欠的に装入することにより、酸素ガス吹込み量を減じなくとも、固体粒子の散逸率は、33.4%から20.1〜22.3%へと低下し、間欠装入(回分式装入)と酸素ガス吹込み量減少とを同時に行うことにより8.6〜8.9%へとさらに低下しているのが認められた。
Figure 0004976701
図1に示したプロセスフロー図に基づいて、表2に示す化学組成の鉄鉱石と石炭を用い、回転炉床炉に床敷炭材を用い、固体還元鉄とチャーを5minごとに間欠的に装入する場合(発明例)と連続的に装入する場合(比較例)のそれぞれについて表3に示す条件で試験操業を行った。なお、発明例、比較例とも、固体還元鉄とチャーは一緒に鉄浴式溶解炉に装入したが、副原料と追加炭材は、固体還元鉄およびチャーとは別系統から装入した。また、鉄浴式溶解炉には、邪魔板および案内手段は設けなかった。操業結果を同表に併記する。同表に示すように、回転炉床炉の操業条件および鉄浴式溶解炉の二次燃焼率は、発明例および比較例とも同一としたが、発明例では、追加炭材をまったく用いずに床敷炭材由来のチャ−のみを鉄浴式溶解炉に装入することにより操業できたのに対し、比較例では、チャーに加えて追加炭材の装入を必要とした。参考として、表4に、表3の操業結果の欄に示した回転炉床炉と鉄浴式溶解炉の合計石炭消費量の内訳を示す。なお、本試験操業においては、発明例および比較例とも、鉄鉱石は粉砕して粒径1mm未満として用い、上記石炭は、篩い分けと粉砕の操作を組み合わせて粒度調整し、粒径1mm未満を炭素質還元剤に、1〜5mm(平均粒径2.2mm)を床敷炭材に、5mm超を追加炭材に用いた。また、炭材内装ペレットの粒径範囲は6〜20mmとし、炉床上に載置する炭材内装ペレットの層数は平均0.9層とした。
Figure 0004976701
Figure 0004976701
Figure 0004976701
表3に示すように、連続装入法による比較例に対し、回分式で固体粒子装入時に酸素吹込み量を減少しない装入法を採用した発明例2でも炭材歩留改善の効果が認められるが、回分式で固体粒子装入時に酸素吹込み量を減少する装入法を採用した発明例1では、鉄浴式溶解炉からの排ガスダスト中に含まれる炭素量は溶鉄1トン当たり50kgから13kgへと減少して炭材歩留が大幅に改善され、表4に示すように、追加炭材量が不要となることによって回転炉床炉と鉄浴式溶解炉の合計石炭消費量は溶鉄1トン当たり49kg低減できた。
本発明の一実施形態を示す溶鉄製造プロセスのフロー図である。 回転炉床炉の炉床付近の様子を模式的に示す断面図である。 床敷炭材の厚みと固体還元鉄の金属化率との関係を示すグラフ図である。 固体還元鉄の、炭素含有量と圧潰強度との関係を示すグラフ図である。 本発明に係る、回分式装入法の一実施形態を示すフロー図である。 本発明に係る鉄浴式溶解炉内のガス流れの様子を説明する断面図であり、(a)は基本構造、(b)は邪魔板を設置した例である。 本発明に係る鉄浴式溶解炉内のガス流れの様子を説明する断面図であり、(a)は案内板を設置した例、(b)は案内ダクトを設置した例である。 固体粒子の粒度分布を示すグラフ図である。 酸素ガス吹込み量と固体粒子の散逸率との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
14:移動炉床式還元炉(回転炉床炉)
16:鉄浴式溶解炉
32:炉床
102:還元鉄収容手段(コンテナ)
106:還元鉄保持手段(ホッパ)
108:間欠切出し手段(スライドゲートバルブ)
111:天井部
112:チャーの装入部(還元鉄装入口)
113:溶解炉からの排ガスの排出部(排ガス排出口)
114:邪魔板
115:案内手段
115’:案内板、115’’:案内ダクト
A:粉状酸化鉄源(粉状鉄鉱石)
B:粉状炭素質還元剤(粉状石炭)
D:炭材内装塊成化物(炭材内装ペレット)
E:床敷炭材
F:固体還元鉄
G:チャー
H:追加炭材
I:副原料
J:酸素含有ガス(酸素ガス)
K:溶鉄
M:溶解炉排ガス

Claims (12)

  1. 移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄製造方法。
    (1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
    (2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
    (3)前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉にその上方から装入する工程であって、少なくとも前記チャーの装入を、1〜10minごとの頻度で間欠的に行う溶解炉装入工程
    (4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
  2. 前記(3)の工程において、前記チャーを前記固体還元鉄および/または副原料その他の装入物と一緒に前記鉄浴式溶解炉に装入する、請求項1に記載の溶鉄製造方法。
  3. 移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄製造方法。
    (1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
    (2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
    (3)前記チャーおよび固体還元鉄を、前記移動炉床式還元炉から排出してコンテナに収容し、ついでこのコンテナから前記鉄浴式溶解炉の上方に設けられたホッパに移送していったん保持したのち、このホッパから1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に装入する溶解炉装入工程
    (4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
  4. 移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄製造方法。
    (1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
    (2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
    (3)前記チャーおよび固体還元鉄を、前記移動炉床式還元炉から排出していったんホッパに保持し、ついでこのホッパから1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に装入する溶解炉装入工程
    (4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
  5. 前記(3)の工程において、前記チャーの装入時に、前記鉄浴式溶解炉への酸素含有ガスの吹き込み量を減少させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶鉄製造方法。
  6. 前記チャー装入時における酸素含有ガスの吹き込み量を、前記チャーを装入していない時における酸素含有ガスの吹き込み量の80%以下とする、請求項5に記載の溶鉄製造方法。
  7. 前記酸素含有ガスを吹き込むランスを複数本備え、その一部のランスからの吹込み量を減少する、または吹き込みを停止する、請求項5または6に記載の溶鉄製造方法。
  8. 移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなる溶鉄製造装置であって、下記(1)〜(5)の手段を備えたことを特徴とする溶鉄製造装置。
    (1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入する床敷装入手段
    (2)前記床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する原料装入手段
    (3)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させる間に、前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす加熱手段
    (4)前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に上方から装入する手段であって、少なくとも前記チャーの装入を、1〜10minごとの頻度で間欠的に行う溶解炉装入手段
    (5)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす酸素吹込み手段。
  9. 移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなる溶鉄製造装置であって、下記(1)〜(6)の手段を備えたことを特徴とする溶鉄製造装置。
    (1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入する床敷装入手段
    (2)前記床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する原料装入手段
    (3)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させる間に、前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす加熱手段
    (4)前記移動炉床式還元炉から排出された前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく収容する還元鉄収容手段
    (5)前記鉄浴式溶解炉の上方に設けられ、前記還元鉄収容手段から移送された前記固体還元鉄およびチャーをいったん保持する還元鉄保持手段であって、前記固体還元鉄およびチャーを1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉に装入する間欠切出し手段を備えた還元鉄保持手段
    (6)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす酸素吹込み手段。
  10. 移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを組み合わせてなる溶鉄製造装置であって、下記(1)〜(5)の手段を備えたことを特徴とする溶鉄製造装置。
    (1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入する床敷装入手段
    (2)前記床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する原料装入手段
    (3)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させる間に、前記炭材内装塊成化物を加熱還元して固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす加熱手段
    (4)前記移動炉床式還元炉から排出された前記固体還元鉄およびチャーをいったん保持する還元鉄保持手段であって、前記固体還元鉄およびチャーを1〜10minごとの頻度で間欠的に切り出して実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉に装入する間欠切出し手段を備えた還元鉄保持手段
    (5)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす酸素吹込み手段。
  11. 前記鉄浴式溶解炉の天井部であって、前記チャーの装入部と前記鉄浴式溶解炉からの排ガスの排出部との間に、前記チャーの排ガス中への散逸を抑制する邪魔板を備えた、請求項8〜10のいずれか1項に記載の溶鉄製造装置。
  12. 前記チャーの装入部に、前記チャーを前記鉄浴式溶解炉内の溶湯表面に案内する案内手段を備えた、請求項8〜11のいずれか1項に記載の溶鉄製造装置。
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