JP4973522B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
自動車用変速機として、図4および図5に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持(転接)されている。
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図4および図5の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図4および図5の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、一対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図4に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図5に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
図6および図7は、より具体化されたダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の一例を示している。なお、図4および図5と共通する構成部材に関しては、以下、同一符号を付して、その詳細な説明または図示を省略する。
図6に示すように、ケーシング101の内側には、入力軸1が回転自在に支持されている。入力軸1の両端寄り部分には、第1および第2の入力側ディスク2,2がそれぞれ支持されている。この場合、第1および第2の入力側ディスク2,2は、その内側面2a,2a同士を互いに対向させた状態で同心的に配置されるとともに、ケーシング101の内側で互いに同期して回転できる。
入力軸1の中間部の周囲には、第1および第2の出力側ディスク4,4がスリーブ109を介して支持されている。スリーブ109の中間部の外周面には、出力歯車110が一体に設けられている。この出力歯車110は、入力軸1と同心的に配置されるとともに、入力軸1の外径よりも大きな内径を有している。また、出力歯車110は、一対の転がり軸受112を介して、ケーシング101内に設けられた支持壁(中間壁)111に回転自在に支持されている。
第1および第2の出力側ディスク4,4は、スリーブ109の両端部にスプライン係合されている。この場合、出力側ディスク4,4は、それぞれの内側面4a,4aを互いに反対方向に向けた状態で配置されている。したがって、入力側ディスク2と出力側ディスク4は、その内側面2a,4a同士が互いに対向している。
図7に示すように、ケーシング101の内側であって、出力側ディスク4,4の側方位置には、両ディスク4,4を両側から挟む状態で一対のヨーク113a,113bが支持されている。これら一対のヨーク113a,113bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン6の両端部に設けられた枢軸5を揺動自在に支持するため、ヨーク113a,113bの四隅には、円形の支持孔118が設けられるとともに、ヨーク113a,113bの左右両端部の中央部には、円形の係止孔119が設けられている。なお、図7において、入力軸1を図示省略している。
一対のヨーク113a,113bは、ケーシング101の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト20a,20bにより、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト20a,20bはそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク4の内側面4aとの間にある第1キャビティ21および第2キャビティ22にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク113a,113bは、各支持ポスト20a,20bに支持された状態で、その一端部が第1キャビティ21の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ22の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ21,22は同一構造であるため、以下、第1キャビティ21のみについて説明する。
第1キャビティ21には、一対のトラニオン6が設けられている。トラニオン6の両端部には同心的に枢軸5が設けられており、これらの枢軸5は一対のヨーク113a,113bの一端部に揺動且つ軸方向に変位自在に支持されている。すなわち、枢軸5は、ヨーク113a,113bの一端部に形成された支持孔118の内側に、ラジアルニードル軸受26によって支持されている。ラジアルニードル軸受26は、その外周面が球状凸面で且つその内周面が円筒面である外輪27と、複数本のニードル28とから構成されている。
トラニオン6の中間部にはそれぞれ、円孔30が設けられている。また、各円孔30には変位軸31が支持されている。変位軸31はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した支持軸部33と枢支軸部34とを有している。このうち、支持軸部33は、円孔30の内側に、ラジアルニードル軸受35を介して支持されている。また、枢支軸部34の周囲には、別のラジアルニードル軸受38を介して、パワーローラ11が支持されている。
なお、第1および第2キャビティ21,22毎に一対ずつ設けられた変位軸31は、第1および第2キャビティ21,22毎に、入力軸1に対して180度反対側に位置して設けられている。また、変位軸31の各枢支軸部34が各支持軸部33に対して偏心している方向は、入力ディスク2,2と出力ディスク4,4の回転方向に関して同方向となっている。また、偏心方向は入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、パワーローラ11は、入力軸1の長手方向に沿って僅かに変位できるように支持されている。その結果、トロイダル型無段変速機により伝達されるトルクの変動に基づく構成部材の弾性変形量の変動等に起因して、パワーローラ11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、構成部材に無理な力が加わることがなく、その変位を吸収することができる。
また、パワーローラ11の外周面とトラニオン6の中間部内周面との間には、パワーローラ11の外側面から順に、スラスト玉軸受39と、滑り軸受あるいはニードル軸受等のスラスト軸受40とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受39は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11の回転を許容する。また、スラスト軸受40は、パワーローラ11からスラスト玉軸受39の外輪41に加わるスラスト荷重を支承しつつ、枢支軸部34および外輪41が支持軸部33を中心に揺動することを許容する。
トラニオン6の一端部にはそれぞれ、駆動ロッド42が結合されている。また、これらの駆動ロッド42の中間部外周面には、駆動装置としての駆動ピストン43が固着されている。この駆動ピストン43は、駆動シリンダ44内に油密に嵌装されている。そして、駆動ピストン43がトラニオン5を軸方向に変位させるためのアクチュエータを構成している。
図6に示すように、エンジンから動力を受ける駆動軸200と一方の入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置45が設けられている。この押圧装置45は、カム板46と複数のローラ48とを備えており、駆動軸200の回転に基づいて一方の入力側ディスク2を他方の入力側ディスク2に向け押圧しつつ回転させる。この場合、カム板46は、駆動軸200に係合され、駆動軸200と共に回転する。また、複数のローラ48は、保持器47に転動自在に保持されている。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の運転時、駆動軸200の回転は、押圧装置45を介して、一方の入力側ディスク2に伝えられ、この入力側ディスク2と他方の入力側ディスク2とが互いに同期して入力軸1と共に回転する。入力側ディスク2,2の回転は、パワーローラ11を介して、出力側ディスク4,4に伝えられる。出力側ディスク4,4の回転は、出力歯車110により取り出され、出力軸201に伝達される。
入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比を変える場合には、制御弁(図示しない)の切換えに基づいて、第1および第2のキャビティ21,22に対応してそれぞれ一対ずつ設けられた駆動ピストン43を、各キャビティ21,22毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。これらの駆動ピストン43の変位に伴って、一対ずつ合計4個のトラニオン6がそれぞれ逆方向に変位し、一方のパワーローラ11が下側に、他方のパワーローラ11が上側にそれぞれ変位する。その結果、各パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2の内側面2a,2a、出力側ディスク4,4の内側面4a,4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、その力の向きの変化に伴って、トラニオン6がヨーク113a,113bに枢支された枢軸5を中心として逆方向に揺動する。この結果、パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2、出力側ディスク4,4との当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比が変化する。
ところで、トラニオン6の枢軸5を揺動自在に且つ軸方向に変位自在に支持する前述したヨーク113a,113bは、それ自体が支持ポスト20a,20bを中心に揺動することにより、例えば一方のトラニオン6(例えば図7の右側のトラニオン)の上側への変位に伴って他方のトラニオン6(例えば図7の左側のトラニオン)を下側へ変位させるといったように、同一キャビティ内で対向する一対のトラニオン6の動きをシーソーのように同期させてこれらをそれぞれ逆方向に変位させるとともに、隣接するキャビティのトラニオン6を同期して同様に連動させる機能を有している。
そして、トロイダル無段変速機は複数(例えば、4つや6つ)のパワーローラ11,11で動力を伝達している。たとえば、上述のダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機では、4つのパワーローラ11,11で動力を伝達している。そのため、それぞれのパワーローラが均等に動力を伝達すること、すなわち、同期して動作することが極めて重要となる。
複数のパワーローラ11,11の同期が一つでも崩れると、入力された動力が、パワーローラ11,11間を循環してしまい出力される動力が小さくなる現象、所謂動力循環状態を引き起こしてしまう。出力される動力が小さくなるということは、システム全体の効率が低くなることなので、このような状態となることを避けなければならない。
このようなパワーローラの同期に係る問題を避けるために、トロイダル無段変速機では、通常、上述の一対のヨーク113a,113bを用いてパワーローラ11を支持した複数のトラニオン6の動きを同期させている。
ヨーク113a,113bは一つの線(軸)を中心に揺動(回転)する構造になっており、対向するトラニオン6,6間の距離が常に略一定となるように構成されている。
ここで、円筒状の係止孔119に、支持ポスト20a,20bの球面状の部分が挿入されてヨーク113a,113bを揺動自在としただけでは、ヨークの回転中心が係止孔119の軸方向にずれる可能性があり、例えば、ヨーク113a、113bの回転中心部分に固定部材としての例えば支持ポスト20a,20bに固定されたピンを通し、回転の支点としていた。
この場合に、ヨークの組み付け作業が煩雑となるのを防止するため、予めヨーク113a側に支持ポスト20a、20bをピンにより揺動自在に取り付けておき、ヨーク113aを取り付ける際に、支持ポスト20aをケーシングに取り付けるようにしているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような構成では、ヨーク113aにピンを通す孔を形成する必要があり、ヨーク113aの加工コストが嵩むことになる。特に、回転中心軸方向に距離があるヨーク113aに、精度良くピンを通す孔をあける必要があるため、加工コストの低減を図ることが難しかった。
そこで、例えば、図8に示すようなヨーク113a,113bの構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ヨーク113a,113bは、上述の場合と同様に、矩形状に形成されており、トラニオン6の枢軸5を揺動自在に支持する円形の支持孔118をその四隅に有するとともに、支持ポスト20a,20bが内嵌する係止孔119をその幅方向の中央部に有している。
また、支持ポスト20a,20bを中心とするヨーク113a,113bの揺動を円滑に行なえるようにするため、各係止孔119の片側には、揺動の支点となる突起部220がヨーク113a,113bと一体に形成されている。具体的に、図7中の上側に位置する第1のヨーク113aの各係止孔119の長手方向外側にはそれぞれ、図9に示すようにケーシング101の固定部材225に向けて突出する突起部220が一体に形成されている。同様に、図7中の下側に位置する第2のヨーク113bの各係止孔119の長手方向外側にもそれぞれ、シリンダ44の上側シリンダボディ230に向けて突出する突起部220が一体に形成されている。
したがって、例えば、図7の左側の駆動ピストン43が同図の下側に変位し且つ右側の駆動ピストン43が同図の上側に変位すると、これらの駆動ピストン43に結合されているトラニオン6,6が互いに逆方向に変位し(左側のトラニオン6が下側に変位し、右側のトラニオン6が上側に変位し)、これにより、図9の(a)に示すように、第1のヨーク113aは、その右側が上になる方向に、ケーシング101の固定部材225に当接した各突起部220を支点として傾く。同様に、第2のヨーク113bも、シリンダ44の上側シリンダボディ230に当接した各突起部220を支点に、第1のヨーク113aと同じ方向に傾く。逆に、図7の左側の駆動ピストン43が同図の上側に変位し且つ右側の駆動ピストン43が同図の下側に変位すると、図9の(b)に示すように、第1のヨーク113aは、その左側が上になる方向に、ケーシング101の固定部材225に当接した各突起部220を支点に傾き、同様に、第2のヨーク113bも、第1のヨーク113aと同じ方向に傾く。
なお、突起部220は、その突出部分の面がヨーク113a,113bの揺動方向に対応する円弧面状に形成されている。
上述の例では、ヨーク113a(113b)に突起部220を形成し、この突起部220を固定部材225(上側シリンダボディ230)に当接させているが、固定部材225(上側シリンダボディ230)に突起部を形成し、この突起部をヨーク113a(113b)に当接させるものとしても良い。
なお、係止孔119に支持ポスト20a,20bが挿入されることで、ヨーク113a,113bのその面方向に沿った移動が規制されている。
ここで、前記ヨーク113a(113b)もしくは固定部材225(上側シリンダボディ230)の突起部が当接する位置に突起部に対応する円弧面状の凹み部を設け、突起部を凹み部に係合させる構成とすることにより、支持ポスト20a,20bおよびヨーク113a,113bの係止孔119を省略することもできる。
なお、トロイダル型無段変速機においては、図10に示すように、支持ポスト20a、20bを一本のポスト20として、上側シリンダボディ230とこの上側シリンダボディ230に対向するケーシング101内面との間に掛け渡すように設けても良い。ポスト20は、ヨーク113a(113b)に形成された円形の係止孔に挿通されるように概略円柱状に形成されるとともに、図中上端部がケーシング101に固定され、下端部が上側シリンダボディ230に固定されている。また、ポスト20の係止孔119の内部に配置される部分の外周面が球面状に膨出して形成され、ヨーク113a(113b)が係止孔119の部分でポスト20に揺動自在に係合している。
また、図10において、突起部220が固定部材225(上側シリンダボディ230)に設けられ、ヨーク113a(113b)に当接している。また、図7と同様に、図10において入力軸1の図示が省略されているが、ポスト20は、入力軸1と直交する位置に配置されており、ポスト20の中央部は環状に形成され、入力軸1が貫通する貫通孔18が形成されている。
しかし、ヨーク113a,113bやヨーク113a,113bに対向する固定部材に精度良く円弧面等の曲面を有する突起を正確に形成する必要があり、加工コストの低減が難しいという問題があった。
そこで、例えば、ヨーク113a,113bに取付部を設け、そこに球体や円柱体を取り付けることで、上記突起部を形成することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。これにより、ヨーク113a,113bに精度高く突起部を形成するよりも、コストの低減を図ることが可能となる。
また、突起部を別部材として支持ポスト20a,20bに取り付け、ヨーク113a,113bに突起部を接触させることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。この場合にヨーク113a、113bにその揺動支点用の構造を新たに形成する必要がなく、また、ヨーク113a、113bに対向する固定部材側の加工も最低限のものとなり、加工コストの低減を図ることができる。
特開平09−317837号公報 特許第3879913号公報 特開2006−112518号公報 特開2006−118627号公報
しかしながら、上述の特許文献3に示されるトロイダル型無段変速機においても、ヨークに別部材となった突起部を取り付けるための構造を必要とし、ヨークの加工にコストがかかることになる。
また、特許文献4に示されるトロイダル型無段変速機においては、ヨークに新たに加工コストがかかることはないが、突起部を有し、支持ポストに固定される特殊な別部材の製造にコストがかかることになる。別部材においては、突起部が精度高く設けられている必要があり、さらに支持ポストに精度高く取り付けられる必要がある。このような別部材の製造にコストがかかることになる。
このような状況に対して、ヨークの揺動支点となる構造に対するさらなるコストの低減が求められていた。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、ヨーク、ポスト等の加工コストを減少させることにより、ヨークを揺動自在に支持する構造全体のコストの低減を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、前記各ヨークをそれぞれ揺動自在に支持する一対の支持ポストとを備えるトロイダル型無段変速機において、
前記各ヨークをそれぞれ支持する前記支持ポストどうしがつながれることにより、両端部に前記支持ポストを備えて一部材で構成される一体型ポストを有し、
前記一体型ポストの両端部には、それぞれ、前記各ヨークの互いに対向する内側の側面に対して反対になる外側の側面に接触して当該ヨークの揺動を案内する円柱状部材が設けられ、
前記円柱部材は、前記一体型ポストに設けられている孔に固定されていることを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、一対の前記ヨークの少なくともヨークの側面に接触して当該ヨークの揺動を案内する円柱状部材を固定的に備えるので、ヨークを円滑かつ正確に揺動させることができるとともに、ヨークに新たな加工を行なう必要がなく、かつ、使用される部材が円柱状の部材なので、ヨークの揺動を正確に行なわせる別部材を設けるものとしても、その製造コストを低減させることができる。
すなわち、円柱状の部材は、旋盤等で精度高くかつ低コストに製造することができる。したがって、簡単に製造できるので、製造コストが安く、コストの低減を図ることができる。
また、円柱状の部材は、例えば、JIS等で規格化されたピン等の規格品が比較的低価格で調達可能であり、独自に設計するのではなく、規格品を用いることで、コストダウンを図ることもできる。
なお、円柱状の部材は、例えば、揺動するヨークに対して固定された固定部材に取り付けられる必要があり、固定部材としての支持ポストに取り付けられるものとしてもよいし、トロイダル型無段変速機のケーシングやシリンダボディ、これらケーシングやシリンダボディに固定された部材に取り付けられてもよい。この際に、例えば、取り付け位置に挿通孔を形成し、この挿通孔に円柱状部材を挿入した状態に固定しても良いし、溝に圧入しても良いし、溶接により固定してもよい
また、円柱状部材の一部にあまりコストのかからない簡単な加工を施してもよく、例えば、外周面の一部を削って平面としてもよいし、端面の形状を変えてもよい。
また、ポストに円柱状部材を固定することで、比較的簡単な構造で円柱状部材をヨークに接触させた状態で固定させることができ、円柱状部材の取り付けにかかるコストを低減することができる。
本発明のトロイダル型無段変速機では、円柱状部材をヨークの側面(外面)に接触させて揺動の支点としているので、ヨークやそれに対向する固定部材に円弧面形状や球面形状を一体的に形成する必要がなく、ヨークや固定部材のコストを低減でき、また、円柱状部材は低価格で製造もしくは調達可能なので、ヨークを揺動自在に支持する構造全体のコストを低減することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、ヨークを揺動自在に支持させるヨーク揺動構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図4〜図10と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1〜図3は、本発明の実施形態を示している。図示のように、本実施形態のトロイダル型無段変速機のヨーク揺動構造では、一体型のポスト20において上側のヨーク113aを揺動自在に支持する球状部分(支持ポスト20a)の上側となるポスト20の上端部に、円柱状部材であるピン50が貫通した状態に固定されている。
また、ポスト20の上端部は、ヨーク113aの係止孔119を挿通してヨーク113aの上面(側面)より上方に突出し、ケーシング101に接合されている。そして、このポスト20の上端部に前記ピン50が貫通されている。また、ポスト20上端部を貫通するピン50の方向は、入力軸1と平行となっている。すなわち、ピン50の方向は、入力側ディスク2および出力側ディスク4の回転中心軸方向と平行となっている。
また、ポスト20の上端部のピン50が貫通する部分は、ポスト20のヨーク113aより上となる部分の下部であり、この部分に入力軸1と平行に内周面が円筒形状のピン通し孔51が形成され、このピン通し孔51にピン50が挿入されている。なお、ピン50は、止めピン、止め輪、ねじ、かしめ、溶接、圧入等の一般に用いられる固定方法によりピン通し孔51に挿入された状態で、ポスト20に固定されている。
また、ピン50は、そのポスト20から外に延出する部分が、図2に示すように、ヨーク113aの係止孔119の外周部分から当該ヨーク113aの入力軸1の方向に沿ってヨーク113aの側縁近傍までと、逆方向に入力軸1の方向に沿って係止孔119の外周部分から出力側ディスク4,4用の開口部117側の側縁近傍までとなっている。
そして、ピン50のポスト20より外側に露出した外周面は、ヨーク113aの平面状の上面(側面、外面)に当接した状態となっており、固定されたピン50がヨーク113aの揺動を案内する状態となり、ヨーク113aが揺動した場合に、ピン5とヨーク113aの上面との接触部分がほぼ揺動の支点となる。
また、ピン50は、円柱であり、その径は、例えば、実験的にヨーク113aが円滑に揺動する径に決定される。
なお、この例では、前記ポスト20は、前述の入力軸1を貫通させる貫通孔18が形成された環状部材19と、環状部材19の上部から上方に延出する上側の支柱19aと、環状部材19の下部から下方に延出する下側の支柱19aとを備える。
前記支柱19a、19aは、その環状部材19の反対側となる端部(ポスト20の上下端部)が、前述のように、上側シリンダボディ230と、ケーシング101とに固定されるようになっている。
また、ヨーク113a(113b)は、従来と同様に、ヨーク113a(113b)の四隅部分に、トラニオン6の両端部に設けられた枢軸5を揺動自在に支持するため円形の支持孔118が設けられるとともに、その中央部に、前述の二枚の出力ディスクおよび出力歯車を回動自在に支持するケーシング側の支持壁等を配置する略矩形状の開口部117が形成されている。そして、ヨーク113aの開口部117の外側で、かつ、入力軸に望む位置で、さらに、支持孔118の間となる位置に、上述のポスト20の上下両端部が挿入されて係合する係止孔119が形成されている。
以上のようなトロイダル型無段変速機のヨーク揺動構造においては、ポスト20にピン50を貫通するピン通し孔51を形成するだけで、ピン50を固定可能となるので、ヨーク113aの揺動の支点を形成する構造において、ポスト20の加工コストを低減することができる。
また、ヨーク113aには、特に新たな加工の必要がなく、本発明のヨーク揺動構造を採用するにあたってヨーク113aに新たな加工コストがかかることがなく、コストの低減を図ることができる。
また、本発明のヨーク揺動構造では、ヨーク113aの揺動の支点として新たに円柱状部材であるピン50が必要となるが、円柱状部材は、低コストで製造もしくは調達することが可能であり、コストの低減を図ることができる。
したがって、従来よりもより低コストにヨーク113aの揺動を正確かつ円滑に行なう構造を提供することができる。
なお、上記例では、ポスト20の上端部にピン50を取り付け、ピン50により上側のヨーク113aの揺動を案内する状態としたが、ポスト20の下端部にピン50を取り付け、下側のヨーク113bの揺動をピン50により案内する構造としてもよい。
また、ポスト20の上下両端部にそれぞれピン50を取り付け、上下のヨーク113a、113bの両方の揺動をそれぞれピン50で案内するものとしてもよい。すなわち、下側のヨーク113bを揺動自在に支持する球状部分(支持ポスト20b)の下側となるポスト20の下端部にも、図1〜図3の上端部側のピン50の場合と同様にして、円柱状部材であるピン50が貫通した状態に固定するようにしてもよい。このように、同一部品(一体型のポスト20)に上下のヨーク113a、113bの揺動用のピン通し孔51、51を設けることにより、少ない部品数でヨーク113a、113bの運動中心位置を決定でき、したがってヨーク113a、113bとトラニオン6の隙間の管理がし易くなり、組立性を向上させることができる。すなわち、ヨーク113a、113bとトラニオン6の隙間が無くなると、トラニオンが揺動できなくなる。このため、ヨーク113a、113bとトラニオン6の間に小さい隙間を持たせようとすると、従来、選択嵌合を行う必要があり、組立性が低下する。また、隙間を大きくした設計を行っても良いが、隙間が大きくなる分、ヨーク113a、113bの両トラニオン6、6の動きを同期させるという機能が低下する。
また、ピン50の固定位置は、ポスト20の端部に限られるものではなく、上側シリンダボディ230や、ケーシング101のヨーク113a,113bに近接して対向する部分や、上側シリンダボディ230や、ケーシング101に固定された部材にピン50を取り付けるものとしてもよい。この際には、例えば、溝を設け、溝にピン50を圧入するようにして固定してもよい。この場合にピン50の上端部は、溝より上に突出している必要がある。
また、上記例では、上側シリンダボディ230上面と下側のヨーク113bとの距離が短いことにより、ポスト20の下端部でヨーク113bより下に露出する部分にピン50をポスト20に貫通した状態に配置することがスペース的に困難な状態なので、上側シリンダボディ230の上面に溝を形成し、この溝内にピン50を固定することが好ましい。
また、上記例では、上下一体型のポスト20にピン50を固定するものとしたが、上下が分離された支持ポスト20a、20bにピン50を固定するものとしてもよい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などのヨークを用いる様々なトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のヨーク揺動構造を構成する上側のヨーク、ポストおよびピンを示す斜視図である。 前記ヨーク、ポストおよびピンを示す入力軸方向に沿った断面図である。 前記ヨーク、ポストおよびピンを示す入力軸の直交方向に沿った断面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。 従来の具体的構造の一例を示す断面図である。 図6のG−G線に沿う断面図である。 従来のヨークの平面図である。 図8のヨークの揺動状態を示す概略図である。 従来のトロイダル型無段変速機の要部断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
4 出力側ディスク
5 枢軸
6 トラニオン
11 パワーローラ
20 ポスト
43 駆動ピストン(駆動装置)
50 ピン(円柱状部材)
113a,113b ヨーク

Claims (1)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、前記各ヨークをそれぞれ揺動自在に支持する一対の支持ポストとを備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記各ヨークをそれぞれ支持する前記支持ポストどうしがつながれることにより、両端部に前記支持ポストを備えて一部材で構成される一体型ポストを有し、
    前記一体型ポストの両端部には、それぞれ、前記各ヨークの互いに対向する内側の側面に対して反対になる外側の側面に接触して当該ヨークの揺動を案内する円柱状部材が設けられ、
    前記円柱部材は、前記一体型ポストに設けられている孔に固定されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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