JP4971545B2 - 燃料電池用加湿システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水透過型中空糸膜を有する加湿器を備えた燃料電池用加湿システムに関し、更に詳しくは、低湿潤状態のガスが高湿潤状態のガスから好適に水分を回収することができる加湿器を備えた燃料電池用加湿システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水透過型中空糸膜を用いた加湿器としては、例えば特開平7−71795号公報に開示されたものがある。図13に示すように、この加湿器100は、筒状のハウジング101を有している。ハウジング101には、乾燥エア用の第一の流入口102及び第一の流出口103が形成されており、ハウジング101の内部には多数、例えば5000本の中空糸膜からなる中空糸膜束104が収納されている。
また、ハウジング101の両端部には、中空糸膜束104の両端部を開口状態で固定する固定部105,105′が設けられている。固定部105,105′はそれぞれ第一のヘッドカバー108および第二のヘッドカバー109によって覆われている。第1のヘッドカバー108には、湿潤エアを導入する第二の流入口106が形成されており、第2のヘッドカバー109には、中空糸膜束104によって水分を分離・除去された湿潤エアを排出する第二の流出口107が形成されている。
【0003】
このように構成された水透過型中空糸膜を用いた加湿器100では、第一の流入口106から湿潤エアを供給して中空糸膜束104を構成する各中空糸膜内を通過させる。このとき湿潤エア中の水分は、中空糸膜の毛管凝縮作用によって分離され、中空糸膜の毛管内を透過して、中空糸膜の外側に移動する。水分を分離させられた湿潤エアは、第二の流出口107から排出される。
一方、第一の流入口102からは乾燥エア(低湿潤ガス)が供給される。第一の流入口102から供給された乾燥エアは、中空糸膜束104を構成する各中空糸膜の外側を通過する。中空糸膜の外側には、湿潤エアから分離させられた水分が移動してきており、この水分によって乾燥エアが加湿される。そして、加湿された乾燥エアは、第一の流出口103から排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成と作用を有する加湿器を使用して、燃料電池スタックへ十分に加湿された加湿ガスを供給するためには、中空糸膜の本数を大量(例えば40000本)にしてモジュール化しなくてはならず、加湿器に使用する中空糸膜モジュールの径(ハウジングの径)を太くするか、或いは中空糸膜モジュールの使用本数を増やす必要がある。
しかし、中空糸膜モジュールの径を太くしたり、中空糸膜モジュールの使用本数を増やすと、以下のような問題があった。
(1)中空糸膜モジュール内を流れるガス通路の断面積が増えて流速が低下し、中空糸膜の本数を増やした割には十分な加湿量が確保できない。その結果、燃料電池スタックの発電性能が低下する。
(2)また、所定の加湿量を確保するためには、さらに膜面積が必要となるため中空糸膜を大型化する必要がある。
一方、中空糸膜モジュール内のガス通路の断面積と流速、圧損との間には密接な関係があり、流速を上げるためには、ガス通路の断面積を低減しなくてはならず、ガス通路の断面積を低減してガスの流速を上げると以下のような問題があった。
(3)ガスの流速が上がるので燃料電池に供給するガス中の加湿量が増大し、燃料電池スタックの発電出力は向上するが、配管圧損が大きくなり過給機等の消費電力が増えるため、実際に負荷(例えば自動車の走行モータ)に供給できる実出力の割合が低下する。また、最悪の場合、圧損が多くなると過給機の温度が上昇し、破損してしまう。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、低湿潤ガスの流速を高湿潤ガスの流速よりも速くすることができると共に、低湿潤ガス側の圧損を適切な圧損とすることができ、かつ、燃料電池に供給するガスの加湿量も十分に確保できる加湿器を備えた燃料電池用加湿システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明の請求項1に係る燃料電池用加湿システムは、水透過型中空糸膜を内部に備え、該水透過型中空糸膜により、燃料電池から排出される高湿潤状態のガスから前記燃料電池に向かう、前記高湿潤状態のガスよりも高圧の低湿潤状態のガスに水分を移動させる加湿器を具備した燃料電池用加湿システムにおいて、前記加湿器を前記中空糸膜の厚さ方向に断面を得た際、前記加湿器内の前記低湿潤状態ガスの通路の総断面積が前記加湿器内の前記高湿潤状態ガスの通路の総断面積未満となるように設定したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項1の発明に係る燃料電池用加湿システムでは、加湿器内の低湿潤状態ガスの通路の総断面積が高湿潤状態ガスの通路の総断面積未満となるように設定されているため、低湿潤ガス側の流速を高湿潤ガス側の流速よりも速くすることができる。その結果、高湿潤ガス側から低湿潤ガス側への水分回収量を向上させることができ、燃料電池の効率も向上させることができる。
【0008】
請求項2に係る燃料電池用加湿システムの発明は、前記燃料電池用加湿システムにおいて、前記加湿器内の前記低湿潤状態ガスの通路の総断面積が1500mm2を超え5600mm2未満となるように設定したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明に係る燃料電池用加湿システムでは、前記加湿器内の低湿潤状態ガスの通路の総断面積を1500mm2を超え5600mm2未満となるように設定したことにより、低湿潤ガス側の圧損を適切な圧損とすることができ、かつ、燃料電池に供給するガスの加湿量も十分に満足できる値とすることができる。その結果、燃料電池システムの実出力の一番効率の良い性能で運転することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の燃料電池用加湿システムの加湿器で使用される中空糸膜モジュールの1実施形態について図面を参照して説明する。
図1の(a)に示すように、中空糸膜モジュール1は、ハウジング1a,及びこのハウジング1aに収容される中空糸膜束1bを含んで構成される。ハウジング1aは、両端が開放された中空円筒形状をしている。このハウジング1aには、その両端部近傍に開口部がそれぞれ複数個(円周方向に8個程度ずつ)設けてある。ここで、符号1winで示す開口部は高湿潤ガス流入口であり、符号1woutで示す開口部は高湿潤ガス流出口である。また、符号1dinで示すハウジング1aの一端部は低湿潤ガス流入口であり、符号1doutで示すハウジング1aの他端部は低湿潤ガス流出口である。
一方、ハウジング1aに収納される中空糸膜束1bは、図1の(b)に示す中空通路を有する中空糸膜HFを数千本束ねたものであり、ハウジング1aの両端面(円周方向の開口部よりも端側)に中空糸膜HFの中空通路を確保しつつお互いが散らばらないように接着剤で固定してある。
この中空糸膜束1bをハウジング1aに接着してある部分をポッティング部1g,1hというが、このポッティング部1g,1hにより中空糸膜HFの内側である中空通路を通流する低湿潤状態のガスと中空糸膜HFの外側を通流する高湿潤状態のガスとが混合しないようになっている。
ちなみに、このような中空糸膜モジュール1は、ハウジング1aに所定数の中空糸膜HF・HF・・の束を挿通し、両面近傍を接着剤で十分接着固定した後、ハウジング1aの両端に沿って中空糸膜HF・HF・・の束を切断除去することによって作成される。
【0011】
次に、燃料電池用加湿システムを構成する加湿器の中空糸膜モジュール1の特徴について図面を参照して説明する。尚、中空糸膜モジュール1としては、内径が0.3〜0.5mm、外形が0.5〜0.7mmの中空糸膜HFをハウジング1a内に20〜50%充填したものを使用した。
また、これ以降で使用されるガス通路の断面積として使用される言葉の定義を図1(c)を参照して、ここで説明しておく。
(1)中空糸膜内総断面積S1は、ハウジング1a内の1本の中空糸膜HFについて内径基準で断面積を算出し、その値に充填した中空糸膜HFの総本数を掛けた値である。
(2)中空糸膜外総断面積S2は、ハウジング1aの内径基準の断面積の値から1本の中空糸膜HFについて外形基準で求めた断面積の値に充填した中空糸膜HFの総本数を掛けた値を引いた値とする。
【0012】
前記中空糸膜モジュール1を使用した1実施例として、低湿潤ガスと高湿潤ガスとの間で水分交換をしたときの燃料電池の出力と燃料電池へ供給される低湿潤ガスの露点との関係を図2に示す。このとき、中空糸膜モジュール1に導入する両ガスの単位時間当たりの流量は同一である。
この図からもわかるように、燃料電池の出力が高くなるにしたがって露点も高くなり加湿量が向上する。しかし、ガス通路の総断面積で比較すると、図2中の符号Aで示すように、低湿潤ガスのガス通路の総断面積が高湿潤ガスのガス通路の総断面積未満となるように設定する方が、逆の条件である符合Bで示すものに比べて低湿潤ガスの露点が高くなることがわかる。すなわち、低湿潤ガスの流速が高湿潤ガスの流速を超えるようにする方が加湿量を向上させる上で好ましいことがわかる。
一方、図2中の符号Bで示すように、高湿潤ガスのガス通路の総断面積が低湿潤ガスのガス通路の総断面積未満となるように設定すると、低湿潤ガスの流速が高湿潤ガスの流速未満となるので図2中の符号Aで示すようには加湿量を向上させることができない。
従って、図1の(c)の中空糸膜内総断面積S1と中空糸膜外総断面積S2を比較して断面積が小さい方に低湿潤ガスを流すようにすれば加湿量(露点)が高いガスを燃料電池に供給できることがわかる。
【0013】
次に、前記中空糸膜モジュール1内の低湿潤ガスの流速と水分回収量との関係を図3に示す。この図からもわかるように、低湿潤ガスの流速を上げれば高湿潤ガスからの水分回収量は増加する。しかし、低湿潤ガスの流速と水分回収量との関係から定まる最大値を超えることはない。
【0014】
低湿潤ガスのガス通路の総断面積と流速との関係を図4に示す。この図からもわかるようにガス流量が一定の場合は、低湿潤ガスのガス通路の総断面積を大きくすると低湿潤ガスの流速が急激に下がる点がある。
一方、低湿潤ガスのガス通路の総断面積と圧損との関係を図5に示す。この図からもわかるように、低湿潤ガスのガス通路の総断面積を中空糸膜HFの本数を減らす方法で小さくしていくと急激に圧損が上昇する点が出てくる。そのときのガス通路の総断面積は、概ね1500mm2から2000mm2あたりの点である。これらの図4および図5の結果より、ガスの流速が急激に下がらず、かつ、圧損が急激に上昇しない点である圧損が20kPaのときの低湿潤ガスのガス通路の総断面積である1500mm2を低湿潤ガスのガス通路の総断面積の下限値とした。
【0015】
次に、低湿潤ガスのガス通路の総断面積と水分回収量との関係を図6に示す。この図6からもわかるように、低湿潤ガスのガス通路の総断面積を大きくすると水分回収量も大きくなるが、水分回収量は低湿潤ガスのガス通路の総断面積と水分回収量との関係から得られる水分回収量の飽和値を境に以下の理由から飽和またはダウンする。
すなわち、図4に示すように、低湿潤ガスのガス通路の総断面積を大きくすると低湿潤ガスの流速が低下し、図3に示すように、低湿潤ガスの流速が低下すると水分回収量が減少する。一方、図6に示すように、低湿潤ガスのガス通路の総断面積を大きくしていくと、水分回収量はある値までは増加する。本実施の形態では低湿潤ガスに適したガス通路の総断面積は、水分回収量が最高となる概ね5500mm2から5600mm2あたりの点である。
結局、これらの兼ね合いにより最適な低湿潤ガスのガス通路の総断面積が決定される。本実施の形態では、低湿潤ガスのガス通路の総断面積の上限値を5600mm2に設定した。
【0016】
次に、このようにして1500mm2<低湿潤ガス通路の総断面積<5600mm2に設定された中空糸膜モジュール1を使用した燃料電池用加湿システムについて図面を参照して説明する。
最初に、第1実施形態の燃料電池用加湿システムについて図7から図11を参照して説明する。
第1実施形態の燃料電池用加湿システムは、図7に示すように、アノード極に供給される燃料ガス中の水素と、カソード極に供給される酸化剤ガスである空気中の酸素とを反応させて発電する燃料電池10と、前記燃料電池10のアノード極及びカソード極へそれぞれ供給されるガスを、燃料電池のそれぞれの極から排出されるガスとそれぞれ水分交換して加湿する2つの加湿器11,12と、アノード極に燃料ガスを循環しながら供給するエゼクタ13と、カソード極に酸化剤ガスである空気を供給するS/C(スーパーチャージャ)14とから主要部が構成される(燃料電池10は加湿システムの構成に含まれるものとする)。
【0017】
燃料電池10は、固体高分子型の燃料電池であり、燃料ガス中の水素と空気中の酸素とを反応させて発電する。反応式で示すと、下記の通りとなる。(1)式は、アノード極における反応を、(2)式は、カソード極における反応を示し、電池全体としては、(3)式に示す反応が進行する。このように、燃料電池10は、電池反応の進行に伴ってカソード極で生成水が生じる。通常、生じた生成水は、カソード極に供給されている空気中に気化し、未反応の空気と共に燃料電池10から排出される。
2→2H++2e- ------------------(1)
2H++(1/2)O2+2e-→H2O-------(2)
2+(1/2)O2→H2O----------------(3)
尚、固体高分子型の燃料電池10は、電解質層として、固体高分子膜を用い、この固体高分子膜を挟持する一対のガス拡散電極と、ガス拡散電極をさらに外側から挟持して燃料ガスと空気とを分離するセパレータとを有する単セルを複数積層した構造を備えている。
【0018】
加湿器11,12は、前記した水透過型の中空糸膜HFを使用してモジュールを形成した加湿器であり、1500mm2<低湿潤ガス通路の総断面積<5600mm2に設定されている加湿器である。
【0019】
エゼクタ13は、アノード極に供給される燃料ガスを循環するための真空ポンプの1種であり、ノズル、ディフューザ、吸引室等から主要部が構成される。構造が簡単で、操作・保守が容易であり、回転・摺動等可動部分がないので耐久力が大きい。また、吸引ガスの性質によって自由に耐食材料が選べるというメリットもある。
【0020】
S/C(スーパーチャージャ)14は、機械式過給機であり、大気圧の空気を吸引して加圧し、燃料電池10のカソード極に供給するためのものである。
S/C(スーパーチャージャ)14の替わりにリショルム型の容積型圧縮機を使用することもできる。
【0021】
このように構成される第1実施形態の燃料電池用加湿システムの作用について説明する。
エゼクタ13に供給される低湿潤ガスである燃料ガスは、エゼクタ13により吸引・加圧され加湿器11に供給される。
加湿器11に供給された燃料ガス(低湿潤ガス)は、加湿器11内の中空糸膜モジュール1内のガス通路の総断面積が小さい方の通路を通る間に、ガス通路断面積が大きい方の通路を通る燃料電池10のアノード極から排出される排気ガス(高湿潤ガス)により加湿された後、アノード極に供給される。
燃料電池10のアノード極に送られた燃料ガス中の水素は、S/C(スーパーチャージャ)14から燃料電池10のカソード極に供給される空気中の酸素と反応して発電する。燃料電池10で反応に使用されなかった燃料ガスは高湿潤ガスである排気ガス(オフガス)となり、再び加湿器11に供給される。
加湿器11に供給された排気ガスは、中空糸膜モジュール1内のガス通路の総断面積が大きい方の通路を通る間に、エゼクタ13から加湿器11に供給される燃料ガスに水分を与えた後、後工程(例えば触媒燃焼器)へと供給される。尚、加湿器11を出た排気ガスの一部は、エゼクタ13に吸引され再び燃料ガスとしてアノード極に循環される。
一方、S/C(スーパーチャージャ)14により大気中の低湿潤ガスである空気が吸引・加圧され加湿器12に供給される。
加湿器12に供給された空気(低湿潤ガス)は、加湿器12内にある中空糸膜モジュール1内のガス通路の総断面積が小さい方の通路を通る間に、ガス通路の総断面積が大きい方の通路を通る燃料電池10のカソード極から排出される排気ガス(高湿潤ガス)により加湿された後、カソード極に供給される。
燃料電池10で燃料ガス中の水素との反応に使用されなかった空気は高湿潤ガスである排気ガスとなり、再び加湿器12に供給される。加湿器12に供給された高湿潤ガスである排気ガスは、中空糸膜モジュール1内のガス通路の総断面積が大きい方の通路を通る間に、S/C(スーパーチャージャ)14から加湿器12に供給される空気に水分を与えて加湿し、後工程(例えば触媒燃焼器)へと供給される。
【0022】
以上に説明した構成と作用を有する第1実施形態の燃料電池用加湿システムの運転結果を図8から図11を参照して説明する。
最初に、加湿量とスタック出力との関係を図8に示す。図8からもわかるように、低湿潤ガス中の加湿量(水分回収量)を上げて行くと、それに伴ってスタックの出力は大きくなるが、加湿量が増えすぎると、水分が増えることにより燃料電池10のプロトン導電性膜の膜抵抗が大きくなりスタック出力は大きくならなかった。
【0023】
スタック圧力とスタック出力との関係を図9に示す。図9からもわかるように、スタックの圧力を上げて行くと、それに伴ってスタック内の水蒸気分圧が大きくなりスタック出力は大きくなるが、スタック圧力が高くなり過ぎると、スタック内に凝縮水が発生し、水の排出性が悪くなりスタック出力はさらに増大することはなかった。
【0024】
S/C(スーパーチャージャ)14の吐出圧力と消費電力との関係を図10に示す。図10からもわかるように、S/C(スーパーチャージャ)14のような過給機の場合、吐出圧力を高くする(圧損が大きくなる)と消費電流が増加した。
【0025】
最後に、中空糸膜モジュール1の低湿潤ガスの圧損と燃料電池の実出力との関係を図11に示す。図11からもわかるように、図8〜図10との兼ね合いにより中空糸膜モジュール1内での低湿潤ガスの圧損が20kPaを超えると圧損が増えてS/C(スーパーチャージャ)14の消費電力が増えてしまい、実際に使用できる燃料電池10の実出力の割合が減少してしまうので、圧損は20kPa以下が好ましいことがわかった。
【0026】
このように燃料電池10と加湿器11,12とを備えた燃料電池用加湿システムにおいて、前記加湿器11,12が中空糸膜の厚さ方向に断面を得た際、前記加湿器11,12内の低湿潤ガス通路の総断面積が1500mm2を超え5600mm2未満となるように設定したことにより、低湿潤ガス側の圧損を適切な圧損とすることができ、かつ、燃料電池10に供給するガスの加湿量も十分に満足できる値とすることができる。その結果、燃料電池システムの実出力の一番効率の良い性能で運転することが可能となった。
【0027】
次に第2実施形態の燃料電池用加湿システムについて図12を参照して説明する。
第2実施形態の燃料電池用加湿システムと第1実施形態の燃料電池用加湿システムとの構成の違いは、アノード極に供給する燃料ガスとカソード極から排出される排気ガスとの水分交換を行う加湿器11′を設け、前記加湿器11′から排出された排気ガスを、更にS/C(スーパーチャージャ)14により燃料電池10のカソード極へ供給される空気を加湿するための加湿器12′に供給するようにした点が異なる。
また、第1実施形態の燃料電池用加湿システムでは、2つの加湿器11,12で使用される中空糸膜は、どちらも多孔質膜が使用されているが、第2実施形態の燃料電池用加湿システムで使用される中空糸膜は、加湿器11′にはイオン水和作用を用い接するガス中の水分のみの移動が可能な非多孔質膜が、加湿器12′には毛管凝縮作用を用い接するガス中の水分を透過可能な多孔質膜が使用される。
燃料電池10のアノード極に供給する燃料ガスを加湿して供給する加湿器11′に非多孔質膜を使用することにより、燃料ガス(水素含有ガス)とカソード極から排出される排気ガス(酸素含有ガス)との水分交換を行う際に、ガスは通過させずに水分のみをカソード側からアノード側に確実に通過させることができるので、水素ガスと酸素ガスが膜を介して加湿器内で混合することが無い。
【0028】
以下、このように構成される第2実施形態の燃料電池用加湿システムの作用について説明する。尚、第1実施形態の燃料電池用加湿システムと同じ部材に付いては同じ符号を付して説明する。
エゼクタ13に供給された低湿潤ガスである燃料ガスは、エゼクタ13により吸引・加圧され加湿器11′に供給される。
加湿器11′に供給された燃料ガス(低湿潤ガス)は、加湿器11′内の中空糸膜モジュール内のガス通路の総断面積が小さい方の通路を通る間に、ガス通路の総断面積が大きい方の通路を通る燃料電池10のカソード極から排出される排気ガス(高湿潤ガス)により加湿された後、アノード極に供給される。燃料電池10のアノード極に送られた燃料ガス中の水素は、S/C(スーパーチャージャ)14から燃料電池10に供給される空気中の酸素と反応し発電する。燃料電池10で反応に使用されなかった燃料ガスは排気ガスとなり、後工程(例えば触媒燃焼器)へと供給される。尚、排気ガスの一部は、エゼクタ13に吸引され再び燃料ガスとして循環される。
一方、S/C(スーパーチャージャ)14により大気中の低湿潤ガスである空気が吸引・加圧され加湿器12′に供給される。
加湿器12′に供給された空気(低湿潤ガス)は、中空糸膜モジュールのガス通路の総断面積が小さい方の通路を通る間に、ガス通路の総断面積が大きい方の通路を通る加湿器11′から排出される排気ガス(高湿潤ガス)により加湿された後、カソード極に供給される。燃料電池10で燃料ガス中の水素との反応に使用されなかった空気は高湿潤ガスである排気ガスとなり、加湿器11′に供給される。加湿器11′に供給された排気ガスは、中空糸膜モジュールのガス通路の総断面積が大きい方の通路を通る間に、エゼクタ13から加湿器11′に供給される燃料ガスに水分を与えて加湿し、加湿器11′から排出される。加湿器11′から排出された排気ガスは、さらに加湿器12′へと供給され、中空糸膜モジュールのガス通路の総断面積が大きい方の通路を通る間に、S/C(ス−パーチャージャ)14から加湿器12′に供給される空気に水分を与え加湿する。加湿器12′から排出された排気ガスは後工程(例えば触媒燃焼器)へと供給される。
【0029】
以上説明したように、中空糸膜モジュールへ供給される低湿潤ガス及び高湿潤ガスのそれぞれのガス通路の総断面積について、低湿潤ガス通路の総断面積と高湿潤ガス通路の総断面積との関係を低湿潤ガス通路の総断面積<高湿潤ガス通路の総断面積となるように設定したことにより、高湿潤ガスの流速よりも低湿潤ガスの流速を上げることができ、しかも燃料電池10へ供給するガスの加湿量が十分確保できるようになる。
また、低湿潤ガスの流速を速くすることにより高湿潤ガスからの水分回収量が向上するので中空糸膜の本数を少なくでき、結果としてモジュールの小型化という効果も有する。
また低湿潤ガス通路の総断面積を1500mm2<低湿潤ガス通路の総断面積<5600mm2にすることにより適切な圧損と十分な加湿量の両方を確保できるようになり燃料電池システムの実出力の一番効率のよい性能が見出せる。
【0030】
【発明の効果】
以上の構成と作用からなる本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)請求項1の発明によれば、加湿器を備えた燃料電池用加湿システムにおいて、前記加湿器を中空糸膜の厚さ方向に断面を得た際、前記加湿器内の低湿潤ガス通路の総断面積が前記加湿器内の高湿潤ガス通路の総断面積未満となるように設定したことにより、低湿潤ガス側の流速を高湿潤ガス側の流速よりも速くすることができる。その結果、高湿潤ガス側から低湿潤ガス側への水分回収量を向上させることができ、燃料電池の効率も向上させることができる。
(2)請求項2の発明によれば、加湿器を備えた燃料電池用加湿システムにおいて、前記加湿器を中空糸膜の厚さ方向に断面を得た際、前記加湿器内の低湿潤ガス通路の総断面積を1500mm2を超え5600mm2未満となるように設定したことにより、低湿潤ガス側の圧損を適切な圧損とすることができ、かつ、燃料電池に供給するガスの加湿量も十分に満足できる値とすることができる。その結果、燃料電池システムの実出力の一番効率の良い性能で運転することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の燃料電池用加湿システムの加湿器で使用される中空糸膜モジュールを示す構成図である。
(b)前記中空糸膜モジュールの各中空糸膜におけるガスの流れを示す図である。
(c)図1(a)のA−A′断面図;ガス通路の総断面積を表現するのに使用される言葉の定義を説明するための図である。
【図2】本発明に係る燃料電池用加湿システムにおいて、低湿潤ガスである乾燥空気と高湿潤ガスである燃料電池のオフガスとの間で水分交換をしたときの燃料電池の出力と燃料電池へ供給される乾燥空気の露点との関係を示す図である。
【図3】図1に示す中空糸膜モジュール内の低湿潤ガスの流速と水分回収量との関係を示す図である。
【図4】低湿潤ガスのガス通路の総断面積と流速との関係を示す図である。
【図5】低湿潤ガスのガス通路の総断面積と圧損との関係を示す図である。
【図6】低湿潤ガスのガス通路の総断面積と水分回収量との関係を示す図である。
【図7】第1実施形態の燃料電池用加湿システムの全体構成を示す図である。
【図8】第1実施形態の燃料電池用加湿システムの加湿量とスタック出力との関係を示す図である。
【図9】第1実施形態の燃料電池用加湿システムのスタック圧力とスタック出力との関係を示す図である。
【図10】第1実施形態の燃料電池用加湿システムのS/C(スーパーチャージャ)の吐出圧力と消費電力との関係を示す図である。
【図11】第1実施形態の燃料電池用加湿システムの中空糸膜モジュールの低湿潤ガスの圧損と燃料電池の実出力との関係を示す図である。
【図12】第2実施形態の燃料電池用加湿システムの全体構成を示す図である。
【図13】従来の水透過型中空糸膜を用いた加湿器の縦断面図である。
【符号の説明】
10 燃料電池
11,12 加湿器
13 エゼクタ
14 S/C(スーパーチャージャ)
1 中空糸膜内総断面積
2 中空糸膜外総断面積
HF 中空糸膜

Claims (2)

  1. 水透過型中空糸膜を内部に備え、該水透過型中空糸膜により、燃料電池から排出される高湿潤状態のガスから前記燃料電池に向かう、前記高湿潤状態のガスよりも高圧の低湿潤状態のガスに水分を移動させる加湿器を具備した燃料電池用加湿システムにおいて、
    前記加湿器を前記中空糸膜の厚さ方向に断面を得た際、
    前記加湿器内の前記低湿潤状態ガスの通路の総断面積が前記加湿器内の前記高湿潤状態ガスの通路の総断面積未満となるように設定したことを特徴とする燃料電池用加湿システム。
  2. 記加湿器内の前記低湿潤状態ガスの通路の総断面積が1500mm2を超え5600mm2未満となるように設定したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用加湿システム。
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