JP4968832B2 - ワサビのハウス促成栽培システム - Google Patents
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Description
ワサビの生育条件も難しく、従ってワサビ栽培が出来る場所というのは非常に制限されている。
このワサビ田は、沢の中に形成するため、沢水の増水などにより崩れやすく、その維持補修作業も重労働となっている。
平常時においてこのような流量の清水を確保できたとしても、集中豪雨や台風等の異常時には濁流をワサビ田に流入させないための水管理を強いられ、栽培者の負担は重い。
また、定植直後の苗は上述した流水の中で根がなかなか定着しないことから、この流水によって流されることがよくあり、労力の無駄が多い。
さらに、沢水は流量が安定しないため極端な冠水、減水を繰返すことにつながり、ワサビ田全体を全滅させることにもなりかねない。
さらにまた、洗い作業は、圃場全面を可能な限り深く耕して前作のワサビの細根や枯葉、藻類、雑草の根、泥土などを洗い流す作業であるが、これは最も労力を要する。しかしこの作業を充分に行わない場合には、軟腐病、墨入病等の病害に侵されることとなる。病害は泥水や濁水の流入によることもあることから、上記の集中豪雨や台風等の増水時において濁流をワサビ田に流入させないための水管理は、この面でも重要である。
沢水と傾斜地さえあれば、「わさび田」がなくてもわさび栽培を行うことができ、しかもわさび生育を十分なものとすることができて、わさび栽培作業を簡単に行うことのできるわさび栽培方法を提供することを目的として、
図5、6に示されるように、複数の栽培槽20を耕地の傾斜に沿って順次低くなるように配置し、これら各栽培槽20内に、底面等に多数の通水孔を設けた複数の栽培容器を収納することにより、これら各栽培容器を順次低くなるように配置し、前記各栽培槽20の高い位置のものから低い位置のものに配水管40によって順に接続するとともに、これら各栽培槽20内に下端が開口した止水板21を設けて、前記配水管40から供給された栽培水を、前記各止水板21にて一旦止めて下方の開口から下流側へ流すことにより、前記各栽培容器の上流側のものから順に、その下部に前記栽培水を供給するようにしたわさび栽培方法及びその装置、
が提案されている。
また、通水孔を有する栽培容器は完全に栽培水に水没しており、無機培地内の微細な空隙には栽培水が充満していて、空隙に酸素を残存させることができない。このため、ワサビに供給されるべき酸素は栽培水中に溶け込んだもののみからの供給となって、酸素を充分にワサビの根に与えることができず、酸素不足の状況が続くこととなる。このことは、他の一般作物に比べ酸素を特に多く必要とするワサビの根にとって致命的である。
また育成中のワサビに対し上方から散水または噴霧すると、ワサビの葉や茎についた菌、虫等の有害生物・微生物や、培地中の、わさびの生育を抑制する有害物質のアリルイソチオシアネートを自動的に洗い流すことができることから、消毒、害虫駆除に要する作業量を削減して省力化することができる。
したがって、ワサビの栽培規模を大きくしようとすると、このワサビのハウス促成栽培方法を実施するための施設を大型化する必要がある。
この際、ハウスについては大型のものを建築すればよいが、大規模の培地を造成するためには、膨大な量の栽培容器に培地を収容する作業や培地を収容した膨大な量の栽培容器を大型ハウス内に搬入・設置する作業等の作業効率がよくないことから、ワサビをハウスにて促成栽培するための大型施設の建設コストが肥大化する。
しかしながら、ワサビの栽培規模を大きくして、膨大な量の栽培容器を大型ハウスから搬出・搬入して培地を洗浄する作業は、栽培コストの大幅な増額要因となり改善が望まれる。
ハウス内の床上に礫状物から成る培地が適宜厚さに堆積された通気性及び通水性のある畝と、
該培地に向けて上方から栽培用水を潅水する潅水管と、
前記培地内に配設された複数本の暗渠と、
水を加圧供給するポンプと、
を具備するワサビのハウス促成栽培システムにおいて、
ワサビ栽培中にあっては、前記ポンプが前記潅水管に接続されて、前記栽培用水が前記潅水管から前記培地に潅水され、重力によって前記暗渠に集・排水される一方、
ワサビ収穫後にあっては、前記ポンプが前記暗渠に接続されて、培地洗浄用圧力水が前記暗渠から前記培地に導入され、前記圧力水の水圧によって前記培地が洗浄されるようにした。
を具備するワサビのハウス促成栽培システムにおいて、
ワサビ栽培中にあっては、前記ポンプが前記潅水管に接続されて、前記栽培用水が前記潅水管から前記培地に潅水され、重力によって前記暗渠に集・排水されるようにしたから、ワサビの根は、用水に浸され続けることはなく、しかも用水中に溶存する酸素の他に培地の空隙中に残存する酸素を充分に吸収して、ワサビの根茎、茎、葉等の植物体は闊達に、早期に生長することができる。
このことから、ワサビの栽培期間を従来の2年間から1年間に短縮することができ、このため、単位面積当りの収量を倍増することが可能となった。
また育成中のワサビに対し上方から直接散水されるので、ワサビの葉や茎についた菌、虫等の有害生物・微生物や、培地中の、わさびの生育を抑制する有害物質のアリルイソチオシアネートを自動的に洗い流すことができることから、消毒、害虫駆除に要する作業量を削減して省力化することができる。
さらに、前記ワサビのハウス促成栽培システムにおいて、
ワサビ収穫後にあっては、前記ポンプが前記暗渠に接続されて、培地洗浄用圧力水が前記暗渠から前記培地に導入され、前記圧力水の水圧によって前記培地が洗浄されるようにしたから、ワサビの栽培規模を大きくしても、膨大な量の栽培容器を大型ハウスから搬出・搬入することなく、培地を簡単且つ効果的に洗浄することができる。
このため、大量の培地はハウス外に搬出されることなく連作使用されるので、培地に対する取得費用を半減することができる。また、ワサビが軟腐病、墨入病等の病害に侵されることを極力なくし、併せてワサビが自家中毒を起こさないようにする作業を、栽培コストを大幅に低減しつつ実施することが可能となり、ワサビ栽培の管理作業を軽減・合理化することができる。
また、暗渠の下流側先端を水源と連結するだけで、洗浄用圧力水を培地に供給して洗浄することができ、洗浄が終わった余剰水は傾斜床に沿って円滑にハウス外に排出される。
また、散水は、育成中のワサビに対し上方からミスト噴霧すれば、その水がハウス内の空気中を落下する間に、ハウス内の空気と熱交換して、夏季・冬季の高低温期におけるハウス内の温度を平準化することができ、ワサビの休眠期を可能な限り短く生長期を長くして、ワサビの栽培期間をさらに短縮することができる。
さらに、散水用の水を例えば地下水や湧水のような恒温水に求めれば、培地の温度の恒温化を図ることができる。特に100m程度の深井戸の地下水は、その温度が1年間を通じてほぼ一定であるから、培地温の年間変動を相当程度小さくできる。さらに請求項2の育成中のワサビに対し上方から散水または噴霧する構成を付加すると、ハウス内気温の恒温化に寄与しうる。
図1は、本システムの一部である2棟を示す斜視図である。実際には、本システムは、12棟から構成している。この図1に示されたものは、本システム1を被覆するビニールシート2は一部巻き取られて換気用の開口3が設けられ、本システム1内の高温空気は外気と入れ替えられて、本システム1内部の温度が調整されている。
この図において、下方に示す4はワサビを栽培する培地である。
この培地4は、赤玉土、桐生砂、鹿沼土、軽石、豆砂利等の礫状物が、ハウス内において、中央に棟方向に延びる栽培用通路が形成された2列の畝として、それぞれ幅約3.6m、奥行き約63m、厚さ約50cm程度の適宜厚さに、赤玉土、桐生砂、鹿沼土、軽石、豆砂利等の礫状物が堆積された通気性及び通水性のあるものとされている。なお、礫状物しては通気性、通水性、保水性からみて軽石が特に好ましい。
本システム1においては、棟方向には傾斜しないようにしてあるが、ハウス正面あるいは背面に向かって下るように傾斜させても良い。
また、本システム1においては、ハウスの間口サイズが約8mであるため、中央の栽培用通路を最高レベルとして、左右に下る傾斜面としているが、間口サイズによっては、中央の栽培用通路を省いて左右いずれか一方向へ傾斜させることとしても良い。
この図において、5は、培地を堆積する基盤となる傾斜床、6は、ハウス両側部に掘削形成された溝である。この傾斜床5は、重力により流下する栽培用水を受け止めるものである面からすると、透水性であっても非透水性であっても構わないが、本システム全体の重量を長い期間に亘って支える面からみると非透水性であることが望ましい。
培地4の両側面と両端面、すなわちその四周は、例えば縦長の板状体を間隔をあけて傾斜床5に打ち込むことによって、通気性及び通水性のある状態で囲繞する。
こうすることによって、栽培用水や洗浄用圧力水の水圧に耐え、畝が崩壊することを効果的に防止することができる。
1つは、空気中を落下中に地下水である栽培用水内に溶存酸素を補給しつつワサビに潅水する潅水管である潅水用系統7、2つは、ハウス1内の空気と熱交換する熱交換用系統8である。
上記潅水用系統7は、年間を通じて潅水されるもので、その流量は、0.5l/分・m2である。この系統を通じてワサビに好適な酸素と栄養を供給することができる。
また、上述の熱交換用系統8は先端に噴霧用ノズルを備えており、主として夏季と冬季に0.5l/分・m2の地下水が噴霧される。このことにより、ハウス1内の空気が冷却又は加温される。
熱交換用系統8から噴霧されたミストは、ハウス内の空気中をゆっくりと降下する間にハウス内の空気と熱交換する。
なお、ハウス1内の空気が異常に上昇または低下すれば。春・秋季であっても当然に空調される。
図においては、遮光カーテン9がハウスの天井部にのみ示されていて図示が省略されているが、本システム1においては、ハウスの両側面及び両端面にも張設してある。
潅水管7から散水された栽培用水は、飛散してワサビの葉、茎、根にあたった後、培地4内に浸み込む。
この浸み込んだ潅水は、従来のワサビ田や上記特許文献1に記載されたもののように、水平方向の水流を形成しないで、重力により下方向へ流れる。このため、潅水量を調整することにより、培地4の礫状物の間隙には、ほとんどの間空気が存在することとなる。
このことにより、培地4中のワサビの根は、流下水に触れて必要な水分を吸収することができる一方で、絶えず水に没しているわけではないから、礫状物の間隙に存在する空気から酸素を効率よく吸収することができる。
本システム1においては、暗渠10は培地4内に傾斜した状態で、その下流側先端をハウスの両側部に掘削形成された溝6に臨ませてあるから、潅水管7から散水された栽培用水を培地4から集水して、暗渠10内を流下する排水は溝6に排出され、溝6内に一方向に流れる水流が形成される。
このことにより、冬季においてハウス屋根部に積雪があった場合、この水流が、ハウス屋根部から落下する雪を下流側へ流し去る作用を呈し、ハウスの間に積もった雪の除雪作業を極めて省力化あるいは不要とすることができる。
このとき、ポンプに接続された洗浄用圧力水供給管の先端は、ハウスの両側部に掘削形成された溝6に臨ませた暗渠10の下流側先端に、接続具を介して接続される。
ポンプを駆動すると、洗浄用圧力水が暗渠10の上面に穿設された集水用孔から噴出して、培地内に残留しているワサビの根や枯葉等の残渣、塵埃を引き連れて、培地4の表面や側面に噴流となって噴き出て、培地外へ流し出される。
このようにして、培地内に残留しているワサビの根や枯葉等の残渣、塵埃が除去されることとなる。
また、図4は、ハウス内外の年間を通じての最高・最低気温を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明に係るワサビのハウス促成栽培方法について詳細に説明する。
用水の無機成分含有量は、ワサビの生育にとって最も重要な要素である。ワサビは、窒素、カリウム、カルシウムを特に吸収し、リン酸とマグネシウムについては、これらの5分の1程度の吸収量である。
そこで、用水の無機成分含有量について、静岡県のわさび田で用いられている湧水と、本発明において地下水として用いた用水を比較し、表1に示す。
無機成分含有量の比較(単位はmg/l(pH以外))
注1:湧水のデータは、わさび優等田10箇所の平均値。静岡わさび研究所(1940)のデータによる。
注2:用水のデータは、2001.11〜2002.7までのデータの平均値。
pH、アンモニア、塩素、亜硝酸、ケイ酸については、ほぼ同値であるが、硝酸については約7倍、硫酸、石灰、苦土については約2倍、用水の方が多い。
また、用水のリン酸は湧水の約30分の1、同カリウムは同約5分の1である。
一般的に、無機成分が多いわさび田は、これが少ないわさび田に比べ生育・品質・収量とも良好となる。
しかしながら、優等田と称されているわさび田の湧水であっても、リン酸・カリウムについては、実験地における用水とほぼ同濃度の湧水もあることから、この用水にあってもワサビの生育上問題はないと考えられる。
さらに、用水中の濁り成分は、培地の透水性を阻害するため、ワサビの根が酸素不足を起こし、根腐れ等の障害に繋がる恐れがあるが、用水の外観は無色透明(色度・濁度とも0.5度未満)であり、何の障害もない。
湧水の溶存酸素は、水温が12℃前後の時約10mg/lである。用水の溶存酸素は、最低で7.1mg/l(平成13年11月採水)と低かった。このため用水は、曝気して酸素溶存量を増やして(曝気後は9.6mg/l平成14年4月採水))から使用するのが好ましい。
地下水内に溶存酸素を補給する方法としては、上述の潅水用系統7から地下水を散水する方法が最もが、汲み上げた地下水を一旦ハウス内又はハウス外に設けた地下水貯留槽内に貯留し、該貯留槽内に設けた攪拌装置を回転させて曝気する方法や、前記潅水用系統7の配管途中に空気導入管を設けて、この管の空気導入口から空気を吹き込んでもよい。
これら方法を付加することにより、地下水中にワサビ生育に必要な酸素を更に溶存させることが可能となり、ワサビのハウス促成栽培方法に有利となる。
ワサビを栽培するに際して望ましい水温は、年間を通して8〜17℃であり、生育最適温度は12〜13℃である。また、年間水温較差は少ないほどよく、3℃以内であれば最適とされている。
そして、水温が18℃以上になると、ワサビが罹病しやすくなり、その栽培が困難になる。一方水温が低下すると、8℃以下で生育が鈍り、5℃以下で生育停止に陥る。
本発明に用いた地下水(深度100m)の温度は、年間を通して11℃〜14℃であり、ワサビ育成用水として最適温度範囲内にあることが判明した。
今回実施例として実際に使用した用水は、この地域に特有の水質ということではなく、日本国内で100m程度の深さの井戸から汲み上げられる地下水であれば、ほぼ同程度の水温と無機成分含有量を期待することができる。
したがって、深井戸の地下水は、必要に応じて溶存酸素量を高めることにより、十分ワサビ育成用の用水として用いることができるものである。
用水水温の年間推移は表2・図3の通りであった。
各月の平均水温(℃)
ワサビの生育気温範囲はおおよそ8〜18℃で、最適は12〜15℃とされている。
そして、気温8℃以下で生育が鈍り、同5℃以下で生育は停止する。さらには、気温が−3℃以下になると凍寒障害が発生する。
一方、気温が25℃以上になると、軟腐病、株腐病等が発生する。また、射日光が強すぎると、日焼けが生じることがある。
このようにワサビは、気温や日光照度の条件が崩れることで生理的障害が起きたり、罹病しやすくなる性質を持つ。
このため、主として夏・冬のハウス内の室温を調整する必要がある。
そこで本実施例では、ハウス内外に温度計を設置し、ハウス内外の気温の変化をみながら、随時温度調整をしている。
図4は、ハウス内外で測定した最高・最低気温をプロットしたものである。
春から夏にかけての、直射日光の影響を和らげるために、地上から1.7m付近に寒冷紗を張って遮光を行った。
また、日中はハウスの裾のビニールシートを巻き上げるなどして、換気した方が生育障害を少なくする事が出来た。
図4に於いて5月から9月にかけて、ハウス内最高気温が30℃程度となっているが、これは換気のためビニールシートを一部持ち上げたため、ハウス内外における気温較差が無くなったためである。
このとき、地上から1.6m付近に取り付けたシャワーにより、天気のよい日中は15分間隔でハウス内に霧状に散水した。
その結果、ハウス内1.6m以下のワサビ培地付近の気温は、高温時である7月,8月においても18℃〜20℃を保つ事が出来た。
ハウス1内空気の高温時における温度調整は、前記灌水用散水管7とは別系統の熱交換用系統8の給水管の開口端に噴霧用ノズルを取り付け、このノズルから14℃前後の地下水をハウス全域に噴霧して、ハウス1内空気と熱交換を行ってハウス内を冷却する。
この噴霧用ノズルから噴霧する地下水の流量は、0.5l/分・m2である。
したがって、高温時における地下水の散水量は、前述の栽培用のものと併せて1.0l/分・m2となる。
冬季には、8℃以下になるとワサビの生育が遅延し、5℃以下になるとほぼその生育が停止すると言われている。
冬季においても、前記高温時と同じく前記熱交換用系統8の給水管の開口端に取り付けた噴霧用ノズルから11℃前後の地下水をハウス全域に噴霧して、ハウス1内空気と熱交換を行ってハウス内を加温する。
この噴霧用ノズルから噴霧する地下水の流量は、前述の高温時の流量と同じ0.5l/分・m2である。
この加温システムにては十分にハウス1内温度を上げることができないときは、ハウス1内にファンコイル(図示せず)を設置し、このファンコイル内を通る地下水の熱エネルギーを利用して、加温力を増強することが望ましい。
このことにより、最低外気温が氷点下を記録したにもかかわらず、地下水温が冬場でもワサビ栽培の最適温度に近い12℃弱と安定しており、またその水を利用したファンコイルによりハウス内の気温は、外気温と比較して十分暖かかった。
2 ビニールシート巻取軸
3 換気用開口部
4 培地
5 傾斜床
6 溝
7 潅水用系統(潅水管)
8 熱交換用系統
9 遮光カーテン
10 暗渠
Claims (4)
- ハウス内の床上に礫状物から成る培地が適宜厚さに堆積された通気性及び通水性のある畝と、
該培地に向けて上方から栽培用水を潅水する潅水管と、
前記培地内に配設された複数本の暗渠と、
水を加圧供給するポンプと、
を具備するワサビのハウス促成栽培システムにおいて、
ワサビ栽培中にあっては、前記ポンプが前記潅水管に接続されて、前記栽培用水が前記潅水管から前記培地に潅水され、重力によって前記暗渠に集・排水される一方、
ワサビ収穫後にあっては、前記ポンプが前記暗渠に接続されて、培地洗浄用圧力水が前記暗渠から前記培地に導入され、前記圧力水の水圧によって前記培地が洗浄される、
ことを特徴とするワサビのハウス促成栽培システム。 - 前記畝は、その四周を通気性及び通水性のある板材によって囲繞されていることを特徴とする請求項1に記載されたワサビのハウス促成栽培システム。
- 前記床は、前記畝の幅方向に傾斜する傾斜床とされ、前記暗渠は、ハウスの棟方向に所定間隔を置いて複数本前記傾斜床に沿って前記培地内に配設され、下流側先端をハウスの外部に臨ませていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載されたワサビのハウス促成栽培システム。
- ハウスの棟方向両側に前記畝に沿った溝を掘削形成し、該溝内に下流側先端が臨む暗渠内を流下する排水を前記溝に排出して、前記溝内に一方向に流れる水流を形成し、ハウス屋根部から落下する雪を下流側へ流し去ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたワサビのハウス促成栽培システム。
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