JP4967908B2 - 光記録媒体 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の記録層を備える光記録媒体に関する。
情報記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)
等の光記録媒体が広く利用されている。更に、近年、照射光として青色又は青紫色のレーザー光を用いることにより、従来よりも大容量の情報を記録可能とした光記録媒体が注目されている。
又、光記録媒体は、データの追記や書換えができないROM(Read Only Memory)型、データの書換えができるRW(Rewritable)型、データを1回だけ追記できるR(Recordable)型に大別される。
RW型やR型の光記録媒体は、記録層にレーザー光が照射されて、周囲のスペース部よりも反射率が変化した記録マークが形成されることによりデータが記録される。一般的な光記録媒体は、記録層にレーザー光が照射されて記録マークの反射率とスペース部の反射率の差をフォトデティクタが検出することでデータが再生されるようになっている。
このような光記録媒体は、複数の記録層を備えることで、それに応じて記録容量を増大することが可能である。
複数の記録層を備えた多層光記録媒体の場合、光入射面から最も遠い記録層以外の記録層は、照射光の一部を透過する必要があるが、本発明者等が、n層(nは3、5)の多層光記録媒体を試作したところ、例えば、光入射面から最も遠い記録層(L層)に情報を記録する場合、レーザー光が透過する光入射面側の記録層(L〜Ln−1層)に、既に記録マークが形成されているか否かで、Ln-1層からL層を通過して当該L層に到達する光量の変化が、従来予想されているよりも大幅に異なることが判明した。
多層になればなるほど、光透過する記録層の数だけ記録前後の透過率が大きくなることは容易に想像でき、且つ、記録層の数が2層から3層、5層に増えるときに、光透過が必要な記録層は1層から2層、4層になるが、本発明者等は記録前後の透過率変化比が2倍、4倍よりも大きくなることを発見した。このために、L層からLn-1層の記録マー
クの有無によって、想像以上に各記録層の記録条件が大きく変わるため、同じ条件で記録しようとすると、十分な記録ができないという問題が判明した。
又、この傾向が、3層以上の記録層をもつ記録媒体において特にL層を記録したときにL層への透過率変化比が顕著に変わることを見出した。
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、光入射面から最も近い記録層以外の記録層に情報を記録する場合に、レーザー光が透過する光入射面側の記録層の記録の有無に関わらず、同一の記録パワー条件にしても十分に記録が出来るようにした多層光記録媒体を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意研究の結果、レーザー光入射面から最も遠い側からL層、L層、L層の少なくとも3層の記録層を含む多層光記録媒体において、各記録層におけるレーザー光入射面側からの透過率変化値の累積値が0.93以上1.07以下となるように、各記録層を構成する記録膜を選択することにより、各記録層における記録前後の記録感度の変動を抑制して、同一の記録パワーの条件でも十分な記録ができることを見出した。
即ち、以下の各実施例により上記課題を解決するものである。
(1)レーザー光入射面から最も離れた側から順次配置された、少なくともL層、L層、L層の3層の記録層を含み、前記各記録層には、レーザー光が照射されることにより周囲のスペース部に対して反射が変化した記録マークが形成される光記録媒体であって、前記各記録層は、前記L層以外のすべての記録層に記録マークを形成したときにL層に到達する光の透過率をTaとし、且つ、前記L層以外のすべての記録層に記録マークが形成されていない状態のときにL層に到達する光の透過率をTbとし、レーザー光入射面側からの光透過率の変化比Tb/Taが0.93<Tb/Ta<1.07となる記録膜から構成されたことを特徴とする光記録媒体。
(2)レーザー光入射面から最も離れた側から順次配置された、少なくともL層、L層、L層の3層の記録層を含み、前記各記録層には、レーザー光が照射されることにより周囲のスペース部よりも反射が変化した記録マークが形成される光記録媒体であって、前記各記録層は、前記L層以外のすべての記録層に記録マークを形成したときに、L層を記録するための最適記録パワーをPwaとし、且つ、前記L層以外のすべての記録層に記録マークが形成されていない状態のときにL層を記録するための最適記録パワーをPwbとし、レーザー光入射面側からの最適記録パワーの変化比Pwa/Pwbが0.93<Pwa/Pwb<1.07となる記録膜から構成されたことを特徴とする光記録媒体。
(3)前記レーザー光入射面に最も近い記録層における記録膜の材料に対して、他の記録層のうち少なくともL層における記録膜の材料が異なることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光記録媒体。
(4)前記レーザー光入射面に最も近い記録層における記録膜の消衰係数が0.5以下であることを特徴とする(3)に記載の光記録媒体。
本発明によれば、L層、L層、・・・Ln−1層の記録層を有する多層光記録媒体において、L層からLn−1層に記録の有無によるL層に到達する透過率変化比の累積値を7%以下にしているので、L層からLn−1層での記録の有無に関わらず、同じ記録パワーでも十分に良好な記録信号を得ることが出来る。
以下本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
実施例1に係る光記録媒体10は、基板12上に反射膜14を含むL層16、L層18、L層20、L層22、及びL層24の記録層をこの順で設けてなる5層構造となっている。
前記L層16〜L層24の間には各々スペーサ層17、19、21、23が配置されている。又、光記録媒体10のレーザー光入射面側は、光透過層26により構成されている。
前記基板12は、表面にグルーブ(図示省略)が転写された厚さ1.1mmのポリカーボネートからなり、L層16は、基板12側に設けられた反射膜14を含んでなり、この反射膜14は、厚さ100nmのAgPdCu合金(98:1:1、mol%)から構成されている。
更に、L層16は、図1に示されるように反射膜14及びこの上に積層された厚さ40nmのZnS・SiO(誘電体、80:20、mol%)/厚さ6nmのCu及び厚さ6nmのSi(記録)/厚さ40nmのZnS・SiO(誘電体、80:20、mol%)から構成されている。
層18も、L層16の反射膜14を除いた部分と同様のZnS・SiO(80:20、mol%)/Cu/Si/ZnS・SiO(80:20、mol%)からなるが、これらの厚さは、各々110nm、5nm、4nm、及び27nmである。
又、L層20〜L層24はそれぞれ、TiO(誘電体)/Bi−Ge−O(記録膜)/TiO(誘電体)から構成されている。
これらTiO/Bi−Ge−O/TiOの、L層20〜L層24における厚さ及びBi−Ge−O(記録膜)の組成は、表1に示されるようになっている。
Figure 0004967908
又、スペーサ層17、19、21、23は、透光性を有するアクリル系紫外線硬化性樹脂、エポキシ系紫外線硬化性樹脂等のエネルギ基線硬化性樹脂を用いることができ、各々の厚さは、15μm、21μm、13μm、15μmとした。
更に、光透過層26は、厚さ40μmの、前記スペーサ層と同様の透光性を有するアクリル系あるいはエポキシ系紫外線硬化性樹脂等のエネルギ(図示省略)線硬化性樹脂を用いることができる。
なお、基板12には、グルーブが凹凸パターンとして形成されていて、この上に形成されたL層16〜L層24は、基板12と同様の凹凸パターンとなっている。
光記録媒体10におけるそれぞれの記録層を積層しない状態での反射率を測定するために、それぞれのポリカーボネート基板に成膜した上に100μmの光透過層を塗布した光記録媒体を作製した。この光記録媒体を光ディスク評価機(ODU−1000、パルステック工業社製、波長=405nm、NA=0.85)にて反射率R’を評価したところ、
積層前における反射率R’は表2の右端に示されるようになっていた。
Figure 0004967908
又、L層24の記録膜をグルーブの無い基板に成膜し、消衰係数をETA―RT(STEAG ETA−Optick社製)を用いて測定したところL層24のBi−Ge−O記録膜の消衰係数は0.08であった。
上記のような、実施例1に係る光記録媒体10における、対象記録層(記録・再生しようとする記録層)よりもレーザー光入射面側の全ての記録層に記録した時に、対象記録層に情報を記録し、再生時のJitterが最小になる最適記録パワーをPwaとし、このときにレーザー光の入射面から対象記録層の直前まで透過する光量の割合をTaとする。対象記録層よりもレーザー光入射面側の全ての記録層が未記録状態で、対象記録層に情報を記録したときの、再生時のJitterが最小になる最適記録パワーをPwbとし、このときにレーザー光入射面から対象記録層の直前まで透過する光量の割合をTbとする。
Tb/Taは対象記録層よりもレーザー光の入射光側にあるすべての記録層に情報を記録したとき、または全く記録しなかったときの累積された透過率変化を示すことになる。一方、対象記録層よりも一つレーザー光入射面側の記録層を記録済とした際に、その記録層を通過する光の割合をTa’とし、対象記録層よりも一つレーザー光入射面側の記録層が未記録とした際に、その記録層を通過する光の割合をTb’とすると、Tb’/Ta’は対象記録層よりも一つレーザー光入射面側にある記録層のみについて情報を記録したとき、又は、対象記録層よりもレーザー光の入射面側のみについて記録層に情報を全く記録しなかったときの該記録層のみの透過率変化を示している。
前記表2に、各記録層におけるPwa、Pwb、Tb/Ta、Tb’/Ta’、R’を示す。このときのPwa、Pwbは光ディスク評価機(ODU−1000)にて求めた。各記録層ごとに記録ストラテジーは最適化を行い、記録信号はランダム信号を用い、記録パワーは3値で行い、基底パワーは0.5mWとした。
Pwa、Pwbを求める際の最適記録パワーの測定では、同一の記録ストラテジーを用い、中間記録パワー/記録パワーの比は、一定にして測定を行った。このときの記録および再生時の線速は4.9m/sの条件で行った。
ここでPwaとPwbの最適記録パワーの違いは記録層に到達する光量の違いによって生じている。該記録層への光の透過率が100%としたときの最適記録パワーをPwとすると、Tb/Taは次のことから求めることが出来る。
Pw=Pwa*Ta、 Pw=Pwb*Tb
Tb/Ta=Pwa/Pwb
層におけるTaをTa、TbをTbとし、PwaをPwa、PwbをPwbとすると、Tb/Taは、Tb/Ta=Pwa/Pwbと示すことが出来る。同様にL層におけるTb/Taの比率はTb/Ta=Pwa/Pwbになる。5層の記録を持つ媒体については、TaからTa、TbからTbについても同様に示すことが出来る。ただし、Ta、Tb、Ta’およびTb’については、L層よりも光入射面側に位置する記録層が存在しないことから1(=透過率100%)となる。
また、Ta、Tbはレーザー光の入射面からL層の直前まで透過する光量の割合であることから、記録層が5層の場合は次式で示すことが出来る。このときL・・L層におけるTa’をTa’・・Ta’とそれぞれ示し、Tb’も同様にTb’・・Tb’と示す。
Ta=Ta’*Ta’・・*Ta
Tb=Tb’*Tb’・・*Tb
Tb、Taについても同様に、
Ta=Ta’*Ta’・・*Ta
Tb=Tb’*Tb’・・*Tb
となる。
TbからTb、TaからTaについても同様に示すことが出来る。これらの式を展開すると、
Tb’/Ta’=(Tb/Ta)/(Tb/Ta
になり、Tb/Taおよび、Tb/Taは、それぞれPwa/Pwb、Pwa/Pwbとなることから各最適記録パワーからTb’/Ta’を導くことが出来る。
層以外の記録層のTb’/Ta’についても同様に求めることが出来る。上記に示すようにTb/Ta=Pwa/Pwbで算出することが出来るため、最適記録パワーを測定することにより各記録層の透過率変化比を容易に求めることが出来る。
このようにして透過率変化比をもとめたところL層〜L層まで記録をした場合には、L層について、大きな透過率変化は起きなかった。しかし、L〜L層まで記録をした場合には、L層について、大きな透過率変化が発生した。表2に、各記録層におけるPwa、Pwb、Tb/Ta、Tb’/Ta’を示す。L層は、レーザー光の入射面から最も近い側に配置されており、透過したレーザー光が照射されることはないため、PwaはPwbと同等とし、Tb/Ta、Tb’/Ta’については「1.00」で示す。
この実施例1に係る光記録媒体10では、累積される透過率変化比が、L層18では0.95(5%)、L層16では0.96(4%)と抑制することができた。
一般的に、多層光記録媒体、例えば2層のDVDにおいては、透過率変化比は7%以下、好ましくは5%以下が許容される。
従って、この実施例1に係る光記録媒体においては、最大の累積される透過率変化比Tb/Taが0.96(4%)であり、5層光記録媒体であっても、ほとんどJitterを悪化させることなく、記録することができる。
実施例2に係る光記録媒体30は、図2に示されるように、基板12上にL層36、L層38、L層40をそれぞれスペーサ37、39を間にして配置したものである。各層の膜構成厚み及び記録膜の組成は、表3に示されるようになっている。
Figure 0004967908
この実施例2に係る光記録媒体30における、それぞれの記録層の積層しない状態での反射率を測定するために、それぞれをポリカーボネート基板に成膜した上に100μmの光透過層を塗布した光記録媒体を作製した。この光記録媒体を光ディスク評価機にて反射率R’を評価したところ、積層前における反射率は表4の右端に示されるようになっていた。又、表2と同様に各記録層のPwa、Pwb、Tb/Ta、Tb’/Ta’、R’を示す。実施例1と同様の方法でL層のBi−Ge−O記録膜の消衰係数を求めたところ0.13であった。
Figure 0004967908
この実施例2においても、L層36とL層38における累積された透過率変化比が最大でそれぞれ0.98となり、許容される透過率変化比が7%以下又は5%以下の範囲となった。
[比較例1]
実施例1の光記録媒体10と同様の5層の記録層を有する比較例の光記録媒体を作製し
た。この比較例1では、実施例1の光記録媒体10に対して、L層の構成のみが異なり、L層〜L層は同様の構成とした。この比較例2の光記録媒体における各層の厚さ、記録膜の組成は、表5に示されるようになっている。
Figure 0004967908
又、この比較例1に係る光記録媒体について、表2と同様に各記録層のPwa、Pwb、Tb/Ta、Tb’/Ta’、R’は、表6に示されるようになった。
Figure 0004967908
この比較例においては、L層における累積される透過率変化比が0.9となり、(即ち、記録感度が10%変化し)L層よりも入射光側にあるL層からL層のすべての記録層に情報が未記録のときに最適な記録パワーで、L層からL層のすべての記録層に情報が記録された場合に記録すると、十分な記録ができないことが分かる。このときのL層よりも入射光側にあるL層からL層のすべての記録層に情報が未記録のときに最適な記録パワー10.2mWの記録パワーで記録した際に、すべての記録層に情報が
未記録の場合、6%のJitterが得られた。一方、L層からL層のすべての記録層に情報が記録された場合に、10.2mWの記録パワーで記録した場合には8.5%のJitterになった。Blu−rayディスクでは6.5%以下のJitterが求められており、8.5%のJitterでは十分な信号が得られないことがわかる。
[比較例2]
比較例2に係る光記録媒体は、表7に示されるように、L層、L層、L層の3層構造であって、基本的には、図2に示される実施例2に係る光記録媒体30と同様の構成であるが、実施例2に対して、L層の構成が異なり、L層の構成はほぼ同一となっている。
Figure 0004967908
この比較例2の光記録媒体について、表4と同様に各層のPwa、Pwb、Tb/Ta、Tb’/Ta’、R’を示す。実施例1と同様の方法でL層のBi−Ge−O記録膜の消衰係数を求めたところ0.13であった。
Figure 0004967908
表8からは、L層における累積される透過率変化比が0.93となり、L層よりも入射光側にあるL層からL層のすべての記録層に情報が未記録のときに最適な記録パワーを用いて、L層からL層のすべての記録層に情報が記録された場合に記録すると、十分な記録ができないことが分かる。
[比較例3]
次に、図3を参照して、比較例3に係る光記録媒体100について説明する。
この光記録媒体100は、実施例1の多層光記録媒体10におけるL層、L層と同様の構成のL層102及びL層104の2層の記録層を備える構成である。他の構成については、実施例1と同一符号を用いることとして説明を適宜省略することとする。
この比較例3の光記録媒体100における各層の厚さ、記録膜の組成は、表9に示されるようになっている。又、この比較例3に係る光記録媒体100の、各記録層における、Pwa、Pwb、Tb/Ta、Tb’/Ta’を表10に示す。
Figure 0004967908
Figure 0004967908
表10からは、L層102に累積される透過率変化が非常に小さいことがわかる。
本発明者等は、3層以上の多層光記録媒体において、何故上記のように累積される透過率変化比が許容値を超えてしまうという問題が発生するのかを、次のように見出した。
まず、記録層において、記録前後の透過率変化比が無い状態とは、「記録前後の反射量差」=「記録前後の光吸収量差」となることを意味する。
多層光記録媒体では、記録層の積層後に、各記録層における反射率をほぼ同一に設計することが好ましい。このため、表2に示すように基板/該記録層/光透過層のみで構成したときの反射率は、光入射面側から遠い記録層ほど高くなることが必要になる。、又、記録マークの変調度(記録層マーク部分の反射率の変化量/スペース部分の反射率)は未記録部分の50%以上になることが求められるため、基板側の記録層(光入射面から遠い記録層)ほど記録前後の反射率差を大きくする必要がある。
光を透過する複数の記録膜に同一の記録膜材料を用いて設計する場合、反射率の調整は誘電体の材料や厚さを変えることで可能であるが、記録後の吸収量の変化は記録膜材料に大きく依存する。
例えば、比較例1で示すようにBi−Ge−O記録膜を用いる場合、2〜4%程度の反射率であるL層ならびにL層は記録前後の透過率差は非常に小さいが、4%を超えるL層、L層では、記録後の透過率が非常に大きくなっている。一方で実施例1、実施例2にてL層に用いているSi/Cu系の記録層のTb’/Ta’は、1.01または1.00であるが、この記録層のレーザー光入射光側の誘電体の厚さを調整し反射率を2%に設計するとTb’/Ta’は1.04になった。Bi−Ge−O系記録膜を使っている実施例1のL、L層よりも記録後の透過率差が生じることがわかっている。
即ち、上記に記載したように記録前後の透過率差が小さいのは記録前後で生じる反射率変化が記録後の吸収率変化とつりあっているからに過ぎない。3層以上の多層媒体のように透過率の異なる複数の記録層を持つ場合、各記録層で異なる反射率が必要になることから、各記録層で異なる反射率差が生じる。このため、各記録層で記録前後の透過率差を無くすためには、各記録層で異なる吸収率差を持つ必要が生じるが、各記録層の吸収率の変化は記録膜材料に依存するため、3層やそれ以上の多層光記録媒体のように全く異なる反射率に合わせて各記録層の記録後の吸収率差を調整することは不可能である。このため2層の記録層をもつ光記録媒体のときに記録前後の透過率差が、ほとんど問題にならなくても3層以上の記録層になると透過率差の問題が顕著に現れるのはこのためである。
本発明者等は、種々試行錯誤の結果、実施例1、2のように、累積透過率変化比が0.93以上1.07以下となるようにするためには、レーザー光入射面に最も近い記録層(実施例1においてはL層、実施例2においてはL層)における記録膜の材料に対して、他の記録層のうち少なくともL層における記録膜の材料が異なるようにすると、容易に達成できることが分かった。
これは、実施例1および実施例2で用いたL層用の記録膜材料が、基板、該記録層、光透過層の順序で作製したときの反射率が6%付近になった場合に記録前後の透過率差が最も小さくなるためである。特にL層の積層前の反射率と、最もレーザー光入射面側の記録層の反射率が大きく異なっていることから、最もレーザー光入射面側の記録層の記録膜材料に対してL層の記録膜材料を変えることは非常に効果的である。又、この場合、実施例1におけるL層又は実施例2におけるL層の記録膜の消衰係数を0.5以下とすると、高い透過率を有するために、積層後の状態でも反射率の低下が少なくなる。このため各層の望まれる反射率が下がるために、多層の積層が容易になることが分かった。
上記実施例1において、光記録媒体10は、5層の記録層16、18、20、22、および24がスペーサ層17、19、21、23と交互に形成された5層記録媒体であるが、4層の記録媒体や、6層以上の多層記録式の光記録媒体についても本発明は同等の効果を有する。
又、上記実施例1、実施例2において、光記録媒体10、30は片面のみに情報を記録可能である片面記録式とされているが、両面に記録層が形成された両面記録式の光記録媒体に対しても本発明は適用可能である。
又、上記実施例1、実施例2において、光記録媒体10、30は、基板12よりも光透過層26が薄い構成であるが、DVDのように基板と、光透過層とが等しい厚さを有する光記録媒体に対しても本発明は適用可能である。
更に、上記実施例1、実施例2において、光記録媒体10、30は、NA=0.85、波長=405nmのBlu−ray(商標)ディスクシステムを用いて評価を行ったが、これらと異なる波長や異なるNAに対しても本発明は適用可能である。
本発明の実施例1に係る光記録媒体を模式的に示す断面図 同実施例2に係る光記録媒体を模式的に示す断面図 比較例3に係る光記録媒体を模式的に示す断面図
符号の説明
10、30…光記録媒体
12…基板
16、36…L
18、38…L
20、40…L
22…L
24…L
26…光透過層(光入射面)

Claims (4)

  1. レーザー光入射面から最も離れた側から順次配置された、少なくともL層、L層、L層の3層の記録層を含み、前記各記録層には、レーザー光が照射されることにより周囲のスペース部に対して反射が変化した記録マークが形成される光記録媒体であって、
    前記各記録層は、前記L層以外のすべての記録層に記録マークを形成したときにL層に到達する光の透過率をTaとし、且つ、前記L層以外のすべての記録層に記録マークが形成されていない状態のときにL層に到達する光の透過率をTbとし、レーザー光入射面側からの光透過率の変化比Tb/Taが0.93<Tb/Ta<1.07となる記録膜から構成されたことを特徴とする光記録媒体。
  2. レーザー光入射面から最も離れた側から順次配置された、少なくともL層、L層、L層の3層の記録層を含み、前記各記録層には、レーザー光が照射されることにより周囲のスペース部よりも反射が変化した記録マークが形成される光記録媒体であって、
    前記各記録層は、前記L層以外のすべての記録層に記録マークを形成したときに、L層を記録するための最適記録パワーをPwaとし、且つ、前記L層以外のすべての記録層に記録マークが形成されていない状態のときにL層を記録するための最適記録パワーをPwbとし、レーザー光入射面側からの最適記録パワーの変化比Pwa/Pwbが0.93<Pwa/Pwb<1.07となる記録膜から構成されたことを特徴とする光記録媒体。
  3. 請求項1又は2において、
    前記レーザー光入射面に最も近い記録層における記録膜の材料に対して、他の記録層のうち少なくともL層における記録膜の材料が異なることを特徴とする光記録媒体。
  4. 請求項3において、
    前記レーザー光入射面に最も近い記録層における記録膜の消衰係数が0.5以下であることを特徴とする光記録媒体。
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