JP4967784B2 - マイクロ波プラズマ発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマを安定的に真空チャンバー内で発生する装置に関する。特に、真空成膜プロセスに用いるマイクロ波プラズマの発生に関する。
蒸着やCVD(化学的気相堆積法)による真空薄膜形成で、膜の硬度を向上させることや密着性を向上させるためにプラズマアシスト、プラズマ処理、もしくはプラズマCVDプロセスなどが有効とされている。プラズマは、放電や熱、光などを電離エネルギーとしてイオンや電子を生成および維持することで得られる。
放電によるプラズマ生成は、電界でイオンや電子を加速、衝突、電離させて行うため、減圧下においても容易であり、利便性の高い方法として知られている。電界の発生には、直流(Direct Current, DC)方式、交流(Alternating Current, AC)方式、高周波(Radio Frequency, RF)方式、マイクロ波(Micro Wave, MW)方式などが代表例として挙げられる。
これらの方式では、電界の中でプラズマを維持することから、陽極と陰極の間においてプラズマが発生できるが、マイクロ波方式では電極を必要としない無極放電が可能である。具体的には、導波管または空洞共振器内の強い電界を使うことで、プラズマ密度の高い放電が得られる。
特許文献1には、マイクロ波プラズマは真空蒸着法において蒸発された原子または分子がマイクロ波でイオン化され、あるいは励起され、そのため合成樹脂フィルムに向上した特性を有するコーティング層を形成すると記載されている。しかし、マイクロ波をプラズマ化するためには、真空容器の内側のサイズに対して、ほとんど同じ幅のホーンアンテナが必要であることと、ホーンアンテナに無数の孔を形成しておき、その孔と空間の数を調整し整合範囲を狭めているため、大きな圧力変動に対して効率よくマイクロ波がプラズマにエネルギーが伝達しないという問題点があった。
また、特許文献2に代表されるようにECRプラズマは、マイクロ波の2.45GHzと磁場による共鳴作用によって低圧力での高密度プラズマが比較的簡単に得られることは良く知られているが、磁石が必要であるのと、電子ビームの軌道に対して干渉してしまう問題点があった。
特許3360848号 特開平8−60373号
電磁波の波長に比べて十分広い空間では、電界強度の分布が一定とならずに放電プラズマが発生しないという問題がある。特にマイクロ波のような波長の短い電磁波を用いた場合、プラズマが発生せず、電磁波漏洩防止シールドとして設置されている金属メッシュなどが加熱されて、電磁波のエネルギーが消費されてしまうことがある。また、プラズマが発生している場合でも、プロセスに必要な部分ではなく例えば配管の裏側や覗き窓近傍など目的の場所以外で発生することがあり、熱に弱い場所を破損する問題があった。
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、プラズマを目的の領域で効率よく発生させることが可能なプラズマ発生装置を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、真空容器内にプラズマを発生するマイクロ波プラズマ発生装置であって、
マイクロ波を発生するマイクロ波発振器と、
不要なマイクロ波反射電力から発振器を保護するためのアイソレータと、
マイクロ波を伝搬させる導波管と、
マイクロ波のインピーダンスを調整する整合器と、
真空容器内に導入された前記導波管の先端に設置され、複数のスロットアンテナを有するスロット導波管と、
前記スロット導波管のスロットアンテナ面上に設置される平板状の誘電体と、
前記スロット導波管のスロットアンテナ面と直交した面に設置され、かつマイクロ波の放射方向に突き出している平板状のアース電極面と、
真空容器内にガスを導入する金属製のガスパイプとを備え、
前記スロットアンテナは、前記スロットアンテナ面のスロット溝であり、前記平板状のアース電極面は、前記スロット導波管の長辺面と電気的に導通し、かつ、前記ガスパイプは、前記平板状のアース電極面と電気的に導通しており、
前記ガスパイプは、前記スロットアンテナのスロット溝と同じ個数の分岐した先端を有し、かつ、その先端が前記アース電極面から垂直に突起して各スロット溝の正面に配置され、該ガスパイプより吹き出たガスによって、プラズマを発生することを特徴とするマイクロ波プラズマ発生装置である。
請求項2の発明は、λgを前記スロット導波管内でのマイクロ波の伝搬波長、nを正の整数としたとき、前記スロットアンテナの各スロット溝を中心間隔n・λgにて配置し、前記スロット導波管の管内における定在波の山が、各スロット溝の中央部に位置するように調整するための可動式反射板を前記スロット導波管の両端部に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波プラズマ発生装置である。
請求項3の発明は、マイクロ波の空間伝搬波長をλとしたとき、前記ガスパイプの先端がスロットアンテナ部よりλ/2だけ離れたところに位置し、かつ前記アース電極面から垂直に突起している長さがλ/4であり、かつ該アース電極面とガスパイプが電気的に導通していることを特徴とする、請求項1乃至2に記載のマイクロ波プラズマ発生装置である。
請求項4の発明は、前記アース電極面は、少なくとも前記スロット導波管と同等以上の長さを持ち、かつ、マイクロ波の放射方向への突き出し部分の幅がλ以上の長方形であることを特徴とする、請求項1乃至3に記載のプラズマ発生装置である。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ発生装置により真空容器内で発生させたプラズマによりプラズマアシスト蒸着を行うことを特徴とする、真空薄膜形成装置である。
請求項6の発明は、アルミニウムの真空蒸着による成膜中に、真空容器内に酸素ガスを導入してプラズマを発生させてプラズマアシスト蒸着を行うことを特徴とする、請求項5記載の真空薄膜形成装置である。
本発明により、真空チャンバー内部が広い空間となってもガスパイプがアンテナとなり、ガス噴出口のみにプラズマを集中させることができる。さらにガスパイプによるガス噴出口が多数配置されているので、幅広のプラズマ領域を得ることができる。よって、蒸着やCVD等の成膜プロセスに本装置を用いればプラズマを効率良く利用することができる。また、ECRプラズマのようにマイクロ波とプラズマの共鳴磁場、すなわち周波数2.45GHzの場合、875×10−4[T](=875[Gauss])の強磁場を作らなくとも圧力が低い領域でも安定してプラズマを生成することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明におけるマイクロ波プラズマ発生装置を備えた真空容器を模式的に表した側面図である。
先ず、マイクロ波を発生する発振器1、不要なマイクロ波反射電力から発振器を保護するためのアイソレータ2、マイクロ波を伝播させる導波管3、真空容器内にマイクロ波を放射するためのスロットアンテナ6を多数配置したスロット導波管5、そしてスロット導波管側のマイクロ波のインピーダンスと、マイクロ波発振器側のインピーダンスとを整合させるために必要な整合器4を具備している。スロットアンテナ6前面には真空容器9と導波管内およびスロット導波管内を分離させる誘電体8が備わり、スロット導波管5の上面よりマイクロ波の放射方向にアース電極面10が広がり、各スロットアンテナ6の正面にはプラズマ化したガスを噴出すためのガスパイプ11がアース電極面10より突き出した構成となっている。
ここで、各部について簡単に説明する。先ず、マイクロ波発振器1は、マグネトロンを代表とする一般的なマイクロ波発振管が使用され、工業用高周波利用設備の割り当て周波数である2.45GHzを利用するのが最も標準的な仕様である。最近では、マイクロ波発振管であるマグネトロンのかわりに、半導体を用いて電子回路的に発振させるものも開発されてはいるが、大電力化が難しく主力はマグネトロンである。
次にアイソレータ2であるが、負荷側つまりスロット導波管5側から不整合によって戻ってきたマイクロ波電力がマイクロ波発振器1に帰還して、発振器1に損傷を与えるのを防止させるために用いる。アイソレータ2の中身は一般的に3ポートのサーキュレータ構成であり、発振器1からの電力は、ポート1からポート2へ出力され、その先には負荷がある。負荷の不整合による反射電力はポート2からポート3に出力され、ポート3には終端器が接続されているので、反射電力はすべて熱に変換され、ポート3からの反射電力は無く、従ってポート3からポート1に戻ってくる電力は零である。よって、発振器1にはどんな場合でも負荷からの反射電力が戻ってくることはない。
次にマイクロ波を伝搬させる導波管3であるが、発振周波数や電磁界の進行方向による各種モードにて形状が決まるが、一般的にはTE波の基本モードの利用を考慮し、2.45GHzでは、EIAJ形名WRJ−2(内径寸法109.22×54.61mm)が多く使われている。
次に、マイクロ波のインピーダンスを調整する整合器4は、E−Hチューナー、スタブチューナー、4Eチューナーなどが挙げられるがどれを用いても構わない。
真空容器9内にマイクロ波を放射するためのスロット導波管5について、図2および図3、図4を用いて説明する。図2はスロット導波管5のスロットアンテナ部6について示した斜視図であり、図3はスロット導波管5、スロットアンテナ部6、誘電体8、アース電極10、ガスパイプ11、可動式反射板7を示した正面図である。図4は図3を横方向から眺めた側面図である。
図2において、マイクロ波発振器1で発生したマイクロ波は、導波管3を介してスロット導波管5の中央部分に入力され、スロット導波管5の左右に同位相で均等な強度で分配される。マイクロ波は導波管3およびスロット導波管5の内部空間を伝播するので、導波管3およびスロット導波管5の内部は空間的につながっており、その接合部分には特に仕切りは設けられていない。
この分配時の分配損失を最小限にするために、スロット導波管5のサイズは、発振器から伝搬される導波管3と同じサイズのものを使用することが多い。しかし、スロット導波管の小型化等の目的でサイズを変更する場合、導波管とスロット導波管の接合部に整合部分を設けて損失を極力抑える方法もあり、この場合も本発明の範囲とする。
次に、スロットアンテナ6はスロット導波管の短辺面(E面)に存在し、スロット導波管内のマイクロ波の進行方向に沿ってスロット溝が開口している。スロット導波管内を伝搬するマイクロ波の波長をλg、nを正整数とすると、各スロット溝の中心間隔がn・λgで配列されているときに最も効率よくマイクロ波を放射することができる。また、各スロット溝の開口長がλg/2程度のとき、最も効率よくマイクロ波を放射することができる。
また、スロット導波管の終端部には可動式反射板7がある。各スロット溝から外部に放射されなかったマイクロ波は、この可動式反射板7に当たって中央部に向かって進行し反対側の可動式反射板7に当たってということを繰り返して、スロット導波管5内で定在波として存在するようになる。その定在波の波高が最大になる部分がスロット溝の中央部にくるように、可動式反射板7は位置調整される。このようにすることによって、各スロット溝からは、ほぼ同位相・同強度のマイクロ波が放射されることになる。尚、実際にはスロット溝の開口幅でマイクロ波の放射量が変化するので、各スロット溝からの放射が均一になるようにその開口幅は調節されている。
また、本実施形態ではスロットアンテナ部の各スロット溝は、直線形状でマイクロ波の進行方向と平行になるように配置しているが、各スロット溝を直線形状から多少変形させたり多少斜めにした配置したりしてもよく、各スロット溝から同位相かつ均等な強度でマイクロ波が放射されるのであれば、本発明の範囲とする。
次に図3および図4における誘電体8は、スロットアンテナ面の前面に、スロット導波管5内部と真空容器9内部との間に気密を保てる状態(O−リングを介した圧着や接着剤による接着など)にて設置される。これは、プラズマを発生させやすい圧力は、0.1[Pa]〜10[Pa]程度であるので、真空容器9内部の圧力をその範囲とし、導波管3内またはスロット導波管5内部の圧力はそれより約2桁高くするか低くして圧力差をつけておけば、導波管3内またはスロット導波管5内ではなく真空容器9内部でプラズマを発生させることができるからである。
もし、スロット導波管5内部も0.1〜10[Pa]の圧力範囲であるならば、スロット導波管5内でもプラズマが発生して余分なエネルギーを消費するばかりか、希望する場所にプラズマが発生しないと考えられ、不都合である。誘電体はマイクロ波の誘電損失が低くかつ圧力差があっても変形しないものが好ましく、単結晶の誘電体材料は誘電損失が低くなるためより好ましい。
次に、アース電極10とガスパイプ11の組み合わせについて説明する。ガスパイプ11は、マイクロ波によって生ずる電界エネルギーを効率良く受けるアンテナとして重要な役割を果たす。このアース電極10とガスパイプ11により、ガスを導入したときにガスパイプ11がマイクロ波の電界エネルギーを受け、ガス排出口よりプラズマを発生させることができる。
空間上でのマイクロ波の波長λとすると、スロットアンテナ6からガスパイプ11までの距離をλ/2、アース電極10からのガスパイプ11先端までの長さをλ/4にしたときに、ガスパイプ11先端部でのインピーダンスが最大になり、電界強度が最大となるため、プラズマが発生しやすいので好ましい。
この状態を実現するために、アース電極10はスロット導波管5の長辺面(H面)に確実に接続され、高周波的な接地面として存在し、さらにガスパイプ11とアース電極10の接続点においても確実に導通状態であり、ガスパイプ11の基準電位ゼロ点として存在することが、ガスパイプ11先端部で最大電界を得る上で重要なことである。
図3に示したように、ガスパイプ11はスロットアンテナ6のスロット溝と同じ数だけ分岐し、その各先端が各スロット溝の中央正面に対向するように配置する。また、スロットアンテナ6からガスパイプ11の各先端までの距離を、空間上でのマイクロ波の波長λの1/2とすれば、スロットアンテナ6の放射インピーダンスに影響を与えることがない。
また、アース電極10のサイズは、大きいほどプラズマ発生部分とアース電極面10の反対側の影響を分離することができるが、真空容器内の配置上の問題もあるので、少なくともスロット導波管5の長さと同等以上であり、マイクロ波の空間伝搬波長λの長さ以上の幅を持った長方形であることが望ましい。
図3に示したように、アース電極面10におけるプラズマ発生部側と反対面でのガスパイプ11はトーナメント状に分岐しており、これはガスパイプ11の各先端の排出口での流量流速を同じにするためである。また、ガスパイプ11の各排出口はマイクロ波の進行方向と同じ向きにしており、ターゲット部へ確実にプラズマが到達するよう配慮したものである。
本発明によるマイクロ波プラズマ発生装置を用いて、真空蒸着による成膜中の真空容器内でプラズマを発生させ、プラズマアシスト蒸着法を行うことができる。基材の材質としては、金属、ガラス、プラスチックなどを選択することができ、基材の厚さはフィルム、シート、パネルなど特に制限はない。
蒸着では、10−3〜10−2[Pa]の圧力範囲で行うことが多いが、ガスパイプをアンテナとして用いたプラズマ発生装置はこの圧力範囲でもプラズマを発生することが可能である。よって、蒸着材料がプラズマにより活性化され基材への着力向上や膜の緻密化が実現できる。また、酸素やアンモニアなどの反応性ガスをプラズマ化して金属蒸気から酸化物や窒化物の膜を作成することができる。具体的な例を挙げれば、金属Alから電子ビーム加熱法によってAl蒸気を発生させ、同時に酸素プラズマを発生させることで、アシストによって高品質なAlOx膜を作成することができる。ここで言う高品質は、ガスバリア性の高いということである。
以上で説明したプラズマ発生装置は、巻取り蒸着装置のアシスト源としても利用することができる。巻取りをおこなうためフレキシブルな基材が用いられ、ロール・トゥ・ロールによって大量生産に適するため、好ましい。その場合、公知の数あるフレキシブル基材として特に制限はない。基材の透明性を重視する場合でも、高分子透明プラスチック基材は、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。例えばポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などが挙げられるが特に限定されない。また、基材フィルム厚みは限定するものではないが、用途に応じて、6μmから200μm程度が使用しやすい。
マイクロ波は2.45GHzの周波数を用い、導波管はEIAJ形名WRJ−2(内径寸法109.22×54.61mm)、整合器は4Eチューナーを使用した。スロット導波管は、図2においてスロットアンテナ部を4素子としたもので、スロット導波管内のマイクロ波伝搬波長λgが147.87mmであるので、スロット溝の開口長は約74mmとし、スロット溝幅は約5mmとした。また、各スロット溝の中心間隔は約148mmとして配置した。
誘電体は石英ガラスを使用して、導波管内およびスロット導波管内の圧力を真空容器よりも低くするためにターボポンプによって導波管内の圧力を10−4[Pa]付近とした。図4のように、アース電極の大きさは、長さはスロット導波管の長さとほぼ同じくらいの650mmで、スロット導波管のE面より飛び出している部分の幅は約200mmで、厚さ1.5mmの銅板をスロット導波管のH面と接するように取り付けた。
ガスパイプはSUS316製の3/8インチのパイプを用いて先端部分はL字となるように90度曲げ加工をした。2.45GHzのマイクロ波の空間上での波長λは122mmであるので、スロットアンテナ部から61mm離して銅板に穴を開け、アース電極とガスパイプ先端部の長さが31mmとなるようにガスパイプを固定した。ガスパイプからArガスを真空容器内に導入し流量を変化させ、圧力を1.8×10−2[Pa]、5.6×10−2[Pa]、1.2×10−1[Pa]としマイクロ波の電力を1.0[kW]としてプラズマが発生するか調べた。
この結果、上記の圧力の変化に対しても、プラズマが安定して維持することが確認できた。これは、スロットアンテナ部において、圧力変化によるマイクロ波の放射インピーダンスの変化が少ないため、常に安定してエネルギー放射ができるので、プラズマが維持できると考えられる。
スロット導波管によるスロットアンテナ部およびアース電極および適切な長さのアンテナ兼ガスパイプを使うことで、マイクロ波の波長に比べて広い空間において圧力変化があっても、十分に安定したマイクロ波プラズマを発生させることができるため、比較的低い圧力でのプラズマプロセスに応用できる。特にアシスト蒸着では、低圧で行うことで蒸発レートが高いまま反応性アシスト蒸着が可能となるので、生産性が高く高品質な蒸着膜を提供することができる。
本発明の装置の全体図である。 本発明におけるスロット導波管部の斜視図である。 本発明におけるプラズマ発生部の正面図である。 本発明におけるプラズマ発生部の側面図である。
符号の説明
1 ・・ マイクロ波発振器
2 ・・ アイソレータ
3 ・・ 導波管
4 ・・ 整合器
5 ・・ スロット導波管
6 ・・ スロットアンテナ
7 ・・ 可動式反射板
8 ・・ 誘電体
9 ・・ 真空容器
10 ・・ アース電極
11 ・・ ガスパイプ

Claims (6)

  1. 真空容器内にプラズマを発生するマイクロ波プラズマ発生装置であって、
    マイクロ波を発生するマイクロ波発振器と、
    不要なマイクロ波反射電力から発振器を保護するためのアイソレータと、
    マイクロ波を伝搬させる導波管と、
    マイクロ波のインピーダンスを調整する整合器と、
    真空容器内に導入された前記導波管の先端に設置され、複数のスロットアンテナを有するスロット導波管と、
    前記スロット導波管のスロットアンテナ面上に設置される平板状の誘電体と、
    前記スロット導波管のスロットアンテナ面と直交した面に設置され、かつマイクロ波の放射方向に突き出している平板状のアース電極面と、
    真空容器内にガスを導入する金属製のガスパイプとを備え、
    前記スロットアンテナは、前記スロットアンテナ面のスロット溝であり、前記平板状のアース電極面は、前記スロット導波管の長辺面と電気的に導通し、かつ、前記ガスパイプは、前記平板状のアース電極面と電気的に導通しており、
    前記ガスパイプは、前記スロットアンテナのスロット溝と同じ個数の分岐した先端を有し、かつ、その先端が前記アース電極面から垂直に突起して各スロット溝の正面に配置され、該ガスパイプより吹き出たガスによって、プラズマを発生することを特徴とするマイクロ波プラズマ発生装置。
  2. λgを前記スロット導波管内でのマイクロ波の伝搬波長、nを正の整数としたとき、前記スロットアンテナの各スロット溝を中心間隔n・λgにて配置し、前記スロット導波管の管内における定在波の山が、各スロット溝の中央部に位置するように調整するための可動式反射板を前記スロット導波管の両端部に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波プラズマ発生装置。
  3. マイクロ波の空間伝搬波長をλとしたとき、前記ガスパイプの先端がスロットアンテナ面よりλ/2だけ離れたところに位置し、かつ前記アース電極面から垂直に突起している長さがλ/4であり、かつ該アース電極面とガスパイプが電気的に導通していることを特徴とする、請求項1乃至2に記載のマイクロ波プラズマ発生装置。
  4. 前記アース電極面は、少なくとも前記スロット導波管と同等以上の長さを持ち、かつ、マイクロ波の放射方向への突き出し部分の幅がλ以上の長方形であることを特徴とする、請求項1乃至3に記載のプラズマ発生装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ発生装置により真空容器内で発生させたプラズマによりプラズマアシスト蒸着を行うことを特徴とする、真空薄膜形成装置。
  6. アルミニウムの真空蒸着による成膜中に、真空容器内に酸素ガスを導入してプラズマを発生させてプラズマアシスト蒸着を行うことを特徴とする、請求項5記載の真空薄膜形成装置。
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