JP4966186B2 - 新規ピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた抗腫瘍効果を有する2’−デオキシ−2’−シアノピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩に関するものである。
細胞の増殖異常を特徴とする癌は、現在も治療の難しい疾患であり、効果的な治療薬の開発が望まれている。細胞増殖には核酸生合成が必須であることから、これまで核酸代謝を阻害する核酸代謝拮抗剤の開発が精力的に行われてきた。
その中で、シチジン系核酸代謝拮抗剤の創製も精力的に行われ、例えば、シタラビン(非特許文献1)、アンシタビン(非特許文献2)、シタラビンオクフォスファート(非特許文献3)及びゲムシタビン(特許文献1)等が開発され、臨床治療で使用されている。
これらの化合物は、DNAポリメラーゼ又はリボヌクレオチドリダクターゼを阻害することでDNA合成を阻害し抗腫瘍活性を示す。これらの薬剤の臨床治療成績は一定の成果を挙げているものの、シタラビン、アンシタビン及びシタラビンオクフォスファートは固形癌に効果を示さないことが知られている(非特許文献4)。また、ゲムシタビンの使用は、限定された癌種のみ(非特許文献4)であることなどから、抗腫瘍活性としては未だ満足できるものではない。
このような問題点を克服するために、DNA鎖切断活性を有する2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(CNDAC)が開発され、これまでのシチジン系化合物とは異なる抗腫瘍活性が期待されている(特許文献2、非特許文献5、6)。さらに、4−N−パルミトイル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(P−CNDAC、特許文献3、非特許文献7、8)、及び5’−ホスファチジルピリミジンヌクレオチド(特許文献4)が、経口剤として開発されている。これらのCNDAC化合物は、注目すべき抗腫瘍活性を有することが示されている(非特許文献5〜8)。
しかしながら、これら既存のCNDAC化合物は未だ上市に至っておらず、より優れた抗腫瘍活性を有し、かつ経口投与可能なシチジン系抗腫瘍剤の開発、市場導入が強く望まれている。
特公平6−37394号公報 特許第2559917号公報 特許第2569251号公報 特開平7−179491号公報 Evance,J.S.et al.Proc.Soc.Exp.Bio.Med.,106,350(1961) Hoshi,A.et al.Gann,67,725(1972) Kodama,K.et al.Jpn.J.Cancer Res.,80,679−685(1989) Matsuda,A.,et al.Cancer Sci.,95,105−111(2004) Matsuda,A.,et al.J.Med.Chem.,34,2919-2922(1991) Azuma,A.,et al.J.Med.Chem.,36,4183−4189(1993) 松田彰、佐々木琢磨.蛋白質 核酸 酵素,43,1981−1989(1998) Katz,M.H.et al.Cancer Res.,64,1828−1833(2004)
本発明の目的は、既存のピリミジンヌクレオシド化合物より優れた抗腫瘍効果を示す、新規なピリミジンヌクレオシド化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示されるピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩が、経口投与において既存のCNDAC化合物よりも優れたバイオアベイラビリティを示し、且つ優れた抗腫瘍活性を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 0004966186
[式中、X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であることを示し、R及びRは、一方が水素原子、アミノ基でモノ置換された炭素数1乃至6のアルキル基を有するカルボニル基、又は(R)(R)(R)Si−で表される基、他方が(R)(R)(R)Si−で表される基であることを示すか、又は一緒になって式−Si(R)(R10)−基を示し6員の環状基を形成してもよく、R、R、R、R、R又はRは置換基を有してもよい炭素数1乃至10の直鎖状又は分岐状アルキル基、置換基を有してもよい炭素数3乃至6の環状アルキル基、置換基を有してもよい炭素数6乃至14のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数6乃至14のアリール基が1又は2個置換した炭素数1乃至6のアルキル基を示し、R及びR10は置換基を有してもよい炭素数1乃至6の直鎖状又は分岐状アルキル基を示す。]
で表される新規ピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で表される化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で表される化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する抗腫瘍剤を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で表される化合物又はその塩の医薬製造のための使用を提供するものである。
さらに本発明は、一般式(1)で表される化合物又はその塩の有効量を投与することを特徴とする腫瘍の治療法を提供するものである。
本発明の新規ピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩は、優れた抗腫瘍活性を示すとともに、優れた経口吸収性を有し、抗腫瘍剤として有用である。
ヒト大腸癌株KM20Cに対する化合物19、CNDAC、及びP−CNDACの等毒性用量における腫瘍体積変化を示した図である。
本発明の新規ピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩は上記一般式(1)で表され、3’位、5’位にシリル基を有することを特徴とする化学構造を有する化合物である。
3’位、5’位にシリル基を有するCNDAC化合物は、前述のCNDAC化合物の合成中間体としていくつかの化合物が知られている(例えば、特許文献2、3)。しかし、一般式(1)に示す本発明化合物のようなCNDAC化合物は開示されていない。また上記合成中間体についての抗腫瘍活性についても、全く知られていない。
一般式(1)中、R、Rで示される「アミノ基でモノ置換された炭素数1乃至6のアルキル基を有するカルボニル基」の「炭素数1乃至6のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が例示され、好ましくは、イソブチル基である。
一般式(1)中、R、R、R、R、R又はRで示される「炭素数1乃至10の直鎖状又は分岐状アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、テキシル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基であり、より好ましくは、R、R、Rのいずれか1つ、又はR、R、Rのいずれか一つが、同一又は相異なって炭素数3乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基であり、残りが同一又は相異なって炭素数1乃至4の直鎖状又は分枝状アルキル基である。
一般式(1)中、R、R、R、R、R又はRで示される「炭素数3乃至6の環状アルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示され、好ましくは、シクロプロピル基、シクロヘキシル基であり、より好ましくは、シクロプロピル基である。
一般式(1)中、R、R、R、R、R又はRで示される「炭素数6乃至14のアリール基」としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R、R、R、R、R又はRで示される「炭素数6乃至14のアリール基が1又は2個置換した炭素数1乃至6のアルキル基」の「炭素数6乃至14のアリール基」としては前記の炭素数6乃至14のアリール基を示し、「炭素数1乃至6のアルキル基」としては前記の炭素数1乃至6のアルキル基を示し、例えばベンジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、R又はR10の有してもよい「置換基」としては、同一又は異なって、置換数1乃至3の、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数1乃至3の直鎖状又は分枝状アルキル基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1乃至6のアルコキシ基;アミノ基;塩素、臭素等のハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基等が挙げられる。
一般式(1)中、R及びRで示される「(R)(R)(R)Si−」及び「(R)(R)(R)Si−」としては、例えばtert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチル−n−オクチルシリル基、ジメチルテキシルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、n−プロピルジメチルシリル基、n−ブチルジメチルシリル基、イソブチルジメチルシリル基、n−ペンチルジメチルシリル基、n−ヘキシルジメチルシリル基、ジメチル−tert−ヘキシルシリル基、n−デシルジメチルシリル基、(3,3−ジメチルブチル)ジメチルシリル基、2,3−ジメチルプロピルジメチルシリル基、ジ−tert−ブチルメチルシリル基、ジ−n−ブチルメチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、n−オクチルジイソプロピルシリル基、n−オクチルジイソブチルシリル基、シクロヘキシルジメチルシリル基、ジシクロヘキシルメチルシリル基、イソプロピルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジフェニル(ジフェニルメチル)シリル基、p−トリルジメチルシリル基、ビフェニルジメチルシリル基、m−フェノキシフェニルジメチルシリル基、ビフェニルジイソプロピルシリル基、トリ(2−ビフェニル)シリル基、トリ(o−トリル)シリル基、トリ(2−メトキシフェニル)シリル基、トリベンジルシリル基、ベンジルジメチルシリル基、フェネチルジメチルシリル基、(3−フェニルプロピル)ジメチルシリル基、p−(tert−ブチル)フェネチルジメチルシリル基、フェネチルジイソプロピルシリル基、ネオフィルジメチルシリル基、ブロモメチルジメチルシリル基、クロロメチルジメチルシリル基、4−クロロブチルジメチルシリル基、(ジクロロメチル)ジメチルシリル基、3−クロロプロピルジメチルシリル基、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシリル基、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロ−n−デシルジメチルシリル基、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロ−n−オクチルジメチルシリル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−n−ヘキシルジメチルシリル基、ビス(クロロメチル)メチルシリル基、ペンタフルオロフェニルジメチルシリル基、ペンタフルオロフェニルプロピルジメチルシリル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルジメチルシリル基、[3−(クロロメチル)フェニルエチル]ジメチルシリル基、[4−(クロロメチル)フェニルエチル]ジメチルシリル基、アセトキシエチルジメチルシリル基、3−アセトキシプロピルジメチルシリル基、3−メタクリルオキシプロピルジメチルシリル基、3−シアノプロピルジイソプロピルシリル基、[3−(トリメチルシロキシ)プロピル]ジメチルシリル基、n−ブチルジイソプロピルシリル基、ジイソプロピル−n−プロピルシリル基、ジイソプロピル(2,2−ジメチルプロピル)シリル基、(3−メチルブチル)ジイソプロピルシリル基、(2−エチルブチル)ジシクロプロピルシリル基、tert−アミルジエチルシリル基、tert−ブチルジイソブチルシリル基、ジエチル(3−メチルペンタン−3−イル)シリル基、イソブチルジイソプロピルシリル基、ジエチル(2−メチルペンタン−2−イル)シリル基、シクロプロピルジイソプロピルシリル基、ジシクロプロピルイソブチルシリル基、ジイソプロピル(3−メトキシプロピル)シリル基、(3−エトキシプロピル)ジイソプロピルシリル基、[3−(tert−ブチルオキシ)プロピル]ジイソプロピルシリル基、tert−ブチルジ(3−エトキシプロピル)シリル基、又は3−フェノキシプロピルジメチルシリル基が挙げられ、好ましくはtert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、シクロヘキシルジメチルシリル基、トリイソブチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−n−オクチルシリル基、ジシクロプロピル(2−エチルブチル)シリル基、ジエチル(3−メチルペンタン−3−イル)シリル基、tert−ブチルジイソブチルシリル基、シクロプロピルジイソプロピルシリル基、又はジメチルテキシルシリル基であり、より好ましくはtert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−オクチルシリル基、シクロプロピルジイソプロピルシリル基、又はジメチルテキシルシリル基であり、特に好ましくはトリイソプロピルシリル基、シクロプロピルジイソプロピルシリル基、又はジメチルテキシルシリル基である。
一般式(1)中、R及びR10の示す「炭素数1乃至6の直鎖状又は分岐状アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
<好ましいピリミジンヌクレオシド化合物>
本発明化合物において好ましくは、一般式(1)において、X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であり、R及びRは、一方が水素原子、アミノ基でモノ置換された炭素数1乃至6のアルキルを有するカルボニル基、又は(R)(R)(R)Si−で表される基、他方が(R)(R)(R)Si−で表される基であることを示すか、又は一緒になって式−Si(R)(R10)−基を示し6員の環状基を形成する化合物であり、R、R、R、R、R、Rは同一又は相異なって炭素数1乃至6のアルコキシ基を有してもよい炭素数1乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基、炭素数3乃至6の環状アルキル基、フェニル基、又はベンジル基である。
より好ましくは、一般式(1)において、X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であり、Rが水素原子、バリル基、又は(R)(R)(R)Si−で表される基であり、Rが水素原子、又は(R)(R)(R)Si−で表される基である化合物(但し、Rが水素原子又はバリル基のとき、Rは水素原子ではない)であり、R、R、R、R、R、Rは同一又は相異なって炭素数1乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基、又は炭素数3乃至6の環状アルキル基である。
更に好ましくは、一般式(1)において、X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であり、Rが水素原子、L−バリル基、又は(R)(R)(R)Si−で表される基であり、Rが水素原子、又は(R)(R)(R)Si−で表される基である化合物(但し、Rが水素原子又はL−バリル基のとき、Rは水素原子ではない)であり、R、R、Rのいずれか1つ、又はR、R、Rのいずれか一つが、同一又は相異なって炭素数3乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基、又はシクロプロピル基であり、残りが同一又は相異なって炭素数1乃至4の直鎖状又は分枝状アルキル基である。
特に好ましくは、一般式(1)において、X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であり、Rが水素原子、L−バリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチルテキシルシリル基、又はジメチル−n−オクチルシリル基であり、Rが水素原子、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、シクロプロピルジイソプロピルシリル基、又はジメチルテキシルシリル基である化合物(但し、Rが水素原子又はL−バリル基のとき、Rは水素原子ではない)である。
具体的な化合物として好ましくは、以下の(a)〜(k)に記載のピリミジンヌクレオシド化合物が挙げられる。
(a)5’−O−トリイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(b)5’−O−ジエチルイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(c)5’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(d)5’−O−(ジメチル−n−オクチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(e)3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(f)3’−O−ジエチルイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(g)3’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(h)3’−O−トリイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(i)3’−O−ジメチルテキシルシリル−5’−O−(L―バリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(j)5’−O−(L−バリル)−3’−O−(tert―ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
(k)3’−O−シクロプロピルジイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
本発明のピリミジンヌクレオシド化合物の塩としては、薬学的に許容される塩であればいずれでもよく、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩を形成することができる。また、本発明のピリミジンヌクレオシド化合物は、置換基の種類によって光学異性体又は幾何異性体を生じることがあるが、本発明はそのいずれも包含するものである。そして、それらの異性体は、分割しても、混合物のままでも利用することができる。さらに、本発明のピリミジンヌクレオシド化合物は、水和物に代表される溶媒和物、無晶形(アモルファス)又は結晶多形も包含する。
本発明のピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩は、下記反応工程式1〜11に従い製造することができる。
Figure 0004966186
Figure 0004966186
第1工程から第11工程において、X,Y,R及びRは前記と同意義であり、R11及びR14はアミノ基の保護基であり、従来公知の保護基であれば特に制限はないが、例えばT.W.Greene,“Protective groups in Organic Synthesis”,A Wiley−Interscience Publication,John−Wiley&Sons,New York,1981,p.218−287に記載された保護基が適当であり、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の置換オキシカルボニル基等が挙げられる。R12は水酸基の保護基であり、例えばトリフェニルメチル基、4−メトキシトリフェニルメチル基、4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル基等が挙げられる。R13−COHはアミノ基でモノ置換されたカルボン酸を示し、例えば、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−リジン、D−アラニン等のアミノ酸が挙げられる。
(第1工程)
本工程では、一般式(2)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩と(R)(R)(R)Si−Z又は(R)(R)(R)Si−Z(Zはハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、アセトアミノ基等を示す)で表されるトリアルキルシリルハライド又はトリアルキルシリルトリフラート、又はトリアルキルシリルアセタミド等の通常公知のシリル化剤と反応させると一般式(1a)で表わされる化合物が製造できる。本反応は通常公知の方法に従えばよいが、本反応に用いる溶媒としては、反応に関与しないものであればいずれでもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。反応に際しては、必要に応じ塩基を用いてもよい。塩基としては、例えばイミダゾール、1−メチルイミダゾール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられ、塩基のみを溶媒として使用しても良い。本反応において、一般式(2)で表される化合物1モルに対し、前記の(R)(R)(R)Si−Z又は(R)(R)(R)Si−Zを1〜10モル量程度、好ましくは1〜5モル量程度使用し、塩基を1〜100モル量程度、好ましくは1〜10モル量程度使用する。反応温度は−30〜100℃、好ましくは0〜30℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜20時間である。本反応により製造される一般式(1a)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程に用いることもできる。本反応で用いる(R)(R)(R)Si−Zまたは(R)(R)(R)Si−Zで表されるトリアルキルシリルハライドは、通常公知の方法に従い調製しても良い。例えば、トリハロゲノシラン、モノアルキルジハロゲノシランまたはジアルキルモノハロゲノシランを対応するアルキルリチウムまたはグリニャール試薬と反応させ得られる(R)(R)(R)Si−Hまたは(R)(R)(R)Si−Hで表されるトリアルキルシランをN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、塩素、臭素、ヨウ素、又は1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン等と反応させることにより得ることもできる。(R)(R)(R)Si−Hで表されるトリアルキルシランを製造する際には、臭化銅等を添加物として加えてもよい。(R)(R)(R)Si−Hまたは(R)(R)(R)Si−Hで表されるトリアルキルシラン及び(R)(R)(R)Si−Zまたは(R)(R)(R)Si−Zで表されるトリアルキルシリルハライドは必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく本工程に用いることもできる。
(第2工程)
本工程では、一般式(1a)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物と前記の(R)(R)(R)Si−Z又は(R)(R)(R)Si−Zを塩基存在下、反応させ、一般式(1b)で表される化合物を製造でき、第1工程と同様にして行うことができる。
(第3工程)
本工程では、一般式(2)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物と前記の(R)(R)(R)Si−Z又は(R)(R)(R)Si−Z或いは、Z−Si(R)(R10)−Z(Zは前記と同意義)で表されるジアルキルシリルジハライド又はジアルキルシリルジトリフラート等を塩基存在下、反応させ、第1工程と同様にして一般式(1b)で表される化合物が製造できる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜40時間である。本反応により製造される一般式(1b)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程に用いることもできる。
(第4工程)
本工程では、一般式(1b)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物から、酸性条件下にて一般式(1c)で表わされる化合物を製造できる。使用される酸としてはRで示される置換基が除去できるものであれば特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、これらの酸を水と混合しても良い。また、必要に応じて溶媒を使用することができ、使用する溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜20時間である。
(第5工程)
本工程では、一般式(2)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物をアミノ基の保護化試薬と反応させて一般式(3)で表される化合物を製造することができる。使用する溶媒としては反応に関与しないものであればいずれでもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。反応に際しては、必要に応じ塩基を用いてもよい。塩基としては、例えばイミダゾール、1−メチルイミダゾール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられ、塩基のみを溶媒として使用しても良い。使用するアミノ基の保護化試薬としては、その保護基が酸性又は中性条件下で除去できるものであれば特に制限はなく、例えばtert−ブトキシカルボニルクロリド等のアルコキシカルボニルハライド類や、ジ−tert−ブチルジカーボネート等のアルキル炭酸無水物や、ベンジルオキシカルボニルクロリド等のアラルキルオキシカルボニルハライド類等が挙げられる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜40時間である。本反応により製造される一般式(3)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程に用いることもできる。
(第6工程)
本工程では、一般式(3)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物を塩基存在下、水酸基の保護化試薬と反応させて一般式(4)で表される化合物を製造することができる。塩基としては、例えばイミダゾール、1−メチルイミダゾール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられ、塩基のみを溶媒として使用しても良い。使用する溶媒としては反応に関与しないものであればいずれでもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。使用される水酸基の保護化試薬としては糖部5’位水酸基を選択的に保護でき、酸性から中性条件下で除去できるものであれば特に制限はなく、例えば、トリフェニルメチルクロリド、4−メトキシトリフェニルメチルクロリド、4,4’−ジメトキシトリフェニルメチルクロリド等のトリアリールメチルハライドを挙げることができる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜40時間である。本反応により製造される一般式(4)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程に用いることもできる。
(第7工程)
本工程では、一般式(4)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物と前記の(R)(R)(R)Si−Z又は(R)(R)(R)Si−Zを塩基存在下、反応させ、一般式(5)で表される化合物を製造できる。塩基としては、例えばイミダゾール、1−メチルイミダゾール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられ、塩基のみを溶媒として使用しても良い。使用する溶媒としては反応に関与しないものであればいずれでもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。本反応により製造される一般式(5)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程に用いることもできる。
(第8工程)
本工程では、一般式(5)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物に脱保護化試薬を反応させて一般式(6)で表される化合物を製造できる。糖部5’位水酸基の保護基がトリアリールメチル基である場合には、使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。使用される脱保護試薬としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、例えば糖部5’位水酸基の保護基がトリアリールメチル基である場合には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜40時間である。本反応により製造される一般式(6)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程に用いることもできる。
(第9工程)
本工程では、一般式(6)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物に脱保護化試薬を反応させて一般式(1c)で表される化合物を製造できる。4位アミノ基の保護基がtert−ブトキシカルボニル基である場合には、使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。使用される脱保護試薬としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、例えば4位アミノ基の保護基がtert−ブトキシカルボニル基である場合には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜40時間である。尚、第8工程と第9工程は分割せず、一度に実施することもできる。
(第10工程)
本工程では、一般式(6)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物とアミノ基が保護されたカルボン酸とを縮合反応を使用して反応させ、一般式(7)で表されるカルボン酸エステルを製造できる。縮合反応としては、通常カルボン酸とアルコールからエステルを製造するものであれば特に制限はなく、例えば、混合酸無水物を用いる方法、縮合剤を用いる方法等が利用できる。混合酸無水物法を用いる場合、使用する塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられ、アミノ基が保護されたアミノ酸との混合酸無水物を形成する試薬としては、クロロ炭酸イソブチル、塩化ピバロイル等が使用できる。縮合剤を用いる場合には、ジシクロヘキシルカルボジイミドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物、N,N’−カルボニルジイミダゾール等が使用される。縮合補助剤としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。使用する溶媒としては反応に関与しないものであればいずれでもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。本反応により製造される一般式(7)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程に用いることもできる。
(第11工程)
本工程では、一般式(7)で表されるピリミジンヌクレオシド化合物に脱保護化試薬を反応させて一般式(1d)で表される化合物を製造できる。5’位及び4位アミノ基の保護基がtert−ブトキシカルボニル基である場合には、使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。使用される脱保護試薬としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、例えばアミノ基の保護基がtert−ブトキシカルボニル基である場合には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
上記のごとく得られた本発明化合物及びその他の各化合物は通常公知の方法で塩、とりわけ薬学的に許容される塩を形成することができる。
本発明化合物もしくはその塩、又はその他化合物もしくはその塩は、通常公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製可能である。
本発明の化合物を医薬として用いるにあたっては、薬学的担体と配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、経口剤が採用される。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が用いられ、崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を、矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味・矯臭剤としては、上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が例示できる。
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、さらに必要に応じてツイーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが適当である。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物の量は、これを適用すべき患者の症状により、あるいはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mgとするのが望ましい。また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人1日あたり約0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜4回程度に分けて投与するのが好ましい。
本発明化合物を含有する薬剤を投与することにより治療できる疾病としては、例えば悪性腫瘍の場合、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍等が挙げられる。
以下に参考例、比較例、実施例、薬理試験例及び製剤例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
実施例1
5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(1)
ピリジン(40mL)に2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(以下、CNDAC)(1.02g,4.04mmol)を懸濁し、ここにtert−ブチルジメチルシリルクロリド(790mg,5.25mmol)を加え窒素気流下、室温で24時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣をトルエンで2回共沸した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物1(1.19g,80%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.67(1H,d,J=7.6Hz),7.18(2H,br d),6.18(1H,d,J=5.9Hz),6.12(1H,d,J=7.6Hz),5.65(1H,d,J=7.6Hz),4.29(1H,dd,J=13.9Hz,J=8.1Hz),3.84−3.69(4H,m),0.81(9H,s),0.00,−0.01(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 367(MH).Anal.Calcd for C1626Si:C,52.44;H,7.15;N,15.29.Found:C,52.01;H,7.10;N,15.02;mp 185℃(decomp.).
実施例2
5’−O−トリイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(2)
CNDAC(1.01g,4.00mmol)とトリイソプロピルシリルクロリド(1.68mL,8.00mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物2(720mg,44%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.76(1H,d,J=7.3Hz),7.26(2H,br s),6.28(1H,d,J=5.9Hz),6.22(1H,d,J=7.6Hz),5.72(1H,d,J=7.6Hz),4.44(1H,ddd,J=13.9Hz,J=8.1Hz,J=5.9Hz),4.01−3.77(4H,m),1.16−1.04(21H,m);FAB−LRMS m/z 409(MH).Anal.Calcd for C1932Si:C,55.86;H,7.89;N,13.71.Found:C,55.83;H,7.48;N,14.10;mp 177℃(decomp.).
実施例3
5’−O−ジエチルイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(3)
CNDAC(1.01g,4.00mmol)とジエチルイソプロピルシリルクロリド(800μl,4.36mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物3(762mg,50%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.3Hz),7.26(2H,br s),6.27(1H,d,J=5.6Hz),6.21(1H,d,J=7.3Hz),5.74(1H,d,J=7.6Hz),4.40(1H,dd,J=13.9Hz,J=7.9Hz),3.96−3.76(4H,m),0.97−0.92(13H,m),0.67−0.58(4H,m);FAB−LRMS m/z 381(MH).Anal.Calcd for C1728Si:C,53.66;H,7.42;N,14.72.Found:C,55.69;H,7.16;N,14.89;mp 175℃(decomp.).
実施例4
5’−O−シクロヘキシルジメチルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(4)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とシクロヘキシルジメチルシリルクロリド(808μl,4.36mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物4(1.03g,66%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.71(1H,d,J=7.6Hz),7.21(2H,br d),6.19(1H,d,J=5.3Hz),6.15(1H,d,J=7.3Hz),5.68(1H,d,J=7.6Hz),4.30(1H,dd,J=13.9Hz,J=7.9Hz),3.83−3.66(4H,m),1.62(5H,m),1.14−1.01(5H,m),0.65(1H,m),0.00(6H,s);FAB−LRMS m/z 393(MH).Anal.Calcd for C1828Si:C,55.08;H,7.19;N,14.27.Found:C,54.96;H,7.04;N,14.49;mp 152−153℃.
実施例5
5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(5)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とtert−ブチルジフェニルシリルクロリド(1.42mL,5.54mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物5(1.68g,3.42mmol,86%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.70(1H,d,J=7.6Hz),7.64(4H,m),7.50−7.40(6H,m),7.27(2H,d,J=7.6Hz),6.34(1H,d,J=5.6Hz),6.25(1H,d,J=7.6Hz),5.59(1H,d,J=7.6Hz),4.55(1H,dd,J=13.7Hz,J=7.6Hz),3.97−3.84(4H,m),1.02(9H,s);FAB−LRMS m/z 491(MH).Anal.Calcd for C2630Si:C,63.65;H,6.16;N,11.42.Found:C,63.38;H,6.18;N,11.60;mp 187℃.
実施例6
5’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(6)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とジメチルテキシルシリルクロリド(1.01mL,5.15mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物6(905mg,58%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.60(1H,d,J=7.3Hz),7.15(2H,br d),6.14(1H,d,J=5.9Hz),6.08(1H,d,J=7.3Hz),5.63(1H,d,J=7.6Hz),4.24(1H,dd,J=13.9Hz,J=7.3Hz),3.79−3.64(4H,m),1.49(1H,m),0.76−0.73(12H,m),0.07,0.00(each 6H,s);FAB−LRMS m/z 395(MH).Anal.Calcd for C1830Si:C,54.80;H,7.66;N,14.20.Found:C,54.54;H,7.71;N,14.12;mp 188℃(decomp.).
実施例7
5’−O−トリイソブチルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(7)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とトリイソブチルシリルクロリド(1.28mL,4.75mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物7(1.68g,94%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.73(1H,d,J=7.6Hz),7.28(2H,br d),6.22(1H,d,J=5.9Hz),6.19(1H,d,J=7.3Hz),5.74(1H,d,J=7.6Hz),4.37(1H,dd,J=13.7Hz,J=7.1Hz),3.89−3.76(4H,m),1.80(3H,m),0.93(18H,m),0.63(6H,m);FAB−LRMS m/z 451(MH).Anal.Calcd for C2238Si:C,58.64;H,8.50;N,12.43.Found:C,58.49;H,8.59;N,12.20;mp 152℃.
実施例8
5’−O−トリフェニルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(8)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とトリフェニルシリルクロリド(1.40g,4.75mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物8(1.14g,56%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.62−7.42(16H,m),7.23(2H,br d),6.30(1H,d,J=5.6Hz),6.22(1H,d,J=7.6Hz),5.39(1H,d,J=6.9Hz),4.53(1H,dd,J=13.9Hz,J=7.6Hz),4.10−3.95(2H,m),3.84(2H,m);FAB−LRMS m/z 511(MH).Anal.Calcd for C2826Si:C,65.86;H,5.13;N,10.97.Found:C,65.26;H,5.20;N,10.89;mp 203℃(decomp.).
実施例9
5’−O−トリベンジルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(9)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とトリベンジルシリルクロリド(1.60g,4.75mmol)を用い、化合物1と同様にして合成した。化合物9(1.64g,75%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.40(1H,d,J=7.6Hz),7.24−6.97(17H,m),6.24(1H,d,J=5.8Hz),6.21(1H,d,J=7.6Hz),5.53(1H,d,J=7.6Hz),4.38(1H,dd,J=13.5Hz,J=7.6Hz),3.93(1H,dd,J=11.7Hz,J=2.1Hz),3.85−3.73(3H,m),2.14(6H,s),FAB−LRMS(negative) m/z 551(M−H).Anal.Calcd for C3132Si:C,67.37;H,5.84;N,10.14.Found:C,67.12;H,5.64;N,10.54;mp 188℃(decomp.).
実施例10
5’−O−(ジメチル−n−オクチルシリル)−2’ −シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(10)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)(40mL)に溶解し、ここにイミダゾール(593mg,8.72mmol),ジメチル−n−オクチルクロロシラン(1.04mL,4.36mmol)を加え窒素気流下、室温で3時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5−12% メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物10(940mg,56%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.87(1H,d,J=7.6Hz),7.34(2H,br d),6.31(2H,m),5.82(1H,d,J=7.4Hz),4.44(1H,dd,J=13.4Hz,J=7.7Hz),3.97−3.81(4H,m),1.34(12H,m),0.93(3H,m),0.68(2H,m),0.19(6H,s);FAB−LRMS m/z 423(MH).Anal.Calcd for C2034Si・0.2 HO:C,56.36;H,8.14;N,13.15.Found:C,56.36;H,7.92;N,13.67;mp 142℃.
実施例11
5’−O−ジメチルフェニルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(11)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とジメチルフェニルシリルクロリド(723μl,4.36mmol)を用い、化合物10と同様にして合成した。化合物11(624mg,40%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.72(1H,d,J=7.6Hz),7.57(2H,m),7.41(3H,m),7.25(2H,br d),6.24(1H,d,J=5.6Hz),6.20(1H,d,J=7.3Hz),5.64(1H,d,J=7.6Hz),4.38(1H,m),3.92−3.77(4H,m),0.37(6H,s);FAB−LRMS m/z 387(MH).Anal.Calcd for C1822Si・0.5HO:C,54.67;H,5.86;N,14.17.Found:C,54.77;H,7.80;N,14.01;mp 139−140℃.
実施例12
5’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−リボフラノシルシトシン(12)
2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−リボフラノシルシトシン トリフルオロ酢酸塩(55mg,0.150mmol)をDMF(0.5mL)に溶解し、これにイミダゾール(41mg,0.602mmol),ジメチルテキシルシリルクロリド(29.4μl,0.15mmol)を加え、窒素気流下、室温で5時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7−10% メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物12(59mg,100%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.61(1H,d,J=7.6Hz),7.32(2H,br s),6.29(1H,d,J=5.6Hz),6.28(1H,d,J=7.3Hz),5.74(1H,d,J=7.6Hz),4.26−4.32(1H,m),3.91−3.95(1H,m),3.76(1H,dd,J=3.6Hz,11.5Hz),3.71(1H,dd,J=3.6Hz,11.5Hz),3.56−3.60(1H,m),1.53−1.63(1H,m),0.81−0.86(12H,m),0.00(6H,s);FAB−LRMS m/z 395(MH).Anal.Calcd for C1830Si:C,54.80;H,7.66;N,14.20.Found:C,54.62;H,7.59;N,14.47;mp 187−187.5℃.
実施例13
5’−O−ジメチルテキシルシリル−3’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(13)
化合物6(79mg,0.200mmol)をDMF(2mL)に溶解し、ここにイミダゾール(54mg,0.793mmol),tert−ブチルジメチルシリルクロリド(60mg,0.40mmol)を加え、窒素気流下、室温で24時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2% メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物13(74mg,73%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.62(1H,d,J=7.6Hz),7.30(2H,br s),6.23(1H,d,J=7.6Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),4.53(1H,t,J=7.6Hz),3.92(2H,m),3.77(2H,m),1.61(2H,m),0.86(21H,m),0.12(12H,m);FAB−LRMS m/z 509(MH).
実施例14
3’,5’−ビス−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(14)
CNDAC塩酸塩(3.40g,11.8mmol)をDMF(100mL)に溶解し、ここにイミダゾール(5.42g,94.4mmol),ジメチルテキシルシリルクロリド(9.27mL,47.2mmol)を加え、窒素気流下50℃にて20時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルと水で分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−10% メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物14(4.80g,76%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.62(1H,d,J=7.6Hz),7.29(2H,br s),6.23(1H,d,J=7.6Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),4.53(1H,dd,J=7.6Hz,J=7.3Hz),3.91(2H,m),3.83−3.71(2H,m),1.60(2H,m),0.85(24H,m),0.14(12H,m).
実施例15
3’,5’−ビス−O−ジエチルイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(15)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とジエチルイソプロピルシリルクロリド(1.83mL,10.0mmol)を用い、化合物13と同様にして合成した。化合物15(1.96g,97%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.76(1H,d,J=7.4Hz),7.34(2H,br s),6.30(1H,d,J=7.6Hz),5.82(1H,d,J=7.4Hz),4.68(1H,dd,J=7.7Hz,J=7.4Hz),4.03(2H,m),3.87(2H,m),1.01(26H,m),0.71(8H,m);FAB−LRMS m/z 509(MH).
実施例16
3’,5’−ビス−O−トリイソブチルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(16)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とトリイソブチルシリルクロリド(3.22mL,12.0mmol)を用い、化合物14と同様にして合成した。化合物16(2.48g,96%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.65(1H,d,J=7.4Hz),7.30(2H,br d),6.19(1H,d,J=7.3Hz),5.76(1H,d,J=7.4Hz),4.58(1H,dd,J=6.9Hz,J=6.8Hz),3.87(3H,m),3.75(1H,dd,J=3.1Hz,J=11.5Hz),1.88−1.72(6H,m),0.94(36H,m),0.75−0.59(12H,m);FAB−LRMS m/z 649(MH).
実施例17
3’,5’−ビス−O−(ジメチル−n−オクチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(17)
CNDAC(1.00g,3.96mmol)とジメチル−n−オクチルシリルクロリド(2.38mL,10.0mmol)を用い、化合物14と同様にして合成した。化合物17(970mg,41%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.71(1H,d,J=7.4Hz),7.26(2H,br d),6.19(1H,d,J=7.4Hz),5.74(1H,d,J=7.6Hz),4.52(1H,dd,J=7.6Hz,J=7.7Hz),3.92(1H,dd,J=7.9Hz,J=7.6Hz),3.86−3.67(3H,m),1.25(24H,m),0.82(6H,m),0.60(4H,m),0.10(12H,m).
実施例18
3’,5’−O−(ジ−tert−ブチルシランジイル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(18)
CNDAC(504mg,2.01mmol),硝酸銀(747mg,4.42mmol)をDMF(20mL)に溶解し、ここに氷冷下、ジ−tert−ブチルシリル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)(712μl,2.21mmol)を加えた。反応液を窒素気流下、室温にて30分攪拌した後、反応液にトリエチルアミン(612μl,4.42mmol)を加え、さらに5分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルと水で分配した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣にクロロホルムを加え、不溶物をセライトろ過した。濾液を濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2−5% メタノール/クロロホルム)により精製し、ヘキサンを加えて結晶化した。化合物18(712mg,91%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.72(1H,d,J=6.9Hz),7.33(2H,br d),6.44(1H,br s),5.79(1H,d,J=7.3Hz),4.33(2H,m),4.06(2H,m),3.81(1H,m),1.04,0.97(each 9H,each s);FAB−LRMS m/z 393(MH).Anal.Calcd for C1828Si・1.3HO:C,51.98;H,7.42;N,13.47.Found:C,52.00;H,6.98;N,12.94;mp 139−140℃.
実施例19
3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(19)
化合物14(5.11g,9.52mmol)をテトラヒドロフラン(以下、THF)(50mL)に溶解し、ここに80%トリフルオロ酢酸水溶液(50mL)を加え室温で3時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をエタノールで3回共沸した後、残渣にクロロホルムを加え、析出した白色固体を濾取した。この固体を10%メタノール/クロロホルム混合溶媒に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣にヘキサンを加えて結晶化した。化合物19(3.04g,81%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.6Hz),7.26(2H,br d),6.19(1H,d,J=7.6Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.19(1H,dd,J=5.3Hz,J=4.9Hz),4.57(1H,dd,J=6.9Hz,J=7.3Hz),3.85(1H,dd,J=7.6Hz,J=7.3Hz),3.74(2H,m),3.56(1H,m),1.59(1H,m),0.84(12H,m),0.18,0.15(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 395(MH).Anal.Calcd for C1830Si:C,54.80;H,7.66;N,14.20.Found:C,54.54;H,7.70;N,13.82;mp 159−161℃.
実施例20
3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン メタンスルホン酸塩(20)
実施例14に従い、精製することなく合成した化合物14(3.00g,5.11mmol)をエタノール(10mL)に溶解し、ここにメタンスルホン酸(800μl)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(10mL)を加え、析出した白色固体を濾取した。化合物20(1.42g,57%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 9.58(1H,br s),8.64(1H,br s),8.23(1H,d,J=7.9Hz),6.23(1H,d,J=7.3Hz),6.17(1H,d,J=7.9Hz),4.60(1H,dd,J=7.6Hz,J=7.9Hz),4.08(1H,dd,J=7.6Hz,J=7.9Hz),3.80(2H,m),3.58(1H,dd,J=3.6Hz,J=12.5Hz),2.37(3H,s),1.59(1H,m),0.85(12H,m),0.18,0.16(each 3H, each s);FAB−LRMS(negative) m/z 489(M−H);Anal.Calcd for C1934SSi:C,46.51;H,6.98;N,11.42.Found:C,46.46;H,7.02;N,11.42;mp 203−204℃.
実施例21
3’−O−ジエチルイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(21)
化合物15(400mg,0.786mmol)に80%酢酸水溶液(20mL)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2−15%メタノール/クロロホルム)により精製し、ヘキサンを加えて結晶化した。化合物21(116mg,39%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.6Hz),7.25(2H,br d),6.17(1H,d,J=7.3Hz),5.77(1H,d,J=7.4Hz),5.20(1H,t,J=5.3Hz),4.60(1H,dd,J=6.9Hz,J=6.8Hz),3.86(1H,dd,J=6.9Hz,J=7.3Hz),3.75(2H,m),3.57(1H,m),0.97(13H,m),0.66(4H,m);FAB−LRMS m/z 381(MH).Anal.Calcd for C1728Si・0.7HO:C,51.94;H,7.54;N,14.25.Found:C,52.06;H,7.33;N,13.87;mp 161−163℃.
実施例22
3’−O−トリイソブチルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(22)
化合物16(1.30g,2.00mmol)をTHF(16mL)に溶解し、ここに80%トリフルオロ酢酸水溶液(4mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5−10%メタノール/クロロホルム)により精製し、ヘキサンを加えて結晶化した。化合物22(270mg,30%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.80(1H,d,J=7.6Hz),7.27(2H,br d),6.16(1H,d,J=7.3Hz),5.78(1H,d,J=7.4Hz),5.21(1H,dd,J=5.3Hz,J=4.9Hz),4.63(1H,dd,J=6.6Hz,J=6.4Hz),3.85−3.71(3H,m),3.58(1H,m),1.81(3H,m),0.95(18H,m),0.69(6H,m);FAB−LRMS m/z 451(MH).Anal.Calcd for C2238Si・0.7HO:C,57.04;H,8.57;N,12.09.Found:C,56.98;H,8.35;N,11.96;mp 101−102℃.
実施例23
3’−O−(ジメチル−n−オクチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(23)
化合物17(573mg,0.966mmol)をTHF(5mL)に溶解し、ここに50%酢酸水溶液(5mL)を加え、氷冷下で20分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2−10%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物23(111mg,27%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.3Hz),7.26(2H,br d),6.18(1H,d,J=7.3Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.17(1H,dd,J=5.3Hz,J=4.9Hz),4.55(1H,t,J=7.3Hz),3.86(1H,dd,J=7.6Hz,J=7.3Hz),3.72(2H,m),3.56(1H,m),1.25(12H,m),0.84(3H,m),0.60(2H,m),0.14(6H,s);FAB−LRMS m/z 423(MH).Anal.Calcd for C2034Si:C,56.84;H,8.11;N,13.26.Found:C,56.83;H,8.16;N,13.12;mp 153−154℃.
実施例24
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(24a)
CNDAC(10.0g,39.6mmol)をDMF(250mL)に溶解し、ここにジ−tert−ブチルジカルボナート(26.0g,119mmol)を加え、窒素気流下50℃で28時間攪拌した。反応液を放冷した後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5−10%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物24a(8.30g,59%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 10.47(1H,s),8.31(1H,d,J=7.6Hz),7.07(1H,d,J=7.8Hz),6.26(1H,d,J=5.6Hz),6.20(1H,d,J=7.1Hz),5.24(1H,m),4.43(1H,m),3.90(1H,m),3.83(1H,m),3.76(1H,m),3,64(1H,m),1.47(9H,s);FAB−LRMS m/z 353(MH).Anal.Calcd for C1520・1.3HO:C,47.95;H,6.06;N,14.91.Found:C,48.04;H,5.95;N,14.46;mp 120−122℃(decomp.).
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5’−O−ジメトキシトリチル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(24b)
化合物24a(4.00g,11.4mmol)をピリジン(70mL)に溶解し、ここにジメトキシトリチルクロリド(4.65g,13.7mmol)を加え、窒素気流下中室温で22時間攪拌した。反応液にメタノールを加えてクエンチし、減圧下溶媒を留去した。残渣をトルエンで2回共沸した後、クロロホルムに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−2.5%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物24b(6.64g,89%)を黄色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 10.48(1H,s),8.27(1H,d,J=7.8Hz),7.35(4H,m),7.26(5H,m),6.90(5H,m),6.40(1H,d,J=5.9Hz),6.27(1H,d,J=7.3Hz),4.60(1H,dd,J=14.4Hz,J=8.1Hz),3.96(1H,m),3.75(6H,s),3.46−3.36(2H,m),1.46(9H,s);FAB−LRMS(negative) m/z 653(M−H)
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(24c)
化合物24b(6.58g,10.1mmol)をDMF(60mL)に溶解し、ここにイミダゾール(2.73g,40.3mmol),tert−ブチルジメチルシリルクロリド(3.03g,20.1mmol)を加え、窒素気流下、室温で16時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルと水で分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣に80%酢酸水溶液を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をエタノールで3回共沸した後、酢酸エチルと水で分配し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−2%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物24c(4.11g,88%)を淡黄色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 8.03(1H,d,J=7.9Hz),7.42(1H,br s),7.31(1H,d,J=7.6Hz),6.25(1H,d,J=6.6Hz),4.71(1H,m),4.01(2H,m),3.85(1H,m),3.68(1H,m),2.26(1H,br s),1.51(9H,s),0.91(9H,s),0.18,0.15(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 467(MH).
3’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン トリフルオロ酢酸塩(24)
化合物24c(620mg,1.33mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ここに氷冷下でトリフルオロ酢酸(10mL)を加え、室温で90分間攪拌した。反応液をエタノールで希釈した後、減圧下濃縮した。残渣をエタノールで3回共沸した後、クロロホルムを加え、析出した白色固体を濾取した。化合物24(560mg,88%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 8.91(1H,br s),8.25(1H,br s),8.10(1H,d,J=7.9Hz),6.21(1H,d,J=7.3Hz),6.04(1H,d,J=7.9Hz),4.59(1H,dd,J=7.7Hz,J=7.6Hz),4.03(1H,dd,J=7.9Hz,J=7.4Hz),3.83−3.55(4H,m),0.87(9H,s),0.14,0.13(each 3H,each s);FAB−LRMS(negative) m/z 479(M−H).Anal.Calcd for C1827Si:C,44.99;H,5.66;N,11.66.Found:C,44.89;H,5.58;N,11.61;mp 163−165℃.
実施例25
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5’−O−ジメトキシトリチル−3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(25a)
化合物24b(1.20g,1.83mmol)をDMF(15mL)に溶解し、ここにイミダゾール(1.50g,29.4mmol),ジメチルテキシルシリルクロリド(2.87mL,14.7mmol)を加え、窒素気流下、50℃で40時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルと水で分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1−1:1)により精製した。化合物25a(1.25g,86%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 8.15(1H,d,J=7.6Hz),7.43−7.22(9H,m),7.13(1H,d,J=7.6Hz),6.86(4H,m),6.33(1H,d,J=6.3Hz),4.67(1H,t,J=5.6Hz),3.99(1H,m),3.81(6H,s),3.63(2H,m),3.35(1H,m),1.51(9H,s),0.77(12H,m),0.15,−0.07(each 3H,each s);FAB−LRMS(negative) m/z 795(M−H)
3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン トリフルオロ酢酸塩(25)
化合物25a(1.23g,1.54mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ここに氷冷下でトリフルオロ酢酸(10mL)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液をエタノールで希釈した後、減圧下濃縮した。残渣をエタノールで3回共沸した後、クロロホルムを加え、析出した白色固体を濾取した。化合物25(613mg,78%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 8.11(1H,m),6.22(1H,d,J=7.6Hz),6.05(1H,m),4.59(1H,t,J=7.6Hz),4.01(1H,t,J=7.6Hz),3.78(2H,m),1.59(1H,m),0.85(12H,m),0.18,0.16(each 3H,each s);FAB−LRMS(negative) m/z 507(M−H).Anal.Calcd for C2031Si・0.2HO:C,46.90;H,6.18;N,10.94.Found:C,46.76;H,6.10;N,10.67;mp 151−154℃.
実施例26
3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン 塩酸塩(26)
化合物25(720mg,1.42mmol)を10%メタノール/クロロホルム混合溶媒(100mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(70mL)で洗浄した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をクロロホルム(30mL)に溶解し、ここに4N塩酸/ジオキサン(354μl,1.42mmol)を滴下した。生じた白色沈殿を濾取し、クロロホルムで洗浄し乾燥した。化合物26(552mg,91%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 9.60(1H,br s),8.59(1H,br s),8.19(1H,d,J=7.6Hz),6.19(1H,d,J=7.6Hz),6.16(1H,d,J=7.9Hz),4.57(1H,t,J=7.6Hz),4.04(1H,dd,J=7.6Hz,J=7.9Hz),3.77(2H,m),3.55(1H,m),1.55(1H,m),0.81(12H,m),0.15,0.13(each 3H,each s);FAB−LRMS(negative) m/z 429(M−H).Anal.Calcd for C1831ClNSi:C,50.16;H,7.25;N,13.00.Found:C,49.82;H,7.31;N,12.98;mp 206℃(decomp.).
実施例27
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5’−O−ジメトキシトリチル−3’−O−トリイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(27a)
化合物24b(1.20g,1.83mmol)とトリイソプロピルシリルクロリド(3.11mL,14.7mmol)を用い、化合物25aと同様にして合成した。化合物27a(1.07g,72%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 8.27(1H,d,J=7.6Hz),7.44−6.83(15H,m),6.32(1H,d,J=6.3Hz),4.78(1H,dd,J=4.6Hz,J=4.3Hz),3.80(6H,s),3.67(2H,m),3.37(1H,m),1.51(9H,s),0.97(21H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 809(M−H)
3’−O−トリイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(27)
化合物27a(1.05g,1.29mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ここに氷冷下、トリフルオロ酢酸(10mL)を加えた。反応液を室温にあげ90分間攪拌した。反応液をエタノールで希釈した後、減圧下濃縮した。残渣をエタノールで3回共沸した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホルム)により精製し、白色固体を得た。このものを10%メタノール/クロロホルム混合溶媒に溶解した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、化合物27(390mg,75%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.80(1H,d,J=7.6Hz),7.26(2H,br d),6.15(1H,d,J=6.9Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.23(1H,m),4.73(1H,t,J=5.9Hz),3.84(1H,m),3.84(2H,m),3.75(1H,m),3.60(1H,m),1.60(21H,m);FAB−LRMS m/z 409(MH).Anal.Calcd for C1932Si・0.8HO:C,53.95;H,8.01;N,13.25.Found:C,53.85;H,7.81;N,13.01;mp 162−163 .
実施例28
3’ ,5’−ビス−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−リボフラノシルシトシン(28)
2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−リボフラノシルシトシン トリフルオロ酢酸塩(183mg,0.500mmol)をDMF(2mL)に溶解し、ここにイミダゾール(204mg,3.00mmol),ジメチルテキシルシリルクロリド(295μl,1.50mmol)を加え、窒素気流下60℃にて13時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−5%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物28(248mg,92%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.58(1H,d,J=7.3Hz),7.32(2H,br s),6.25(1H,d,J=6.9Hz),5.75(1H,d,J=7.6Hz),4.46(1H,dd,J=3.6Hz,J=5.6Hz),3.91(1H,dd,J=3.6Hz,J=5.6Hz),3.7(2H,m),3.67(1H,m),1.60(1H,m),0.85(24H,m),0.18,0.15(each 3H,each s),0.11(6H,s);FAB−LRMS m/z 537(MH
実施例29
3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−リボフラノシルシトシン(29)
化合物28(200mg,0.372mmol)をエタノール(1mL)に溶解し、ここに水(100μl),メタンスルホン酸(58μl,0.89mmol)を加え、40℃で3時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分配し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をメタノール−ジイソプロピルエーテルから結晶化した。化合物29(95mg,65%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.70(1H,d,J=7.4Hz),7.32(2H,br d),6.29(1H,d,J=7.9Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.19(1H,t,J=5.3Hz),4.54(1H,dd,J=2.5Hz,J=5.6Hz),3.89(1H,m),3.74(1H,dd,J=5.4Hz,J=7.9Hz),3.54(2H,m),1.61(1H,m),0.87(12H,m),0.18,0.15(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 395(MH);mp 179−182℃.
実施例30
3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−リボフラノシルシトシン メタンスルホン酸塩(30)
化合物29(52mg,0.131mmol)をメタノール(150μl)に溶解し、ここにメタンスルホン酸(8.5μl,0.13mmol)を加え、50℃で5分間攪拌した。反応液に酢酸ブチル(1.5mL)を加えた後氷冷し、析出した白色固体を濾取した。化合物30(56mg,88%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 9.53(1H,br s),8.56(1H,br s),8.10(1H,d,J=7.8Hz),6.17(1H,d,J=6.1Hz),6.13(1H,d,J=7.8Hz),4.57(1H,dd,J=3.9Hz,J=5.7Hz),3.99(1H,dd,J=3.1Hz,J=6.6Hz),3.88(1H,t,J=5.9Hz),3.68(1H,dd,J=3.1Hz,J=12.4Hz),3.56(1H,dd,J=3.0Hz,J=12.4Hz),2.34(3H,s),1.60(1H,m),0.85(12H,m),0.18,0.15(each 3H,each s);FAB−LRMS(negative) m/z 489(M−H);mp 211−212℃.
実施例31
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(31a)
化合物24b(3.00g,4.58mmol)とジメチルテキシルシリルクロリド(5.38mL,27.4mmol)を用い、化合物24cと同様にして合成した。化合物31a(1.78g,79%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 8.04(1H,d,J=7.6Hz),7.45(1H,br s),7.31(1H,d,J=7.6Hz),6.28(1H,d,J=6.3Hz),4.73(1H,t,J=5.0Hz),4.04(2H,m),3.91(1H,m),3.71(1H,dd,J=4.6Hz,J=6.3Hz),2.16(1H,m),1.54(9H,s),0.90(12H,s),0.26,0.22(each 3H,each s).
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3’−O−ジメチルテキシルシリル−5’−O−[N−(tert−ブトキシカルボニル)−L―バリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(31b)
化合物31a(742mg,1.50mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、ここにBoc−l−Val−OH(652mg,3.00mmol),EDC(575mg,3.00mmol),DMAP(9mg,0.08mmol)を加え、窒素気流下、0℃で4時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−2%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物31b(1.04g,quant.)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.97(1H,d,J=7.6Hz),7.37(2H,m),6.22(1H,d,J=5.9Hz),5.01(1H,d,J=8.2Hz),4.56(2H,m),4.29(2H,m),4.17(1H,m),3.72(1H,dd,J=5.9Hz,J=3.0Hz),2.15(1H,m),1.51,1.46(each 9H,each s),1.01−0.86(18H,m),0.21,0.17(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 694(MH).
3’−O−ジメチルテキシルシリル−5’−O−(L―バリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン 二トリフルオロ酢酸塩(31)
化合物31b(1.00g,1.44mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ここに氷冷下、トリフルオロ酢酸(10mL)を加え3時間攪拌した。反応液をエタノールで希釈した後減圧下で濃縮した。残渣をエタノールで数回共沸した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5−15%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物31(812mg,78%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 8.41(2H,br s),7.93(1H,br s),7.75(1H,br s),7.69(1H,d,J=7.6Hz),6.19(1H,d,J=7.9Hz),5.88(1H,d,J=7.6Hz),4.75(1H,t,J=7.6Hz),4.54(1H,m),4.38(1H,m),3.99(3H,m),2.17(1H,m),1.59(1H,m),0.95(6H,m),0.85(12H,m),0.21,0.18(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 494(MH−2TFA).Anal.Calcd for C2741Si:C,44.93;H,5.73;N,9.70.Found:C,44.90;H,6.18;N,9.99;mp 118−120℃.
実施例32
4−N−(tert−ブトキシカルボニル)−5’−O−[N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリル]−3’−O−(tert―ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(32a)
化合物24c(700mg,1.50mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、ここにBoc−l−Val−OH(652mg,3.00mmol),EDC(575mg,3.00mmol),DMAP(9mg,0.08mmol)を加え、窒素気流下、0℃で3時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−2%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物32a(1.02g,quant.)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.98(1H,d,J=7.9Hz),7.38(2H,m),6.23(1H,d,J=5.9Hz),5.01(1H,d,J=8.4Hz),4.56(2H,m),4.34−4.14(3H,m),3.73(1H,dd,J=5.9Hz,J=2.8Hz),2.15(1H,m),1.52,1.46(each 9H,each s),1.01−0.91(15H,m),0.18,0.14(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 666(MH
5’−O−(L−バリル)−3’−O−(tert―ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン 二トリフルオロ酢酸塩(32)
化合物32a(960mg,1.44mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ここに氷冷下、トリフルオロ酢酸(10mL)を加え90分間攪拌した。反応液をエタノールで希釈した後減圧下で濃縮した。残渣をエタノールで数回共沸した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5−15%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物32(682mg,68%)を白色固体として得た。
H−NMR (DMSO)δ 8.43(2H,br s),7.79(1H,br s),7.67(2H,m),6.18(1H,d,J=8.2Hz),5.86(1H,d,J=7.6Hz),4.75(1H,m),4.53(1H,m),4.38(1H,dd,J=6.6Hz,J=12.2Hz),3.99(3H,m),2.17(1H,m),0.95(6H,t,J=7.3Hz),0.88(9H,s),0.17,0.15(each 3H,each s);FAB−LRMS m/z 466(MH−2TFA);Anal.Calcd for C2537Si・0.3HO:C,42.95;H,5.42;N,10.02.Found:C,42.86;H,5.89;N,10.14;mp 118−120℃.
実施例33
5’−O−(ジ−tert−ブチルメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(33)
ジクロロメタン(25mL)にジ−tert−ブチルメチルシラン(2.00g,12.6mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(2.14g,12.0mmol)を0℃で加え、室温で1時間30分攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をDMF(6.3mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(1.45g,5.04mmol)とイミダゾール(2.06g,30.2mmol)を加え、室温で一終夜攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−9%メタノール/クロロホルム)により精製した。メタノールを加えて結晶化し、化合物34(350mg,17%)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.72(1H,d,J=7.3Hz),7.38(2H,br d),6.28(1H,d,J=5.9Hz),6.21(1H,d,J=7.3Hz),5.74(1H,d,J=7.3Hz),4.44(1H,dd,J=13.4Hz,J=7.8Hz),3.98(1H,m),3.89−3.81(3H,m),0.98(18H,s),0.11(3H,s);FAB−LRMS m/z 409(MH);Anal.Calcd for C1932Si:C,55.86;H,7.89;N,13.71.Found:C,55.85;H,7.91;N,14.11.
実施例34,35
tert−アミルジエチルシラン(34a)
THF(20mL)にマグネシウム(2.43g,100mmol)と触媒量のヨウ素を加え、ここに窒素雰囲気下tert−アミルクロリド(12.3mL,100mmol)を20分で滴下し、室温で1時間攪拌した。発熱反応が終息した後、さらに50℃で5時間攪拌し、tert−アミルマグネシウムクロリドTHF溶液を調製した。
THF(100mL)にトリクロロシラン(9.70mL,96.1mmol)を溶解し、ここにエチルマグネシウムクロリドTHF溶液(0.93M,200mL,186mmol)を窒素雰囲気下、0℃で滴下し、室温で1時間攪拌した。その混合液に臭化第一銅(286mg,2.00mmol)を加え、先に調製したtert−アミルマグネシウムクロリドTHF溶液(100mL)を30分で滴下し、70℃で8時間攪拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液とn−ペンタンを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、減圧下蒸留により精製し、化合物34a(沸点30mmHg,95℃留分、4.53g,30%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.47(1H,m),1.32(2H,m),1.04−0.93(6H,m),0.91(6H,s),0.86(3H,t,J=7.6Hz),0.61(4H,m).
5’−O−(tert−アミルジエチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(34)
3’,5’−ビス−O−(tert−アミルジエチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(35)
ジクロロメタン(25mL)に化合物34a(2.00g,12.6mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(2.90g,12.3mmol)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をDMF(5mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(1.11g,3.87mmol)とイミダゾール(1.72g,32.0mmol)を加え、室温で一終夜攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−9%メタノール/クロロホルム)により精製し、化合物34(494mg,31%)と化合物35(600mg,27%)を白色泡状物質として得た。
化合物34
H−NMR(DMSO−d)δ 7.74(1H,d,J=7.6Hz),7.27(2H,br d),6.26(1H,m),6.20(1H,d,J=7.6Hz),5.73(1H,d,J=7.3Hz),4.34(1H,m),3.95(1H,m)3.86−3.78(3H,m),1.34(2H,q,J=7.8Hz),1.06−0.97(6H,m),0.89(6H,s),0.83(3H,t,J=7.8Hz),0.69(4H,q,J=7.8Hz);FAB−LRMS(negative) m/z 407(M−H)
化合物35
H−NMR(DMSO−d)δ 7.63(1H,d,J=7.3Hz),7.29(2H,br s),6.22(1H,d,J=7.3Hz),5.76(1H,d,J=7.3Hz),4.66(1H,t,J=6.6Hz),4.33(1H,t,J=4.9Hz),3.91−3.85(3H,m),1.36−0.53(42H,m);FAB−LRMS m/z 565(MH).
実施例36,37
tert−ブチルジイソブチルシラン(36a)
THF(100mL)にジイソブチルクロロシラン(18.0mL,100mmol)を溶解し、ここに窒素気流下、tert−ブチルマグネシウムクロリドTHF溶液(1.0M,100mL)を30分で滴下した。その混合液に臭化第一銅(286mg,2.00mmol)を加え、70℃で8時間攪拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液とn−ペンタンを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、減圧下蒸留により精製し、化合物36a(沸点27mmHg,100℃留分,13.6g,68%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.75(1H,bs),1.80(1H,m),0.96(12H,d,J=5.4Hz),0.91(9H,s),0.54(4H,m).
5’−O−(tert−ブチルジイソブチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(36)
3’,5’−ビス−O−(tert−ブチルジイソブチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(37)
ジクロロメタン(13.8mL)に化合物36a(1.39g,6.92mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(1.20g,6.75mmol)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をDMF(2.3mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(500mg,1.73mmol)とイミダゾール(770mg,11.3mmol)を加え、室温で一終夜攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−9%メタノール/クロロホルム)により精製し、化合物36(425mg,0.94mmol,54%)と化合物37(450mg,40%)を白色泡状物質として得た。
化合物36
H−NMR(DMSO−d)δ 7.68(1H,d,J=7.3Hz),7.27(2H,br d),6.23(1H,d,J=5.9Hz),6.18(1H,d,J=7.3Hz),5.74(1H,d,J=7.6Hz),4.40(1H,dd,J=7.6Hz,13.2Hz),3.96(1H,dd,J=3.9Hz,11.7Hz),3.85−3.78(3H,m),1.90−1.83(2H,m),0.96(12H,m),0.91(9H,s),0.86−0.62(4H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 449(M−H)
化合物37
H−NMR(DMSO−d)δ 7.54(1H,d,J=7.3Hz),7.25(2H,br d),6.09(1H,d,J=7.3Hz),5.69(1H,d,J=7.6Hz),4.63(1H,m),3.85−3.80(4H,m),1.79(4H,m),0.90(12H,d,J=6.8Hz),0.88(9H,s),0.63(8H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 647(M−H)
実施例38
ジエチル(3−メチルペンタン−3−イル)シラン(38a)
マグネシウム(2.43g,100mmol)と3−クロロ−3−メチルペンタン(13.6mL,100mmol)から調製した3−メチルペンタン−3−イルマグネシウムクロリドTHF溶液(100mL)、トリクロロシラン(10.0mL,99.1mmol)とエチルマグネシウムクロリドTHF溶液(0.93M,200mL,190mmol)を用いて化合物34aと同様にして合成した。化合物38a(沸点39−42mmHg,94−97℃留分、8.86g,51%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.52(1H,bs),1.37(4H,m),1.04−0.97(9H,m),0.90−0.84(6H,m),0.62(4H,m).
5’−O−[ジエチル(3−メチルペンタン−3−イル)シリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(38)
化合物38a(3.44g,20.0mmol)、N−ブロモスクシンイミド(3.38g,19.0mmol)、CNDAC塩酸塩(2.30g,7.97mmol)とイミダゾール(1.30g,19.0mmol)を用いて化合物34と同様に合成し、化合物38(300mg,0.71mmol,9%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.72(1H,d,J=7.6Hz),7.26(2H,br d),6.25(1H,d,J=5.6Hz),6.19(1H,d,J=7.6Hz),5.74(1H,d,J=7.3Hz),4.30(1H,dd,J=7.6Hz,13.4Hz),3.96(1H,dd,J=2.0Hz,11.7Hz),3.87−3.77(3H,m),1.47−1.3(4H,m),0.99(6H,t,J=7.8Hz),0.86(3H,s),0.81(6H,t,J=7.3Hz),0.69(4H,m);FAB−LRMS m/z 423(MH);Anal.Calcd for C2034Si:C,56.84;H,8.11;N,13.26.Found:C,55.61;H,8.15;N,13.50.
実施例39
3’−O−(tert−アミルジエチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(39)
化合物35(600mg,1.06mmol)をメタノール(1.8mL)に溶解し、ここにメタンスルホン酸(137μl)を加え室温で2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(9%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物39(147mg,34%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.6Hz),7.27(2H,br d),6.16(1H,d,J=7.6Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.21(1H,m),4.65(1H,t,J=6.3Hz),3.85−3.59(3H,m),3.60(1H,m),1.34(2H,q,J=7.6Hz),1.00(6H,m),0.88(6H,s),0.82(3H,t,J=7.6Hz),0.73(4H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 407(M−H)
実施例40
イソブチルジイソプロピルシラン(40a)
THF(100mL)にジイソプロピルクロロシラン(16.4mL,96.1mmol)を溶解し、ここに窒素気流下、イソブチルマグネシウムブロマイドTHF溶液(1.0M,100mL)を30分で滴下した。その混合液に臭化第一銅(286mg,2.00mmol)を加え、70℃で一終夜攪拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液とn−ペンタンを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、減圧下蒸留により精製し、化合物40a(沸点70mmHg,102−106℃留分,8.26g,50%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.49(1H,m),1.80(1H,m),1.05(12H,m),0.98(6H,m),0.88(2H,m),0.56(2H,m).
3’,5’−ビス−O−イソブチルジイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(40)
ジクロロメタン(25mL)に化合物40a(1.53g,8.90mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(1.54g,8.68mmol)を0℃で加え、室温で30分攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をDMF(2.3mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(500mg,1.73mmol)とイミダゾール(770mg,11.3mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/クロロホルム)により精製し、化合物40(910mg,,88%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.65(1H,d,J=7.6Hz),7.29(2H,br d),6.22(1H,d,J=7.6Hz),5.75(1H,d,J=7.6Hz),4.68(1H,m),3.98−3.84(4H,m),1.84(2H,m),1.02(28H,m),0.95(12H,d,J=6.6Hz),0.66(4H,m);FAB−LRMS m/z 593(MH).
実施例41
3’−O−イソブチルジイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(41)
化合物40(400mg,0.675mmol)とメタンスルホン酸(87μl,1.3mmol)を用いて化合物39と同様にして合成した。化合物41(263mg,93%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.6Hz),7.27(2H,br d),6.15(1H,d,J=7.6Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.22(1H,m),4.68(1H,t,J=6.1Hz),3.83(2H,m),3.74(1H,m),3.58(1H,m),1.84(1H,m),1.02−0.91(20H,m),0.68(2H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 421(M−H)
実施例42
ジエチル(2−メチルペンタン−2−イル)シラン(42a)
マグネシウム(2.43g,100mmol)と2−クロロ−2−メチルペンタン(12.0g,99.0mmol)から調製した2−メチルペンタン−2−イルマグネシウムクロリドTHF溶液(100mL)、トリクロロシラン(9.70mL,96.1mmol)とエチルマグネシウムクロリドTHF溶液(0.93M,200mL,1.86mmol)を用いて化合物34aと同様にして合成した。化合物42a(沸点40mmHg,100−103℃留分、6.62g,40%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.47(1H,m),1.32−1.21(4H,m),0.96(6H,t,J=8.1Hz),0.92(6H,s),0.88(3H,t,J=6.5Hz),0.66−0.56(4H,m).
3’,5’−ビス−O−[ジエチル(2−メチルペンタン−2−イル)シリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(42)
化合物42a(2.76g,16.0mmol)、N−ブロモスクシンイミド(2.77g,15.6mmol)、CNDAC塩酸塩(1.41g,4.90mmol)とイミダゾール(2.18g,32.0mmol)を用いて化合物40と同様に合成した。化合物42(1.67g,57%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.62(1H,d,J=7.3Hz),7.31(2H,m),6.22(1H,d,J=7.3Hz),5.76(1H,d,J=7.6Hz),4.66(1H,m),3.98−3.84(4H,m),1.26(8H,m),1.06−0.84(30H,m),0.63(8H,m);FAB−LRMS m/z 593(MH).
実施例43
3’−O−[ジエチル(2−メチルペンタン−2−イル)シリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(43)
化合物42(360mg,0.607mmol)とメタンスルホン酸(80μl,1.2mmol)を用いて化合物39と同様にして合成した。化合物43(55mg,,11%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.71(1H,d,J=7.3Hz),7.27(2H,br d),6.17(1H,d,J=7.3Hz),5.78(1H,d,J=7.3Hz),5.19(1H,m),4.66(1H,t,J=6.3Hz),3.85−3.54(4H,m),1.28(4H,m),1.03−0.97(6H,m),0.88(6H,s),0.82(3H,t,J=7.6Hz),0.73(4H,m);FAB−LRMS m/z 423(MH).
実施例44
シクロプロピルジイソプロピルシラン(44a)
ジイソプロピルクロロシラン(4.10mL,96.0mmol)とシクロプロピルマグネシウムブロミドTHF溶液(1.0M,100mL)を用いて化合物40aと同様にして合成し、化合物44a(沸点35mmHg,86−89℃留分,1.84g,50%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.01(1H,m),1.07(14H,m),0.62(2H,m),0.28(2H,m),−0.46(1H,m).
3’,5’−ビス−O−シクロプロピルジイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(44)
シクロプロピルジイソプロピルシラン(1.05g,6.92mmol)、N−ブロモスクシンイミド(1.20g,6.75mmol)、CNDAC塩酸塩(500mg,1.73mmol)とイミダゾール(770mg,11.3mmol)を用いて化合物40と同様に合成し、化合物44(880mg,91%)を淡黄色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.76(1H,d,J=7.6Hz),6.26(1H,d,J=5.9Hz),5.74(1H,d,J=7.6Hz),4.03(1H,m),3.68(1H,t,J=2.9Hz),1.04(28H,m),0.67(4H,m),0.44(4H,m),−0.38(2H,m);FAB−LRMS m/z 561(MH).
実施例45
3’−O−シクロプロピルジイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(45)
化合物44(880mg,1.57mmol)とメタンスルホン酸(203μl,3.14mmol)を用いて化合物39と同様にして合成した。化合物45(240mg,38%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.3Hz),7.26(2H,br d),6.15(1H,d,J=7.3Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.20(1H,m),4.75(1H,m),3.85−3.73(3H,m),3.61(1H,m),1.01(14H,m),0.63(2H,m),0.39(2H,m),−0.35(1H,m);FAB−LRMS(negative)m/z 405(M−H);Anal.Calcd for C1930Si:C,56.13;H,7.44;N,13.78.Found:C,55.41;H,7.37;N,13.95.
実施例46
3’−O−(tert−ブチルジイソブチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(46)
化合物37(250mg,0.39mmol)とメタンスルホン酸(25μl,0.39mmol)を用いて化合物39と同様にして合成した。化合物46(50mg,29%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.3Hz),7.27(2H,br d),6.13(1H,d,J=7.3Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.22(1H,m),4.70(1H,t,J=5.9Hz),3.86−3.79(2H,m),3.74(1H,dd,J=4.9Hz,12.3Hz),3.61(1H,dd,J=4.2Hz,12.3Hz),1.92−1.82(2H,m),0.98(12H,m),0.91(9H,s),0.86−0.62(4H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 449(M−H)
実施例47
n−ブチルジイソプロピルシラン(47a)
THF(75mL)にジイソプロピルクロロシラン(13.1mL,76.8mmol)を溶解し、ここに窒素雰囲気下、n−ブチルマグネシウムクロリドTHF溶液(0.84M,100mL,84mmol)を10分で滴下した。その混合溶液に臭化第一銅(286mg,2.00mmol)を加え、65℃で8時間攪拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液とn−ペンタンを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、減圧下蒸留により精製し、化合物47a(沸点50mmHg、93.2−95.5℃留分、8.43g,64%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.41(1H,m),1.41−1.30(4H,m),1.06−1.01(14H,m),0.94−0.86(3H,m),0.64−0.57(2H,m).
3’,5’−ビス−O−(n−ブチルジイソプロピルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(47)
ジクロロメタン(25mL)に47a(2.17g,12.6mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(2.19g,12.3mmol)を0℃で加え、室温で30分攪拌した。減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(5mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(1.11g,3.84mmol)とイミダゾール(1.72g,25.2mmol)を加え、60℃で7時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−9%メタノール/クロロホルム)により精製し、化合物47(522mg,23%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.60(1H,d,J=7.3Hz),7.23(2H,br s),6.18(1H,d,J=7.3Hz),5.69(1H,d,J=7.3Hz),4.60(1H,t,J=7.8Hz),3.93−3.64(4H,m),1.29−1.24(8H,m),0.97−0.95(28H,m),0.81−0.79(6H,m),0.71−0.62(4H,m);FAB−LRMS m/z 593(MH).
実施例48
3’−O−(n−ブチルジイソプロピルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(48)
化合物47(522mg,0.880mmol)をメタノール(1.5mL)に溶解し、ここにメタンスルホン酸(0.10mL)を加え室温で30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(11%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物48(179mg,48%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.4Hz),7.26(2H,br d),6.16(1H,d,J=7.3Hz),5.77(1H,d,J=7.4Hz),5.21(1H,br s),4.65(1H,t,J=6.4Hz),3.86−3.78(3H,m),3.73−3.56(1H,m),1.01(14H,m),0.89−0.84(3H,m),0.74−0.69(2H,m);FAB−LRMS m/z 423(MH).
実施例49
ジイソプロピル−n−プロピルシラン(49a)
n−プロピルマグネシウムブロミドTHF溶液(1.04M,100mL,104mmol)を用い、化合物47aと同様にして合成した。化合物49a(沸点60mmHg、99.5−103.0℃留分、9.38g,62%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.43(1H,br s),1.53−1.40(2H,m),1.32−0.91(14H,m),0.64−0.57(2H,m).
3’,5’−ビス−O−(ジイソプロピル−n−プロピルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(49)
CNDAC塩酸塩(2.22g,7.69mmol)と化合物49a(3.99g,25.2mmol)を用い、化合物47と同様にして合成した。化合物49(1.82g,42%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.60(1H,d,J=7.6Hz),7.23(2H,br s),6.18(1H,d,J=7.4Hz),5.69(1H,d,J=7.6Hz),4.59(1H,t,J=7.3Hz),3.96−3.87(2H,m),3.79−3.73(2H,m),1.40−1.17(4H,m),0.99−0.86(28H,m),0.68−0.57(4H,m);FAB−LRMS m/z 565(MH).
実施例50
3’−O−(ジイソプロピル−n−プロピルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(50)
化合物49(1.17g,2.07mmol)を用いて化合物48と同様にして合成した。化合物50(381mg,45%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.4Hz),7.26(2H,br d),6.16(1H,d,J=7.3Hz),5.77(1H,d,J=7.4Hz),5.20(1H,t,J=5.12),4.65(1H,t,J=6.4Hz),3.86−3.56(3H,m),3.34−3.27(1H,m),1.46−1.34(2H,m),1.04−0.93(17H,m),0.74−0.68(2H,m);FAB−LRMS m/z 409(MH).Anal.Calcd for C1932Si:C,55.86;H,7.89;N,13.71.Found:C,55.44;H,7.84;N,13.51.
実施例51
ジイソプロピル(2,2−ジメチルプロピル)シラン(51a)
THF(100mL)にマグネシウム(2.43g,100mmol)と触媒量のヨウ素を加え、ここに1−ブロモ−2,2−ジメチルプロパン(10.7mL,100mmol)を20分で滴下し、室温で1時間攪拌した。発熱反応が終息した後、さらに50℃で5時間攪拌し、2,2−ジメチルプロピルマグネシウムブロミドTHF溶液を調製し、化合物47aと同様にして合成した。化合物51a(沸点40mmHg、120.0−122.5℃留分、7.65g,45%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.60(1H,br s),1.03−0.85(23H, m),0.67−0.63(2H,m).
3’,5’−ビス−O−[ジイソプロピル(2,2−ジメチルプロピル)シリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(51)
CNDAC塩酸塩(550mg,1.92mmol)と化合物51a(2.35g,12.6mmol)を用い、化合物47と同様にして合成した。化合物51(532mg,45%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.73(1H,d,J=7.4Hz),6.22(1H,d,J=5.6Hz),5.73(1H,d,J=7.4Hz),4.77(1H,br s),4.11−3.91(3H,m),3.72−3.69(1H,m),1.12−0.98(46H,m),0.80−0.78(4H,m);FAB−LRMS m/z 622(MH).
実施例52
3’−O−[ジイソプロピル(2,2−ジメチルプロピル)シリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(52)
化合物51(512mg,0.824mmol)を用いて化合物48と同様にして合成した。化合物52(166mg,46%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.78(1H,d,J=7.4Hz),6.23(1H,d,J=6.3Hz),5.78(1H,d,J=7.4Hz),4.04−4.00(2H,m),3.85−3.79(1H,m),3.70−3.66(1H,m),1.10−1.00(23H,m),0.57(2H,br s);FAB−LRMS m/z 437(MH).Anal.Calcd for C2136Si:C,57.77;H,8.31;N,12.83.Found:C,57.77;H,8.35;N,12.61.
実施例53
(3−メチルブチル)ジイソプロピルシラン(53a)
1−ブロモ−3−メチルブタン(12.6mL,100mmol)を用い、化合物51aと同様にして化合物53a(12.6g,73%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.41(1H,br s),1.53−1.41(1H,m),1.30−1.21(2H,m),1.10−0.91(14H,m),0.90−0.82(6H,m),0.61−0.57(2H,m).
3’,5’−ビス−O−[(3−メチルブチル)ジイソプロピルシリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(53)
CNDAC塩酸塩(520mg,1.80mmol)と化合物53a(2.35g,12.6mmol)を用い、化合物47と同様にして合成した。化合物53(515mg,46%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.78(1H,d,J=7.4Hz),6.30(1H,d,J=5.9Hz),5.72(1H,d,J=7.4Hz),4.76(1H,t,J=3.7Hz),4.01−3.86(3H,m),3.64−3.60(1H,m),1.52−1.49(2H,m),1.47−1.20(4H,m),1.06−1.00(28H,m),0.89(12H,d,J=5.1),0.73−0.65(4H,m);FAB−LRMS m/z 622(MH).
実施例54
3’−O−[(3−メチルブチル)ジイソプロピルシリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(54)
化合物53(500mg,0.805mmol)を用いて化合物48と同様にして合成した。化合物54(166mg,50%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.4Hz),7.28(2H,br d),6.25(1H,d,J=7.3Hz),5.74(1H,d,J=7.4Hz),4.43(1H,t,J=7.9Hz),3.96(1H,d,J=10.2Hz),3.87−3.78(3H,m),1.50−1.38(1H,m),1.29−1.22(2H,m),1.02(14H,s),0.86(6H,d,J=6.4),0.69−0.62(2H,m);FAB−LRMS m/z 437(MH).Anal.Calcd for C2136Si:C,57.77;H,8.31;N,12.83.Found:C,57.79;H,8.29;N,12.83.
実施例55
5’−O−(n−ブチルジイソプロピルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(55)
ジクロロメタン(5.8mL)に47a(500mg,2.90mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(463mg,2.60mmol)を0℃で加え、室温で2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(2.5mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(500mg,1.73mmol)とイミダゾール(531mg,7.80mmol)を加え、室温で一終夜攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−9%メタノール/クロロホルム)により精製した、化合物55(351mg,48%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.76(1H,d,J=7.4Hz),7.26(2H,br d),6.26(1H,d,J=5.9Hz),6.21(1H,d,J=7.3Hz),5.73(1H,d,J=7.4Hz),4.46−4.38(1H,m),3.95(1H,d,J=9.6Hz),3.86−3.74(3H,m),1.36−1.30(4H,m),1.01(14H,s),0.86−0.83(3H,m),0.69−0.63(2H,m);FAB−LRMS m/z 423(MH).Anal.Calcd for C2034Si:C,56.84;H,8.11;N,13.26.Found:C,56.10;H,8.74;N,12.89.
実施例56
5’−O−[(3−メチルブチル)ジイソプロピルシリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(56)
CNDAC塩酸塩(491mg,1.70mmol)と化合物53a(541mg,2.90mmol)を用い、化合物55と同様にして合成した。化合物56(379mg,51%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.76(1H,d,J=7.4Hz),7.28(2H,br d),6.25(1H,d,J=7.3Hz),5.74(1H,d,J=7.4Hz),4.43(1H,t,J=7.9Hz),3.96(1H,d,J=10.2Hz),3.87−3.78(3H,m),1.50−1.38(1H,m),1.29−1.22(2H,m),1.02(14H,s),0.86(6H,d,J=6.4),0.69−0.62(2H,m);FAB−LRMS m/z 437(MH).Anal.Calcd for C2136Si:C,57.77;H,8.31;N,12.83.Found:C,57.38;H,8.21;N,12.68.
実施例57
(2−エチルブチル)ジシクロプロピルシラン(57a)
THF(100mL)にマグネシウム(2.43g,100mmol)と触媒量のヨウ素を加え、ここに窒素雰囲気下1−ブロモ−2−エチルブタン(13.8mL,100mmol)を20分で滴下し、室温で1時間攪拌した。発熱反応が終息した後、さらに50℃で5時間攪拌し、2−エチルブチルマグネシウムブロミドTHF溶液を調製した。THF(26mL)にトリクロロシラン(2.52mL,25.0mmol)を溶解し、ここにシクロプロピルマグネシウムブロミドTHF溶液(0.50M,100mL,50mmol)を窒素雰囲気下、0℃で滴下し、室温で1時間攪拌した。その混合液に臭化第一銅(286mg,2.00mmol)を加え、先に調製した2−エチルブチルマグネシウムブロミドTHF溶液(25.0mL)を30分で滴下し、70℃で8時間攪拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液とn−ペンタンを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、化合物57a(510mg,10%)を褐色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.61−3.60(1H,m),1.38−1.30(5H,m),0.90−0.81(6H,m),0.65−0.60(6H,m),0.37−0.31(4H,m),−0.45-−0.51(2H,m).
5’−O−[(2−エチルブチル)ジシクロプロピルシリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(57)
CNDAC塩酸塩(500mg,1.73mmol)と化合物57a(510mg,2.60mmol)を用い、化合物55と同様にして合成した。化合物57(309mg,40%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.74(1H,d,J=7.4Hz),7.28(2H,br d),6.25(1H,d,J=5.9Hz),6.21(1H,d,J=7.4Hz),5.77(1H,d,J=7.4Hz),4.42−4.34(1H,m),3.99−3.77(4H,m),1.54−1.39(1H,m),1.36−1.29(4H,m),0.85−0.80(6H,m),0.60−0.50(6H,m),0.40−0.32(4H,m),−0.38−−0.46(2H,m);FAB−LRMS m/z 447(MH).
実施例58
ジシクロプロピルイソブチルシラン(58a)
THF(26mL)にトリクロロシラン(2.52mL,25.0mmol)を溶解し、ここにシクロプロピルマグネシウムブロミドTHF溶液(0.50M,100mL,50mmol)を窒素雰囲気下、0℃で滴下し、室温で1時間攪拌した。その混合液に臭化第一銅(286mg,2.00mmol)を加え、イソブチルマグネシウムブロミド(1.00M,25.0mL,25.0mmol)を30分で滴下し、70℃で8時間攪拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液とn−ペンタンを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、減圧下蒸留により精製し、化合物58a(沸点20mmHg,95−100℃留分,1.46g,35%)を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.45(1H,m),1.91−1.86(1H,m),0.99−0.95(6H,m),0.63−0.57(6H,m),0.33−0.30(4H,m),−0.43−−0.51(2H,m).
5’−O−ジシクロプロピルイソブチルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(58)
CNDAC塩酸塩(500mg,1.73mmol)と化合物58a(438mg,2.60mmol)を用い、化合物55と同様にして合成した。化合物58(247mg,34%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.75(1H,d,J=7.4Hz),7.27(2H,br d),6.24(1H,d,J=5.8Hz),6.20(1H,d,J=7.6Hz),5.77(1H,d,J=7.4Hz),4.41−4.34(1H,m),3.98−3.76(4H,m),1.93−1.81(1H,m),1.03−0.94(6H,m),0.60−0.50(6H,m),0.39−0.33(4H,m),−0.36−−0.51(2H,m);FAB−LRMS m/z 419(MH).
実施例59
[3−(tert−ブトキシ)プロピル]ジイソプロピルシラン(59a)
1−ブロモ−3−(tert−ブトキシ)プロパン(5.40g,27.7mmol)を用い、化合物51aと同様にして合成した。化合物59a(3.10g,49%)を褐色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.44(1H,br s),1.58−1.53(2H,m),1.26(9H,s),1.10−0.96(16H,m),0.83−0.78(2H,m).
5’−O−{[3−(tert−ブトキシ)プロピル]ジイソプロピルシリル}−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(59)
CNDAC塩酸塩(1.11g,3.84mmol)と化合物59a(2.90g,12.6mmol)を用い、化合物55と同様にして合成した。化合物59(425mg,23%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.86(1H,d,J=7.4Hz),6.36(1H,d,J=6.5Hz),5.81(1H,d,J=7.4Hz),4.65(1H,t,J=5.9Hz),4.10−3.93(3H,m),3.34−3.30(1H,m),1.66−1.58(2H,m),1.15(9H,s),1.06−1.04(16H,m),0.73−0.67(2H,m);FAB−LRMS m/z 481(MH).
実施例60
ジイソプロピル(3−メトキシプロピル)シラン(60a)
THF(55mL)に1−ブロモ−3−メトキシプロパン(9.18g,60.0mmol)を溶解し、ここにマグネシウム(1.53g,62.9mmol)と触媒量のヨウ素を加え、室温で20分、55℃で5分撹拌した。これをジイソプロピルクロロシラン(8.88mL,52.0mmol)のTHF(65mL)溶液に5分で滴下し、室温で1時間攪拌した。発熱反応が終息した後、さらに50℃で1.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ペンタンで抽出し、水で6回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、化合物60a(10.1g,89%)を黄色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.44(1H,br s),3.35(2H,t,J=6.6Hz),1.60−1.72(2H,m),0.97−1.03(14H,m),0.58−0.64(2H,m).
5’−O−[ジイソプロピル(3−メトキシプロピル)シリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(60)
ジクロロメタン(6mL)に化合物60a(565mg,3.00mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(534mg,3.00mmol)を0℃で加え、室温で5分攪拌した。減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(4.5mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(866mg,3.00mmol)とイミダゾール(511mg,7.51mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液にメタノール0.1mLを加えた後、酢酸エチルと水で分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣にt−ブチルメチルエーテルを加えて結晶化させ、化合物60(820mg,62%)を白色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.75(1H,d,J=7.6Hz),7.27,7.25(each 1H,each br s),6.25(1H,d,J=5.9Hz),6.21(1H,d,J=7.3Hz),5.73(1H,d,J=7.6Hz),4.38−4.45(1H,m),3.76−3.97(4H,m),3.27(2H,t,J=6.9Hz),3.20(3H,s),1.51−1.61(2H,m),1.01(14H,s),0.62−0.69(2H,m).
実施例61
(3−エトキシプロピル)ジイソプロピルシラン(61a)
THF(30mL)に1−ブロモ−3−エトキシプロパン(5.85g,35.0 mmol)を溶解し、ここにマグネシウム(900mg,37.0mmol)と触媒量のヨウ素を加え、室温で30分、60℃で10分撹拌した。これをジイソプロピルクロロシラン(5.12mL,30.0mmol)のTHF(40mL)溶液に滴下し、室温で15分、さらに60℃で1.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ペンタンで抽出し、水で6回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、化合物61a(6.52g,92%)を黄色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ 3.36−3.75(5H,m),1.61−1.72(2H,m),1.21(3H,t,J=7.0Hz),0.97−1.03(14H,m),0.57−0.65(2H,m).
5’−O−[(3−エトキシプロピル)ジイソプロピルシリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(61)
ジクロロメタン(8mL)に化合物61a(809mg,4.00mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(712mg,4.00mmol)を0℃で加え、室温で10分攪拌した。減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(4.5mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(1.26g,4.36mmol)とイミダゾール(681mg,10.0mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液にメタノールを加えた後、酢酸エチルと水で分配した。有機層を飽和食塩水で6回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣にt−ブチルメチルエーテルを加えて結晶化させ、化合物61(1.10g,68%)を白色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.75(1H,d,J=7.4Hz),7.27,7.25(each 1H,each br s),6.21(1H,d,J=5.9Hz),6.21(1H,d,J=7.4Hz),5.73(1H,d,J=7.4Hz),4.37−4.45(1H,m),3.76−3.98(4H,m),3.38(2H,q,J=6.9Hz),1.50−1.61(2H,m),1.01(14H,s),0.62−0.68(2H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 451(M−H)
実施例62
3’−O−[(3−エトキシプロピル)ジイソプロピルシリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(62)
ジクロロメタン(18mL)に化合物61a(1.82g,8.99mmol)を溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(1.60g,8.99mmol)を0℃で加え、室温で10分攪拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をDMF(5mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(866mg,3.00mmol)とイミダゾール(1.23g,18.1mmol)を加え、室温で20分、さらに55℃で2時間攪拌した。反応液にメタノールを加えた後、酢酸エチルと水で分配した。有機層を飽和食塩水で6回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をメタノール(5mL)に溶解し、メタンスルホン酸(0.33mL,4.5mmol)を加え0℃で30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(6%−10%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物62(310mg,23%)を白色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.79(1H,d,J=7.6Hz),7.29,7.24(each 1H,each br s),6.16(1H,d,J=7.3Hz),5.77(1H,d,J=7.6Hz),5.21(1H,t,J=5.4Hz),4.63−4.66(1H,m),3.79−3.87(2H,m),3.56−3.77(2H,m),3.39(2H,q,J=7.1Hz),1.52−1.60(2H,m),1.08(3H,t,J=7.1Hz),1.01(14H,s),0.67−0.70(2H,m);FAB−LRMS(negative) m/z 451(M−H)
実施例63
5’−O−[tert−ブチルジ(3−エトキシプロピル)シリル]−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(63)
THF(13.5mL)にマグネシウム(330mg,13.5mmol)と触媒量のヨウ素を加え、ここに窒素雰囲気下1−ブロモ−3−エトキシプロパン(2.25g,13.5mmol)を20分で滴下し、室温で1時間攪拌した。発熱反応が終息した後、さらに50℃で4時間攪拌した。これをtert−ブチルジクロロシラン(1.06g,6.75mmol)と臭化第一銅(20mg,0.14mmol)のTHF(6.75mL)溶液に窒素雰囲気下、0℃で滴下し、70℃で8時間攪拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液とn−ペンタンを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、得られた黄色液体をジクロロメタン(7.4mL)に溶解し、ここにN−ブロモスクシンイミド(642mg,3.61mmol)を0℃で加え、室温で10分攪拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をDMF(3.3mL)に溶解し、CNDAC塩酸塩(530mg,1.85mmol)とイミダゾール(378mg,5.55mmol)を加え、60℃で一終夜攪拌した。反応液にメタノールを加えた後、酢酸エチルと水で分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%―5%メタノール/クロロホルム)により精製した。化合物63(310mg,23%)を黄色泡状物質として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ 7.71(1H,d,J=7.6Hz),7.29,7.25(each 1H,each br s),6.27(1H,m),6.20(1H,d,J=7.6Hz),5.73(1H,d,J=7.6Hz),4.38(1H,m),3.94(1H,dd,J=2.2,11.7Hz),3.86−3.75(3H,m),3.37(4H,q,J=7.1Hz),3.29(2H,q,J=7.1Hz),3.16(1H,d,J=5.4Hz),1.56(4H,m),1.07(6H,t,J=7.1Hz),0.91(9H,s),0.63(4H,m);FAB−LRMS m/z 509(MH).
以下の表1〜表11によって、上記実施例で得た化合物1〜63の構造式を示す。
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
Figure 0004966186
〔薬理試験例1〕
ヌードマウス皮下腫瘍移植系、経口投与におけるCNDAC化合物の抗腫瘍試験
BALB/cA Jcl−nuマウス(日本クレア(株))に皮下継代したヒト大腸癌株KM20Cを2mm角のフラグメントにし、6週齢のBALB/cA Jcl−nuマウスの背部皮下に移植した。移植から14日後に、腫瘍の長径及び短径を測定し、下記の式にて腫瘍体積を算出後、各群の腫瘍体積にばらつきの無いように群分けを行った(1群当たり6匹)。
(式1) Vt=1/2(Vl)×(Vs)
[式中、Vtは腫瘍体積を示し、Vlは腫瘍長径を、Vsは腫瘍短径を示す。]
100mMクエン酸緩衝液(pH6.0)で調製した0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液に各CNDAC化合物をそれぞれ溶解あるいは懸濁し、群分けの翌日より1日1回14日間連日経口投与した。投与量はCNDAC 18mg/kg/dayと等モル数となる投与量に設定した。
群分けから29日後に、各群のマウスの皮下移植腫瘍の長径及び短径を測定し、腫瘍体積比(relative tumor volume,RTV)、腫瘍増殖抑制率(inhibition rate,IR)を下記の式から算出し、抗腫瘍効果の判定を行った。試験結果を表12に示した。
(式2) RTV=Vt1/Vt2
[式中、RTVは腫瘍体積比を示し、Vt1は判定日の腫瘍体積、Vt2は群分け日の腫瘍体積を示す。]
(式3) IR(%)=[1−(RTVtest)/(RTVcont)]×100
[式中、IRは腫瘍増殖抑制率を示し、RTVtestは薬剤投与群の平均RTV値、RTVcontは無処置群の平均RTV値を示す。]
Figure 0004966186
表12の結果より、本発明化合物がCNDACに比較して優れた抗腫瘍効果を有することが明らかとなった。
〔薬理試験例2〕
DonryuラットにおけるCNDAC化合物の薬物動態試験
Donryuラット(日本チャールスリバー、5週齢)に対してCNDAC化合物を経口投与時の血中CNDAC濃度から、経口吸収性及び生体内でのCNDACへの活性化が優れた化合物の選抜を行った。
Donryuラットに対して試験前日夕方より絶食した。試験日は午前中よりCNDAC化合物(CNDAC 30mg/kg等モル用量、100mMクエン酸緩衝液(pH5.0)で調整した0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液にて溶解あるいは懸濁)を経口投与し、15,30分,1,2,4及び8時間後に後大静脈より採血し血清を得た。(1ポイントあたり3匹)得られた血清中の化合物濃度及びCNDAC濃度をHPLCにて測定し、0〜8時間における血中CNDACの血中濃度下面積(area under concentration、AUC)を算出し、下記の式よりCNDAC化合物の血中CNDAC放出量としてのバイオアベイラビリティ(bioavalability、BA)を算出した。試験結果を表13に示した。
(式4) BA=[(AUCtest)/(AUCcont)]×100(%)
[式中、BAはバイオアベイラビリティを示し、AUCtestはCNDAC化合物(CNDAC 30mg/kg等モル用量)経口投与時の血中CNDACのAUCを、AUCcontはCNDAC 30mg/kg尾静脈内投与時の血中CNDACのAUCを示す。]
Figure 0004966186
表13の結果より、本発明化合物は既知の経口CNDAC化合物であるP−CNDACに比較しても、優れたバイオアベイラビリティを示すことが明らかとなった。
〔薬理試験例3〕
SD(IGS)ラットにおけるCNDAC化合物の薬物動態試験
SD(IGS)ラット(日本チャールスリバー、8週齢)に対してCNDAC化合物を経口投与時の血中CNDAC濃度から、経口吸収性及び生体内でのCNDACへの活性化が優れた化合物の選抜を行った。
試験日は午前中よりCNDAC化合物(CNDAC 10mg/kg等モル用量、100mMクエン酸緩衝液(pH5.0)で調製した0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液にて溶解あるいは懸濁)を経口投与し,30分,1,2,4,6及び8時間後に頚静脈より採血し血清を得た。(1ポイントあたり2ないしは3匹)得られた血清中の化合物濃度及びCNDAC濃度をLC/MSにて測定し、0〜8時間における血中CNDACの血中濃度下面積(area under concentration、AUC)を算出した。試験結果を表14に示した。
Figure 0004966186
表14の結果より、本発明化合物は既知の経口CNDAC化合物であるP−CNDACに比較しても、高いAUCを示すことが明らかとなった。
〔薬理試験例4〕
ヌードマウス皮下腫瘍移植系、経口投与におけるCNDAC,P−CNDAC,及び化合物19の等毒性用量における抗腫瘍試験
BALB/cA Jcl−nuマウス(日本クレア(株))に皮下継代したヒト大腸癌株KM20Cを2mm角のフラグメントにし、6週齢のBALB/cA Jcl−nuマウスの背部皮下に移植した。移植から15日後に、腫瘍の長径及び短径を測定し、下記の式にて腫瘍体積を算出後、各群の腫瘍体積にばらつきの無いように群分けを行った(1群当たり6匹)。
(式5) Vt=1/2(Vl)×(Vs)
[式中、Vtは腫瘍体積を示し、Vlは腫瘍長径を、Vsは腫瘍短径を示す。]
100mMクエン酸バッファー(pH5.0)で調製した0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液にCNDAC、P−CNDAC及び化合物19をそれぞれ溶解あるいは懸濁し、群分けの翌日より、各化合物の等毒性用量を1日1回14日間連日経口投与した。
週に2回、各群のマウスの皮下移植腫瘍の長径及び短径を測定し、腫瘍増殖の指標として腫瘍体積比(relative tumor volume,RTV)を下記の式から算出し、抗腫瘍効果の判定を行った。試験結果を図1に示した。
(式6) RTV=Vt1/Vt2
[式中、RTVは腫瘍体積比を示し、Vt1は判定日の腫瘍体積、Vt2は群分け日の腫瘍体積を示す。]
図1の結果より、等毒性用量において、化合物19はCNDAC、P−CNDACと比較して、強い腫瘍体積の縮小が認められた。さらに、CNDAC、P−CNDACが腫瘍消失が認められなかったのに対し、化合物19では、6例中3例で腫瘍消失が確認され、本発明化合物の優れた抗腫瘍効果が明らかとなった。
製剤例1 錠剤
Figure 0004966186
上記配合割合で、常法に従い、1錠当たり250mgの錠剤を調製した。
製剤例2 顆粒剤
Figure 0004966186
上記配合割合で、常法に従い、1包当たり1000mgの顆粒剤を調製した。
製剤例3 カプセル剤
Figure 0004966186
上記配合割合で、常法に従い、1カプセル当たり193mgのカプセル剤を調製した。
製剤例4 注射剤
Figure 0004966186
上記配合割合で、常法に従い、注射剤を調製した。
製剤例5 シロップ剤
Figure 0004966186
上記配合割合で、常法に従い、シロップ剤を調製した。
製剤例6 坐剤
Figure 0004966186
上記配合割合で、常法に従い、坐剤を調製した。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004966186
    [式中、X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であることを示し;R 及びR は、一方が水素原子、アミノ基でモノ置換された炭素数1乃至6のアルキルを有するカルボニル基、又は(R )(R )(R )Si−で表される基、他方が(R )(R )(R )Si−で表される基であることを示し;R 、R 、R 、R 、R 、R は同一又は相異なって、炭素数1乃至6の直鎖状又は分岐状アルコキシ基を有してもよい炭素数1乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基、炭素数3乃至6の環状アルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す]
    で表されるピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩。
  2. X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であり、Rが水素原子、バリル基、又は(R)(R)(R)Si−で表される基であり、Rが水素原子、又は(R)(R)(R)Si−で表される基である化合物(但し、Rが水素原子又はバリル基のとき、Rは水素原子ではない)であり、R、R、R、R、R、Rは同一又は相異なって炭素数1乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基、又は炭素数3乃至6の環状アルキル基である請求項1に記載のピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩。
  3. X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であり、Rが水素原子、L−バリル基、又は(R)(R)(R)Si−で表される基であり、Rが水素原子、又は(R)(R)(R)Si−で表される基である化合物(但し、Rが水素原子又はL−バリル基のとき、Rは水素原子ではない)であり、R、R、Rのいずれか1つ、又はR、R、Rのいずれか一つが、同一又は相異なって炭素数3乃至8の直鎖状又は分枝状アルキル基、又はシクロプロピル基であり、残りが同一又は相異なって炭素数1乃至4の直鎖状又は分枝状アルキル基である請求項1又は2に記載のピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩。
  4. X及びYは一方がシアノ基、他方が水素原子であり、Rが水素原子、L−バリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチルテキシルシリル基、又はジメチルn−オクチルシリル基であり、Rが水素原子、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、シクロプロピルジイソプロピルシリル基、又はジメチルテキシルシリル基である化合物(但し、Rが水素原子又はL−バリル基のとき、Rは水素原子ではない)である請求項1乃至のいずれかに記載のピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩。
  5. 次の(a)〜(k)のいずれかに記載のピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩:
    (a)5’−O−トリイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (b)5’−O−ジエチルイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (c)5’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (d)5’−O−(ジメチル−n−オクチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (e)3’−O−ジメチルテキシルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (f)3’−O−ジエチルイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (g)3’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (h)3’−O−トリイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (i)3’−O−ジメチルテキシルシリル−5’−O−(L―バリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (j)5’−O−(L−バリル)−3’−O−(tert―ブチルジメチルシリル)−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
    (k)3’−O−シクロプロピルジイソプロピルシリル−2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載のピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する医薬組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載のピリミジンヌクレオシド化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する抗腫瘍剤。
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