JP4964740B2 - 蝋義歯の製造方法 - Google Patents
蝋義歯の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4964740B2 JP4964740B2 JP2007284590A JP2007284590A JP4964740B2 JP 4964740 B2 JP4964740 B2 JP 4964740B2 JP 2007284590 A JP2007284590 A JP 2007284590A JP 2007284590 A JP2007284590 A JP 2007284590A JP 4964740 B2 JP4964740 B2 JP 4964740B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- occlusal
- artificial
- dentition
- articulator
- maxillary
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Dental Prosthetics (AREA)
Description
我が国は現在、世界に類を見ないほど急速に高齢化が進み、多くの高齢者の健康維持と生活の質の向上とが求められるようになっており、特に義歯による口腔機能の回復は、栄養の健全な経口摂取を促し、心身の健康維持に欠くことのできない要素として歯科医療の中でも、最も社会的ニーズの高いものの一つに挙げることができよう。
このように需要が高まる状況にあって、人工歯を用いた総義歯製造の現状は、各患者の性別や容貌に調和する前歯の審美性と十分な咀嚼機能性とを兼ね備えたものとしなければならず、その製造工程が複雑なものとなってしまい、完成するまでに多大な労力を要するものであった。
その打開策となるようなものとして、咬合器の下弓および上弓に下顎および上顎の石膏模型を取付け、各種の規準線が画かれた透明板の位置を各石膏模型の咬合面に規制する支持手段を下弓および上弓に夫々設け、予め人工歯を蝋床に配列固定した人工歯配列体の蝋床を軟化させ、その湾曲が透明板上の規準線に適合するように調節して人工歯を透明板に固定し、その蝋床と上顎石膏模型との隙間に溶融ワックスを注入し、蝋床の形を整えて上顎蝋床義歯を得る一方、予め人工歯を蝋床に配列固定した人工歯配列体を用い、下顎石膏模型上に上顎石膏模型の上顎蝋床義歯と適正に咬合する下顎蝋床義歯を作り、これら蝋床義歯の蝋床を樹脂床に置換して義歯を得るようにし、人工歯が整然と適切な位置に植立され、咬合状態の良い義歯を、高度の熟練を要せずして能率的に製作可能とするようにした技術(例えば、特許文献1参照)提案されている。
上述したとおり、従前までに提案のある各種義歯製作装置や義歯製作方法などの義歯製造技術は、咬合器に人工歯の排列の基準となり得る精密部品類を追加するなどして改良を加え、人工歯の排列作業を効率化しようとするものや、予め人工歯同士を排列状態に連結しておき、排列作業の作業性を高めようとするもの、または、排列した可動軟化蝋製の人工歯を、最終的に市販の硬質な人工歯に置換して義歯を製造する技術などを含む様々なものが開発されているが、何れも既存の一般的な咬合器や、市販の人工歯などをそのまま使用して実施することが不可能であり、経済的負担を増大してしまい、義歯製作の労働負担を軽減する効果も然程大きくないという欠点を有するものであり、既存の一般的な歯科医療機器類や歯科医療材などだけを用い、経済的且つ効率的に義歯を製造できる技術は、未だ存在していないという現状にある。
そこで、この発明は、高度な熟練および経験を要さず、義歯の製造効率を大幅に改善すると共に、作業負担を大きく軽減し、審美性および咀嚼運動性の高い標準的な歯列弓形を、誰でも安定した品質で迅速に製作できる義歯製造技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な蝋義歯の製造方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の蝋義歯の製造方法は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、機能印象によって得た上下顎模型に基づき上下顎基礎床を製作し、該上下顎基礎床夫々に標準的寸法の咬合堤材を結合して上下顎咬合床を形成してから患者の上下顎堤部に試着し、該上下顎咬合床の形状、寸法に修正を加えて顎位を採寸した後、該採寸値に基づき咬合器適正位置に取り付けた咬合平面板上適正位置に、該上顎咬合床を装着した上顎模型を載置して咬合器上弓に固定し、咬合平面板を取り外して上下顎咬合床を合わせ、下顎模型を咬合器下弓適正位置に固定した上、上下顎咬合床から夫々咬合堤を除去して一旦咬合器下弓の下顎模型を咬合平面板に交換し、同咬合平面板上に標準的上顎歯列弓形に設定され、底面を咬合平面に一致させた弾性素材製の馬蹄形であって、該底面とは反対がわとなる上面から底面に至る肉厚中に人工歯列位置決め用の型溝を、咬合器の咬合平面および顆頭に対し、任意の咬合様式に則した標準的歯列弓形、連接状に排列するよう刻設した上、左右後方端外面壁か、または、左右上顎臼歯人工歯群用の型溝範囲から左右後方端外面壁に至る範囲かの何れか一方に、上顎臼歯群歯槽頂線の位置を表示した左右の歯槽頂線表示部、および、左右のパウンドラインに一致する左右の下顎人工歯舌面表示部を夫々表示してなるものとした人工歯列用標準陰型を、その正中線が切歯指導釘、切歯指導標の尖端に一致し、且つ上顎大臼歯がわ左右端が歯槽頂間線法則に合致するよう位置決め載置し、該人工歯列用標準陰型の型溝中に歯並びに従って上顎人工歯を連接状に排列、嵌合し終えてから、軟化した適量の咬合堤材を上顎基礎床に装着すると略同時に、咬合器の上弓を切歯指導釘が切歯指導板に接するよう閉じ合わせ、咬合堤材を上顎基礎床と上顎人工歯群との間に挟み込むよう一体化して上顎蝋義歯を得た後、咬合器を開き、咬合平面板および人工歯列用標準陰型を取り外した下弓に当該下顎基礎床を装着した下顎模型を固定してから、上下顎咬合歯列弓形に倣う弾性素材製の馬蹄形であって、咬合器の顆頭に対して標準的歯列弓形に設定した上下顎何れか一方の基準人工歯列嵌合、位置決め用の基準歯列嵌着溝を、その上・底面何れか一方から上下肉厚中に達するよう連接状に排列、刻設すると共に、該上・底面何れか他方から任意の咬合様式に則して当該基準人工歯列に標準的に咬合可能な歯列弓形に設定した上下顎何れか他方の準拠人工歯列位置決め用の咬合歯列決定用型溝を連接状に排列、刻設してなる咬合嵌合位決定用陰型の基準歯列嵌着溝を上顎蝋義歯の人工歯列に嵌着し、同咬合嵌合位決定用陰型の咬合歯列決定用型溝の中に歯並びに従って下顎人工歯を連接状に排列、嵌合し終えてから、軟化した適量の咬合堤材を下顎基礎床に装着すると略同時に、咬合器の上下弓を切歯指導釘が切歯指導板に接するよう閉じ合わせ、当該咬合堤材を下顎基礎床と下顎人工歯群との間に挟み込むよう一体化させて下顎蝋義歯を得るようにした構成を要旨とする蝋義歯の製造方法である。
そしてまた、左右頬側外壁面の左右第2臼歯後縁相当個所に夫々第2大臼歯奥縁表示部を設けるか、または、唇側ないし左右頬側外壁面の上顎前歯人工歯群から左右上顎臼歯人工歯群夫々の第2臼歯後縁に至る範囲に渡り、第2大臼歯奥縁表示帯を表示するかの何れか一方に設定されてなるものとしてあり、上顎咬合床の大きさに適するサイズの人工歯列用標準陰型を正確で迅速に選択することができるようになり、作業効率を一段と高めるものとなる。
蝋義歯の製造方法は、咬合器の咬合平面板上に標準的上顎歯列弓形に設定された弾性素材製の人工歯列用標準陰型を、その正中線が切歯指導釘、切歯指導標の尖端に一致し、且つ上顎大臼歯がわ左右端が歯槽頂間線法則に合致するよう位置決め載置し、該人工歯列用標準陰型の型溝中に歯並びに従って上顎人工歯を連接状に排列、嵌合し終えてから、軟化した適量の咬合堤材を上顎基礎床に装着すると略同時に、咬合器の上弓を切歯指導釘が切歯指導板に接するよう閉じ合わせ、咬合堤材を上顎基礎床と上顎人工歯群との間に挟み込むよう一体化して上顎蝋義歯を得た後、咬合器を開き、咬合平面板および人工歯列用標準陰型を取り外した下弓に当該下顎基礎床を装着した下顎模型を固定し、標準的歯列弓形に設定された弾性素材製咬合嵌合位決定用陰型の基準歯列嵌着溝を、上顎蝋義歯の人工歯列に嵌着し、同咬合嵌合位決定用陰型の咬合歯列決定用型溝の中に歯並びに従って下顎人工歯を連接状に排列、嵌合し終えてから、軟化した適量の咬合堤材を下顎基礎床に装着すると略同時に、咬合器の上下弓を切歯指導釘が切歯指導板に接するよう閉じ合わせ、当該咬合堤材を下顎基礎床と下顎人工歯との間に挟み込むよう一体化させて下顎蝋義歯を得るという工程を経るものであるが、当該人工歯列用標準陰型が下顎人工歯群の排列を決定するものとし、先に下顎蝋義歯を得た後に、該下顎人工歯列に基準歯列嵌着溝を嵌合させて咬合嵌合位決定用陰型を装着し、同咬合嵌合位決定用陰型の咬合歯列決定用型溝の中に歯並びに従って上顎人工歯を連接状に排列、嵌合し終えてから、当該咬合堤を上顎基礎床と上顎人工歯群との間に挟み込むよう咬合器を閉じ合わせて一体化し、上顎蝋義歯を得るという工程を経るよう設定することも可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する蝋義歯の製造方法の一例を詳述していくこととするが、それに先立ち、その製造方法に使用する人工歯列用標準陰型および咬合嵌合位決定用陰型の各一実施例を詳しく示しておくこととする。
また、図6中に示すよう、左右の上顎犬歯型溝部23,23とそれに隣接する上顎第一小臼歯型溝部24,24との間夫々に、頬・唇側および舌側双方の外面壁から基準歯列嵌着溝22内壁および咬合歯列決定用型溝25付近に至る平面形ノッチ状の脆弱部27,27,……を刻設し、歯列弓の曲率を変更容易になるよう形成してなるものとしている。
以下には、前述の人工歯列用標準陰型1および咬合嵌合位決定用陰型2を用いて行うこの発明の蝋義歯の製造方法の一例を詳述して行くこととする。
この測定値に基づき平均値咬合器7下弓71の適正位置に咬合平面板72を取り付け(図12中のE)、また当該上顎模型80には上顎咬合床30を正確に組み合わせた状態に装着(図12中のF)する。
人工歯列用標準陰型1は、図20に示すように、その第2大臼歯奥縁表示帯18の左右後端が、上顎咬合床30に想定した上顎第2大臼歯の後縁(図20中に垂直波線で示す)に略一致するサイズであって、患者の性別や容貌、咀嚼、嚥下運動性および審美性(発音機能の回復)などを総合的に考慮して図3の3サイズ中から適宜選択して用いるようにし、該人工歯列用標準陰型1の咬合平面板72上への位置決め固定作業は、図9中に示す咬合器7切歯指導標75によって指示された正中線76、および同図9中に示すよう上下顎模型80,81(図15ならびに図16に示す)に基づく上顎臼歯群歯槽頂線90,90およびパウンドライン92,92を咬合平面板72上面に、図19ないし図22中に垂直二点鎖線および垂直波線で示す位置関係で表示したものとし、図10中に示すように、人工歯列用標準陰型1の唇側正中線76が切歯指導標75尖端に一致すると共に、人工歯列用標準陰型1の歯槽頂線表示部91,91、下顎人工歯舌面表示部93,93の夫々が透明素材製の同人工歯列用標準陰型1を透かし見るようにし、咬合平面板72上面の表示(上顎臼歯群歯槽頂線90,90およびパウンドライン92,92)に各々一致するよう、図10、図21および図22中に示す如く載置した上、図11に示すように、左右の留め金具94,94の上がわ配置となる挟着片95,95の前端凹型縁に、図10に示すよう人工歯列用標準陰型1左右後端を嵌合するよう配置して位置決めした後、各ボルト・ナット96,96,……を締め付けて確りと保持可能に固定する(図12のM)。
このとき、図30中の寸法LFに示すよう咬合器7切歯指導釘73を調節して上弓70を僅かに挙上し、後の咬合調整による高径減少を見込んだ余裕寸法分を確保するよう補正しておく。
以上のとおりの構成からなるこの発明の蝋義歯の製造方法に用いる人工歯列用標準陰型1は、図1ないし図4中に示すように、全体を充分に軟質な馬蹄形に成型された弾性を有する無色透明または有色透明な歯科医療用シリコン樹脂素材製のものとし、その底面10を咬合平面に一致した平滑面に設定し、咬合器7咬合平面板72上に密着状に載置可能であって、患者毎に異なる上顎歯列弓形に応じ、自在に伸縮、変形させ、歯間離開度を正確且つ容易に調節、位置決め可能であり、しかも、図9および図10に示すよう、左右の歯槽頂線表示部91,91および左右の下顎人工歯舌面表示部93,93を目安に、咬合器7咬合平面板72上面に表示した上顎臼歯群歯槽頂線90ならびにパウンドライン92を透かし見ながら、高精度に位置決めすることが可能となる。
そして、図10および図11に示した仮止め機構9は、咬合平面板72の後端縁左右に装着した挟着片95,95およびそのボルト・ナット96,96,……からなる留め金具94が、各上がわ挟着片95,95の前端凹型縁に人工歯列用標準陰型1左右後端を嵌合するよう位置決めし、人工歯列用標準陰型1左右後端の歯槽頂線表示部91および下顎人工歯舌面表示部93の位置決めならびに仮固定をより正確且つ強固なものとする。
以上のとおりの構成からなるこの発明の蝋義歯の製造方法に用いる咬合嵌合位決定用陰型2は、図6ないし図8に示すように、弾性を有する適度に硬質なシリコン樹脂素材製の馬蹄形に形成した上、上面20から上下肉厚中に達する範囲に基準歯列嵌着溝22を刻設し、底面21から咬合歯列決定用型溝25を刻設してなり、上顎蝋義歯3の上顎人工歯群50に該基準歯列嵌着溝22を弾性変形させて密着するよう正確に装着することが可能であり、しかも基準歯列嵌着溝22および咬合歯列決定用型溝25夫々が、各上下顎人工歯5,6の唇面または頬面から舌面の最大豊隆部に嵌合可能な深さに形成されており、上顎蝋義歯3の上顎咬合床30に固定済みの上顎人工歯群50に対し、下顎人工歯群60が適切な咬合嵌合位に配置されるよう適度な硬度をもって精密に位置決め保持すると共に、各下顎人工歯6の歯軸の傾きや捻転および脱抜、脱落などを悉く阻止することが可能である。
以上のとおりの構成からなるこの発明の蝋義歯の製造方法は、図19に示すよう上顎咬合床30の咬合堤材32を除去し(図12中のK)、適正位置に咬合平面板72を固定し(図12中のL)した後、図3中の3サイズの人工歯列用標準陰型1,1,1から、図20中に示すように、上顎咬合床30に想定した上顎第2大臼歯の後縁に、第2大臼歯奥縁表示帯18左右後端が略一致するサイズのものを目安に選択することが可能であり、また、該人工歯列用標準陰型1の咬合平面板72上への位置決め(図12中のM)作業は、上顎咬合床30に予め表示しておいた唇側正中線76を咬合器7切歯指導標75に一致させると共に、図9、図21および図22に示すように、咬合平面板72上面に表示した上顎臼歯群歯槽頂線90,90およびパウンドライン92,92に、図21に示すように、該人工歯列用標準陰型1の透明素材を透視しながら、左右後端側の歯槽頂線表示部91,91、下顎人工歯舌面表示部93,93の夫々を一致させるよう正確且つ迅速に行うことが可能であり、しかも図10および図11に示すように、人工歯列用標準陰型1の平滑面状の底面10を密着状に接合し、左右後端を留め金具94,94の挟着片95,95前端凹型縁に嵌合するよう配置して各ボルト・ナット96,96,……で緊締し、より確実に固定することが可能である。
以上のような構成からなる実施例1の人工歯列用標準陰型1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、二液常温硬化型、熱硬化型、紫外線硬化型など様々な性質をもつシリコン樹脂の中の何れか一つを選択して製造可能であり、工場にて大量生産する場合や、歯科医療の現場で単品製造する場合などの各条件に応じて製造効率や要求される耐久性などを考慮し、最も製造し易い素材を適宜自由に選択して経済的に製造することができ、しかも歯科医療用の素材を選択したことにより、高い安全性を確保することができるという利点が得られるものとなる。
実施例2の咬合嵌合位決定用陰型2も実施例1の人工歯列用標準陰型1と同様に、様々な種類が存在するシリコン樹脂の何れか最も適するものを適宜自由に選択し、経済的に生産することができ、また、該咬合嵌合位決定用陰型2は、その適度な強度を有する弾性と、図7および図8に示すように、各上下顎各人工歯5,6の最大豊隆部に達する深さに設定した基準歯列嵌着溝22、咬合歯列決定用型溝25とによって上顎蝋義歯3がわへの装着、および、下顎各人工歯群60の嵌着を精密且つ確実に行うことができ、しかも上下顎各人工歯群50,60同士を、各貫通窓26,26,……を通じて直接、接触させた状態に位置決めすると共に、図6中に示すように、各脆弱部27,27,……が患者の印象採取や採寸値などに応じて変形、調節した上顎人工歯列50形状や歯間離開度に柔軟に追従可能であり、その変形に倣って底面21がわの咬合歯列決定用型溝25も自動的且つ適度に追従、伸縮変形し、様々な上下顎人工歯列50,60形態の上下顎蝋義歯3,4に理想的な咬合嵌合位を与えることができ、しかもシリコン樹脂素材の均質な柔軟性によって上下顎各人工歯群50,60相互の排列バランスや歯間離開度をも、自動的に平均化し、従前まで不可欠とされてきた煩雑で熟練を要する調整作業を一切行わずに、秀れた審美性と咬合嵌合位を簡単に得ることができるという実利がある。
以上のような構成からなる実施例3の蝋義歯の製造方法は、咬合器7を始めとする歯科医療用器具、設備、工具類などの全てを、現行の歯科医療現場で一般に使用されているもので賄うことができ、前記実施例1の人工歯列用標準陰型1、ならびに実施例2の咬合嵌合位決定用陰型2も、咬合印象などに用いられる一般的な歯科医療用材料によって簡単に製造、加工可能なものであり、新たな投資を必要とせずに即座に実施できるという秀れた特徴を有し、経済的にも秀れており、歯科技工の作業効率を大幅にアップすることができる上、患者への医療費負担も軽微なものに抑えることができるという大きな効果を発揮することができる。
叙述の如く、この発明の蝋義歯の製造方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも熟練を要さず誰でも簡単且つ迅速に製造することができ、従前からの蝋義歯の製造に比較して製造工数を大幅に削減して容易に、審美性や咬合運動性に秀れた高品質を得ることができ、患者の通院期間を短縮し、医療費負担を軽減できることから、通院と医療費負担の増加とに悩む患者や、社会の高齢化に伴い増加する患者への対応に苦慮する歯科医師、および煩雑で精度を要する緻密な作業に追われる歯科技工士は勿論のこと、手軽に治療が受けられるような体制作りを目指す医療用機械器具業界や、材料業界および医療費の削減が求められる医療保険業界などからも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
10 同 底面
11 同 貫通窓
12 同 上面
13 同 型溝
14 同 犬歯型溝部
15 同 第一小臼歯型溝部
16 同 正中線位置決め溝
17 同 脆弱部
18 同 第2大臼歯奥縁表示帯
2 咬合嵌合位決定用陰型
20 同 上面
21 同 底面
22 同 基準歯列嵌着溝
23 同 犬歯型溝部
24 同 第一小臼歯型溝部
25 同 咬合歯列決定用型溝
26 同 貫通窓
27 同 脆弱部
3 上顎蝋義歯
30 同 上顎咬合床
31 同 上顎基礎床
32 同 上顎咬合堤(咬合堤材)
4 下顎蝋義歯
40 同 下顎咬合床
41 同 下顎基礎床
42 同 下顎咬合堤(咬合堤材)
5 上顎人工歯
50 同 上顎人工歯群(上顎人工歯列)
51 同 上顎前歯人工歯群
52 同 上顎臼歯人工歯群
53 同 歯槽面
54 同 切端
55 同 咬合面
6 下顎人工歯
60 同 下顎人工歯群(下顎人工歯列)
61 同 下顎前歯人工歯群
62 同 下顎臼歯人工歯群
63 同 歯槽面
64 同 切端
65 同 咬合面
7 咬合器
70 同 上弓
71 同 下弓
72 同 咬合平面板(咬合平面)
73 同 切歯指導釘
74 同 切歯指導板
75 同 切歯指導標
76 同 正中線
77 同 顆頭
78 同 ボンウィル三角
LF 同 切歯指導釘調節寸法
CP 同 カンペル平面
8 石膏模型
80 同 上顎模型
81 同 下顎模型
9 仮止め機構
90 同 上顎臼歯群歯槽頂線
91 同 歯槽頂線表示部
92 同 パウンドライン
93 同 下顎人工歯舌面表示部
94 同 留め金具
95 同 挟着片
96 同 ボルト・ナット
Claims (9)
- 機能印象によって得た上下顎模型に基づき上下顎基礎床を製作し、該上下顎基礎床夫々に標準的寸法の咬合堤材を結合して上下顎咬合床を形成してから患者の上下顎堤部に試着し、該上下顎咬合床の形状、寸法に修正を加えて顎位を採寸した後、該採寸値に基づき咬合器適正位置に取り付けた咬合平面板上適正位置に、該上顎咬合床を装着した上顎模型を載置して咬合器上弓に固定し、咬合平面板を取り外して上下顎咬合床を合わせ、下顎模型を咬合器下弓適正位置に固定した上、上下顎咬合床から夫々咬合堤を除去して一旦咬合器下弓の下顎模型を咬合平面板に交換し、同咬合平面板上に標準的上顎歯列弓形に設定され、底面を咬合平面に一致させた弾性素材製の馬蹄形であって、該底面とは反対がわとなる上面から底面に至る肉厚中に人工歯列位置決め用の型溝を、咬合器の咬合平面および顆頭に対し、任意の咬合様式に則した標準的歯列弓形、連接状に排列するよう刻設した上、左右後方端外面壁か、または、左右上顎臼歯人工歯群用の型溝範囲から左右後方端外面壁に至る範囲かの何れか一方に、上顎臼歯群歯槽頂線の位置を表示した左右の歯槽頂線表示部、および、左右のパウンドラインに一致する左右の下顎人工歯舌面表示部を夫々表示してなるものとした人工歯列用標準陰型を、その正中線が切歯指導釘、切歯指導標の尖端に一致し、且つ上顎大臼歯がわ左右端が歯槽頂間線法則に合致するよう位置決め載置し、該人工歯列用標準陰型の型溝中に歯並びに従って上顎人工歯を連接状に排列、嵌合し終えてから、軟化した適量の咬合堤材を上顎基礎床に装着すると略同時に、咬合器の上弓を切歯指導釘が切歯指導板に接するよう閉じ合わせ、咬合堤材を上顎基礎床と上顎人工歯群との間に挟み込むよう一体化して上顎蝋義歯を得た後、咬合器を開き、咬合平面板および人工歯列用標準陰型を取り外した下弓に当該下顎基礎床を装着した下顎模型を固定してから、上下顎咬合歯列弓形に倣う弾性素材製の馬蹄形であって、咬合器の顆頭に対して標準的歯列弓形に設定した上下顎何れか一方の基準人工歯列嵌合、位置決め用の基準歯列嵌着溝を、その上・底面何れか一方から上下肉厚中に達するよう連接状に排列、刻設すると共に、該上・底面何れか他方から任意の咬合様式に則して当該基準人工歯列に標準的に咬合可能な歯列弓形に設定した上下顎何れか他方の準拠人工歯列位置決め用の咬合歯列決定用型溝を連接状に排列、刻設してなる咬合嵌合位決定用陰型の基準歯列嵌着溝を上顎蝋義歯の人工歯列に嵌着し、同咬合嵌合位決定用陰型の咬合歯列決定用型溝の中に歯並びに従って下顎人工歯を連接状に排列、嵌合し終えてから、軟化した適量の咬合堤材を下顎基礎床に装着すると略同時に、咬合器の上下弓を切歯指導釘が切歯指導板に接するよう閉じ合わせ、当該咬合堤材を下顎基礎床と下顎人工歯群との間に挟み込むよう一体化させて下顎蝋義歯を得るようにしたことを特徴とする蝋義歯の製造方法。
- 人工歯列用標準陰型は、底面を咬合平面に一致させた弾性素材製の馬蹄形であって、該底面とは反対がわとなる上面から底面に至る肉厚中に人工歯列位置決め用の型溝を、咬合器の咬合平面および顆頭に対し、任意の咬合様式に則した標準的歯列弓形、連接状に排列するよう刻設した上、左右頬側外壁面の左右第2臼歯後縁相当個所に夫々第2大臼歯奥縁表示部を設けるか、または、唇側ないし左右頬側外壁面の上顎前歯人工歯群から左右上顎臼歯人工歯群夫々の第2臼歯後縁に至る範囲に渡り、第2大臼歯奥縁表示帯を表示するかの何れか一方に設定されてなるものとした、請求項1に記載する蝋義歯の製造方法。
- 人工歯列用標準陰型は、底面を咬合平面に一致させた弾性素材製の馬蹄形であって、該底面とは反対がわとなる上面から底面に至る肉厚中に人工歯列位置決め用の型溝を、咬合器の咬合平面および顆頭に対し、任意の咬合様式に則した標準的歯列弓形、連接状に排列するよう刻設すると共に、咬合器咬合平面板上の所定個所に底面を装着した場合に、切歯指導標尖端に対応する中切歯近心隅角間の唇側となる個所に上面から底面に貫通し、且つ型溝に達する深さの正中線位置決め溝を刻設してなるものとした、請求項1または2何れか一項記載の蝋義歯の製造方法。
- 人工歯列用標準陰型は、底面を咬合平面に一致させた弾性素材製の馬蹄形であって、該底面とは反対がわとなる上面から底面に至る肉厚中に人工歯列位置決め用の型溝を、咬合器の咬合平面および顆頭に対し、任意の咬合様式に則した標準的歯列弓形、連接状に排列するよう刻設すると共に、最も奥の左右大臼歯の後部相当個所の夫々に、咬合器咬合平面板上に位置決めおよび仮固定を可能とする仮止め機構が組み込まれてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の蝋義歯の製造方法。
- 人工歯列用標準陰型が、左右の犬歯型溝部と第一小臼歯型溝部との間夫々に、頬・唇側および舌側双方の外面壁から型溝内壁付近に至る平面形ノッチ状の脆弱部を刻設し、歯列弓の曲率を変更容易になるよう形成してなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の蝋義歯の製造方法。
- 人工歯列用標準陰型は、その型溝が、各人工歯の唇面または頬面から舌面の最大豊隆部に嵌合可能な深さに形成してなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の蝋義歯の製造方法。
- 人工歯列用標準陰型は、その型溝が、各人工歯の切端や咬合面の必要個所が咬合平面に一致する配置となるよう、底面適所に貫通窓が開口されてなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の蝋義歯の製造方法。
- 咬合嵌合位決定用陰型が、基準歯列嵌着溝および咬合歯列決定用型溝は、上下顎各人工歯の切端や咬合面の咬合、接合個所で互いに連通する貫通窓が開口されてなるものとした、請求項1ないし7何れか一項記載の蝋義歯の製造方法。
- 咬合嵌合位決定用陰型は、左右の上顎犬歯型溝部とそれに隣接する上顎第一小臼歯型溝部との間夫々に、頬・唇側および舌側双方の外面壁から型溝内壁付近に至る平面形ノッチ状の脆弱部を刻設し、歯列弓の曲率を変更容易になるよう形成してなるものとした、請求項1ないし8何れか一項記載の蝋義歯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007284590A JP4964740B2 (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 蝋義歯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007284590A JP4964740B2 (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 蝋義歯の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009106686A JP2009106686A (ja) | 2009-05-21 |
JP4964740B2 true JP4964740B2 (ja) | 2012-07-04 |
Family
ID=40775878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007284590A Active JP4964740B2 (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 蝋義歯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4964740B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014133021A (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-24 | Matsuda Shika Iin | 歯の咬合再構成方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5812654B2 (ja) * | 2011-04-06 | 2015-11-17 | 基夫 室野井 | 歯列模型調節器 |
EP2742906B8 (de) * | 2012-12-17 | 2016-08-24 | Ivoclar Vivadent AG | Verfahren und System zum Aufbau einer Dentalprothese |
JP6182321B2 (ja) * | 2013-02-01 | 2017-08-16 | 株式会社ジーシーデンタルプロダクツ | 義歯用蝋型 |
JP6333974B2 (ja) * | 2013-10-17 | 2018-05-30 | イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト | 歯科用トランスファーテンプレート |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0649043B2 (ja) * | 1992-05-26 | 1994-06-29 | 清孝 大里 | 義歯製作装置及び製作方法 |
JPH10225469A (ja) * | 1997-02-13 | 1998-08-25 | Seiji Shimamura | 人工歯及びその人工歯を用いた総義歯人工歯配列方法 |
JP3645189B2 (ja) * | 2001-03-13 | 2005-05-11 | デンツプライ三金株式会社 | 義歯製作装置 |
JP2003102751A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-08 | Shinji Hiraiwa | 上顎の一体型刃物付き人工臼歯(図4)と下顎の一体型人工臼歯(図2−2,4)、及び総義歯製作時に便利な配列具(図7−22、図8−23)。 |
-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007284590A patent/JP4964740B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014133021A (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-24 | Matsuda Shika Iin | 歯の咬合再構成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009106686A (ja) | 2009-05-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2510252C2 (ru) | Зубные протезы, зубные дуги и способы их изготовления | |
TWI627941B (zh) | 製作牙科手術導板之方法 | |
KR101857951B1 (ko) | 틀니 제조방법 및 제조시스템 | |
US20160166357A1 (en) | Method And Apparatus For Orthodontic Attachment Fabrication And Placement | |
US20090233255A1 (en) | Set of prefabricated and flexible dental arches with adjustable teeth, dental arches kit, denture construction process and method of application of said arches in the denture construction process | |
CN108601640B (zh) | 肌位3d调节器具和肌位3d调节咬合器 | |
JP4964740B2 (ja) | 蝋義歯の製造方法 | |
US5951290A (en) | Procedure for the preparation of fixed dental prostheses made of resin, inserts for the same and fixed prostheses obtained in this way | |
CN114917046A (zh) | 数字化活动全口义齿的制作方法 | |
JP6369858B2 (ja) | 咬合採得用義歯 | |
WO2016098781A1 (ja) | 筋肉位3d調節器具及び人工歯 | |
US20230112706A1 (en) | Prosthetic tooth or denture base | |
US20220117709A1 (en) | Prosthetic tooth | |
KR102500317B1 (ko) | 수직고경 측정 범용 부분 바이트가이드 | |
EP2759278A2 (en) | Device and method for manufacturing dental prostheses | |
US20080038695A1 (en) | Treatment prostheses for edentulous dental patients | |
JP2006326123A (ja) | 人工歯配列法並びにそれに用いる人工歯ブロックおよび器具 | |
JP2004008487A (ja) | 義歯作製用フィット治具及び義歯作製方法 | |
JP2006042954A (ja) | 義歯とその咬交調整方法 | |
AU2012201852A1 (en) | Dentures, dental arches and methods of manufacture | |
Marchenko et al. | Algorithms of performing of practical skills in prosthetic dentistry | |
Guo | Prefabricated dentitions for complete-denture prosthodontics. | |
KR20160026649A (ko) | 묶음 배열이 가능한 인공치아 구조체 | |
CA2596568A1 (en) | Treatment prostheses for edentulous dental patients |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100414 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100810 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101012 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110517 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110719 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120306 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120328 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |