JP4964271B2 - GaN系結晶膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特にGaN系結晶の成長に用いるのに適した結晶基板、および、基体上にGaN系結晶膜を製造する方法に関する。
GaN系化合物は、様々な電子デバイスに適用されている半導体材料であるが、バルク単結晶を得ることが困難なため、従前より、異種材料基板上へのエピタキシャル成長により製造されていた。しかしながら、このようにして得られたエピタキシャル成長結晶膜は、109〜1010cm-2程度もの欠陥密度を持つものであり、必ずしも十分な結晶品質が得られるわけではなかった。よって、電子デバイスの高性能化のために、高晶質のGaN単結晶基板を工業的に得ることが切望されていた。
図7は、このような目的で開発された、非特許文献1に報告された、第1の従来例である。図7を参照すると、基体70は、サファイア基板71と、サファイア基板71の上に形成されたSiO2膜パターン72とを有する。SiO2膜パターン72には開口部73が設けられている。基体70上の全面には、MOVPE法で形成されたGaN結晶74が形成されている。第1の従来例においては、開口部73から結晶成長が開始されるようなSiO2膜パターンによる成長制御を用いたことにより、SiO2上のGaN結晶75において、欠陥密度105〜106cm-2が得られた。これは、従前得られていた結晶よりも、欠陥密度が4桁程度低減した結晶である。
また、図8は、非特許文献2に報告された、同様の目的で開発された第2の従来例である。図8を参照すると、基体80は、サファイア基板81と、MOCVD法で形成されたGaN単結晶膜82と、SiO2膜パターン83とを有する。SiO2膜パターンには開口部84が設けられている。基体80上の全面には、Hydride−VPE法で形成されたGaN結晶85が形成されている。第2の従来例もまた、Hydride−VPE法でGaN結晶85を形成する際に、SiO2パターンによる成長制御を用いられており、その結果、Hydride−VPE法で形成されたGaN結晶85の表面付近において、欠陥密度6×107cm-2が得られた。これは、従前得られていた結晶よりも、欠陥密度が3桁程度低減した結晶である。
このような、従来例に示されたGaN単結晶膜をGaN系半導体デバイスの成長用基板として使用すれば、電子デバイスが高性能化されることが期待されていた。
第58回応用物理学会学術講演会講演予稿集2p−Q−14,No.1(1997)p.265 第58回応用物理学会学術講演会講演予稿集2p−Q−15,No.1(1997)p.266
しかしながら、上述の従来例によって得られたGaN単結晶基板の品質は、今だ十分なものではなかった。例えば、半導体レーザデバイスでは、発光領域付近に欠陥が存在しなければ、製品寿命に革新的な向上がもたらされるが、そのためには、欠陥密度10-5cm-2未満が要求される。この意味において、上述の従来の技術による結晶欠陥の低減は不十分であった。望ましくは、GaAs等の、他のIII−V族半導体基板と同様の、欠陥密度10-4cm-2未満が求められている。
第1の従来例においては、欠陥密度の低減された高品質結晶は、SiO2膜パターン上に限られ、その他の領域は従前同様の結晶品質であったので、結晶成長用基板としては、使いにくいものであった。
第2の従来例においては、Hydride−VPE法により、エピタキシャル成長結晶膜としては比較的厚い、数10μmの膜が形成された。その結果、その表面付近ではSiO2パターンの影響が緩和されて欠陥が均一に分布するので、第1の従来例のような問題が無いが、欠陥密度の点からは、第1の従来例に劣っていた。
本発明は、このような従来の問題点を解消することを目的とする。
本発明は、アンモニアを含む雰囲気中で、Gaを含む原料を昇華させて、複数の開口部を有するGaN系結晶の成長を抑制する膜が表面に設けられた基体上の、該開口部が埋め込まれるように、GaN系化合物を選択的に結晶化させることにより、基体上に複数の、該基体に垂直な面が発達する、島状のGaN系単結晶を得る第1の結晶成長工程と、該基体上に、該複数の島状のGaN系単結晶を成長核として、GaN系結晶を、該第1の結晶成長工程とは異なるエピタキシャル成長により形成することにより、GaN系結晶の連続膜を得る第2の結晶成長工程とを含むことを特徴とする、GaN系結晶膜の製造方法を提供する。
好適な実施形態では、前記基体に垂直な面は、(11−20)面または(1−100)面であることを特徴とする。
好適な実施形態では、前記島状のGaN単結晶の形状が六角柱であることを特徴とする。
なお、本明細書において、GaN系化合物/結晶とは、III族元素とV族元素よりなる化合物/結晶であって、III族元素としてGaを、V族元素としてNを含むものを表わす。
本明細書において、AlN系化合物とは、III族元素とV族元素よりなる化合物であって、III族元素としてAlを、V族元素としてNを含むものを表わす。
本明細書において、ZnO系化合物とは、II族元素とVI族元素よりなる化合物であって、II族元素としてZnを、VI族元素としてOを含むものを表わす。
本明細書において、昇華再結晶法とは、アンモニアを含む雰囲気中で、Gaを含む原料を昇華させ、所定の基体上に結晶化させることにより、GaN系結晶を得る結晶成長方法のことを表す。
本明細書において、昇華とは、固相原料が、そのままの分子形態で気化する厳密な意味での昇華のみを指すものではなく、固相原料が分解/結合されて気化する場合、液相原料が蒸発、分解/結合されて気化する場合も含むものである。
本明細書において、Gaを含む原料とは、金属ガリウムもしくはGa化合物、または、そのいずれかを含む混合物からなる原料のことを表している。
本明細書において、島状の結晶とは、図2(c)もしくは図5(c)に示されるように、個々の島が完全に分離される場合のみを指すものではなく、各島の一部がつながっていてもよいものとする。
本明細書において、エピタキシャル成長法とは、VPE(気相エピタキシャル)成長法、CVD(化学気相デポジション)成長法、MOVPE(有機金属化学気相エピタキシャル)成長法、MOCVD(有機金属化学気相デポジション)成長法、Halide−VPE(ハロゲン化物気相エピタキシャル)成長法、Hydride−VPE(水素化物気相エピタキシャル)成長法、MBE(分子線エピタキシャル)成長法、MOMBE(有機金属分子線エピタキシャル)成長法、GSMBE(ガスソース分子線エピタキシャル)成長法、CBE(化学ビームエピタキシャル)成長法を含む。
本発明の結晶基板をGaN系半導体デバイス形成用基板として用いることにより、デバイスの性能を向上することができる。また、本発明のGaN系結晶膜の製造方法によれば、欠陥密度が小さく、また、欠陥密度に面内の分布の無い、高晶質のGaN系結晶連続膜を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態におけるGaN系結晶基板を示す断面模式図である。 本発明の第1の実施の形態における、GaN系結晶膜の製造方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態における、昇華再結晶成長装置を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態におけるGaN系結晶基板を示す断面模式図である。 本発明の第2の実施の形態における、GaN系結晶膜の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態におけるGaN系結晶基板を示す断面模式図である。 第1の従来技術のGaN系結晶基板を示す断面模式図である。 第2の従来技術のGaN系結晶基板を示す断面模式図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係わる第1の実施の形態の結晶基板を示す断面模式図である。図1に示すように、基体10は、サファイア101とその表面に順次設けられたGaNバッファ層102、エピタキシャル成長GaN層103,SiO2膜104を有する。SiO2膜104には開口部105が設けられている。基体10上のSiO2膜の開口部105には昇華再結晶GaN結晶11が形成されており、さらに基体10上の全面に、GaN結晶連続膜12が設けられている。
次に、図2(a)〜(c)を参照して、本実施の形態の結晶基板の作製方法および、本発明のGaN系半導体膜の製造方法について説明する。
始めに、図2(a)に示すように、C面を表面とするサファイア基板101上に、公知の手法にて、GaNバッファ層102(厚さ50nm)、MOVPE成長法によるエピタキシャル成長GaN層103(厚さ4μm)を順次形成する。ここで、GaNバッファ層102としては、MOVPE成長法にてGaN層103よりも低い成長温度で形成された層や、その他のエピタキシャル成長法で形成された層、スパッタにて形成された層、真空蒸着法にて形成された層、イオンプレーティングにて形成された層などを用いることができる。これらGaNバッファ層102を用いることにより、比較的高品質のMOVPE成長法によるエピタキシャル成長GaN層103を得ることができた。このような、サファイア基板上に、MOVPE法によってGaN結晶層を得る技術は公知であるので、その詳細は省略する。ここでC面サファイアに変えてA面あるいは、R面あるいはM面サファイアを用いてもよい。
次いで、図2(b)に示すように、GaN層103の表面に、複数の開口部105を持つ、SiO2膜104(厚さ0.2μm)を形成する。このようなSiO2膜104は、真空蒸着法、CVD法、スパッタ法などの成膜技術と、選択エッチング法もしくはリフトオフ法を適宜用いて形成できることは、当業者にとって周知の事実であるので、その詳細な作製方法の記載は省略する。ここで、SiO2膜104のパターンは、GaN〈1−100〉方向に沿った、線幅0.1〜30μmのストライプ状の開口部105が、ピッチ3〜200μmで配置されるように形成すればよい。開口部105の、線幅は2μm、ピッチは10μmとする。こうして、複数の開口部105を持つGaN系結晶の成長を抑制する膜104を表面に備える基体10が得られる。
次いで、図2(c)に示すように、昇華再結晶法により、基体10表面に、該開口部105にのみ選択的に昇華再結晶法GaN結晶11を形成する。
ここで、GaN結晶の昇華再結晶法について、図3の断面図に示される成長装置を参照しつつ、詳細に説明する。図3に示すように、この昇華再結晶法成長装置130は、内部に密閉可能なチャンバーを有する成長装置の本体137と、加熱装置131と、ガス導入ライン134と、排気ライン135を備える。使用時には、昇華再結晶成長装置本体137のチャンバーの中に、GaN粉末133が充填されたボート132が配置され、そして、複数の開口部105を有するSiO2膜104が表面に形成された基体10(図2(b))が、そのSiO2膜面がボート132に向かい合うように配置される。ガス導入ライン134からは、アンモニアと窒素の混合ガス136が装置130内部に供給される。このような構成において、加熱装置131でボート132が900〜1200℃に加熱されることにより、GaN粉末133が昇華によりもしくは分解されて昇華され、装置内部に連続的に供給されるアンモニアと窒素の混合ガス雰囲気中で、基体10表面に輸送される。ここで、基体10は加熱装置131により800〜1100℃に保たれており、その表面にてGaN単結晶が再結晶化される。再結晶化の駆動カを得るために、ボートよりも基体の方が低温に保たれることが望ましい。なお、GaN単結晶の再結晶化は、基体表面にSiO2膜104が形成されているために、その開口部105でのみ選択的に生じ、結果として、島状のGaN単結晶が形成された。得られた島状のGaN結晶は、例えば、幅2〜6μm、高さ2〜6μmのサイズであり、このようなサイズのGaN結晶を得るのに要した時間は、0.05〜1時間であった。また、結晶の外形は、(11−20)面および(0001)面の発達した、断面が矩型の形態であった。なお、装置内に導入されるアンモニアと窒素の混合ガスとしては、アンモニア:窒素=1:1〜15の体積比で混合されたものが好ましい。
その後、図2(c)に示される基体10を酸洗浄または/およびアルカリ洗浄して、表面に付着した余分のGaN微結晶やGa金属(図には示されない)を除去し、次いでMOVPE成長法を用いて、さらに、GaN結晶を成長したところ、昇華再結晶法により形成された島状のGaN結晶を成長核として、GaN結晶の成長が進行し、最終的に、図1に示されるような連続膜が得られた。このとき、III族原料としてトリメチルガリウムを用い、V族原料としてアンモニアを用い、そしてキャリアガスとして水素を用いた。成長に先だって、MOVPE装置内部で、基体表面をアンモニアを含む気流中、1150℃で処理を行うことが望ましく、また、結晶の成長温度としては、950〜1150℃の範囲が好ましく、特に1100℃程度の比較的高温が望ましかった。このとき、島状結晶の(11−20)面から横方向の成長が優先的に進行し、結果として図1のような連続膜が得られた。成長時間1〜3時間で、SiO2膜104より上方に、厚さ4〜15μmのGaN単結晶連続膜12が得られた。
このような、膜の晶質をTEM(透過電子顕微鏡)で評価したところ、表面付近では、欠陥密度3×10-3cm-2程度であり、従来の技術と比較して、向上が見られた。また、SiO2膜104の開口部105位置と、欠陥密度との間にはほとんど相関がなく、面内でほぼ一様に高品質膜を得ることができた。そのため、本発明の結晶基板をGaN系半導体を用いた電子デバイスの結晶成長用基板に用いれば、基板上の種々の位置に形成した電子デバイスの性能を均一にできる。また、例えば、発光ダイオードのように、大きい(200μm×200μm程度)発光部を有するデバイスを作製しても、発光部に、結晶品質の差による発光ムラが生じてしまうような問題が起こらない。さらに、結晶基板自身の品質が高いので、その上に形成される電子デバイスの特性を向上できる。
従来の技術よりも高品質の結晶が得られる理由を、本発明者らは、以下のように推測している。
(1)第1の結晶成長で得られた島状結晶の結晶品質が良好なことによる:選択成長を用いた昇華再結晶法により欠陥密度10-5cm-2程度の高品質な島状結晶が得られた。これにより、第2の結晶成長における成長核の品質が高く、ここで得られる連続膜の結晶品質が向上する。
(2)第1の結晶成長で得られた島状結晶の形状による:基体10上にSiO2膜104が突出しており、第2の結晶成長の際に、横方向への結晶成長が容易に起こる。これにより、従来の技術において、基体との界面より上方に延伸し、結晶表面にまで達していた欠陥が見られなくなった。
(3)第1の結晶成長で得られた島状結晶の結晶面による:基体10の表面に垂直な面である(11−20)面が発達しており、第2の結晶成長の初期過程では、このような面が常に表出するような結晶成長モードとなって、導入される欠陥が少なくなる。
なお、本実施の形態における昇華再結晶法により形成された島状結晶11は、図2(c)に示されるように、個々の島が完全に分離している必要はなく、島の一部がつながったようなパターン(例えば、全体として、格子状の形態をした結晶)であってもよく、このような場合においても、本発明の効果が損なわれるものではない。
(実施の形態2)
図4は、本発明に係わる第2の実施の形態の結晶基板を示す断面模式図である。図4に示すように、基体20は、SiC基板201とその表面に順次設けられたAlNバッファ層202,およびSiNx膜203を有する。SiNx膜203には開口部205が設けられている。基体20上の膜の開口部205には昇華再結晶GaN結晶21が形成されており、さらに基体20上の全面に、GaN結晶連続膜22が設けられている。
次に、図5(a)〜(c)を参照して、本実施の形態の結晶基板の作製方法および、本実施の形態のGaN系半導体膜の製造方法について説明する。
始めに、図5(a)に示すように、(0001)面を表面とするSiC基板201上に、基板温度300℃にて、スパッタ法にてAlNバッファ層202(厚さ200nm)を形成する。なお、スパッタ法にかえて、エピタキシャル成長法、真空蒸着法にて形成された層、イオンプレーティング法等も用いることが可能であるが、ここでは、生産性の良好な点から、スパッタ法を選択した。
次いで、図5(b)に示すように、AlNバッファ層202の表面に、複数の開口部205を有する、SiNx膜203(厚さ0.3μm)、SiO2204(厚さ0.2μm)からなる多層膜を形成した。このようなSiNx膜203、SiO2205は、真空蒸発法、CVD法スパッタ法などの成膜技術と、選択エッチング法もしくはリフトオフ法を適宜用いて形成できることは当業者にとって周知の事実であるので、その詳細な作製方法の記載は省略する。ここで、該多層からなるGaN系結晶の成長を抑制する膜に形成されるパターンは、円形の開口部205が多数設けられているものとした。開口部の大きさをΦ0.1〜30μm、中心間隔を3〜200μmとなるように配置すればよい。開口部205の、開口Φは10μm、中心間隔は100μmとした。こうして、多層構造からなり、複数の開口部205を有するGaN系結晶の成長を抑制する膜を備える、基体20が得られた。
次いで、図5(c)に示すように、昇華再結晶法により、基体20表面に、該開口部205にのみ選択的に昇華再結晶法GaN結晶21を形成した。この工程については、実施の形態1と同様であるので、その詳細は省略する。こうして、島状のGaN単結晶が形成され、得られた結晶は、例えば、直径20〜60μm、高さ20〜60μmのサイズであり、このようなサイズのGaN結晶を得るのに要した時間は、0.5〜2時間であった。また、結晶の外形は、{10−10}面および(0001)面の発達した、六角柱形態であった。
その後、図5(c)に示された基体20を、HF液で洗浄したところ、表面に付着した余分のGaN微結晶やGa金属(図には示されない)が、SiO2膜204と共に完全に除去された。さらに、Hydride−VPE成長法を用いて、さらに、GaN結晶を成長したところ、昇華再結晶法により形成された島状のGaN結晶を成長核として、GaN結晶が成長し、最終的には、図4に示される連続膜22が得られた。このとき、III族原料として金属ガリウムを用い、Ga原料の輸送担体として塩化水素を用い、V族原料としてアンモニアを用い、そしてキャリアガスとして水素を用いた。成長温度としては、950〜1150℃の範囲がよく、特に1100℃程度の比較的高温が望ましかった。このとき、島状結晶の{10−10}面から横方向の成長が進行し、結果として図4に示すような連続膜22が得られた。成長時間を1〜3時間とし、SiNx膜203の上方に、厚さ100〜300μmのGaN単結晶連続膜22が得られた。
このような、膜の品質をTEMで評価したところ、表面付近では、欠陥密度5×10-3cm-2程度であり、従来の技術と比較して、向上が見られた。また、SiNx膜203の開口部205位置と、欠陥密度との間には相関がなく、面内で一様に高品質膜を得ることができた。このように、実施の形態1と同様に、従来の技術と比較して、高品質の結晶基板が得られた。
また、本実施の形態においては、昇華再結晶法で島状結晶を形成する工程において表面に付着した余分のGaN微結晶やGa金属が、SiO2膜204とともに、完全に除去された。従って、連続結晶膜22を得るための結晶成長工程では、結晶は、そのような島状結晶を成長核として結晶が成長するので、得られる連続結晶膜の品質の低下が防止された。
(実施の形態3)
図6は、本発明に係わる第3の実施の形態の結晶基板を示す断面模式図である。図6に示すように、基体30は、表面に凹凸が設けられたA面サファイア基板301と、その表面に設けられたSiNx膜302を有する。SiNx膜302には開口部303が設けられている。基体30上のSiNx膜の開口部303には昇華再結晶GaN結晶31が形成されており、さらに基体30上の全面に、GaN結晶連続膜32が設けられている。
本実施の形態は、実施の形態2の変形例であり、基体の構成が異なる他は、実施の形態2と同様である。本実施の形態は、表面に凹凸が設けられたA面サファイアを用いる点で実施の形態2と異なる。ここで、サファイア基板30表面に設けられた凹凸は、昇華再結晶成長におけるGaN結晶成長開始の成長核となる。その結果、実施の形態1におけるエピタキシャル成長GaN層103、または実施の形態2におけるAlNバッファ層202のような特別な層を設けなくても、良好な選択性をもって、SiNx膜302の開口部303にのみに島状結晶を形成し得る。ここで、凹凸の形状は、凹凸の平方二乗平均値(RMS)にして50nm、平均ピッチ50nm程度であった。本実施の形態の結晶基板の作製方法およびGaN系半導体膜の製造方法については、実施の形態1もしくは2を参照して容易に推測できるので、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態で得られたGaN連続成長膜の品質をTEMで評価したところ、表面付近において、欠陥密度は7x10-3cm-2程度であり、従来の技術と比較して、向上が見られた。また、SiNx膜302の開口部303位置と、欠陥密度との間には相関がなく、面内で一様にこのような高品質膜を得ることができた。このように、実施の形態1もしくは2と同様に本実施の形態においても、従来の技術よりも、高品質の結晶基板を得ることができた。
以上、実施の形態1ないし3により、本発明の実施様態を特定の例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものでもなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更できる。例えば、実施の形態1ないし3の各構成要素/各工程は、互いに他の実施の形態に示された、対応する構成要素/工程に置換できる。
本発明における、基体表面に設けられたGaN結晶、昇華再結晶法により形成されるGaN島状結晶、連続結晶膜を構成するGaN結晶は、それぞれ、その他のGaN系化合物結晶に置換することが可能である。例えば、構成元素の一部を、B,Al,In,Tl,P,As,Sb,Be,Mg,Cd,Zn,C,Si,Ge,Sn,O,S,Se,Te,H,Sc,Ti,V,Cr,Y,Zr,Nb,ランタノイド,等で置換したり、もしくはこれらの一部を添加することにより、GaN系化合物結晶の、格子定数、エネルギーバンド構造、光吸収特性、導電型、導電率、単結晶成長温度を適宜調整することができる。
また、各実施の形態における基体は、任意の結晶面を表面とするGaN系結晶成長用基板の上面に、直接、もしくはその表面を、バッファ層および/またはエピタキシャル成長GaN系結晶で被覆したものの上面に、GaN系結晶の成長を抑制する膜を形成したものである。ここで、GaN系結晶基板は、Si,Ge,SiC,GaN,GaP,GaAs,InN,InP,InAs,ZnO,ZnSe,ZnS,MgAl24,MgGa24,LiGaO2,LiAlO2,サファイア、ルビー等で置換してもよく、そしてバッファ層は、AlN,InN,GaAlN,InGaN,InAlN,InGaAlN,ZnO,MgF等で置換してもよい。
各実施の形態におけるGaN系結晶の成長を抑制する膜は、SiNx,SiOy,SiON,C,Si,Ge等やこれらを含む混合物材料に置換できる。また、そのパターンの形状・サイズ等は適宜変更してよい。
各実施の形態における昇華再結晶によるGaN系結晶成長において、原料はGaNの粉末に限られるものではなく、針状結晶、エピタキシャル成長GaN結晶、表面窒化Ga金属、その他の形態をしたものでもよいことはいうまでもなく、Ga金属その他のGa化合物を混合した原料としてもよい。また、供給される雰囲気ガスは上述のものに限られるわけではなく、アルゴンやヘリウムなどの他の不活性ガスを混合してもよく、また、Ga原料の昇華を促進するために、水素などのガスを混合してもよい。さらには、GaNに添加・混合される種々の材料の原料ガス、例えば、シランガスやトリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム等を混合してもよい。さらに、雰囲気ガスは、図3に示したように、装置外部から連続的に供給されるものである必要はなく、あらかじめ装置内部に封じ込めた、いわゆる閉管法を用いてもよい。また、図3において、原料を充填するボートと基体との間に、気流を制御するためのオリフィスを設けて対流を抑止する工夫を行うと、島状結晶が高品質化され得る。さらに、昇華再結晶成長装置は、図3に示されたように縦型である必要はなく、原料、基体が水平に配置されたもの(いわゆる、横型)であってもよい。
さらに、各実施の形態におけるGaN連続結晶を得るための成長法は、それぞれ、他のエピタキシャル成長法に置換することができる。
10,20,30 基体
11,21,31 昇華再結晶法GaN島状結晶
12,22,32 GaN結晶連続膜
101 C面サファイア
102 GaNバッファ層
103 エピタキシャル成長GaN層
104,204 SiO2
105,205 開口部
201 SiC
202 AlNバッファ層
203,302 SiNx膜
301 A面サファイア
303 開口部
130 昇華再結晶法成長装置

Claims (3)

  1. アンモニアを含む雰囲気中で、Gaを含む原料を昇華させて、複数の開口部を有する、GaN系結晶の成長を抑制する膜が表面に設けられた基体上の、該開口部が埋め込まれるように、GaN系化合物を選択的に結晶化させることにより、基体上に複数の、該基体に垂直な面が発達する、島状のGaN系単結晶を得る第1の結晶成長工程と、
    該基体上に、該複数の島状のGaN系単結晶を成長核として、GaN系結晶を、該第1の結晶成長工程とは異なるエピタキシャル成長法により形成することにより、GaN系結晶の連続膜を得る第2の結晶成長工程とを含むことを特徴とする、GaN系結晶膜の製造方法。
  2. 前記基体に垂直な面は、(11−20)面または(1−100)面であることを特徴とする、請求項1に記載のGaN系結晶膜の製造方法。
  3. 前記島状のGaN単結晶の形状が六角柱であることを特徴とする、請求項1に記載のGaN系結晶膜の製造方法。
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