JP4963561B2 - 触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、白金または白金系合金を用いた新規な触媒およびその製造方法に関する。
燃料電池は、発電効率が高く、また環境への負荷となるNOx、SOx、PMなどの有害物質の排出量を低減できることから、近年注目されてきている。燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、リン酸形燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)に大きく分けられる。中でも、固体高分子形燃料電池は、固体酸化物形燃料電池およびリン酸形燃料電池と比較して低温で効率よく発電ができることから、活発な研究が行なわれている。
PEFCは、パーフルオロスルフォン酸膜などのイオン交換膜を電解質とし、このイオン交換膜の両面にアノードとカソードの各電極を接合してなる基本構造を備える。燃料電池の発電は、アノードに水素、カソードに酸素を供給して、各電極で下記の電気化学反応をさせることで、化学エネルギーを燃焼過程を経ずに電気エネルギーとして取り出すことができる。
アノード: H2→2H++2e-
カソード: 1/2O2+2H++2e-→H2
全反応: H2+1/2O2→H2
しかし、燃料として水素を直接的に用いると、水素の貯蔵方法やエネルギーの体積密度が小さい点で問題があるため、実用的には、メタンやメタノールなどを燃料として用い、これを水素に転化させて用いている。しかし、この場合、燃料には不純物として一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)が含まれる。燃料電池においては、通常、アノード電極触媒として白金、パラジウム、ルテニウムなどの貴金属系触媒が用いられているが、この触媒が一酸化炭素により被毒してしまい、経時的に特性が劣化してしまうという問題があった。
また、燃料としてメタノールを用い、メタノールを水素に転化させることなく、直接電極上で反応させる直接メタノール形燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)も近年、特に注目を浴びている。直接メタノール形燃料電池では、メタノールを水素に改質するための改質器を用いる必要がなく、小型軽量化された燃料電池を実現することができるという利点がある。DMFCでの電極での反応は、以下のように行われる。
メタノール燃料極(アノード極):CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-
空気極(カソード極): 3/2O2+6H++6e-→3H2
全反応: CH3OH+3/2O2→CO2+2H2
しかし、直接メタノール形燃料電池でも、中間生成物として一酸化炭素が発生するため、やはりアノード電極触媒の被毒の問題がある。
これらのアノード電極触媒の被毒の問題を解消すべく、従来、白金と他の金属、例えばルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、錫(Sn)などから選ばれる1種以上との合金(白金系合金)を用いた様々な触媒を用いることが提案されてきている(たとえば、特許文献1〜6を参照)。中でも、白金−ルテニウム系合金触媒は、親水性を有するルテニウムを用いることにより、このルテニウムと結合した水酸基(OH-)が白金上に吸着した一酸化炭素を酸化、除去することにより、比較的高い被毒耐性を得ることができる。
特開平9−035723号公報 特開2000−003712号公報 特開2000−012043号公報 特開2001−015121号公報 特開2003−187851号公報 特開2005−123169号公報 Andrew et al., "Increasing Proton Exchange Membrane Fuel Cell Catalyst Effectiveness Through Sputter Deposition". Journal of The Electrochemical Society 149(3). p.280−287, 2002. Katayama., "Electrooxidation of Methanol on a Platinum−Tin Oxide Catalyst". The Journal of Physical Chemistry 84, p.376−381, 1980. Rajesh et al., "Electronically conducting hybrid material as high performance catalyst support for electrocatalytic application". Journal of Power Sources 141, p.35−38, 2005. Iwasita., "Electrocatalysis of Methanol Oxidation". Electrochimica Acta 47, p.3663−3674, 2002.
しかしながら、これらの従来提案されてきた合金系触媒は、いずれも高価なものであり、また、実用化に十分な程度に高い被毒耐性が得られているものとは言い難く、さらに有用な触媒の開発が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、一酸化炭素被毒による活性の経時的劣化を抑制することができる触媒を従来よりも安価に製造することができる触媒の製造方法、および当該方法で得られた触媒を提供することである。
本発明の触媒は、白金または白金系合金と炭素との複合化触媒であって、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒の白金または白金系合金の4f軌道のピークが0.01〜0.40eVの範囲内で高エネルギー側にシフトしていることを特徴とする。
本発明の触媒は、原子組成における炭素のモル比が0.1〜85%であることが、好ましい。
本発明の触媒は、燃料電池用電極の触媒として特に好適に用いることができる。
本発明はまた、白金または白金系合金に炭素源を導入しながらPVD法またはCVD法を行うことによって、白金または白金系合金に炭素を複合化させた状態で成膜することを特徴とする触媒の製造方法を提供する。
本発明の触媒の製造方法において、炭素源として炭素数1〜7の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素を用いることが好ましい。
また本発明の触媒の製造方法では、前記成膜後、水素系プラズマ処理を施すことが好ましい。
本発明によれば、触媒に用いられる貴金属材料の使用量を従来より低減することができ、かつ、貴金属材料の利用効率を高めつつ、従来よりも一酸化炭素に対する被毒耐性が向上された触媒を提供することができる。また本発明の触媒の製造方法は、大面積の処理が可能であるため、産業化が期待できる。
本発明は、白金または白金系合金と炭素との複合化触媒を提供する。本発明において「複合化触媒」とは、白金または白金系合金と炭素とが原子レベルで一体化して複合化されている触媒を指し、後述するX線光電子分光分析装置で測定された白金の4f軌道のピークが高エネルギー側にシフトしているか否かで、白金または白金系合金を用いた複合触媒であるか否かを判断することができる。
本発明の複合化触媒において、炭素と複合化させる貴金属材料としては、白金または白金系合金が用いられる。白金系合金としては、たとえば、白金と、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、チタン(Ti)などから選ばれる1種以上の金属との合金を用いることができ、特に制限されるものではないが、一酸化炭素を酸化する水酸基(−OH)を供給し、あるいは一酸化炭素との吸着力を弱め反応活性点を確保する効果が顕著であると考えられる、白金−ルテニウム系合金、白金−ニッケル系合金、白金−コバルト系合金または白金−鉄系合金を好ましく用いることができる。
図1は、本発明の複合化触媒および従来の白金について、X線光電子分光分析装置(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いて測定した結果を示すグラフである。図1のグラフにおいて、縦軸は強度(Arb. Units)、横軸は結合エネルギー(eV)である。本発明の複合化触媒は、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒における白金または白金系合金の4f軌道のピークが0.01〜0.40eV(好ましくは0.05〜0.15eV)の範囲内で高エネルギー側にシフト(ケミカルシフト)していることを特徴とする。X線光電子分光分析装置は、試料表面にX線を照射することにより、試料表面から元素ごとに固有のエネルギーを有する光電子を放出させ、この光電子のエネルギー位置と強度とから元素の種類、量および化学結合状態を分析する装置であり、たとえばPHI 5700 ESCA(フィジカルエレクトロニクス社製)を好適に用いることができる。図1には、本発明の複合化触媒の一例として、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒における白金の4f軌道のピークのシフトが高エネルギー側に0.16eV、炭素のモル比が80%(白金:炭素=20:80)である白金と炭素との複合化触媒を用いた場合(後述する参考例1;図1中、曲線B)、ならびに、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒における白金の4f軌道のピークのシフトが高エネルギー側に0.09eV、炭素のモル比が53%(白金:炭素=47:53)である白金と炭素との複合化触媒を用いた場合(後述する実施例;図1中、曲線C)を示している。また、図1には、従来の白金触媒の一例として、X線光電子分光分析装置を用いて測定された白金の4f軌道のピークのシフトが0eV(白金のモル比:100%)の場合も示している(図1中、曲線A)。
白金をX線光電子分光分析装置にて測定した場合、71.8eV、75.1eVに白金4f軌道のピークが現れ(図1中、曲線Aを参照)、またたとえば白金系合金の一例として白金−ルテニウム系合金を光電子分光分析装置にて測定した場合、71.1eV、74.4eVに白金−ルテニウム系合金中に含まれる白金の4f軌道のピークが現れる。本発明の複合化触媒では、複合化前の白金または白金系合金をX線光電子分光分析装置にて測定した場合に現れるピークが、上述した範囲内で高エネルギー側にシフトしたものである。なお、シフトの値は、各ピークの極大値の差から算出することができる。
図2は、本発明の複合化触媒の一酸化炭素に対する被毒耐性を示すグラフであり、縦軸は標準化された電流密度、横軸は時間(分)を示す。本発明の複合化触媒は、従来用いられていた白金触媒や白金系合金触媒と比較して、一酸化炭素に対する被毒耐性が格段に向上される。図2には、本発明の複合化触媒の一例として、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒における白金の4f軌道のピークのシフトが高エネルギー側に0.16eV、炭素のモル比が80%(白金:炭素=20:80)である白金と炭素との複合化触媒を用いた場合(後述する参考例1;図2中、曲線B)、ならびに、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒における白金の4f軌道のピークのシフトが高エネルギー側に0.09eV、炭素のモル比が53%(白金:炭素=47:53)である白金と炭素との複合化触媒を用いた場合(後述する実施例;図2中、曲線C)を示している。また、図2には、従来の白金触媒の一例として、X線光電子分光分析装置を用いて測定された白金の4f軌道のピークのシフトが0eV(白金のモル比:100%)の場合も示している(図2中、曲線A)。
なお、図2に示されるグラフは、図3に模式的に示すような設備を用いた三極式の電気化学測定により、メタノールの酸化により生じた一酸化炭素に対する電流密度の経時的な減衰率を測定した実験結果を示している。三極式の電気化学測定とは、化学物質の変化を電気化学反応として捉え、この化学反応を電位、電流などを測定尺度として調べる方法を指し、たとえば図3に示すような設備を用いて行うことができる。すなわち、水槽2に収容された電解質中に、作用極3、対極4および参照極5を浸漬する。ここで、作用極3としては、たとえば円柱状グラッシーカーボンの端面に触媒を成膜したものが用いられ、対極4としては白金線が用いられ、参照極5としてはAg/AgCl(sat.KCl)が用いられる。作用極3、対極4および参照極5はポテンショスタットを介して電気的に接続され、作用極3および参照極5間で電位を測定し、作用極3および対極4間で電流を測定する。一酸化炭素に対する被毒耐性を測定する場合、水槽2内には、たとえば、0.5M H2SO4と1M CH3OHとの混合液(20℃)が収容される。なお、水槽2中の混合液には、ガス導入管6を介して窒素(N2)が送気される。このような設備を用いて、作用極3および参照極5間での電位を570mVの定電位にして、作用極3および対極4間で電流を電気化学測定システムHZ−5700(北斗電工社製)を用いて測定する。図2に結果を示した実験では、このような図3に示した設備を用い、測定開始後30秒後の電流密度を1とし(規格化し)、120分後の電流密度の減衰率(%)を測定した。
図2に示すように、本発明の複合化触媒(図1および図2中、曲線BおよびC)は、従来の白金触媒(図1および図2中、曲線A)と比較して、測定開始120分後における電流密度の減衰率(%)が格段に低いことが分かる。図3に示したように、水槽2中に収容された混合液はメタノールを含んでおり、測定が進むにつれて混合液中のメタノールは酸化され、中間生成物の1つとして一酸化炭素が生成される。したがって、上記電流密度の減衰率は、触媒の一酸化炭素に対する被毒耐性を示すことになり、この電流密度の減衰率が格段に低い本発明の複合化触媒は、従来の白金触媒と比較して格段に優れた一酸化炭素に対する被毒耐性を有することが分かる。
本発明の複合化触媒では、一酸化炭素に対する被毒耐性を付与するために従来用いられていた貴金属材料(たとえば、白金−ルテニウム系合金触媒の場合には、一酸化炭素に対する被毒耐性を付与するルテニウム成分)の使用量が従来より低くとも、従来よりも優れた一酸化炭素に対する被毒耐性を有する触媒を実現できる。このような本発明の複合化触媒によれば、触媒に用いられる貴金属材料の使用量を従来より低減することができ、かつ、貴金属材料の利用効率を高めつつ、従来よりも一酸化炭素に対する被毒耐性が向上された触媒を提供することができる。
本発明の複合化触媒において、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒における白金または白金系合金の4f軌道のピークが上述した範囲内で高エネルギー側にシフトしているものであれば、当該複合化触媒における炭素のモル比は、特に制限されるものではないが、0.1〜85%の範囲内であるのが好ましい。炭素のモル比が0.1%未満である場合には、白金と炭素との複合化がみられない虞があり、また、炭素のモル比が85%を超える場合には、白金の反応活性点を妨げる虞があると考えられるためである。なお、本発明の複合化触媒における炭素のモル比は、上述したX線光電子分光分析装置(たとえばPHI 5700 ESCA(フィジカルエレクトロニクス社製))を用いて、各元素に対するピーク面積から算出することができる。
なお、図2において、X線光電子分光分析装置を用いて測定された複合化触媒における白金4f軌道のピークのシフトが0.16eV、炭素のモル比が80%(白金:炭素=20:80)である白金と炭素との複合化触媒を用いた場合(図2中、曲線B)と比較して、X線光電子分光分析装置を用いて測定された複合化触媒における白金4f軌道のピークのシフトが0.09eV、炭素のモル比が47%(白金:炭素=47:53)である白金と炭素との複合化触媒を用いた場合(図2中、曲線C)には、測定開始120分後の減衰率(%)が格段に向上されている。このように、本発明の複合化触媒における炭素のモル比は、上記中でも特に10〜70%の範囲内であると、特に優れた一酸化炭素に対する被毒耐性を示すため、好ましい。このように、本発明の複合化触媒における炭素のモル比が10〜70%の範囲内である場合に特に優れた一酸化炭素に対する被毒耐性を示す理由は、その詳細は不明であるが、白金の微粒子化、または白金と炭素の相互作用による白金の電子構造の変化によるものであると考えられる。
本発明の複合化触媒は、従来の白金触媒や白金系合金触媒と比較して、より大きな実面積を有する。具体的には、たとえば従来の白金触媒の実面積が0.20〜0.45cm2程度であったのに対し、本発明の複合化触媒では、0.45〜2.9cm2程度の実面積を有する。このように本発明の複合化触媒の実面積が従来の白金触媒や白金系合金触媒と比較して大きいことは、白金または白金系合金に炭素を複合化させたことで、触媒表面の凹凸が増え、また微粒子化されたことに起因すると考えられる。
ここで、実面積とは、複合化触媒における表面の凹凸を考慮した白金の面積を指し、上述した三極式の電気化学測定により測定されたサイクリックボルタンメトリーから算出することができる。ここで、図4は、本発明の複合化触媒および従来の白金触媒のサイクリックボルタンメトリー(電解質:0.5M H2SO4)の一例を示すグラフであり、縦軸は電流(mA)、横軸は電位(V vs Ag/AgCl)である。また図5は、本発明の複合化触媒および従来の白金触媒のサイクリックボルタンメトリー(電解質:0.5M H2SO4+1M CH3OH)の一例を示すグラフであり、縦軸は電流密度(mA/cm2)、横軸は電位(V vs Ag/AgCl)である。図4および図5に示したようなサイクリックボルタンメトリーは、たとえば、図3を参照して上述したような設備を用いた三極式の電気化学測定によって測定された値から作成することができる。なお、図4および図5に示したサイクリックボルタンメトリーは、ガス導入管6にて窒素(N2)を電解質中に送気し、スキャン速度を100mV/秒で測定を行った結果をグラフ化したものである。
図4および図5に示すサイクリックボルタンメトリーにおいて、本発明の複合化触媒についての結果を実線、従来の白金触媒についての結果を破線で示している。なお、図4および図5では、本発明の複合化触媒の一例として、上述したX線光電子分光分析装置を用いて測定された複合化触媒における白金の4f軌道のピークのシフトが高エネルギー側に0.09eV、炭素のモル比が53%(白金:炭素=47:53)である白金と炭素との複合化触媒を用いた場合(後述する実施例)についての結果を示している。図4に示される縦軸に電流(mA)をとった場合のサイクリックボルタンメトリーにおいて、(1)は水素イオンの吸着の挙動を示し、(2)は水素イオンの脱着の挙動を示し、(3)は酸化被膜生成の挙動を示し、(4)は酸化被膜の挙動を示している。
上述した触媒における白金の実面積は、上記サイクリックボルタンメトリーから、水素原子の脱着の電気量(C)の値より、下記式により算出することができる。
白金の実面積(cm2
=水素原子の脱着の電気量(C)/210×10-6(C/cm2
ここで、分母の210×10-6(C/cm2)は、文献(電気化学測定マニュアル 実践編 電気化学会編 丸善株式会社 p.116−117)による値であり、触媒における白金の実面積の算出において通常用いられる値である。
本発明の複合化触媒は、上述したように、一酸化炭素に対する被毒耐性に優れたものであり、直接メタノール形燃料電池を含めた固体高分子形燃料電池などの燃料電池電極用の触媒(アノード電極用の触媒)として好適に適用することができる。また、燃料電池電極用としての用途以外にも、水素ガス中の一酸化炭素除去用の触媒や、排ガス処理・浄化用の触媒などとしての用途も期待される。
本発明の複合化触媒は、X線光電子分光分析装置を用いて測定された当該複合化触媒における白金または白金系合金の4f軌道のピークが0.01〜0.40eVの範囲内で高エネルギー側にシフトしている白金または白金系合金と炭素との複合化触媒であればよく、その製造方法は特に制限されるものではないが、白金または白金系合金に炭素源を導入しながらPVD(Physical Vapor Deposition)法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を行うことによって、白金または白金系合金に炭素を複合化させた状態で成膜する方法により製造されたものであることが好ましい。本発明は、このように本発明の複合化触媒を製造するための方法も提供するものである。
本発明の触媒の製造方法において用いられるPVD法、CVD法としては、従来公知の各種のPVD法、CVD法を特に制限されることなく適用することができる。なお、PVD法は、スパッタリング法、真空蒸着法などを包含する。本発明の製造方法では、白金または白金系合金に炭素源を導入しながらPVD法またはCVD法を行うことで、白金または白金系合金に炭素を複合化させ、上述したようなX線光電子分光分析装置を用いて測定された白金または白金系合金の4f軌道のピークの特定範囲内のシフトを有する複合化触媒を製造する。このような本発明の製造方法によれば、上述した本発明の複合化触媒を好適に製造することができ、また、大面積の処理が可能であるため、産業化が期待できる。
図6は、本発明の触媒の製造方法に好ましく用いられる装置の一例を模式的に示す図である。本発明の製造方法では、比較的高真空のスパッタが可能で、ターゲット電圧をプラズマ発生機構と独立にコントロールできることから、図6に示す例のような4極式プラズマスパッタ装置を用いて、白金または白金系合金に炭素源を導入しながら成膜を行うことが好ましい。このような4極式プラズマスパッタ装置としては、たとえば、VSD−61 4極スパッタ装置(NEC社製)を好適に用いることができる。
図6に示す例の4極式プラズマスパッタ装置では、反応室12内に、陽極13および陰極14が対向して設けられ(図6中、紙面に関して、陽極13を上側、陰極14を下側に設置)、この陽極13と陰極14との間に、基板15とターゲット16とが対向して設けられる(図6中、紙面に関して、基板15を左側、ターゲット16を右側に設置)。また、陰極14の近傍には安定化電極17が設けられる。反応室12には、原料ガスを流入するための流入口18が設けられ、また、真空ポンプ19により反応室12内の空気を脱気し得るように構成される。さらに、反応室12の外側には、電磁気コイル20が設けられている。
本発明の製造方法では、ターゲット16として白金または白金系合金が用いられ、流入口18より反応室12内に流入させる原料ガスとして炭素源となるガスとキャリアガスとの混合ガスが用いられる。このような4極式プラズマスパッタ装置を用いて、陽極13、陰極14および安定化電極17に電圧を印加するとともに、ターゲット16に電圧を印加すると、陰極14から熱電子が放出され、この熱電子が安定化電極17により反応室12の中央に引き出され、陽極13との間で放電を起こす。なお、プラズマ発生のために電極に印加する電圧と、ターゲット16に印加する電圧とは、独立して制御される。この放電により生じたプラズマは、電磁コイル20により反応室12の中央に収束する。このプラズマにより、ターゲット16より原子状態の白金または白金系合金が飛び出し、基板15に堆積する。この際、原子状態の白金または白金系合金は、反応室12内に供給された炭素源により、炭素と複合化した状態で基板15上に堆積することになり、白金または白金系合金と炭素とが複合化された本発明の複合化触媒が、基板15上に堆積し成膜されることになる。
本発明の触媒の製造方法において用いられる炭素源は、特に制限されるものではなく、たとえば脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素など、炭素を含む化合物を用いることができるが、白金または白金系合金と炭素との複合化を円滑かつ確実に行い得る観点から、炭素源として炭素数1〜7の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素、すなわち、メタン、エタン、プロパン、ブタン、n−ヘキサン、アセチレン、エチレン、ベンゼンなどを用いることが好ましい。前記脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素における炭素数が7を超える場合には、沸点が高いため炭素源の加熱装置が必要となるためである。上記中でも、安価で、常温で気体であるメタンまたはアセチレンが特に好ましい炭素源として用いられる。
また、炭素源とともに反応室12内に導入するキャリアガスとしては、当分野において通常用いられる不活性ガス、たとえばアルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノンなどを、特に制限されることなく用いることができる。中でも、安価で、スパッタ率の大きいアルゴンをキャリアガスとして用いることが好ましい。
本発明の触媒の製造方法において導入する炭素源の量は、特に制限されるものではないが、キャリアガスを含む原料ガス全体の圧力に対する炭素源となるガスの圧力(分圧)が2.5×10-2〜1.0×10-1Paの範囲内であることが好ましい。炭素源となるガスの分圧が2.5×10-2Pa未満である場合には、白金と炭素との複合化が見られない虞があり、また、炭素源となるガスの分圧が1.0×10-1Paを超える場合には、白金の反応活性点を妨げると考えられるためである。
なお、本発明の触媒の製造方法における成膜の際の各条件については特に制限されるものではなく、所望の触媒組成に応じて、当分野において通常行われている成膜条件から適宜選択して適用することができる。具体的には、図6に示した例の4極式プラズマスパッタ装置を用いた場合、プラズマ発生のために印加される電圧は60Vで、ターゲット16に印加される電圧は100〜1000Vの範囲内、ターゲット16における電流は15〜35mA、成膜時間は20〜30分の範囲内が、それぞれ好適な条件として例示されるが、各条件はこれらに制限されるものではない。
なお、本発明の触媒の製造方法において、成膜の際に用いられる基板15は、本発明により製造される複合化触媒の用途に応じ、従来公知の適宜の基板を適用することができる。たとえば、本発明により製造される複合化触媒を上述したように燃料電池電極用の触媒の用途に適用する場合、燃料電池電極に用いられるガス透過電極(カーボンペーパー)や電解質シートなどを基板として用い、その上に本発明の複合化触媒を成膜することができる。
本発明の触媒の製造方法においては、上述した成膜の後、さらに水素系プラズマ処理を行うことが好ましい。成膜後に水素系プラズマ処理を行うことで、上述したように、複合化触媒における炭素のモル比が50〜60%の範囲内であり、特に優れた一酸化炭素への被毒耐性を示す複合化触媒を製造することが可能となる。水素化プラズマ処理を行うことで、上述した特に好ましい範囲内の白金のモル比を有する複合化触媒が製造できる理由は、詳細は明らかではないが、炭素との複合化により微粒子化した白金もしくは白金系合金の表面から炭素原子を除去し触媒活性点の増大をもたらすためであると考えられる。
上述した図6に示したような4極式プラズマスパッタ装置を用いて成膜を行う場合には、成膜後、同じ装置を用い、水素とキャリアガスとの混合ガスを導入しながらプラズマ処理を行うようにすればよい。水素系プラズマ処理の際に導入する水素の量は、特に制限されるものではないが、プラズマ状態の維持と処理効果とのトレードオフから、前記混合ガスにおける圧力(分圧)が5.0×10-2〜1.2×10-1Paの範囲内であることが好ましい。
成膜後に水素系プラズマ処理を行う場合、その条件については特に制限されるものではないが、具体的には、放電電圧が60V、放電電流が8A、水素ガス分圧が1.0×10-1Paというような条件にて行う水素系プラズマ処理を好適に採用することができる。
以下、実施例、比較例および参考比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1>
図6に示した4極式プラズマスパッタ装置(VDS−61 4極スパッタ装置(NEC社製)を用い、ターゲットとして白金(純度:99.9%)、基板として円柱状グラッシーカーボン(後述する三極式の電気化学測定において作用極として用いる)を用いて、注入口より炭素源としてメタンガス(分圧:7.5×10-2Pa)およびアルゴンガスを導入しながら、成膜を行った(トータルのガス圧:1.8×10-1Pa)。なお、成膜の条件は、プラズマ放電のための印加電圧が60V、ターゲットへの印加電圧が750V、時間が20分間とした。
得られた複合化触媒について、X線光電子分光分析装置(PHI 5700 ESCA(フィジカルエレクトロニクス社製))を用いた測定により算出された白金の4f軌道のピークの高エネルギー側へのシフトの値は、0.16eVであった(図1中、曲線B)。また、X線光電子分光分析装置(PHI 5700 ESCA(フィジカルエレクトロニクス社製))を用いて、得られた複合化触媒における白金のモル比を算出したところ80%(白金:炭素=20:80)であった。
また得られた複合化触媒について、図3に示した設備を用いた三極式の電気化学測定により、サイクリックボルタンメトリーを作成した。作用極3として上述したように円柱状グラッシーカーボンの端面に成膜した複合化触媒、対極4として白金線、参照極5としてAg/AgCl(sat.KCl)を用いた。水槽2内に収容される電解質としては0.5M H2SO4を用い、ガス導入管6によりこの電解質に窒素(N2)を送気した。このような設備を用い、作用極3と対極4との間、参照極5と作用極3との間の電位を電気化学測定システム(北斗電工社製)を用いて測定し、サイクリックボルタンメトリーを作成した。また、サイクリックボルタンメトリーより得られた水素元素の脱着の原子量(C)を210×10-6(C/cm2)の文献値で割って算出された白金の実面積の値は1.2cm2であった。
このような参考例1で得られた複合化触媒について、図3に示した設備を用い、水槽2に収容する電解質として0.5M H2SO4と1M CH3OHとの混合液(20℃)を用い、ガス導入管6により電解質中に窒素(N2)を供給しながら、測定開始120分後の電流密度の減衰率(%)を測定した。なお、電流密度の値は、測定開始30秒後の電流密度を1として規定化(標準化)した。結果は、上述した図2中の曲線Bとして示されるとおりであり、電流密度の減衰率は88.7%と算出された。
<実施例
成膜後、水素系プラズマ処理を行ったこと以外は、参考例1と同様にして複合化触媒を作製した。水素系プラズマ処理は、水素ガス分圧が1.0×10-1Pa、トータルガス圧が1.8×10-1Pa、時間が10分間という条件で行った。得られた複合化触媒について、参考例1と同様にして算出された白金の4f軌道のピークの高エネルギー側へのシフトの値は、0.09eV(図1中、曲線C)であり、また複合化触媒における炭素のモル比を算出したところ53%(白金:炭素=47:53)であった。また白金の実面積の値は2.9cm2であった。このような実施例で得られた複合化触媒について、参考例1と同様に電流密度の減衰率(%)を測定した。結果は、上述した図2中の曲線Cとして示されるとおりであり、電流密度の減衰率は67.8%と算出された。
<比較例1>
原料ガスとしてメタンガスを導入せずにアルゴンガスのみを導入した以外は参考例1と同様にして成膜を行った(トータルのガス圧は参考例1と同じ)。得られた触媒について、参考例1と同様にして算出された白金の4f軌道のピークのシフトの値は、0eV(図1中、曲線A)であり、また触媒における白金のモル比を算出したところ100%(白金:炭素=100:0)であった。また得られた触媒における白金の実面積の値は0.43cm2であった。このような比較例1で得られた触媒について、参考例1と同様に電流密度の減衰率(%)を測定した。結果は、上述した図2中の曲線Aとして示されるとおりであり、電流密度の減衰率は97.0%と算出された。
参考例2
原料ガスにおけるメタンガスの分圧を5.0×10-2Paとしたこと以外は参考例1と同様にして成膜を行った(トータルのガス圧は参考例1と同じ)。得られた触媒について、参考例1と同様にして算出された白金の4f軌道のピークの高エネルギー側へのシフトの値は、0.19eVであり、また触媒における炭素のモル比を算出したところ90%(白金:炭素=90:10)であった。また得られた触媒における白金の実面積の値は0.84cm2であった。このような参考例2で得られた触媒について、参考例1と同様に電流密度の減衰率(%)を測定したところ、86.5%と算出された。
<比較例2>
原料ガスにおけるメタンガスの分圧を1.2×10-2Paとしたこと以外は参考例1と同様にして成膜を行った(トータルのガス圧は参考例1と同じ)。得られた触媒について、参考例1と同様にして算出された白金の4f軌道のピークのシフトの値は、0eVであり、また触媒における白金のモル比を算出したところ100%(白金:炭素=100:0)であった。また得られた触媒における白金の実面積の値は0.39cm2であった。このような比較例2で得られた触媒について、参考例1と同様に電流密度の減衰率(%)を測定したところ、98.5%と算出された。
<実施例
原料ガスにおけるメタンガスの分圧を5.0×10-2Paとしたこと以外は実施例と同様にして成膜を行った(トータルのガス圧は参考例1と同じ)。得られた触媒について、参考例1と同様にして算出された白金の4f軌道のピークの高エネルギー側へのシフトの値は、0.06eVであり、また触媒における炭素のモル比を算出したところ4%(白金:炭素=96:4)であった。また得られた触媒における白金の実面積の値は0.66cm2であった。このような実施例で得られた触媒について、参考例1と同様に電流密度の減衰率(%)を測定したところ、86.2%と算出された。
参考例3
原料ガスにおけるメタンガスの分圧を1.0×10-1Paとしたこと以外は実施例と同様にして成膜を行った(トータルのガス圧は参考例1と同じ)。得られた触媒について、参考例1と同様にして算出された白金の4f軌道のピークの高エネルギー側へのシフトの値は、0.05eVであり、また触媒における炭素のモル比を算出したところ57%(白金:炭素=43:57)であった。また得られた触媒における白金の実面積の値は0.71cm2であった。このような参考例3で得られた触媒について、参考例1と同様に電流密度の減衰率(%)を測定したところ、69.5%と算出された。
<参考比較例>
非特許文献2、3には、従来技術である白金微粒子触媒担持カーボン電極におけるメタノール分解反応における一酸化炭素に対する被毒耐性について、120分後の電流密度の減衰率が75〜78%であると記載されている。また、非特許文献4には、従来技術である白金系触媒担持カーボン電極におけるメタノール分解反応における一酸化炭素に対する被毒耐性について、10分後の電流密度の減衰率が100%であると記載されている。
今回開示された実施の形態、実施例および比較例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の複合化触媒および従来の白金について、X線光電子分光分析装置(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いて測定した結果を示すグラフであり、縦軸は強度(Arb. Units)、横軸は結合エネルギー(eV)である。 本発明の複合化触媒の一酸化炭素に対する被毒耐性を示すグラフであり、縦軸は標準化された電流密度、横軸は時間(分)である。 三極式の電気化学測定に用いる設備を模式的に示す図である。 本発明の複合化触媒および従来の白金触媒のサイクリックボルタンメトリーの一例を示すグラフであり、縦軸は電流(mA)、横軸は電位(V vs Ag/AgCl)である(電解質:0.5M H2SO4)。 本発明の複合化触媒および従来の白金触媒のサイクリックボルタンメトリーの一例を示すグラフであり、縦軸は電流密度(mA/cm2)、横軸は電位(V vs Ag/AgCl)である(電解質:0.5M H2SO4+1M CH3OH)。 本発明の触媒の製造方法に好ましく用いられる装置の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
2 水槽、3 作用極、4 対極、5 参照極、12 反応室、13 陽極、14 陰極、15 基板、16 ターゲット、17 安定化電極、18 流入口、19 真空ポンプ、20 電磁気コイル。

Claims (3)

  1. 白金または白金系合金に炭素源を導入しながらPVD法またはCVD法を行うことによって、白金または白金系合金に炭素を複合化させた状態で成膜し、その後水素系プラズマ処理を施すことを特徴とする燃料電池用電極の触媒の製造方法。
  2. 炭素源として炭素数1〜7の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素を用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法で製造された燃料電池用電極の触媒であって、
    白金または白金系合金と炭素との複合化触媒であって、X線光電子分光分析装置を用いて測定された前記複合化触媒の白金または白金系合金の4f軌道のピークが0.01〜0.40evの範囲内で高エネルギー側にシフトしていることを特徴とする燃料電池用電極の触媒。
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