JP4959998B2 - パティキュレートフィルタの製造方法 - Google Patents
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特にディーゼル機関から排出される微粒子物質(PM)、窒素酸化物(NOx)の除去に関する関心が高まっており、これらのPMやNOxを除去するための多角形構造のフィルタ(パティキュレートフィルタという)が注目されている。
このパティキュレートフィルタの使用にあたっては、排気ガス管内において、パティキュレートフィルタの端面を排気ガスの流路に垂直に設置する。排気ガスは、パティキュレートフィルタの端面の流体通路の流入側の開口端より侵入し、隔壁を通過して、流出側の開口端より排出される。隔壁には、微細な貫通孔が無数に形成されているため、排気ガス中の微粒子は、この微粒子に補集される。
パティキュレートフィルタをディーゼルエンジンのマフラに用いた場合などにおいては、ディーゼルエンジンから排出される微粒子(油分が多くくっつきやすい)がパティキュレートフィルタの流入口付近に多くくっついて溜まりやすくなっている。
そこで本発明は、圧力損失が小さく、補集効率の高いパティキュレートフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
このパティキュレートフィルタの構造により、ディーゼルエンジンなどから排出される微粒子がパティキュレートフィルタの流入口付近に多くくっついても、流入口側の開口部の面積が比較的大きいために、圧力損失が小さくなり、微粒子の補集効率を高めることができる。
前記流体通路の流入口の断面形状は、多角形状であることが好ましい。開口部が多角形状であると流入口と流入口との間に存在する隔壁の面積を小さくできる。例えば、開口部が四角又は六角であれば隔壁は格子状になりさらに開口部の面積を大きくできる。
前記隔壁は、前記流入口付近において隣接する流入口と共有する隔壁となっており、そこから流出側に行くに従って流体通路ごとの隔壁となっている場合は、隔壁は流入口付近において隣接する流入口と共有する隔壁となっていることから、高強度である。また、そこから流出口までは各流体通路ごとに隔壁を有するものであることから、ガスの透過効率を高めることができる。
なお、以下において「断面」とは、特に断りのない限りフィルタ部の長手方向(図1におけるZ方向)に対する垂直の断面を意味する。
図1は、パティキュレートフィルタの縦断面図である。図2はガスの流入端面における断面図、図3は中間部における断面図、図4はガスの流出端面における断面図を示す。
なお、枠体3と一体化する代わりに、例えば金属製の枠体に固定してもよい。
各フィルタ部1の隔壁2は、流入口から流出側(Z方向)に行くに従って、その断面形状が直線状に絞られていく。したがって、隣接するフィルタ部1の隔壁2同士は離れて行き、各フィルタ部1ごとの隔壁2となる。
この格子5は、例えば隔壁2と同じ材料で作られたものであり、各フィルタ部1の先端部を固定するためのものである。各フィルタ部1の先端部は、図1に示したように、格子5の中で固定される。なお、格子5を、ステンレスなどで形成してもよい。この場合、各フィルタ部1の先端部を金属ホウケイ酸ガラスなどの低融点ガラスによって封止するとよい。
この構造により、ディーゼルエンジンなどから排出される微粒子がパティキュレートフィルタの流入口付近に多くくっついても、流入口側の開口部の面積が比較的大きいために、流入口の詰まりが少なくなる。したがって、圧力損失が小さくなり、微粒子の補集効率を高めることができる。
次に、本発明のパティキュレートフィルタの製造方法を説明する。
図7は、パティキュレートフィルタの製造装置を示す断面模式図である。
さらに容器11の上部空間には、光照射部としてのレーザー装置13と、そのレーザー装置13の照射光を水平方向(X−Y面上)に走査するためのXY移動部14とを備えている。
なお、XY移動部14とは別に、光照射部の照射光を微小走査するための走査部材、例えば、レーザー装置13の照射光を反射させるための回転可能なガルバノミラー(図示せず)が設けられていてもよい。ガルバノミラーを設けた場合、レーザー装置13の照射光の方向は、ガルバノミラーで反射された光が下向き(Z方向)になるように、所定の方向(必ずしも下向きではない方向)に設定するとよい。
この光造形法は、セラミック粉末、光硬化性樹脂及び界面活性剤等を混合してセラミックスラリー(以下、スラリーと称す)を作り、このスラリーに光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所望形状のセラミック成形体を得た後、このセラミック成形体を加熱して光硬化性樹脂を脱脂するとともにセラミック成形体を焼結させる方法である。
本発明で用いるセラミック粉末は、酸化物、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化チタン等の炭化物、窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化物、又はこれらの混合物などの各種セラミックスを用いることができる。セラミックスには、例えば、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム、リチウムアルミノシリケート、アルミナ、ムライト、スピネル、ジルコニア、イットリア等がある。
セラミック粉末は光照射後、短時間で硬化させることができるという理由により、平均粒径は0.5〜10μmであって、粒径分布は0.1〜30μmであることが好ましい。
また、本発明で用いる光硬化性樹脂は、X線、紫外線、可視光線等の光線によって硬化する樹脂であり、例えばウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂等を用いればよい。より詳しく言えば、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系樹脂等のラジカル重合型光硬化性樹脂、エポキシ樹脂等のカチオン重合系光硬化性樹脂等を用いることができる。
また、前記光硬化性樹脂の硬化を誘発させるための光重合開始剤としては、通常の光重合に用いる開始剤、例えば、パーオキシド系、オニウム塩系、アセトフェニル系、ベンゾインエーテル系、ベンジルペタール系、ケトン類、アミン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の開始剤を用いることができる。光重合開始剤は、光硬化性樹脂100重量%に対して、1〜20重量%であることが好ましい。なお、光重合開始剤の機能も備えた光硬化性樹脂を用いる場合には光重合開始剤を添加する必要はない。
することができ、量産性も上げられる。
なお、スラリーの粘度を1.5Pa・s以下とするには、例えば、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂38〜44.9体積%、カチオン界面活性剤0.1〜7体積%及び平均粒径0.5〜10μmのセラミック粉末55〜61.9体積%を、容積500〜2000ccのポットに投入し、直径5〜20mmのアルミナボールを用い、回転数100〜700rpmで24時間撹拌混合すればよい。
まず、セラミック粉末、光硬化型樹脂等を混合してスラリーを調製し、容器11に満たす。図8に示すように、支持板12をスラリーの表面から硬化層一層分だけ沈める。あるいは、先に支持板12を設置し、その後から、支持板12がスラリー中に沈む程度に、スラリーを容器11に溜めてもよい。
レーザー光線の照射光量は、光硬化性樹脂の硬化深度、セラミック粉末の種類に応じて、適宜選択すればよい。例えばレーザー光線の照射光量は、50〜1000mJ/cm2とすることが好ましい。なお、レーザー光線の照射光量は、レーザー出力(mW)/(スキャン間隔(cm)×スキャン速度(cm/sec)によって定義される。
このように、光照射し硬化させるという工程を繰り返し積層していく。このようにして、図10に示したように3次元的なセラミック成形体が作製される。隔壁2となる部分を硬化層で形成した後、内部のスラリーを排出することで中空のフィルタ部1を製造することができる。
次いで、セラミック成形体に含まれる光硬化性樹脂を真空雰囲気中、窒素ガス雰囲気中、又はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で必要に応じて脱脂する。このような雰囲気で脱脂することにより、光硬化性樹脂が過度に発熱することはなく、クラックの発生を完
全に防止することができる。
この製造方法によって得られるセラミック焼結体は、腐食性のガスに対し耐食性を示すとともに、緻密質であることが要求される部品、例えば液晶製造装置用部品や半導体製造装置用部品に用いることができ、特に、軽量化あるいは断熱を要求される部品にも適用する中空体のセラミック焼結体を容易に得ることができる。
セラミック粉末として、平均粒径0.7μmのチタン酸アルミニウム粉末を用い、このアルミナ粉末100重量%に、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂としてウレタンアクリレート20重量%を混合したペーストを30mm×30mmのプラスチック基板に塗布し、ペーストに界面活性剤0.1mlを滴下、混合してスラリーを得た。
その後、雰囲気中にて、昇温速度1.5℃/時間で600℃まで昇温し脱脂した。得られた脱脂体の、入口側及び出口側の枠体の両端をテープ状のSUS板を用いて固定した。大気中にて昇温速度200℃/時間で1700℃まで昇温、2時間保持し焼成することでパティキュレートフィルタを得た。
1 フィルタ部
3 枠体
5 格子
11 容器
12 支持板
13 レーザー装置
14 XY移動部
Claims (2)
- 多孔質の隔壁により仕切られた流体通路によってフィルタ部が形成されており、前記フィルタ部の流体通路の、被処理流体の流入口における開口部の断面積が、被処理流体の流出側における断面積よりも大きいパティキュレートフィルタの製造方法であって、
セラミック粉末、光硬化性樹脂及び界面活性剤を含有するセラミックスラリーを製作する工程と、
該セラミックスラリー中に支持板を浸漬させ、該支持板上にある前記セラミックスラリーに光照射を行って硬化させて前記支持板を降下させる工程と、
前記工程を複数回繰り返すことにより、前記フィルタ部となるセラミック成形体を作製する工程と、
該セラミック成形体を焼結する工程と、を含むことを特徴とするパティキュレートフィルタの製造方法。 - 前記パティキュレートフィルタの前記流入口側の端面において、前記流入口の断面積が、前記フィルタ部の前記開口部及び前記隔壁を含む全断面積の70〜80%である請求項1記載のパティキュレートフィルタの製造方法。
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