JP4959012B2 - 塗布具用キャップ - Google Patents
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Description
このような塗布具のキャップは形状が小さいため、幼児や子供が手にとって遊ぶことが多く、誤って飲み込んで窒息するような事故の要因になることがある。
則ち、誤って飲み込んだ場合でも、所定の空気流路を介して呼吸を維持させつつ、その間に必要な処置を行うことにより、安全性を確保するようにされている。このように、尊い命を守るべく安全性規格に準拠した塗布具が製品化されている。
そこで、相反する条件を満足するべく、二重構造のキャップが用いられるようになった。
この二重構造のキャップは、塗布部の乾燥を防ぐための内筒部と、内筒部を内包する外筒部とを有した二重構造を有し、内筒部と外筒部との間に隙間を設けて空気流路を確保するものである。この二重構造のキャップは、一般に合成樹脂材を射出成形して一体化して形成されるものが多い。
また、このような内筒部と外筒部とを有した二重構造のキャップは、円筒形の外形を有するものが多く、喉などにつかえにくいため、誤って飲み込んでしまうと、途中でつかえずに体内に深く入り込み易い不具合があった。
しかし、本発明のキャップは、筒体の外周部の一部に突出部を設けている。則ち、筒体の外周部は滑らかであるが、突出部を設けることで引っ掛かりを生じさせている。特に、本発明では、筒体の外周部の全長に渡って突出部を設けるのではなく、外周部の一部分だけに突出部を設けている。
これにより、筒体の外周部と突出部との間に段部が形成され、喉や気管などの内径の異なる部分でつかえ易くしている。
則ち、従来のキャップが内部空間と外部とを連通させる空気流路を確保するものであったのに対して、本発明のキャップは、キャップの外周部に沿った空気流路を確保する点に特徴を有するものである。これにより、複雑な2重構造を採る必要がなく、構造が極めて単純になる。
更に、筒体の外周部に突出部を設けることにより、キャップ単体の転がり、あるいは、キャップを本体部へ装着したときの塗布具自体の転がりを防止する効果を奏する。
筒体の開口端の外周部にだけ突出部を設けることにより、喉や気管などの内径が変化する部分や、管が曲がった部分で突出部がつかえ易くなる。
これにより、誤って、キャップの開口側あるいは閉塞端側のいずれの方向から飲み込んでも、筒体の突出部が喉壁や気管壁につかえて、体内の奥へ入り込むことが抑止される。
また、閉塞端側から飲み込んだキャップを引き出す場合、突出部同士の間の隙間と筒体の内周部との間にピンセットなどを差し込んで掴むことができる。これにより、キャップを掴もうとして、キャップ自体が更に体内に押し込まれるような不具合が低減する。
突出部は、筒体の開口側の近傍以外にも、閉塞端側や中央部に設けることもできる。
クリップの端部は、筒体の外周部の適宜の位置に固定することができる。
例えば、クリップの端部を筒体の開口側近傍に固定し、筒体の開口側へ向けて軸方向へ沿って延伸させることができる。また、クリップの端部を筒体の閉塞端側近傍に固定し、筒体の開口側へ向けて延伸させても良い。また、クリップの端部を筒体の中央部、則ち、開口側と閉塞端側との途中に固定することも可能である。
則ち、口から喉を通って気管に至る流路は、直線状ではなく曲がっている。このため、直線状でできるだけ長い形状の物ほど、誤って飲み込んだ場合に体内に入り込み難い。
また、キャップを筒体の閉塞端側から誤って飲み込んだ場合には、クリップの先端部をピンセットなどで掴んで引き出し易い。逆に、キャップをクリップ側から飲み込んだ場合は、筒体の閉塞端側から飲み込んだ場合に比べてクリップの先端部や突出部が喉壁などにつかえ易く、一層体内に入り込み難い。
また、筒体にクリップを設けるので、突出部だけを設ける場合に比べてキャップ自体が一層転がり難くなり、キャップを本体部に装着した場合にも同様に塗布具の転がりを防止できる。
前記したように、本発明のキャップでは、突出部が2つの機能を有する。
則ち、突出部は、キャップが喉壁や気管壁につかえたときに、喉壁などを押し広げるように当接して筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを持たせる機能とを有する。
従って、これらの機能を有するものであれば、突起(突出部)は、筒体の外周部の一部に適宜に配することができる。突起の数は1つでも良く(参考例)、また、外周部に沿って複数設けることもできる。
また、突起の形状は、例えば、円筒形状、角柱形状、円錐形状などの種々の形状を採ることができる。
突起の先端部は、鋭利なほど、誤って飲み込んだときに喉壁などに引っ掛かり易いが、逆に、喉壁などを傷つけ易い。また、塗布具の使用時におけるキャップの触感も考慮して、突起の先端部は適宜の丸みを持たせるのが良い。
前記したように、突出部に要求される機能は、喉壁などを押し広げて筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを持たせる機能であった。従って、このような機能を有する形状であれば、突出部は、前記した突起に限らず、リブを用いて形成することもできる。
このようにリブを周方向へ向けて設けることにより、リブによって喉壁などを押し広げ、リブの端部と筒体の外周部との間に隙間を生じさせて空気流路を形成することができる。
ここで、本発明のキャップでは、筒体の外周部に突出部あるいはクリップを設けているので、突出部が設けられた部位、または、突出部およびクリップが設けられた部位において最大外接円が得られる。この最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.25倍以上である構成とすることができる。
前記したように、突出部は、喉壁などを押し広げて筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを作る機能を有するものであり、クリップも同様の機能を有する。
従って、突出部の高さあるいはクリップの高さ(厚さ)が増大するに連れて、隙間が広がり、引っ掛かり易くなる。
例えば、キャップ全体に、キャップの最大外径の80%〜85%の内径を有する弾性チューブ(シリコンチューブなど)を被せ、この状態で所定の空気流量が得られる空気流路を確保することによって等価的に安全性を評価できる。
則ち、キャップの筒体の最大外径がキャップの最大外径の80%未満であれば、キャップの最大外径の80%の内径を有するチューブを被せると、筒体の外周部とチューブ内壁との間に隙間を生じさせて空気流路を形成することができる。
言い換えれば、キャップの最大外径が筒体の最大外径の1.25倍以上であれば、喉壁などとの間に隙間を生じさせることが可能である。
最大外接円の直径が筒体の最大外径の1.25倍に満たないとき、則ち、突出部やクリップの高さが充分でないときは、筒体の外周部と喉壁などとの間に充分な隙間が確保できず、空気流路が形成されない虞が生じる。また、1.25倍に満たない形状ではクリップや突出部の高さが充分でないために、筒体の表面の引っ掛かりとしての効果も低減する。
前記したように、キャップの最大外径の80%の内径を有するチューブをキャップに被せた場合に、キャップの最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.25倍以上であれば空気流路を確保できる。しかし、キャップの最大外接円の直径を、筒体の最大外径の1.3倍以上とすることが望ましい。
キャップの最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.3倍以上であれば、キャップにチューブを被せた場合に、一層大きな隙間が形成され、安定した空気流路を確保することができる。また、筒体の表面の引っ掛かりとしての効果も更に増大する。
キャップの製造工程において、一時的に多数のキャップを1つの容器に収納することがある。このとき、キャップのクリップが、別のキャップの突出部同士の間の隙間に入り込んだり、あるいは、別のキャップの突出部とクリップの間の隙間に入り込んで繋がった状態となり、製造工程における作業能率を低下させることがある。
本発明のキャップによれば、クリップの最大幅が隙間の最小幅よりも小さくなるようにキャップが形成される。これにより、クリップ同士が繋がるような不具合がなくなり、作業能率の低下が防止される。
塗布具のキャップは、本来、本体部に装着して塗布部を気密保持しつつ保護する物である。
キャップを本体部に被せて塗布部の気密を保持させるには、キャップの内周部と、キャップが嵌合する本体部の外周部との形状を一致させるように精密に製造する必要が生じる。
そこで、例えば、キャップの筒体の内周部に僅かに突出させた気密環を周方向へ向けて全周に渡って設け、キャップを本体部に嵌合させたときに、若干のテーパを設けた本体部によって気密環を僅かに弾性変形させつつ本体部の外周部に押圧して、高い気密性を得る構成が採られる。このため、キャップの筒体の内周部に設ける気密環には真円度が要求される。
ところが、筒体の気密環を設けた部位の外周部に、部分的に突起やリブなどを設けると、射出成形時にヒケや気泡が発生し易く、気密環の真円度が著しく損なわれる。
本発明のキャップは、前記したように、筒体の外周部に突出部を設けた構成、あるいは、筒体の外周部に突出部およびクリップを設けた構成である。
従って、筒体と突出部やクリップを別々に作り、筒体に突出部やクリップを接合してキャップを製造することもできる。しかし、製造に手間が掛かり作業効率が悪い。
本発明のキャップは、前記したように極めて単純な構成であるので、例えば、合成樹脂材を射出成形して形成する場合、金型の製作も容易である。
筒体、突出部およびクリップを一体化して成形することにより、製造コストを低減し、作業効率を向上させることができる。
図1は本発明の参考例の塗布具用キャップ10を示すもので、図1(a)は塗布具用キャップ10を示す斜視図、図1(b)は(a)のA方向矢視図、図1(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
キャップ10は一端が閉塞された円筒形の筒体11の外周部11aに、4本の突出部(リブ)12を設けた形状である。
開口11c側の外周部11aには、開口11cの端部からキャップ10の軸方向へ向けて短いリブ12が、周方向へ90度の間隔をおいて4本突設されている。
リブ12は、短い角柱片形状であり、表面は面取が施されて丸みを帯びている。このリブ12は、開口11c側から閉塞端11b側に向かうに連れて高さが僅かに減少する形状である。また、各々のリブ12の開口11c側の端部には、半球形の飾り玉11aが設けられている。
則ち、図1(b)に示すように、筒体11の最大外径寸法(開口11c端部における外径寸法)をφBとし、キャップ10の最大外接円の直径(リブ12が設けられた部位の最大外接円の直径)をφAとすると、φAがφBの1.3倍以上(本実施例では1.4倍)の寸法となるようにしている。これにより、後述するように、キャップ10を誤って飲み込んだときの空気流路が確保されるようにしている。
筒体11は、開口11c端部から閉塞端11bに向かうに連れて僅かに内径寸法が減少する形状である。そして、開口11c近傍の内周壁11dにおけるリブ12に対応した部位に、内部に僅かに突出した4つの係合突起11gが設けられている。
また、筒体11の長さ方向の略中央部には、内周壁11dから僅かに内部へ突出した3本の気密環11fが、内周方向へ向けて設けられている。
更に、筒体11の閉塞端11bの内部には、後述する塗布部の先端を保護する球形の保護部材13を保持するリブ11hが、開口11c側へ向けて4カ所に設けられている。このリブ11hは開口11c側から閉塞端11b側に向かうに連れて傾斜した傾斜部と、傾斜部から閉塞端11b側の間に至る所定高さの保持部で形成されている。
図2(a)は、キャップ10にシリコンチューブを被せた場合に形成される空気流路を示す断面図、図2(b)は(a)のA方向矢視図である。
キャップ10が喉や気管につかえた状態は、シリコンチューブTをキャップ10全体に被せた状態で等価することができる。この例では、キャップ10の最大外径φAの80%の内径を有するシリコンチューブTをキャップ10に被せた状態で、形成される空気流路の評価を行っている。
従って、キャップ10に、最大外径の80%の内径を有するシリコンチューブTを被せると、リブ12によってシリコンチューブTが押し広げられると共に、筒体11の外周部11aとシリコンチューブTとの間に隙間1aが生じる。
則ち、シリコンチューブTの上流側と下流側は、キャップ10の筒体11の外周部11aに沿って生じる隙間1aで形成される空気流路Lを介して連通する。これにより、キャップ10を誤って飲み込んで喉や気管に詰まっても、空気流路Lを介して呼吸を維持させつつ必要な処置を行うことが可能となる。
図3は、キャップ10を口30から飲み込んで喉31の近傍でつかえた状態を示す断面図である。図から分かるように、喉31や気管32は湾曲しており、内径も変化している。従って、キャップ10を飲み込むと、外周部11aとリブ12とで形成される段部が喉壁や気管壁につかえ易く、キャップ10が体内に深く入り込むことが抑止される。
また、図3に示したような状態で喉31につかえたときは、例えば、ピンセットなどを用い、リブ12同士の間で形成される隙間と筒体11の内周壁との間に差し込むようにして掴んで引き出すことができる。これにより、キャップ10を掴むために、キャップ10自体が更に奥に押し込まれる不具合が低減する。
塗布具1の本体部20は、筒状の本体軸21の先端部に塗布部22を嵌入させて形成される。本体軸21は、大径部21aと先端の小径部21bを有し、大径部21aの近傍の小径部21bには、外周部の周方向へ向けて僅かに突出させた係合環21cが設けられている。また、小径部21bは先端に向かうに連れて僅かに外径が小さく形成されている。
また、塗布部22は円錐形状を有し、先端に筆記用ボール22aが装着されている。
参考例の塗布具1は、キャップ10および本体部20を合成樹脂材を射出成形することによって形成している。則ち、キャップ10は筒体11およびリブ12を一体的に成形されており、また、本体部20は、本体軸21と塗布部22とを別々に成形し、本体軸21に塗布部22を嵌入させて作られている。
参考例のキャップ10では、前記したように、リブ12を開口11c近傍の外周部に設けている。則ち、リブ12を気密環11fの設けられた部位から離れた位置に設けている。これにより、キャップ10の射出成形時において、リブ12によって生じるヒケのために気密環11fの真円度が損なわれることがない。
例えば、図5(a)に示すように、筒体11の外周部11aに中心軸に対して対向するように2つのリブ12を配した構成とすることができる。また、図5(b)〜(d)に示すように、筒体11の外周部11aに3本のリブ12を設けたり、あるいは、5本または6本以上のリブ12を設けた構成としても良い。
次に、キャップにクリップを備えた第1実施形態のキャップ10’を、図6を参照して説明する。
図6(a)はクリップを備えた塗布具用キャップ10’を示す斜視図、図6(b)は(a)のA方向矢視図、図6(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
本実施形態のキャップ10’は、前記図1で示したキャップ10の構成において、4本のリブ12の内の1本のリブ12をクリップに置き換えた構成としており、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
このキャップ10’においても、図6(b)に示すように、筒体11の最大外径寸法(開口11c端部における外径寸法)をφBとし、キャップ10’の最大外接円の直径(クリップ14およびリブ12が設けられた部位の最大外接円の直径)をφAとすると、φAがφBの1.3倍以上(本実施例では1.4倍)の寸法となるように形成される。これにより、キャップ10’を誤って飲み込んだときの空気流路を確保する形状とされている。
図7(a)は、キャップ10’にシリコンチューブを被せた場合に形成される空気流路を示す断面図、図7(b)は(a)のA方向矢視図である。
本実施形態においても、前記したように、キャップ10’の最大外径寸法(最大外接円の直径)φAは、筒体11の最大外径寸法φBの1.4倍とされている。言い換えれば、筒体11の最大外形寸法φBは、キャップ10’の最大外接円の直径φAの71%の寸法である。
これにより、キャップ10を誤って飲み込んで喉や気管に詰まっても、隙間1aによって空気流路Lを形成し、呼吸を維持させつつ必要な処置を行うことが可能となる。
また、キャップ10’を筒体11の閉塞端11b側から誤って飲み込んでも、クリップ14およびリブ12と筒体11の外周部11aとで形成される段部が喉や気管の内壁につかえ易い。これにより体内へ深く入り込むことが阻止される。 また、ピンセットなどを用いてクリップ14を掴んで引き出すことができる。これにより、キャップ10’を掴もうとして、キャップ10’自体を更に奥に押し込んでしまうような不具合が低減する。
また、キャップ10’をクリップ14側から誤って飲み込んだ場合でも、クリップ14の端部14bやリブ12の端部が喉壁や気管壁につかえ易く、体内に深く入り込み難い。
例えば、図8(a)に示すように、筒体11の外周部11aに、クリップ14に対向するようにリブ12を1本だけ配した構成とすることができる(参考例)。また、図8(b)〜(d)に示すように、筒体11の外周部11aにクリップ14と2本のリブ12を設けたり、あるいは、クリップ14と4本または5本以上のリブ12を設けた構成としても良い。
例えば、図8(c)に示したような、筒体11の外周部11aにクリップ14と4本のリブ12とを設けた構成のキャップ10’を、容器に多数収容する工程が生じる。
このような場合、図9(a)に示すように、キャップ10’のクリップ14の一端14aとリブ12との間に形成される隙間d1、あるいは、リブ12同士の間に形成される隙間d2に、別のキャップ10’のクリップ14の先端14bが入り込むなどして繋がってしまうことがある。
繋がったキャップ10’を分離することは容易であるが、塗布具1を大量に製造する場合、製造工程において、繋がったキャップ10’を外す手間が作業効率の低下を招くことがある。
則ち、クリップ14の最大幅Wが、クリップ14とリブ12との間で形成される隙間の幅W1、あるいは、リブ12同士の間で形成される隙間の幅W2,W3のいずれの幅よりも小さくなる形状としている。
これにより、クリップ14は隙間d1,d2に挟まることがなくなり、作業効率の低下を抑えることができる。
次に、前記図1に示したキャップ10、および、図6に示したキャップ10’の変形例を、図10〜図14を参照して説明する。尚、図10〜図14では、クリップを設けたキャップとして示しているが、クリップを設けずに突出部だけを設けた形状としても良い(参考例)。また、前記キャップ10,10’と同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。更に、筒体の最大外径とキャップの最大外接円との関係は、前記図1(b)および図6(b)に示した関係を維持する形状としている。
キャップ50は、リブ(突出部)12を設ける位置を、筒体11の開口11c端部から僅かに閉塞端11b側に移動させた形状である。
このキャップ50においても、リブ12によって喉壁などを押し広げて空気流路を確保することができ、また、筒体11の外周部11aとリブ12との段差によって、喉などにつかえ易い形状としている。
キャップ51は、リブ12を設ける方向を、筒体11の外周部11aの周方向としたものである。
このキャップ51においても、リブ12によって喉壁などを押し広げ、リブ12の端部同士の間に空気流路を確保することができ、また、筒体11の外周部11aとリブ12とで形成される段部によって、喉などにつかえ易い形状とされている。
リブ12は筒体の11の外周部11aに1列だけ設けても良いが、図の破線で示すように、リブ12を2列に配したり、あるいは3列以上設けることも可能である。
キャップ52はクリップ14の形状が異なっている。則ち、クリップ14の一端14aを筒体11の閉塞端11bの近傍に固定した形状とされている。
このキャップ52によれば、クリップ14が筒体11の外周部11aの略全長に沿うように延伸するので、誤って飲み込んだ場合でも、クリップ14によって喉壁などを筒体11の全長に渡って押し広げることができ、リブ12と相まって一層確実に空気流路を確保することができる。また、筒体11の外周部11aとリブ12との段差によって、喉などに引っ掛かり易い形状とされている。
キャップ53は、筒体11の形状を変更したもので、閉塞端11bを球面形状に代えて略平面形状にした点が異なっている。
このキャップ53によれば、誤って閉塞端11b側から飲み込んだ場合でも、球面形状である場合に比べて、筒体11が喉壁などから抵抗を受けやすく、体内に深く入り込み難い。
また、リブ12により空気流路を確保することができると共に、筒体11の外周部11aとリブ12との段差によって、喉などに引っ掛かり易い形状とされている。
これまでに説明したキャップの突出部は、全てリブを用いた構成であった。
しかし、前記したように、突出部は、喉壁などを押し広げて筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを作る機能を有するものであれば良く、リブに代えて突起を用いて構成することもできる。
また、図14(b)に示すように、円錐台形状の突起12”を用いて構成することも可能である。この場合も、破線で示すように、2列以上の突起12”を設けた構成とすることができる。
更に、図には示していないが、角柱形の突起などを設けた構成としても良い。
10,10’,50,51,52,53,54,55 塗布具用キャップ
11 筒体
11a 筒体の外周部
11c 筒体の開口
11d 筒体の内周部
11f 気密環
12 突出部(リブ)
12’,12” 突出部(突起)
14 クリップ
14a クリップの端部
20 本体部
22 塗布部
φA 最大外接円の直径
φB 筒体の最大外径
W クリップの最大幅
W1,W2,W3 隙間の最小幅
Claims (9)
- 一端が閉塞された筒体で形成され、塗布具の本体部に装着して塗布部を気密保持する塗布具用キャップにおいて、
前記筒体の開口端の外周部に突出部を設け、突出部は周方向へ間隔をおいて複数設けられており、
一端が前記筒体の外周部に固定され、他端が筒体の開口側へ向けて略軸方向へ沿って延伸するクリップを設けたことを特徴とする塗布具用キャップ。 - 前記突出部の筒体の周方向の最大幅は、突出部同士の間で形成される隙間の筒体の周方向の最小幅より小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具用キャップ。
- 前記突出部は、突起で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具用キャップ。
- 前記突出部は、略軸方向または略周方向へ向けて突設される所定長のリブで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具用キャップ。
- キャップの最大外接円の直径が、前記筒体の最大外径の1.25倍以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
- キャップの最大外接円の直径が、前記筒体の最大外径の1.3倍以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
- 前記クリップの最大幅が、隣接する突出部同士の間で形成される隙間の最小幅、あるいは、隣接する突出部とクリップの間で形成される隙間の最小幅のいずれよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
- 前記筒体の内周部には、前記本体部の周部と当接または係合して気密を保持する少なくとも1以上の気密環が設けられており、前記突出部および前記クリップの端部は、当該気密環の設けられた部位を除く筒体の外周部に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
- 前記突出部または前記クリップの少なくともいずれか一方は、前記筒体と一体的に成形されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
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