JP4957930B2 - 内燃機関の監視装置 - Google Patents

内燃機関の監視装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4957930B2
JP4957930B2 JP2010278551A JP2010278551A JP4957930B2 JP 4957930 B2 JP4957930 B2 JP 4957930B2 JP 2010278551 A JP2010278551 A JP 2010278551A JP 2010278551 A JP2010278551 A JP 2010278551A JP 4957930 B2 JP4957930 B2 JP 4957930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
torque
abnormality
actual torque
combustion mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010278551A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011052696A (ja
Inventor
佳史 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010278551A priority Critical patent/JP4957930B2/ja
Publication of JP2011052696A publication Critical patent/JP2011052696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4957930B2 publication Critical patent/JP4957930B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の異常の判定方法を改善した内燃機関の監視装置に関する発明である。
例えば、特許文献1(特表2005−522617号公報)に記載されているように、内燃機関の実燃料噴射量(噴射された燃料質量)及び/又は目標燃料噴射量(噴射すべき燃料質量)に基づいて瞬時トルクを求め、この瞬時トルクが許容トルクよりも大きい場合にエラー対応(例えば燃料カット等)を実行するようにしたものがある。
特表2005−522617号公報(第2頁等)
ところで、内燃機関の運転条件等によっては燃料噴射量が増加しても、燃料噴射時期が変化しなければ実トルクが増大しないことがある。しかし、上記特許文献1の技術では、燃料噴射時期を考慮せずに燃料噴射量に基づいて算出した瞬時トルクが許容トルクよりも大きいか否かを判定するようにしているため、燃料噴射量が増加しても燃料噴射時期の影響で実トルクが増大しなかった場合に、瞬時トルクが許容トルクよりも大きくなってしまう可能性があり、その結果、トルクの異常増大と誤判定してエラー対応を実行してしまう可能性がある。
また、筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式の内燃機関では、各気筒の吸気行程で筒内に燃料を噴射して均質燃焼させる均質燃焼モードと、各気筒の圧縮行程で筒内に燃料を噴射して成層燃焼させる成層燃焼モードとの間で燃焼モードを切り換えるようにしている。一般に、均質燃焼モードでは、スロットル開度で吸入空気量を調整し、この吸入空気量に基づいて燃料噴射量を設定してトルクを制御するため、吸入空気量を基準にした空気量ベース実トルクを算出すれば、実トルクを精度良く求めることができる。一方、成層燃焼モードでは、スロットル開度を大きく開いて吸入空気量を多くした状態で、燃料噴射量を調整してトルクを制御するため、燃料噴射量を基準にした燃料量ベース実トルクを算出すれば、実トルクを精度良く求めることができる。
しかし、燃焼モードが成層燃焼モードのときに、燃料噴射異常によって燃料噴射時期が吸気行程又はその付近までずれると、成層燃焼モードで制御しているにも拘らず、実際には均質燃焼に近い燃焼状態になっていることがある。このような場合、燃焼モードが成層燃焼モード(つまり燃料量ベース実トルクに適した燃焼モード)に制御されていても、燃料量ベース実トルクの算出精度が低下するため、燃料量ベース実トルクを用いてトルク異常の有無を判定すると、トルク異常の有無を精度良く判定することができないという問題がある。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、トルク異常を精度良く検出することができる内燃機関の監視装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の燃料噴射異常の有無を判定する燃料噴射異常判定手段と、内燃機関の運転状態に応じて燃焼モードを切り換える燃焼モード切換手段と、内燃機関の吸入空気量を基準にした空気量ベース実トルクを算出する空気量ベース実トルク算出手段と、内燃機関の燃料噴射量又は空燃比を基準にした燃料量ベース実トルクを算出する燃料量ベース実トルク算出手段と、通常時には、前記燃焼モードに応じて前記空気量ベース実トルクと前記燃料量ベース実トルクのうちの一方を異常判定用実トルクとして選択し、その異常判定用実トルクと要求トルクとを比較してトルク異常の有無を判定するトルク異常判定手段とを備え、前記トルク異常判定手段は、前記燃料噴射異常判定手段により燃料噴射異常有りと判定された場合には、どちらの燃焼モードに制御されていても、前記空気量ベース実トルクを前記異常判定用実トルクとして選択することを特徴とするものである。
本発明は、燃料量ベース実トルクに適した燃焼モードに制御されている場合でも、燃料噴射異常によって、実際には空気量ベース実トルクに適した燃焼状態になっている可能性があることを考慮して、空気量ベース実トルクを異常判定用実トルクとして選択してトルク異常の有無を判定するものであり、これにより、トルク異常の有無を精度良く判定してトルク異常を精度良く検出することができると共に、トルク異常の誤判定によるフェイルセーフ処理の誤実行を未然に防止することができる。
この場合、請求項2のように、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えた筒内噴射式の内燃機関に適用して、燃焼モードを均質燃焼モードと成層燃焼モードとの間で切り換え、通常時には、均質燃焼モードのときに空気量ベース実トルクを異常判定用実トルクとして選択し、成層燃焼モードのときに燃料量ベース実トルクを異常判定用実トルクとして選択するシステムにおいて、燃料噴射異常有りと判定された場合には、どちらの燃焼モードに制御されていても、空気量ベース実トルクを異常判定用実トルクとして選択するようにすると良い。
このようにすれば、燃料量ベース実トルクに適した成層燃焼モードに制御されている場合でも、燃料噴射異常によって、実際には空気量ベース実トルクに適した均質燃焼に近い燃焼状態になっている可能性があることを考慮して、空気量ベース実トルクを異常判定用実トルクとして選択してトルク異常の有無を判定することができ、トルク異常の検出精度を向上させることができる。
図1は本発明の一実施例におけるエンジン制御システムの概略構成図である。 図2はECUの燃料噴射異常判定機能及びトルク異常判定機能等を説明するためのブロック図である。 図3は実燃料噴射時期と実燃料噴射量の算出方法を説明するためのタイムチャートである。 図4は燃料噴射異常判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図5はトルク異常判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12には、モータ等によって開度調節されるスロットルバルブ13が設けられている。このスロットルバルブ13の下流側には、サージタンク14が設けられ、このサージタンク14には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド15が設けられている。
エンジン11の各気筒の上部には、それぞれ燃料を筒内に直接噴射する燃料噴射弁16が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ17が取り付けられ、各点火プラグ17の火花放電によって筒内の混合気に着火される。更に、吸気側カム18で開閉駆動される吸気バルブ19によって吸気ポート20が開閉され、排気側カム21で開閉駆動される排気バルブ22によって排気ポート23が開閉される。
また、エンジン11のシリンダブロックには、クランク軸(図示せず)が所定クランク角回転する毎にクランク角パルスを出力するクランク角センサ24が取り付けられ、このクランク角センサ24の出力パルスに基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。更に、アクセルセンサ25によってアクセル開度(アクセルペダルの踏込み量)が検出される。
これら各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)26に入力される。このECU26は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁16の燃料噴射量や点火プラグ17の点火時期等を制御する。
その際、ECU26は、図2に示すように、燃焼モード選択部27(燃焼モード切換手段)で、エンジン運転状態(エンジン回転速度や負荷等)に応じて燃焼モードを成層燃焼モードと均質燃焼モードとの間で切り換える。成層燃焼モードでは、少量の燃料を圧縮行程で筒内に直接噴射して点火プラグ17の近傍に成層混合気を形成して成層燃焼(リーン燃焼)させることで、燃費を向上させる。一方、均質燃焼モードでは、燃料噴射量を増量して吸気行程で筒内に燃料を直接噴射して均質混合気を形成して均質燃焼(ストイキ又はリッチ燃焼)させることで、エンジン出力を高める。
また、ECU26は、燃料噴射目標値算出部28で、エンジン運転状態(エンジン回転速度や負荷や燃焼モード等)に基づいて目標燃料噴射開始時期InjAngと目標燃料噴射量InjMg とを算出し、噴射パルス出力部29で、目標燃料噴射開始時期InjAngと目標燃料噴射量InjMg とを実現するように噴射パルス(噴射信号)を燃料噴射弁16に出力する。この場合、燃料噴射目標値算出部28と噴射パルス出力部29が燃料噴射制御手段としての役割を果たす。
具体的には、図3に示すように、エンジン11のクランク軸が所定クランク角(例えば30℃A)回転する毎にクランク角センサ24から出力されるクランク角信号を基準としてインジェクションタイマを動作させ、このインジェクションタイマのカウント値に基づいて、目標燃料噴射開始時期InjAngになった時点で噴射パルス信号を立ち上げ、この目標燃料噴射開始時期InjAngから目標燃料噴射量InjMg に相当する噴射期間が経過した時点で噴射パルス信号を立ち下げる。
更に、ECU26は、図2に示すように、燃料噴射モニタ部30で、噴射パルスに基づいて実燃料噴射開始時期Ya と実燃料噴射量Rq とを算出し、実燃料噴射開始時期Ya と目標燃料噴射開始時期InjAngとの偏差が所定値KAよりも大きく且つ実燃料噴射量Rq と目標燃料噴射量InjMg との偏差が所定値KMよりも大きいときに燃料噴射異常有りと判定する。この場合、燃料噴射モニタ部30が燃料噴射実行値算出手段及び燃料噴射異常判定手段としての役割を果たす。
具体的には、図3に示すように、まず、フリーランタイマのカウント値に基づいて、基準クランク角位置Xa [℃A](例えば吸気下死点)に相当する時点Xt [us]を記憶すると共に、噴射パルスの立ち上がりタイミングに相当する時点Yt [us]と噴射パルスの立ち下がりタイミングに相当する時点Zt [us]を記憶する。
この後、基準クランク角位置Xa に相当する時点Xt から噴射パルスの立ち上がりタイミングに相当する時点Yt までの待機時間Rt1(=Yt −Xt )を算出する。更に、噴射パルスの立ち上がりタイミングに相当する時点Yt から噴射パルスの立ち下がりタイミングに相当する時点Zt までの噴射オン時間Rt2(=Zt −Yt )を算出することで、実噴射パルス幅Rt2を求める。
この後、噴射パルスの立ち上がりタイミングに相当するクランク角位置Ya [℃A]を次式より算出することで、実燃料噴射開始時期Ya を求める。
Ya =Xa +(Rt1/T30)×30
ここで、T30は、エンジン11のクランク軸が30℃A回転するのに要する時間(クランク角センサ24の出力パルス間隔)である。
更に、実燃料噴射時間Rt2[us]から無効噴射時間Td [us]を差し引いて有効噴射時間Tf (=Rt2−Td )を求め、この有効噴射時間Tf と燃圧Pf とに応じた実燃料噴射量Rq [mg]をマップ又は数式等により算出する。
この後、実燃料噴射開始時期Ya と目標燃料噴射開始時期InjAngとの偏差の絶対値が異常判定値KAよりも大きいか否かを判定すると共に、実燃料噴射量Rq と目標燃料噴射量InjMg との偏差が異常判定値KMよりも大きいか否かを判定する。
その結果、実燃料噴射開始時期Ya と目標燃料噴射開始時期InjAngとの偏差の絶対値が異常判定値KAよりも大きいと判定され、且つ、実燃料噴射量Rq と目標燃料噴射量InjMg との偏差が異常判定値KMよりも大きいと判定された場合には、実燃料噴射量Rq が目標燃料噴射量InjMg よりも多くなり過ぎ、且つ、実燃料噴射開始時期Ya が目標燃料噴射開始時期InjAngから大きくずれているため、トルクが異常増大する燃料噴射異常状態であると判断して、燃料噴射異常有りと判定する。
また、ECU26は、図2に示すように、トルクモニタ部31(トルク異常判定手段)で次のようにしてトルク異常の有無を判定する。まず、要求トルク算出部32で、アクセル開度Aacc とエンジン回転速度Ne とに基づいて要求トルクReqTrqをマップ又は数式等により算出する。
更に、空気量ベース実トルク算出部33(空気量ベース実トルク算出手段)で、吸入空気量Ga に基づいて空気量ベース実トルクActTrqAirをマップ又は数式等により算出し、燃料量ベース実トルク算出部34(燃料量ベース実トルク算出手段)で、目標燃料噴射量InjMg 又は供給空燃比に基づいて燃料量ベース実トルクActTrqFuel をマップ又は数式等により算出する。
そして、通常時(燃料噴射モニタ部30で燃料噴射異常無しと判定された場合)には、燃焼モードが均質燃焼モードに制御されているときに、空気量ベース実トルクActTrqAirを異常判定用実トルクActTrqTmpとして選択し、トルク比較部35で、異常判定用実トルクActTrqTmp(=空気量ベース実トルクActTrqAir)と要求トルクReqTrqとを比較してトルク異常の有無を判定する。一方、燃焼モードが成層燃焼モードに制御されているときに、燃料量ベース実トルクActTrqFuel を異常判定用実トルクActTrqTmpとして選択し、トルク比較部35で、異常判定用実トルクActTrqTmp(=燃料量ベース実トルクActTrqFuel )と要求トルクReqTrqとを比較してトルク異常の有無を判定する。
これに対して、燃料噴射モニタ部30で燃料噴射異常有りと判定された場合には、どちらの燃焼モードに制御されていても、空気量ベース実トルクActTrqAirを異常判定用実トルクActTrqTmpとして選択して、トルク比較部35で、異常判定用実トルクActTrqTmp(=空気量ベース実トルクActTrqAir)と要求トルクReqTrqとを比較してトルク異常の有無を判定する。これにより、燃料量ベース実トルクActTrqFuel に適した成層燃焼モードに制御されている場合でも、燃料噴射異常によって、実際には空気量ベース実トルクActTrqAirに適した均質燃焼に近い燃焼状態になっている可能性があることを考慮して、空気量ベース実トルクActTrqAirを異常判定用実トルクActTrqTmpとして選択してトルク異常の有無を精度良く判定する。
また、ECU26は、燃料噴射モニタ部30で燃料噴射異常有りと判定された場合、又は、トルクモニタ部31でトルク異常有りと判定された場合には、フェイルセーフ実行部36で、フェイルセーフ信号をスロットルバルブ13の駆動モータに出力してスロットル開度を所定開度で制限するフェイルセーフ処理や、フェイルセーフ信号を燃料噴射弁16に出力して燃料噴射量を所定値以下に制限するフェイルセーフ処理を実行して、安全に退避走行できるようにする。
更に、燃料噴射モニタ部30やトルクモニタ部31を備えたECU26とは別に監視装置37(監視手段)が設けられている。この監視装置37は、例えばCPUやASIC(Application Specific IC )等によって構成され、燃料噴射モニタ部30の燃料噴射異常判定機能を監視すると共に、トルクモニタ部31のトルク異常判定機能を監視する。
以上説明した燃料噴射異常判定とトルク異常判定は、ECU26によって図4及び図5の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
[燃料噴射異常判定ルーチン]
図4に示す燃料噴射異常判定ルーチンは、ECU26の電源オン中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、基準クランク角位置Xa [℃A](例えば吸気下死点)に相当する時点Xt [us]から噴射パルスの立ち上がりタイミングに相当する時点Yt [us]までの待機時間Rt1[us]を次式により算出する。
Rt1=Yt −Xt
この後、ステップ102に進み、噴射パルスの立ち上がりタイミングに相当する時点Yt から噴射パルスの立ち下がりタイミングに相当する時点Zt までの噴射オン時間Rt2を次式により算出することで、実噴射パルス幅Rt2を求める。
Rt2=Zt −Yt
この後、ステップ103に進み、噴射パルスの立ち上がりタイミングに相当するクランク角位置Ya [℃A]を次式より算出することで、実燃料噴射開始時期Ya を求める。
Ya =Xa +(Rt1/T30)×30
この後、ステップ104に進み、実燃料噴射時間Rt2[us]から無効噴射時間Td [us]を差し引いて有効噴射時間Tf (=Rt2−Td )を求め、この有効噴射時間Tf と燃圧Pf とに応じた実燃料噴射量Rq [mg]をマップ又は数式等により算出する。
Rq =Map(Tf ,Pf )
この後、ステップ105で、実燃料噴射開始時期Ya と目標燃料噴射開始時期InjAngとの偏差の絶対値が異常判定値KAよりも大きいか否かを判定し、次のステップ106で実燃料噴射量Rq と目標燃料噴射量InjMg との偏差が異常判定値KMよりも大きいか否かを判定する。
その結果、上記ステップ105で実燃料噴射開始時期Ya と目標燃料噴射開始時期InjAngとの偏差の絶対値が異常判定値KAよりも大きいと判定され、且つ、上記ステップ106で実燃料噴射量Rq と目標燃料噴射量InjMg との偏差が異常判定値KMよりも大きいと判定された場合には、実燃料噴射量Rq が目標燃料噴射量InjMg よりも多くなり過ぎ、且つ、実燃料噴射開始時期Ya が目標燃料噴射開始時期InjAngから大きくずれているため、トルクが異常増大する燃料噴射異常状態であると判断して、ステップ107に進み、燃料噴射異常有りと判定して燃料噴射異常フラグIMFを「1」にセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU26のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU26の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ105で実燃料噴射開始時期Ya と目標燃料噴射開始時期InjAngとの偏差の絶対値が異常判定値KA以下であると判定された場合、又は、上記ステップ106で実燃料噴射量Rq と目標燃料噴射量InjMg との偏差が異常判定値KM以下であると判定された場合には、ステップ108に進み、燃料噴射異常無しと判定して燃料噴射異常フラグIMFを「0」にリセットしたまま、本ルーチンを終了する。
[トルク異常判定ルーチン]
図5に示すトルク異常判定ルーチンは、ECU26の電源オン中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、アクセル開度Aacc とエンジン回転速度Ne とに基づいて要求トルクReqTrqをマップ又は数式等により算出する。
ReqTrq=Map(Aacc ,Ne )
この後、ステップ202に進み、吸入空気量Ga に基づいて空気量ベース実トルクActTrqAirをマップ又は数式等により算出する。
ActTrqAir=f(Ga )
この後、ステップ203に進み、目標燃料噴射量InjMg 又は供給空燃比に基づいて燃料量ベース実トルクActTrqFuel をマップ又は数式等により算出する。
ActTrqFuel =f(InjMg )
この後、ステップ204に進み、現在の燃焼モードが成層燃焼モードに制御されている場合には、燃焼モードフラグCMを「0」にリセットし、現在の燃焼モードが均質燃焼モードに制御されている場合には、燃焼モードフラグCMを「1」にセットする。この後、ステップ205に進み、図4の燃料噴射異常判定ルーチンで設定した燃料噴射異常フラグIMFを読み込む。
この後、ステップ206に進み、燃焼モードフラグCMが「0」であるか否かを判定し、燃焼モードフラグCMが「1」である(燃焼モードが均質燃焼モードである)と判定された場合には、ステップ208に進み、空気量ベース実トルクActTrqAirを異常判定用実トルクActTrqTmpとして採用する。
ActTrqTmp=ActTrqAir
この後、ステップ210に進み、異常判定用実トルクActTrqTmp(=空気量ベース実トルクActTrqAir)が要求トルクReqTrqよりも大きいか否かによって、トルク異常の有無を判定する。
一方、上記ステップ206で、燃焼モードフラグCMが「0」である(燃焼モードが成層燃焼モードである)と判定された場合には、ステップ208に進み、燃料噴射異常フラグIMFが「0」であるか否かを判定し、燃料噴射異常フラグIMFが「0」である(燃料噴射異常無しである)と判定された場合には、ステップ209に進み、燃料量ベース実トルクActTrqFuel を異常判定用実トルクActTrqTmpとして採用する。
ActTrqTmp=ActTrqFuel
この後、ステップ210に進み、異常判定用実トルクActTrqTmp(=燃料量ベース実トルクActTrqFuel )が要求トルクReqTrqよりも大きいか否かによって、トルク異常の有無を判定する。
これに対して、上記ステップ206で燃焼モードフラグCMが「0」である(燃焼モードが成層燃焼モードである)と判定された場合でも、上記ステップ207で燃料噴射異常フラグIMFが「1」である(燃料噴射異常有りである)と判定された場合には、ステップ208に進み、空気量ベース実トルクActTrqAirを異常判定用実トルクActTrqTmpとして採用する。
ActTrqTmp=ActTrqAir
この後、ステップ210に進み、異常判定用実トルクActTrqTmp(=空気量ベース実トルクActTrqAir)が要求トルクReqTrqよりも大きいか否かによって、トルク異常の有無を判定する。これにより、燃料量ベース実トルクActTrqFuel に適した成層燃焼モードに制御されている場合でも、燃料噴射異常によって、実際には空気量ベース実トルクActTrqAirに適した均質燃焼に近い燃焼状態になっている可能性があることを考慮して、空気量ベース実トルクActTrqAirを異常判定用実トルクActTrqTmpとして選択してトルク異常の有無を精度良く判定する。
このステップ210で、異常判定用実トルクActTrqTmpが要求トルクReqTrqよりも大きいと判定された場合には、ステップ211に進み、トルク異常有りと判定してトルク異常フラグTMFを「1」にセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU26のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU26の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ210で、異常判定用実トルクActTrqTmpが要求トルクReqTrq以下であると判定された場合には、ステップ212に進み、トルク異常無しと判定してトルク異常フラグTMFを「0」にリセットしたまま、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例では、噴射パルスに基づいて実燃料噴射開始時期Ya と実燃料噴射量Rq とを算出し、実燃料噴射開始時期Ya と目標燃料噴射開始時期InjAngとの偏差の絶対値が異常判定値KAよりも大きいと判定され、且つ、実燃料噴射量Rq と目標燃料噴射量InjMg との偏差が異常判定値KMよりも大きいと判定された場合に、実燃料噴射量Rq が目標燃料噴射量InjMg よりも多くなり過ぎ、且つ、実燃料噴射開始時期Ya が目標燃料噴射開始時期InjAngから大きくずれているため、トルクが異常増大する燃料噴射異常状態であると判断して、燃料噴射異常有りと判定するようにしたので、トルクの異常増大を招く燃料噴射異常を精度良く検出することができる。これにより、燃料噴射量が増加しても燃料噴射時期の影響で実トルクが増大しない場合に、燃料噴射異常有りと誤判定することを防止できて、フェイルセーフ処理を誤って実行してしまうことを未然に防止することができる。
また、本実施例では、燃料噴射異常有りと判定された場合には、どちらの燃焼モードに制御されていても、空気量ベース実トルクActTrqAirを異常判定用実トルクActTrqTmpとして選択して、異常判定用実トルクActTrqTmp(=空気量ベース実トルクActTrqAir)と要求トルクReqTrqとを比較してトルク異常の有無を判定するようにしている。これにより、燃料量ベース実トルクに適した成層燃焼モードに制御されている場合でも、燃料噴射異常によって、実際には空気量ベース実トルクに適した均質燃焼に近い燃焼状態になっている可能性があることを考慮して、空気量ベース実トルクを異常判定用実トルクとして選択してトルク異常の有無を判定することができるため、トルク異常の有無を精度良く判定してトルクの異常増大を精度良く検出することができると共に、トルク異常の誤判定によるフェイルセーフ処理の誤実行を未然に防止することができる。
また、本実施例では、燃料噴射モニタ部30やトルクモニタ部31を備えたECU26とは別に設けた監視装置37によって燃料噴射モニタ部30の燃料噴射異常判定機能を監視すると共にトルクモニタ部31のトルク異常判定機能を監視するようにしたので、燃料噴射モニタ部30の燃料噴射異常判定機能及びトルクモニタ部31のトルク異常判定機能の信頼性を向上させることができる。
尚、上記実施例では、実燃料噴射量と目標燃料噴射量との偏差が所定値よりも大きく且つ実燃料噴射時期と目標燃料噴射時期との偏差が所定値よりも大きいときに燃料噴射異常有りと判定するようにしたが、実燃料噴射量と目標燃料噴射量との比が所定値よりも大きく且つ実燃料噴射時期と目標燃料噴射時期との比が所定値よりも大きいときに燃料噴射異常有りと判定するようにしても良い。
また、上記実施例では、実燃料噴射量と目標燃料噴射量とを比較する共に実燃料噴射時期と目標燃料噴射時期とを比較して燃料噴射異常の有無を判定する技術を、図1に示す筒内噴射式エンジン11に適用したが、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射式エンジンに適用しても良い。
また、上記実施例では、燃料噴射異常有りと判定された場合に燃焼モードを問わず空気量ベース実トルクを異常判定用実トルクとして選択する技術を、筒内噴射式エンジン11で燃焼モードを切り換えるシステムに適用したが、吸気ポート噴射式のリーンバーンエンジンで燃焼モードを切り換えるシステムに適用しても良い。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、13…スロットルバルブ、16…燃料噴射弁、17…点火プラグ、26…ECU、27…燃焼モード選択部(燃焼モード切換手段)、28…燃料噴射目標値算出部、29…噴射パルス出力部、30…燃料噴射モニタ部(燃料噴射異常判定手段)、31…トルクモニタ部(トルク異常判定手段)、32…要求トルク算出部、33…空気量ベース実トルク算出部(空気量ベース実トルク算出手段)、34…燃料量ベース実トルク算出部(燃料量ベース実トルク算出手段)、35…トルク比較部、36…フェイルセーフ実行部、37…監視装置

Claims (2)

  1. 内燃機関の燃料噴射異常の有無を判定する燃料噴射異常判定手段と、
    内燃機関の運転状態に応じて燃焼モードを切り換える燃焼モード切換手段と、
    内燃機関の吸入空気量を基準にした空気量ベース実トルクを算出する空気量ベース実トルク算出手段と、
    内燃機関の燃料噴射量又は空燃比を基準にした燃料量ベース実トルクを算出する燃料量ベース実トルク算出手段と、
    通常時には、前記燃焼モードに応じて前記空気量ベース実トルクと前記燃料量ベース実トルクのうちの一方を異常判定用実トルクとして選択し、その異常判定用実トルクと要求トルクとを比較してトルク異常の有無を判定するトルク異常判定手段とを備え、
    前記トルク異常判定手段は、前記燃料噴射異常判定手段により燃料噴射異常有りと判定された場合には、どちらの燃焼モードに制御されていても、前記空気量ベース実トルクを前記異常判定用実トルクとして選択することを特徴とする内燃機関の監視装置。
  2. 筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えた筒内噴射式の内燃機関に適用され、
    前記燃焼モード切換手段は、前記燃焼モードを各気筒の吸気行程で筒内に燃料を噴射して均質燃焼させる均質燃焼モードと、各気筒の圧縮行程で筒内に燃料を噴射して成層燃焼させる成層燃焼モードとの間で切り換え、
    前記トルク異常判定手段は、(1)通常時には、前記均質燃焼モードのときに前記空気量ベース実トルクを前記異常判定用実トルクとして選択して前記成層燃焼モードのときに前記燃料量ベース実トルクを前記異常判定用実トルクとして選択し、(2)前記燃料噴射異常判定手段により燃料噴射異常有りと判定された場合には、どちらの燃焼モードに制御されていても、前記空気量ベース実トルクを前記異常判定用実トルクとして選択することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の監視装置。
JP2010278551A 2010-12-14 2010-12-14 内燃機関の監視装置 Active JP4957930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010278551A JP4957930B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 内燃機関の監視装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010278551A JP4957930B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 内燃機関の監視装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007129805A Division JP4872795B2 (ja) 2007-05-15 2007-05-15 内燃機関の監視装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011052696A JP2011052696A (ja) 2011-03-17
JP4957930B2 true JP4957930B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=43941927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010278551A Active JP4957930B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 内燃機関の監視装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4957930B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11118527B2 (en) 2018-01-26 2021-09-14 Denso Corporation Internal combustion engine control system

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112014002955B4 (de) * 2013-11-13 2018-12-13 Honda Motor Co., Ltd. Antriebssteuervorrichtung und -verfahren für Primärantrieb
JP6269599B2 (ja) * 2015-06-30 2018-01-31 トヨタ自動車株式会社 エンジン制御装置
JP6717271B2 (ja) * 2017-07-28 2020-07-01 株式会社デンソー 内燃機関制御システム
JP6780600B2 (ja) * 2017-07-28 2020-11-04 株式会社デンソー 内燃機関制御システム
JP2019094873A (ja) * 2017-11-27 2019-06-20 株式会社デンソー 内燃機関制御システム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3351201B2 (ja) * 1995-10-13 2002-11-25 日産自動車株式会社 ディーゼルエンジンの制御装置
JP4085570B2 (ja) * 2000-11-13 2008-05-14 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両における熱機関の出力検出および診断
JP2005055967A (ja) * 2003-08-06 2005-03-03 Hitachi Ltd Cpu診断システム
JP2007085283A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Denso Corp 車両駆動システムの異常診断装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11118527B2 (en) 2018-01-26 2021-09-14 Denso Corporation Internal combustion engine control system

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011052696A (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4831015B2 (ja) 内燃機関の異常診断装置
JP4957930B2 (ja) 内燃機関の監視装置
JP4872795B2 (ja) 内燃機関の監視装置
US7934418B2 (en) Abnormality diagnosis device of intake air quantity sensor
JP2007262945A (ja) 排出ガスセンサの異常診断装置
JP4242299B2 (ja) 可変バルブ装置の異常診断装置
JP2005299511A (ja) エンジンの失火検出装置及びエンジンの燃焼制御装置
JP2000054906A (ja) エンジンの診断装置
JP2009121303A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2009036022A (ja) 内燃機関の異種燃料混入判定装置
JP2010043531A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2012077646A (ja) クランク角検出システムの異常診断装置
JP2005188309A (ja) スロットル系の異常判定装置
JP4827022B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2009036023A (ja) 内燃機関の異種燃料混入判定装置
JP4131397B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4475207B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008138579A (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP4210940B2 (ja) 吸気系センサの異常診断装置
WO2007091458A1 (ja) 内燃機関の燃焼状態判定方法
JP2006097698A (ja) エンジンの診断装置
JP2013015105A (ja) 内燃機関のノック判定装置
JP2009236003A (ja) クランク角センサの異常診断装置
JP2008297933A (ja) 燃料噴射量制御装置及び燃料噴射量制御システム
JP2009174361A (ja) 内燃機関の失火検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120306

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4957930

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250